JP6899407B2 - アルミニウム切粉の溶解方法及び溶解装置 - Google Patents

アルミニウム切粉の溶解方法及び溶解装置 Download PDF

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Description

本発明は、アルミニウム切粉溶解方法と溶解装置に関し、詳しくはアルミニウム金属又は合金の切削屑である切粉を溶解してアルミニウム溶湯を得るにあたり、品質が良好で、高い歩留まりを有するアルミニウム溶湯を製造し、かつ、環境保全に留意し、安全で、省エネルギー操業を達成できるアルミニウム切粉の溶解方法と溶解装置に関するものである。
アルミニウム金属は、その製造の際に多大の電力を必要とするために、その製造原価は高い。よって、アルミニウム製品に加工する際に発生する屑、スクラップもアルミニウム金属の形態をとる限り、製造コストを考慮すると、その価値は大きい。従って、アルミニウム屑、缶などもリサイクルして溶解しアルミニウム溶湯を得、次いでアルミニウム製品を作るのが常で、アルミニウム金属の切削屑、いわゆるアルミニウム切粉も同様に処理される。
アルミニウム切粉は、再溶解してアルミニウムとしてリサイクルされるのが、省資源、省エネルギの観点で望ましい。そのために切粉を溶解する前に、切粉に付着している切削油を加熱蒸発させて除去するのが、溶解アルミニウムの品質上及び製造する際の発煙防止などの環境保全の観点から望ましい。その一例として、切削油等が残存したアルミニウム切粉をロータリキルンでアルミニウムが酸化しないように仮焼して油分・水分を揮発させることにより除去した後、アルミニウム切粉をブリケットにし、それをアルミニウム溶解炉に装入してアルミニウム溶湯を得るものがある。また、揮発した油分は再燃炉で燃焼し集塵機を経て大気に放散している。本設備は、アルミニウム切粉を再利用する点でよいが、設備が多種多様の装置を要する等、大掛かりになり、また乾燥、仮焼する時に、ロータリキルンから発生したアルミニウム粉じんによる集塵機やダクトにおいて着火、爆発の危険性がある等の問題があった。
前述の課題を解決するために、含水切削油を随伴するアルミニウム切粉を予備処理して切削油中の水分を除去して油分だけを残し、次いで、アルミニウム溶解炉で溶解してアルミニウム溶湯を得ると共に、該油分を該溶解炉でガス化して、溶解炉の加熱バーナに誘引して燃焼させ、燃料を代替補助して省エネルギと大気汚染防止を図るアルミニウム切粉の溶解装置と溶解方法が先行技術として開示されている。
WO2017/051586公報(〔0008〕、〔0028−0029〕、〔図1〕)
前記先行技術は、含水切削油の水分を除去して、油分のみを随伴したアルミニウム切粉を溶解してアルミニウム溶湯を得ると共に、切削油の油分をガス化して溶解バーナの燃料の一部代替ができる等、アルミニウム資源の回収及び大気汚染の防止の面で特長あるが、油分が残留した切粉をアルミニウム溶湯中に溶解する方法では、アルミニウム溶湯中で油分をガス化することに起因するアルミニウム溶湯の生産性及びその品質に悪影響をもたらす等の課題があった。該切削油の油分には、脂肪酸などの形態で、多量の酸素原子が含まれており、該切粉をアルミニウム溶湯中に投入して溶解すると、多量の煙と共に多量の酸化アルミニウム、いわゆるスカムを発生させる。また、アルミニウム溶湯の水素含有量が増え、品質劣化を招く恐れがあった。
本発明は、これらの課題を解決したものであって、含水切削油を随伴するアルミニウム切粉を予備処理により含水切削油の油分と水分を除去し、次いで、予備処理したアルミニウム切粉をアルミニウム溶解炉で溶解して高歩留りで良質なアルミニウム溶湯を得ることを骨子とするアルミニウム切粉の溶解方法を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係るアルミニウム切粉の溶解方法は、含水切削油が付着しているアルミニウム切粉を溶解してアルミニウム溶湯を得る方法であって、該アルミニウム切粉を含水切削油の水分が蒸発し、油分が分解・蒸発し終える温度からアルミニウム切粉の急激な酸化が生ずる温度までの温度範囲に、該アルミニウム切粉を大気を遮断して予熱する予熱工程と、次いで、予熱したアルミニウム切粉を大気から遮断した状態で、アルミニウム切粉溶解炉のアルミニウム溶湯中に押込み装入する装入工程と、次いで、アルミニウム切粉溶解炉のアルミニウム溶湯中にある溶湯面から下方に離間して形成した切粉浮上防止領域内に予熱したアルミニウム切粉を押込み装入して強制的に攪拌・混合して湯面に上昇させることなく迅速に拡散すると共に溶解してアルミニウム溶湯を得る溶解工程と、からなることを特徴とする。
アルミニウムを切削加工してアルミニウム製品を製造する際に用いられる切削油は、水溶性切削油を水で希釈したエマルジョンである含水切削油が用いられることが多い。よって、切削屑であるアルミニウム切粉は、含水切削油切粉に対して10〜30wt%の切削油を随伴しているから油と水の混合物が付着していることになる。その内訳は、油の含有率が5〜15wt%、水が5〜25wt%である。この油分には、通常、不飽和脂肪酸などが多く、水酸基(OH)やカルボニル基(COOH)の形態で酸素元素が含まれているため、アルミニウム切粉をアルミニウム溶湯中に装入して溶解する場合に、該酸素分子が溶湯を酸化し酸化アルミニウムのスカムの発生を伴い、これにより溶解歩留まりが低下すると共に溶湯品質も劣化させる問題があった。
前記問題を解決するために、本発明の請求項1の構成の一つである予熱工程で、アルミニウム切粉に随伴している含水切削油から水分と油分を加熱蒸発して除去する処理を大気を遮断した状態で行う。この予熱工程により、アルミニウム切粉から含水切削油に起因する酸素を十分除去することができ、後の溶解工程で、酸素が溶湯と反応して多量のスカムが発生して溶解歩留まりが低下するのを防止する。また、アルミナや水素が発生してアルミニウム溶湯の品質が劣化することを防止する。この予熱工程によりアルミニウム切粉からアルミニウム溶湯の製造が品質を良くして円滑に行うことができる。
本発明のアルミニウム切粉の含水切削油由来の水分と油分を予熱する工程で蒸発させて除去する温度を規定するために、前記含水切削油を加熱することにより、水分を蒸発し、油分も蒸発させることを目的として、処理対象の切削油の熱重量―示差熱分析(TG−DTA分析)を行った。その結果、135℃付近までの加熱で水分は除去され、200〜500℃の領域で油分が酸化・発熱することが判明した(図2参照)。また、アルミニウム粉末を大気中で加熱した場合の熱重量―示差熱分析(TG−DTA分析)によれば、アルミニウム粉末は、580℃付近で急激な発熱と重量増加を呈し、アルミニウム粉末の酸化が生じている(図3参照)。これらの分析結果に基づいて、含水切削油の水分が蒸発し、油分が分解・蒸発し終える温度からアルミニウム切粉の急激な酸化が生ずる温度までの温度範囲に予熱温度を規定し、具体的には、該アルミニウム切粉を500〜570℃の範囲の切削油の分解・蒸発する温度に予熱するのが好適である。また、切粉の表面の酸化被膜の色で酸化を判断すると、アルミニウム合金でもアルミニウムと同様であった。
また、大気を遮断して予熱工程を行うのは、アルミニウム切粉の温度が上昇するにつれてアルミニウム切粉の再酸化を防止するのと、予熱で発生するアルミニウム切粉の微粉末の粉塵爆発の発生を防止するためである。この大気遮断は、アルミニウム切粉に付着している含水切削油が加熱され、蒸発・分解して発生した非酸化性ガスにより行われる。因みに、アルミニウム切粉を大気中に600℃で1時間保持した場合、切粉表面は重量比で1.22%のアルミナ殻で覆われる実験結果を得ている。このアルミナ殻は重量比から極めて薄いものと推定されるが、溶湯表面に浮上した切粉は溶解することは無いと考える。
アルミニウム切粉の予熱は、大気を遮断して加熱を行う必要があり、酸素分を遮断して予熱できる間接加熱でなければならない。アルミニウム切粉を360℃から570℃の温度範囲に加熱するためには、通常、アルミニウム切粉の溶解に燃焼加熱を利用する溶解炉の場合は、高温の燃焼排ガスを利用する間接加熱を用いることができる。また、電気加熱を利用した溶解炉の場合は、別途、電気加熱又は燃焼熱を利用する必要がある。
前記予熱工程に続く装入工程と溶解工程は、予熱したアルミニウム切粉を大気から遮断した状態で、アルミニウム切粉溶解炉のアルミニウム溶湯中に押込み装入する装入工程と、次いで、アルミニウム切粉溶解炉のアルミニウム溶湯中にある溶湯面から下方に離間して形成した切粉浮上防止領域内に予熱したアルミニウム切粉を押込み装入して強制的に攪拌・混合して湯面に上昇させることなく迅速に拡散すると共に溶解してアルミニウム溶湯を得る溶解工程である。
アルミニウム切粉の嵩比重は0.3程度であって、アルミニウム溶湯の比重は2.4あり、単純にアルミニウム溶湯にアルミニウム切粉を投入すれば浮いてしまう。また、アルミニウムは、熱力学的に酸化され易い金属であり、空気中で容易に酸化被膜のアルミナができる。このアルミナは、融点が2000℃以上と非常に高く、アルミニウム溶湯の融点660℃より高過ぎて溶融できない。よって、アルミニウム切粉をアルミニウム溶湯に単に投入すれば、浮いてしまい、また、表面に酸化被膜のアルミナを形成し、スカムとなって浮上したままになり、このスカムがアルミニウム切粉をアルミニウム溶湯中に投入することを妨げる。
この問題を解決するために、予熱工程に続く装入工程で、予熱したアルミニウム切粉を大気から遮断した状態で、アルミニウム切粉溶解炉のアルミニウム溶湯中にある溶湯面から下方に離間して形成した切粉浮上防止領域内に押込み装入し、続く溶解工程では、切粉浮上防止領域内に押し込まれた予熱アルミニウム切粉を強制的に攪拌・混合して湯面に上昇させることなく迅速に拡散させながら溶解してアルミニウム溶湯を得ることができる。
この構成により、予熱したアルミニウム切粉を大気から遮断した密閉状態で、アルミニウム切粉溶解炉のアルミニウム溶湯中にある溶湯面から下方に離間して形成した切粉浮上防止領域内に押込み装入する。具体的には、予熱アルミニウム切粉を押込み管に装入した後にピストン状の押込み棒にて溶湯中に強制的に押し込むことができる。
また、溶解炉のアルミニウム溶湯中にある切粉浮上防止領域は、溶湯中に押込まれたアルミニウム切粉の浮上を完全に阻止するために、周囲に下向き傾斜面をめぐらせた天井のある領域(例えば、陣笠形状の領域)を設け、切粉をその領域内へ押込んで、切粉が短絡して浮上することを完全に防止する。該領域の天井の下向きの傾斜の頂点に当たる場所には、切粉の表面を覆うアルミナ殻を破壊し、かつ切粉を分散して溶湯と混合を良好にし溶解を促進するための羽根つき機械攪拌装置を設ける。これにより上昇流と下降流を発生させ、該切粉をこの流れに乗せて天井に沿って該攪拌羽根に向かって移動して、該攪拌羽根に巻き込まれてアルミナ殻を破壊すると共に、切粉を浮上させることなく、切粉の溶解を促進することができる。
また、請求項2に係るアルミニウム切粉溶解方法は、請求項1に記載のアルミニウム切粉溶解方法において、前記予熱工程で発生した含水切削油の分解・蒸発ガス及びアルミニウム切粉の微粉末を燃焼処理して酸化し無公害化するガス処理工程を加えることを特徴とする。
この構成により、予熱工程で発生した含水切削油の分解・蒸発ガスは、CO,炭化水素、H等を含む可燃ガスと微粉のアルミニウムを含んでおり、これを燃焼処理するか、又は高温の燃焼ガスと必要あれば酸素分を混合して可燃分を燃焼し、また、粉塵爆発の恐れのあるアルミニウム微粉末は、酸化アルミニウムに変えて、例え堆積しても燃焼しないよう、公害又は燃焼成分を無くす処理を行うものである。
アルミニウム切粉の溶解用に燃料を燃焼加熱する溶解炉を用いる場合には、その高温燃焼ガス中に該分解蒸発ガスを、必要あれば酸素分を混ぜて燃焼させることのより無公害化等を行う。また、電気加熱を利用した溶解炉の場合には、該分解蒸発ガスに酸素を混ぜて煙道等で燃焼処理を行い、無公害化等をすることができる。
また、請求項3に係るアルミニウム切粉溶解方法は、請求項1又は2に記載のアルミニウム切粉の溶解方法において、前記予熱工程の前段に、アルミニウム切粉の付着含水切削油量を減少する油水分離工程及び該切粉の嵩密度を高める細断や篩分けする整粒工程を加えることを特徴とする。

油水分離工程でアルミニウム切粉から含水切削油を分別して減じることにより、次の予熱工程で、アルミニウム切粉の含水切削油中の水分の蒸発及び油分の分解・蒸発を容易にして除去でき、かつ、切粉を十分予熱することができる。油水分離工程には、通常、遠心油水分離機を設けるのが良く、これにより含水切削油の含有量を10〜30%から2〜5%に容易に減じることができ、結果的に、含水切削油を随伴するアルミニウム切粉の溶解能力を向上させること、又は、過剰な含水切削油を随伴するアルミニウム切粉の溶解処理を可能にすることができる。また、本構成によると、脱油水において加熱などの熱エネルギを使用する必要がないから、脱水・予熱面で省エネルギに貢献し、かつ、大気汚染の心配がない。
整粒工程で、アルミニウム切粉の嵩密度を上げるために篩・切断を行って整粒することにより、溶解炉の溶解工程で、切粉の巻き込み気体量を最小にすることができ、その溶解速度が粒度の大きさに左右されることが無く、溶解が安定して早くなる。これにより切粉が酸化されてスラグに移行することが無くなり、溶解歩留りが上がり、また、溶湯アルミニウムの品質も良好に維持できる。また、遠心油水分離機の前に処理するアルミニウム切粉の整粒を行うと、アルミニウム切粉からの油水分離が安定して行えることに繋がり、切削油分を減少させることができる。
また、請求項4に係るアルミニウム切粉溶解装置は、アルミニウム切粉溶解炉の溶湯中に溶湯面から下方に離間して切粉浮上防止領域を形成する陣笠天井と、該陣笠天井下方に循環溶湯流を生じさせる攪拌翼を有するスターラと、陣笠天井内で循環溶湯流中に開口した切粉切出し部と、を備え、アルミニウム切粉を該循環溶湯中に装入して湯面に浮上させることなく溶解してアルミニウム溶湯を得ることを特徴とする。
この構成により、循環溶湯流中に装入された切粉は、陣笠天井に遮られて湯面へ浮上してロスすることなく溶湯流に滞在して、よく溶解される。また、攪拌翼によって、切粉は衝突を繰り返し一層溶解が進行する。
また、請求項5に係るアルミニウム切粉溶解装置は、アルミニウム切粉溶解炉の溶湯中に溶湯面から下方に離間して切粉浮上防止領域を形成する下端が開口したポンプ筒と、該ポンプ筒上部に設けた下向きの排出口と、該ポンプ筒内に循環溶湯流を生じさせる攪拌翼を有するスターラと、該ポンプ筒で循環溶湯流中に開口した切粉切出し部と、を備え、アルミニウム切粉を該循環溶湯中に装入して湯面に浮上させることなく溶解してアルミニウム溶湯を得ることを特徴とする。
この構成により、攪拌翼により生じた溶湯流が周辺に拡散することなく、ポンプ筒から排出口へと強制循環されるので、溶湯流中に装入された切粉が周辺に拡散することなく効率的に溶解が行われる。また、循環流が湯面方向に洩れることが少なくできるので、湯面が安定しており、溶湯の再酸化によるアルミナスカムの発生が極めて少なくできる。
また、請求項6に係るアルミニウム切粉溶解装置は、前記スターラの攪拌翼が、請求項4又は5に記載のアルミニウム切粉溶解装置において、スクリュ型攪拌翼又はプロペラ型攪拌翼又はスクリュプロペラ一体型攪拌翼のいずれか一つであることを特徴とする。
この構成により、攪拌翼の選択が可能で、循環溶湯流の方向性、強度が選択でき、また、攪拌翼の組み合わせによりスターラ軸方向の湯面への溶湯流の洩れも抑制することができる。
また、請求項7に係るアルミニウム切粉溶解装置は、請求項4又は5又は6に記載のアルミニウム切粉溶解装置において、前記スターラの回転軸が溶湯中の陣笠天井部又はポンプ筒上部を貫通する部分に、前記攪拌翼による循環溶湯流が湯面へ上昇することを防止するシール機構を設けたことを特徴とする。
この構成により、前記貫通する部分から溶湯が上昇して湯面を踊らせ、溶湯が酸化され易くなり、酸化アルミニウムのスカムが増加して、溶解アルミニウムの溶解歩留まりが悪化し、ひいては溶解作業の円滑化を阻害するのを防止する。
本発明に係る請求項1から3に記載のアルミニウム切粉溶解方法によれば、含水切削油を随伴したアルミニウム切粉を原料として、品質の良いアルミニウム溶湯を得ることができる。これらにより、アルミニウム切粉からアルミニウム資源の回収が図られ、資源の活用、省エネルギーに貢献する。また、本発明方法によれば、含水切削油分の除去において、従来法と異なり大気汚染などの公害の恐れがないクリーンな蒸発・分解そして燃焼処理ができる方法である。また、本アルミニウム切粉溶解方法は、使用実績のある設備や装置を用いて確実に実施することが可能で、従来よりも品質の良いアルミニウム溶湯が得られる方法で、処理費用や設備費用も多大とならないし、省スペースを実現し、かつ、大気汚染もない環境的にも優れた方法である。また、本発明に係る請求項4から7に記載のアルミニウム切粉溶解装置によれば、アルミニウム切粉を効率よく溶解を行うことができ、また、湯面を安定させて溶解が行え、切粉のスカム化の防止、溶湯の再酸化が防止できるので、アルミニウム溶解歩留まりの向上、アルミニウム溶湯の品質の向上を図ることができる。
図1は、本発明のアルミニウム切粉の溶解方法を示すフロー図である。 図2は、アルミニウム用含水切削油の熱重量―示差熱分析チャートの代表例である。 図3は、アルミニウム粉末を大気中で加熱した熱重量―示差熱分析チャートの代表例である。 図4は、本発明方法を実施するための形態に係るアルミニウム切粉溶解装置の模式的正面断面図である 図5は、本発明を実施するための形態に係るアルミニウム切粉溶解炉の装入切粉の溶湯中溶解装置の模式的断面図であって、(a)は陣笠天井とスクリュ攪拌翼形式、(b)は陣笠天井とプロペラ攪拌翼形式、(c)は下向き吐出口付きポンプ筒とプロペラ・スクリュ攪拌翼形式のものである。
本発明に係る含水切削油を随伴したアルミニウム切粉の溶解方法の工程を図1のフロー図に基づいて説明すると、エマルジョン状態の油と水から成る含水切削油を随伴したアルミニウム切粉は、その含水油量に応じて、油水分離工程を経て含水油量を減少する。そして、切粉の粒度を整える整粒工程を加えることができる(a)。次いで、含水切削油随伴アルミニウム切粉の予熱と脱油水分を行う予熱工程(b)、予熱されたアルミニウム切粉を大気を遮断して溶解炉に装入する装入工程(c)、アルミニウム溶湯を加熱保持している溶解炉に、アルミニウム切粉を装入して溶解する溶解工程(d)、予熱工程で蒸発した油水分蒸気を燃焼処理するガス処理工程(e)から構成される。
本発明方法を適用する一実施例であるアルミニウム切粉溶解装置1を図4を用いて説明する。アルミニウム切粉溶解装置1は、アルミニウム切粉の付着切削油中の水分と油分を除去する予熱装置4と、該予熱したアルミニウム切粉をルツボ型溶解炉2の溶湯M中に装入する切粉装入装置5と、燃焼バーナ6により間接加熱したルツボ型溶解炉2を用いて予熱したアルミニウム切粉を溶解してアルミニウム溶湯Mを製造するアルミニウム溶解装置と、予熱したアルミニウム切粉から蒸発させた油分を燃焼バーナ6へ誘引して燃焼処理するさせる油分燃焼装置から成る。
また、アルミニウム切粉溶解装置1の前段に、遠心油水分離機及び整粒装置(図示しない)を設け、アルミニウム切粉の付着切削油量、即ち、油水分量を減少させることと、アルミニウム切粉を切断、篩い分け等の整粒をして一定の粒度範囲に調整する前処理を行うことができる。この前処理手段により、遠心油水分離機でアルミニウム切粉の付着切削油中の過剰な油水分量を物理的に加熱することなく容易に減じることができ、また、粒度を調整して切粉の嵩密度を上げて予熱、装入、溶解の後工程の処理を円滑にすることができ、次いで、アルミニウム切粉溶解装置1の予熱手段であるスクリュコンベヤ4−2でさらに加熱脱水脱油できるので、アルミニウム切粉の付着切削油中の水分と油分を効率よく減じ、予熱することができる。また、この装置によると、脱油水において熱源に溶解炉加熱燃焼工程の排ガスを利用するので加熱などの熱エネルギを新たに使用する必要がないから省エネルギであり、また、それに伴う大気汚染の心配もない。
また、遠心油水分離機の前段又は後段に破砕・篩分けから成る整粒装置を設けることができる。これによりアルミニウム切粉の粒度や形状のバラツキを小さくして安定させ、アルミニウム切粉の予熱、装入、溶解工程において、操業を容易に、特に、溶解工程で切粉への気体の巻き込みを少なくして溶解を安定化し良好な品質のアルミニウム溶湯が得られ易いことに繋げる。
本発明方法で処理するアルミニウム切粉は、アルミニウム又はアルミニウム合金を切削加工してアルミニウム製品を製造する際に発生する切削屑を主体とする。したがって、アルミニウム切粉は、含切削油切粉100に対して10〜30wt%の切削油を随伴しており、通常、切削油は、油と水のエマルジョンが用いられるから、5〜15wt%の油と5〜25wt%の水との混合物が付着している。本発明方法を用いるアルミニウム切粉溶解装置1は、アルミニウム切粉に随伴している切削油から予熱工程で水分と油分を加熱蒸発して除去してから溶解炉2に装入して、アルミニウム溶湯Mを得ると共に、油水分は予熱工程で蒸発させて溶解炉2の加熱燃焼部6−1にて燃焼処理させるものである。これによりアルミニウム切粉からアルミニウムを資源回収すると共に、随伴している切削油を大気汚染などの公害を惹起することなく処理することが可能となる。
また、アルミニウム切粉溶解装置1における予熱装置4は、切粉ホッパ4−1からアルミニウム切粉を、可変速の駆動ギヤードモータ4−2eで回転駆動される予熱スクリュコンベヤ4−2で、切出して運搬すると共に、予熱ダクト4−3内に該スクリュコンベヤ4−2を挿通し、スクリュコンベヤ外筒4−2bをルツボ型溶解炉2からの燃焼排ガスを温度調整して予熱ダクト4−3内に導いて加熱することによりアルミニウム切粉を予熱する。
この際、アルミニウム切粉の乾燥・予熱する温度が360℃から570℃の範囲であって、好ましくは500〜570℃にするのが好適である。通常、アルミニウム切粉は切削油由来の油分と水分を随伴しているので、本発明では、加熱により水分と油分を蒸発させることを目的として、使用する切削油(商品名:スギカットCS−68DN−2)の熱重量―示差熱分析(TG−DTA分析)を行った。その結果、図2に示すように、135℃付近までの加熱で水分は除去され、200〜500℃の領域で油分が酸化・発熱することが判明した。また、アルミニウムの粉が580℃付近で酸化反応が著しくなるのが分かった(図3参照)。これに基づいて、アルミニウム切粉の予熱温度を500〜570℃にすることにより、油分と水分を蒸発状態で除去することができる。引き続いて、大気を遮断した状態で、このアルミニウム切粉をハンドリングして溶解炉2での溶解を行った場合、溶解炉2で溶解温度を下げることなく高温に維持して溶解でき、またアルミニウム切粉の予熱温度が500〜570℃と高いので、アルミニウム酸化物の発生が少なく、これをを主体とするスカムを低減させて溶湯アルミニウムMの不純物、水素含有量などを低減させることに繋がる。
また、図4に示すように、アルミニウム切粉溶解装置1のルツボ型溶解炉2は、炉壁耐火物7−1、と炉蓋耐火物7−2と炉底耐火物7−3によって取囲まれた溶解炉燃焼室7内の炉載置台2−3上に設置している。溶解炉燃焼バーナ6は、溶解炉燃焼室7の底部近くの隅部に設けられ、また燃焼排ガス出口は、溶解炉燃焼室7の上部で、燃焼バーナ6と、その軸線をずらして設けているので、燃焼バーナ6の火炎は下から上へのルツボ型溶解炉2の外壁を舐める旋回流となってルツボ型溶解炉2を加熱する。ルツボ型溶解炉2は、主として炭素質耐火物で壺状に形成され、内部に融点約660℃のアルミニウム溶湯Mを保持すると共に、外壁を溶解炉燃焼バーナ6の下から上への旋回流火炎で加熱されるから、溶解炉2は燃焼バーナ6により間接加熱される。通常、溶解炉の燃焼室温度は、700℃〜1000℃の範囲である。また、ルツボ型溶解炉2の大きさは、アルミニウム切粉の溶解量50〜100kg/hrで、直径600mm、高さ500mm位となる。
また、図4に示すように、アルミニウム切粉溶解装置1のルツボ型アルミニウム溶解炉2が、溶湯M溜りの径方向に溶湯部2−bと、溶解部2−aと、に区分けして構成されており、さらに溶解部2−aの溶湯面より下で逆椀状の陣笠天井2−2を備えている。陣笠天井2−2は、スターラ3によって駆動される攪拌翼3−1を備える。陣笠天井2−2の下方域で攪拌翼3−1により生ずる上下方向の旋回流域が切粉浮上防止領域となる。アルミニウム切粉の溶解については、前記予熱したアルミニウム切粉が装入装置5の傾斜型装入プッシャ5−2により溶解炉2の陣笠天井2−2の下方の切粉浮上防止領域の溶湯M中にある切粉切出し部5−2bから押込まれて、アルミニウム切粉を強制的に攪拌翼3−1で広範囲に攪拌分散することによりアルミニウム切粉の溶解を促進することができる。また、切粉が攪拌翼3−1に激突することにより切粉はさらに分散し、また切粉表面の酸化被膜を破壊して溶解を促進する。
また、アルミニウム切粉溶解装置1の切粉装入装置5は、図4に示すように、装入ホッパ5−1の下側面に装入口を持つ傾斜型の装入プッシャ5−2を設けることができる。傾斜型の装入プッシャ5−2は、装入ホッパ5−1の下側面からルツボ型溶解炉2の溶解部2−aの陣笠天井2−2の下部域に切粉切出し部5−2bに浸漬するように設けられており、予熱したアルミニウム切粉を装入プッシャ5−2により溶湯M中に押込み装入することができる。この傾斜型装入プッシャ5−2により間歇的であるが、強制的にアルミニウム切粉の充填度を高くして陣笠天井2−2の下部域の溶湯Mの流れに押込み装入することが可能となる。また、傾斜型装入プッシャ5−2によれば、アルミニウム切粉の粒度などの性状に大きく左右されずに、アルミニウム切粉を強制的に気体が入り込まないように充填度を上げて溶湯流へ押込み装入することが可能である。
また、アルミニウム切粉予熱装置4の予熱スクリュコンベヤ4−2で蒸発した油水分が予熱スクリュコンベヤ4−2の上部空間を油分ガスブロワ9−1の吸引により切粉ホッパ5−1に送られ、次いで、切粉ホッパ5−1の上部空間に溜まった油水分ガスは、油分ガス吸込み口9−2から燃焼バーナ6の燃焼部6−1につながる油分ガスダクト9を設け、切粉ホッパ5−1に溜まった油水分ガスを誘引して導き、溶解炉燃焼バーナ6の火炎を含む燃焼部6−1で中で燃焼させることができる。これにより油分による大気汚染を防止することができる。
また、本発明に係るアルミニウム切粉溶解装置1を用いた溶解作業について総括的に述べると、含切削油アルミニウム切粉は、含有切削油量に応じて、遠心油水分離機及び整粒装置の前処理を選択でき、次いで、切削油を随伴しているアルミニウム切粉を360℃から570℃の範囲に、好ましくは500〜570℃にルツボ型溶解炉2の燃焼バーナ6の排ガスを利用した予熱スクリュコンベヤ4−2で間接加熱により予熱して切削油中の油水分を蒸発状態にして、次いで、予熱スクリュコンベヤ4−2内で、予熱アルミニウム切粉と蒸発した油水分が分離され、次いで該予熱したアルミニウム切粉を燃焼バーナ6で加熱するルツボ型溶解炉2の溶解部2−aの陣笠天井2−2の下部域の切粉浮上防止領域に押込み装入して攪拌溶解することにより、溶解したアルミニウムは、ルツボ型アルミニウム溶解炉2の溶解部2−aから溶湯部2−bへ溶湯を移行させて清浄なアルミニウム溶湯Mを得るものである。また、分離された油水分蒸気及びアルミニウム微粉末は、油分ガスダクト9を経由して、溶解炉2の燃焼バーナ6の燃焼部6−1で燃焼処理される。
原料であるアルミニウム切粉の予熱工程は、予熱スクリュコンベヤ4−2の外筒4−2bを所定温度の溶解炉燃焼排ガスで加熱することにより、スクリュコンベヤ4−2の搬送アルミニウム切粉は随伴する水分と油分が蒸発し、一方、アルミニウム切粉は予熱されて次工程の切粉装入装置5の装入ホッパ5−1に大気を遮断して送ることができる。予熱スクリュコンベヤ4−2からの予熱されたアルミニウム切粉は、装入ホッパ5−1に排出され、また油水分は蒸発した時点で、その蒸気が切粉ホッパ4−1の空間に送られ、油分ガスダクト9−1を経由して燃焼処理され、大気に放散される。また、予熱されたアルミニウム切粉は装入ホッパ5−1に堆積してから溶解炉2に装入される。
また、予熱アルミニウム切粉は、装入ホッパ5−1から傾斜型装入装入プッシャ5−2の切粉切出し部5−2bから間歇的に、強制的にアルミニウム切粉を溶解炉2の溶解部2−aの陣笠天井2−2の下部域の溶湯M中に装入できる。また、切粉の装入域に近接したスターラ3の攪拌翼3−1の攪拌により、装入アルミニウム切粉は拡散することにより迅速に溶解して溶湯Mになる。次いで、アルミニウム溶湯Mが溶湯部2−bへ移動し、最終的には出湯樋2−1から溶湯鍋(図示しない)に出湯される。
前述したように、切削油を随伴しているアルミニウム切粉を原料として、その随伴油水分を蒸発させ、かつ予熱したアルミニウム切粉の装入により溶湯の温度低下が少なく、溶解が迅速に進むので、溶湯の再酸化を少なくして、スカムの生成がなく、また、アルミニウム溶湯の溶存酸素量が低くなり、品質劣化が少ない。また、アルミニウム溶湯Mを歩留り良く得ることができる。因みに、予熱アルミニウム切粉重量100に対して溶湯98、酸化物スカム2を得ることができる。また、油分は予熱スクリュコンベヤ4−2で蒸発させて、切粉ホッパ5−1を経由して溶解炉2の燃焼バーナ6で燃焼処理される。本発明は省資源、省エネルギに適し、大気汚染を惹起しないアルミニウム切粉溶解法である。
本発明に係るアルミニウム切粉溶解装置に係り、図5はアルミニウム切粉溶解炉の装入切粉の溶湯中溶解装置の模式的断面図であって、(a)は陣笠天井とスクリュ攪拌翼形式、(b)は陣笠天井とプロペラ攪拌翼形式、(c)は下向き吐出口付きポンプ筒とプロペラ・スクリュ攪拌翼形式のものである。図5を用いて、装入切粉の溶湯中溶解装置を説明する。
図5(a)(b)に示すように、アルミニウム切粉溶解装置1のルツボ型アルミニウム溶解炉2が、溶湯M溜りの上下方向に溶湯部2−bと、溶解部2−aと、に区分けして構成されており、さらに溶解部2−aの溶湯面2−cより下で逆椀状の陣笠天井2−2を備えている。陣笠天井2−2は、スターラ3によって駆動される攪拌翼3−1を備え、3−1aはスクリュ攪拌翼、3−1bはプロペラ攪拌翼である。陣笠天井2−2の下方域で攪拌翼3−1により生ずる上下方向の循環溶湯流域Fが切粉浮上防止領域となる。3−1aのスクリュ攪拌翼と3−1bのプロペラ攪拌翼の作用を単純に比較すれば、前者は攪拌流量が多目であり、後者は潰細効果があると考えられ、切粉の性状により使い分けできる。アルミニウム切粉の溶解については、前記予熱したアルミニウム切粉が装入装置5の傾斜型装入プッシャ5−2により溶解炉2の陣笠天井2−2の下方の切粉浮上防止領域である循環溶湯流F中にある切粉切出し部5−2bから押込まれて、アルミニウム切粉を強制的に攪拌翼3−1で広範囲に攪拌分散することによりアルミニウム切粉の溶解を促進することができる。また、切粉が攪拌翼3−1、特に3−1bのプロペラ攪拌翼に激突することにより切粉はさらに分散し、また切粉表面の酸化被膜を破壊して溶解を促進する。また、スターラ軸3aと陣笠天井2−2との隙間から溶湯が上昇して湯面2−cの波立ちを防止するシール翼3−2を設けるのが好ましい。
図5(c)は、溶湯M中に溶湯面2−cから下方に離間して切粉浮上防止領域を形成する下端が開口したポンプ筒2−2bと、ポンプ筒2−2b上部に設けた下向きの排出筒2−2cと、ポンプ筒2−2b内に循環溶湯流Fを生じさせる攪拌翼3−1を有するスターラ3と、ポンプ筒2−2b内で循環溶湯した切粉切出し部5−2bと、を備えている。また、攪拌翼3−1は、スターラ軸3aの下部に上向きの主流を形成するプロペラ攪拌翼3−1bを備え、また、スターラ軸3aの上部に下向きの弱流を形成し、シール翼3−2の役目をするスクリュ攪拌翼3−1aを備えるのが好適である。この構成により、攪拌翼3−1により生じた溶湯流Fが周辺に拡散することなく、ポンプ筒2−2bから排出筒2−2cへと強制循環されるので、溶湯流F中に装入された切粉が周辺に拡散することなく効率的に溶解が行われる。また、循環流が湯面2−c方向に洩れることが少なくできるので、湯面2−cが安定しており、溶湯Mの再酸化によるアルミナスカムの発生が極めて少なくできる。
アルミニウム切粉の処理分野で利用されるのみならず、亜鉛、マグネシウム金属及びそれらの合金切粉の処理分野で適用することができる。
1:アルミニウム切粉溶解装置
2:アルミニウム切粉溶解炉 2−a:溶解部 2−b:溶湯部
2−c:湯面 2−2:陣笠天井 2−2b:ポンプ筒
2−2c:吐出筒 2−3:炉載置台
3:スターラ 3a:スターラ軸 3−1:攪拌翼 3−1a:スクリュ攪拌翼3−1b:プロペラ攪拌翼 3−2:シール翼
4:予熱装置 4−1:切粉ホッパ 4−2:スクリュコンベヤ
4−2a:スクリュ羽根 4−2b:コンベヤ外筒 4−3:予熱ダクト
4−2d:排出端 出口
5:切粉装入装置 5−1装入ホッパ 5−2:装入プッシャ
5−2b:切粉切出し部
6:溶解炉燃焼バーナ 6−1:燃焼部
7:溶解炉燃焼室 7−1:炉壁耐火物 7−2:炉天井耐火物
7−3:炉底耐火物
9:油分ガスダクト 9−1:油分ガスブロア 9−2油分ガス吸込み口
M:溶湯 F:循環溶湯流

Claims (7)

  1. 含水切削油が付着しているアルミニウム切粉を溶解してアルミニウム溶湯を得る方法であって、該アルミニウム切粉を含水切削油の水分が蒸発し、油分が分解・蒸発し終える温度からアルミニウム切粉の急激な酸化が生ずる温度までの温度範囲に、該アルミニウム切粉を大気を遮断して予熱する予熱工程と、次いで、予熱したアルミニウム切粉を大気から遮断した状態で、アルミニウム切粉溶解炉のアルミニウム溶湯中に押込み装入する装入工程と、次いで、アルミニウム切粉溶解炉のアルミニウム溶湯中にある溶湯面から下方に離間して形成した切粉浮上防止領域内に予熱したアルミニウム切粉を押込み装入して強制的に攪拌・混合して湯面に上昇させることなく迅速に拡散すると共に溶解してアルミニウム溶湯を得る溶解工程と、からなることを特徴とするアルミニウム切粉の溶解方法。
  2. 前記予熱工程で発生した含水切削油の分解・蒸発ガスを燃焼処理して無公害化するガス処理工程を加えることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム切粉の溶解方法。
  3. 前記予熱工程の前段に、アルミニウム切粉の付着含水切削油量を減少する油水分離工程及び該切粉の嵩密度を高める細断や篩分けする整粒工程を加えることを特徴とする請求項1又は2に記載のアルミニウム切粉の溶解方法。
  4. アルミニウム切粉溶解炉の溶湯中に溶湯面から下方に離間して切粉浮上防止領域を形成する陣笠天井と、該陣笠天井下方に循環溶湯流を生じさせる攪拌翼を有するスターラと、陣笠天井内で循環溶湯流中に開口した切粉切出部と、を備え、アルミニウム切粉を該循環溶湯中に装入して湯面に浮上させることなく溶解してアルミニウム溶湯を得るアルミニウム切粉溶解装置。
  5. アルミニウム切粉溶解炉の溶湯中に溶湯面から下方に離間して切粉浮上防止領域を形成する下端が開口したポンプ筒と、該ポンプ筒上部に設けた下向きの排出口と、該ポンプ筒内に循環溶湯流を生じさせる攪拌翼を有するスターラと、該ポンプ筒で循環溶湯流中に開口した切粉切出部と、を備え、アルミニウム切粉を該循環溶湯中に装入して湯面に浮上させることなく溶解してアルミニウム溶湯を得るアルミニウム切粉溶解装置。
  6. 前記スターラの攪拌翼が、スクリュー型攪拌翼又はプロペラ型攪拌翼又はスクリュープロペラ一体型攪拌翼のいずれか一つであることを特徴とする請求項4又は5に記載のアルミニウム切粉溶解装置。
  7. 前記スターラの回転軸が溶湯中の陣笠天井部又はポンプ筒上部を貫通する部分に,前記攪拌翼による循環溶湯流が湯面へ上昇することを防止するシール機構を設けたことを特徴とする請求項4又は5又は6に記載のアルミニウム切粉溶解装置。
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