JP6899514B2 - ガスワイピング装置及びガスワイピング方法 - Google Patents

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Description

本開示は、ガスワイピング装置及びガスワイピング方法に関する。
特許文献1には、鋼帯の幅に応じてガスワイピングノズルの開口幅を調節可能なガスワイピング装置が開示されている。特許文献2には、ガスワイピングノズルにおけるガスの圧力(以下、「ガスワイピングノズルの吐出圧力」という。)の制御方法として、ガスワイピングノズルの吐出圧力の設定値と測定値との偏差を小さくするようにワイピングノズル制御弁をフィードバック制御し、ブロワの吐出圧力の設定値と測定値との偏差を小さくするようにブロワをフィードバック制御する方法が開示されている。
特開2012−251237号公報 特開2003−129206号公報
特許文献1に開示されるように、鋼帯の幅に応じてガスワイピングノズルの開口幅を調節する場合、開口幅の変化に応じてガスワイピングノズルの吐出圧力を調節する必要がある。吐出圧力を調節するための制御方法として、特許文献2に開示される方法が挙げられる。しかしながら、当該方法においては、ガスワイピングノズルの制御弁及びブロワの両方が圧力に応じてフィードバック制御されるので、開口幅の変動に追従しきれず、吐出圧力を適切に調節できないおそれがある。
そこで本開示は、ガスワイピングノズルの開口幅の変動に応じてガスの吐出圧力を適切に制御するのに有効なガスワイピング装置及びガスワイピング方法を提供することを目的とする。
本開示の一側面に係るガスワイピング装置は、めっき用の溶融金属が付着した鋼帯にガスを吹き付けるガスワイピングノズルと、ガスワイピングノズルの開口幅を変更する幅調節部と、ガスワイピングノズルにガスを供給する送風機と、ガスワイピングノズルと送風機との間においてガスの流路の開度を調節する圧力調節弁と、ガスワイピングノズルに供給される前記ガスの圧力を検出する圧力センサと、コントローラと、を備え、コントローラは、ガスワイピングノズルに供給されるガスの圧力の目標値と、開口幅とに応じた送風機の運転速度を導出するための複数のデータを含むデータリストを有し、鋼帯の幅に応じて開口幅を調節するように幅調節部を制御することと、データリストに基づいて圧力の目標値及び開口幅に応じた送風機の運転速度の指令値を導出し、送風機に出力することと、圧力の目標値と、圧力センサの検出値との間の偏差を小さくするように圧力調節弁をフィードバック制御することと、を実行するように構成されている。
このガスワイピング装置によれば、圧力制御弁は、ガスワイピングノズルの吐出圧力の目標値と、圧力センサの検出値との間の偏差を小さくするようにフィードバック制御される。一方、送風機は、データリストを用いて制御される。すなわち、データリストを用い、圧力の目標値及び開口幅に応じた送風機の運転速度が導出され、送風機に出力される。仮に、送風圧力の制御偏差を小さくするように送風機をフィードバック制御すると、送風機におけるフィードバック制御と圧力制御弁におけるフィードバック制御とが相互に影響を及ぼし合い、吐出圧力の安定化が遅くなる場合がある。これに対し、送風機にはデータリストを用いた制御を行うことで、送風機の運転速度は、圧力制御弁の動作の影響を受けることなく指令値に即応して早期に安定化する。また、送風機の運転速度の変動が、圧力制御弁のフィードバック制御に及ぼす影響も小さくなる。このため、ガスワイピングノズルの吐出圧力は迅速に目標値に追従する。従って、ガスワイピングノズルの開口幅の変動に応じてガスの吐出圧力を適切に制御するのに有効である。
鋼帯は、互いに接続されて順に搬送される第一鋼帯及び第二鋼帯を含み、コントローラは、第一鋼帯がガスワイピングノズルを通過する第一期間と、第二鋼帯がガスワイピングノズルを通過する第二期間との間の移行期間において、第一期間及び第二期間に比較してガスワイピングノズルの開口幅を大きくするように幅調節部を制御することと、第二期間の開始に先立って、第二期間における送風機の運転速度の指令値をデータリストに基づいて導出することと、移行期間において、圧力調節弁のフィードバック制御を停止し、第二期間における送風機の運転速度の指令値(以下、「第二速度指令値」という。)を送風機に出力することと、を更に実行するように構成されていてもよい。
仮に、移行期間において、第一期間及び第二期間に比較してガスワイピングノズルの開口幅を大きくする制御を行わない場合、ガスワイピングノズルに対する溶融金属の付着が増えるおそれがある。例えば、第一鋼帯に比較して第二鋼帯の幅が大きい場合に、第一期間から第二期間への移行にガスワイピングノズルの開口幅の拡大が遅れる可能性がある。
この場合、移行期間において、鋼帯の幅に対してガスワイピングノズルの開口幅が小さい状態が生じ得る。この状態においては、鋼帯の縁の近傍に溶融金属の付着量の多い部分が生じ、当該部分から溶融金属の飛散(スプラッシュ)が生じ易くなるので、飛散した溶融金属がガスワイピングノズルに付着し易くなる。これに対し、移行期間において、第一期間及び第二期間に比較してガスワイピングノズルの開口幅を大きくすることで、上述のスプラッシュを低減し、ガスワイピングノズルへの溶融金属の付着を抑制することができる。
一方、移行期間においてガスワイピングノズルの開口幅を拡大する制御を実行すると、開口幅の変動に対する送風機及び圧力調節弁の応答が遅れる可能性がある。このような遅れが生じると、第二期間の開始後においても吐出圧力の変動が継続し、所望の目付量(鋼帯への溶融金属の付着量)が得られなくなるおそれがある。これに対し、移行期間においては、送風機の運転速度の指令値が第二速度指令値に保たれている。これにより、第二期間の開始時においては送風機の運転速度の指令値を変動させる必要がない。また、移行期間においては、圧力制御弁のフィードバック制御が停止される。これにより、移行期間における圧力制御弁の開度は、送風機の制御の併用を前提とした変動域内又はその近傍に保たれる。このため、第二期間の開始時に、ガスワイピングノズルの吐出圧力を迅速に目標値に追従させることができる。従って、スプラッシュを低減させるようにガスワイピングノズルの開口幅を変動させつつ、ガスの吐出圧力を適切に制御することができる。
データリストは、圧力の目標値が大きくなるのに応じて送風機の運転速度が大きくなり、開口幅が大きくなるに応じて送風機の運転速度が大きくなるように構成されていてもよい。この場合、圧力の目標値が小さくなると送風機の運転速度が小さくなり、開口幅が小さくなると送風機の運転速度が小さくなるので、圧力調節弁におけるエネルギーロスを低減できる。
本開示の他の側面に係るガスワイピング方法は、めっき用の溶融金属が付着した鋼帯にガスを吹き付けるガスワイピングノズルの開口幅を鋼帯の幅に応じて調節することと、ガスワイピングノズルに供給されるガスの圧力の目標値と、開口幅とに応じた送風機の運転速度を導出するための複数のデータを含むデータリストを有し、データリストに基づいて、圧力の目標値及び開口幅に応じた送風機の運転速度の指令値を導出し、送風機に出力することと、ガスワイピングノズルと送風機との間においてガスの流路の開度を調節する圧力調節弁を対象とし、圧力の目標値と、ガスワイピングノズルに供給されるガスの圧力の検出値との間の偏差を小さくするように圧力調節弁をフィードバック制御することと、を含む。
本開示によれば、ガスワイピングノズルの開口幅の変動に応じてガスの吐出圧力を適切に制御するのに有効なガスワイピング装置及びガスワイピング方法を提供することができる。
ガスワイピング装置の概略構成を示す模式図である。 ガスワイピングノズルの斜視図である。 幅調節部の構成を示す模式図である。 データリストを例示する図である。 コントローラのハードウェア構成を示すブロック図である。 ガスワイピング装置の制御手順を示すフローチャートである。 接続部分が通過する際のガスワイピングノズルの動作を示す模式図である。 ガスワイピングノズルに溶融金属が付着する様子を示す模式図である。 接続部分が通過する際におけるブロワ回転数の推移を示すグラフである。 接続部分が通過する際における吐出圧力の推移を示すグラフである。 接続部分が通過する際における目付量の推移を示すグラフである。
以下、実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
〔溶融金属めっき装置〕
図1に示される溶融金属めっき装置1は、溶融金属を含むめっき浴に鋼帯を通すことで、当該鋼帯の表面に金属のめっきを施す装置である。溶融金属めっき装置1は、めっきポット2と、ガスワイピング装置3とを備える。
めっきポット2は、めっき用の溶融金属を含むめっき浴を収容する。溶融金属の具体例としては、溶融亜鉛等が挙げられる。めっきポット2内には、水平な軸線まわりに回転可能なシンクロール21が設けられている。シンクロール21は、めっき浴中に位置する。めっきポット2は、めっき対象の鋼帯9を上方から受け入れる。上方からめっきポット2内に受け入れられた鋼帯9は、めっき浴に浸漬される。めっき浴に浸漬された鋼帯9は、シンクロール21により上方に折り返され、溶融金属が付着した状態にてめっきポット2内から上方送り出される。以下、鋼帯9が移動する方向を「搬送方向」という。また、鋼帯9のうち、めっきポット2内から上方に送り出された部分を「浸漬後の鋼帯9」という。
ガスワイピング装置3は、浸漬後の鋼帯9にガスを吹き付けることによって目付量を調整する。目付量とは、鋼帯9への溶融金属の付着量を意味し、例えば単位面積当たりに付着する溶融金属の重量で表される。ガスは、窒素ガス等の不活性ガスであってもよく、空気であってもよい。
ガスワイピング装置3は、第一ノズルユニット4Aと、第二ノズルユニット4Bと、送風機5と、第一管路6Aと、第二管路6Bと、第一バルブ7Aと、第二バルブ7Bと、第一圧力センサ8Aと、第二圧力センサ8Bと、コントローラ100とを備える。
第一ノズルユニット4A及び第二ノズルユニット4Bは、めっきポット2の上方において浸漬後の鋼帯9を挟むように設けられ、浸漬後の鋼帯9にガスを吹き付ける。第一ノズルユニット4Aは、鋼帯9の一方の面に向かって開口したガスワイピングノズル41を有し、第二ノズルユニット4Bは、鋼帯9の他方の面に向かって開口したガスワイピングノズル41を有する。
送風機5は、第一ノズルユニット4A及び第二ノズルユニット4Bのガスワイピングノズル41にガスを供給する。送風機5は、ブロワ51と、ブロワ51を駆動するモータ52と、駆動用の電力をモータ52に供給するインバータ53とを含む。
第一管路6Aは、ブロワ51から第一ノズルユニット4Aのガスワイピングノズル41にガスを導く。第二管路6Bは、ブロワ51から第二ノズルユニット4Bのガスワイピングノズル41にガスを導く。
第一バルブ7A(圧力調節弁)は、第一管路6Aにおいてガスワイピングノズル41とブロワ51との間に設けられており、ガスの流路の開度を調節する。第二バルブ7B(圧力調節弁)は、第二管路6Bにおいてガスワイピングノズル41とブロワ51との間に設けられており、ガスの流路の開度を調節する。第一バルブ7A及び第二バルブ7Bの具体例としては、例えばグローブ弁が挙げられる。
第一圧力センサ8Aは、第一ノズルユニット4Aのガスワイピングノズル41に供給されるガスの圧力を検出する。例えば第一圧力センサ8Aは、第一管路6Aにおいてガスワイピングノズル41と第一バルブ7Aとの間に設けられており、第一管路6A内の圧力を検出する。第一圧力センサ8Aは、ガスワイピングノズル41内の圧力を検出するように、第一ノズルユニット4Aに設けられていてもよい。第二圧力センサ8Bは、第二ノズルユニット4Bのガスワイピングノズル41に供給されるガスの圧力を検出する。例えば第二圧力センサ8Bは、第二管路6Bにおいてガスワイピングノズル41と第二バルブ7Bとの間に設けられており、第二管路6B内の圧力を検出する。第二圧力センサ8Bは、ガスワイピングノズル41内の圧力を検出するように、第二ノズルユニット4Bに設けられていてもよい。
続いて、図2及び図3を参照し、第一ノズルユニット4A及び第二ノズルユニット4Bの構造を説明する。なお、第一ノズルユニット4A及び第二ノズルユニット4Bの構造は同じなので、以下ではこれらを区別せずに「ノズルユニット4」とする。
図2及び図3に示すように、ノズルユニット4のガスワイピングノズル41は、送風機5により供給されたガスを受け入れるガス受入部41aと、ガスを吐出するスリット41bとを有する。スリット41bは鋼帯9の幅方向に沿っている。
ノズルユニット4は、ガスワイピングノズル41の開口幅を変更する幅調節部42を更に有する。幅調節部42は、二つの閉塞部材44と、二つのアクチュエータ45とを有する。二つの閉塞部材44は、スリット41bの両端部をそれぞれ塞ぐように配置されており、二つの閉塞部材44同士の間隔がガスワイピングノズル41の開口幅となる。
二つのアクチュエータ45は、二つの閉塞部材44を鋼帯9の幅方向に沿ってそれぞれ移動させることで、ガスワイピングノズル41の開口幅を変更する。アクチュエータ45は、例えば電動式のリニアアクチュエータであり、ワイヤ及びプーリなどの伝達要素46を介して閉塞部材44を駆動する。
続いて、図1に戻り、コントローラ100について説明する。コントローラ100は、ガスワイピングノズル41の開口幅と、ガスワイピングノズル41に供給するガスの圧力(以下、これを「吐出圧力」という。)とを自動制御する。
コントローラ100は、ガスワイピングノズル41に供給されるガスの圧力の目標値と、開口幅とに応じた送風機5の運転速度を導出するための複数のデータを含むデータリスト114を有し、鋼帯9の幅に応じて開口幅を調節するように幅調節部42を制御することと、データリストに基づいて圧力の目標値及び開口幅に応じた送風機5の運転速度(例えばブロワ51の回転速度)の指令値を導出し、送風機5に出力することと、圧力の目標値と、第一圧力センサ8A及び第二圧力センサ8Bの検出値との間の偏差を小さくするように第一バルブ7A及び第二バルブ7Bをフィードバック制御することと、を実行するように構成されている。
ここで、鋼帯9は、互いに幅の異なる複数の鋼帯を含む。複数の鋼帯は、搬送方向に沿って並んでおり、隣り合う鋼帯同士は溶接等により互いに接続されている。以下、互いに接続された二つの鋼帯のうち、先行して搬送される方を「第一鋼帯」といい、これに続いて搬送される方を「第二鋼帯」といい、第一鋼帯及び第二鋼帯の間を「接続部分」という。すなわち鋼帯9は、互いに接続されて順に搬送される第一鋼帯及び第二鋼帯を含む。
コントローラ100は、第一鋼帯がガスワイピングノズル41を通過する第一期間と、第二鋼帯がガスワイピングノズル41を通過する第二期間との間の移行期間において、第一期間及び第二期間に比較してガスワイピングノズル41の開口幅を大きくするように幅調節部42を制御することと、第二期間の開始に先立って、第二期間における送風機5の運転速度の指令値を上記データリストに基づいて導出することと、移行期間において、第一バルブ7A及び第二バルブ7Bのフィードバック制御を停止し、第二期間における送風機5の運転速度の指令値を送風機5に出力することと、を更に実行するように構成されていてもよい。なお、「ガスワイピングノズル41を通過する」とは、ガスワイピングノズル41が吐出したガスが到達する位置を通過することを意味する。
コントローラ100は、機能上の構成(以下、「機能ブロック」という。)として、鋼帯情報取得部111と、目標圧力設定部112と、制御モード切替部113と、データリスト114と、ブロワ速度制御部115と、第一バルブ制御部116と、第二バルブ制御部117と、開口幅制御部118とを有する。
鋼帯情報取得部111は、搬送中の鋼帯9に関する情報を上位のコントローラから取得する。目標圧力設定部112は、鋼帯情報取得部111により取得された情報に基づいて、吐出圧力の目標値を設定する。
制御モード切替部113は、鋼帯同士の接続部分の位置に基づいて、上記移行期間の開始と終了を判定し、移行期間外における制御モード(以下、「通常モード」という。)と、移行期間中における制御モード(以下、「移行モード」という。)とを切り換える。
データリスト114は、ガスワイピングノズル41に供給されるガスの圧力の目標値と、開口幅とに応じた送風機5の運転速度を導出するための複数のデータを含む。例えばデータリスト114は、吐出圧力の目標値と、ガスワイピングノズル41の開口幅と、送風機5の運転速度との複数の組み合わせパターンのリストを含む。図4に例示するように、データリスト114は、複数種類の吐出圧力と、複数種類の開口幅との組み合わせごとに、送風機5の運転速度を定めたテーブルである。吐出圧力及び開口幅に応じた送風機5の運転速度は、例えば、当該開口幅に当該吐出圧力を適用した場合のガス流量と同じ流量を送風する条件下で、上記吐出圧力に所定の圧力マージンを加算した送風圧力(送風機5がガスを送り出す際の圧力)が得られるように設定される。所定の圧力マージンは、送風機5からガスワイピングノズル41に至るまでの圧力損失と、送風機5の送風圧力のばらつき等を含む。吐出圧力及び開口幅に応じた送風機5の運転速度は、予め実機で実測したデータに基づいて設定されていてもよく、シミュレーション結果に基づいて設定されていてもよい。
図4のテーブルは、複数種類の吐出圧力(圧力1〜8)にそれぞれ対応する複数の列と、複数種類の開口幅(幅1〜6)にそれぞれ対応する複数の行とで区画された複数のセルのそれぞれに、送風機5の運転速度が割り当てられている。このデータリスト114は、吐出圧力の目標値が大きくなるのに応じて送風機5の運転速度が大きくなり、開口幅が大きくなるに応じて送風機5の運転速度が大きくなるように構成されていてもよい。
ブロワ速度制御部115は、送風機5に運転速度の指令値を出力する。例えばブロワ速度制御部115は、送風機5のインバータ53に、ブロワ51の回転速度の指令値を出力する。上述の制御モードが通常モードである場合、ブロワ速度制御部115は、データリスト114に基づいて吐出圧力の目標値及び開口幅に応じた送風機5の運転速度の指令値を導出し、送風機5に出力する。上述の制御モードが移行モードである場合、ブロワ速度制御部115は、上記第二期間における送風機5の運転速度の指令値をデータリスト114に基づいて導出し、送風機5に出力する。
第一バルブ制御部116は、第一管路6Aにおけるガスの流路の開度を調節するように第一バルブ7Aを制御する。上述の制御モードが通常モードである場合、第一バルブ制御部116は、吐出圧力の目標値と、第一圧力センサ8Aの検出値との間の偏差を小さくするように第一バルブ7Aをフィードバック制御する。
フィードバック制御の具体例としては、P制御、PI制御、又はPID制御等が挙げられる。P制御は、上記偏差に比例した開度指令値を第一バルブ7Aに出力する制御である。PI制御は、上記偏差に比例した開度指令値と、上記偏差の時間積分に比例した開度指令値とを加算して第一バルブ7Aに出力する制御である。PID制御は、上記偏差に比例した開度指令値と、上記偏差の時間積分に比例した開度指令値と、上記偏差の時間微分に比例した開度指令値とを加算して第一バルブ7Aに出力する制御である。
上述の制御モードが移行モードである場合、第一バルブ制御部116は、第一バルブ7Aのフィードバック制御を停止する。以後、第一バルブ制御部116は、第一バルブ7Aの開度指令値を、フィードバック制御の停止直前の値に維持する。
第二バルブ制御部117は、第二管路6Bにおけるガスの流路の開度を調節するように第二バルブ7Bを制御する。上述の制御モードが通常モードである場合、第二バルブ制御部117は、吐出圧力の目標値と、第二圧力センサ8Bの検出値との間の偏差を小さくするように第二バルブ7Bをフィードバック制御する。上述の制御モードが移行モードである場合、第二バルブ制御部117は、第二バルブ7Bのフィードバック制御を停止する。
以後、第二バルブ制御部117は、第二バルブ7Bの開度指令値を、フィードバック制御の停止直前の値に維持する。
開口幅制御部118は、ガスワイピングノズル41の開口幅を調節するように幅調節部42を制御する。上述の制御モードが通常モードである場合、開口幅制御部118は、鋼帯9の幅に応じてガスワイピングノズル41の開口幅を調節する。上述の制御モードが移行モードである場合、開口幅制御部118は、上記第一期間及び第二期間に比較してガスワイピングノズル41の開口幅を大きくするように幅調節部42を制御する。
図5は、コントローラ100のハードウェア構成を例示するブロック図である。図5に示すように、コントローラ100は回路120を有し、回路120は、一つ又は複数のプロセッサ121と、メモリ122と、ストレージ123と、入出力ポート124とを有する。
入出力ポート124は、幅調節部42、第一バルブ7A、第二バルブ7B、第一圧力センサ8A、第二圧力センサ8B、及びインバータ53との間で電気信号の入出力を行う。ストレージ123は、コントローラ100の上記各機能ブロックを構成するためのプログラムを記録している。ストレージ123は、コンピュータ読み取り可能であればどのようなものであってもよい。具体例として、ハードディスク、不揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク及び光ディスク等が挙げられる。メモリ122は、ストレージ123からロードしたプログラム及びプロセッサ121の演算結果等を一時的に記憶する。プロセッサ121は、メモリ122と協働してプログラムを実行することで、各機能ブロックを構成する。
なお、コントローラ100のハードウェア構成は、必ずしもプログラムにより各機能ブロックを構成するものに限られない。例えばコントローラ100の上記機能ブロックの少なくとも一部は、専用の論理回路又はこれを集積したASIC(Application Specific Integrated Circuit)により構成されていてもよい。
コントローラ100は、第一ノズルユニット4A及び第二ノズルユニット4Bを制御する(幅調節部42を制御する)コントローラと、第一バルブ7A、第二バルブ7B及び送風機5を制御するコントローラとに分かれ、これらが通信ラインで接続されていてもよい。
〔ガスワイピング方法〕
続いて、ガスワイピング方法の一例として、コントローラ100により実行される制御手順を説明する。以下の手順の開始時点において、上記制御モードは通常モードとなっているものとする。
図6に示すように、コントローラ100は、まずステップS01を実行する。ステップS01では、鋼帯情報取得部111が、搬送中の鋼帯9に関する情報を上位のコントローラから取得する。例えば鋼帯情報取得部111は、搬送方向に連なる複数の鋼帯の幅の情報と、鋼帯同士の接続部分の位置の情報と、鋼帯9の搬送速度(以下、「ライン速度」という。)の情報と、目付量の目標値とを取得する。
次に、コントローラ100はステップS02を実行する。ステップS02では、目標圧力設定部112が、吐出圧力の目標値を設定する。例えば目標圧力設定部112は、目付量の目標値と、ライン速度とを鋼帯情報取得部111から取得し、これらに応じて吐出圧力の目標値を設定する。目付量の目標値及びライン速度に応じた吐出圧力の目標値は、理論式、過去の操業データ又は実験データ又はこれらのデータに基づく回帰式、又は目付量の実測値のフィードバック演算に基づいて導出可能である。
次に、コントローラ100はステップS03を実行する。ステップS03では、開口幅制御部118が、鋼帯9の幅に応じてガスワイピングノズル41の開口幅を調節する。例えば開口幅制御部118は、鋼帯情報取得部111により取得された鋼帯9の幅に第一マージンを加算した値を開口幅の指令値とし、当該指令値を幅調節部42に出力する。第一マージンは、事前の条件出しにより予め設定されている。
次に、コントローラ100はステップS04を実行する。ステップS04では、ブロワ速度制御部115が、データリスト114に基づいて吐出圧力の目標値及び開口幅に応じた送風機5の運転速度の指令値を導出し、送風機5に出力する。すなわちデータリスト114は、送風圧力の制御偏差を小さくするための送風機5のフィードバック制御を行わない。例えばブロワ速度制御部115は、ステップS02において設定された吐出圧力の目標値と、ステップS03において導出された開口幅の指令値とに対応する送風機5の運転速度をデータリスト114から探し出し、これを指令値とする。また、ブロワ速度制御部115は、データリスト114のデータ同士の間を線形補間等の手法により補間して送風機5の運転速度を導出してもよい。
次に、コントローラ100はステップS05を実行する。ステップS05では、第一バルブ制御部116が第一圧力センサ8Aの検出値を取得し、第二バルブ制御部117が第二圧力センサ8Bの検出値を取得する。
次に、コントローラ100はステップS06を実行する。ステップS06では、第一バルブ制御部116が、吐出圧力の目標値と第一圧力センサ8Aの検出値との間の偏差に応じた開度指令値を導出し、第一バルブ7Aに出力する。第二バルブ制御部117が、吐出圧力の目標値と第二圧力センサ8Bの検出値との間の偏差に応じた開度指令値を導出し、第一バルブ7Aに出力する。なお、偏差に応じた開度指令値は、偏差に比例した値であってもよく、偏差に比例した値と偏差の時間積分に比例した値とを加算した値であってもよく、偏差に比例した値と偏差の時間積分に比例した値と偏差の時間微分に比例した値とを加算した値であってもよい。
次に、コントローラ100はステップS07を実行する。ステップS07では、鋼帯情報取得部111が、搬送中の鋼帯9に関する情報を上位のコントローラから再度取得して更新する。
次に、コントローラ100はステップS08を実行する。ステップS08では、鋼帯9の搬送が停止したか否かを制御モード切替部113が確認する。
鋼帯9の搬送は停止していないと判定した場合、コントローラ100はステップS09を実行する。ステップS09では、制御モード切替部113が、ステップS07において更新された情報に基づいて、上記移行期間が開始したか否かを確認する。例えば制御モード切替部113は、接続部分(ガスワイピングノズル41を通過していない接続部分)からガスワイピングノズル41までの距離が所定値以下である場合に、上記移行期間が開始したものと判定する。
ステップS09において、移行期間は開始していないと判定した場合、コントローラ100は処理をステップS03に戻す。以後、移行期間が開始されるまで、開口幅の調節と、通常モードでの送風機5、第一バルブ7A及び第二バルブ7Bの制御とが繰り返される。
ステップS09において、移行期間が開始したと判定した場合、コントローラ100はステップS10を実行する。ステップS10では、制御モード切替部113が、制御モードを通常モードから移行モードに変更する。
次に、コントローラ100はステップS11を実行する。ステップS11では、第一バルブ制御部116が第一バルブ7Aのフィードバック制御を停止し、第二バルブ制御部117が第二バルブ7Bのフィードバック制御を停止する。以後、第一バルブ制御部116は、第一バルブ7A及び第二バルブ7Bへの開度指令値を、ステップS07において導出された値に維持する。
次に、コントローラ100はステップS12を実行する。ステップS12では、開口幅制御部118が、上記第一期間及び第二期間に比較してガスワイピングノズル41の開口幅を大きくするように幅調節部42を制御する。例えば開口幅制御部118は、上記第一鋼帯及び第二鋼帯の幅を鋼帯情報取得部111から取得し、これらのうち大きい方に対し、第一マージンよりも大きな第二マージンを加算した値を開口幅の指令値とし、当該指令値を幅調節部42に出力する。このため、図7に示すように、移行期間T3におけるガスワイピングノズル41の開口幅W3は、第一期間T1における開口幅W1及び第二期間T2における開口幅W2に比較して大きくなる。なお、第二マージンは、事前の条件出しにより予め設定されている。
図6に戻り、コントローラ100は、次にステップS13を実行する。ステップS13では、目標圧力設定部112が、第二期間における吐出圧力の目標値を設定する。例えば目標圧力設定部112は、第二期間における目付量の目標値(第二鋼帯への目付量の目標値)と、ライン速度とを鋼帯情報取得部111から取得し、これらに応じて吐出圧力の目標値を設定する。
次に、コントローラ100はステップS14を実行する。ステップS14では、ブロワ速度制御部115が、上記第二期間におけるガスワイピングノズル41の開口幅を導出する。例えばブロワ速度制御部115は、第二鋼帯の幅を鋼帯情報取得部111から取得し、これに第一マージンを加算して第二期間におけるガスワイピングノズル41の開口幅を導出する。
次に、コントローラ100はステップS15を実行する。ステップS15では、ブロワ速度制御部115が、第二期間における送風機5の運転速度の指令値をデータリスト114に基づいて導出し、送風機5に出力する。例えばブロワ速度制御部115は、ステップS12において設定された吐出圧力の目標値と、ステップS13において導出された開口幅とに対応する送風機5の運転速度をデータリスト114から探し出し、これを指令値とする。また、ブロワ速度制御部115は、データリスト114のデータ同士の間を線形補間等の手法により補間して送風機5の運転速度を導出してもよい。
なお、ステップS14におけるガスワイピングノズル41の開口幅の導出と、ステップS15における運転速度の指令値の導出とは、少なくとも第二期間の開始に先立って実行されていればよいので、コントローラ100は、これらを上記移行期間の開始に先立って実行してもよい。
次に、コントローラ100はステップS16を実行する。ステップS16では、鋼帯情報取得部111が、搬送中の鋼帯9に関する情報を上位のコントローラから再度取得して更新する。
次に、コントローラ100はステップS17を実行する。ステップS17では、制御モード切替部113が、ステップS16において更新された情報に基づいて、上記移行期間が完了したか否かを確認する。例えば制御モード切替部113は、接続部分(ガスワイピングノズル41を通過した接続部分)からガスワイピングノズル41までの距離が所定値以上である場合に、上記移行期間が完了したものと判定する。
ステップS17において、移行期間は完了していないと判定した場合、コントローラ100は処理をステップS16に戻す。以後、移行期間が完了するまで、鋼帯9に関する情報の更新と、移行期間の完了の確認とが繰り返される。
ステップS17において、移行期間が完了したと判定した場合、コントローラ100はステップS18を実行する。ステップS18では、制御モード切替部113が、制御モードを移行モードから通常モードに変更する。その後コントローラ100は、処理をステップS03に戻す。これにより、通常モードでの制御が再開される。
ステップS08において、鋼帯9の搬送が停止したと判定した場合、コントローラ100は処理を終了する。以上でガスワイピング手順が完了する。
〔本実施形態の効果〕
以上に説明したように、ガスワイピング装置3は、めっき用の溶融金属が付着した鋼帯9にガスを吹き付けるガスワイピングノズル41と、ガスワイピングノズル41の開口幅を変更する幅調節部42と、ガスワイピングノズル41にガスを供給する送風機5と、ガスワイピングノズル41と送風機5との間においてガスの流路の開度を調節する第一バルブ7A及び第二バルブ7Bと、ガスワイピングノズル41に供給されるガスの圧力を検出する第一圧力センサ8A及び第二圧力センサ8Bと、コントローラ100と、を備え、コントローラ100は、ガスワイピングノズル41に供給されるガスの圧力の目標値と、開口幅とに応じた送風機5の運転速度を導出するための複数のデータを含むデータリスト114を有し、鋼帯9の幅に応じて開口幅を調節するように幅調節部42を制御することと、データリスト114に基づいて圧力の目標値及び開口幅に応じた送風機5の運転速度の指令値を導出し、送風機5に出力することと、圧力の目標値と、第一圧力センサ8A及び第二圧力センサ8Bの検出値との間の偏差を小さくするように第一バルブ7A及び第二バルブ7Bをフィードバック制御することと、を実行するように構成されている。
このガスワイピング装置3によれば、第一バルブ7A及び第二バルブ7Bは、ガスワイピングノズル41の吐出圧力の目標値と、第一圧力センサ8A及び第二圧力センサ8Bの検出値との間の偏差を小さくするようにフィードバック制御される。一方、送風機5は、データリスト114を用いて制御される。すなわち、データリスト114を用い、圧力の目標値及び開口幅に応じた送風機5の運転速度が導出され、送風機5に出力される。仮に、送風圧力の制御偏差を小さくするように送風機5をフィードバック制御すると、送風機5におけるフィードバック制御と第一バルブ7A及び第二バルブ7Bにおけるフィードバック制御とが相互に影響を及ぼし合い、ガスワイピングノズル41の吐出圧力の安定化が遅くなる場合がある。これに対し、送風機5にはデータリスト114を用いた制御を行うことで、送風機5の運転速度は、第一バルブ7A及び第二バルブ7Bの動作の影響を受けることなく指令値に即応して早期に安定化する。また、送風機5の運転速度の変動が、第一バルブ7A及び第二バルブ7Bのフィードバック制御に及ぼす影響も小さくなる。このため、ガスワイピングノズル41の吐出圧力は迅速に目標値に追従する。従って、ガスワイピングノズル41の開口幅の変動に応じてガスの吐出圧力を適切に制御するのに有効である。
データリスト114は、圧力の目標値が大きくなるのに応じて送風機5の運転速度が大きくなり、開口幅が大きくなるに応じて送風機5の運転速度が大きくなるように構成されていてもよい。この場合、圧力の目標値が小さくなると送風機5の運転速度が小さくなり、開口幅が小さくなると送風機5の運転速度が小さくなるので、第一バルブ7A及び第二バルブ7Bにおけるエネルギーロスを低減できる。
鋼帯9は、互いに接続されて順に搬送される第一鋼帯及び第二鋼帯を含み、コントローラ100は、第一鋼帯がガスワイピングノズル41を通過する第一期間と、第二鋼帯がガスワイピングノズル41を通過する第二期間との間の移行期間において、第一期間及び第二期間に比較してガスワイピングノズル41の開口幅を大きくするように幅調節部42を制御することと、第二期間の開始に先立って、第二期間における送風機5の運転速度の指令値をデータリスト114に基づいて導出することと、移行期間において、第一バルブ7A及び第二バルブ7Bのフィードバック制御を停止し、第二期間における送風機5の運転速度の指令値(以下、「第二速度指令値」という。)を送風機5に出力することと、を更に実行するように構成されていてもよい。
仮に、移行期間において、第一期間及び第二期間に比較してガスワイピングノズル41の開口幅を大きくする制御を行わない場合、ガスワイピングノズル41に対する溶融金属の付着が増えるおそれがある。例えば、第一鋼帯に比較して第二鋼帯の幅が大きい場合に、第一期間から第二期間への移行にガスワイピングノズル41の開口幅の拡大が遅れる可能性がある。この場合、移行期間において、鋼帯9の幅に対してガスワイピングノズル41の開口幅が小さい状態が生じ得る。この状態においては、図8に示すように、鋼帯9の縁の近傍に溶融金属Mの付着量の多い部分Mpが生じ、当該部分Mpから溶融金属の飛散(スプラッシュ)が生じ易くなるので、飛散した溶融金属Msがガスワイピングノズル41に付着し易くなる。これに対し、移行期間において、第一期間及び第二期間に比較してガスワイピングノズル41の開口幅を大きくすることで、上述のスプラッシュを低減し、ガスワイピングノズル41への溶融金属の付着を抑制することができる。
一方、移行期間においてガスワイピングノズル41の開口幅を拡大する制御を実行すると、開口幅の変動に対する送風機5、第一バルブ7A及び第二バルブ7Bの応答が遅れる可能性がある。このような遅れが生じると、第二期間の開始後においても吐出圧力の変動が継続し、所望の目付量が得られなくなるおそれがある。これに対し、移行期間においては、送風機5の運転速度の指令値が第二速度指令値に保たれている。これにより、第二期間の開始時においては送風機5の運転速度の指令値を変動させる必要がない。また、移行期間においては、第一バルブ7A及び第二バルブ7Bのフィードバック制御が停止される。これにより、移行期間における第一バルブ7A及び第二バルブ7Bの開度は、送風機5の制御の併用を前提とした変動域内又はその近傍に保たれる。このため、第二期間の開始時に、ガスワイピングノズル41の吐出圧力を迅速に目標値に追従させることができる。従って、スプラッシュを低減させるようにガスワイピングノズル41の開口幅を変動させつつ、ガスの吐出圧力を適切に制御することができる。
図9は、移行期間における送風機5、第一バルブ7A及び第二バルブ7Bの制御を移行モードで行った場合と、通常モードで行った場合とで、ブロワ51の回転数(以下、「ブロワ回転数」という。)の実測値を比較するグラフである。図9の(a)は、ガスワイピングノズル41の開口幅の推移を示すグラフである。移行期間T3におけるガスワイピングノズル41の開口幅は、第一期間T1における開口幅から徐々に大きくなり、一定の値に保たれた後、第二期間T2における開口幅まで徐々に小さくなるように推移している。図9の(b)は、移行期間T3における送風機5、第一バルブ7A及び第二バルブ7Bの制御を移行モード行った場合におけるブロワ回転数の実測値の推移を示すグラフである。図9の(c)は、移行期間T3における送風機5、第一バルブ7A及び第二バルブ7Bの制御を通常モード行った場合におけるブロワ回転数の実測値の推移を示すグラフである。
図9の(c)に示されるように、移行期間T3における送風機5、第一バルブ7A及び第二バルブ7Bの制御を通常モードで行った場合、移行期間T3の後半においてブロワ回転数がオーバーシュートし、第二期間T2の開始後においてもブロワ回転数が変動している。この変動は、移行期間T3におけるガスワイピングノズル41の開口幅の変動に対し、送風機5、第一バルブ7A及び第二バルブ7Bの応答が遅れることに起因しているものと考えられる。これに対し、図9の(b)に示されるように、移行期間T3における送風機5、第一バルブ7A及び第二バルブ7Bの制御を移行モードで行った場合、ブロワ回転数は、第二期間の開始に先立って第二期間における回転数の目標値R1に収束し、第二期間の開始以降も略一定に保たれている。
図10は、移行期間における送風機5、第一バルブ7A及び第二バルブ7Bの制御を移行モードで行った場合と、通常モードで行った場合とで、吐出圧力の実測値(第一圧力センサ8A又は第二圧力センサ8Bの検出値)を比較するグラフである。図10の(a)は、図9の(a)と同様に、ガスワイピングノズル41の開口幅の推移を示すグラフである。図10の(b)は、移行期間T3における送風機5、第一バルブ7A及び第二バルブ7Bの制御を移行モード行った場合における吐出圧力の実測値の推移を示すグラフである。図10の(c)は、移行期間T3における送風機5、第一バルブ7A及び第二バルブ7Bの制御を通常モード行った場合における吐出圧力の実測値の推移を示すグラフである。
図10の(c)に示されるように、移行期間T3における送風機5、第一バルブ7A及び第二バルブ7Bの制御を通常モードで行った場合、移行期間T3の後半において吐出圧力がオーバーシュートし、第二期間の開始後においても吐出圧力が変動している。この変動も、移行期間T3におけるガスワイピングノズル41の開口幅の変動に対し、送風機5、第一バルブ7A及び第二バルブ7Bの応答が遅れることに起因しているものと考えられる。これに対し、図10の(b)に示されるように、移行期間T3における送風機5、第一バルブ7A及び第二バルブ7Bの制御を移行モードで行った場合、吐出圧力は、第二期間T2の開始と共に目標値R2に収束し、それ以降も略一定に保たれている。
図11は、移行期間における送風機5、第一バルブ7A及び第二バルブ7Bの制御を移行モードで行った場合と、通常モードで行った場合とで、目付量の実測値を比較するグラフである。図11の(a)は、図9の(a)と同様に、ガスワイピングノズル41の開口幅の推移を示すグラフである。図11の(b)は、移行期間T3における送風機5、第一バルブ7A及び第二バルブ7Bの制御を移行モード行った場合における目付量の実測値の推移を示すグラフである。図11の(c)は、移行期間T3における送風機5、第一バルブ7A及び第二バルブ7Bの制御を通常モード行った場合における目付量の実測値の推移を示すグラフである。
図11の(c)に示されるように、移行期間T3における送風機5、第一バルブ7A及び第二バルブ7Bの制御を通常モードで行った場合、移行期間T3の後半において目付量がオーバーシュートし、第二期間の開始後においても目付量が変動している。この変動も、移行期間におけるガスワイピングノズル41の開口幅の変動に対し、送風機5、第一バルブ7A及び第二バルブ7Bの応答が遅れることに起因しているものと考えられる。これに対し、図11の(b)に示されるように、移行期間T3における送風機5、第一バルブ7A及び第二バルブ7Bの制御を移行モードで行った場合、目付量は、第二期間の開始後速やかに目標値R3に収束し、それ以降も略一定に保たれている。
以上、実施形態について説明したが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
上述の実施形態においては、一つの送風機5から第一ノズルユニット4A及び第二ノズルユニット4Bの両方にガスを供給する構成を示したが、送風機5はノズルユニット4ごとに設けられていてもよい。すなわち、ガスワイピング装置3は、第一ノズルユニット4A及び第二ノズルユニット4Bにそれぞれガスを供給する二つの送風機5を有していてもよい(以下、第一ノズルユニット4Aにガスを供給する送風機5を「第一送風機5A」といい、第二ノズルユニット4Bにガスを供給する送風機5を「第二送風機5B」という。)。この場合、コントローラ100は、第一ノズルユニット4A、第一バルブ7A及び第一送風機5Aを制御するコントローラと、第二ノズルユニット4B、第二バルブ7B及び第二送風機5Bを制御するコントローラとに分かれていてもよい。
3…ガスワイピング装置、9…鋼帯、5…送風機、7A…第一バルブ(圧力調節弁)、7B…第二バルブ(圧力調節弁)、8A…第一圧力センサ、8B…第二圧力センサ、100…コントローラ、41…ガスワイピングノズル、42…幅調節部。

Claims (4)

  1. めっき用の溶融金属が付着した鋼帯にガスを吹き付けるガスワイピングノズルと、
    前記ガスワイピングノズルの開口幅を変更する幅調節部と、
    前記ガスワイピングノズルに前記ガスを供給する送風機と、
    前記ガスワイピングノズルと前記送風機との間において前記ガスの流路の開度を調節する圧力調節弁と、
    前記ガスワイピングノズルに供給される前記ガスの圧力を検出する圧力センサと、
    コントローラと、を備え、
    前記コントローラは、
    前記鋼帯の幅に応じて前記開口幅を調節するように前記幅調節部を制御することと、
    力の目標値と、前記圧力センサの検出値との間の偏差を小さくするように前記圧力調節弁をフィードバック制御することと、
    前記圧力の目標値と、前記開口幅と、前記送風機の運転速度の指令値との関係を表すように予め定められたデータリストにおいて、前記圧力の目標値と前記開口幅とに対応する前記送風機の運転速度の指令値を導出し、前記送風機に当該指令値を出力することと、を実行するように構成されている、ガスワイピング装置。
  2. 前記鋼帯は、互いに接続されて順に搬送される第一鋼帯及び第二鋼帯を含み、
    前記コントローラは、
    前記第一鋼帯が前記ガスワイピングノズルを通過する第一期間と、前記第二鋼帯が前記ガスワイピングノズルを通過する第二期間との間の移行期間において、前記第一期間及び前記第二期間に比較して前記ガスワイピングノズルの開口幅を大きくするように前記幅調節部を制御することと、
    前記第二期間の開始に先立って、前記第二期間における前記送風機の運転速度の指令値を前記データリストに基づいて導出することと、
    前記移行期間において、前記圧力調節弁のフィードバック制御を停止し、前記第二期間における前記送風機の運転速度の指令値を前記送風機に出力することと、を更に実行するように構成されている、請求項1記載のガスワイピング装置。
  3. 前記データリストは、
    前記圧力の目標値が大きくなるのに応じて前記送風機の運転速度が大きくなり、前記開口幅が大きくなるに応じて前記送風機の運転速度が大きくなるように構成されている、請求項1又は2記載のガスワイピング装置。
  4. 送風機から供給されたガスを、めっき用の溶融金属が付着した鋼帯に吹き付けるガスワイピングノズルの開口幅を、前記鋼帯の幅に応じて調節することと、
    前記ガスワイピングノズルと前記送風機との間において前記ガスの流路の開度を調節する圧力調節弁を対象とし、前記圧力の目標値と、前記ガスワイピングノズルに供給される前記ガスの圧力の検出値との間の偏差を小さくするように前記圧力調節弁をフィードバック制御することと、
    前記圧力の目標値と、前記開口幅と、前記送風機の運転速度の指令値との関係を表すように予め定められたデータリストにおいて、前記圧力の目標値と前記開口幅とに対応する前記送風機の運転速度の指令値を導出し、前記送風機に当該指令値を出力することと、を含むガスワイピング方法。
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