JPH0746031B2 - 溶解炉における切粉押込み攪拌装置 - Google Patents

溶解炉における切粉押込み攪拌装置

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JPH0746031B2
JPH0746031B2 JP63150588A JP15058888A JPH0746031B2 JP H0746031 B2 JPH0746031 B2 JP H0746031B2 JP 63150588 A JP63150588 A JP 63150588A JP 15058888 A JP15058888 A JP 15058888A JP H0746031 B2 JPH0746031 B2 JP H0746031B2
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次治 大森
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、溶解炉における切粉押込み攪拌装置に関し、
詳しくは、誘導炉、反射炉、アーク炉等で、溶湯中に金
属切削屑(通称はダライ粉で、本明細書では、以下、切
粉と略す)を投入して溶解する溶解炉において、上記切
粉を溶湯中に強制的に押し込んで攪拌する装置に関する
ものである。
従来の技術 従来、この種の溶湯中に溶解する切粉は、その嵩比重が
一般に溶湯の1/5程度であるため、湯面に投入した時に
自重によって湯中に沈みきれずに湯面に浮遊することか
ら、溶解方法としては、炉内で大きな湯運動を行わせて
溶湯を攪拌する方法が採られている。そのため、従来、
切粉の溶解炉として使用出来るのは、大きな湯運動を行
わせることが可能な低周波るつぼ形誘導炉に限定され、
他の炉では切粉の溶解が出来なかった。
上記低周波るつぼ形誘導炉では、電磁力による湯運動で
浮遊する切粉を巻き込むため、溶解は可能であるが、溶
解終了直前には、人力によって押込棒を使って切粉を押
し込まなければならず、人手を要することで省力化が図
れないと共に作業時間がかかる問題があった。
さらに、切粉は金属塊に比較して単位重量当たりの表面
積がはるかに大きいため、酸化物が多発し、その結果、
溶解時にスラグが多量に発生し、該スラグが炉壁耐火物
の内面に付着することとなる。そのため、該耐火物内面
に付着したスラグの除去作業が極めて困難であるという
問題もあった。
発明が解決しようとする課題 本発明は、上記した従来の種々の問題を解消せんとする
もので、切粉の溶解炉として、低周波るつぼ形誘導炉で
行うのみならず、他の高周波るつぼ形誘導炉、溝形誘導
炉あるいは反射炉、アーク炉等の湯運動が極めて小さい
炉も使用可能とし、かつ、人力に頼ることなく自動的に
溶湯中に切粉を押し込み、攪拌して溶解作業を全自動化
し、しかも、炉内の湯面に浮遊するスラグを最小限にと
どめると共に炉壁耐火物に付着するスラグを大幅に抑制
し、よって、該スラグの除去作業を殆ど不要とすること
等を目的とするものである。
課題を解決するための手段 従って、本発明は、溶解炉に隣接して配置した旋回可能
な支柱と、 該支柱に昇降用駆動装置を介して昇降自在に取付けら
れ、回転駆動軸の先端に耐熱性プロペラを取付けた回転
駆動装置を設置したプロペラ昇降フレームと、上記支柱
の上記プロペラ昇降フレームの下側に、昇降用駆動装置
を介して昇降自在に取付けた外筒昇降フレームと、該外
筒昇降フレームの先端に固定して吊り下げられ、上記耐
熱性プロペラを挿脱自在に囲繞すると共に、上方に切粉
投入口を設けた耐熱性外筒と、上記切粉投入口の上方に
設けたフードと、上記溶解炉内の湯量を計測するロード
セル型計量装置と、上記ロードセル型計量装置からの信
号に基づいて湯面高さを演算し、上記耐熱性プロペラ及
び耐熱性外筒の先端が湯面上に位置するように上記プロ
ペラ昇降フレームと外筒昇降フレームを制御する演算手
段とを備え、外筒内に挿入した状態で溶解炉の溶湯内に
耐熱性プロペラを浸漬し、上記切粉投入口から投入した
切粉をプロペラの回転で湯中に押し込むと共に攪拌する
構成としたことを特徴とする溶解炉における切粉押込み
攪拌装置を提供するものである。
作用 本発明は、上記したように、溶解炉に隣接する旋回可能
な支柱に、耐熱性回転プロペラを吊り下げたプロペラ昇
降用フレームと、該プロペラの外周を取り囲む形の耐熱
性外筒内を吊り下げた外筒昇降フレームとを設けた構成
とし、上記外筒内のプロペラを炉内の湯面付近で回転さ
せることにより、外筒上端より外筒を通して溶湯内に投
入する切粉を押し込みながら攪拌し、特に湯運動を与え
なくても効果的な切粉の溶解を行わせることが出来る。
よって、人力による切粉の押し込み作業が不要になると
共に、大きな湯運動を行わない炉も切粉溶解炉として使
用することが出来る。かつ、上記外筒は、その最下端部
が湯中に浸るまで下降することにより、切粉をプロペラ
で押し込み、攪拌しながら溶解する過程で発生するスラ
グを外筒の内部に保留するため、炉内湯面のスラグ量を
最小限にとどめることが出来、炉内耐火物内面にスラグ
が付着するのをほぼ防止することが出来る。
また、溶解炉にロードセル型計量器を設置し、炉内の湯
面高さを検出し、該検出値に応じてプロペラと外筒の昇
降フレームの高さを自動制御しているため、湯面の高さ
に対応してプロペラと外筒の高さを人手を介さずに自動
的に所要の高さに変位させることが出来、切粉の効率の
良い押し込み攪拌を行うことが出来る。
実施例 以下、本発明の実施例を図面により詳細に説明する。
本実施例は溶解炉としての溝形誘導炉に切粉押込み攪拌
装置を設置しており、第1図の全体平面配置図および第
3図の一部断面正面図に示すように、溶解炉1の上面と
隣接する固定側基礎2より旋回可能に支柱3を立設し、
該支柱3の上端を、基礎2より突設した軸受フレーム4
で回転自在に支持し、かつ、軸受フレーム4に搭載した
旋回用モータ5で支柱3を旋回させるようにしている。
該支柱3には上下にプロペラ昇降フレーム6と外筒昇降
フレーム7とを夫々一端を昇降自在で回転不可に嵌合し
て取り付け、これらフレーム6、7を溶解炉1の上方に
配置している。また、支柱3の上下両側にはガイド受け
8A、8Bを突設し、該ガイド受け8Aと8Bとの間にボールネ
ジ式昇降ガイド9を軸架している。一方、上側のプロペ
ラ昇降フレーム6および下側の外筒昇降フレーム7に昇
降用駆動装置として夫々昇降用モータ10、11を設置し、
これらモータ10、11の駆動により各フレーム6、7に取
り付けたナット(図示せず)を回転して、昇降ガイド9
に沿ってフレーム6、7を昇降させるようにしている。
よって、プロペラ昇降フレーム6と外筒昇降フレーム7
とは旋回用モータ5の駆動で矢印方向に旋回し、第1図
中実線で示す溶解炉1の真上の位置と鎖線で示す出湯時
の退避位置に変位されると共に、昇降用モータ10、11の
駆動でフレーム6と7とは別個に所要位置に昇降され、
かつ、停止される。
上記プロペラ昇降フレーム6には、モータ12aを備えた
プロペラ回転駆動装置12を搭載し、該モータ12aにより
回転駆動される回転駆動軸13をフレーム6の先端より吊
り下げ、その下端部にプロペラ14を固定している。該プ
ロペラ14は溶解金属の種類に応じて適応する耐熱性材料
で形成している。例えば、溶解金属が鋳鋼、鋳鉄の場合
は、セラミック系耐火物でプロペラ14を形成し、また、
溶解金属が銅、銅合金、アルミニウムの場合はステンレ
ス鋼で形成することが望ましい。また、該プロペラ14の
形状は第2図に示すように、複数枚の羽根14aを上下お
よび左右にねじった形とするのが望ましい。上記プロペ
ラ昇降フレーム6の下部には回転駆動軸13を中心とした
天蓋フード15を取り付けている。
また、外筒昇降フレーム7の先端には外筒16の上側部を
固定して吊り下げている。該外筒16は、上記プロペラ14
と同様に溶湯に対応した耐熱性材料で、図示の如き上下
開口の大略円筒状に形成しており、その上端面に一側に
突出した切粉投入口16aを備えている。該外筒16の上端
開口からは上記プロペラ14を備えた回転駆動軸13を挿脱
し、外筒16内でプロペラ14を回転自在に囲繞するように
している。
一方、溶解炉1では、溶解炉1の上部外周に取り付けた
デッキ20を傾動用シリンダ21を介して炉座22上に搭載
し、該シリンダ21により溶解炉1をデッキ20と共に傾動
し、出湯口23より炉内溶湯24を出湯するようにしてい
る。該溶解炉1は公知の構造で、炉殻25の内面に耐火物
26を備え、かつ、炉底部には加熱源であるインダクタ27
を備えている。また、溶解炉1の上面には炉蓋28を備
え、該炉蓋28に上記外筒16が自在に挿脱する開口部28a
を形成している。
上記溶解炉1を支承する炉座22と下側の固定基礎2aの間
には、ロードセル29を介設している。該ロードセル29は
ケーブル30によりロードセル変換器31に接続すると共
に、該ロードセル変換器31を演算装置32に接続してい
る。これらロードセル29、ロードセル変換器31および演
算装置32からなる計量装置を設けることにより、ロード
セル29で溶解炉1内の湯量の増加を検知し、ロードセル
変換器31からの信号によって演算装置32で湯面高さを演
算している。該演算装置32はケーブル33を介して上記プ
ロペラ昇降用モータ10と外筒昇降用モータ11との駆動を
制御している。
次に、第3図から第5図を参照して上記装置の動作過程
を順次説明する。
第3図は溶解炉1内の湯量が最少の状態、即ち、最低湯
面の状態を示し、該状態より切粉40の溶解が始まる。溶
解開始時、図示のようにプロペラ昇降フレーム6および
外筒昇降フレーム7を最下限まで昇降用モータ10、11に
より下降し、外筒16内の下端部内にプロペラ14を位置さ
せ、外筒16およびプロペラ14を溶湯24の中に浸漬し、回
転用モータ12aによりプロペラ14を回転している。同時
に、インダクタ27に所定電力を投入して溶湯を加熱し、
かつ、溶解材料である切粉40を外筒16の投入口16aより
外筒16内に投入する。切粉40は外筒16の内部湯面に達
し、プロペラ14の回転動作によって、溶湯24内に押し込
まれると同時に、湯中で強制的に攪拌され、溶解され
る。
上記した動作により連続的に切粉40を溶解しながら、一
方では湯量の増加をロードセル29で検知し、その検知値
に応じて演算装置32により湯高に見合った昇降信号を昇
降用モータ10、11に夫々出力する。これら昇降用モータ
10、11の駆動によりプロペラ昇降フレーム6および外筒
昇降フレーム7はボールネジ式昇降ガイド9に沿って上
昇させ、プロペラ14および外筒16を自動的に湯高に同調
して上昇させ、常に、湯面上に回転プロペラ14および外
筒下端部を位置させている。よって、切粉40の溶解時に
発生するスラグ41は外筒16の内部で保留され、その結
果、炉内湯面および耐火物26がスラグで汚染されること
が防止出来る。
尚、上記動作時、プロペラ昇降フレーム6と外筒昇降フ
レーム7とは夫々単独に昇降動作させることが出来るた
め、切粉40の溶解中は、外筒16は最下限の位置に保持し
たまま、プロペラ14のみを回転させながら上昇し、プロ
ペラのみ湯面の位置に追随させても良い。
第4図は溶解完了の状態を示し、この時、外筒16を最下
限の位置にする一方、プロペラ14は回転を停止すると共
に上昇させて最上限で停止する。よって、図示のよう
に、プロペラ14は外筒16より取り出されて上方に位置す
る。この状態で、外筒16の内部の湯面に浮遊するスラグ
41を除滓棒42で取り出す。
第5図は溶解および除滓を完了して、出湯の準備状態を
示す。除滓完了後は、外筒昇降用フレーム7を上昇さ
せ、炉蓋28より外筒16を取り出して上昇させる。外筒16
の上昇で、再び外筒16内にプロペラ14が差し込んだ状態
となる。この状態で、支柱3を旋回用モータ5で回転し
てフレーム6、7を左旋回し、第1図中鎖線で示す退避
位置に逃がす。その後、溶解炉1を傾動用シリンダ21に
より傾動し、出湯口23より出湯する。一方、外筒16の内
面に、図示のように、スラグ41が多量に付着している時
は、別に準備した外筒と交換し、使用した外筒16は別の
場所で付着スラグ41を除去する。
上記した実施例は溝形溶解炉に適用した場合であるが、
他のるつぼ形溶解炉をはじめ反射炉、アーク炉などにも
本装置を適用することが出来る。また、切粉溶解以外で
も、例えば、金属塊を溶解する場合には、プロペラ14お
よびプロペラ昇降フレーム6を上端限に保持したまま、
外筒16と自動昇降制御機能を活用すると、同様の溶解を
することにより、スラグを外筒内に保留させることがで
き、スラグによる炉の汚染を防止出来る。
発明の効果 以上の説明より明らかなように、本発明に係わる切粉の
押し込み攪拌装置によれば、炉内に投入する切粉を炉内
の溶湯中に浸漬した外筒内に投入し、かつ、該外筒内に
プロペラを配置し、プロペラを回転駆動することにより
切粉を湯中に強制的に押し込みながら攪拌しているた
め、湯運動が極めて小さい炉でも切粉溶解に用いること
が出来る。よって、従来は低周波るつぼ型溶解炉に限定
されていたが、高周波るつぼ型溶解炉および反射炉やア
ーク炉等も切粉溶解に使用することが出来る。
また、回転式プロペラの外周を取り囲む形で外筒を昇降
させ、湯中に浸漬させるため、溶解時に発生するスラグ
が外筒内に保留され、外筒より出ることが抑制させるた
め、炉内湯面のスラグを最少限にとどめて、耐火物内壁
面へのスラグの付着を大幅に低減出来る。よって、耐火
物内面の除滓面積が狭いので除滓作業を容易とでき、ま
た、場合によっては不要とすることも出来る。また、本
発明では、上記耐熱性外筒の上方に切粉投入口を設け、
この切粉投入口から切粉を投入する構成としているた
め、溶解炉内に仕切壁を設けた複室構造とする必要がな
い。さらに、本発明では、切粉投入口の上方にフードを
設けているため、切粉の溶解時に発生する煙等は、耐熱
性外筒を介してフードに集められ、容易に吸引処理する
ことができる。
さらに、炉座の下方にロードセルを設け、湯量を計量し
て湯高を演算し、湯高に応じてプロペラおよび外筒を夫
々別個に昇降させるため、プロペラおよび外筒を常時湯
面に同調させて自動的に昇降させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例を示す全体平面配置図、第2図
は本発明の回転式プロペラの斜視図、第3図は上記実施
例の溶解開始時における一部断面正面図、第4図は上記
実施例の溶解完了時における一部断面正面図、第5図は
上記実施例の出湯前の一部断面正面図である。 1……溶解炉、3……支柱、 5……旋回用モータ、 6……プロペラ昇降フレーム、 7……外筒昇降フレーム、 10、11……昇降用モータ、 12……回転駆動装置、13……回転駆動軸、 14……プロペラ、16……外筒、 16a……切粉投入口、 21……傾動用シリンダ、 22……炉座、24……溶湯、 26……耐火物、29……ロードセル、 31……ロードセル変換器、 32……演算装置、40……切粉、 41……スラグ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上野 定洋 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−93176(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶解炉に隣接して配置した旋回可能な支柱
    と、 該支柱に昇降用駆動装置を介して昇降自在に取付けら
    れ、回転駆動軸の先端に耐熱性プロペラを取付けた回転
    駆動装置を配置したプロペラ昇降フレームと、 上記支柱の上記プロペラ昇降フレームの下側に、昇降用
    駆動装置を介して昇降自在に取付けた外筒昇降フレーム
    と、 該外筒昇降フレームの先端に固定して吊り下げられ、上
    記耐熱性プロペラを挿脱自在に囲繞すると共に、上方に
    切粉投入口を設けた耐熱性外筒と、 上記切粉投入口の上方に設けたフードと、 上記溶解炉内の湯量を計測するロードセル型計量装置
    と、 上記ロードセル型計量装置からの信号に基づいて湯面高
    さを演算し、上記耐熱性プロペラ及び耐熱性外筒の先端
    が湯面上に位置するように上記プロペラ昇降フレームと
    外筒昇降フレームを制御する演算手段とを備え、外筒内
    に挿入した状態で溶解炉の溶湯内に耐熱性プロペラを浸
    漬し、上記切粉投入口から投入した切粉をプロペラの回
    転で湯中に押し込むと共に攪拌する構成としたことを特
    徴とする溶解炉における切粉押込み攪拌装置。
JP63150588A 1988-06-17 1988-06-17 溶解炉における切粉押込み攪拌装置 Expired - Fee Related JPH0746031B2 (ja)

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JP6899407B2 (ja) * 2018-03-30 2021-07-07 株式会社広築 アルミニウム切粉の溶解方法及び溶解装置

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