JP6527796B2 - 油生産設備及び油生産方法 - Google Patents

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本発明は、地中の油層に含まれる油分を回収する油生産設備及び油生産方法に関するものである。
従来、ガスハイドレート層からガスを回収するガス回収システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。このガス回収システムは、外筒と内筒の2重管構造となっており、内筒の内側がガスハイドレート層のガスを回収するガス回収管となっており、内筒と外筒との間がガスハイドレート層に過熱蒸気となる水を供給する供給管となっている。また、ガス回収システムは、ガス回収管に接続されるガスタンクが接続されており、ガスタンクにおいて、水分、泥土、及び砂礫などが分離され、清浄化されたガスが貯蔵される。さらに、ガス回収システムは、外筒と内筒とからなる2重管の内部に、熱エネルギ発生装置が設けられ、熱エネルギ発生装置は、供給される水を加熱して過熱蒸気とする。そして、このガス回収システムは、過熱蒸気をガスハイドレート層に注入することで、ガスハイドレート層からガスを分離して回収する。なお、このガス回収システムは、オイルサンド層からオイルを回収するオイル回収システムに適用することができる。
特開2014−145229号公報
ところで、地中に形成されるオイルサンド層または重質油層等の油層から油分(オイル)を回収する場合、地中の油層には、オイルを回収するための生産井が設けられる。生産井は、鋼管を用いて構成され、鋼管の内部にビチューメンが満たされた状態でオイルが流通する。このため、生産井の内部の圧力と、生産井の外部となる油層内の圧力とが同じ圧力となる。そして、油層のオイルは、油層から生産井へ重力(自重)によって流動する。
ここで、特許文献1では、過熱蒸気をオイルサンド層に注入することにより、オイルの粘度を低下させることで、オイルサンド層から生産井へのオイルの流動性を高めている。このような生産方法としては、例えば、SAGD(Steam Assisted Gravity Drainage)法が知られている。一方、オイルサンド層に比してオイルの粘度が低い重質油層のオイルに対しては、オイルの流動性があることから、過熱蒸気を注入せずに、重質油を生産する場合もある。
本発明は、地中の油層に含まれる油分の生産効率の向上を図ることができる油生産設備及び油生産方法を提供することを課題とする。
本発明の油生産設備は、地中の油層に含まれる油分を回収する油生産設備において、前記油層に設けられ、前記油層に含まれる前記油分を内部に流入させると共に、内部において気体と液体とに分離するセパレータと、前記セパレータの内部の前記液体を汲み上げるオイルポンプと、前記セパレータの内部の圧力が前記セパレータの外部の圧力よりも低い圧力となるように減圧する減圧装置と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の油生産方法は、地中の油層に含まれる油分を回収する油生産方法において、前記油層に設けられるセパレータの内部に、前記油層に含まれる前記油分を流入させ、前記セパレータの内部において、気体と液体とに分離する気液分離工程と、前記セパレータの内部の前記液体を回収する油回収工程と、前記セパレータの内部の前記気体を回収すると共に、前記セパレータの内部の圧力が前記セパレータの外部の圧力よりも低い圧力となるように減圧するガス回収工程と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、セパレータの外部である油層内の圧力と、セパレータの内部の圧力との間に圧力差を生じさせることができる。このため、圧力差により、油層からセパレータへの油分の流動性を向上させることができるため、地中の油層に含まれる油分の生産効率の向上を図ることができる。なお、油層としては、例えば、オイルサンド層、オリノコタール等を含む超重質油層、または重質油層等がある。また、減圧装置として、例えば、逃がし弁等の圧力調整弁を適用してもよい。
また、前記減圧装置は、前記セパレータの内部のゲージ圧が1MPa以下となるように減圧することが好ましい。
この構成によれば、セパレータの内部のゲージ圧を1MPa以下とすることができる。このため、油層内の圧力とセパレータ内の圧力との圧力差を、十分な圧力差とすることができるため、油層からセパレータへの油分の流動を好適に生じさせることができる。なお、好ましくは、ゲージ圧が10kPaから50kPaまでの範囲であることがよく、より好ましくは、ゲージ圧が30kPa程度であることがよい。
また、前記セパレータは、円筒形状の周壁と、前記周壁に貫通形成され、前記油層に含まれる前記油分が流通する抽出孔と、を有することが好ましい。
この構成によれば、セパレータの周壁を円筒形状にすることで、セパレータの内部の圧力及び外部の圧力に耐え得る構成としつつ、抽出孔を介して油層からセパレータの内部へ油分を好適に流入させることができる。
また、前記周壁の直径は、1m以上であることが好ましい。
この構成によれば、セパレータの内部空間を、気液分離を行うために必要十分な大きさにすることができる。
また、前記周壁は、シールドトンネルであることが好ましい。
この構成によれば、シールド工法によって形成されるシールドトンネルを周壁として用いることができるため、シールド工法を活用して、周壁を適切に形成することができる。
また、前記セパレータの内部の液位を検出する液位計と、前記液位計により検出された前記液位に基づいて、前記オイルポンプを制御する液位制御装置と、をさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、セパレータ内の液位を、所定の液位に保つことができるため、セパレータによる気液分離を適切に行うことができる。
また、前記セパレータの内部の圧力を検出する圧力計と、前記圧力計により検出された前記圧力に基づいて、前記減圧装置を制御する圧力制御装置と、をさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、セパレータ内の圧力を、所定の圧力に保つことができるため、圧力差を適切に維持することができ、油層からセパレータの内部への油分の流入を適切に維持することができる。
また、蒸気を発生させる蒸気発生装置と、前記蒸気発生装置に接続され、発生させた前記蒸気を前記油層に注入する蒸気注入井と、をさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、油層がオイルサンド層である場合、蒸気をオイルサンド層に注入することで、オイルサンド層内の油分の粘度を低くすることができる。このため、油分の粘度を低下させることにより、オイルサンド層からセパレータへの油分の流動性を向上させることができるため、地中のオイルサンド層に含まれる油分の生産効率の向上を図ることができる。
図1は、実施形態1に係る油生産設備に関する概略構成図である。 図2は、実施形態1に係る油生産設備のセパレータの断面図である。 図3は、実施形態1に係る油生産設備の制御装置に関するブロック図である。 図4は、実施形態1に係る油生産設備による油生産方法のフローチャートである。 図5は、実施形態2に係る油生産設備のセパレータに関する概略構成図である。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能であり、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせることも可能である。
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係る油生産設備に関する概略構成図である。図1に示すように、実施形態1に係る油生産設備1は、油分(オイル)の粘度が高い油層である、オイルサンド層5に含まれる油分を回収する設備である。この油生産設備1は、オイルサンド層5に蒸気を注入し、オイルの粘度を低下させて流動性を高め、オイルを流動させて回収している。なお、実施形態1では、オイルサンド層5に含まれる油分を回収する油生産設備1に適用して説明するが、オリノコタール等を含む超重質油層または重質油層に適用してもよい。重質油層に油生産設備1を設ける場合、重油質層は、オイルサンド層5に比してオイルの粘度が低いことから、油生産設備1は、重油質層に蒸気を注入する構成を省いてもよい。また、実施形態1に係る油生産設備1は、地表から1000m以内の深度に形成される、比較的浅い油層を対象としている。
図1に示すように、油生産設備1は、立抗10と、セパレータ11と、油回収設備12と、ガス回収設備13と、蒸気注入設備14とを備えており、各設備12,13,14を制御する制御装置(図3参照)15が設けられている。
立抗10は、地表から鉛直方向の下方側に掘り下げた縦穴であり、地表からオイルサンド層5に達する深さとなっている。この立坑10は、円筒形状に形成されており、その内部に空間が形成される。そして、立坑10の空間には、後述する油回収ライン32及びガス回収ライン41の一部が鉛直方向に沿って配置される。
図2は、実施形態1に係る油生産設備のセパレータの断面図である。セパレータ11は、オイルサンド層5内に設けられている。セパレータ11は、オイルサンド層5に含まれるオイルを内部に流入させると共に、内部において、オイルを含む液体と気体とに分離している。セパレータ11は、円筒形状に形成される周壁21と、周壁21に形成される開口を閉塞する側板22とを有している。
周壁21は、シールド工法により形成されるシールドトンネルであり、立坑10から水平方向に延びて形成されている。周壁21は、その水平方向の立坑10側が開口しており、その水平方向の立坑10とは反対側が閉塞している。また、周壁21は、その直径が1m以上となっており、セパレータ11として機能する大きさとなっている。具体的に、周壁21は、セパレータ11の内部において、分離した液体の液位を調整するために必要な大きさとなっている。また、周壁21には、オイルサンド層5に含まれる油分を内部に流入させるための複数の抽出孔25が貫通形成されている。この抽出孔25は、その開口径が、オイルサンド層5に含まれる砂礫が流通不能な大きさとなる一方で、オイルサンド層5に含まれる油分が流通可能な大きさとなっている。複数の抽出孔25は、周壁21の上部側に形成されており、液体の液位よりも上方側に形成されている。
側板22は、周壁21の内側から外側に突出する中空の半球形状に形成され、周壁21の立坑10側の開口を閉塞することで、周壁21の内部に、気液分離を行うための空間を区画する。つまり、周壁21と側板22とで区画された空間が、気液分離を行う気液分離槽として機能する。なお、側板22の形状は、円板形状であってもよく、特に限定されない。
油回収設備12は、セパレータ11内において分離された液体を回収し、回収した液体からオイルを分離して、オイルを回収する設備である。図1に示すように、油回収設備12は、オイルポンプ31と、油回収ライン32と、オイル分離器33と、液位計34とを有している。
オイルポンプ31は、セパレータ11の内部に設けられ、セパレータ11内の液体に没するように、セパレータ11の底部に設置されている。オイルポンプ31は、セパレータ11内の液体を下流側へ向けて送出する。また、このオイルポンプ31は、制御装置15に接続されており、制御装置15によって駆動制御されることで、セパレータ11内の液位が調整される。
油回収ライン32は、その一端がオイルポンプ31に接続され、その他端がオイル分離器33に接続される。つまり、油回収ライン32は、セパレータ11の内外を貫通して設けられている。また、この油回収ライン32は、オイルポンプ31から立坑10の内部を通って、地表まで延びて設けられている。このため、油回収ライン32は、セパレータ11の内部から外部へ向かって液体を流通させると共に、立坑10の内部から地表へ向かって液体を流通させている。
オイル分離器33は、オイルポンプ31から油回収ライン32を介して供給される液体を、油分と水分とガス成分とに分離する。なお、分離後の油分は、オイル分離器33から精製処理を行う設備へ向けて排出される。また、分離後の水分及びガス成分は、オイル分離器33から他の処理設備へ向けて排出される。このとき、分離後の水分は、オイル分離器33から蒸気注入設備14へ向けて排出してもよい。
液位計34は、セパレータ11の内部に設けられ、セパレータ11内の気体と液体との界面、すなわち液位を検出している。この液位計34は、制御装置15に接続されており、制御装置15へ向けて検出した液位を出力することで、制御装置15は、液位計34により検出された液位に基づく制御が実行可能となる。
ガス回収設備13は、セパレータ11内において分離された気体を回収し、回収した気体からガスを分離して、ガスを回収する設備である。図1に示すように、ガス回収設備13は、ガス回収ライン41と、圧力調整弁(減圧装置)42と、熱交換器43と、ガス分離器44と、圧力計45とを有している。
ガス回収ライン41は、その一端がセパレータ11に接続され、その他端がガス分離器44に接続される。つまり、ガス回収ライン41は、セパレータ11の内外を貫通して設けられており、セパレータ11内の気体を回収すべく、セパレータ11の上部に接続されている。また、このガス回収ライン41は、セパレータ11から立坑10の内部を通って、地表まで延びて設けられている。このため、ガス回収ライン41は、セパレータ11の内部から外部へ向かって気体を流通させると共に、立坑10の内部から地表へ向かって気体を流通させている。
圧力調整弁42は、地表上に設けられるガス回収ライン41に設けられ、例えば、逃がし弁が用いられる。圧力調整弁42は、セパレータ11の内部の圧力(気圧)がセパレータ11の外部の圧力よりも低い圧力となるように減圧している。また、この圧力調整弁42は、制御装置15に接続されており、制御装置15によって弁開度が制御されることで、ガス回収ライン41の一次側(上流側)の圧力が所定の圧力となるように調整される。
熱交換器43は、減圧装置42の下流側のガス回収ライン41に設けられる。熱交換器43は、必要に応じて、ガス回収ライン41を流通する気体を冷却することで気体を凝縮する。凝縮した凝縮物を含む気体は、下流側のガス分離器44へ向かって流通する。
ガス分離器44は、セパレータ11からガス回収ライン41を介して供給される凝縮物を含む気体を、ガス成分と水分と凝縮物(Condensate)とに分離する。なお、分離後のガス成分、水分及び凝縮物は、ガス分離器44から他の処理設備へ向けて排出される。このとき、分離後の水分は、ガス分離器44から蒸気注入設備14へ向けて排出してもよい。
圧力計45は、圧力調整弁42の上流側におけるガス回収ライン41に設けられ、ガス回収ライン41内の圧力、すなわちセパレータ11の内部の圧力を検出している。この圧力計45は、制御装置15に接続されており、制御装置15へ向けて検出した圧力を出力することで、制御装置15は、圧力計45により検出された圧力に基づく制御が実行可能となる。なお、圧力計45は、圧力として、例えば、ゲージ圧を検出する。
蒸気注入設備14は、蒸気をオイルサンド層5に注入して、オイルサンド層5に含まれるオイルの粘度を低下させる設備である。図1に示すように、蒸気注入設備14は、蒸気発生装置51と、蒸気注入井52とを有している。
蒸気発生装置51は、水分を加熱して、オイルサンド層5に注入する蒸気を生成しており、生成した蒸気を蒸気注入井52へ向けて供給している。なお、水分としては、油回収設備12及びガス回収設備13から排出される水分を利用してもよい。
蒸気注入井52は、その一端が蒸気発生装置51に接続され、その他端がオイルサンド層5内に延びて配置されると共に、セパレータ11の上部に配置される。セパレータ11の上部に配置される蒸気注入井52の他端部は、水平方向に延びて設けられると共に、複数分岐しており、セパレータ11と平行となるように鉛直方向に並べて配置される。そして、オイルサンド層5内に配置される蒸気注入井52の他端部には、蒸気が噴出する図示しない蒸気噴出孔が複数形成され、蒸気発生装置51から供給された蒸気が、複数の蒸気噴出孔を介してオイルサンド層5内に注入される。
制御装置15は、油回収設備12、ガス回収設備13及び蒸気注入設備14を制御している。図3は、実施形態1に係る油生産設備の制御装置に関するブロック図である。図3に示すように、制御装置15は、セパレータ11内の液位を制御する液位制御部(液位制御装置)55と、セパレータ11内の圧力を制御する圧力制御部(圧力制御装置)56とを有している。なお、実施形態1では、制御装置15が液位制御部55と圧力制御部56とを有する構成としたが、液位制御部55と圧力制御部56とがそれぞれ独立した装置構成となっていてもよく、特に限定されない。
液位制御部55は、制御装置15に接続される液位計34の検出結果に基づいて、オイルポンプ31を駆動制御することにより、セパレータ11内の液位が、所定の液位となるように調整している。
圧力制御部56は、制御装置15に接続される圧力計45の検出結果に基づいて、圧力調整弁42の弁開度を制御することにより、セパレータ11内の圧力が、所定の圧力となるように調整している。ここで、所定の圧力としては、セパレータ11の内部のゲージ圧が1MPa以下となる圧力である。具体的に、ゲージ圧は、10kPaから50kPaまでの範囲であり、より具体的には、ゲージ圧が30kPa程度である。
ここで、断面積A、長さLの多孔質物体内を、粘度μの流体が流動する場合、流体の流動方向における上流側と下流側との圧力差がΔPであるならば、流体の流量Qは、下記する(1)式で表される。なお、Kは、浸透率であり、(1)式は、一般的に、ダルシーの式と呼称される。
Q=K・(A/μ)・(ΔP/L) ・・・(1)
そして、実施形態1の油生産設備1では、蒸気注入設備14によりオイルの粘度μを低下させることで、オイルの流量Qを向上させ、また、セパレータ11内の圧力をオイルサンド層5内の圧力と比べて低下させて圧力差ΔPを大きくすることで、オイルの流量Qを向上させている。
次に、図4を参照して、上記の油生産設備1においてオイルを生産する動作について説明する。図4は、実施形態1に係る油生産設備による油生産方法のフローチャートである。先ず、油生産設備1の蒸気注入設備14は、蒸気発生装置51において蒸気を発生させ、発生させた蒸気を蒸気注入井52に向けて供給する。蒸気注入井52に供給された蒸気は、蒸気注入井52の他端部に形成された蒸気噴出孔から、オイルサンド層5に注入される(ステップS1:蒸気注入工程)。オイルサンド層5に蒸気が注入されると、オイルサンド層5内のオイルが加熱され、オイルの粘度が低下することで、オイルがオイルサンド層5内を流動する。
オイルサンド層5内のオイルは、オイルサンド層5内のセパレータ11へ向かって流動し、セパレータ11の抽出孔25を介して、セパレータ11の外部から内部に流入する。このとき、セパレータ11の内部には、オイルの他、オイルサンド層5に注入された蒸気が凝縮した水分、オイルサンド層5内で生成されたガス成分等が流入する。そして、セパレータ11の内部に流入したオイルを含む抽出物は、セパレータ11の内部において、気体と液体とに分離される(ステップS2:気液分離工程)。
セパレータ11の内部において分離された液体は、油回収設備12のオイルポンプ31によって、セパレータ11の内部から、油回収ライン32を流通して、オイル分離器33に流入する(ステップS3:油回収工程)。このとき、制御装置15の液位制御部55は、液位計34の検出結果に基づいてオイルポンプ31を制御することにより、セパレータ11内の液位が所定の液位となるように調整している。
セパレータ11の内部において分離された気体は、セパレータ11の内部から、ガス回収ライン41を流通して、ガス分離器44に流入する(ステップS4:ガス回収工程)。このとき、制御装置15の圧力制御部56は、圧力計45の検出結果に基づいて圧力調整弁42を制御することにより、セパレータ11内の圧力が、オイルサンド層5内の圧力よりも低い圧力となるように減圧している。これにより、ガス回収設備13は、セパレータ11の内外の圧力差ΔPを大きくしている。
なお、図4では、各工程を順に記載しているが、上記の各工程は、並行して行われており、オイルサンド層5からオイルを連続的に回収している。
以上のように、実施形態1によれば、セパレータ11の外部であるオイルサンド層5内の圧力と、セパレータ11の内部の圧力との間に圧力差ΔPを生じさせることができる。このため、圧力差ΔPを大きくすることにより、オイルサンド層5からセパレータ11へのオイルの流動性を向上させることができるため、地中のオイルサンド層5に含まれるオイルの生産効率の向上を図ることができる。
また、実施形態1によれば、セパレータ11の内部のゲージ圧を1MPa以下とすることができる。このため、オイルサンド層5内の圧力とセパレータ11内の圧力との圧力差を、十分な圧力差とすることができるため、オイルサンド層5からセパレータ11へのオイルの流動を好適に生じさせることができる。
また、実施形態1によれば、セパレータ11の周壁21を円筒形状にすることで、セパレータ11の内部の圧力及び外部の圧力に耐え得る構成としつつ、抽出孔25を介してオイルサンド層5からセパレータ11の内部へオイルを好適に流入させることができる。
また、実施形態1によれば、セパレータ11の周壁21の直径を1m以上にできるため、セパレータ11の内部空間を、気液分離を行うために必要十分な大きさにすることができる。
また、実施形態1によれば、シールド工法によって形成されるシールドトンネルを周壁21として用いることができるため、シールド工法を活用して、周壁21を適切に形成することができる。
また、実施形態1によれば、液位制御部55によりセパレータ11内の液位を、所定の液位に保つことができるため、セパレータ11による気液分離を適切に行うことができる。
また、実施形態1によれば、セパレータ11内の圧力を、所定の圧力に保つことができるため、圧力差ΔPを適切に維持することができ、オイルサンド層5からセパレータ11の内部へのオイルの流入を適切に維持することができる。
また、実施形態1によれば、蒸気をオイルサンド層5に注入することで、オイルサンド層5内のオイルの粘度を低くすることができる。このため、オイルの粘度を低下させることにより、オイルサンド層5からセパレータ11へのオイルの流動性を向上させることができるため、地中のオイルサンド層5に含まれるオイルの生産効率の向上をさらに図ることができる。
なお、実施形態1では、圧力調整弁42を用いて、セパレータ11の内部の圧力を減圧したが、この構成に限定されない。セパレータ11の内部の圧力を減圧する減圧装置であれば、いずれの構成であってもよく、例えば、ガス回収ライン41に大気開放弁を設けて、セパレータ11の内部の圧力を開放してもよい。また、ガス回収ライン41に真空ポンプを接続して、セパレータ11の内部の圧力を負圧にしてもよい。
[実施形態2]
次に、図5を参照して、実施形態2に係る油生産設備60について説明する。図5は、実施形態2に係る油生産設備のセパレータに関する概略構成図である。なお、実施形態2では、重複した記載を避けるべく、実施形態1と異なる部分について説明し、実施形態1と同様の構成である部分については、同じ符号を付して説明する。また、図5では、実施形態1と異なる部分のみを図示している。
図5に示すように、実施形態2の油生産設備60は、実施形態1の立坑10に代えて、斜抗61としたものである。斜抗61は、地表から鉛直方向の下方側に向かって斜めに形成される坑道となっており、シールド工法によって形成される。そして、この斜抗61は、セパレータ11の周壁21に連なるように形成される。すなわち、斜抗61及びセパレータ11の周壁21は、シールド工法によって連続的に形成されるシールドトンネルとなっている。
以上のように、実施形態2によれば、シールド工法によって、斜抗61及びセパレータ11の周壁21を連続的に形成することができるため、斜抗61及びセパレータ11の工期の短縮を図ることができる。
1 油生産設備
5 オイルサンド層
10 立抗
11 セパレータ
12 油回収設備
13 ガス回収設備
14 蒸気注入設備
15 制御装置
21 周壁
22 側板
25 抽出孔
31 オイルポンプ
32 油回収ライン
33 オイル分離器
34 液位計
41 ガス回収ライン
42 圧力調整弁
43 熱交換器
44 ガス分離器
45 圧力計
51 蒸気発生装置
52 蒸気注入井
55 液位制御部
56 圧力制御部
60 油生産設備(実施形態2)
61 斜抗

Claims (9)

  1. 地中の油層に含まれる油分を回収する油生産設備において、
    前記油層に設けられ、前記油層に含まれる前記油分を内部に流入させると共に、内部において気体と液体とに分離するセパレータと、
    前記セパレータの内部の前記液体を汲み上げるオイルポンプと、
    前記セパレータの内部の圧力が前記セパレータの外部の圧力よりも低い圧力となるように減圧する減圧装置と、を備えることを特徴とする油生産設備。
  2. 前記減圧装置は、前記セパレータの内部のゲージ圧が1MPa以下となるように減圧することを特徴とする請求項1に記載の油生産設備。
  3. 前記セパレータは、
    円筒形状の周壁と、
    前記周壁に貫通形成され、前記油層に含まれる前記油分が流通する抽出孔と、を有することを特徴とする請求項1または2に記載の油生産設備。
  4. 前記周壁の直径は、1m以上であることを特徴とする請求項3に記載の油生産設備。
  5. 前記周壁は、シールドトンネルであることを特徴とする請求項3または4に記載の油生産設備。
  6. 前記セパレータの内部の液位を検出する液位計と、
    前記液位計により検出された前記液位に基づいて、前記オイルポンプを制御する液位制御装置と、をさらに備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の油生産設備。
  7. 前記セパレータの内部の圧力を検出する圧力計と、
    前記圧力計により検出された前記圧力に基づいて、前記減圧装置を制御する圧力制御装置と、をさらに備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の油生産設備。
  8. 蒸気を発生させる蒸気発生装置と、
    前記蒸気発生装置に接続され、発生させた前記蒸気を前記油層に注入する蒸気注入井と、をさらに備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の油生産設備。
  9. 地中の油層に含まれる油分を回収する油生産方法において、
    前記油層に設けられるセパレータの内部に、前記油層に含まれる前記油分を流入させ、前記セパレータの内部において、気体と液体とに分離する気液分離工程と、
    前記セパレータの内部の前記液体を回収する油回収工程と、
    前記セパレータの内部の前記気体を回収すると共に、前記セパレータの内部の圧力が前記セパレータの外部の圧力よりも低い圧力となるように減圧するガス回収工程と、を備えることを特徴とする油生産方法。
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