JP6898918B2 - 模様付き不織布およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、繊維密度の異なる複数の部分が配置されることにより形成された模様を有する、模様付き不織布およびその製造方法に関する。
模様を有する不織布およびその製造方法として、従来種々のものが提案されている。例えば、特許文献1には、複数個の流体透過部とこれを囲繞して連続的に広がる流体不透過部とから成る支持部材と、多数の穴を配列した成形部材との間に、繊維層を挟持して、圧力流体を作用させて、支持部材の透過部と不透過部とに対応して、それぞれ高密度の部分と低密度の部分とに再配列し、この高密度の部分をさらに、成形部材の穴に対応して別の低密度の部分を有するように再配列し、かつ各高密度の部分を、実質的に列状の繊維によって相互に架橋連絡する、不織布の製造方法が開示されている。
特許文献2には、構成繊維が交絡された繊維ウェブの構成繊維の一部が水流交絡により再配列されて形成され、各々規則的な模様を有し且つ相互に離間した、ストライプを複数有することにより、ストライプ模様を呈しており、ストライプの幅が4mm〜50mmである不織布が開示されている。
特公昭54−10666号公報 特開2009−287158号公報
本開示は、従来の模様付き不織布とは異なる意匠効果を発揮し、縦方向および横方向の強度バランスがより良好である、模様付き不織布およびその製造方法を提供することを目的とする。
本開示は一つの要旨において、低密度領域と、第1高密度領域と、第2高密度領域とを有する模様付き不織布であって、
前記低密度領域が複数集合して、1つの島状部を形成しており、
前記1つの島状部において、少なくとも前記低密度領域と前記低密度領域との間に前記第2高密度領域が形成されており、
前記第1高密度領域は前記島状部と前記島状部との間に形成されており、
前記第1高密度領域における繊維密度が、前記第2高密度領域における繊維密度よりも小さく、
前記低密度領域における繊維密度が前記第1高密度領域における繊維密度よりも小さいか、あるいは前記低密度領域が開孔部であり、
前記低密度領域の面積の合計が、前記模様付き不織布全体の面積に対して0.1%〜12%であり、前記島状部の面積の合計が、前記模様付き不織布全体の面積に対して、1%〜45%である、
模様付き不織布を提供する。
本開示の模様付き不織布は、繊維密度が異なる3つの領域(低密度領域、第1高密度領域、第2高密度領域)を、低密度領域を複数集合させて島状部を形成するように配置するとともに、第2高密度領域を島状部において低密度領域間に配置し、かつ第1高密度領域を島状部間のベース部として配置することにより模様が形成されたものである。そのような模様は、従来にはない意匠効果を発揮する。また、本開示の不織布は、その模様を構成する部分がベース部に囲まれた島状部であるために、模様の形成による縦方向および横方向の強度バランスがより良好なものとなる。さらに、本開示の不織布は、低密度領域の面積の合計が、不織布全体の面積に対して0.1%〜12%であり、島状部の面積の合計が、不織布全体の面積に対して、1%〜45%であることによって、より高い意匠効果を発揮するとともに、良好な取り扱い性を有する。
本実施形態の不織布を模式的に示す平面図である。 島状部を拡大して示す平面図である。 本実施形態の不織布の一例の表面を示す写真である。 本実施形態の不織布の一例の表面を示す写真である。 本実施形態の不織布の一例の表面を示す写真である。 本実施形態の不織布の一例の表面を示す写真である。 本実施形態の不織布の一例の表面を示す写真である。 本実施形態の不織布の一例の表面を示す写真である。 本実施形態の不織布の一例の表面を示す写真である。 本実施形態の不織布の製造において、低密度領域および第2高密度領域を形成する際のノズル、開口部材、ウェブおよびパターン形成支持体の配置の一例を示す側面図である。
本実施形態の不織布は、低密度領域と、第1高密度領域と、第2高密度領域とを有する模様付き不織布であって、
低密度領域が複数集合して、1つの島状部を形成しており、
1つの島状部において、少なくとも低密度領域と低密度領域との間に第2高密度領域が形成されており、
第1高密度領域は島状部と前記島状部との間に形成されており、
第1高密度領域における繊維密度が、第2高密度領域における繊維密度よりも小さく、
低密度領域における繊維密度が第1高密度領域における繊維密度よりも小さいか、あるいは低密度領域が開孔部である、
模様付き不織布である。図1は、この不織布の一例を模式的に示す平面図である。
図1に示す不織布100においては、円形の低密度領域10が9つ集合して、1つの島状部20を形成し、島状部20間に第1高密度領域12が形成されている。低密度領域10は、千鳥状に、すなわち、縦方向および横方向において、ある列の2つの低密度領域10の間に次の列の低密度領域10が位置するように、配列されて、規則的な千鳥模様を形成している。変形例において、低密度領域10は正方配列されていてよい。低密度領域10は互いに独立していて、低密度領域10の間には第2高密度領域14が形成されている。島状部20は全体として略菱形ないしは円形を有し、千鳥状に配置されている。この不織布100は、換言すれば、第1高密度領域12をベースとする不織布に、低密度領域10と第2高密度領域14とからなる島状部20が規則的に形成されて、模様を形成している不織布である。
低密度領域10は、3つの領域の中で最も繊維密度が小さい領域であり、他の領域と厚さが変わらない部分であってもよく(すなわち、凹凸を形成していなくてもよく)、あるいは凹部であってもよく、あるいはまた開孔部であってもよい。低密度領域10は、後述するとおり、例えば、高圧流体(圧縮空気等の高圧気体、高圧水等の高圧液体)による交絡処理を比較的太いモノフィラメントからなる織物上にウェブを配置して実施し、織物の交点(最も高い部分)上に位置する繊維ウェブを高圧流体の作用によって周囲に繊維を移動させて再配列させる(以下、単に移動ともいう)ことにより形成される。そのような方法で低密度領域10を形成する場合、低密度領域10の一つあたりの面積は、織物を構成する糸の太さにより主に決定される。あるいは、低密度領域10は、凸部、凹部および開口部から選択される少なくとも一つを有する成形体またはスパイラルネットにより形成されたものであってよい。
低密度領域が凹部または開孔部である場合、島状部において、低密度領域は、複数集合して、規則的な模様を形成していてよい。規則的な模様とは、低密度領域がある一定の規則に従って配置されることにより形成される模様をいう。規則的な模様は、例えば、ドット模様、杉綾模様、市松模様、格子模様、千鳥模様、斜め縞模様、波柄模様、及びジグザグ模様からなる群から選ばれる少なくとも一つであってよい。低密度領域が規則的な模様を形成していると、不織布の意匠性を向上させることができる。また、低密度領域が規則的な模様を形成することで、不織布の通気性、通液性、保液性、および拭取り性などの機能を向上させることができる。規則的な模様は、後述するとおり、凸部、凹部および開口部から選択される少なくとも一つが規則的に配置された支持体上にウェブを配置し、高圧流体を当てることによって形成できる。
低密度領域10は一つあたり、例えば、0.03mm〜20mmの面積を有してよく、特に、0.1mm〜10mmの面積を有してよく、より特には、0.7mm〜5.0mmの面積を有してよい。低密度領域10が小さすぎると、低密度領域10が十分に認識されず、意匠効果が十分に発揮されないことがある。低密度領域10が大きすぎると、不織布において伸び、ヨレ、破れ等の変形または破損が生じやすくなって、取扱い性が低下する。また、低密度領域10が大きすぎると、かえって低密度領域として認識されにくくなることがあり、やはり意匠効果が十分に発揮されないことがある。
低密度領域10は、少なくとも第1高密度領域12よりも繊維密度の小さい領域であり、例えば、0g/cm〜0.080g/cmの繊維密度を有してよく、特に、0g/cm〜0.070g/cmの繊維密度を有してよく、より特には、0g/cm〜0.05g/cmの繊維密度を有してよい。繊維密度がゼロであるということは、当該低密度領域10は開孔部であることを意味する。低密度領域10の繊維密度が大きく、第1高密度領域12のそれとの差が小さい場合には、模様が認識されにくくなり、十分な意匠効果が発揮されないことがある。
また、低密度領域は、その面積の合計(すなわち、不織布内の低密度領域をすべて合わせた面積)が不織布全体の面積の例えば0.1%〜12%、特に0.5%〜10%、より特には1.0%〜9%、さらにより特には1.5%〜8%を占めるように形成してよい。低密度領域の占める割合(面積率)がこの範囲内にあると、低密度領域間に形成される第2高密度領域による強度向上が、低密度領域の形成に起因する強度低下よりも優位となって、島状部(低密度領域および第2高密度領域)を形成しないときと比較して、不織布の強度(特に10%伸長時応力)を効果的に高くし得る。低密度領域の面積の合計の割合が大きくなりすぎると、不織布強度が低下することがあり、また、不織布において、伸び、ヨレ、および破れ等の変形または破損が生じやすくなる。
一つの島状部20内において、あるいは一つの不織布100内において、各低密度領域10の繊維密度、形状および面積は必ずしも同じである必要はない。例えば、一つの島状部20内において、ある低密度領域10が開孔部であり、別の低密度領域10が開孔部ではない領域であってもよい。
低密度領域10間のピッチは特に限定されず、例えば、少なくとも一つの方向において、0.1mm〜50mmであってよく、特に、0.5mm〜30mmであってよく、より特には1mm〜10mmであってよい。ここで、ピッチとは、一つの島状部20内において、隣り合う低密度領域10の重心間の距離に相当する。また、低密度領域10間の間隔は、例えば、少なくとも一つの方向において、0.1mm〜50mmであってよく、特に、0.5mm〜30mmであって、より特には1.0mm〜10mmであってよい。ここで、間隔とは、一つの島状部20内において、低密度領域10の外周(輪郭)上の任意の一点と、当該低密度領域10に隣り合う別の低密度領域10の外周(輪郭)上の任意の一点とを結ぶ線分のうち、最も短い線分を指す。
一つの島状部20または一つの不織布100の中で、低密度領域10間のピッチ及び間隔は一定でなくてもよい。例えば、図1に示す不織布の島状部20を拡大した図2に示すように、低密度領域10が千鳥状に配列されている場合には、そのピッチ(図中、a1、a2)および間隔(図中、b1、b2)は、方向によって異なる値となるが、本実施形態においては、少なくとも最も短いピッチおよび最も短い間隔がそれぞれ上記範囲内にあることが好ましく、すべての方向のピッチおよび間隔が、上記範囲内にあることがより好ましい。
第2高密度領域14は、少なくとも低密度領域10と低密度領域10との間に形成され、第1高密度領域12よりも高い繊維密度を有する領域である。第2高密度領域14は、上記のとおり、繊維を高圧流体の作用により移動させて低密度領域10を形成するときに、移動した繊維が密に集合している領域である。繊維は低密度領域10の周囲に移動するので、例えば、図1において、外側に位置する低密度領域10Aの外側(例えば、図中点線で囲んだ部分内)にも第2高密度領域14が一般に形成される。尤も、第2高密度領域14と第1高密度領域12との境界は明瞭でないこともある。図1および他の図面で示す点線は、島状部20を概念するためのものであり、第2高密度領域14の範囲を明確に示すものではない点に留意されたい。
第2高密度領域14は、第1高密度領域12よりも高い繊維密度を有し、例えば、0.01g/cm〜0.30g/cmの繊維密度を有してよく、特に、0.03g/cm〜0.20g/cmの繊維密度を有してよく、より特には、0.05g/cm〜0.15g/cmの繊維密度を有してよい。また、第2高密度領域14は、例えば、0.05mm〜5.0mm、特に、0.10mm〜3.0mm、より特には0.2mm〜2.0mmの厚さを有してよい。第2高密度領域14が、低密度領域10の形成に際して移動した繊維が集合して形成されている場合、当該領域では繊維同士が密に集合して、その厚さは第1高密度領域12のそれよりも一般に大きくなり、繊維密度は高くなる。ここで、繊維密度は、不織布の荷重を加えない状態で測定される厚さと、不織布の目付とから求められるものである。不織布に荷重を加えない状態の厚さは、例えば、電子顕微鏡写真を観察して求めることができる。
島状部20は、低密度領域10が複数集合してなる部分であり、少なくとも低密度領域10間で第2高密度領域12が形成された部分である。島状部20は、低密度領域10が開孔部である場合には特に、部分的にメッシュ状の外観を呈する。
島状部20は、例えば、島状部20に対応する開口部が設けられ、開口部間は高圧流体を透過させない部材、すなわち開口部材(例えば金属板)を用意し、上記低密度領域10を形成するための支持体上に配置したウェブに、開口部を通過した高圧流体を作用させることにより形成してよい。すなわち、高圧流体が作用する領域を、島状部20に対応する部分のみとすることにより、低密度領域10と第2高密度領域14とを有する、独立した島状部20を形成することが可能となる。したがって、島状部20の面積および形状は、開口部の面積および形状によって決定される。尤も、島状部20の面積および形状は、開口部のそれらと全く同じになるわけではない。その理由としては、島状部20は、開口部を通過した高圧流体の作用により形成され、高圧流体が実際に作用する面積は高圧流体の広がり及び開口部とオーバーラップするノズルのオリフィスの数によって変化することが挙げられる。また、高圧流体の圧力、オリフィスの直径、繊維の繊度、剛軟度および長さ(これらは繊維の移動の程度に影響を及ぼす)、ならびにウェブの目付および密度もまた、島状部20の面積および形状に影響を与える。これらもまた、島状部20の面積および形状が開口部のそれらと同じとはならない要因となる。
島状部20は、高圧流体(特に、高圧水)を用いた交絡処理により形成される場合には、第1高密度領域12よりも高圧流体の作用をより受けている箇所であるため、繊維が密に交絡して、第1高密度領域12よりも高い繊維密度を有することとなる。加えて、島状部20では上記のとおり、低密度領域10の形成に際して繊維が移動して集合した領域も形成されるため、少なくとも低密度領域10の間では、繊維密度がさらに高くなって、第2高密度領域14が形成される。
島状部20の形状は特に限定されず、円形、楕円、雲形、三以上の辺を有する多角形(正多角形を含む)、星形、花、クローバー形、およびハート形、記号や文字等、直線や曲線で形成された任意の形状であってよい。三以上の辺を有する多角形は、例えば、三角形、菱形、台形、平行四辺形、矩形(正方形含む)、正五角形等である。一つの不織布に、異なる形状および/または寸法の島状部20が形成されていてよい。
一つの不織布において、島状部20は、同じサイズのものが規則的に配置されてよく、例えば千鳥状配列または正方配列で配置されていてよい。あるいは、島状部20は、複数の異なる形状および/または面積の島状部が集合して、一つの図柄(モチーフ)を構成し、当該図柄が千鳥状配列または正方配列で配置されていてよい。例えば、図3〜図5に示す不織布においては、同寸法および同形状の島状部20が、千鳥状配列または正方配列で配置されている。図6に示す不織布においては、略長方形の島状部20が縦方向において角度をなして等間隔に並べられてなる列が、横方向の隣り合う列と互いに鏡像関係となるように配置されている。
図7に示す不織布においては、一つの大径の円形島状部20aの周囲に、小径の円形島状部20bが8個配置されて一つの図柄を形成し、この図柄が千鳥状に配置されている。図8に示す不織布においては、二つの大小のハート形の島状部20cおよび20dが一つの図柄を形成し、この図柄が正方配列で配置されている。図9に示す不織布においては、同寸法および同形状の島状部20が対角線方向(二方向)に等間隔に配置されて、ダイヤのパターンが形成されている。
図示した島状部の配置はいずれも例示的なものであり、島状部の配置はこれらに限定されるものではない。例えば、島状部は不規則に配置されていてもよく、また、複数の島状部の集合体が一つの図柄(例えば、草花、動物、記号、文字等)を形成していてよい。
島状部20一つあたりの大きさは特に限定されず、例えば、その面積は1.0mm〜18000mmであってよく、特に3.0mm〜5000mmであってよく、より特には5.0mm〜2000mmであってよい。島状部20の面積が大きいほど、島状部20に含まれる低密度領域10の数はより多くなる。島状部20の面積が小さすぎると、開口部材に設ける開口部も小さくなって、十分なエネルギー量の高圧流体が開口部を通過せず、低密度領域10および第2高密度領域14の形成が不十分となることがある。島状部20の面積が大きすぎると、島状部20および島状部20の集合体が形成する模様が十分に認識されず、意匠効果が得られなくなることがある。特に、不織布をその用途に応じてカットして用いる場合には、カット後の寸法によっては、カットした領域に含まれる島状部20ないしは島状部20の集合体の数が少なくなって、島状部20による模様を十分に認識できなくなる。島状部20の面積は、島状部20の境界が明瞭でない場合には、島状部20内の全ての低密度領域を含み得る円であって、直径が最小の円の面積で近似してよい。
島状部20間のピッチは特に限定されず、例えば、少なくとも一つの方向において、5mm〜100mmであってよく、特に、7mm〜80mmであってよく、より特には10mm〜50mmであってよい。ここで、ピッチとは、隣り合う島状部20の重心間の距離に相当する。
また、島状部20間の間隔は、例えば、少なくとも一つの方向において、1mm〜100mmであってよく、特に、2mm〜80mmであってよく、より特には5mm〜50mmであってよい。ここで間隔とは、島状部20の外周(輪郭)上の任意の一点と、当該島状部20に隣り合う別の島状部20の外周(輪郭)上の任意の一点とを結ぶ線分のうち、最も短い線分を指す。島状部20のピッチおよび間隔も、低密度領域10のそれらと同様に方向によって異なる値となることがあり、その場合、少なくとも最も短いピッチおよび最も短い間隔がそれぞれ上記範囲内にあることが好ましく、すべての方向のピッチおよび間隔が、上記範囲内にあることがより好ましい。島状部20の一つ一つが図柄を示している場合には、20のピッチおよび間隔が小さすぎると、隣り合う島状部との境界が明瞭でなくなり、島状部20が示す図柄が認識されにくくなることがある。
あるいは、島状部20は、その面積の合計(すなわち、不織布内の島状部をすべて合わせた面積)が不織布の全面積の例えば1%〜45%、特に3%〜40%、より特には5%〜35%、さらにより特には7%〜30%を占めるように形成してよい。島状部20の占める割合(面積率)が小さすぎると、所望の意匠効果を得られないことがあり、大きすぎると、島状部20一つあたりの面積が大きすぎる場合と同様、島状部20および島状部20の集合体が形成する模様が十分に認識されないことがある。また、不織布に占める島状部20の面積の合計の割合が大きすぎると、島状部20間の間隔が小さくなって島状部20が示す図柄が認識されにくくなることがある。
なお、上記においては島状部20は不織布において独立した領域を形成しているものとして説明している。「島状部が独立した領域を形成している」か否かは次の方法で判断される。
i)一つの島状部(便宜的に「島状部A」と呼ぶ)と、島状部Aの隣に位置し、かつ島状部Aに最も近くに位置するする島状部(便宜的に「島状部B」と呼ぶ)を特定する。
ii)島状部Aに含まれる低密度領域のうち、島状部Bに含まれる低密度領域と最も近接しているものを低密度領域Aとし、島状部Bに含まれる低密度領域のうち、島状部Aに含まれる低密度領域と最も近接しているものを低密度領域Bとする。
iii)低密度領域Aと低密度領域Bの間隔を測定する。低密度領域Aと低密度領域Bの間隔が、島状部Aに含まれる低密度領域の間隔および島状部Bに含まれる低密度領域の間隔のうち最も大きいものよりも大きければ、島状部は独立して形成されているといえる。
低密度領域Aと低密度領域Bの間隔は、島状部Aに含まれる低密度領域の間隔および島状部Bに含まれる低密度領域の間隔のうち最も大きい間隔の2倍以上であることが好ましく、3倍以上であることがより好ましく、5倍以上であることがより好ましい。
第1高密度領域12は、不織布のベースともいえる部分であり、島状部20と島状部20との間に位置する部分である。第1高密度領域12は、上記開口部を有する部材を用いて高圧流体を用いた交絡処理を施すときに、低密度領域及び第2高密度領域の形成に必要なエネルギーを有する高圧流体があたらない部分である。第1高密度領域12は、開口部を有する部材を用いた高圧流体による交絡処理の前に予め一体化させられた領域であり、例えば、高圧流体による交絡処理等によって繊維同士が予め交絡されている部分、繊維同士が接着されている部分、または繊維同士が交絡され且つ接着されている部分である。
第1高密度領域12の繊維密度は、低密度領域10のそれよりも大きく、第2高密度領域14のそれよりも小さい限りにおいて特に限定されず、例えば、0.01g/cm〜0.20g/cmの繊維密度を有してよく、特に、0.03g/cm〜0.15g/cmの繊維密度を有してよく、より特には、0.05g/cm〜0.13g/cmの繊維密度を有してよい。第1高密度領域12は、島状部20(低密度領域10、第2高密度領域14)を形成するためのベースとなる部分であるから、その繊維密度が小さすぎても、大きすぎても、島状部20を良好に形成することが難しくなることがある。
第1高密度領域は、例えば、0.05mm〜3.0mm、特に、0.1mm〜2.5mm、より特には0.2mm〜1.8mmの厚さを有してよい。
低密度領域10が開孔部である場合、第1高密度領域12および第2高密度領域14の繊維密度は、1/1.03以下(第1/第2)の比を有していてよく、1/1.05以下(第1/第2)の比を有していてよい。低密度領域10が開孔部でない場合、低密度領域10および第1高密度領域12の繊維密度の比は、例えば、1/1.03以下(低密度/第1)としてよく、特に、1/1.05以下(低密度/第1)としてよい。低密度領域10と第1高密度領域12の密度差、および/または第1高密度領域12と第2高密度領域14の密度差が小さい場合には、島状部20により形成される模様が明瞭でなくなることがあり、意匠効果を十分に発揮できないことがある。
本実施形態の不織布においては、繊維同士が互いに交絡していることが好ましい。すなわち、低密度領域(開孔部として形成されている場合を除く)、第1高密度領域、および第2高密度領域のいずれにおいても、繊維同士が交絡されていることが好ましい。繊維同士の交絡によれば、低密度領域、第1高密度領域、および第2高密度領域が、明瞭に且つ簡便に形成されやすい。繊維同士は、高圧流体の作用によって交絡していることが好ましく、高圧液体(特に、高圧水)の作用によって交絡していることがより好ましい。高圧液体により繊維同士が交絡させられた不織布は、触感において優れている。また、高圧液体による交絡処理は繊維に付着している余分な繊維処理剤が脱落させやすいので、高圧液体により繊維同士が交絡させられた不織布は、繊維処理剤の付着が望ましくない用途において好ましく用いられる。
本実施形態の不織布を構成する繊維は特に限定されず、不織布の用途等に応じて選択される。本実施形態の不織布は、例えば、
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、およびその共重合体などのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66、およびその共重合体などのポリアミド系樹脂、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン、およびポリエチレン(高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンを含む)などのポリオレフィン系樹脂、ならびにアクリル系樹脂から選択される、1または複数の熱可塑性樹脂からなる合成繊維、
コットン、シルク、ウール、麻、およびパルプなどの天然繊維、ならびに
ビスコース法で得られるレーヨンおよびポリノジック、銅アンモニア法で得られるキュプラ、溶剤紡糸法で得られるセルロース系繊維(レンツィングリヨセル(登録商標)およびテンセル(登録商標)等)、および溶融紡糸法で得られるセルロース繊維等の再生繊維(疎水化剤で表面が処理されたものを含む)、ならびに
アセテート繊維等の半合成繊維
から選択される、1または複数の繊維で形成されていてよい。
合成繊維は、単一繊維および複合繊維のいずれであってもよい。複合繊維は、例えば、同心または偏心の芯鞘型複合繊維、海島型複合繊維、サイドバイサイド型複合繊維、または分割型複合繊維であってよい。
合成繊維はまた、加熱等により溶融または軟化して接着性を示すものであってよい。例えば、合成繊維は、ポリエチレン等の比較的融点の低い樹脂を一成分として含み、当該低融点樹脂成分が繊維表面の少なくとも一部を占める、単一繊維または複合繊維であってよい。そのような繊維は、例えば、ポリエチレン/ポリプロピレン、ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレートの組み合わせからなり、ポリエチレンが鞘成分である芯鞘型複合繊維である。繊維同士を接着させることができる合成繊維を用いる場合、当該合成繊維は不織布に例えば5質量%以上含まれていてよく、特に10質量%以上、より特には20質量%以上含まれていてよい。接着性の合成繊維の割合が少なすぎると、繊維同士を接着させることによる効果(後述する)を十分に得ることができないことがある。
あるいは、合成繊維は、加熱等により立体捲縮を発現する潜在捲縮性繊維であってよく、あるいは、繊維製造時に立体捲縮が発現している顕在捲縮性繊維であってよい。
繊維の繊度は所望の模様が形成される限りにおいて特に限定されず、不織布の用途等に応じて選択される。繊維の繊度は、例えば、0.1dtex〜6.6dtexの範囲内にあってよく、0.25dtex〜3.3dtexの範囲内にあってよい。
繊維の繊維長も所望の模様が形成される限りにおいて特に限定されず、不織布の製造条件等に応じて選択される。繊維の繊維長は、例えば、10mm以上100mm以下である。繊維長がこの範囲外であると、例えばカード機を使用して繊維ウェブを作製することが困難となることがある。また、低目付の不織布においては、繊維長が100mmを超えると、不織布を構成する繊維の本数が少なくなるため、不織布の地合が安定しないことがあり、あるいは必要な不織布強力が得られないことがある。繊維長は、より好ましくは25mm以上100mm以下であり、さらにより好ましくは32mm以上70mm以下であり、特に好ましくは38mm以上65mm以下である。
本実施形態の不織布は、セルロース繊維を例えば20質量%以上、特に40質量%以上、より特には60質量%以上含む。ここで、セルロース繊維としては、綿(コットン)、リネン、ラミー、ジュート、ヘンプ、およびパルプ等の植物に由来する天然繊維;ビスコース法で得られるレーヨンおよびポリノジック、銅アンモニア法で得られるキュプラ、溶剤紡糸法で得られるセルロース系繊維(レンツィングリヨセル(登録商標)およびテンセル(登録商標)等)、および溶融紡糸法で得られるセルロース繊維等の再生繊維、ならびにアセテート繊維等の半合成繊維が挙げられる。セルロース繊維は、特に高圧水流を用いた交絡処理により不織布を製造する場合には、繊維同士が絡み合いやすく、絡み合った状態が交絡処理後も良好に保たれる不織布を与えるので、それぞれの領域がより明瞭に区別されて、鮮明な模様が不織布に形成されることを可能にする。
不織布に含まれる繊維は、合成繊維であってよい。あるいは、不織布は二種類以上の繊維の組み合わせからなっていてよい。例えば、疎水化処理されたセルロース繊維と、疎水化処理されていないセルロース繊維とを組み合わせて、本実施形態の不織布を構成してよい。合成繊維を組み合わせる場合、合成繊維を例えば、ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン/ポリプロピレン、低融点ポリエステル/ポリエチレンテレフタレート等の組み合わせが鞘/芯を構成する芯鞘型複合繊維とすれば、熱処理等により、これらの繊維が繊維同士を接着している不織布を得ることができる。そのような不織布は、繊維同士が接着していないものと比較して、より大きい強度を有し、寸法安定性がより高い。
不織布の目付も所望の模様が形成される限りにおいて特に限定されず、用途等に応じて選択される。各領域が上記範囲の繊維密度および厚さを有する不織布を得るために、不織布の目付は、例えば10g/m〜300g/mであってよく、特に15g/m〜200g/mであってよく、より特には20g/m〜100g/mであってよく、さらにより特には25g/m〜80g/mであってよい。不織布の目付が小さすぎると、繊維密度の異なる3つの領域を形成することが難しくなることがあり、大きすぎると、特に低密度領域を形成することが難しくなることがある。
不織布を、例えば、ナプキンおよびパンティライナー等の吸収性物品の表面材として使用する場合には、不織布の目付は、例えば12g/m〜60g/mとしてよく、特に18g/m〜50g/mとしてよい。また、フェイスマスクとして使用する場合には、不織布の目付は、30g/m〜250g/mとしてよく、特に40g/m〜120g/mとしてよく、対人ワイパーとして使用する場合には、不織布の目付は、10g/m〜200g/mとしてよく、特に15g/m〜150g/mとしてよく、対物ワイパーとして使用する場合には、不織布の目付は、10g/m〜200g/mとしてよく、特に15g/m〜150g/mとしてよい。ここに記載した各用途に適した目付の範囲の例は、本実施形態の不織布が他の不織布と積層した状態で用いられる場合には、本実施形態の不織布の目付と他の不織布の目付とを合わせた合計目付である。
不織布は、単層構造であっても、積層構造であってもよい。
また、不織布は、パラレルウェブ、クロスウェブ、セミランダムウェブおよびランダムウェブ等のカードウェブ、エアレイウェブ、湿式抄紙ウェブ、ならびにスパンボンドウェブ等から選択されるウェブから形成されたものであってよい。セルロース繊維を構成繊維とする場合、セルロース繊維を用いて形成され得る繊維ウェブは、カードウェブ、エアレイウェブ、および湿式抄紙ウェブであり、セルロース繊維を含んでなる、これらの繊維ウェブは模様が明瞭に形成された不織布を製造するのに適している。
次に、本実施形態の不織布の製造方法を説明する。本実施形態の不織布は、上記に列挙したウェブから選択されるウェブを準備し、その全面に高圧流体による交絡処理を施して、第1高密度領域を形成した後、部分的に高圧流体による交絡処理を施して、島状部を形成する方法で製造してよい。島状部を形成するための高圧流体による交絡処理は、繊維ウェブを、低密度領域を形成するための凸部、凹部および開口部から選択される少なくとも一つを有する支持体(以下、「パターン形成支持体」とも呼ぶ)の上に配置し、開口部を有し、開口部以外では高圧流体を透過させない部材(以下、単に「開口部材」と呼ぶ)を、高圧流体を噴射するノズルとウェブとの間に配置し、該開口部を経由して高圧流体を噴射する方法で実施できる。
開口部材を介して高圧流体を噴射することにより、開口部に対応するウェブの部分だけに低密度領域を形成するのに必要なエネルギーを有する高圧流体が作用し、当該部分では繊維の交絡がより進行して、密度が高くなる。また、開口部材を介して噴射される高圧流体は、パターン形成支持体上に載置されたウェブに作用し、それにより、パターン形成支持体の形状に応じた低密度領域が形成され、低密度領域間では低密度領域の形成にあたり周囲に移動した繊維によって第2高密度領域が形成される。
高圧流体としては、圧縮空気等の高圧気体、および高圧水等の高圧液体が挙げられる。高圧液体は、触感の優れた不織布を得ることができるという点、および繊維に付着した余分な油剤を落とすことができるという点で好ましく用いられる。不織布の製造においては、高圧流体として高圧水を用いた水流交絡処理を用いることが多い。本実施形態においても、実施の容易性等の点から、水流交絡処理が好ましく用いられる。以下においては、高圧流体として高圧水(以下においては、単に「水流」とも呼ぶ)を用いた場合の製造方法を説明する。
まず、ベースとなる第1高密度領域の形成は、支持体にウェブを載せて、水流を噴射することにより実施する。水流は、柱状水流であってよい。第1高密度領域は、粗密の少ない、均一な地合いとなるように形成することが好ましい。したがって、第1高密度領域の形成に際しては、比較的目の細かな支持体、例えば、80メッシュ〜100メッシュの平織の支持体を用いることが好ましい。水流交絡処理は、孔径0.05mm〜0.5mmのオリフィスが、0.3mm〜1.5mmの間隔で設けられたノズルから、水圧1MPa〜15MPaの水流を、ウェブの表裏面にそれぞれ1〜5回ずつ噴射することにより実施してよい。水圧は、好ましくは1MPa〜10MPaであり、より好ましくは1MPa〜7MPaである。ノズルとウェブとの間の距離は、例えば5mm〜100mmとしてよく、特に10mm〜50mmとしてよい。
次に、島状部(低密度領域と第2高密度領域)を形成する。島状部の形成に際しては、上記のとおり、第1高密度領域を形成した後のウェブ(以下、「一次加工ウェブ」とも呼ぶ)を、パターン形成支持体の上に配置し、かつ、開口部材をノズルとウェブとの間に配置する。
パターン形成支持体は、凸部を有するものであってよく、その場合、凸部上に位置する繊維に水流が当たると繊維が周囲に移動して、繊維が再配列されて、当該凸部に対応する位置に低密度領域が形成されることを可能にする。あるいは、パターン形成支持体は、凹部を有するものであってよく、その場合、凹部の周辺部の繊維が移動して、凹部に移動するとともに凹部にて再配列されて、凹部に対応する位置に第2高密度領域が形成され、凹部周辺に低密度領域が形成される。凹部の形状によっては、第2高密度領域は立体的なものとなり得る。あるいはまた、パターン形成支持体は、開口部を有するものであってよく、その場合、開口部周辺の繊維が移動して、開口部に移動するとともに開口部にて再配列されて、開口部に対応する位置に第2高密度領域が形成され、開口部周辺に低密度領域が形成される。開口部の形状等によっては、第2高密度領域は立体的なものとなり得る。パターン形成支持体は、凸部、凹部および開口部から選択される二以上を有していてよい。
パターン形成支持体は、天然樹脂、合成樹脂、または金属からなる、織物、パンチング加工が施された板状部材、またはスパイラルネットであってよい。また、パターン形成支持体は、凸部、凹部および開口部から選択される1つまたは複数が規則的に配置されて、規則的な模様を有するものであってよい。そのようなパターン形成支持体を用いると、島状部において、低密度領域が複数集合して規則的な模様を形成することができる。規則的な模様は、例えば、ドット模様(円、楕円、三角形、多角形等)、杉綾模様、市松模様、格子模様、千鳥模様、斜め縞模様、スパイラルネット模様、またはジグザグ模様であってよい。
具体的には、パターン形成支持体は、例えば、繊維径が0.1mm〜1.2mm程度のモノフィラメントを、経糸密度10本/インチ〜30本/インチ、緯糸密度10本/インチ〜30本/インチで織成した平織物、綾織物、および朱子織物であってよい。比較的太いフィラメントの織物から成る支持体は、緯糸と経糸との交点が凸部となって、低密度領域の形成を可能にする。このような織物を用いる場合には、織物を構成する糸の太さよって、低密度領域の一つあたりの面積が決定され、織物の経/緯糸密度によって、低密度領域の間隔およびピッチが決定される。
あるいは、パターン形成支持体は、凸部および/または凹部、例えば、円錐台形、円錐形、角錐台形、または角錐形の突起、あるいは金属板の表面を切削加工等に付して形成された凹部を有し、凸部および/または凹部以外の部分は、例えば寸法の小さな開口部が形成されていて透水性が確保された板状部材(例えば、金属板)であってよい。
あるいはまた、パターン形成支持体は、スパイラルネットであってよい。
開口部材は、島状部に対応する開口部が設けられ、開口部以外は高圧流体を透過させない部材であり、例えば、開口部を打ち抜き加工により形成した金属板であってよい。高圧流体として高圧水流を用いる場合には、排水のための小さな穴を、開口部以外の部分に設けてよい。あるいは、高圧流体として高圧気体を用いる場合には、放熱および圧力損失軽減等の目的で、開口部以外の部分に小さな穴を設けてよい。これらの開口部以外に設けられる小さな穴は、実質的に高圧流体を通過させない、あるいは通過させたとしても、通過した高圧流体によっては低密度領域および第2高密度領域が形成されない(すなわち、当該穴を通過した水流が低密度領域等を形成するのに必要なエネルギーを有しない)ように、十分に小さい寸法で形成される。
開口部材はベルト状であってよく、あるいは筒状のドラムであってよい。筒状のドラムを用いる場合には、ドラム内にノズルを配置し、ドラムを回転させながら水流を噴射させる方法で島状部を形成できる。筒状のドラムを用いる場合には、ベルト状の開口部材を用いる場合と比較して、第2高密度領域を形成するために必要な設備を比較的シンプルなものとすることができ、かつ当該設備が占めるスペースを比較的小さくすることができる。また、ドラムを使用する場合には、ドラムはその中心が回転軸となって回転し、他の部材上で摺動させられないため、回転中に開口部を摩耗および変形させることなく、比較的速い速度で回転させることができる。さらに、ドラムの開口部材は、一定の厚みを有する金属板等を加工して開口部を形成したものであるから、長期間使用しても、経年劣化(開口部の摩耗および変形)が生じにくく、長期間に亘って所定の模様の不織布を安定的に製造できる。
筒状のドラムを用いてドラム内にノズルを配置する場合には、ドラムの開口部に対応した領域にてウェブに水流を当てることができ、水流のエネルギー減衰および水流の方向の乱れを抑制することができる。これに対し、ドラムを用いる場合に、パターン形成支持体の側から水流をウェブに当てると、支持体により水流が遮られるために、水流のエネルギーの減衰が大きくなり、交絡に必要な水流のエネルギーを高くする必要がある。
ベルト状の開口部材を用いる場合には、長尺の板状部材を連続的に走行させる設備およびスペースが必要である。また、ベルト状の開口部材においては、ベルト搬送に伴ってベルトの摩耗および変形等が生じやすく、それに伴い開口部の変形が生じやすい。また、ベルトは湾曲する材料を使用して作製されるため、長期間使用している間に開口部の変形が生じやすい。開口部は島状部の形状を決定するものであるため、これが変形すると、目的とする模様を不織布において得られないことがある。
開口部材に設ける開口部の形状および面積は、形成しようとする島状部の形状および面積に応じて決定される。あるいは開口部材の開口部の形状および面積が予め決まっている場合には、形成される島状部の形状および面積は開口部の形状および面積によって決定される。例えば、開口部の一つあたりの面積は、例えば、3mm〜18000mmであってよく、特に5mm〜2000mmであってよく、より特には19mm〜710mmであってよい。また、開口部材の全面積に対して、開口部の面積の合計が1%〜45%であってよく、特には、3%〜40%であってよく、より特には、5%〜35%であってよく、さらにより特には7%〜30%であってよい。開口部一つあたりの面積および/または開口部の面積の合計の割合が大きすぎると、開口部材の強度が低下して開口部が変形し、目的とする模様を不織布において得られなくなることがある。開口部の形状の例は、先に島状部に関連して説明したとおりである。
開口部材は、開口部材と一次加工ウェブとが接触しないように、すなわち、開口部材と一次加工ウェブとの間に空間が存在するように配置してよい。開口部材と一次加工ウェブとが接触した状態で水流を噴射すると、水流によるエネルギーで開口部材が一次加工ウェブに押しつけられる。その結果、開口部材それ自体の表面形状(模様等)が不織布に付与されることがあり、あるいは得られる不織布が圧縮されたものになることがある。これらの作用は、本実施形態の製造方法においては、意図されていない作用である。
開口部材は、例えば、開口部材と一次加工ウェブとの間の距離が0.5cm〜5.0cmとなるように配置してよい。開口部材と一次加工ウェブとの間の距離は、特に1.0cm〜3.0cmとしてよく、より特には1.5cm〜2.5cmとしてよい。ノズルと一次加工ウェブとの距離が後述する範囲内にある場合に、開口部材と一次加工ウェブとの間の距離が短く、両者が接近していると、一次加工ウェブに開口部材がアクシデント的に接触することがあり、その場合には、一次加工ウェブにおいて破損、シワ、および毛羽が発生することがある。また、両者が接近している場合には、ウェブを構成する繊維に付着している繊維処理剤(油剤)が開口部材に付着することがあり、ウェブにおける繊維処理剤の付着量が所定量より少なくなることに起因する不都合が生じ得る。開口部材への繊維処理剤の付着は、開口部材の洗浄を必要とすることがあり、あるいは開口部材の劣化を促進する可能性がある。あるいは、ノズルと一次加工ウェブとの距離が後述する範囲内にあり、かつ開口部材と一次加工ウェブとの間の距離が短いと、ノズルと開口部との間の距離が長くなり、ノズルから噴出された水流が開口部を通過する前に広がって、一部が開口部以外の部分(液体を透過させない部分)で遮られて、一次加工ウェブに到達しないことがある。その結果、十分な量の水流を不織布に作用させることができず、明瞭な模様を有する不織布を得られないことがある。一方、両者の間の距離が長い場合には、開口部通過後の水流が広がり、目的とする模様を有する不織布をやはり得られないことがある。
開口部材とノズルとの間の距離は、例えば、0.1cm〜4.0cmとしてよく、特に0.3cm〜3.0cmとしてよく、より特には0.5cm〜2.0cmとしてよい。前述のとおり開口部材と一次加工ウェブとの距離が望ましい距離である場合に、開口部材とノズルとの間の距離が短く、両者が接近していると、開口部材とノズルが接触して、開口部材またはノズルの摩耗や破損が生じることがある。一方、両者の間の距離が長い場合には、上記のとおり、ノズルから噴出された水流が開口部を通過する前に広がって、一部が開口部以外の部分で遮られて、一次加工ウェブに到達せず、明瞭な模様を有する不織布が得られないことがある。
ノズルと一次加工ウェブとの間の距離は、開口部とノズルとの間の距離と、開口部材の厚みと、開口部と一次加工ウェブとの間の距離との和となる。ノズルと一次加工ウェブとの間の距離は、具体的には、例えば、3.6cm〜12.0cmとしてよく、特に4.3cm〜9.0cmとしてよく、より特には5.0cm〜8.0cmとしてよい。ノズルと一次加工ウェブとの間の距離が短すぎる場合には、一次加工ウェブにおいて破損、シワ、および毛羽が発生することがある。また、ノズルと一次加工ウェブとの距離が短すぎると、過剰なエネルギーの水流がウェブに与えられて、水流がウェブまたは支持体上で跳ねて、ウェブ上で乱流が生じ、所望の模様を得られないことがある。ノズルと一次加工ウェブとの距離が長すぎる場合には、十分な量の水流を不織布に作用させることができず、明瞭な模様を有する不織布を得られないことがある。また、ノズルと一次加工ウェブとの距離が長すぎる場合には、水流がウェブに到達する前に開口部材内で広がってそのエネルギーが減衰し、明瞭な模様を有する不織布を得られないことがある。
ノズルと、開口部材としてのドラムと、パターン形成支持体と、一次加工ウェブとの位置関係を模式的に示す側面図を図10に示す。図示するように、開口部材としてドラム34を使用する場合、ドラム34の回転方向は、一般には、パターン形成支持体30の走行方向(すなわち、一次加工ウェブ32の搬送方向)と一致する順方向である。また、パターン形成支持体30に載せられた一次加工ウェブ32は、ドラム34内に配置されたノズル38から噴出させられ、ドラム34の開口部36を通過した水流の作用を受け、それにより島状部が形成される。ドラム34において、開口部36以外の部分は水を通過させないものであるので、一次加工ウェブ32には、開口部36に対応した島状部が形成されることとなる。ドラム状の開口部材34を用いる場合には、開口部36を通過する水流以外の水が開口部材34内に溜まることがある。そのような水は外部に排出することが好ましい。開口部材34内に溜まる水は、例えば、サクションノズルで吸引したり、開口部材34に設けられた排水用の開口部から排水する方法で排出してよい。
開口部材としてドラム34を使用する場合には、ドラム34の回転速度と、パターン形成支持体30による一次加工ウェブ32の搬送速度とを適宜調整して、所望の島状部が形成されるようにする。具体的には、ドラム34を回転させたときの線速度が、一次加工ウェブ32の搬送速度と略同じであるときは、島状部のピッチおよび間隔は、ドラム34に形成された開口部36のそれらと略同じとなる。ドラム34を回転させたときの線速度が、一次加工ウェブ32の搬送速度よりも大きい場合には、島状部がより密集する(ピッチ、間隔がより短くなる)。あるいは、ドラム34を回転させたときの線速度が、一次加工ウェブ32の形成支持体30の搬送速度よりも小さい場合には、島状部がより疎らに形成される(ピッチ、間隔がより長くなる)。
島状部を形成する際に用いてよい、ノズルおよび水圧範囲は、第1高密度領域を形成する際のそれらと同じである。島状部は、通常、一次加工ウェブの一方の面に1回だけ水流を噴射して形成される。島状部を形成する際の圧力は、特に1MPa〜15MPaとしてよく、より特には2MPa〜10MPaとしてよい。
上記においては、一次加工ウェブを先に作製してから、島状部(低密度領域、第2高密度領域)を形成する方法を説明した。一次加工ウェブを先に作製する方法によれば、適度に交絡されたウェブに対して鮮明な島状部(低密度領域、および第2高密度領域)を形成することができるので好ましい。別の形態においては、一次加工ウェブの作製と島状部の形成を同時に実施してよい。例えば、ドラムの外側にノズルを一列または複数列配置して、このノズルから、エネルギーのより低い高圧流体を噴射させながら、ドラム内部からエネルギーのより高い流体を噴射させる方法、パターン形成支持体の下側からエネルギーのより低い高圧流体を当てながら、ドラム内部からエネルギーのより高い高圧流体を噴射する方法、高温雰囲気下で、不織布全体を熱接着させながら、ドラム内部から高エネルギー高圧流体を噴射する方法により、一次加工ウェブの作製と島状部の形成を同時に実施することができる。
また、さらに別の形態においては、一次加工ウェブを、高圧流体による交絡処理によらず作製してよい。例えば、一次加工ウェブは、熱処理等により、繊維の一部分(例えば、先に説明した芯鞘型複合繊維の鞘成分)を溶融させることにより、繊維同士を接着させる方法で作製してよく、または繊維同士を適切なバインダーを用いて接着させる方法で作製してよい。あるいは、一次加工ウェブは、高圧流体による交絡処理と接着処理とを組み合わせて作製してよい。
上記の方法で、第1高密度領域および島状部(低密度領域、第2高密度領域)を形成したウェブ(以下、「二次加工ウェブ」とも呼ぶ)は、水分を除去する乾燥処理に付して、そのまま本実施形態の不織布として用いてよい。二次加工ウェブが合成繊維を含み、当該合成繊維の繊維表面の一部または全部が、例えばポリエチレンのような比較的融点の低い樹脂で形成されている場合には、低融点樹脂によって繊維同士を熱接着させる熱接着処理に付してよい。熱接着処理は、合成繊維の表面を構成する熱可塑性樹脂のうち、最も融点の低いものが溶融または軟化する温度で実施することが好ましい。合成繊維が、例えば、繊維表面の一部または全部がポリエチレンで構成された単一繊維または複合繊維である場合、熱接着処理は、130℃以上150℃以下の温度で実施することが好ましい。熱処理温度を調節することによって、熱接着の度合いを変化させることもできる。熱接着の度合いは、不織布の強度、柔軟性、および肌触り等に影響を与える。
熱接着処理は、二次加工ウェブから水分を除去する乾燥処理を兼ねてよい。あるいは、熱接着処理と乾燥処理は別々に実施してよい。熱接着は、熱風貫通式熱処理機(エアスルー式熱加工機とも呼ぶ)、熱風吹き付け式熱処理機、赤外線式熱処理機、または熱ロール(熱エンボスロールも含む)加工機を用いて実施してよい。
合成繊維の構成樹脂を接着成分とする接着は、例えば、電子線等の照射、または超音波溶着により実施してよい。あるいは、繊維同士の接着は、バインダーを用いて実施してもよい。
本実施形態の不織布は、3つの異なる繊維密度領域が組み合わされて模様を形成することにより、独特の意匠効果を発揮する。また、本実施形態の不織布においては、独立した島状部が模様を形成しており、高い繊維密度で交絡している第2高密度領域が点在しているので、特許文献2のようにストライプ状に模様を形成した不織布と比較して、縦方向および横方向の強度バランスが良好である。
さらに、本実施形態の不織布は、低密度領域一つあたりの形状および面積ならびに低密度領域全体が不織布に占める割合(面積率)や、島状部一つあたりの形状および面積ならび島状部全体が不織布に占める割合(面積率)を調整することによって、不織布の用途に応じた性能を最適なものとすることができる。例えば、吸収性物品の表面材として用いる場合には、触感および吸液性等を、対人ワイパーとして用いる場合には、拭き取り性および取扱い性等を、低密度領域および島状部の形状、面積および面積率等を変化させることによって、適宜調整することが可能となる。
本実施形態の不織布は、例えば、ナプキンおよびパンティライナー等の吸収性物品の表面材として好適に使用することができる。吸収性物品の表面材として使用する場合においては、低密度領域が経血およびおりものを吸収体側に移行させるための入口となり、それらが速やかに吸収体に移行させられることを促進する。あるいは、本実施形態の不織布は、対物ワイパー、対人ワイパー、おしぼり、フェイスマスク、マスク、フィルター、パップ剤として使用することができる。
以下、本実施形態の不織布を実施例により説明する。
(実施例1)
繊度1.7dtex、繊維長40mmのビスコースレーヨン(商品名CD、ダイワボウレーヨン(株)製)と、繊度1.7dtex、繊維長51mmの高密度ポリエチレンを鞘成分、ポリプロピレンを芯成分とする、芯鞘型複合繊維(商品名NBF(H)P、ダイワボウポリテック(株)製)を用意した。レーヨン80質量%と、芯鞘型複合繊維20質量%とを混合して、狙い目付約40g/mのパラレルウェブを作製した。
このウェブに第1高密度領域を形成するための水流交絡処理を施した。
水流交絡処理は、ウェブを、線径0.132mmのモノフィラメントからなる90メッシュ平織りの支持体に載せて、孔径0.12mmのオリフィスが0.6mm間隔で設けられたノズルを用いてウェブの一方の面に2.5MPaの柱状水流を1回噴射し、他方の面に2.5MPaの柱状水流を1回噴射して実施した。このとき支持体の速度は、4m/分であり、ノズルとウェブとの間の距離は20mmであった。
次に、島状部(低密度領域および第2高密度領域)を形成するための水流交絡処理を実施した。
水流交絡処理は、第1高密度領域を形成したウェブを、線径0.7mmのモノフィラメントからなる25メッシュ平織りの支持体(経糸および緯糸密度ともに25本/インチ)に載せるとともに、直径5mmの円形の開口部が、対角線方向のピッチ15mm、対角線方向の間隔10mm、横方向のピッチ10mm、横方向の間隔5mmで千鳥状に配列されたドラムを用意し、当該ドラムの中にノズルを配置して、ノズルから水流を噴射して実施した。ドラムは3mmの厚さを有する金属板に開口部を打ち抜き加工により形成してなるものであった。ノズルとウェブとの間の距離は40mmであり、ノズルとドラムとの間の距離は20mmであり、ウェブとドラムとの間の距離は20mmであった。
ノズルは第1高密度領域を形成する際に用いたものと同じ仕様のものであった。柱状水流の圧力は2MPaとし、柱状水流はウェブの一方の面に1回噴射した。水流交絡処理の間、ドラムを4.3rpmの速度で回転させるとともに、支持体を4m/分の速度で走行させた。柱状水流はドラムの開口部のみを通過して、支持体上のウェブに当たるため、水流交絡は開口部に対応する部分でのみ実施された。また、支持体が第1高密度領域を形成するときに用いた支持体よりも、太いフィラメントからなっていて、織交点にて比較的大きい凸部が形成されているものであったために、支持体の凸部上の繊維が水流により周囲に移動して、低密度領域が形成された。同時に、移動した繊維が交絡して第2高密度領域が形成された。
得られた不織布において、低密度領域はその殆どが開孔部であって、縦方向のピッチ3mmおよび横方向のピッチ2mm、縦方向の間隔2mmおよび横方向の間隔1mm、対角線方向のピッチ2mm、対角線方向の間隔1mmで、千鳥状に配列されて形成されていた。また、島状部は一つあたり約7個の低密度領域を有する、直径約5mmの円形であり、縦方向のピッチ20mmおよび横方向のピッチ8.3mm、縦方向の間隔11mmおよび横方向の間隔6mm、対角線方向のピッチ10.8mm、対角線方向の間隔5.8mmで、千鳥状に配列されて形成されていた。また、不織布に占める島状部の面積率は23.6%であり、不織布に占める低密度領域の面積率は3.3%であった。
島状部を形成した後、ウェブを、80℃に設定した乾燥機を用いて乾燥させた後、135℃に設定した熱風貫通式熱処理機を用いて、芯鞘型複合繊維のポリエチレンを溶融または軟化させて、繊維同士を熱接着させた。乾燥および熱接着の処理は10秒間行った。得られた不織布の表面を示す写真を図3に示す。
(実施例2)
島状部(低密度領域および第2高密度領域)を形成するための水流交絡処理において、直径5mmの円形の開口部が、対角線方向のピッチ9.6mm、対角線方向の間隔3.2mm、横方向のピッチ10mm、横方向の間隔5mmで千鳥状に配列されたドラムを使用したことを除いては、実施例1と同様の手順で不織布を得た。
得られた不織布において、低密度領域はその殆どが開孔部であって、縦方向のピッチ3mmおよび横方向のピッチ2mm、縦方向の間隔2mmおよび横方向の間隔1mm、対角線方向のピッチ2mm、対角線方向の間隔1mmで、千鳥状に配列されて形成されていた。また、島状部は一つあたり約7個の低密度領域を有する、直径約5mmの円形であり、縦方向のピッチ11.1mmおよび横方向のピッチ8.3mm、縦方向の間隔6.1mmおよび横方向の間隔3.3mm、対角線方向のピッチ6.9mm、対角線方向の間隔1.9mmで、千鳥状に配列されて形成されていた。また、不織布に占める島状部の面積率は42.3%であり、不織布に占める低密度領域の面積率は11.8%であった。
(実施例3)
島状部(低密度領域および第2高密度領域)を形成するための水流交絡処理において、縦方向の対角線15mmで横方向の対角線が15mmのひし形の開口部が、対角線方向のピッチ53.2mm、対角線方向の間隔47.6mm、横方向のピッチ32.4mm、横方向の間隔18.0mmで正方配列されたドラムを使用したことを除いては、実施例1と同様の手順で不織布を得た。
得られた不織布において、低密度領域はその殆どが開孔部であって、縦方向のピッチ3mmおよび横方向のピッチ2mm、縦方向の間隔2mmおよび横方向の間隔1mm、対角線方向のピッチ2mm、対角線方向の間隔1mmで、千鳥状に配列されて形成されていた。また、島状部は一つあたり約24個の低密度領域を有する、方向の対角線15mmで横方向の対角線が15mmのひし形であり、縦方向のピッチ27.2mmおよび横方向のピッチ27.3mm、縦方向の間隔12.1mmおよび横方向の間隔12.2mm、対角線方向のピッチ38.3mm、対角線方向の間隔28.1mmで、正方配列されて形成されていた。また、不織布に占める島状部の面積率は16.0%であり、不織布に占める低密度領域の面積率は6.1%であった。
(実施例4)
島状部(低密度領域および第2高密度領域)を形成するための水流交絡処理において、直径5mmの円形の開口部が、対角線方向のピッチ11.6mm、対角線方向の間隔5.6mm、横方向のピッチ10mm、横方向の間隔5mmで千鳥状に配列されたドラムを使用したことを除いては、実施例1と同様の手順で不織布を得た。
得られた不織布において、低密度領域はその殆どが開孔部であって、縦方向のピッチ3mmおよび横方向のピッチ2mm、縦方向の間隔2mmおよび横方向の間隔1mm、対角線方向のピッチ2mm、対角線方向の間隔1mmで、千鳥状に配列されて形成されていた。また、島状部は一つあたり約7個の低密度領域を有する、直径約5mmの円形であり、縦方向のピッチ14.3mmおよび横方向のピッチ8.3mm、縦方向の間隔9.3mmおよび横方向の間隔3.3mm、対角線方向のピッチ8.3mm、対角線方向の間隔3.3mmで、千鳥状に配列されて形成されていた。また、不織布に占める島状部の面積率は32.9%であり、不織布に占める低密度領域の面積率は9.2%であった。
(比較例1)
第2高密度領域を形成するための水流交絡処理を実施しなかったこと以外は、実施例1と同様の手順で不織布を得た。
(比較例2)
第2高密度領域を形成するための水流交絡処理を、開口部材を用いることなく実施したこと以外は、実施例1の手順と同様の手順で不織布を得た。得られた不織布においては、全面にわたって低密度領域が形成され、島状部は形成されなかった。不織布における低密度領域の面積率は、28.0%であった。
(比較例3)
実施例1の手順と同じ手順で第1高密度領域を形成した後、オリフィスの一部を塞いたノズルを使用して、水流交絡処理を実施した。具体的には、オリフィスを塞いでいない領域約5mmと、オリフィスを塞いだ領域約16.5mmとが交互に存在するように、ノズルのオリフィスの一部を塞いだ。また、支持体は実施例1の第2高密度領域形成の際に用いたものと同じとし、水圧および支持体の速度は実施例1の第2高密度領域形成の際のそれらと同じとした。それから、実施例1と同様に、乾燥処理および熱接着処理を実施して、不織布を得た。得られた不織布においては、低密度領域および第2高密度領域が形成された列と、第1高密度領域の列とが、横方向に交互に配列された、ストライプ状の模様が得られた。なお、比較例3においては、低密度領域が不織布全体に占める割合は、実施例1のそれと同様となるようにした。
(比較例4)
第1高密度領域を形成した後の水流交絡処理に際し、オリフィスを塞いでいない領域約2mmと、オリフィスを塞いだ領域約6.5mmとが交互に存在するように、オリフィスの一部を塞いだノズルを使用したこと以外は、比較例3の手順と同じ手順で不織布を作製した。なお、比較例4においても、低密度領域が不織布全体に占める割合は、実施例1のそれと同様となるようにした。
(比較例5)
島状部(低密度領域および第2高密度領域)を形成するための水流交絡処理において、直径5mmの円形の開口部が、対角線方向のピッチ7.8mm、対角線方向の間隔1.7mm、横方向のピッチ7.3mm、横方向の間隔1.5mmで千鳥状に配列されたドラムを使用したことを除いては、実施例1と同様の手順で不織布を得た。
得られた不織布において、低密度領域はその殆どが開孔部であって、縦方向のピッチ3mmおよび横方向のピッチ2mm、縦方向の間隔2mmおよび横方向の間隔1mm、対角線方向のピッチ2mm、対角線方向の間隔1mmで、千鳥状に配列されて形成されていた。また、島状部は一つあたり約7個の低密度領域を有する、直径約5mmの円形であり、縦方向のピッチ10mmおよび横方向のピッチ6mm、縦方向の間隔5mmおよび横方向の間隔1mm、対角線方向のピッチ5.6mm、対角線方向の間隔1mmで、千鳥状に配列されて形成されていた。また、不織布に占める島状部の面積率は62.4%であり、不織布に占める低密度領域の面積率は17.6%であった。
実施例1〜4および比較例1〜5で得た不織布について、以下の物性を以下に説明する方法で評価した。評価結果を表1に示す。
<破断強度、破断伸度、10%伸長時応力>
JIS L 1096 6.12.1 A法(ストリップ法)に準じて、定速緊張形引張試験機を用いて、試料片の幅5cm、つかみ間隔10cm、引張速度30±2cm/分の条件で引張試験に付し、切断時の荷重値(破断強度)、破断伸度、ならびに10%伸長時応力を測定した。引張試験は、不織布の縦方向(MD方向)および横方向(CD方向)を引張方向として実施した。評価結果はいずれも3点の試料について測定した値の平均で示している。
<意匠性>
得られた不織布の意匠性を以下の基準に従って評価した。
A:隣り合う島状部と島状部との間の境界が明瞭であり、島状部が示す図柄が十分に認識できる。
B:隣り合う島状部と島状部との間の境界がやや明瞭であり、島状部が示す図柄が認識できる。
C:隣り合う島状部と島状部との間の境界が不明瞭であり、島状部が示す図柄が認識できない。
Figure 0006898918
実施例1〜4の不織布は、比較例1および2よりも、10%伸長時応力が大きいものであった。これは、比較例1との対比において、実施例1〜4は第2高密度領域を形成するための水流交絡処理が施されてなるために、繊維の交絡がその分だけ進んでいることによる。また、比較例2では、全面に低密度領域と低密度領域間に位置する繊維密度の高い領域が形成されているところ、低密度領域の形成に起因する強度低下よりも繊維密度の高い領域による強度向上が優位となって、比較例1よりも10%伸長時応力が高くなっていると推察される。実施例1〜4の不織布では低密度領域の面積率が比較例2のそれより小さく、また、低密度領域の間に形成される第2高密度領域の繊維密度がより高く、当該領域では繊維同士がしっかりと交絡していたために、第2高密度領域による強度向上がより優位となって、比較例2よりも10%伸長時応力が有意に向上したものと考えられる。なお、不織布を吸収性物品の表面材や対人ワイパー等として提供する場合、その加工時または使用時に不織布を10%程度伸長させることが多いことから、ここでは10%伸長時応力でもって不織布の強度を比較した。
実施例1〜4の不織布は、比較例1との比較において、模様を形成したことによる10%伸長時応力の向上が縦方向および横方向のいずれにおいても認められた。一方、比較例3および4の不織布は、比較例1との比較において、横方向の10%伸長時応力の向上を示さなかった。これは、実施例1〜4においては、模様を形成する島状部が不織布に点在しており、比較例3および4とは異なり、模様を形成する部分(低密度領域が集合している部分)が不織布の縦または横方向で連続していないことによると考えられた。比較例5の不織布は、島状部の面積率が大きいために、意匠性において劣っていた。また、比較例5の10%伸長時応力は実施例1〜4の伸長時応力よりも小さかった。これは、低密度領域の面積率が、実施例1〜4のそれよりも大きいことによると考えられた。また、実施例1〜4のうち、実施例2の10%伸長時応力が最も低くなっているのは、実施例2の低密度領域の面積率が、実施例1、3および4と比較して大きいことによると考えられた。
実施例1〜2、および比較例5の不織布について、第1高密度領域および島状部の断面を電子顕微鏡で観察して、その厚さを求め、不織布の厚さと不織布の目付とから、第1高密度領域および第2高密度領域の繊維密度を求めた。不織布の厚さはそれぞれの領域について4箇所で測定し、当該4箇所について繊維密度をそれぞれ求めた後、それらの平均値を各領域の繊維密度とした。その結果、実施例1の不織布において、第1高密度領域の繊維密度は、0.080g/cmであり、第2高密度領域の繊維密度は、0.089g/cmであった。実施例2の不織布において、第1高密度領域の繊維密度は0.077g/cm3、第2高密度領域の繊維密度は、0.092g/cm3であった。比較例5の不織布において、第1高密度領域の繊維密度は0.082g/cm3、第2高密度領域の繊維密度は、0.093g/cm3であった。
本開示は以下の態様を含む。
(態様1)
低密度領域と、第1高密度領域と、第2高密度領域とを有する模様付き不織布であって、
前記低密度領域が複数集合して、1つの島状部を形成しており、
前記1つの島状部において、少なくとも前記低密度領域と前記低密度領域との間に前記第2高密度領域が形成されており、
前記第1高密度領域は前記島状部と前記島状部との間に形成されており、
前記第1高密度領域における繊維密度が、前記第2高密度領域における繊維密度よりも小さく、
前記低密度領域における繊維密度が前記第1高密度領域における繊維密度よりも小さいか、あるいは前記低密度領域が開孔部であり、
前記低密度領域の面積の合計が、前記模様付き不織布全体の面積に対して0.1%〜12%であり、前記島状部の面積の合計が、前記模様付き不織布全体の面積に対して、1%〜45%である、
模様付き不織布。
(態様2)
前記低密度領域が凹部または開孔部であり、前記島状部において、前記複数集合した低密度領域が、規則的な模様を形成している、態様1の模様付き不織布。
(態様3)
前記規則的な模様が、ドット模様、杉綾模様、市松模様、格子模様、千鳥模様、斜め縞模様、波柄模様、及びジグザグ模様からなる群から選ばれる少なくとも一つの模様である、態様2の模様付き不織布。
(態様4)
前記低密度領域一つあたりの面積が0.03mm〜20mmであり、
前記低密度領域が、少なくとも一つの方向のピッチが0.1mm〜50mmであり、少なくとも一つの方向の間隔が0.1mm〜50mmである千鳥状配列または正方配列で配置されている、態様1〜3のいずれかの模様付き不織布。
(態様5)
前記島状部一つあたりの面積が1.0mm〜18000mmである、態様1〜4いずれかの模様付き不織布。
(態様6)
前記島状部が、少なくとも一つの方向のピッチが5mm〜100mmであり、少なくとも一つの方向の間隔が1mm〜100mmである千鳥状配列、正方配列、またはダイヤパターンで配置されている、態様1〜5のいずれかの模様付き不織布。
(態様7)
前記不織布において、繊維同士が交絡している、態様1〜6のいずれかの模様付き不織布。
(態様8)
低密度領域と、第1高密度領域と、第2高密度領域とを有し、前記低密度領域が複数集合して、1つの島状部を形成しており、前記第1高密度領域における繊維密度が前記第2高密度領域における繊維密度よりも小さく、前記低密度領域における繊維密度が前記第1高密度領域における繊維密度よりも小さいか、あるいは前記低密度領域が開孔部である、模様付き不織布の製造方法であって、
ウェブを準備すること、
前記ウェブの全面に交絡処理および/または接着処理を施して、第1高密度領域を形成すること、および
前記ウェブを、凸部、凹部および開口部から選択される少なくとも一つを有する支持体上に置くとともに、前記ウェブと高圧流体を噴射するノズルとの間に、複数の開口部を有し、開口部以外の部分が前記高圧流体を透過させないものである部材(以下、「開口部材」)を配置した状態で、前記ノズルから前記高圧流体を噴射して前記開口部を通過した前記高圧流体だけを、前記ウェブに当てて、低密度領域と第2高密度領域とを形成すること
を含む、
模様付き不織布の製造方法。
(態様9)
前記開口部材が開口部を有するドラムであり、
前記ドラムと前記ウェブとの間の距離が0.5cm〜5.0cmであり、
前記ノズルが前記ドラム内に配置され、
前記高圧流体を噴射している間、前記ドラムが回転させられる、
態様8の模様付き不織布の製造方法。
(態様10)
前記高圧流体が高圧液体である、態様8または9の模様付き不織布の製造方法。
本実施形態の模様付き不織布は、複数の低密度領域と、低密度領域間に形成された第2高密度領域とからなる島状部が、第2高密度領域よりは繊維密度が小さい第1高密度領域中に形成されてなるものであり、高い意匠効果を発揮するので、使用者の目にとまりやすい製品、例えば、吸収性物品の表面材や対人ワイパー、対物ワイパー等に用いることができる。
10 低密度領域
12 第1高密度領域
14 第2高密度領域
20 島状部
100 不織布
30 パターン形成支持体
32 ウェブ
34 ドラム(開口部材)
36 開口部
38 ノズル

Claims (10)

  1. 低密度領域と、第1高密度領域と、第2高密度領域とを有する模様付き不織布であって、
    前記低密度領域が複数集合して、1つの島状部を形成しており、
    前記1つの島状部において、少なくとも前記低密度領域と前記低密度領域との間に前記第2高密度領域が形成されており、
    前記第1高密度領域は前記島状部と前記島状部との間に形成されており、
    前記第1高密度領域における繊維密度が、前記第2高密度領域における繊維密度よりも小さく、
    前記低密度領域前記第1高密度領域における繊維密度よりも小さい繊維密度を有する凹部であるか、あるいは前記低密度領域が開孔部であり、
    前記低密度領域の面積の合計が、前記模様付き不織布全体の面積に対して0.1%〜12%であり、前記島状部内のすべての低密度領域を含み得る円であって、直径が最小の円の面積の合計が、前記模様付き不織布全体の面積に対して、1%〜45%であ
    前記島状部が、平面視において、円形、楕円、雲形、三以上の辺を有する多角形、星形、花、クローバー形、ハート形、記号、または文字から選択される形状を有する、
    模様付き不織布。
  2. 記島状部において、前記複数集合した低密度領域が、規則的な模様を形成している、請求項1に記載の模様付き不織布。
  3. 前記規則的な模様が、ドット模様、杉綾模様、市松模様、格子模様、千鳥模様、斜め縞模様、波柄模様、及びジグザグ模様からなる群から選ばれる少なくとも一つの模様である、請求項2に記載の模様付き不織布。
  4. 前記低密度領域一つあたりの面積が0.03mm〜20mmであり、
    前記低密度領域が、少なくとも一つの方向のピッチが0.1mm〜50mmであり、少なくとも一つの方向の間隔が0.1mm〜50mmである千鳥状配列または正方配列で配置されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の模様付き不織布。
  5. 前記島状部一つあたりの面積が1.0mm〜18000mmである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の模様付き不織布。
  6. 前記島状部が、少なくとも一つの方向のピッチが5mm〜100mmであり、少なくとも一つの方向の間隔が1mm〜100mmである千鳥状配列、正方配列、またはダイヤパターンで配置されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の模様付き不織布。
  7. 前記不織布において、繊維同士が交絡している、請求項1〜6のいずれか1項に記載の模様付き不織布。
  8. 低密度領域と、第1高密度領域と、第2高密度領域とを有し、前記低密度領域が複数集合して、1つの島状部を形成しており、前記第1高密度領域における繊維密度が前記第2高密度領域における繊維密度よりも小さく、前記低密度領域における繊維密度が前記第1高密度領域における繊維密度よりも小さいか、あるいは前記低密度領域が開孔部である、模様付き不織布の製造方法であって、
    ウェブを準備すること、
    前記ウェブの全面に交絡処理および/または接着処理を施して、第1高密度領域を形成すること、および
    前記ウェブを、凸部、凹部および開口部から選択される少なくとも一つを有する支持体上に置くとともに、前記ウェブと高圧流体を噴射するノズルとの間に、複数の開口部を有し、開口部以外の部分が前記高圧流体を透過させないものである部材(以下、「開口部材」)を配置した状態で、前記開口部材と前記ウェブとを共に走行させた状態で、前記ノズルから前記高圧流体を噴射して前記開口部を通過した前記高圧流体だけを、前記ウェブに当てて、低密度領域と第2高密度領域とを形成すること
    を含
    前記開口部材の前記開口部が、平面視において、円形、楕円、雲形、三以上の辺を有する多角形、星形、花、クローバー形、ハート形、記号、または文字から選択される形状を有する
    模様付き不織布の製造方法。
  9. 低密度領域と、第1高密度領域と、第2高密度領域とを有し、前記低密度領域が複数集合して、1つの島状部を形成しており、前記第1高密度領域における繊維密度が前記第2高密度領域における繊維密度よりも小さく、前記低密度領域における繊維密度が前記第1高密度領域における繊維密度よりも小さいか、あるいは前記低密度領域が開孔部である、模様付き不織布の製造方法であって、
    ウェブを準備すること、
    前記ウェブの全面に交絡処理および/または接着処理を施して、第1高密度領域を形成すること、および
    前記ウェブを、凸部、凹部および開口部から選択される少なくとも一つを有する支持体上に置くとともに、前記ウェブと高圧流体を噴射するノズルとの間に、複数の開口部を有し、開口部以外の部分が前記高圧流体を透過させないものである部材(以下、「開口部材」)を配置した状態で、前記ノズルから前記高圧流体を噴射して前記開口部を通過した前記高圧流体だけを、前記ウェブに当てて、低密度領域と第2高密度領域とを形成すること
    を含み、
    前記開口部材が、円形、楕円、雲形、三以上の辺を有する多角形、星形、花、クローバー形、ハート形、記号、または文字から選択される形状を有する開口部を有するドラムであり、
    前記ノズルが前記ドラム内に配置され、
    前記高圧流体を噴射している間、前記ドラムが回転させられる、
    模様付き不織布の製造方法
  10. 前記高圧流体が高圧液体である、請求項8または9に記載の模様付き不織布の製造方法。
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