JP6900618B2 - ロットサイズ決定方法、及びロットサイズ決定装置 - Google Patents
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Description
そのような製造設備の生産計画を立てる場合、段取りコストをなるべく小さくするために、連続して同じ品種をつくる生産計画が用いられる。つまり、品種Aの製造を続け、その後に品種B、品種Cの順に製造をおこない、一巡後、再度、品種Aを製造するという生産計画が基本となる。
そのため、品種Aのロットサイズは最大化が図られることとなるが、逆に制約となる条件も生じてくる。制約となる条件としては2条件がある。ひとつは、1つ目の制約条件は顧客への納期である。2つ目の制約条件は、製造設備の前にあるヤード(保管エリア)の容量である。
すなわち、本発明は、2つ目の制約条件である「製造設備の前にあるヤードの容量」を適切に勘案しつつ、ロットサイズを決定方法、及びその決定装置に関する技術を提供しようとするものである。
具体的には、製造設備Xの前にあり、製造設備Xで加工する半製品を保存するヤードを、製造設備Xの「前ヤード」と呼ぶ。前ヤードには、Q個の半製品がストック可能なものとする。ロットサイズが大きいと、様々な品種の半製品が前ヤードにストックされることとなり、前ヤードに載置可能な容量を超えることとなる。
なお、前ヤードにストックされる製品の量(ヤード容量Q)は一定ではない。例えば、別製造設備の半製品や、製造設備の部品などが一時的に置かれる事があるため、ヤード容量Qは変動することが一般的である。
このような各品種のロットサイズを決定に関しては、従来は熟練の生産計画立案者の経験と勘に依存していた。とはいえ、適切なロットサイズの決定に失敗し、製造設備Xの前工程である製造設備Wの停止や、製造設備Xで処理される半製品を全く別のヤードで保管する「横持ち」が発生しており、製造ロスが発生していた。
特許文献1は、商品の販売実績を商品ごとに記憶する販売実績データベースと、商品に関するパラメータを商品ごとに記憶する商品パラメータデータベースと、販売実績データベースおよび商品パラメータデータベースのいずれか一方または両方に接続され、販売実績および商品パラメータのいずれか一方または両方に基づいて、商品の販売量を予測する商品販売量予測装置と、商品販売量予測装置および商品パラメータデータベースに接続され、商品販売量予測装置が予測した販売量および商品パラメータに基づいて、商品を受け取る最適ロットサイズを決定する最適ロットサイズ決定装置とを含む構成を開示する。この構成により、商品販売量の予測値に応じてリアルタイムにコストの和を最小とするようにロットサイズを最適化するものとしている。
本発明は、上述の問題に鑑み、「製造設備の前にあるヤードの容量」を適切に勘案しつつ、ロットサイズを適切に決定することを可能とするロットサイズ決定方法、及び決定装置を提供することを目的とする。
本発明にかかるロットサイズ決定方法は、所定の処理を行う製造設備と、前記製造設備の前に配備され且つ当該製造設備にて処理が行われる複数の対象製品が一時的に貯留される前ヤードとを備えた生産ラインにおいて、
前記前ヤードの貯留量を超えることなく処理可能な、複数の対象製品のそれぞれの最大量であるロットサイズを求めるにあたり、
(1)複数の品種Si(i =1、2、 … P)に対して、その前工程での生産性In(Si)、当該製造設備での生産性Out(Si)を利用者が入力及び記録するとともに、品種別の前工程生産性、当該製造設備生産性の入力及び記録を行い、
(2)各品種Siの目標生産量Miを利用者が入力するとともに、品種別の目標生産量Miの入力及び記録を行い、
(3)当該製造設備の前ヤードでの中間製品容量Qを利用者が入力するとともに、半製品容量入力及び記録を行い、
(4)各品種の製造順序、及び減衰率Rを記録しておき、
(5)半製品許容量Qと各品種の目標生産量から、各品種の初期ロットサイズL(si)を決
定し、
(6)前記初期ロットサイズから、各品種の前工程での製造開始時刻、当該製造設備での製造開始時刻を導出し、
(7)前述した前工程製造開始時刻、当該製造設備製造開始時刻から、各品種における半製品在庫量の関数(変数:日)を導出し、
(8)前述した半製品在庫量関数から、総半製品在庫量の関数(変数:日)を導出し、
(9)前述した総半製品在庫量の関数から、総半製品量最大値Hmaxを導出し、
(10)総半製品量最大値Hmaxと半製品許容量Qを比べて、後者が大きければ、その時の各品種Siのロットサイズとして出力し、そうでない場合は、L(si)= L(si)×Rとして、(6)〜(9)における装置での計算を繰り返すことで、各品種Siのロットサイズとして出力する終了判定及び繰り返し計算を行う、ことを特徴とする。
前記前ヤードの貯留量を超えることなく処理可能な、複数の対象製品のそれぞれの最大量であるロットサイズを求めるにあたり、
(1)複数の品種Si(i =1、2、 … P)に対して、その前工程での生産性In(Si)、当該製造設備での生産性Out(Si)を利用者が入力乃至は記録する装置と、品種別の前工程生産性、当該製造設備生産性の入力、記録装置を有し、
(2)各品種Siの目標生産量、Mi を、利用者が入力し、それを記録する装置である品種別の目標生産量Miの入力、記録装置を有し、
(3)当該製造設備の前ヤードでの中間製品容量Qを利用者が入力し、それを記録する装置である半製品容量入力、記録装置を有し、
(4)各品種の製造順序、及び減衰率Rを記録しておく装置である各種パラメータ記録装置を有し、
(5)半製品許容量Qと各品種の目標生産量から、各品種の初期ロットサイズL(si)を決定する装置である初期ロットサイズ導出装置を有し、
(6)前記初期ロットサイズから、各品種の前工程での製造開始時刻、当該製造設備での製造開始時刻を導出する装置である各品種の前工程製造開始時刻、当該製造設備での製造開始時刻決定装置を有し、
(7)前述した前工程製造開始時刻、当該製造設備製造開始時刻から、各品種における半製品在庫量の関数(変数:日)を導出する装置である各品種の半製品在庫量関数導出装置を有し、
(8)前述した半製品在庫量関数から、総半製品在庫量の関数(変数:日)を導出する装置である総半製品在庫量関数導出装置を有し、
(9)前述した総半製品在庫量の関数から、総半製品量最大値Hmaxを導出する装置である総半製品量最大値導出装置を有していて、
(10)総半製品量最大値Hmaxと半製品許容量Qを比べて、後者が大きければ、その時の各品種Siのロットサイズとして出力し、そうでない場合は、L(si)= L(si)×Rとして、(6)〜(9)における装置での計算を繰り返すことで、各品種Siのロットサイズとして出力する終了判定及び、繰り返し装置を有することを特徴とする。
本発明が適用させる設備、工程としては様々なものが考えられるが、その一つとして、製鉄所内における薄板工程が挙げられる。
薄板工程では、熱延設備及び冷延設備を経て、薄板コイルが製造される。製造されたコイルは、必要に応じて連続焼鈍設備(CAL)へと導入されるが、このCALの前に、CALに投入されるのを待つためのコイルが待機するエリア(前ヤード)が存在する。
本発明は、この制約条件である「製造設備の前にあるヤードの容量」を適切に勘案しつつ、ロットサイズを決定方法、及びその決定装置に関する技術を提供しようとするものである。
ここで、説明を簡易化するために、製造設備Xでは、3種類の品種A、B、Cが製造されるものとする。その上で、品種Aを考える。図1や図3に示す如く、品種Aを製造設備Xで製造する際の材料となる半製品は、前工程の製造設備で製造されて、製造設備Xの前ヤード内に蓄積され徐々に増加する。なお、この前工程の製造設備は、1基の場合もあれば複数種類ある場合もある、また、各品種によって異なる製造設備が用いられる場合もある。
そして、品種Aの製造(品種Aの製造設備Xでの処理)が開始されると、前ヤード内における品種Aの半製品の数は減少していく。従って、製造設備Xでの前ヤードにおける、品種Aの半製品数をHA(d)(d:日数)で表すと図1に示すグラフとなる。
ここで、In(*)、Out(*)、 ロットサイズL(*)(*:A、B、C)が表1で与えられる場合を考える。
ロットサイズは品種A、 B、 Cのある期間の総生産量から求められる。それを何回の製造機会に分割して製造するかによって決定されるものである。従って、品種AのロットサイズをN倍にする場合、製造チャンスがN分の1回になる事を意味する。従って、他の品種のロットサイズもN倍となる。
図4に示す如く、この場合、半製品在庫の総和の最大値は、d=6日、13日、20日の場合にとる値である、112個(品種Bの半製品100個、品種Cの半製品12個)となる。なお、各品種の半製品数を示す日(d)の関数の式を表2に示す。
したがって、総半製品数の最大値を100以下とするには、各品種のロットサイズを、100/112倍して、少数点以下を切り捨てればよい事になる。かかる計算を行った結果、即ち、ロットサイズは、品種Aは44個、品種Bは89個、品種Cは17個となる。
図5においては、製品種類数をA、B、Cの3種類として、前述した図1〜図4、表1、表2も利用しながら、発明の構成要素の働きを示す。
図5において、ブロックB1は「品種別の前工程生産性、当該製造設備生産性の入力、記録装置」を示す。このブロックB1は、前工程での種別の生産性の入力や記録、当該工程の品種別の生産性の入力や記録を行う。その結果は、表1のようなものとなる。
ブロックB3は「半製品容量入力、記録装置」を示す。このブロックB3は、前ヤードに設置できる半製品量の入力と記録を行う。半製品許容量Q=100とする。
ブロックB5は「初期ロットサイズ導出装置」を示す。このブロックB5は、前ヤードの半製品許容量Q=100から、最大生産量の品種Bの初期ロットサイズを100とする。そして、これは品種Bの目標生産量1000個の10分の1であるため、品種Aのロットサイズは目標生産量500個の10分の1で50個、品種Cは同様に20個をロットサイズとする。
ブロックB6は「各品種の前工程製造開始時刻、当該製造設備での製造開始時刻決定装置」を示す。このブロックB6には、ブロックB5の情報とブロックB1の情報がインプットされる。ブロックB6で行われる処理の例は以下の通りである。
例えば、当該製造設備での品種Aの製造期間は、ロットサイズ50を当該製造設備での生産速度50で割った値、即ち1日であり、また、前工程での半製品の製造期間はロットサイズ50を10個/日で割った値5日となる。
これらは各品種の1回目の製造チャンスでの、前工程と当該製造設備での製造開始時刻、終了時刻であるが、2回目以降の製造チャンスも同様に求める事ができる。
ブロックB7で算出された半製品在庫量の関数形は、ブロックB8へ入力され、ブロックB8では、総半製品在庫量を示す関数が導出できる。ブロックB8は「総半製品在庫量関数導出装置」を示しており、各品種の半製品在庫量関数は、全て日(d)の関数となっている。従って、それらの和をとれば、総半製品在庫量を示す関数が導出できることになり、その結果の一例が図4に示すものである。
ブロックB10は終了判定及び、繰り返し装置であり、計算の解が得られる部分である。ブロックB10には、ブロックB9で得られた情報とブロックB5で得られた情報が入力され、前ヤードに貯留可能な総半製品量最大値が算出される。具体的には、総半製品量最大値が、半製品容量Q=100よりも小さくなるまで、ロットサイズに減衰率ずつ減じて乗じていけば、品種Aのロットサイズ44個、品種Bのロットサイズ89個、品種Cのロットサイズ17個の場合に、総半製品量最大値が100を下回るので、これが解となる。すなわち、品種A、B、Cの総生産量かロットサイズ、生産期間が決定されることとなる。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
B2 品種別の目標生産量Miの入力、記録装置
B3 半製品容量入力、記録装置
B4 各種パラメータ記録装置
B5 初期ロットサイズ導出装置
B6 各品種の前工程製造開始時刻、当該製造設備での製造開始時刻決定装置
B7 各品種の半製品在庫量関数導出装置
B8 総半製品在庫量関数導出装置
B9 総半製品量最大値導出装置
B10 終了判定及び、繰り返し装置
Claims (2)
- 所定の処理を行う製造設備と、前記製造設備の前に配備され且つ当該製造設備にて処理が行われる複数の対象製品が一時的に貯留される前ヤードとを備えた生産ラインにおいて、
前記前ヤードの貯留量を超えることなく処理可能な、複数の対象製品のそれぞれの最大量であるロットサイズを求めるにあたり、
(1)複数の品種Si(i =1、2、 … P)に対して、その前工程での生産性In(Si)、当該製造設備での生産性Out(Si)を利用者が入力及び記録するとともに、品種別の前工程生産性、当該製造設備生産性の入力及び記録を行い、
(2)各品種Siの目標生産量Miを利用者が入力するとともに、品種別の目標生産量Miの入力及び記録を行い、
(3)当該製造設備の前ヤードでの中間製品容量Qを利用者が入力するとともに、半製品容量入力及び記録を行い、
(4)各品種の製造順序、及び減衰率Rを記録しておき、
(5)半製品許容量Qと各品種の目標生産量から、各品種の初期ロットサイズL(si)を決定し、
(6)前記初期ロットサイズから、各品種の前工程での製造開始時刻、当該製造設備での製造開始時刻を導出し、
(7)前述した前工程製造開始時刻、当該製造設備製造開始時刻から、各品種における半製品在庫量の関数(変数:日)を導出し、
(8)前述した半製品在庫量関数から、総半製品在庫量の関数(変数:日)を導出し、
(9)前述した総半製品在庫量の関数から、総半製品量最大値Hmaxを導出し、
(10)総半製品量最大値Hmaxと半製品許容量Qを比べて、後者が大きければ、その時の各品種Siのロットサイズとして出力し、そうでない場合は、L(si)= L(si)×Rとして、(6)〜(9)における装置での計算を繰り返すことで、各品種Siのロットサイズとして出力する終了判定及び繰り返し計算を行う、
ことを特徴とするロットサイズ決定方法。 - 所定の処理を行う製造設備と、前記製造設備の前に配備され且つ当該製造設備にて処理が行われる複数の対象製品が一時的に貯留される前ヤードとを備えた生産ラインにおいて
、
前記前ヤードの貯留量を超えることなく処理可能な、複数の対象製品のそれぞれの最大量であるロットサイズを求めるにあたり、
(1)複数の品種Si(i =1、2、 … P)に対して、その前工程での生産性In(Si)、当該製造設備での生産性Out(Si)を利用者が入力乃至は記録する装置と、品種別の前工程生産性、当該製造設備生産性の入力、記録装置を有し、
(2)各品種Siの目標生産量、Mi を、利用者が入力し、それを記録する装置である品種別の目標生産量Miの入力、記録装置を有し、
(3)当該製造設備の前ヤードでの中間製品容量Qを利用者が入力し、それを記録する装置である半製品容量入力、記録装置を有し、
(4)各品種の製造順序、及び減衰率Rを記録しておく装置である各種パラメータ記録装置を有し、
(5)半製品許容量Qと各品種の目標生産量から、各品種の初期ロットサイズL(si)を決定する装置である初期ロットサイズ導出装置を有し、
(6)前記初期ロットサイズから、各品種の前工程での製造開始時刻、当該製造設備での製造開始時刻を導出する装置である各品種の前工程製造開始時刻、当該製造設備での製造開始時刻決定装置を有し、
(7)前述した前工程製造開始時刻、当該製造設備製造開始時刻から、各品種における半製品在庫量の関数(変数:日)を導出する装置である各品種の半製品在庫量関数導出装置を有し、
(8)前述した半製品在庫量関数から、総半製品在庫量の関数(変数:日)を導出する装置である総半製品在庫量関数導出装置を有し、
(9)前述した総半製品在庫量の関数から、総半製品量最大値Hmaxを導出する装置である総半製品量最大値導出装置を有していて、
(10)総半製品量最大値Hmaxと半製品許容量Qを比べて、後者が大きければ、その時の各品種Siのロットサイズとして出力し、そうでない場合は、L(si)= L(si)×Rとして、(6)〜(9)における装置での計算を繰り返すことで、各品種Siのロットサイズとして出力する終了判定及び、繰り返し装置を有する
ことを特徴とするロットサイズ決定装置。
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JP2017144790A JP6900618B2 (ja) | 2017-07-26 | 2017-07-26 | ロットサイズ決定方法、及びロットサイズ決定装置 |
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JP2017144790A Active JP6900618B2 (ja) | 2017-07-26 | 2017-07-26 | ロットサイズ決定方法、及びロットサイズ決定装置 |
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