JP6897321B2 - 印刷装置、及び、印刷装置の制御方法 - Google Patents

Description

本発明は、印刷装置、及び、印刷装置の制御方法に関する。

従来、行ごとに印刷媒体に印刷を実行する印刷装置が知られている（例えば、特許文献１参照）。特許文献１では、印刷途中で一時停止した後に印刷を再開する場合、実際の紙の動きに合わせてサーマルヘッドのドライブタイミングを決定し、且つ、印刷を再開した１ドットライン目だけは複数回印刷を実行することで、白スジが入ることを抑制する印刷装置を開示する。

特開平５−２４２４３号公報

しかしながら、特許文献１では、ヘッドを駆動するタイミングと、印刷を再開する際に１ドットライン目を印刷する回数と、を制御するため複雑な制御を要してしまい、また、印刷途中で一時停止することが前提の制御であるため、印刷装置の使用環境等によっては印刷品質の低下を防止できない可能性がある。
そこで、本発明は、簡易な制御によって印刷品質の低下を抑えることを目的とする。

上記課題を解決するために、本発明の印刷装置は、コマンドを受信する受信部と、印刷媒体に行ごとの印刷を行うラインヘッドと、前記ラインヘッドを制御して印刷を実行させる制御部と、を備え、前記制御部は、前記受信部によって、画像印刷を指示する第１コマンドを受信した場合に、前記第１コマンドにより指定される画像データを記憶部に記憶させ、前記受信部によって前記第１コマンドとは異なる第２コマンドを受信した場合に、前記記憶部に記憶された前記画像データに基づき前記ラインヘッドにより前記印刷媒体に画像を印刷させる。
本発明によれば、第１コマンドを受信した場合に画像データを記憶させて第２コマンドを受信した場合に記憶された画像データを印刷するといった簡易な制御によって、画像を印刷する際に、印刷が一時的に停止することを防止でき、印刷品質の低下を抑えることができる。

また、本発明は、前記第１コマンドは、画像データを含む画像データ指定コマンド、及び、印刷実行を指示する印刷実行コマンドを含み、前記制御部は、前記受信部によって前記印刷実行コマンドを受信した回数を計測可能に構成され、前記印刷実行コマンドを受信した回数が１回であるときには、前記ラインヘッドによる印刷を実行させない。
本発明によれば、印刷実行コマンドを受信した回数が１回であるときには、ラインヘッドによる印刷を実行させないため、記憶部への複数の画像データの記憶が可能となり、画像を印刷する際に、印刷が一時的に停止することを防止できる。

また、本発明は、前記制御部は、前記印刷実行コマンドを受信した回数が２回以上であって、前記第２コマンドを受信したときに、前記記憶部に記憶された前記画像データに基づき前記ラインヘッドにより前記印刷媒体に画像を印刷させる。
本発明によれば、印刷実行コマンドを受信した回数が２回以上であって、第２コマンドを受信したときに、記憶部に記憶された画像データに基づき画像を印刷するため、第２コマンドを受信するまでに記憶された画像データを一括して印刷でき、画像を印刷する際に、印刷が一時的に停止することを防止できる。

また、本発明は、前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記画像データに基づき前記ラインヘッドにより前記印刷媒体に画像を印刷させる場合に、前記印刷実行コマンドを受信した回数の計測値をリセットする。
本発明によれば、ラインヘッドにより印刷媒体に画像を印刷させる場合に、印刷実行コマンドを受信した回数の計測値をリセットするため、次回、画像を印刷する際に、印刷が一時的に停止することを確実に防止できる。

また、本発明は、前記制御部は、前記印刷実行コマンドに連続して前記第２コマンドを受信したときに、前記記憶部に記憶された前記画像データに基づき前記ラインヘッドにより前記印刷媒体に画像を印刷させる。
本発明によれば、印刷実行コマンドに連続して第２コマンドを受信するまでに記憶された画像データを一括して印刷でき、画像を印刷する際に、印刷が一時的に停止することを防止できる。

また、本発明は、前記第２コマンドは、少なくとも、前記画像データ指定コマンドを含まないコマンドである。
本発明によれば、画像データを含まないコマンドを受信するといった簡易な制御によって記憶部に記憶された画像データに基づく画像を印刷できる。

また、本発明は、前記制御部は、前記記憶部に１行分の印刷用データを格納し、当該印刷用データを前記ラインヘッドにより印刷させる通常モードと、前記記憶部に複数行分の印刷用データを格納し、当該印刷用データを前記ラインヘッドにより印刷させる一括印刷モードとを実行可能であり、前記受信部によって前記第１コマンドを受信した場合に、前記一括印刷モードに移行して前記第１コマンドにより指定される画像データを前記記憶部に記憶させ、前記第２コマンドを受信した場合に、前記記憶部に記憶された前記画像データを前記ラインヘッドにより印刷させて、前記一括印刷モードから前記通常モードに移行する。
本発明によれば、画像データを印刷する際、通常モードから一括印刷モードに移行して印刷を実行するため、不必要なデータの記憶を防止した上で、画像の印刷品質が低下することを抑えることができる。

また、本発明は、前記ラインヘッドは、前記印刷媒体に熱を与えて画像を形成するサーマルヘッドである。
本発明によれば、画像を印刷する際に、印刷を一時的に停止することを防止できるため、画像に白スジが入ることを抑えることができる。

また、上記課題を解決するために、本発明は、コマンドを受信する受信部と、印刷媒体に行ごとの印刷を行うラインヘッドと、を備える印刷装置の制御方法であって、前記受信部によって、画像印刷を指示する第１コマンドを受信した場合に、前記第１コマンドにより指定される画像データを記憶させ、前記受信部によって前記第１コマンドとは異なる第２コマンドを受信した場合に、記憶された前記画像データに基づき前記ラインヘッドにより前記印刷媒体に画像を印刷させる。
本発明によれば、第１コマンドを受信した場合に画像データを記憶させて第２コマンドを受信した場合に記憶された画像データを印刷するといった簡易な制御によって、画像を印刷する際に、印刷が一時的に停止することを防止でき、印刷品質の低下を防止できる。

プリンターの構成を示す図。 分割画像の印刷を説明するための図。 画像印刷用コマンドの一例を示す図。 プリンターの動作を示すフローチャート。 分割画像の印刷を説明するための図。

図１は、プリンター２（印刷装置）の構成を示す図である。

図１に示すように、印刷システム１は、プリンター２とホストコンピューター３とを備える。

プリンター２は、発熱素子２６２が並べて設けられたライン式のラインサーマルヘッド２６１（ラインヘッド）を備え、ラインサーマルヘッド２６１によって、感熱ロール紙Ｒ（印刷媒体）の印刷面Ｒａ（図２参照）に熱を与えて画素を形成することにより、文字や画像等を印刷するサーマルプリンターである。

図１に示すように、プリンター２は、プリンター制御部２０（制御部）と、プリンター記憶部２１と、プリンター入力部２２と、プリンター表示部２３と、プリンター通信部２４（受信部）と、バッファー部２５と、印刷部２６とを備える。

プリンター制御部２０は、ＣＰＵや、ＲＯＭ、ＲＡＭ、ＡＳＩＣ、信号処理回路等を備え、プリンター２の各部を制御する。プリンター制御部２０は、例えばＣＰＵが、ＲＯＭやプリンター記憶部２１等に記憶されたプログラムをＲＡＭに読み出して処理を実行し、また、例えばＡＳＩＣに実装された機能により処理を実行し、また、例えば信号処理回路で信号処理を行って処理を実行する等、ハードウェア及びソフトウェアにより処理を実行する。また、プリンター制御部２０は、カウンター２０１を備え、後述する印刷実行コマンドＩＪＣ（図３参照）を連続して受信した回数を計測可能に構成される。

プリンター記憶部２１は、ハードディスクや、ＥＥＰＲＯＭ等の不揮発性メモリーを備え、各種データを書き換え可能に記憶する。

プリンター入力部２２は、プリンター２に設けられた操作パネルやタッチパネル等の入力手段を備え、ユーザーの入力手段に対する操作を検出し、プリンター制御部２０に出力する。プリンター制御部２０は、プリンター入力部２２からの入力に基づいて、入力手段に対する操作に対応する処理を実行する。

プリンター表示部２３は、ＬＥＤや表示パネル等の表示手段を備え、プリンター制御部２０の制御で、ＬＥＤの所定の態様での点灯／点滅／消灯や、表示パネルへの情報の表示等を実行する。

プリンター通信部２４は、プリンター制御部２０の制御で、所定の通信規格に従って、ホストコンピューター３と通信する。プリンター通信部２４とホストコンピューター３との通信の態様は、無線でも有線でもよい。

バッファー部２５は、例えば半導体記憶デバイスにより構成され、一時記憶領域として機能する。図１に示すように、バッファー部２５は、受信バッファー２５１と、行バッファー２５２（記憶部）と、複数行バッファー２５３（記憶部）を備える。

受信バッファー２５１は、プリンター制御部２０の制御に従って、ホストコンピューター３からプリンター通信部２４により受信したコマンドを記憶する。ホストコンピューター３から受信するコマンドについては、後述する。

行バッファー２５２は、１行分のプリントバッファーのことである。なお、本実施形態において、「行」とは、１又は複数の文字が並ぶ文字列を感熱ロール紙Ｒの印刷面Ｒａに印刷する場合における「行」のみを意味するのではなく、行バッファー２５２に記憶された画像データに基づいて印刷される画像の１単位も意味する概念である。例えば、プリンター制御部２０は、１行分の文字列を印刷する場合、当該１行分の文字列を構成する文字の全てのフォントデータを画像データとして行バッファー２５２に記憶させた後、行バッファー２５２に記憶された画像データに基づいて、１行分の文字列を印刷する。また、例えば、プリンター制御部２０は、１行分の画像を印刷する場合、当該１行分の画像のビットマップデータを画像データとして行バッファー２５２に記憶させた後、行バッファー２５２に記憶された画像データに基づいて、１行分の画像を印刷する。

複数行バッファー２５３は、複数行分のプリントバッファーのことである。複数行バッファー２５３は、行バッファー２５２と比較して、１行分の制約を受けることなくデータを記憶可能である。

印刷部２６は、プリンター制御部２０の制御に従って、駆動用の電力が供給されて、ホストコンピューター３から受信するコマンドに基づく印刷を実行する。印刷部２６は、ラインサーマルヘッド２６１と、印刷ヘッド駆動部２６３と、搬送モーター２６４と、カッター駆動モーター２６５とを備える。

ラインサーマルヘッド２６１は、複数の発熱素子２６２を感熱ロール紙Ｒの搬送方向と交差（例えば直交）する方向に配列して有する。ラインサーマルヘッド２６１は、発熱素子２６２に通電することにより発熱させ、感熱ロール紙Ｒの印刷面Ｒａに熱を与えることによって、文字や画像等を印刷する。

印刷ヘッド駆動部２６３は、プリンター制御部２０の制御で、ラインサーマルヘッド２６１の発熱素子２６２に対する通電を制御する。

搬送モーター２６４は、プリンター制御部２０の制御で、搬送ローラー（不図示）を回転させ、感熱ロール紙Ｒを搬送する。

カッター駆動モーター２６５は、プリンター制御部２０の制御で、可動刃（不図示）を固定刃（不図示）に向けてスライドするように駆動させ、感熱ロール紙Ｒをカットする。

次に、ホストコンピューター３について説明する。ホストコンピューター３は、プリンター２を制御する制御装置である。

図１に示すように、ホストコンピューター３は、ホスト制御部３０と、ホスト記憶部３１と、ホスト通信部３２と、ホスト入力部３３と、ホスト表示部３４とを備える。

ホスト制御部３０は、ＣＰＵや、ＲＯＭ、ＲＡＭ、ＡＳＩＣ、信号処理回路等を備え、ホストコンピューター３の各部を制御する。ホスト制御部３０は、例えばＣＰＵが、ＲＯＭやホスト記憶部３１等に記憶されたプログラムをＲＡＭに読み出して処理を実行し、また、例えばＡＳＩＣに実装された機能により処理を実行し、また、例えば信号処理回路で信号処理を行って処理を実行する等、ハードウェア及びソフトウェアにより処理を実行する。ホスト制御部３０は、ＲＯＭやホスト記憶部３１等に記憶された制御プログラムを読み出して実行することにより、後述するアプリケーション実行部３０１、又は、プリンタードライバー実行部３０２として機能する。

ホスト記憶部３１は、ＥＥＰＲＯＭや、ハードディスク等の不揮発性メモリーを備え、各種データを書き換え可能に記憶する。

ホスト通信部３２は、ホスト制御部３０の制御に従って、所定の通信規格に従って、プリンター２と通信する。

ホスト入力部３３は、ホストコンピューター３に設けられた操作スイッチや、タッチパネル、マウス、キーボード等の入力手段を備え、ユーザーの入力手段に対する操作を検出し、ホスト制御部３０に出力する。ホスト制御部３０は、ホスト入力部３３からの入力に基づいて、入力手段に対する操作に対応する処理を実行する。

ホスト表示部３４は、ＬＥＤや表示パネル等を備え、ホスト制御部３０の制御に従って、ＬＥＤの所定の態様での点灯／点滅／消灯や、表示パネルへの情報の表示等を実行する。

ホスト制御部３０は、アプリケーション実行部３０１と、プリンタードライバー実行部３０２とを備える。

アプリケーション実行部３０１は、事前にインストールされたアプリケーション（不図示）が実行されることにより、感熱ロール紙Ｒの印刷面Ｒａに印刷する文字や画像等のデータの生成を実行する。

プリンタードライバー実行部３０２は、事前にインストールされたプリンタードライバー（不図示）が実行されることにより、アプリケーション実行部３０１が生成したデータに基づいて、プリンター２のコマンド仕様に対応した制御コマンドを生成し、プリンター２に送信する。なお、制御コマンドとは、プリンター２に文字や画像等の印刷、及び、感熱ロール紙Ｒのカット等の各種動作を実行させるためのコマンドのことであり、文字列の印刷を指示するコマンド、画像の印刷を指示するコマンド、感熱ロール紙Ｒを所定量搬送することを指示するコマンド、感熱ロール紙Ｒのカットを指示するコマンド等が含まれる。

ところで、印刷システム１は、例えば、ＰＯＳ（Point Of Sale）システムとして利用される。ＰＯＳシステムとは、ショッピングセンターや、百貨店、コンビニエンスストア、車内販売等の小売業や、レストランや、喫茶店、居酒屋等の飲食業等の業務に適用されるシステムである。ＰＯＳシステムは、顧客が購入した商品に応じて会計を行う機能や、会計に応じてレシートを印刷する機能等を有する。一般に、レシートには、商品名や、商品単価、小計金額、合計金額等の文字列と共に、レシートを発行した店舗のロゴを示す画像や、クーポンを取得するためのコード（バーコードや、ＱＲコード（登録商標）等）を示す画像等が印刷される。このような画像は、感熱ロール紙Ｒの印刷面Ｒａにおいて複数行を使用して印刷される場合がある。

ホストコンピューター３は、感熱ロール紙Ｒの印刷面Ｒａにおいて複数行を使用して１の画像を印刷する場合、当該１の画像を分割し、分割した画像である分割画像ごとに、分割画像の画像データに基づいて制御コマンドを生成し、プリンター２に送信する。以下の説明では、分割画像を含む画像の画像データと、画像データに基づいて生成された制御コマンドとを含むコマンドを画像印刷用コマンドＩＣ（第１コマンド）（図３参照）と表現する。プリンター２は、分割画像ごとに、画像印刷用コマンドＩＣを受信し、以下に示す動作を実行することで、１の画像を感熱ロール紙Ｒの印刷面Ｒａに印刷する。

図２は、画像印刷用コマンドＩＣに基づく分割画像の印刷を説明するための図である。

図２では、画像Ｇ１を感熱ロール紙Ｒの印刷面Ｒａに印刷する場合を説明する。

ホストコンピューター３のホスト制御部３０のアプリケーション実行部３０１は、画像Ｇ１を分割画像ＢＧ１と分割画像ＢＧ２と分割画像ＢＧ３とに分割する。なお、分割画像ＢＧ１、分割画像ＢＧ２、及び、分割画像ＢＧ３のそれぞれの画像データは、例えば、ビットマップデータ等の画素ごとの情報を有するデータであって、行バッファー２５２に記憶可能なデータである。アプリケーション実行部３０１は、分割画像ＢＧ１〜分割画像ＢＧ３のそれぞれの画像データを生成すると、分割画像ＢＧ１の画像データ、分割画像ＢＧ２の画像データ、分割画像ＢＧ３の画像データの順に、生成したこれら画像データをプリンタードライバー実行部３０２に出力する。

プリンタードライバー実行部３０２は、入力された画像データの順に、画像データに基づいて分割画像の印刷を指示する制御コマンドを生成し、画像データと制御コマンドとを含む画像印刷用コマンドＩＣ（図３）をプリンター２に出力する。図２の場合、プリンタードライバー実行部３０２は、画像印刷用コマンドＩＣ１、画像印刷用コマンドＩＣ２、画像印刷用コマンドＩＣ３の順に生成し、当該順にプリンター２に送信する。なお、画像印刷用コマンドＩＣ１は、分割画像ＢＧ１の画像データと、分割画像ＢＧ１の印刷を指示する制御コマンドとを含む画像印刷用コマンドＩＣである。また、画像印刷用コマンドＩＣ２は、分割画像ＢＧ２の分割画像データと、分割画像ＢＧ２の印刷を指示する制御コマンドとを含む画像印刷用コマンドＩＣである。また、画像印刷用コマンドＩＣ３は、分割画像ＢＧ３の分割画像データと、分割画像ＢＧ３の印刷を指示する制御コマンドとを含む画像印刷用コマンドＩＣである。

図３は、画像印刷用コマンドＩＣの一例を示す図である。

図３に示すように、画像印刷用コマンドＩＣは、画像データ指定コマンドＧＩＣと、印刷実行コマンドＩＪＣとを含む。画像データ指定コマンドＧＩＣと印刷実行コマンドＩＪＣとは、上述した制御コマンドに相当する。

画像データ指定コマンドＧＩＣは、画像データを格納するデータ部ＤＢと、データ部ＤＢに格納される画像データのデータ数を格納するデータ数部ＤＳＢとを少なくとも含む。画像データ指定コマンドＧＩＣは、画像データ指定コマンドＧＩＣが指定する画像データ、換言すると、データ部ＤＢが格納する画像データを行バッファー２５２、又は、複数行バッファー２５３に記憶させることを指示するコマンドである。印刷実行コマンドＩＪＣは、図３の場合、行バッファー２５２、又は、複数行バッファー２５３に記憶された画像データに基づく画像の印刷の実行と、改行の実行とを指示するコマンドである。図３のように印刷実行コマンドＩＪＣが画像印刷用コマンドＩＣに含まれる場合、印刷実行コマンドＩＪＣは、行バッファー２５２、又は、複数行バッファー２５３に記憶された画像データ（画像データ指定コマンドＧＩＣが含む画像データ）に基づく画像の印刷の実行を指示する。

例えば、画像印刷用コマンドＩＣが画像印刷用コマンドＩＣ１である場合、画像印刷用コマンドＩＣ１は、データ部ＤＢに分割画像ＢＧ１の画像データを格納し、分割画像ＢＧ１の印刷の実行を指示する。また、画像印刷用コマンドＩＣが画像印刷用コマンドＩＣ２である場合、画像印刷用コマンドＩＣ２は、データ部ＤＢに分割画像ＢＧ２の画像データを格納し、分割画像ＢＧ２の印刷の実行を指示する。また、画像印刷用コマンドＩＣが画像印刷用コマンドＩＣ３である場合、画像印刷用コマンドＩＣ３は、データ部ＤＢに分割画像ＢＧ３の画像データを格納し、分割画像ＢＧ３の印刷の実行を指示する。

以下の説明では、画像印刷用コマンドＩＣ１が含む画像データ指定コマンドＧＩＣを、画像データ指定コマンドＧＩＣ１とし、また、画像印刷用コマンドＩＣ２が含む画像データ指定コマンドＧＩＣを、画像データ指定コマンドＧＩＣ２とし、また、画像印刷用コマンドＩＣ３が含む画像データ指定コマンドＧＩＣを、画像データ指定コマンドＧＩＣ３として表現する。

また、以下の説明では、画像印刷用コマンドＩＣ１が含む印刷実行コマンドＩＪＣを、印刷実行コマンドＩＪＣ１とし、また、画像印刷用コマンドＩＣ２が含む印刷実行コマンドＩＪＣを、印刷実行コマンドＩＪＣ２とし、また、画像印刷用コマンドＩＣ３が含む印刷実行コマンドＩＪＣを、印刷実行コマンドＩＪＣ３として表現する。

図２の説明に戻り、プリンター２のプリンター制御部２０は、画像印刷用コマンドＩＣをプリンター通信部２４により受信すると、受信した画像印刷用コマンドＩＣを受信バッファー２５１に格納する。画像印刷用コマンドＩＣ１、画像印刷用コマンドＩＣ２、画像印刷用コマンドＩＣ３の順に受信した場合、プリンター制御部２０は、受信した順に、画像印刷用コマンドＩＣを受信バッファー２５１に格納する。プリンター制御部２０は、受信バッファー２５１に画像印刷用コマンドＩＣが格納されると、画像印刷用コマンドＩＣの格納順に、受信バッファー２５１から画像印刷用コマンドＩＣが含む画像データ指定コマンドＧＩＣと印刷実行コマンドＩＪＣとを順に読み出していく。

まず、プリンター制御部２０は、画像データ指定コマンドＧＩＣを読み出し、画像データ指定コマンドＧＩＣが含む画像データを行バッファー２５２に記憶させる。なお、行バッファー２５２に画像データを記憶するとは、画像データに基づく駆動データ（印刷用データ）を行バッファー２５２に展開して格納することを示す。駆動データとは、画像データが示す画像の画素に応じて、ラインサーマルヘッド２６１が有する発熱素子２６２のそれぞれの駆動を制御するためのデータである。

図２では、行バッファー２５２の記憶可能なデータのサイズが、３０ドットラインである場合を例示する。ドットラインとは、ラインサーマルヘッド２６１の発熱素子２６２の列に対応したデータ、又は、画像の単位を示す。より具体的には、本実施形態では、発熱素子２６２の列は、５１２個の発熱素子２６２が感熱ロール紙Ｒの搬送方向と交わる方向に延在して構成される。なお、縦方向とは、搬送方向に対応する方向であり、横方向とは、発熱素子２６２が列を成して延在する方向に対応する方向である。このことを踏まえて、行バッファー２５２が記憶可能なデータのサイズは、縦３０ドット×横５１２ドットに対応するデータのサイズである。したがって、アプリケーション実行部３０１は、画像Ｇ１を分割画像ＢＧ１〜分割画像ＢＧ３のそれぞれに分割する際、分割画像ＢＧ１〜分割画像ＢＧ３のそれぞれの画像データのサイズが、行バッファー２５２に記憶可能な縦３０ドット×横５１２ドット以下のサイズとなるよう分割する。

図２では、画像印刷用コマンドＩＣ１、画像印刷用コマンドＩＣ２、画像印刷用コマンドＩＣ３の順に受信するため、まず、プリンター制御部２０は、受信バッファー２５１から画像印刷用コマンドＩＣ１を読み出し、行バッファー２５２に分割画像ＢＧ１の画像データを記憶させる。つまり、プリンター制御部２０は、分割画像ＢＧ１の画像データに基づく駆動データを行バッファー２５２に展開して格納する。プリンター制御部２０は、分割画像ＢＧ１の画像データを行バッファー２５２に記憶させると、印刷実行コマンドＩＪＣを読み出し、印刷部２６を制御して、感熱ロール紙Ｒの印刷面Ｒａに分割画像ＢＧ１を印刷する。より詳細には、プリンター制御部２０は、感熱ロール紙Ｒを搬送方向に搬送しつつ、行バッファー２５２に格納された分割画像ＢＧ１の画像データに基づく駆動データを参照し、タイミング調整用の信号と同期をとりつつ、発熱素子２６２のそれぞれに駆動信号を出力して、１ドットラインごと順番に画像を印刷する。このようにして、プリンター制御部２０は、画像データを構成する全てのドットラインについて、順次、各ドットラインに基づく画像を印刷することにより、分割画像ＢＧ１を印刷する。

プリンター制御部２０は、感熱ロール紙Ｒの印刷面Ｒａに分割画像ＢＧ１を印刷すると、行バッファー２５２をクリアにし、受信バッファー２５１から画像印刷用コマンドＩＣ２が含む画像データ指定コマンドＧＩＣと印刷実行コマンドＩＪＣとを順に読み出していく。そして、プリンター制御部２０は、画像印刷用コマンドＩＣ１と同様に、行バッファー２５２に分割画像ＢＧ２の画像データを記憶させ、感熱ロール紙Ｒの印刷面Ｒａに分割画像ＢＧ２を印刷する。プリンター制御部２０は、分割画像ＢＧ２を印刷すると、行バッファー２５２をクリアにし、同様に、分割画像ＢＧ３を感熱ロール紙Ｒの印刷面Ｒａに印刷する。

以上のようにして、プリンター制御部２０は、分割画像ＢＧ１〜分割画像ＢＧ３を印刷することで、感熱ロール紙Ｒの印刷面Ｒａに画像Ｇ１を印刷する。

ここで、感熱ロール紙Ｒへの画像Ｇ１の印刷を行う場合、印刷した画像Ｇ１にいわゆる白スジが発生する可能性がある。例えば、分割画像ＢＧ１を感熱ロール紙Ｒに印刷した後、分割画像ＢＧ２を感熱ロール紙Ｒに印刷する場合、受信バッファー２５１は、分割画像ＢＧ２の画像データを含む画像印刷用コマンドＩＣ２を格納している必要がある。しかしながら、分割画像ＢＧ１を印刷する印刷速度より、画像印刷用コマンドＩＣ２をホストコンピューター３から受信する受信速度が遅いと、受信バッファー２５１は、分割画像ＢＧ１の印刷後、画像印刷用コマンドＩＣ２を格納していない虞がある。ここで、受信バッファー２５１が画像印刷用コマンドＩＣ２を格納していない場合、プリンター制御部２０は、少なくとも、画像印刷用コマンドＩＣ２を受信バッファー２５１が格納するまで、感熱ロール紙Ｒの搬送、及び、感熱ロール紙Ｒへの印刷を、一時的に停止し、当該格納が完了したときに新たに印刷を開始するといった、いわゆる間欠印刷を実行することになる。周知の通り、間欠印刷は、ギアのバックラッシュのよる印刷位置のずれや、プリンター２の環境温度によって発熱素子２６２が目標温度に到達するまでに時間を要してしまうこと等に起因して白スジが発生する可能性がある。つまり、ここでの例では、分割画像ＢＧ１と分割画像ＢＧ２との間に白スジが発生する可能性がある。

白スジは、画像の見栄えを悪くする可能性があるため、発生すると印刷品質の低下を招く要因である。特に、クーポン等を取得するためのコードを示す画像では、白スジが発生すると、適切にコードが読み取れないといった事態の発生につながる虞がある。

ここで、間欠印刷を防止する方法として、印刷速度、又は、ホストコンピューター３から画像印刷用コマンドＩＣを受信する受信速度の変更や、画像印刷用コマンドＩＣが含む画像データのデータ量の変更等が挙げられる。しかしながら、これら変更は、ユーザーが行わなければならないことが多く、ユーザーに負担を与える可能性がある。また、従来から、白スジの発生を抑制する技術が知られているが、間欠印刷が行われることが前提の技術であったり、メカ系による複雑な制御を要する技術であったりと簡易でないことが多い。そこで、プリンター２には、簡易な制御によって白スジの発生を防止し、画像の印刷品質の低下を防止したいとするニーズがある。

そこで、本実施形態のプリンター２は、以下に示す動作を実行する。

図４は、プリンター２の動作を示すフローチャートである。

プリンター２のプリンター制御部２０は、ホストコンピューター３からコマンドを受信したか否かを判別する（ステップＳ１）。プリンター制御部２０は、受信バッファー２５１がコマンドを格納していない場合、ホストコンピューター３からコマンドを受信していないと判別し（ステップＳ１：ＮＯ）、処理をステップＳ１に戻してコマンドを受信したか否かの監視を継続する。なお、プリンター制御部２０は、画像印刷用コマンドＩＣ単位で、ホストコンピューター３からコマンドを受信したか否かを判別してもよく、また、例えば画像データ指定コマンドＧＩＣ等の１のコマンド単位で、ホストコンピューター３からコマンドを受信したか否かを判別してもよい。

一方、プリンター制御部２０は、受信バッファー２５１がコマンドを格納している場合、ホストコンピューター３からコマンドを受信したと判別し（ステップＳ１：ＹＥＳ）、受信バッファー２５１からコマンドを読み出す（ステップＳ２）。プリンター制御部２０は、受信バッファー２５１が複数のコマンドを格納している場合、受信バッファー２５１の格納順にコマンドを読み出す。ここで、読み出すコマンドは、１のコマンドであって、例えば、画像印刷用コマンドＩＣが、画像データ指定コマンドＧＩＣと印刷実行コマンドＪＩＣとを含む場合、画像データ指定コマンドＧＩＣと印刷実行コマンドＪＩＣとのいずれかのコマンドである。

プリンター制御部２０は、読み出したコマンドに対してコマンド解析を実行し（ステップＳ３）、読み出したコマンドが、画像データ指定コマンドＧＩＣであるか否かを判別する（ステップＳ４）。例えば、プリンター制御部２０は、コマンドの命令コードに基づいて、受信バッファー２５１から読み出したコマンドが、画像データ指定コマンドＧＩＣであるか否かを判別する。

次いで、プリンター制御部２０は、受信バッファー２５１から読み出したコマンドが画像データ指定コマンドＧＩＣであると判別した場合（ステップＳ４：ＹＥＳ）、動作モードが一括印刷モードであるか否かを判別する（ステップＳ５）。一括印刷モードとは、画像を印刷する際に、複数行バッファー２５３に画像データを複数記憶させ、後述する条件が成立した場合に、複数行バッファー２５３に記憶した複数の画像データに基づく画像を一括してラインサーマルヘッド２６１により印刷可能な動作モードである。

プリンター制御部２０は、動作モードが一括印刷モードでないと判別した場合（ステップＳ５：ＮＯ）、動作モードが連続印刷モードであるか否かを判別する（ステップＳ６）。連続印刷モード（ページモード）とは、画像や文字列を印刷する際に、複数行バッファー２５３に複数行分の印刷データを記憶させてラインサーマルヘッド２６１により印刷を実行する動作モードである。

プリンター制御部２０は、動作モードが連続印刷モードであると判別した場合（ステップＳ６：ＮＯ）、処理をステップ１９に移行させ、受信バッファー２５１から読み出したコマンドに基づいて動作モードに対応した処理を実行する（ステップＳ１９）。

一方、プリンター制御部２０は、動作モードが連続印刷モードでないと判別した場合（ステップＳ６：ＹＥＳ）、動作モードが通常印刷モード（通常モード）であると判定する（ステップＳ７）。通常印刷モードとは、行バッファー２５２に１行分の印刷データを記憶させてラインサーマルヘッド２６１により印刷を実行するモードである。本実施形態では、プリンター制御部２０は、動作モードとして、一括印刷モード、連続印刷モード、通常印刷モードのいずれかの動作モードを採るものとする。したがって、ステップＳ６において動作モードが連続印刷モードでないと判別することで、プリンター制御部２０は、一意に動作モードが通常印刷モードであると判定できる。

プリンター制御部２０は、動作モードが通常印刷モードであると判定すると、動作モードを通常印刷モードから一括印刷モードに移行する（ステップＳ８）。

次いで、プリンター制御部２０は、動作モードを一括印刷モードに移行すると、カウンター２０１の計測値をリセット、例えば「０」に設定する（ステップＳ９）。

次いで、プリンター制御部２０は、カウンター２０１の計測値をリセットすると、画像データ指定コマンドＧＩＣが含む画像データを複数行バッファー２５３に記憶させる（ステップＳ１０）。なお、複数行バッファー２５３に画像データを記憶するとは、行バッファー２５２と同様、画像データに基づく駆動データを複数行バッファー２５３に展開して格納することを示す。つまり、プリンター制御部２０は、画像データ指定コマンドＧＩＣが含む画像データに基づく駆動データを、複数行バッファー２５３に展開して格納する。

図４のステップＳ５の説明に戻り、プリンター制御部２０は、動作モードが一括印刷モードであると判別した場合（ステップＳ５：ＹＥＳ）、カウンター２０１の計測値をリセットし（ステップＳ９）、画像データ指定コマンドＧＩＣが含む画像データを複数行バッファー２５３に記憶させる（ステップＳ１０）。

プリンター制御部２０は、ステップＳ１０の処理を実行すると、処理をステップＳ１に戻す。

図４のステップＳ４の説明に戻り、プリンター制御部２０は、読み出したコマンドが、画像データ指定コマンドＧＩＣでないと判別した場合（ステップＳ４：ＮＯ）、動作モードが一括印刷モードであるか否かを判別する（ステップＳ１１）。以下の説明において、画像データ指定コマンドＧＩＣでないコマンド、換言すると、少なくとも画像データ指定コマンドＧＩＣを含まないコマンドを非画像データ指定コマンド（第２コマンド）と表現する。非画像データ指定コマンドとは、例えば、印刷実行コマンドＩＪＣや、文字列の印刷の実行を指示するコマンドや感熱ロール紙Ｒのカットを指示するコマンド等である。

プリンター制御部２０は、ステップＳ１１において動作モードが一括印刷モードでないと判別した場合（ステップＳ１１：ＮＯ）、処理をステップ１９に移行させ、受信バッファー２５１から読み出したコマンドに基づいて、動作モードに対応した処理を実行する（ステップＳ１９）。

一方、プリンター制御部２０は、ステップＳ１１において動作モードが一括印刷モードであると判別した場合（ステップＳ１１：ＹＥＳ）、ステップＳ２で読み出されたコマンドが印刷実行コマンドＩＪＣであるか否かを判別する（ステップＳ１２）。プリンター制御部２０は、ステップＳ２で読み出されたコマンドが印刷実行コマンドＩＪＣでないと判別した場合（ステップＳ１２：ＮＯ）、処理をステップＳ１５に移行させる。一方、プリンター制御部２０は、ステップＳ２で読み出されたコマンドが印刷実行コマンドＩＪＣであると判別した場合（ステップＳ１２：ＹＥＳ）、印刷実行コマンＩＪＣを受信したと判別し、カウンター２０１の計測値を１つインクリメントする、換言すると、カウンター２０１の計測値を１つ加算する（ステップＳ１３）。

次いで、プリンター制御部２０は、カウンター２０１の計測値が「１」であるか、「１」以外であるかを判別する（ステップＳ１４）。換言すると、プリンター制御部２０は、印刷実行コマンドＩＪＣを受信した回数が１回であるか、１回以外であるか否かを判別する（ステップＳ１４）。本実施形態のカウンター２０１は、リセットされると計測値が「０」に設定され、印刷実行コマンドＩＪＣを受信したと判別した場合に、計測値が１つインクリメントされる構成である。したがって、ステップＳ１３において計測値が１つ加算されているため、ステップＳ１４では、カウンター２０１の計測値が１回以外とは、カウンター２０１の計測値が「２」以上であることを示す。

プリンター制御部２０は、カウンター２０１の計測値が「１」であると判別した場合（ステップＳ１４：「１回」）、ラインサーマルヘッド２６１による印刷を実行することなく、処理をステップＳ１に戻す。一方、プリンター制御部２０は、カウンター２０１の計測値が「１」以外であると判別した場合（ステップＳ１４：「１回以外」）、カウンター２０１の計測値をリセットする（ステップＳ１５）。前述した通り、プリンター制御部２０は、画像データ指定コマンドＧＩＣを読み出すと、カウンター２０１の計測値をリセットする。したがって、プリンター制御部２０がカウンター２０１の計測値が１回以外であると判別することは、印刷実行コマンドＩＪＣを連続して２回受信していることを示している。

次いで、プリンター制御部２０は、複数行バッファー２５３に記憶される画像データに基づいて、印刷部２６により感熱ロール紙Ｒの印刷面Ｒａに画像を印刷する（ステップＳ１６）。

プリンター制御部２０は、複数行バッファー２５３に記憶される画像データに基づいて画像を印刷すると、動作モードを一括印刷モードから通常印刷モードに移行し（ステップＳ１７）、非画像データ指定コマンドに基づく処理を実行する（ステップＳ１８）。

ここで、上述したプリンター２の動作について、図５を参照して具体的に説明する。

図５は、画像印刷用コマンドＩＣに基づく分割画像の印刷を説明するための図である。

図５では、図２と同様に、画像Ｇ１を感熱ロール紙Ｒの印刷面Ｒａに印刷する場合を説明する。図５の説明では、図２での説明と同様に、アプリケーション実行部３０１が、画像Ｇ１を分割画像ＢＧ１と分割画像ＢＧ２と分割画像ＢＧ３とに分割し、分割画像ＢＧ１〜分割画像ＢＧ３のそれぞれの画像データを生成するものとする。前述した通り、プリンタードライバー実行部３０２は、アプリケーション実行部３０１から入力された画像データの順に、画像印刷用コマンドＩＣをプリンター２に出力する。したがって、図５の場合、図２と同様に、プリンタードライバー実行部３０２は、画像印刷用コマンドＩＣ１、画像印刷用コマンドＩＣ２、画像印刷用コマンドＩＣ３の順に生成し、当該順にプリンター２に送信する。

以下の図５を用いた説明において、プリンター２の動作の開始時点では、プリンター制御部２０の動作モードが通常印刷モードであるとする。また、図５を用いた説明では、受信バッファー２５１には、画像印刷用コマンドＩＣ１、画像印刷用コマンドＩＣ２、画像印刷用コマンドＩＣ３の順で、画像印刷用コマンドＩＣが格納されるものとする。

プリンター制御部２０は、受信バッファー２５１が画像印刷用コマンドＩＣ１を格納すると、画像印刷用コマンドＩＣ１が含む画像データ指定コマンドＧＩＣ１を読み出す（ステップＳ２）。画像データ指定コマンドＧＩＣ１を読み出すと、プリンター制御部２０は、動作モードを通常印刷モードから一括印刷モードに移行する（ステップＳ８）。

プリンター制御部２０は、動作モードを一括印刷モードに移行すると、カウンター２０１の計測値をリセットし（ステップＳ９）、画像データ指定コマンドＧＩＣ１が含む分割画像ＢＧ１の画像データを複数行バッファー２５３に記憶させる（ステップＳ１０）。

図５に示す複数行バッファー２５３は、複数の行領域ＧＡを有している。図５に示す行領域ＧＡは、３０ドットラインのデータのサイズのデータが記憶可能である。前述した通り、本実施形態では、発熱素子２６２の列は、５１２個の発熱素子２６２が感熱ロール紙Ｒの搬送方向と交わる方向に延在して構成される。したがって、複数行バッファー２５３の各行領域ＧＡが記憶可能なデータのサイズは、縦３０ドット×横５１２ドットに対応するデータのサイズである。本実施形態では、画像印刷用コマンドＩＣが含む画像データ指定コマンドＧＩＣが含む画像データのサイズが、全て縦３０ドット×横５１２ドットのサイズであるとする。したがって、本実施形態では、説明便宜のため、各行領域ＧＡが記憶可能なデータのサイズは、同じであるとする。なお、実際には、行領域ＧＡの縦方向の範囲は、記憶する画像データに基づき決定されるため、全ての行領域ＧＡの縦方向の範囲が同じであるとは限らない。

図５に示すように、プリンター制御部２０は、分割画像ＢＧ１の画像データを、複数行バッファー２５３の行領域ＧＡ１に記憶する。

プリンター制御部２０は、分割画像ＢＧ１の画像データを複数行バッファー２５３に記憶させると、受信バッファー２５１から画像印刷用コマンドＩＣ１が含む印刷実行コマンドＩＪＣ１を読み出す（ステップＳ２）。印刷実行コマンドＩＪＣ１を読み出すと、プリンター制御部２０は、カウンター２０１の計測値を１つインクリメントする（ステップＳ１３）。プリンター制御部２０が、分割画像ＢＧ１の画像データを複数行バッファー２５３に記憶する際にカウンター２０１の計測値をリセットしているため、ここでは、計測値が１つインクリメントされることでカウンター２０１の計測値が「１」になる。プリンター制御部２０は、カウンター２０１の計測値が「１」であるため、印刷実行コマンドＩＪＣを受信した回数が１回であると判別し（ステップＳ１４：「１回」）、複数行バッファー２５３に記憶される分割画像ＢＧ１の画像データに基づく印刷を実行することなく、処理をステップＳ１に戻し、次のコマンドを受信バッファー２５１から読み出す。

このように、プリンター制御部２０は、カウンター２０１により印刷実行コマンドＩＪＣを受信した回数を計測可能に構成され、印刷実行コマンドＩＪＣを受信した回数が１回であるときには、ラインサーマルヘッド２６１による印刷を実行させない。これにより、分割画像ＢＧ１が感熱ロール紙Ｒの印刷面Ｒａに印刷されることがないため、例えば、分割画像ＢＧ１を印刷した後、印刷速度や受信速度等に起因して分割画像ＢＧ２を印刷するまで一時的に印刷が停止することがない。つまり、プリンター制御部２０は、間欠印刷の発生を防止し、画像Ｇ１の印刷品質の低下を防止できる。また、プリンター制御部２０は、分割画像ＢＧ１を印刷しないため、分割画像ＢＧ１の画像データの記憶後に、更に分割画像ＢＧ２の画像データを複数行バッファー２５３に記憶することが可能となる。したがって、プリンター制御部２０は、間欠印刷の発生を防止し、画像Ｇ１の印刷品質の低下を防止できる。

次いで、プリンター制御部２０は、受信バッファー２５１が画像印刷用コマンドＩＣ２を格納すると、画像印刷用コマンドＩＣ２が含む画像データ指定コマンドＧＩＣ２を読み出す（ステップＳ２）。画像印刷用コマンドＩＣ２が含む画像データ指定コマンドＧＩＣ２を読み出すときは、画像データ指定コマンドＧＩＣ１の実行後であるため、プリンター制御部２０の動作モードは、一括印刷モードである。そのため、プリンター制御部２０は、動作モードが一括印刷モードであると判別し（ステップＳ５：ＹＥＳ）、カウンター２０１の計測値をリセットする（ステップＳ９）。ここで、カウンター２０１の計測値をリセットすることで、プリンター制御部２０は、画像データ指定コマンドＧＩＣ２の後に印刷実行コマンドＩＪＣ２を読み出した際でも、ステップＳ１４において印刷実行コマンドＩＪＣを連続して２回受信したと判別することがない。

プリンター制御部２０は、カウンター２０１の計測値をリセットすると、画像データ指定コマンドＧＩＣ２が含む分割画像ＢＧ２の画像データを複数行バッファー２５３に記憶させる（ステップＳ１０）。図５に示すように、プリンター制御部２０は、分割画像ＢＧ１の画像データが記憶された行領域ＧＡ１の次のドットラインからを分割画像ＢＧ２の画像データを記憶するドットラインとして、分割画像ＢＧ２の画像データを記憶する。前述した通り、分割画像ＢＧ１〜分割画像ＢＧ３のそれぞれの画像データは、縦３０ドット×横５１２ドットの画像データを例示しているため、プリンター制御部２０は、分割画像ＢＧ２の画像データを複数行バッファー２５３の行領域ＧＡ２に記憶する。この分割画像ＢＧ２の画像データの記憶により、複数行バッファー２５３の状態は、分割画像ＢＧ１の画像データと分割画像ＢＧ２の画像データとを記憶している状態となる。

プリンター制御部２０は、分割画像ＢＧ２の画像データを複数行バッファー２５３に記憶させると、受信バッファー２５１から画像印刷用コマンドＩＣ２が含む印刷実行コマンドＩＪＣ２を読み出す（ステップＳ２）。印刷実行コマンドＩＪＣ２を読み出すと、プリンター制御部２０は、カウンター２０１の計測値を１つインクリメントする（ステップＳ１３）。プリンター制御部２０は、画像データ指定コマンドＧＩＣ２を読み出した際、カウンター２０１の計測値を「０」にしている。そのため、ここでは、計測値が１つインクリメントされることでカウンター２０１の計測値が、再度「１」になる。プリンター制御部２０は、カウンター２０１の計測値が「１」であるため、印刷実行コマンドＩＪＣを受信した回数が１回であると判別し（ステップＳ１４：「１回」）、複数行バッファー２５３に記憶される分割画像ＢＧ１の画像データと分割画像ＢＧ２の画像データとに基づく印刷を実行することなく、次のコマンドを受信バッファー２５１から読み出す。

このように、プリンター制御部２０は、画像データ指定コマンドＧＩＣ２を読み出した際、カウンター２０１の計測値をリセットするため、印刷実行コマンドＩＪＣ２を読み出しても、ラインサーマルヘッド２６１による印刷を実行させない。これにより、分割画像ＢＧ１及び分割画像ＢＧ２が感熱ロール紙Ｒの印刷面Ｒａに印刷されることがないため、分割画像ＢＧ１及び分割画像ＢＧ２を印刷した後、例えば、印刷速度や受信速度等に起因して分割画像ＢＧ３を印刷するまで一時的に印刷が停止することがない。つまり、プリンター制御部２０は、間欠印刷の発生を防止し、画像Ｇ１の印刷品質の低下を防止できる。また、プリンター制御部２０は、分割画像ＢＧ１及び分割画像ＢＧ２を印刷しないため、分割画像ＢＧ１の画像データと分割画像ＢＧ２の画像データとの記憶後に、更に分割画像ＢＧ３の画像データを複数行バッファー２５３に記憶することが可能となる。したがって、プリンター制御部２０は、間欠印刷の発生を防止し、画像Ｇ１の印刷品質の低下を防止できる。

次いで、プリンター制御部２０は、受信バッファー２５１が画像印刷用コマンドＩＣ３を格納すると、画像印刷用コマンドＩＣ３が含む画像データ指定コマンドＧＩＣ３を読み出す（ステップＳ２）。画像データ指定コマンドＧＩＣ３を読み出すときは、画像データ指定コマンドＧＩＣ２の実行後であるため、プリンター制御部２０の動作モードは、一括印刷モードである。そのため、プリンター制御部２０は、動作モードが一括印刷モードであると判別し（ステップＳ５：ＹＥＳ）、カウンター２０１の計測値をリセットする（ステップＳ９）。ここで、カウンター２０１の計測値をリセットすることで、プリンター制御部２０は、画像データ指定コマンドＧＩＣ３の後に印刷実行コマンドＩＪＣ３を読み出した際でも、ステップＳ１４において印刷実行コマンドＩＪＣを連続して２回受信したと判別することがない。

プリンター制御部２０は、カウンター２０１の計測値をリセットすると、画像データ指定コマンドＧＩＣ３が含む分割画像ＢＧ３の画像データを複数行バッファー２５３に記憶させる（ステップＳ１０）。図５に示すように、プリンター制御部２０は、分割画像ＢＧ２の画像データが記憶された行領域ＧＡ２の次のドットラインからを分割画像ＢＧ３の画像データを記憶するドットラインとして、分割画像ＢＧ３の画像データを記憶する。前述した通り、分割画像ＢＧ１〜分割画像ＢＧ３のそれぞれの画像データは、縦３０ドット×横５１２ドットの画像データを例示しているため、プリンター制御部２０は、分割画像ＢＧ３の画像データを複数行バッファー２５３の行領域ＧＡ３に記憶する。この分割画像ＢＧ３の画像データの記憶により、複数行バッファー２５３の状態は、分割画像ＢＧ１の画像データと分割画像ＢＧ２の画像データと分割画像ＢＧ３の画像データとを記憶している状態となる。

プリンター制御部２０は、分割画像ＢＧ３の画像データを複数行バッファー２５３に記憶させると、受信バッファー２５１から画像印刷用コマンドＩＣ２が含む印刷実行コマンドＩＪＣ３を読み出す（ステップＳ２）。印刷実行コマンドＩＪＣ３を読み出すと、プリンター制御部２０は、カウンター２０１の計測値を１つインクリメントする（ステップＳ１３）。プリンター制御部２０は、画像データ指定コマンドＧＩＣ３を読み出した際、カウンター２０１の計測値を「０」にしている。そのため、ここでは、計測値が１つインクリメントされることでカウンター２０１の計測値が、再度「１」になる。プリンター制御部２０は、カウンター２０１の計測値が「１」であるため、印刷実行コマンドＩＪＣを受信した回数が１回であると判別し、複数行バッファー２５３に記憶される分割画像ＢＧ１〜分割画像ＢＧ３の画像データに基づく印刷を実行することなく、次のコマンドを受信バッファー２５１から読み出す。

ここで、画像印刷用コマンドＩＣ３を受信した後、非画像データ指定コマンドを受信したとする。すなわち、画像印刷用コマンドＩＣ３が含む印刷実行コマンドＩＪＣ３を読み出した後、非画像データ指定コマンドを受信バッファー２５１から読み出したとする。

例えば、非画像データ指定コマンドが、印刷の実行と改行の実行を指示する印刷実行コマンドＩＪＣである場合、プリンター制御部２０は、受信バッファー２５１から読み出した非画像データ指定コマンドが印刷実行コマンドＩＪＣであると判別し（ステップＳ１２：ＹＥＳ）、カウンター２０１の計測値を１つインクリメントする（ステップＳ１３）。印刷実行コマンドＩＪＣ３を読み出した後、非画像データ指定コマンドである印刷実行コマンドＩＪＣを読み出した場合、カウンター２０１の計測値は、リセットされていないため、ステップＳ１３の加算により「２」となる。プリンター制御部２０は、印刷実行コマンドＩＪＣを受信した回数が１回以外であると判別し（ステップＳ１４：「１回以外」）、カウンター２０１の計測値をリセットする（ステップＳ１５）。

次いで、プリンター制御部２０は、複数行バッファー２５３に記憶された分割画像ＢＧ１〜分割画像ＢＧ３の画像データに基づいて、ラインサーマルヘッド２６１により感熱ロール紙Ｒの印刷面Ｒａに分割画像ＢＧ１〜分割画像ＢＧ３を印刷する（ステップＳ１６）。ステップＳ１６では、複数行バッファー２５３が分割画像ＢＧ１〜分割画像ＢＧ３の画像データを記憶しているため、プリンター制御部２０は、間欠印刷を実行することなく、一括して分割画像ＢＧ１〜分割画像ＢＧ３を印刷できる。したがって、プリンター制御部２０は、画像Ｇ１に白スジが発生することを防止でき、画像Ｇ１の印刷品質が低下することを防止できる。なお、この例では、上述した一括印刷モードにおける条件は、印刷実行コマンドＩＪＣを２回連続して受信したことである。プリンター制御部２０は、分割画像ＢＧ１〜分割画像ＢＧ３を印刷すると、動作モードを一括印刷モードから通常印刷モードに移行し（ステップ１８）、非画像データ指定コマンドを実行する（ステップＳ１９）。すなわち、プリンター制御部２０は、画像Ｇ１を印刷した後、改行（感熱ロール紙Ｒのの搬送）を実行する。

また、例えば、非画像データ指定コマンドが、文字列の印刷の実行を指示する非画像データ指定コマンドである場合、プリンター制御部２０は、受信バッファー２５１から読み出した非画像データ指定コマンドが印刷実行コマンドＩＪＣでないと判別し（ステップＳ１２：ＮＯ）、カウンター２０１の計測値をリセットする（ステップＳ１５）。

そして、プリンター制御部２０は、ラインサーマルヘッド２６１により感熱ロール紙Ｒの印刷面Ｒａに分割画像ＢＧ１〜分割画像ＢＧ３を印刷する（ステップＳ１６）。つまり、プリンター制御部２０は、印刷実行コマンドＩＪＣに連続して、文字列の印刷の実行を指示する非画像データ指定コマンドを受信した場合、複数行バッファー２５３に記憶される画像データに基づく画像Ｇ１を印刷する。上述した通り、プリンター制御部２０は、間欠印刷を実行することなく、一括して分割画像ＢＧ１〜分割画像ＢＧ３を印刷できる。したがって、プリンター制御部２０は、画像Ｇ１に白スジが発生することを防止でき、画像Ｇ１の印刷品質が低下することを防止できる。なお、この例では、上述した一括印刷モードにおける条件は、印刷実行コマンドＩＪＣに連続して、印刷実行コマンドＩＪＣでない非画像データ指定コマンドを受信したことである。プリンター制御部２０は、分割画像ＢＧ１〜分割画像ＢＧ３を印刷すると、動作モードを一括印刷モードから通常印刷モードに移行し（ステップ１７）、非画像データ指定コマンドを実行する（ステップＳ１８）。すなわち、プリンター制御部２０は、文字列を示すフォントデータを行バッファー２５２に記憶させ、文字列の印刷を実行する。これにより、プリンター制御部２０は、白スジが発生していない画像Ｇ１の後に文字列を印刷できる。

また、例えば、非画像データ指定コマンドが、感熱ロール紙Ｒのカットを指示するコマンドである場合、プリンター制御部２０は、受信バッファー２５１から読み出した非画像データ指定コマンドが印刷実行コマンドＩＪＣでないと判別し（ステップＳ１２：ＮＯ）、カウンター２０１の計測値をリセットする（ステップＳ１６）。

次いで、プリンター制御部２０は、複数行バッファー２５３に記憶された分割画像ＢＧ１〜分割画像ＢＧ３の画像データに基づいて、ラインサーマルヘッド２６１により感熱ロール紙Ｒの印刷面Ｒａに分割画像ＢＧ１〜分割画像ＢＧ３を印刷する（ステップＳ１６）。プリンター制御部２０は、分割画像ＢＧ１〜分割画像ＢＧ３を印刷すると、動作モードを一括印刷モードから通常印刷モードに移行し（ステップ１７）、非画像データ指定コマンドを実行する（ステップＳ１８）。すなわち、プリンター制御部２０は、画像Ｇ１を印刷した後、感熱ロール紙Ｒのカットを実行する。

このように、プリンター制御部２０は、画像印刷用コマンドＩＣを受信した場合、画像データ指定コマンドＧＩＣが含む画像データを、複数行バッファー２５３に記憶させ、非画像データ指定コマンドを受信した場合、複数行バッファー２５３が記憶する画像データに基づいて画像を印刷する。これにより、プリンター制御部２０は、画像を印刷する際、間欠印刷を実行することがなく、間欠印刷の実行に起因した白スジの発生を防止できる。したがって、プリンター制御部２０は、画像の印刷品質の低下を防止できる。特に、画像がクーポン等を取得するためのコードである場合、コードを示す画像に白スジが発生することを防止できるため、プリンター制御部２０は、印刷されたコードが適切に読み取れないといった事態の発生を防止できる。また、ユーザーが印刷速度や、受信速度、画像データのデータ量等を変更しなくても、画像の印刷品質の低下を防止できるため、プリンター制御部２０は、ユーザーに負担を与えることがない。また、コマンドの種類に応じて画像データの記憶、及び、印刷を実行するため、プリンター制御部２０は、メカ系による複雑な制御を要することなく、簡易な制御によって画像の印刷品質の低下を確実に防止できる。また、間欠印刷の実行を前提とした制御でないため、ギアのバックラッシュのよる印刷位置のずれや、プリンター２の環境温度によって発熱素子２６２が目標温度に到達するまでに時間を要してしまうこと等が発生することがなく、プリンター制御部２０は、印刷品質の低下を防止できる。

また、上述したように、プリンター制御部２０は、印刷実行コマンドＩＪＣに連続して非画像データ指定コマンドを受信した場合に、複数行バッファー２５３に記憶される画像データに基づく画像を、ラインサーマルヘッド２６１により印刷する。これにより、プリンター制御部２０は、非画像データ指定コマンドを受信するまで、複数行バッファー２５３に画像データを記憶させることができる。したがって、プリンター制御部２０は、複数行バッファー２５３に記憶された複数画像データを一括して印刷でき、画像を印刷する際に、間欠印刷を実行することを防止できる。

また、上述したように、プリンター制御部２０は、複数行バッファー２５３が記憶する画像データに基づく画像をラインサーマルヘッド２６１により印刷させる際に、カウンター２０１の計測値をリセットする。つまり、プリンター制御部２０は、印刷実行コマンドＩＪＣを受信した回数の計測値をリセットする。これにより、プリンター制御部２０は、印刷実行コマンドＩＪＣを連続して受信したか否かを正確に判別でき、次回、画像を印刷する際に、印刷が一時的に停止することを確実に防止できる。

また、上述したように、プリンター制御部２０は、画像を印刷する際、動作モードを一括画像モードにし、それ以外の印刷では、動作モードを通常印刷モードにする。このように、プリンター制御部２０は、印刷する対象が画像か否かに応じて、動作モードを切り替えることで以下に示す効果を奏する。一般に、文字列を複数行で印刷する場合、文字列と文字列との間は、所定のマージンが形成される。したがって、文字列を印刷する場合に間欠印刷が仮に発生した場合でも、マージンの位置と白スジの位置とが対応すれば、印刷品質が低下しない蓋然性が高い。一方で、画像の場合、白スジの発生は、画像の見栄えを悪くし、印刷品質が低下する虞がある。ここで、連続印刷モードで、画像、及び、文字列を印刷すれば、行ごとの印刷が防止され、間欠印刷が実行されず、白スジの発生を防止できる。しかし、連続印刷モードでは、仮に間欠印刷が実行されても印刷品質が低下しない蓋然性の高いデータまで記憶することになってしまう。そこで、プリンター制御部２０は、画像を印刷する際に、動作モードを一括印刷モードにし、それ以外の印刷では通常印刷モードにすることで、不必要なデータの記憶を防止した上で、画像の印刷品質の低下を防止できる。不必要なデータの記憶を防止することで、少なくとも複数行バッファー２５３への記憶回数が低減され、複数行バッファー２５３の劣化の速度を低減できる。また、連続印刷モードでは、複数行バッファー２５３へのデータの溜め込みが行われるため、行バッファー２５２を利用した印刷より印刷開始が速やかに実行されない。そこで、プリンター制御部２０は、画像を印刷する際に、動作モードを一括印刷モードにし、それ以外の印刷では通常印刷モードにすることで、画像の印刷品質の低下を防止した上で、速やかな印刷開始が可能となる。

以上、説明したように、プリンター２（印刷装置）は、コマンドを受信するプリンター通信部２４（受信部）と、感熱ロール紙Ｒ（印刷媒体）に行ごとに印刷を行うラインサーマルヘッド２６１（ラインヘッド）と、複数行バッファー２５３（記憶部）と、ラインサーマルヘッド２６１を制御して印刷を実行させるプリンター制御部２０（制御部）と、を備える。プリンター制御部２０は、プリンター通信部２４によって、画像印刷を指示する画像印刷用コマンドＩＣ（第１コマンド）を受信した場合に、画像印刷用コマンドＩＣにより指定される画像データを複数行バッファー２５３に記憶させ、プリンター通信部２４によって非画像データ指定コマンド（第２コマンド）を受信した場合に、複数行バッファー２５３に記憶された画像データに基づきラインサーマルヘッド２６１により感熱ロール紙Ｒに画像を印刷させる。

この構成によれば、プリンター制御部２０は、画像印刷用コマンドＩＣを受信した場合に画像データを複数行バッファー２５３に記憶させて、非画像データ指定コマンドを受信した場合に複数行バッファー２５３に記憶された画像データを印刷するといった簡易な制御によって、画像を印刷する際に、印刷が一時的に停止することを防止でき、印刷品質の低下を抑えることができる。

また、画像印刷用コマンドＩＣは、画像データを含む画像データ指定コマンドＧＩＣ、及び、印刷実行を指示する印刷実行コマンドＩＪＣを含む。プリンター制御部２０は、プリンター通信部２４によって印刷実行コマンドＩＪＣを受信した回数を計測可能に構成され、印刷実行コマンドＩＪＣを受信した回数が１回であるときには、ラインサーマルヘッド２６１による印刷を実行させない。

この構成によれば、プリンター制御部２０は、印刷実行コマンドＩＪＣを受信した回数が１回であるときには、ラインサーマルヘッド２６１による印刷を実行させないため、複数行バッファー２５３への複数の画像データの記憶が可能となり、画像を印刷する際、印刷が一時的に停止することを防止できる。

また、プリンター制御部２０は、印刷実行コマンドＩＪＣを受信した回数が２回以上である場合に、複数行バッファー２５３に記憶された画像データに基づきラインサーマルヘッド２６１により感熱ロール紙Ｒに画像を印刷させる。

この構成によれば、印刷実行コマンドＩＪＣを受信した回数が２回以上であって、非画像データ指定コマンドを受信した場合に、複数行バッファー２５３に記憶された画像データに基づき画像を印刷するため、プリンター制御部２０は、非画像データ指定コマンドを受信するまでに記憶された画像データを一括して印刷でき、画像を印刷する際に、印刷が一時的に停止することを防止できる。

また、プリンター制御部２０は、複数行バッファー２５３に記憶された画像データに基づきラインサーマルヘッド２６１により感熱ロール紙Ｒに画像を印刷させる場合に、印刷実行コマンドＩＪＣを受信した回数の計測値をリセットする。

この構成によれば、プリンター制御部２０は、ラインサーマルヘッド２６１により感熱ロール紙Ｒに画像を印刷させる場合に、印刷実行コマンドＩＪＣを受信した回数の計測値をリセットするため、印刷実行コマンドＩＪＣを連続して受信したか否かを正確に判別でき、次回、画像を印刷する際に、印刷が一時的に停止することを確実に防止できる。

また、プリンター制御部２０は、印刷実行コマンドＩＪＣに連続して非画像データ指定コマンドを受信したときに、複数行バッファー２５３に記憶された画像データに基づきラインサーマルヘッド２６１により感熱ロール紙Ｒに画像を印刷させる。

この構成によれば、印刷実行コマンドＩＪＣに連続して、印刷実行コマンドＩＪＣを受信するまで、又は、印刷実行コマンドＩＪＣに連続して印刷実行コマンドＩＪＣ以外の非画像データ指定コマンドを受信するまでに、複数行バッファー２５３に記憶された画像データを一括して印刷でき、プリンター制御部２０は、画像を印刷する際に、印刷が一時的に停止することを防止できる。

また、非画像データ指定コマンドは、少なくとも、画像データ指定コマンドＧＩＣを含まないコマンドである。

この構成によれば、プリンター制御部２０は、画像データを含まないコマンドを受信するといった簡易な制御によって複数行バッファー２５３に記憶された画像データを印刷できる。

また、プリンター制御部２０は、行バッファー２５２（記憶部）に１行分の駆動データ（印刷用データ）を格納し、当該駆動データをラインサーマルヘッド２６１により印刷させる通常印刷モード（通常モード）と、複数行バッファー２５３に複数行分の駆動データを格納し、当該駆動データをラインサーマルヘッド２６１により印刷させる一括印刷モードとを実行可能である。プリンター制御部２０は、プリンター通信部２４によって画像印刷用コマンドＩＣを受信した場合に、一括印刷モードに移行して画像印刷用コマンドＩＣにより指定される画像データを複数行バッファー２５３に記憶させ、非画像データ指定コマンドを受信した場合に、複数行バッファー２５３に記憶された画像データをラインサーマルヘッド２６１により印刷させて、一括印刷モードから通常印刷モードに移行する。

この構成によれば、プリンター制御部２０は、画像を印刷する際に、動作モードを一括印刷モードにし、それ以外の印刷では通常印刷モードにすることで、不必要なデータの記憶を防止した上で、画像の印刷品質の低下を防止できる。

また、ラインサーマルヘッド２６１は、感熱ロール紙Ｒに熱を与えて画像を形成する。

この構成によれば、画像を印刷する際に、印刷を一時的に停止することを防止できるため、画像に白スジが入ることを防止できる。

なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。

例えば、上述したプリンター２の制御方法（印刷装置の制御方法）が、プリンター２が備えるコンピューターを用いて実現される場合、本発明を、上記制御方法を実現するためにコンピューターが実行するプログラム、このプログラムを前記コンピューターで読み取り可能に記録した記録媒体、或いは、このプログラムを伝送する伝送媒体の態様で構成することも可能である。上記記録媒体としては、磁気的、光学的記録媒体又は半導体メモリーデバイスを用いることができる。具体的には、フレキシブルディスク、ＨＤＤ（Hard Disk Drive）、ＣＤ−ＲＯＭ（Compact Disk Read Only Memory）、ＤＶＤ（Digital Versatile Disk）、Ｂｌｕ−ｒａｙ（登録商標） Ｄｉｓｃ、光磁気ディスク、フラッシュメモリー、カード型記録媒体等の可搬型の、或いは固定式の記録媒体が挙げられる。また、上記記録媒体は、プリンター２が備える内部記憶装置であるＲＯＭ（Read Only Memory）、ＨＤＤ等の不揮発性記憶装置であってもよい。

また、図１を用いて説明した機能ブロックは、本願発明を理解容易にするために、各装置の機能構成を主な処理内容に応じて分類して示した概略図である。各装置の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、１つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。また、各構成要素の処理は、１つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。また、各構成要素の処理は、１つのプログラムで実現されてもよいし、複数のプログラムで実現されてもよい。

また、図４で示したフローチャートの処理単位は、プリンター２の処理を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって、本願発明が制限されることはない。プリンター２の処理は、処理内容に応じて、さらに多くの処理単位に分割することもできる。また、１つの処理単位がさらに多くの処理を含むように分割することもできる。また、同様の処理が行えれば、上記のフローチャートの処理順序も、図示した例に限られるものではない。

上述した実施形態では、印刷実行コマンドＩＪＣとして、改行を指示するコマンドを例示した。しかしながら、印刷実行コマンドＩＪＣは、これらコマンドに限定されない。

また、上述した実施形態では、プリンター２を、ラインサーマルヘッド２６１を備え、感熱ロール紙Ｒに熱を与えて文字や画像等を印刷するサーマルプリンターを例示した。しかしながら、プリンター２は、サーマルプリンターに限定されず、間欠印刷が発生し得るプリンターであればいずれの形式のプリンターにも本発明を適応できる。

１…印刷システム、２…プリンター（印刷装置）、３…ホストコンピューター、２０…プリンター制御部（制御部）、２１…プリンター記憶部、２２…プリンター入力部、２３…プリンター表示部、２４…プリンター通信部（受信部）、２５…バッファー部、２６…印刷部、３０…ホスト制御部、３１…ホスト記憶部、３２…ホスト通信部、３３…ホスト入力部、３４…ホスト表示部、２０１…カウンター、２５１…受信バッファー、２５２…行バッファー（記憶部）、２５３…複数行バッファー（記憶部）、２６１…ラインサーマルヘッド（ラインヘッド）、２６２…発熱素子、２６３…印刷ヘッド駆動部、２６４…搬送モーター、２６５…カッター駆動モーター、３０１…アプリケーション実行部、３０２…プリンタードライバー実行部、Ｒ…感熱ロール紙（印刷媒体）、ＩＣ…画像印刷用コマンド（第１コマンド）、ＧＩＣ…画像データ指定コマンド、ＩＪＣ…印刷実行コマンド。

Claims (8)

1. コマンドを受信する受信部と、
   印刷媒体に行ごとの印刷を行うラインヘッドと、
   前記ラインヘッドを制御して印刷を実行させる制御部と、を備え、
   前記制御部は、
   前記受信部によって、画像印刷を指示する第１コマンドを受信した場合に、前記第１コマンドにより指定される画像データを記憶部に記憶させ、
   前記第１コマンドは、画像データを含む画像データ指定コマンド、及び、印刷実行を指示する印刷実行コマンドを含み、
   前記受信部によって前記第１コマンドとは異なる第２コマンドを受信した場合に、前記記憶部に記憶された前記画像データに基づき前記ラインヘッドにより前記印刷媒体に画像を印刷させ、
   前記受信部によって前記印刷実行コマンドを受信した回数を計測可能に構成され、前記印刷実行コマンドを受信した回数が１回であるときには、前記ラインヘッドによる印刷を実行させない、
   印刷装置。
2. 前記制御部は、
   前記印刷実行コマンドを受信した回数が２回以上であって、前記第２コマンドを受信したときに、前記記憶部に記憶された前記画像データに基づき前記ラインヘッドにより前記印刷媒体に画像を印刷させる、
   請求項１に記載の印刷装置。
3. 前記制御部は、
   前記記憶部に記憶された前記画像データに基づき前記ラインヘッドにより前記印刷媒体に画像を印刷させる場合に、前記印刷実行コマンドを受信した回数の計測値をリセットする、
   請求項１又は２に記載の印刷装置。
4. 前記制御部は、
   前記印刷実行コマンドに連続して前記第２コマンドを受信したときに、前記記憶部に記憶された前記画像データに基づき前記ラインヘッドにより前記印刷媒体に画像を印刷させる、
   請求項１に記載の印刷装置。
5. 前記第２コマンドは、少なくとも前記画像データ指定コマンドを含まないコマンドである、
   請求項１から４のいずれか一項に記載の印刷装置。
6. 前記制御部は、
   前記記憶部に１行分の印刷用データを格納し、当該印刷用データを前記ラインヘッドにより印刷させる通常モードと、前記記憶部に複数行分の印刷用データを格納し、当該印刷用データを前記ラインヘッドにより印刷させる一括印刷モードとを実行可能であり、
   前記受信部によって前記第１コマンドを受信した場合に、前記一括印刷モードに移行して前記第１コマンドにより指定される前記画像データを前記記憶部に記憶させ、
   前記第２コマンドを受信した場合に、前記記憶部に記憶された前記画像データを前記ラインヘッドにより印刷させて、前記一括印刷モードから前記通常モードに移行する、
   請求項１から５のいずれか一項に記載の印刷装置。
7. 前記ラインヘッドは、前記印刷媒体に熱を与えて画像を形成するサーマルヘッドである、
   請求項１から６のいずれか一項に記載の印刷装置。
8. コマンドを受信する受信部と、印刷媒体に行ごとの印刷を行うラインヘッドと、を備える印刷装置の制御方法であって、
   前記受信部によって、画像印刷を指示する第１コマンドを受信した場合に、前記第１コマンドにより指定される画像データを記憶させ、
   前記第１コマンドは、画像データを含む画像データ指定コマンド、及び、印刷実行を指示する印刷実行コマンドを含み、
   前記受信部によって前記第１コマンドとは異なる第２コマンドを受信した場合に、記憶された前記画像データに基づき前記ラインヘッドにより前記印刷媒体に画像を印刷させ、
   前記受信部によって前記印刷実行コマンドを受信した回数を計測可能に構成され、前記印刷実行コマンドを受信した回数が１回であるときには、前記ラインヘッドによる印刷を実行させない、
   印刷装置の制御方法。
   

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