JP6899748B2 - 移動体の冷却システム - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、地上に駐機した航空機に対し、機体に冷風供給ダクトを接続して冷風を供給する冷房装置が開示されている。特許文献2には、航空機に搭載され、熱移動媒体として水を用いた冷却システムが開示されている。
また、移動体に冷却設備を搭載する方式は、搭載用のスペースを必要とし、かつ重量が増加するため、移動体のコンパクト化に反する。
移動体に入口接続部と出口接続部とを有し、前記入口接続部と前記出口接続部との間に延在する第1冷媒流路と、
被冷却対象物が前記第1冷媒流路を流れる冷媒によって冷却される熱交換部と、
前記熱交換部と前記出口接続部との間に設けられ、吸着材または吸収剤が収容された容器と、
前記熱交換部と前記第1冷媒流路における前記容器との接続点との間に設けられた圧力調整弁と、
を備える。
また、蒸発した冷媒ガスの圧力が上記圧力調整弁の設定値に達すると、該圧力調整弁が開き、冷媒ガスは上記容器に収容された吸着材又は吸収剤に吸着又は吸収されるので、熱交換部の冷媒ガス圧を安全な低圧に保持できる。
前記容器は、前記吸着材または前記吸収剤を加熱する加熱器を有する。
上記(2)の構成によれば、必要時に上記加熱器で容器に貯留された冷媒ガスを加熱することで、冷媒ガスを吸着材又は吸収剤から脱離させ、冷媒ガスの捕捉能力を回復できる。
前記容器は、外周面に熱交換フィンを有する。
上記(3)の構成によれば、冷媒ガスを吸着又は吸収することで生じた熱は上記熱交換フィンにより外部へ放出することで、冷媒ガスを速やかに捕捉できる。また、捕捉した冷媒ガスを放出するときは、熱交換フィンから外気の熱を取り込み、容器に捕捉された冷媒ガスを加熱することで、容器から脱離することができる。
前記熱交換部と前記接続点との間に設けられる複数の並列流路を含み、
前記並列流路のうちの1つに前記圧力調整弁が設けられ、前記並列流路のうちの他の流路に開閉弁を備える。
上記(4)の構成によれば、上記入口接続部及び上記出口接続部を介して移動体外の冷却設備と接続されたとき、上記熱交換部で蒸発した冷媒ガスは上記開閉弁を開くことで冷却設備に戻すことができる。これによって、代わりに熱交換部への冷媒液の導入が可能になる。また、外部冷却設備と切り離されたときは、該開閉弁を閉じることで、圧力調整弁による被冷却対象の温度制御が可能となる。
前記移動体外に設けられ前記入口接続部および出口接続部に着脱可能な接続部を有し、前記第1冷媒流路に接続されて冷媒循環路を形成可能な第2冷媒流路と、
前記第2冷媒流路に設けられる冷凍サイクル構成機器と、
を備える冷凍機を含み、
前記冷凍サイクル構成機器は、
冷媒ガスを圧縮するための圧縮機と、
前記圧縮機で圧縮された前記冷媒ガスを凝縮させるための凝縮器と、
前記凝縮器で凝縮された冷媒液を減圧するための膨張弁と、
を含む。
前記冷凍サイクル構成機器は、
前記圧縮機の上流側で前記第2冷媒流路が接続され、かつ、前記膨張弁の下流側で前記第2冷媒流路が接続される低圧レシーバを含む。
上記(6)の構成によれば、上記冷凍機が上記低圧レシーバを有することで、第1冷媒流路から第2冷媒流路への冷媒ガスの受け入れ時期及び受け入れ量、及び第1冷媒流路から第2冷媒流路への冷媒液の供給時期及び供給量の自由度を広げることができる。
前記第1冷媒流路と前記第2冷媒流路とが接続されたとき、前記吸着材または前記吸収剤に吸着または吸収された冷媒ガス、及び前記熱交換部に溜まった冷媒ガスを前記低圧レシーバに戻すと共に、
前記低圧レシーバに貯留された冷媒液を前記第1冷媒流路に供給するように構成される。
上記(7)の構成によれば、第1冷媒流路から第2冷媒流路への冷媒ガスの受け入れ及び第2冷媒流路から第1冷媒流路への冷媒液の供給を、内部が低圧の低圧レシーバを介して行うので、支障なく円滑に行うことができる。
前記第1冷媒流路の前記入口接続部および前記出口接続部と前記第2冷媒流路の前記接続部とを着脱可能に接続するためのムシ押し式継手を備える。
上記(8)の構成によれば、第1冷媒流路の前記入口接続部および前記出口接続部と前記第2冷媒流路の前記接続部とに上記ムシ押し式継手を備えることで、上記接続部の切り離しと同時に上記接続部が閉じられるので、冷媒の外部への漏れを抑制できる。
前記容器に充填される前記吸着材または前記吸収剤の充填量は、
前記熱交換部における冷媒液が全量蒸発しても前記容器内の冷媒ガスの圧力が前記圧力調整弁の設定圧力を超えないように設定される。
上記(9)の構成によれば、熱交換部の冷媒液が全量蒸発しても容器内の冷媒ガス圧を低く保つことができるので、冷却システムを最後まで正常に作動させることができる。従って、熱交換部に貯留された冷媒液による冷却能力を最大限に利用できる。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」および「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一つの構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、または「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
移動体には吸着材又は吸収剤を収容した容器22が設けられ、容器22は熱交換部20と出口接続部16との間の冷媒流路12に設けられる。圧力調整弁24が熱交換部20と冷媒流路12における容器22との接続点との間に設けられる。
また、熱交換部20において蒸発した冷媒ガスの圧力が圧力調整弁24の設定値に達すると、圧力調整弁24が開き、冷媒ガスは容器22に流れ、容器22に収容された吸着材又は吸収剤に捕捉されるので、熱交換部20の冷媒ガス圧を安全な低圧に保持できる。
この実施形態によれば、必要時に加熱器28で容器22に貯留された冷媒ガスを加熱することで、冷媒ガスを吸着材又は吸収剤から脱離させ、容器22から放出することができる。例えば、図2に示すように、冷媒流路12が地上側の冷却設備と接続され、容器22内に捕捉された冷媒ガスを地上側の冷却設備に戻すとき、必要に応じて加熱器28で吸着材又は吸収剤を加熱することで、吸着材又は吸収剤から冷媒ガスを脱離させ、地上側の冷却設備に戻すことができる。
この実施形態によれば、熱交換フィン30を介して外気と容器内の吸着材又は吸収剤とを熱交換させることができる。冷媒ガスを吸着材又は吸収剤に吸着又は吸収させる際には熱が発生する。この発熱は熱交換フィン30により外部へ放出することで、冷媒ガスを速やかに捕捉できる。また、吸着材又は吸収剤に捕捉された冷媒ガスを脱離させるときは、熱エネルギを必要とする。この熱源として熱交換フィン30を介して容器内に外気の熱を取り入れ、吸着材又は吸収剤を加熱する。これによって、冷媒ガスを容器22から放出し地上側の冷却設備に戻すことができる。
このように、加熱器28及び熱交換フィン30を備えることで、冷媒ガスの捕捉と脱離とを繰り返し行うことができる。
また、吸収剤と冷媒との組み合わせとして、例えば、吸収剤としての臭化リチウムと冷媒としての水との組み合わせ、あるいは、吸収剤としての水と冷媒としてのNH3との組み合わせ等が適用できる。
一実施形態では、移動体は航空機、自動車、電車、重機などの建設機械、船舶、フォークリフトなどの産業用運搬車両等であり、被冷却対象物18はこれら移動体に搭載された電子機器などの発熱体である。また、被冷却対象物18が移動体の室内の空調である場合、熱交換部20は、冷媒と室内空気とを熱交換する熱交換器を構成する。
上記冷凍サイクル構成機器は、冷媒ガスを圧縮するための圧縮機40と、圧縮機40で圧縮された冷媒ガスを凝縮させるための凝縮器42と、凝縮器42で凝縮された冷媒液を減圧するための膨張弁44と、を有する。
図1に示すように、冷媒流路12が入口接続部14及び出口接続部16を介して移動体外の冷媒流路34と接続されたとき、止め弁50が開放される。止め弁50が開放されることで、熱交換部20に溜まった冷媒ガスは止め弁50を介して出口接続部16から冷凍機32に回収される。容器22に捕捉された冷媒ガスも同様に出口接続部16を介して冷凍機32に回収される。
この実施形態によれば、冷媒流路12から冷媒流路34への冷媒ガスの受け入れ時期及び受け入れ量、及び冷媒流路34から冷媒流路12への冷媒液の供給時期及び供給量の自由度を広げることができる。
この実施形態によれば、冷媒流路12から冷凍機32への冷媒ガスの受け入れ、及び冷凍機32からの冷媒流路12への冷媒液の供給を内部が低圧の低圧レシーバ52を介して行うので、冷媒ガス及び冷媒液の授受を支障なくかつ円滑に行うことができる。
この実施形態によれば、入口接続部14と接続部36及び出口接続部16と接続部38がムシ押し式継手で構成されることで、これら接続部の切り離しと同時に接続部を閉じられるので、冷媒の外部への漏れを抑制できる。
この実施形態によれば、熱交換部20の冷媒液が全量蒸発しても容器内の冷媒ガスの圧力が圧力調整弁24の設定圧力を超えないので、熱交換部20の冷媒液が全量蒸発した後でも冷却システム10を継続して最後まで正常に作動させることができる。また、熱交換部20の冷媒液が全量蒸発することで、熱交換部20に貯留された冷媒液の蒸発潜熱による冷却能力を最大限に利用できる。
図3において、ラインAは熱交換部20の冷媒ガス圧を示し、ラインBは容器内の冷媒ガス圧を示す。また、縦軸のPlは低圧レシーバ52の内部圧力であり、Psは圧力調整弁24の設定圧力である。
なお、容器内の冷媒ガス圧がラインB’であって、時間t1で熱交換部20の冷媒液の全量が蒸発したとき、その後容器内の冷媒ガス圧は増加せず一定圧となる。
こうして、冷却システム10を継続して正常運転させることができる。
12 冷媒流路(第1冷媒流路)
14 入口接続部
16 出口接続部
18 被冷却対象物
20 熱交換部
22 容器
24 圧力調整弁
26 吸着材
28 加熱器
30 熱交換フィン
32 冷凍機
34 冷媒流路(第2冷媒流路)
36、38 接続部
40 圧縮機
42 凝縮器
44 膨張弁
46 冷媒ポンプ
48 接続点
50 止め弁(開閉弁)
52 低圧レシーバ
Pl 熱交換部冷媒ガス圧
Ps 圧力調整弁設定圧
b 境界
r 冷媒
Claims (9)
- 移動体に入口接続部と出口接続部とを有し、前記入口接続部と前記出口接続部との間に延在する第1冷媒流路と、
被冷却対象物が前記第1冷媒流路を流れる冷媒によって冷却される熱交換部と、
前記熱交換部と前記出口接続部との間に設けられ、吸着材または吸収剤が収容された容器と、
前記熱交換部と前記第1冷媒流路における前記容器との接続点との間に設けられた圧力調整弁と、
を備えることを特徴とする移動体の冷却システム。 - 前記容器は、前記吸着材または前記吸収剤を加熱する加熱器を有することを特徴とする請求項1に記載の移動体の冷却システム。
- 前記容器は、外周面に熱交換フィンを有することを特徴とする請求項1または2に記載の移動体の冷却システム。
- 前記熱交換部と前記接続点との間に設けられる複数の並列流路を含み、
前記並列流路のうちの1つに前記圧力調整弁が設けられ、前記並列流路のうちの他の流路に開閉弁を備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の移動体の冷却システム。 - 前記移動体外に設けられ前記入口接続部および前記出口接続部に着脱可能な接続部を有し、前記第1冷媒流路に接続されて冷媒循環路を形成可能な第2冷媒流路と、
前記第2冷媒流路に設けられる冷凍サイクル構成機器と、
を備える冷凍機を含み、
前記冷凍サイクル構成機器は、
冷媒ガスを圧縮するための圧縮機と、
前記圧縮機で圧縮された前記冷媒ガスを凝縮させるための凝縮器と、
前記凝縮器で凝縮された冷媒液を減圧するための膨張弁と、
を含むことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の移動体の冷却システム。 - 前記冷凍サイクル構成機器は、
前記圧縮機の上流側で前記第2冷媒流路が接続され、かつ、前記膨張弁の下流側で前記第2冷媒流路が接続される低圧レシーバを含むことを特徴とする請求項5に記載の移動体の冷却システム。 - 前記第1冷媒流路と前記第2冷媒流路とが接続されたとき、前記吸着材または前記吸収剤に吸着または吸収された冷媒ガス、及び前記熱交換部に溜まった冷媒ガスを前記低圧レシーバに戻すと共に、
前記低圧レシーバに貯留された冷媒液を前記第1冷媒流路に供給するように構成されることを特徴とする請求項6に記載の移動体の冷却システム。 - 前記第1冷媒流路の前記入口接続部および前記出口接続部と前記第2冷媒流路の前記接続部とを着脱可能に接続するためのムシ押し式継手を備えることを特徴とする請求項5乃至7の何れか一項に記載の移動体の冷却システム。
- 前記容器に充填される前記吸着材または前記吸収剤の充填量は、
前記熱交換部における冷媒液が全量蒸発しても前記容器内の冷媒ガスの圧力が前記圧力調整弁の設定圧力を超えないように設定されることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の移動体の冷却システム。
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