JP6899474B2 - 減速機付モータの製造方法 - Google Patents
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例えば、回転軸とウォーム軸とを一体成形し、回転軸を、ウォーム減速機構のギヤケース内に収納されたウォーム軸の両端のみで軸支されるように組み付ける技術が開示されている。
また、把持用開口部を形成することにより、ロータコアの放熱面積を増大させることができる。このため、駆動時のロータの温度上昇を抑えることができる。
図1は、減速機付モータ1の斜視図、図2は、図1のA−A線に沿う断面図である。 図1、図2に示すように、減速機付モータ1は、例えば車両に搭載される電装品(例えば、ワイパ、パワーウインドウ、サンルーフ、電動シート等)の駆動源となるものである。減速機付モータ1は、モータ部2と、モータ部2の回転を減速して出力する減速部3と、モータ部2の駆動制御を行うコントローラ部4と、を備えている。なお、以下の説明において、単に軸方向という場合は、モータ部2の回転軸31の軸方向をいい、単に周方向という場合は、回転軸31の周方向をいい、単に径方向という場合は、回転軸31の径方向をいうものとする。
モータ部2は、モータケース5と、モータケース5内に収納されている略円筒状のステータ8と、ステータ8の径方向内側に設けられ、ステータ8に対して回転可能設けられたロータ9と、を備えている。
モータケース5は、例えばアルミダイキャスト等の放熱性の優れた材料で形成されている。モータケース5は、軸方向に分割可能に構成された第1モータケース6と、第2モータケース7と、からなる。第1モータケース6および第2モータケース7は、それぞれ有底筒状に形成されており、それぞれの開口部6a,7aを嵌合させることで内部空間を有するモータケース5を形成している。
また、第1モータケース6の内周面には、開口部6aから軸方向略中央に至る間に、段差により拡径形成されたステータ内嵌部18が形成されている。このステータ内嵌部18にステータ8の外周面が嵌合される。
ステータ8は、略円筒状に形成され、且つ磁路を形成するコア部21と、ステータコア20から径方向内側に向かって突出する複数のティース22と、が一体成形されたステータコア20を有している。ステータコア20は、複数の電磁鋼板を軸方向に積層することにより形成されている。なお、ステータコア20は、複数の電磁鋼板を軸方向に積層して形成する場合に限られるものではなく、例えば、軟磁性粉を加圧成形することにより形成してもよい。このように形成されたステータコア20におけるコア部21の外周面が、第1モータケース6のステータ内嵌部18に内嵌される。
図3は、ロータ9の斜視図である。
図2、図3に示すように、ロータ9は、回転軸31と、回転軸31に外嵌固定されている円柱状のロータコア32と、ロータコア32の外周面に嵌合されるリング状のマグネット33と、を備えている。回転軸31は、減速部3を構成するウォーム軸44と一体成形されている。また、回転軸31のウォーム軸44とは反対側の一端31aの周縁に、先細りとなるように平面取りされたテーパ部31bが形成されている。
図3〜図5に示すように、ロータコア32は、複数の電磁鋼板を軸方向に積層することにより形成されている。なお、ロータコア32は、複数の電磁鋼板を軸方向に積層して形成する場合に限られるものではなく、例えば、軟磁性粉を加圧成形することにより形成してもよい。
ロータコア32の径方向略中央には、軸方向に貫通する貫通孔32aが形成されている。この貫通孔32aに、回転軸31が圧入されている。なお、貫通孔32aに対して回転軸31を挿入とし、接着剤等を用いて回転軸31にロータコア32を外嵌固定してもよい。
このように、把持用切欠き部34が3つ形成されている状態において、貫通孔32aを、正多角形で、且つ頂点32bの数が6の倍数になるように設定することにより、周方向に隣り合う把持用切欠き部34の間の頂点32bの数を全て同数とすることができる。
図1、図2に戻り、減速部3は、モータケース5が取り付けられているギヤケース40と、ギヤケース40内に収納されるウォーム減速機構41と、を備えている。ギヤケース40は、例えばアルミダイキャスト等の放熱性の優れた材料により形成されている。ギヤケース40は、一面に開口部40aを有する箱状に形成されており、内部にウォーム減速機構41を収容するギヤ収容部42を有する。また、ギヤケース40の側壁40bには、第1モータケース6が一体成形されている箇所に、この第1モータケース6の貫通孔10aとギヤ収容部42とを連通する開口部43が形成されている。
モータ部2の駆動制御を行うコントローラ部4は、磁気検出素子58,61が実装されたコントローラ基板62と、ギヤケース40の開口部40aを閉塞するように設けられたカバー63と、を有している。そして、コントローラ基板62が、ウォームホイール45のセンサマグネット53側(ギヤケース40の開口部40a側)に対向配置されている。
次に減速機付モータ1の動作について説明する。
減速機付モータ1は、コネクタ64を介してコントローラ基板62に供給された電力が、スイッチング素子等を介してモータ部2の各コイル24に選択的に供給される。すると、ステータ8(ティース22)に所定の磁界が形成され、この磁界とロータ9のマグネット33との間で磁気的な吸引力や反発力が生じる。これにより、ロータ9が継続的に回転する。
ここで、ロータ9のロータコア32には、把持用切欠き部34が形成されているので、ロータコア32の放熱面積が増大され、ロータ9の温度上昇が抑えられる。また、把持用切欠き部34が軸方向に貫通形成されているので、この把持用切欠き部34内に空気が通流される。このため、ロータ9が回転することにより乱気流が発生し、ロータ9が効率よく冷却される。
次に、ロータ9の組み付け方法について説明する。
図3に示すように、ロータ9は、まず、回転軸31にロータコア32、マグネット33、軸受46,47、センサマグネット50を組み付けることにより、ロータ組立体90とされる。ロータ組立体90とする際、回転軸31の一端31aからロータコア32を圧入する。このとき、回転軸31の一端31aの周縁にテーパ部31bが形成されているので、このテーパ部31bがガイドとなって、ロータコア32の貫通孔32aに回転軸31がスムーズに案内される。
同図に示すように、回転軸31にロータコア32を圧入した状態では、このロータコア32のウォーム軸44とは反対側の端面から回転軸31が僅かに突出しているだけである。より具体的には、ロータコア32の端面から回転軸31のテーパ部31bが完全に突出していればよい。例えば、テーパ部31bの軸方向の長さをL2とし、テーパ部31bの基端からロータコア32の端面までの長さをL3としたとき、長さL3は、
0mm≦L3≦L2 ・・・(1)
を満たす程度に設定されていればよい。
ここで、ギヤケース40にロータ組立体90を挿入する際、ロータ組立体90のウォーム軸44とは反対側、つまり、回転軸31の一端31a側を把持工具70(図7参照)によって把持する。
図7、図8に示すように、把持工具70は、ロータコア32に形成された把持用切欠き部34の個数に対応するように、3本の把持爪70aを有している。そして、各把持爪70aは、周方向に等間隔で配置されている。
しかも、把持用切欠き部34がロータコア32の軸方向に貫通形成されているので、ロータコア32内に空気の通り道を形成することができる。このため、ロータ9が回転することにより乱気流を発生させ、ロータ9を効率よく冷却し、さらにモータ部2全体を冷却できる。
また、把持用切欠き部34をロータコア32の軸方向に貫通形成することにより、例えば、電磁鋼板を積層することによりロータコア32を形成する場合、積層される電磁鋼板の形を全て同一にすることができる。このため、ロータコア32の加工コストを低減できる。
さらに、貫通孔32aの頂点32bが、周方向に等間隔に配置された形になっているので、貫通孔32aと回転軸31との点接触位置も、周方向に等間隔となる。このため、ロータコア32に対する回転軸31の片当たりを抑制することができる。
例えば、上述の実施形態では、減速機付モータ1は、車両に搭載される電装品(例えば、ワイパ、パワーウインドウ、サンルーフ、電動シート等)の駆動源となるものである場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、さまざまな用途に減速機付モータ1を使用することができる。さらに、減速機付モータ1に限られるものではなく、さまざまなモータ単体に、上述の実施形態を採用できる。
しかしながら、これらに限られるものではなく、把持用切欠き部34の個数は、把持爪70aの本数に応じて任意に設定することができる。また、把持用切欠き部34の形状も、把持爪70aを挿入可能な形状になっていればよい。さらに、ロータコア32に把持用切欠き部34が貫通形成されていなくてもよく、把持爪70aを受け入れ可能であれば、凹状に形成されていてもよい。
Claims (5)
- ロータと、
前記ロータに連結されるウォーム減速機構と、
前記ウォーム減速機構を内部に収納するギヤケースと、
を備え、
前記ロータは、
回転軸と、
前記回転軸に取り付けられるロータコアと、
を備え、
前記ロータコアは、
軸方向に貫通形成され、前記回転軸と嵌合可能な貫通孔と、
軸方向両端面のうち、少なくとも前記ウォーム減速機構とは反対側の一端面に形成され、前記貫通孔と連通している複数の開口部と、
を有し、
前記ウォーム減速機構は、前記回転軸と一体化されたウォーム軸を有し、
前記ウォーム軸の両端にのみ、前記ウォーム軸、および前記回転軸を回転自在に支持するための軸受が設けられている減速機付モータの製造方法であって、
前記回転軸に前記ロータコアおよび前記軸受を組付け、前記開口部が形成された前記ロータコアの端面が前記回転軸における前記ウォーム軸とは反対側の一端に位置するように、ロータ組立体を組み立てる組立工程と、
前記組立工程の後、前記ロータ組立体における前記一端面の前記開口部から把持工具の把持爪を挿入し、前記把持爪によって前記回転軸の前記一端を把持する把持工程と、
前記把持工程の後、前記回転軸の前記一端を把持した状態で、前記ギヤケースに前記ロータ組立体を挿入して組み付ける組付工程と、
を有することを特徴とする減速機付モータの製造方法。 - 前記組立工程の前に、前記回転軸の前記一端の周縁に先細りとなるように平面取りしてテーパ部を形成し、
前記組立工程では、
前記回転軸の前記一端から前記ロータコアを圧入することを特徴とする請求項1に記載の減速機付モータの製造方法。 - 前記組立工程では、
前記テーパ部を前記ロータコアの端面から突出させ、
前記テーパ部の軸方向の長さをL2とし、前記テーパ部の基端から前記ロータコアの端面までの長さをL3としたとき、L3は、
0mm≦L3≦L2
を満たすことを特徴とする請求項2に記載の減速機付モータの製造方法。 - 前記組立工程では、前記ロータコアの前記一端面から前記回転軸の先端までの突出長さ寸法が、前記回転軸の軸方向に沿う前記軸受の長さ寸法よりも小さくなるように、前記ロータコアを前記回転軸に圧入することを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の減速機付モータの製造方法。
- 前記貫通孔は、角形数が6の倍数となる正多角形に形成されており、
前記開口部は、前記ロータコアの前記一端面につき3つ設けられ、且つ、周方向に隣り合う前記開口部の間に前記正多角形の頂点がそれぞれ同じ数ずつ配置されるように、周方向に等間隔で配置されることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の減速機付モータの製造方法。
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