JP6899734B2 - 分離装置 - Google Patents

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本発明は、メタンハイドレート層からのメタンガスの生産に用いられる分離装置に関する。
メタンハイドレート開発を含むガス田開発や油田開発等の資源開発では、生産井内から産出される混合流体には、メタンガス等の回収流体のほかに水や砂も含まれる。
特に大水深での資源開発において、産出される混合流体を洋上の浮遊式プラットホームに上げたり、陸上まで海底パイプラインで移送したりすると、不要な水や砂まで遠方に送ることになる。この場合には、資源開発コストの増大を招く。そこで、海中及び水中で水や砂と回収流体とを分離することが求められる。
下記特許文献1は、海中及び水中で混合流体からメタンガスを分離する分離装置を開示する。特許文献1に開示される分離装置は、混合流体が流入する本体容器と、熱媒体により本体容器内を加熱する加熱部とを備える。混合流体は、本体容器内で、メタンガスと、水や砂とに分離される。さらに、本体容器内に存在するメタンハイドレートを加熱部で加熱することにより、再ハイドレート環境下に陥ることを防止する。メタンガスは、本体容器の上方に設けられる排気管から回収される。水や砂は、一部が海底に排出される。
特開2016−215151号公報
メタンハイドレート層からメタンガスの生産を行う方法として、減圧法を利用することが考えられる。この場合、生産井からの混合流体には、メタンガスの他に水や砂が含まれる。また、生産井から本体容器に流入する混合流体は様々な流動様式(例えば、気泡流、スラグ流、環状流又は層状流、環状噴霧流、噴霧流)を呈する。これは発生する混合ガスが一定ではなく変動する事に起因する。このように混合流体の流動様式が変動したり、流量が変動したりすると、セパレータの分離効率が著しく低下し、排気管へ流体を多く同伴した混合流体が排出される。この場合排気管の圧力損失が増えるばかりでなく、排気管内でメタンハイドレートが再生成し、排気管の管壁などに付着することで圧力損失をさらに増加させる等の問題が発生する。このため、流動様式や流量が変動する混合流体から気体を安定的に分離回収できる分離装置が求められる。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、メタンハイドレート層からのメタンガスの生産において、流動様式が変動する混合流体から、気体を安定的に分離回収できる分離装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る分離装置は、メタンハイドレート層からのメタンガスの生産に用いられ、気体と液体とを含む混合流体から前記気体を分離する分離装置であって、水底に配置される本体容器と、前記本体容器に接続され、前記混合流体が前記本体容器の内部で旋回流を形成するように、前記混合流体を前記本体容器の内部に流入させ、前記混合流体から前記液体の一部が除去された中間生産流体を前記本体容器内に生成する流入管と、前記本体容器の内部に設けられ、前記中間生産流体が供給される供給口を有し、前記中間生産流体から前記気体を分離する複数の分離器と、前記本体容器における前記複数の分離器の上方に設けられ、分離された前記気体を前記本体容器から排気する排気管と、前記排気管に設けられる圧力調整弁と、前記本体容器に接続され、前記混合流体から分離された前記液体を外部に吐出する吐出ポンプと、前記本体容器に貯留された前記液体の液面の位置を測定する液面測定部と、前記液面測定部の測定結果に基づき、前記液面が前記複数の分離器のうち少なくとも一つの分離器の前記供給口よりも低くなるように前記吐出ポンプの吐出量を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
圧力調整弁にて本体容器の内部の圧力制御を行い、吐出ポンプ及び液面測定部にて液面レベル制御を行う。具体的には、圧力調整弁により、本体容器の内部を設定圧まで減圧する。更に吐出ポンプにより本体容器に貯留された液体を外部に排出する。これにより、生産井内の混合流体を容易に吸い上げ、本体容器の内部に安定して流入させることができる。また、生産井内の混合流体を吸い上げることにより、生産井内の減圧状態を維持することができる。
また、生産井からの混合流体がいかなる流動様式であったとしても、分離器へは、混合流体から液体の一部が除去された中間生産流体が供給される。分離器に供給される中間生産流体の流動様式は、混合流体の流動様式によらない一定の様式となるため、分離器により、中間生産流体から気体を安定的に分離できる。したがって、本発明の分離装置によれば、流動様式が変動する混合流体から、気体を安定的に分離回収できる。
また、制御部は、液面測定部の測定結果に基づき、分離器のうち少なくとも一つには中間生産流体が供給可能となるように吐出ポンプの吐出量を制御する。したがって、分離装置を確実に作動させることができる。
本発明に係る分離装置は、メタンハイドレート層からのメタンガスの生産に用いられ、気体と液体とを含む混合流体から前記気体を分離する分離装置であって、水底に配置される本体容器と、前記本体容器に接続され、前記混合流体を前記本体容器の内部に流入させ、前記混合流体から前記液体の一部が除去された中間生産流体を前記本体容器内に生成する流入管と、前記本体容器の内部に設けられ、前記中間生産流体が供給される供給口を有し、前記中間生産流体から前記気体を分離する複数の分離器と、前記本体容器における前記複数の分離器の上方に設けられ、分離された前記気体を前記本体容器から排気する排気管と、前記排気管に設けられる圧力調整弁と、前記本体容器に接続され、前記混合流体から分離された前記液体を外部に吐出する吐出ポンプと、前記本体容器に貯留された前記液体の液面の位置を測定する液面測定部と、前記液面測定部の測定結果に基づき、前記液面が前記複数の分離器のうち少なくとも一つの分離器の前記供給口よりも低くなるように前記吐出ポンプの吐出量を制御する制御部と、を備え、前記本体容器は、上下方向に延びる筒状に形成され、前記流入管は、前記本体容器の上面視において、前記本体容器の内周の接線方向に延びるように前記本体容器に接続されることを特徴とする
この場合、流入管から本体容器の内部に流入した混合流体は、慣性力により本体容器の内壁に沿って流動し、旋回流を形成する。旋回流により、混合流体から固体と液体のうちの液塊や大きな液滴とが除去(分離)される一次分離が行われ、中間生産流体が生成される。また、中間生産流体が上昇流に従って上昇する間に、中間生産流体中の液滴が重力により自由落下する二次分離が行われる。この結果、分離器には、気体と、微細な霧状の液体とを有する中間生産流体が供給される。すなわち、分離器に供給される二次分離後の中間生産流体の流動様式を、分離器により効果的に分離可能な噴霧流状態とすることができる。したがって、流動様式が変動する混合流体から、気体をより安定的に分離回収できる。
また、混合流体を本体容器の内壁に沿って旋回させるため、中間生産流体は、本体容器内に周方向に均等に分散される。したがって、複数の分離器に、中間生産流体を均等に供給することができる。
また、混合流体は、本体容器の内壁に沿って旋回しつつ、徐々に下降する。したがって、混合流体の向きを下方へ変更するための部材を別途設けることなく、流入管から流入された混合流体をスムーズに下方へ流動させることができる。
さらに、混合流体が旋回することにより、質量が大きい液体は慣性力で本体容器の内壁に押し付けられる。液体が本体容器の内壁と接すると、液体と本体容器の内壁との間で摩擦が生じ、液体は徐々に減速する。液体は減速した状態で液面に衝突するので、衝突による飛沫の生成が抑えられる。
本発明に係る分離装置において、上下方向に延びる筒状に形成され、前記本体容器の内部において前記複数の分離器を囲むように設けられる第1飛散防止部をさらに備え、前記制御部は、前記液面が前記第1飛散防止部の下端よりも低くなるように前記吐出ポンプの吐出量を制御してもよい。
混合流体がスラグ流である場合、混合流体が流入管から本体容器の内部に流入する際に、液塊である液体が後続する気体に押されて飛散し、飛沫が発生する。第1飛散防止部により、飛沫が分離器に直接供給されることを防止する。したがって、特定の分離器の処理負荷が増えることを防止できる。
また、流入管から本体容器の内部に流入した混合流体が、本体容器内で旋回流を形成することで中間生産流体を生成する場合には、流入管から流入した混合流体に含まれる気体が放射状に広がることで旋回流の形成が妨害され、混合流体から液体が効果的に分離されない可能性がある。しかしながら、混合流体は、本体容器と第1飛散防止部との間を通るため、第1飛散防止部により、流入管から流入した混合流体に含まれる気体が放射状に広がって、旋回流の形成を妨害してしまうことを防止できる。したがって、旋回流の形成を効果的に助長させ、旋回流により混合流体から液体を効果的に分離することが可能である。
また、液面を第1飛散防止部の下端よりも低くすることにより、混合流体が液面を潜らずに分離器の供給口に到達できる。
本発明に係る分離装置において、前記第1飛散防止部の下端は、前記複数の分離器の前記供給口より低くてもよい。
この場合、飛沫が、分離器の供給口に供給されてしまうことをより効果的に防止できる。
本発明に係る分離装置において、前記本体容器と前記第1飛散防止部との距離は、前記流入管の内径以下となってもよい。
この場合、飛沫を、本体容器と第1飛散防止部との間により確実に案内できる。したがって、飛沫が、分離器に供給されてしまうことをより効果的に防止できる。
本発明に係る分離装置において、上下方向に延びる筒状に形成され、前記複数の分離器の下方に設けられる第2飛散防止部をさらに備え、前記制御部は、前記液面が前記第2飛散防止部の上端と下端との間に位置するように前記吐出ポンプの吐出量を制御してもよい。
本体容器の内部へ流入した混合流体から除去された液体が液面に衝突する際に、衝突による飛沫が発生する場合がある。第2飛散防止部を設けることにより、液面と、本体容器の内壁と、第2飛散防止部とで3方向が閉ざされた空間に気流の淀みが形成される。衝突による飛沫が発生したとしても、飛沫はこの3方向が閉ざされた空間内に留まるため、飛沫が上昇流に従って上昇することを抑止できる。この結果、飛沫が分離器に供給されることを抑止でき、分離器の処理負荷の増加を抑止できる。
本発明に係る分離装置において、前記複数の分離器のそれぞれは、前記供給口が設けられる本体筒部と、前記本体筒部の下部に接続されて下方に延びる排出筒部と、を有し、前記制御部は、前記液面が前記排出筒部の下端よりも高くなるように前記吐出ポンプの吐出量を制御してもよい。
この場合、分離器により中間生産流体から分離された液体は、排出筒部の内部を通り、本体容器に貯留された液体まで導かれる。排出筒部が水封されることにより、中間生産流体を確実に供給口に導くことができ、また、分離器内に中間生産流体の旋回流を確実に形成することができる。すなわち、排出筒部が水封されていない場合、排出筒部の下端から本体筒部へと気体が侵入し、旋回流の形成を妨害する可能性がある。また、分離器により分離された液体が本体容器の内部で再度飛散することを防止できる。
本発明に係る分離装置において、前記排気管には、前記気体の排気量を測定する気体測定部が設けられ、前記複数の分離器のうち少なくとも2つの前記供給口の上下方向の位置が異なり、前記制御部は、前記液面測定部及び前記気体測定部の測定結果に基づき、前記吐出ポンプの吐出量を制御してもよい。
仮に気体の排気量が少ない場合には、液面を上昇させて下方に位置する分離器を水没させることで、中間生産流体が通過する分離器の個数を減少させる。一方、気体の排気量が多くなった場合には、液面を下げて、中間生産流体が通過する分離器の個数を増やす。これにより、分離器に入る中間生産流体の速度を一定範囲内に設定することができる。このように分離器に入る中間生産流体の速度を一定範囲内に設定することで、分離器により中間生産流体を気体と液体とに精度よく分離することができる。
本発明によれば、メタンハイドレート層からのメタンガスの生産において、流動様式が変動する混合流体から、気体を安定的に分離回収できる。
本発明の第1実施形態に係る分離装置の全体図である。 本発明の第1実施形態に係る本体容器の斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る本体容器の(a)図2に示すIII−III矢視断面図、及び(b)図3(a)の斜視図である。 海洋産出試験において、メタンハイドレート層から減圧法を利用して生産された(a)ガス生産量、及び(b)水生産量を示すグラフである。 本発明の第2実施形態に係る本体容器の断面図である。 本発明の第3実施形態に係る本体容器の斜視図である。 本発明の第3実施形態に係る本体容器の(a)図6に示すVII−VII矢視断面図、及び(b)図7(a)の斜視図である。 スラグ流の混合流体が本体容器内へ流入する場合の挙動を説明する図である。 本発明の第4実施形態に係る本体容器の断面図である。 本発明に係る分離器の一例としてのサイクロンセパレータの分離効率のシミュレーション結果を示すグラフである。
(第1実施形態)
以下、図1から図3を参照し、本発明の第1実施形態に係る分離装置1について説明する。
本実施形態に係る分離装置1は、海底(水底)E1よりも下方の地中E2に存在するメタンハイドレート層E3からのメタンガスの生産に用いられる。海底E1から下方に向かって延びる生産井E4が掘られる。生産井E4の下端部がメタンハイドレート層E3に到達するように生産井E4は形成される。生産井E4から、気体A(メタンガス)と、液体L(水)と、固体(砂)とが含まれる混合流体F1を、分離装置1へ流入させる。分離装置1により、混合流体F1から気体Aを分離する。
分離装置1は、本体容器2と、流入管3と、複数の分離器4と、排気管5と、排出管6と、圧力調整弁11と、吐出ポンプ12と、液面測定部14と、制御部15と、気体測定部16と、圧力計17と、を備える。
本体容器2は、生産井E4の近傍において海底E1に配置される。本体容器2は、上下方向に延びる筒状に形成される。
以下の説明では、容器本体2を上下方向から見た平面視において、本体容器2の中心軸線Oに直交する方向を径方向といい、中心軸線O回りに周回する方向を周方向という。
流入管3は、生産井E4から産出された混合流体F1を本体容器2の内部に流入させる。流入管3の一端は本体容器2と接続され、流入管3の他端は生産井E4と接続されている。なお、図1に示されるように、生産井E4内において、流入管3と生産井E4との間は、蓋30で封止されている。
図3に示されるように、流入管3は、本体容器2の上面視において、本体容器2の内周の接線方向に延びるように本体容器2に接続される。混合流体F1は、流入管3から本体容器2の内部に、本体容器2の内周の接線方向に沿って流入し、本体容器2の内壁に沿って流動して旋回流P1を形成する。この結果、混合流体F1から液体Lの一部及び固体が除去された中間生産流体F2が、本体容器2内に生成される。
分離器4は、中間生産流体F2から気体Aを分離する。本体容器2の内部には、複数(図示の例では、4基)の分離器4が設けられる。分離器4として、例えば、呼び径が80Aのサイクロンセパレータが用いられる。図10に、このようなサイクロンセパレータが4基設けられた本体容器2における分離効率のシミュレーション結果を示す。縦軸は、サイクロンセパレータにより分離された液体Lの液滴の径の最大値を示す。本体容器2の内部の圧力は2MPa、本体容器2の内部の温度は3℃とした。図10に示されるように、1基のサイクロンセパレータにつき一日あたり6250Smの気体Aが流入した場合、サイクロンセパレータにより分離された液体Lの液滴の径の最大値は11μm程度となる。1基のサイクロンセパレータにつき本体容器2の内部に一日あたり25000Smの気体Aが流入した場合、サイクロンセパレータにより分離された液体Lの液滴の径の最大値は7.2μm程度となる。
図2及び図3に示されるように、分離器4は、供給口4aと、本体筒部4bと、排出筒部4cと、を備える。
本体筒部4bは、上下方向に延びる筒状に形成される。本体筒部4bの周壁に供給口4aが設けられる。中間生産流体F2は、供給口4aから分離器4の内部に供給される。図3に示されるように、複数の分離器4は、それぞれの供給口4aが径方向の外側に位置するように配設される。それぞれの供給口4aは、互いに異なる方向を向いて開口している。複数の分離器4それぞれの供給口4aは、同じ方向を向いて開口していてもよい。
排出筒部4cは、上下方向に延びる筒状に形成される。排出筒部4cは、本体筒部4bの下方に接続される。排出筒部4cの下端部は、後述する液層部Sの液面Uの下方まで延び、水封状態となっている。
本体筒部4bは、排出筒部4cよりも大径に形成されており、本体筒部4b及び排出筒部4cは、互いに同軸に配置されている。図示の例では、排出筒部4cは、本体筒部4bよりも上下方向に長く形成されている。なお、排出筒部4cは、本体筒部4bよりも上下方向に短く形成されていてもよい。排出筒部4cは、本体筒部4bよりも大径に形成されていてもよい。また、本体筒部4bと排出筒部4cとの間に、上方から下方に向けて縮径するテーパ筒部が形成されていてもよい。また、本体筒部4b及び排出筒部4cは同軸に形成されていなくてもよい。
図2に示されるように、本体容器2は、収容室2aと、仕切り壁2bと、排気室2cとを備える。
仕切り壁2bは、径方向に沿って延び、複数の分離器4それぞれの上端開口縁と接続されている。仕切り壁2bは、複数の分離器4それぞれの内部と外部とを仕切っており、径方向の外端部において、本体容器2の内周面と接続されている。仕切り壁2bの下方に、収容室2aが形成され、仕切り壁2bの上方に、排気室2cが形成されている。
収容室2a内には、同心円上に配置された複数の分離器4が周方向に等間隔に収容されている。混合流体F1及び中間生産流体F2から分離された液体L及び固体は、収容室2a(すなわち、本体容器2の下部)に貯留される。これら液体L及び固体は、収容室2a内に液層部Sを形成する。なお、収容室2a内に、分離器4を径方向に等間隔に収容してもよい。また、収容室2a内に収容される分離器4の数量については、4基に限られず、任意に変更することが可能である。
排気室2c内には、分離器4により中間生産流体F2から分離され、本体筒部4b内を上昇した気体Aが流入する。この気体Aは、排気室2c内に気層部Rを形成する。
排気管5は、本体容器2における複数の分離器4の上方に設けられる。排気管5は、本体容器2の排気室2cに接続されている。排気管5は、分離器4により中間生産流体F2から分離され、排気室2c内に流入した気体Aを本体容器2から排気する。排気管5は本体容器2と同軸に配置されている。このため、排気室2c内に流入してきた気体Aは、排気室2c内に気層部Rを形成するとともに、排気管5より排気される。気体Aは、排気管5から洋上プラットホーム40へ送られる。なお、排気管5及び本体容器2は同軸に配置されていなくてもよい。
排出管6は、本体容器2における複数の分離器4の下方に設けられる。排出管6は、本体容器2の下端部において、収容室2aに接続されている。混合流体F1及び中間生産流体F2から分離され、収容室2a(すなわち、本体容器2の下部)に貯留された液体L及び固体は、収容室2a内に液層部Sを形成するとともに、排出管6を通して本体容器2の外部へ排出される。
圧力調整弁11は、排気管5に設けられる。圧力調整弁11は、排気管5に取り付けられた圧力計17の測定結果に基づき、本体容器2の内部の圧力を設定圧に調整する。すなわち、圧力調整弁11及び圧力計17にて、本体容器2の内部の圧力制御を行う。
吐出ポンプ12は、排出管6を介して、本体容器2の下端部に接続される。吐出ポンプ12は、混合流体F1から分離された液体Lを外部に吐出する。
本体容器2の周壁には、計測管13が接続されている。計測管13の一方の端部は本体容器2の上端部に、他方の端部は本体容器2の下端部に、それぞれ接続されている。計測管13の一方の端部は、収容室2aの上端部に接続されていてもよいし、排気室2cに接続されていてもよい。計測管13には、計測管13の液面の位置を検出することにより液層部Sの液面Uの位置を測定する液面測定部14が設けられている。すなわち、液面測定部14により、収容室2a内の液層部Sの貯留量が測定される。液面測定部14として、例えば、超音波液面計や、光センサ液面計を用いてもよい。
制御部15は、吐出ポンプ12及び液面測定部14と接続される。本実施形態において、制御部15は、液面測定部14の測定結果に基づき、吐出ポンプ12の吐出量を制御する。具体的には、制御部15は、液面Uが複数の分離器4のうち少なくとも一つの分離器の供給口4aよりも低くなり、かつ、液面Uが排出筒部4cの下端よりも高くなるように吐出ポンプ12の吐出量を制御する。
気体測定部16は、排気管5に設けられる。気体測定部16は、排気管5を流通する気体Aの排気量を測定する。
圧力計17は、排気管5に取り付けられ、排気管5の内部の圧力を測定する。なお、圧力計17は、液面Uよりも上方において本体容器2に取り付けられ、液面Uよりも上方における本体容器2の内部の圧力を測定してもよい。
次に、以上のように構成された分離装置1を用いて、混合流体F1から気体Aを分離する方法について説明する。
本実施形態においては、減圧法を利用して、メタンハイドレート層E3からメタンガスが生産される。減圧法とは、生産井E4内の圧力をメタンハイドレートの分解が生じる圧力レベルまで下げることにより、メタンハイドレート層E3からメタンガスを生産する方法である。なお、海底E1の水深は、例えば1000m程度であり、海底E1付近の圧力は、例えば10MPa程度である。生産井E4の深さは、例えば300m程度であり、生産井E4の底部付近の圧力は、例えば13MPa程度である。
まず、生産井E4内の混合流体F1を、流入管3を介して本体容器2の内部に流入させる。この際、圧力調整弁11の圧力(設定圧)を3MPaに設定することにより、本体容器2の内部の圧力を3MPaに減圧することができ、生産井E4内の混合流体F1を容易に吸い上げ、本体容器2の内部に安定して流入させることができる。なお、生産井E4からの混合流体F1には、気体A(メタンガス)と、液体L(水)と、固体(砂)とが含まれる。
また、生産井E4内の混合流体F1を吸い上げることにより、蓋30で密閉された生産井E4内の圧力が下がる。したがって、生産井E4内の減圧状態を維持することができる。また、この減圧の効果が、地中E2の地盤に伝わる。これにより、メタンハイドレート層E3の周辺の圧力も下がるため、メタンハイドレートの分解が促され、メタンガスの生産につながる。
図2に示されるように、流入管3は本体容器2の内周の接線方向に延びるため、混合流体F1は、流入管3から本体容器2の内部に、本体容器2の内周の接線方向に沿って流入する。混合流体F1は、慣性力により本体容器2の内壁に沿って流動し、旋回流P1を形成するとともに、徐々に下降する。旋回流P1により、混合流体F1に遠心力が加えられる。これにより、比重の大きい液体Lが、次第に本体容器2の径方向の外側に移動し、比重の小さい気体Aが、次第に本体容器2の径方向の内側に移動する。この結果、混合流体F1から固体と液体Lのうちの液塊や大きな液滴とが除去(分離)される一次分離が行われる。一次分離により除去される液体Lは、例えば数mm程度の径の液塊や大きな液滴である。
一次分離により除去された固体と液体Lのうちの液塊や大きな液滴とは、本体容器2の内壁に沿って旋回しつつ下降し、分離器4内に供給されることなく、収容室2a内の液層部Sに貯留される。
一次分離により、混合流体F1から固体と液体Lのうちの液塊や大きな液滴とが除去された中間生産流体F2が生成される。中間生産流体F2は、収容室2a内の上昇流P2に従って上昇し、いずれかの分離器4の供給口4aに至ることで、分離器4内に供給される。中間生産流体F2が上昇流P2に従って上昇する間に、中間生産流体F2における、例えば数百μm程度の径の液滴が重力により自由落下する二次分離が行われる。二次分離後の中間生産流体F2は、気体Aと、微細な霧状の液体Lとを有する。すなわち、分離器4に供給される二次分離後の中間生産流体F2の流動様式は、分離器4により分離可能な噴霧流状態となっている。
分離器4内に供給された二次分離後の中間生産流体F2は、本体筒部4bの内周面に沿って流動し、旋回流を形成する。この結果、中間生産流体F2に遠心力が加えられる。比重の大きい液体Lが、次第に本体筒部4bの径方向の外側に移動し、比重の小さい気体Aが、次第に本体筒部4bの径方向の内側に移動する。これにより、中間生産流体F2における気体Aと液体Lとが分離器4により分離される三次分離が行われる。三次分離により分離される液体Lは、例えば数μm〜数十μm程度の径の液滴である。
三次分離により分離された液体Lは本体筒部4bの内周面に沿って流下してゆき、排出筒部4cを通して、収容室2a内の液層部Sに貯留される。また、気体Aは、本体筒部4b内を上昇して排気室2c内に流入し、排気室2c内に気層部Rを形成するとともに、排気管5より排気される。気体Aは、排気管5から洋上プラットホーム40へ送られる。これにより、メタンハイドレート層E3からメタンガスが生産される。
液層部Sに貯留された液体Lと固体とは、排出管6から本体容器2の外部へ排出される。この際、液層部Sに貯留された液体Lと固体とは、吐出ポンプ12により吸い出される。
本実施形態に係る分離装置1は、海底E1に配置される本体容器2と、本体容器2に接続され、混合流体F1を本体容器2の内部に流入させ、混合流体F1から液体Lの一部が除去された中間生産流体F2を本体容器2内に生成する流入管3と、本体容器2の内部に設けられ、中間生産流体F2が供給される供給口4aを有し、中間生産流体F2から気体Aを分離する複数の分離器4と、本体容器2における複数の分離器4の上方に設けられ、分離器4により中間生産流体F2から分離された気体Aを本体容器2から排気する排気管5と、排気管5に設けられる圧力調整弁11と、本体容器2の下端部に接続され、混合流体F1から分離された液体Lを外部に吐出する吐出ポンプ12と、液層部Sの液面Uの位置を測定する液面測定部14と、液面測定部14の測定結果に基づき、液面Uが複数の分離器4のうち少なくとも一つの分離器4の供給口4aよりも低くなるように吐出ポンプ12の吐出量を制御する制御部15と、を備える。
圧力調整弁11にて本体容器2の内部の圧力制御を行い、吐出ポンプ12及び液面測定部14にて液面レベル制御を行う。具体的には、圧力調整弁11により、本体容器2の内部を設定圧まで減圧する。更に吐出ポンプ12により本体容器2に貯留された液体Lを外部に排出する。これにより、生産井E4内の混合流体F1を容易に吸い上げ、本体容器2の内部に安定して流入させることができる。また、生産井E4内の混合流体F1を吸い上げることにより、生産井E4内の圧力が下がる。したがって、生産井E4内の減圧状態を維持することができる。
ここで、図4に、2013年3月12日から18日に行われた海洋産出試験において、メタンハイドレート層E3から減圧法を利用して生産されたガス生産量及び水生産量を示す(出典:2014年11月25日に開催されたメタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム主催のメタンハイドレートフォーラム2014の“海洋産出試験:成果の概要と今後の計画”の講演資料)。図4(a)において、縦軸はガス生産レートであり、横軸は時刻である。図4(b)において、縦軸は水生産レートであり、横軸は時刻である。図4(b)に示されるように、水生産量は、試験開始後と試験終了前の一部において変動しているが、試験期間中ほぼ一定である。一方、図4(a)に示されるように、ガス生産量は試験期間中に亘って大きく変動していることが分かる。すなわち、生産井E4からの混合流体F1においても気体Aの量は時刻により大きく変動するため、混合流体F1における気液の体積比は大きく変動する。この結果、生産井E4から本体容器2に流入する混合流体F1は、様々な流動様式(例えば、気泡流、スラグ流、環状流又は層状流、環状噴霧流、噴霧流)を呈することが予測される。
本実施形態においては、混合流体F1が流入管3から本体容器2へ流入し、本体容器2の内部を流動することにより、混合流体F1から液体Lの一部が除去された中間生産流体F2を本体容器2内に生成する。生産井E4からの混合流体F1がいかなる流動様式であったとしても、分離器4へは、混合流体F1から液体Lの一部が除去された中間生産流体F2が供給される。すなわち、分離器4に供給される中間生産流体F2の流動様式は、混合流体F1の流動様式によらない一定の様式となるため、分離器4により、中間生産流体F2から気体Aを安定的に分離できる。したがって、本実施形態に係る分離装置1によれば、流動様式が変動する混合流体F1から、気体Aを安定的に分離回収できる。
また、液面Uが分離器4の供給口4aよりも高くなると、その分離器4に中間生産流体F2を供給することができず、その分離器4が作動しないこととなる。制御部15は、液面測定部14の測定結果に基づき、分離器4のうち少なくとも一つには中間生産流体F2が供給可能となるように吐出ポンプ12の吐出量を制御する。したがって、分離装置1を確実に作動させることができる。
また、本実施形態においては、本体容器2は、上下方向に延びる筒状に形成され、流入管3は、本体容器2の上面視において、本体容器2の内周の接線方向に延びるように本体容器2に接続されている。
流入管3から本体容器2の内部に流入した混合流体F1は、慣性力により本体容器2の内壁に沿って流動し、旋回流P1を形成する。旋回流P1により、混合流体F1から固体と液体Lのうちの液塊や大きな液滴とが除去(分離)される一次分離が行われ、中間生産流体F2が生成される。また、中間生産流体F2が上昇流P2に従って上昇する間に、中間生産流体F2中の液滴が重力により自由落下する二次分離が行われる。この結果、分離器4には、気体Aと、微細な霧状の液体Lとを有する中間生産流体F2が供給される。すなわち、分離器4に供給される二次分離後の中間生産流体F2の流動様式を、分離器4により効果的に分離可能な噴霧流状態とすることができる。したがって、流動様式が変動する混合流体F1から、気体Aをより安定的に分離回収できる。
混合流体F1の流動様式による一次分離の挙動について、以下により詳細に説明する。
混合流体F1が噴霧流である場合、気体Aと液滴である液体Lとが混然となった状態の混合流体F1が本体容器2の内部に流入する。旋回流P1による遠心力によって、気体Aより比重の大きい液体Lは本体容器2の内壁へ向けて押し出され、本体容器2の内壁に接することで捕捉される。この結果、噴霧流の混合流体F1から液滴である液体Lが除去される。
混合流体F1がスラグ流である場合、気体Aと液塊である液体Lとが本体容器2の内部に交互に流入する。この液塊は、自身の質量による慣性力で本体容器2の内壁に押し付けられ、そのまま本体容器2の内壁に沿って旋回しつつ重力により下降し、収容室2a内の液層部Sに貯留される。気体A中には液滴である液体Lが混合されているが、この液滴は噴霧流の場合と同じ挙動により除去される。
混合流体F1が気泡流である場合、液体L内に気体Aが気泡として内包された状態の混合流体F1が本体容器2の内部に流入する。旋回流P1による遠心力によって、比重の大きい液体Lは本体容器2の径方向の外側に移動し、比重の小さい気体Aは本体容器2の径方向の内側に移動する。これにより、気泡流の混合流体F1から気体Aと液体Lとを分離することができる。
また、混合流体F1を本体容器2の内壁に沿って旋回させるため、中間生産流体F2は、本体容器2内に周方向に均等に分散される。したがって、複数の分離器4に、中間生産流体F2を均等に供給することができる。
また、混合流体F1は、本体容器2の内壁に沿って旋回しつつ、徐々に下降する。したがって、混合流体F1の向きを下方へ変更するための部材を別途設けることなく、流入管3から流入された混合流体F1をスムーズに下方へ流動させることができる。
さらに、混合流体F1が旋回することにより、質量が大きい液体Lは慣性力で本体容器2の内壁に押し付けられる。液体Lが本体容器2の内壁と接すると、液体Lと本体容器2の内壁との間で摩擦が生じ、液体Lは徐々に減速する。液体Lは減速した状態で液面Uに衝突するので、衝突による飛沫の生成が抑えられる。
また、本実施形態においては、複数の分離器4のそれぞれは、供給口4aが設けられた本体筒部4bと、本体筒部4bの下部に接続されて下方に延びる排出筒部4cと、を有し、制御部15は、液面Uが排出筒部4cの下端よりも高くなるように吐出ポンプ12の吐出量を制御する。
分離器4により中間生産流体F2から分離された液体Lは、排出筒部4cの内部を通り、液層部Sまで導かれる。排出筒部4cが水封されることにより、中間生産流体F2を確実に供給口4aに導くことができ、また、分離器4内に中間生産流体F2の旋回流を確実に形成することができる。すなわち、排出筒部4cが水封されていない場合、排出筒部4cの下端から本体筒部4bへと気体Aが侵入し、旋回流の形成を妨害する可能性がある。また、分離器4により分離された液体Lが本体容器2の内部で再度飛散することを防止できる。
(第2実施形態)
次に、図5を参照し、本発明の第2実施形態に係る分離装置101について説明する。なお、本実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
図5に示されるように、本実施形態における分離装置101では、複数の分離器4のうち少なくとも2つが、収容室2a内に、それぞれの供給口4aの高さを異ならせて配設されている。また分離器4は、互いに径方向の位置を異ならせて複数配設されるとともに、径方向の内側に位置するものほど下方に位置している。
複数の分離器4は、供給口4aの高さを互いに異ならせて、複数ずつ配置されている。複数の分離器4のうち、供給口4aの高さが互いに同等の分離器4同士は、本体容器2の中心軸線Oから同等の距離に位置するように配設され、複数の分離器4のうち、供給口4aの高さが互いに異なる分離器4同士は、本体容器2の中心軸線Oから異なる距離に位置するように配設されている。
例えば、複数の分離器4は、径方向の外側に位置するものが上方に位置するように、上下方向に沿って3段に、周方向に沿って4列に配設されることにより、合計12基が収容されている。複数の分離器4のうち、中心軸線Oからの径方向の距離が同等のものは、それぞれ互いに同等の高さに配設されている。
なお、複数の分離器4は、少なくとも一部が、互いにそれぞれの供給口4aの高さを異ならせて配設されていればよく、径方向の内側に位置するものが上方に位置していてもよい。また、収容室2a内に収容される分離器4の数量については、12基に限られず任意に変更することが可能である。
また、分離器4は、仕切り壁7aに接続されている。仕切り壁7aは、上下方向の中間部分で下部が縮径する有底筒状に形成されており、その上端縁から径方向の外側に向けて延びるフランジ部7bを備えている。仕切り壁7aの上下方向の中間部分には、径方向に沿って延在する平坦面7cが形成されている。複数の分離器4のうち、最上段に配設された各分離器4の上端開口縁と、仕切り壁7aのフランジ部7bと、がそれぞれ接続されている。また、中段に配設された各分離器4の上下方向の中間部分と、仕切り壁7aの平坦面7cと、がそれぞれ接続されている。さらに、最下段に配設された各分離器4の上下方向の中間部分と、仕切り壁7aの底部7dと、がそれぞれ接続されている。
本実施形態における分離装置101では、制御部15は、吐出ポンプ12及び液面測定部14に加え、気体測定部16と接続される。液面測定部14により液層部Sの液面Uの位置を測定し、気体測定部16により排気管5内の気体Aの排気量を測定する。制御部15は、液面測定部14及び気体測定部16の測定結果に基づき、吐出ポンプ12の吐出量を制御することで、液層部Sの液面Uの高さを調整する。
具体的には、仮に気体Aの排気量が少ない場合には、液面Uを上昇させて下方に位置する分離器4を水没させることで、中間生産流体F2が通過する分離器4の個数を減少させる。一方、気体Aの排気量が多くなった場合には、液面Uを下げて、中間生産流体F2が通過する分離器4の個数を増やす。これにより、分離器4に入る中間生産流体F2の速度を一定範囲内に設定することができる。このように分離器4に入る中間生産流体F2の速度を一定範囲内に設定することで、分離器4により中間生産流体F2を気体Aと液体Lとに精度よく分離することができる。
(第3実施形態)
次に、図6から図8を参照し、本発明の第3実施形態に係る分離装置201について説明する。なお、本実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
本実施形態に係る分離装置201は、本体容器2の内部において複数の分離器4を囲むように設けられる第1飛散防止部21をさらに備える。第1飛散防止部21は、上下方向に延びる筒状に形成される。
第1飛散防止部21の上端21aは、仕切り壁2bと接続している。第1飛散防止部21の下端21bは下方に開口している。第1飛散防止部21の下端21bは、複数の分離器4の供給口4aより低くなっている。第1飛散防止部21の下端21bは、液面Uよりも上方に位置する。すなわち、制御部15は、液面Uが第1飛散防止部21の下端21bよりも低くなるように吐出ポンプ12の吐出量を制御する。
図7(a)に示されるように、流入管3の内径D1と、本体容器2の内壁と第1飛散防止部21の外壁との距離D2とは、同等となっている。本体容器2の内壁と第1飛散防止部21の外壁との距離D2は、流入管3の内径D1以下となっていてもよい。
図8に示されるように、混合流体F1がスラグ流である場合、流入管3から本体容器2の内部に、気体Aと液塊である液体Lとが交互に流入する。液体Lの慣性力は大きいため、液塊である液体Lは、流入管3から本体容器2の内部に流入すると、そのまま本体容器2の内壁に沿って流動し、旋回流P1を形成する。一方、気体Aの慣性力は小さいため、気体Aは、流入管3から本体容器2の内部に流入すると、本体容器2の内部にて放射状に広がろうとする。この結果、図8(c)に示されるように、スラグ流の混合流体F1が流入管3から本体容器2の内部に流入する際に、液塊である液体Lが後続する気体Aに押されて飛散し、飛沫Hが発生する。この結果、流入管3に近い分離器4の周辺には、中間生産流体F2に加え、飛沫Hが存在することとなる。飛沫Hが流入管3に近い分離器4に供給されると、この分離器4の処理負荷が増えてしまう。
本実施形態に係る分離装置201は、上下方向に延びる筒状に形成され、本体容器2の内部において複数の分離器4を囲むように設けられる第1飛散防止部21を備え、制御部15は、液面Uが第1飛散防止部21の下端21bよりも低くなるように吐出ポンプ12の吐出量を制御する。
第1飛散防止部21により、飛沫Hが分離器4に直接供給されることを防止する。したがって、特定の分離器4の処理負荷が増えることを防止できる。
また、流入管3から本体容器2の内部に流入した混合流体F1が、本体容器2内で旋回流P1を形成することで中間生産流体F2を生成する場合には、流入管3から流入した混合流体F1に含まれる気体Aが放射状に広がることで旋回流P1の形成が妨害され、混合流体F1から液体Lが効果的に分離されない可能性がある。しかしながら、混合流体F1は、本体容器2と第1飛散防止部21との間を通る。第1飛散防止部21により、流入管3から流入した混合流体F1に含まれる気体Aが放射状に広がって、旋回流P1の形成を妨害してしまうことを防止できる。したがって、旋回流P1の形成を効果的に助長させ、旋回流P1により混合流体F1から液体Lを効果的に分離することが可能である。
また、液面Uを第1飛散防止部21の下端21bよりも低くすることにより、混合流体F1が液面Uを潜らずに分離器4の供給口4aに到達できる。
また、本実施形態においては、第1飛散防止部21の下端21bは、複数の分離器4の供給口4aより低い。
これにより、飛沫Hが、分離器4の供給口4aに供給されてしまうことをより効果的に防止できる。
また、本実施形態においては、本体容器2の内壁と第1飛散防止部21の外壁との距離D2は、流入管3の内径D1以下となる。
これにより、飛沫Hを、本体容器2と第1飛散防止部21との間により確実に案内できる。したがって、飛沫Hが、分離器4に供給されてしまうことをより効果的に防止できる。
(第4実施形態)
次に、図9を参照し、本発明の第4実施形態に係る分離装置301について説明する。なお、本実施形態においては、第1実施形態及び第3実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
本実施形態に係る分離装置301は、複数の分離器4の下方に設けられる第2飛散防止部22をさらに備える。第2飛散防止部22は、上下方向に延びる筒状に形成される。
第2飛散防止部22は、第1飛散防止部21の下方に設けられる。第2飛散防止部22の外径は、第1飛散防止部21の外径よりも小さい。
第2飛散防止部22の上端22aは上方に開口している。第2飛散防止部22の下端22bは、液層部Sの液面Uの下方まで延びる。すなわち、制御部15は、液面Uが第2飛散防止部22の上端22aと下端22bとの間に位置するように吐出ポンプ12の吐出量を制御する。
本体容器2の内部へ流入した混合流体F1から除去された液体Lは、本体容器2の内壁に沿って旋回しつつ下降し、液層部Sの液面Uに衝突する。液体Lは、液体Lと本体容器2の内壁との間の摩擦により減速した状態で液面Uに衝突するが、衝突時にもある程度の速度を保っている。したがって、衝突による飛沫が発生する場合がある。衝突による飛沫が本体容器2内の上昇流P2に従って上昇すると、飛沫が分離器4へ供給されてしまい、分離器4の処理負荷が増える。
本実施形態に係る分離装置301は、上下方向に延びる筒状に形成され、複数の分離器4の下方に設けられる第2飛散防止部22を備え、制御部15は、液面Uが第2飛散防止部22の上端22aと下端22bとの間に位置するように吐出ポンプ12の吐出量を制御する。
この場合、液層部Sの液面Uと、本体容器2の内壁と、第2飛散防止部22とで3方向が閉ざされた空間に気流の淀みが形成される。衝突による飛沫が発生したとしても、飛沫はこの3方向が閉ざされた空間内に留まるため、飛沫が上昇流P2に従って上昇することを抑止できる。この結果、飛沫が分離器4に供給されることを抑止でき、分離器4の処理負荷の増加を抑止できる。
また、本実施形態においては、第2飛散防止部22の外径は、第1飛散防止部21の外径よりも小さい。
この場合、飛沫が上昇流P2に乗って上昇して分離器4に供給されることをより効果的に防止できる。
なお、本発明は、図面を参照して説明した上記実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上述の実施形態において、流入管3は、本体容器2の上面視において、本体容器2の内周の接線方向に延びるように本体容器2に接続されている。しかしながら、流入管3は、流入管3から本体容器2の内部に流入した混合流体F1が旋回流P1を形成するように本体容器2と接続された他の形態を適宜採用することが可能であり、流入管3が本体容器2の内周の接線方向に延びていなくてもよい。
上述の実施形態においては、液面測定部14として、例えば、超音波液面計や、光センサ液面計を用いた。しかしながら、本体容器2の上端部の圧力と、本体容器2の下端部の圧力との差圧を測定し、この差圧に基づいて液層部Sの液面Uの位置を計測してもよい。
また、第3実施形態に係る分離装置201において、第1飛散防止部21により飛沫Hが分離器4の供給口4aに供給されてしまうこと防止できれば、第1飛散防止部21の下端21bは、複数の分離器4の供給口4aより高くてもよい。
また、第3実施形態に係る分離装置201において、本体容器2の内壁と第1飛散防止部21の外壁との距離D2は、流入管3の内径D1より大きくてもよい。
また、第4実施形態に係る分離装置301において、第1飛散防止部21が省略されてもよい。
また、第4実施形態に係る分離装置301において、第1飛散防止部21と第2飛散防止部22とが一体に形成され、第1飛散防止部21と第2飛散防止部22との間に開口が形成されていてもよい。この場合、第2飛散防止部22の上方に第1飛散防止部21が連続して設けられるため、衝突による飛沫が上昇流P2に乗ってしまうことをより確実に防止できる。
また、第4実施形態に係る分離装置301において、第1飛散防止部21の下端21bが、第2飛散防止部22の上端22aよりも低くなる、ラビリンス構造としてもよい。この場合、第2飛散防止部22の上端22aの内側に第1飛散防止部21が配置されるため、衝突による飛沫が上昇流P2に乗ってしまうことをより確実に防止できる。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
1、101、201、301…分離装置 2…本体容器 3…流入管 4…分離器 4a…供給口 4b…本体筒部 4c…排出筒部 5…排気管 11…圧力調整弁 12…吐出ポンプ 14…液面測定部 15…制御部 16…気体測定部 21…第1飛散防止部 22…第2飛散防止部 F1…混合流体 F2…中間生産流体 A…気体 L…液体 U…液面

Claims (8)

  1. メタンハイドレート層からのメタンガスの生産に用いられ、気体と液体とを含む混合流体から前記気体を分離する分離装置であって、
    水底に配置される本体容器と、
    前記本体容器に接続され、前記混合流体が前記本体容器の内部で旋回流を形成するように、前記混合流体を前記本体容器の内部に流入させ、前記混合流体から前記液体の一部が除去された中間生産流体を前記本体容器内に生成する流入管と、
    前記本体容器の内部に設けられ、前記中間生産流体が供給される供給口を有し、前記中間生産流体から前記気体を分離する複数の分離器と、
    前記本体容器における前記複数の分離器の上方に設けられ、分離された前記気体を前記本体容器から排気する排気管と、
    前記排気管に設けられる圧力調整弁と、
    前記本体容器に接続され、前記混合流体から分離された前記液体を外部に吐出する吐出ポンプと、
    前記本体容器に貯留された前記液体の液面の位置を測定する液面測定部と、
    前記液面測定部の測定結果に基づき、前記液面が前記複数の分離器のうち少なくとも一つの分離器の前記供給口よりも低くなるように前記吐出ポンプの吐出量を制御する制御部と、
    を備えることを特徴とする分離装置。
  2. メタンハイドレート層からのメタンガスの生産に用いられ、気体と液体とを含む混合流体から前記気体を分離する分離装置であって、
    水底に配置される本体容器と、
    前記本体容器に接続され、前記混合流体を前記本体容器の内部に流入させ、前記混合流体から前記液体の一部が除去された中間生産流体を前記本体容器内に生成する流入管と、
    前記本体容器の内部に設けられ、前記中間生産流体が供給される供給口を有し、前記中間生産流体から前記気体を分離する複数の分離器と、
    前記本体容器における前記複数の分離器の上方に設けられ、分離された前記気体を前記本体容器から排気する排気管と、
    前記排気管に設けられる圧力調整弁と、
    前記本体容器に接続され、前記混合流体から分離された前記液体を外部に吐出する吐出ポンプと、
    前記本体容器に貯留された前記液体の液面の位置を測定する液面測定部と、
    前記液面測定部の測定結果に基づき、前記液面が前記複数の分離器のうち少なくとも一つの分離器の前記供給口よりも低くなるように前記吐出ポンプの吐出量を制御する制御部と、
    を備え、
    前記本体容器は、上下方向に延びる筒状に形成され、
    前記流入管は、前記本体容器の上面視において、前記本体容器の内周の接線方向に延びるように前記本体容器に接続されることを特徴とする分離装置。
  3. 上下方向に延びる筒状に形成され、前記本体容器の内部において前記複数の分離器を囲むように設けられる第1飛散防止部をさらに備え、
    前記制御部は、前記液面が前記第1飛散防止部の下端よりも低くなるように前記吐出ポンプの吐出量を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の分離装置。
  4. 前記第1飛散防止部の下端は、前記複数の分離器の前記供給口より低いこと特徴とする請求項3に記載の分離装置。
  5. 前記本体容器と前記第1飛散防止部との距離は、前記流入管の内径以下となることを特徴とする請求項3または4に記載の分離装置。
  6. 上下方向に延びる筒状に形成され、前記複数の分離器の下方に設けられる第2飛散防止部をさらに備え、
    前記制御部は、前記液面が前記第2飛散防止部の上端と下端との間に位置するように前記吐出ポンプの吐出量を制御することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の分離装置。
  7. 前記複数の分離器のそれぞれは、前記供給口が設けられる本体筒部と、前記本体筒部の下部に接続されて下方に延びる排出筒部と、を有し、
    前記制御部は、前記液面が前記排出筒部の下端よりも高くなるように前記吐出ポンプの吐出量を制御することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の分離装置。
  8. 前記排気管には、前記気体の排気量を測定する気体測定部が設けられ、
    前記複数の分離器のうち少なくとも2つの前記供給口の上下方向の位置が異なり、
    前記制御部は、前記液面測定部及び前記気体測定部の測定結果に基づき、前記吐出ポンプの吐出量を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の分離装置。
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