JP6896486B2 - 透光性遮音パネル、透光性遮音壁 - Google Patents

透光性遮音パネル、透光性遮音壁 Download PDF

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Description

本発明は、高速道路、一般道路、鉄道等の路側部に沿って立設配置され、車両の走行に伴う騒音公害を防止すると共に、外界への視界が開けるように透光性の遮音材を取り付けて構築された透光性遮音壁に関し、特に道路の火災時に透光性パネルが道路外に落下するのを防止する上で好適な透光性遮音壁、並びにこれに適用される透光性遮音パネルに関するものである。
従来より、高速道路、一般道路、鉄道等の路側部には、車両の走行に伴う騒音を防止するために遮音壁が設置されている。特にこの遮音壁においては、外界への視界が開けるようにして車両からの眺望性を向上させる観点から、ガラス等の透光性面板を使用する透光性遮音壁も頻繁に用いられるようになっている。
このような透光性遮音壁を実際に道路等の路側部に立設配置する際には、H形鋼等で構成した支柱の間に上から透光性の面板を嵌め込んで固定する。このとき、上下横枠材と両側縦枠材とによって形成された矩形状枠の挿入溝に、ガラス板からなる遮音板を挿入して固定したパネル本体が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
また特許文献2には、金属等からなる断面コの字状の支持枠の溝部内に、緩衝材を介して、化学処理によりガラス表面を強化した化学強化ガラスを少なくとも含む合わせガラスからなる透明板が装着された遮音パネルが開示されている(例えば、特許文献2、3参照。)。
特開2009−74274号公報 特開2016−75122号公報 特開2015−117513号公報
ところで、このような透光性遮音壁が路側部に設置された道路上で火災が発生し、図25に示すように、透光性パネル175における合わせガラスのガラス板85−1、85−2が高温に曝された場合、当該ガラス板85が熱膨張することになる。熱は、透光性パネル175の縁部175aが挿入される矩形状枠の挿入溝174にも伝わるが、金属製の矩形状枠からある程度放熱される。このため、矩形状枠の挿入溝174に挿入される透光性パネル175の縁部175aは比較的低温のまま熱膨張しない。
このため透光性パネル175は、火災時において、縁部175aと、中央部との間で温度差が生じる。その結果、図26に示すように、透光性パネル175の熱膨張を縁部175aが拘束する状態となり、縁部175aは引張応力が負荷されることとなる。挿入溝174から露出した縁部175aの近傍は、熱膨張しようとするが、この縁部175aの引張応力により拘束されることで逆に圧縮応力が負荷される。その結果、透光性パネル175は、縁部175aと、溝部174から露出した縁部175aの近傍との間で引張応力と圧縮応力が互いに作用する結果、縁部175aの引張応力が許容応力を超えて亀裂が入り、割れてしまう。
特にこの割れた透光性パネル175が道路側とは反対側の民地側に落下した場合は、非常に危険性が高くなる。このため、道路上で火災が発生した場合においても割れた透光性パネルが民地側に落下することを防止することで、道路沿いの民地への安全性を高くすることができる透光性遮音壁が従来より望まれていた。
そこで本発明は、上述した問題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、道路の火災時に透光性パネルが道路外に落下するのを強固に防止することが可能な透光性遮音壁、並びにこれに適用される透光性遮音パネルを提供することにある。
第1発明に係る透光性遮音パネルは、パネル枠を備えた透光性遮音パネルであって、1枚以上の第1ガラス面板と、上記第1ガラス面板の少なくとも一方の面に対して粘着材を介して貼着されてなる第2ガラス面板とを備えた透光性を有する遮音板を有し、上記パネル枠は、上記第1ガラス面板のみを嵌め込んで当該第1ガラス面板の両面をシール可能な所定の幅を有する遮音板装着溝を有し、上記第2ガラス面板は、上記パネル枠と非接触で、遮音板装着溝外となるように配置されることを特徴とする。
第2発明は、第1発明において、上記パネル枠は、上記第2ガラス面板の縁部を上記第1ガラス面板の間で挟むように配置される支持部材が取り付けられていることを特徴とする。
第3発明は、第1発明又は第2発明において、上記第2ガラス面板の端面と、上記パネル枠の開口端面との間隔dが0よりも大きいことを特徴とする。
第4発明は、第1発明〜第3発明の何れかにおいて、上記パネル枠は、上記遮音板装着溝と、これに嵌め込まれる第1ガラス面板との間に形成される断面閉空間に対して外部と通気するための通気部が設けられていることを特徴とする。
第5発明は、第1発明〜第4発明の何れかにおいて、上記第1ガラス面板は、上記第2ガラス面板が貼着される一方の面の反対面が道路側に対面するように配置されることを特徴とする。
第6発明は、第1発明〜 第5発明の何れかにおいて、透光性を有する遮音板を固定するシール材を有し、上記シール材は、上記第1ガラス面板のみ接していることを特徴とする。
上述した構成からなる本発明によれば、火災時において、上枠、下枠、縦枠に一部が挿入される第1ガラス面板と、上枠、下枠、縦枠に挿入されない第2ガラス面板との間で挙動が全く異なるものとなる。第1ガラス面板は上述した引張応力と圧縮応力が互いに負荷される結果、亀裂が入り破損してしまう場合もあるのに対して、何ら拘束を受けない第2ガラス面板は一様に膨張するのみであり、亀裂が入り破損することはない。
特に第1ガラス面板は、粘着材を介して第2ガラス面板に貼着されているため、割れた第1ガラス面板の破片もこの粘着材を介して第2ガラス面板に貼着されている状態となる。この第2ガラス面板そのものは特に亀裂や割れが発生していないことからこれら第1ガラス面板の破片を落下させることなく受け止めることが可能となる。
このとき、第1ガラス面板が内側に、第2ガラス面板が外側となるように配置されることで、割れた第1ガラス面板の破片が粘着材から離間して落下する場合においても、第2ガラス面板により遮られることで外側(民地側)にこれが落下することを防止することができる。その結果、道路沿いの民地に火災によるガラスの破片が落下することを防止でき、安全性を高くすることができる。
本発明の第1実施形態に係る透光性遮音パネルを示す正面図である。 同上の透光性遮音パネルを示す平面図である。 同上の透光性遮音パネルを示す右側面図である。 図1のA−A線端面図である。 図1のB−B線断面図である。 図1のC−C線端面図である。 図6の上枠部分拡大端面図である。 図6の下枠部分拡大端面図である。 図4の縦枠部分拡大端面図である。 本発明の作用効果について説明するための図である。 本発明の作用効果について説明するための他の図である。 割れたガラス面板の破片もこの粘着材を介して他のガラス面板に貼着させる例を示す図である。 上枠について、外壁部の底面に断面矩形状の支持部材を取り付ける例を示す図である。 下枠について、外壁部の上面に断面矩形状の支持部材を取り付ける例を示す図である。 縦枠について、外壁部に断面矩形状の支持部材を取り付ける例を示す図である。 本発明の第2実施形態の動作について説明するための図である。 上枠について、通気孔を設ける例について説明するための図である。 下枠について、通気孔を設ける例について説明するための図である。 縦枠について、通気孔を設ける例について説明するための図である。 図17において、全てのガラス面板を上枠に挿入する例を示す図である。 図18において、全てのガラス面板を下枠に挿入する例を示す図である。 図19において、全てのガラス面板を縦枠に挿入する例を示す図である。 第3実施形態の他の構成例について説明するための図である。 本発明に係る透光性遮音パネルを透光性遮音壁へ適用する際の形態を示す図である。 透光性遮音パネルの従来技術の構成について説明するための図である。 従来技術の問題点について説明するための図である。
以下、本発明の実施形態に係る透光性遮音壁、並びにこれに適用される透光性遮音パネルについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1〜図10を用いて、本発明の第1実施形態に係る透光性遮音パネル1について説明する。先ず、第1実施形態に係る透光性遮音パネル1を例示して説明する。
図1は、第1実施形態に係る透光性遮音パネル1を示す正面図であり、図2は、その平面図、図3は、右側面図である。また、図4は、図1のA−A線端面図であり、図5は、図1のB−B線断面図、図6は、図1のC−C線端面図である。ここで、正面とは、騒音源側となる内側(以下同じ。)から外側に透光性遮音パネルの板面に対して垂直且つ水平に見た状態を指している。
図1〜図6に示すように、本実施形態に係る透光性遮音パネル1は、ガラス面板G1と、このガラス面板G1が嵌め込まれた矩形状の枠体であるパネル枠2など、から主に構成されている。
<透光性遮音パネル>
次に、図7〜図9を用いて、第1実施形態に係る透光性遮音パネル1について説明する。図7〜図9に示すように、本実施形態に係る透光性遮音パネル1は、ガラス面板G1と、これに貼着されるガラス面板G2とを有している。
このガラス面板G1、G2は、いわゆる網入りガラス、フロートガラス、化学強化ガラス等で構成される。中でも化学強化ガラスが最も割れにくいことから、これを適用することが望ましいが、これに限らず他のいかなるガラスが適用されるものであってもよい。ちなみに、化学強化ガラスとは、イオン交換法等の化学処理によりガラスの表面を強化したガラスを指している。イオン交換法とは、例えばフロートガラスを硝酸カリ溶融塩に侵漬することにより、ガラス表面のナトリウムイオンをカリウムイオンに置換して圧縮応力層を形成し、表面強度を向上させる方法である。
このように、透光性遮音パネル1をガラス面板G1、G2とすることにより、透光性遮音パネル1越しに見る像が歪まず、視認性が向上する上、単板のガラスなどと比べても、表面硬度が高いため、傷が付きにくく、耐薬品性や耐候性が極めて高くなる。このため、清掃が容易な上、ポリカーボネイトなどの樹脂板と比べて黄変などの経年劣化が起きにくい。
また、化学強化ガラスを採用することにより、透光性遮音パネル1に求められる所定の耐火性能(例えば、12分間火炎に晒されても燃え抜けが起こらない:NEXCO耐燃性区分IIIの耐火試験に合格する性能)を有するとともに、所定の耐衝撃性能(例えば、所定の重さの鉄球をぶつけても遮音板が飛散せず、破片が1.0g以下の粉状になること:NEXCO衝撃試験に合格する性能)を有することができる。
ガラス面板G1とガラス面板G2とは、互いに粘着材61を介して貼着されてなる。粘着材61は、例えば、PVB樹脂(ブチラール樹脂)、アイオノマー樹脂、EVA(エチレン-酢酸ビニル共重合体)樹脂等で構成されるものであってもよい。
ガラス面板G1とガラス面板G2は、双方共に平面視で矩形となるように構成されている。但し、ガラス面板G2は、図10に示すようにガラス面板G1よりも縦横の長さがやや短くなるように構成されている。
なお、ガラス面板G1は、一枚のガラス板で構成される場合に限定されるものではなく、複数枚のガラス板を重ね合わせることで一つの面板を構成するようにしてもよい。複数枚のガラス板を重ね合わせる際には、上述した粘着材61と同様の材料を介して貼着するようにしてもよい。
<パネル枠>
このパネル枠2は、四辺が何れも長手方向(軸方向)と直交する断面がコの字状に押し出し成形により継ぎ目なく一体成形されたアルミ合金からなるアルマイト製の枠体であり、上枠3と、下枠4と、左右一対の縦枠5など、から構成されている。
(上枠)
図7は、図6の上枠部分拡大端面図である。図7に示すように、上枠3は、開口部を下に向けた断面コの字状の条材であり、上嵌合部30と、内壁部31と、外壁部32など、からなる。また、これらに囲まれた断面コの字状の中央の凹部33が、ガラス面板G1を装着する遮音板装着溝となっている。
上嵌合部30は、上段の別の透光性遮音パネル1の下枠4と嵌合し当接するための部位が形成され、雨水などの降水を外側に排出するために外側に下って傾斜する傾斜面30aが形成されている。
また、この傾斜面30aの内側には、後述の下枠4の下嵌合部40の係止爪40cと係合して上下段の透光性遮音パネル1の枠の内面が面一となるように、内側へ雁行した段部30bが形成されている。なお、符号30cは、上嵌合部30の下部内側面であり、符号30dは、上嵌合部30の下部外側面である。
内壁部31は、上嵌合部30の下部内側面30cと連続してパネル枠2の外側面を構成するように上嵌合部30から下方へ垂設された断面矩形状の部位である。内壁部31の凹部33側の側面31bも同様に下方へ垂設されている。
外壁部32は、上嵌合部30の下部外側面30dと連続してパネル枠2の外側面を構成するように上嵌合部30から下方へ垂設された断面矩形状の部位である。外壁部32の凹部33側の側面32eも同様に下方へ垂設されている。
凹部33は、透光性遮音パネル1を装着するための遮音板装着溝であり、溝幅L1は、ガラス面板G1の板厚に有効シール幅を加えた所定の幅(例えば、ガラス面板G1の板厚+両側6〜15mm程度の有効シール幅加えた25〜50mm程度)となっている。
(下枠)
図8は、図6の下枠部分拡大端面図である。図8に示すように、下枠4は、開口部を上に向けた断面コの字状の条材であり、下嵌合部40と、内壁部41と、外壁部42など、からなる。また、これらに囲まれた断面コの字状の中央の凹部43が、透光性遮音パネル1であるガラス面板G1を装着する遮音板装着溝となっている。
下嵌合部40は、前述の下段の透光性遮音パネル1の上嵌合部30と嵌合する断面台形状の部位であり、その上面が略平で、下面が前述の傾斜面30aと嵌合する同一傾斜の傾斜面40aとなっている。
また、下嵌合部40は、断面台形状の短辺である内側面40bが延伸して突出し、前述の段部30bに掛け止められる係止爪40cが形成されている。そして、この係止爪40cの下端である突端の傾斜面40a側には、曲面加工された突起40dが形成されている。なお、符号40eは、下嵌合部40の外側面である。
内壁部41は、下嵌合部40の内側面40bと連続してパネル枠2の内側面を構成するように下嵌合部40から上方へ突設された断面矩形状の部位である。
外壁部42は、下嵌合部40の外側面40eと連続してパネル枠2の外側面を構成するように下嵌合部40から上方へ突設された断面矩形状の部位である。
凹部43は、透光性遮音パネル1であるガラス面板G1を装着するための遮音板装着溝である。
(縦枠)
図9は、図4の縦枠部分拡大端面図である。図9に示すように、縦枠5は、開口部を横に向けた断面コの字状の条材であり、線対称の左右一対の部材である。この縦枠5は、縦枠外部50と、内壁部51と、外壁部52など、からなる。また、これらに囲まれた断面コの字状の中央の凹部53が、透光性遮音パネル1であるガラス面板G1を装着する遮音板装着溝となっている。
縦枠外部50は、後述の他の部位との境界となる境界プレート50aと、この境界プレート50aの左右の両端に設けられた境界プレート50aと直交する内外一対の側面プレート50bと、からなる、透光性遮音パネル1の面内方向外側に開いた断面コの字状の部位である。また、これらの内外一対の側面プレート50bの突端の内側には、曲面加工された突起50cがそれぞれ形成されている。
そして、この境界プレート50aの略中央には、曲げ剛性を高める断面C字状のC型突起50dが形成されている。
内壁部51は、縦枠外部50の内側の側面プレート50bと連続してパネル枠2の内側面を構成するように縦枠外部50から突設された断面矩形状の部位である。内壁部51は着脱自在とされていてもよく、かかる場合には、この内壁部51はビス57を介して取り付けられていてもよい。
外壁部52は、縦枠外部50の外側の側面プレート50bと連続してパネル枠2の外側面が面一となるように縦枠外部50から突設された断面矩形状の部位である。
凹部53は、透光性遮音パネル1であるガラス面板G1を装着するための遮音板装着溝である。
<パネル枠とガラス面板との接合構造>
このような透光性遮音パネル1のうち、ガラス面板G1のみがパネル枠2の凹部33,43,53の内側面に接着され、ガラス面板G2は、パネル枠2の凹部33,43,53外となるように配置される。ガラス面板G2は、上述したようにガラス面板G1よりも縦横の長さを短く構成することにより、ガラス面板G1の端部が凹部33,43,53に挿入された場合においても、このガラス面板G2は、上枠3、下枠4、縦枠5と当接して互いに干渉することなく配置することが可能となる。
なお、以下の説明においては、ガラス面板G1を装着する際に置いて、内側(道路側)にガラス面板G1が対面するように、外側にガラス面板G2が対面するように配置されることを前提とする。しかし、これに限定されるものではなく、ガラス面板G2を外側に配置し、内側(道路側)にガラス面板G1を配置するようにしてもよい。ちなみに、ここでいう外側とは、いわゆる民地側を意味する。
このガラス面板G1は、図7〜図9に示すように、ゴム弾性体であるシール材S1で、パネル枠2の凹部33,43,53の内側面に接着され、水密性を保持して封止されるとともに弾性支持されている。
本実施形態に係るシール材S1は、ガラス板に対して接着性の高いシリコーンシーラントが採用されている。勿論、ガラス板を有する透光性遮音パネル1を固定するシール材としては、シリコーン系のシール材に限られず、変性シリコーン系などのガラス板に接着可能なシール材やガスケット等であればよいことは云うまでもない。
このシール材S1は、三面接着となって振動により剥がれることがないように、発泡ポリエチレンからなるバックアップ材を、ガラス面板G1と凹部33,43,53との間に詰めた後に充填されて経時的に硬化されることとなる。
また、シール材S1の有効幅は、振動に対抗するためガラス面板G1を弾性支持する観点から3mm以上が好ましく、本実施形態では、6mm〜15mmに設定されている。
本実施形態に係るバックアップ材は、図7〜図9に示すように、発泡ポリエチレンからなる角棒状の外側バックアップ材OBと、発泡ポリエチレンからなる丸棒状の内側バックアップ材IBの2種類のバックアップ材が採用されている。
なお、図5、8の符号SBは、ガラス面板G1の重さを支えるために設置される硬度80度以上の硬質ゴムであるプロピレンゴム(EPDM−S)からなるセッティングブロックである。このセッティングブロックSBの底面には、外側バックアップ材OBと同様に、接着樹脂からなる両面テープが予め接着されており、セッティングブロックSBの仮止めが容易となっている。
なお、外壁部32の底面(以下、開口端面ともいう。)と、ガラス面板G2の上端の端面間の距離をdとしたとき、d>0とされていることが望ましい。外壁部42の上面(以下、開口端面ともいう。)と、ガラス面板G2の下端の端面間の距離をdとしたとき、d>0とされていることが望ましい。外壁部52の端面(以下、開口端面ともいう。)と、ガラス面板G2の端面間の距離をdとしたとき、d>0とされていることが望ましい。
<第1実施形態の動作>
上述した構成からなる本発明において、内側(道路側)において火災が発生するものとする。このとき、図10に示すようにガラス面板G1、G2が高温に曝された場合には、それぞれが熱膨張することになる。ちなみに、この図10における二点鎖線は、凹部33,43,53に挿入されているガラス面板G1の縁部G1aの境界を示している。火災による熱は、ガラス面板G1の縁部G1aが挿入される凹部33,43,53を介して上枠3と、下枠4と、左右一対の縦枠5にも伝わる。しかし、この上枠3、下枠4、縦枠5から構成されるパネル枠2は、アルミ合金等を始めとした金属製であることから、当該パネル枠2からある程度放熱される。このため、凹部33,43,53に挿入されるガラス面板G1の縁部G1aは比較的低温のまま熱膨張しない。このためガラス面板G1は、火災時において、凹部33,43,53に挿入される縁部G1aと、それ以外の領域との間で温度差が生じる。その結果、図10に示すように、ガラス面板G1の熱膨張を縁部G1aが拘束する状態となり、縁部G1aは引張応力が負荷されることとなる。凹部33,43,53から外側に露出した縁部G1aの近傍は、熱膨張しようとするが、この縁部G1aの引張応力により拘束されることで逆に圧縮応力が負荷される。その結果、図11に示すように、ガラス面板G1は、縁部G1aと、凹部33,43,53から露出した縁部G1aの近傍との間で引張応力と圧縮応力が互いに作用する結果、縁部G1aの引張応力が許容応力を超えて亀裂が入り、割れてしまう。
これに対して、ガラス面板G2は、その縁部が凹部33,43,53に挿入されることはない。このためガラス面板G2は、火災時において、縁部と、それ以外の領域との間で温度差が生じることなく、一様に熱膨張することとなる。その結果、ガラス面板G2は、自身の熱膨張が縁部により拘束されることが無くなり、縁部に引張応力が負荷されることや、それに追従するための圧縮応力が負荷されることも無くなる。即ち、ガラス面板G2は、火災時において特に圧縮応力や引張応力を受けることも無くなり、許容応力を超えることによる亀裂が発生することも無くなる。
このように火災時では、上枠3、下枠4、縦枠5に一部が挿入されるガラス面板G1と、上枠3、下枠4、縦枠5に挿入されないガラス面板G2との間で挙動が全く異なるものとなる。ガラス面板G1は上述した引張応力と圧縮応力が互いに負荷される結果、亀裂が入り破損してしまう場合もあるのに対して、何ら拘束を受けないガラス面板G2は一様に膨張するのみであり、亀裂が入り破損することはない。
図12に示すようにガラス面板G1は、粘着材61を介してガラス面板G2に貼着されているため、割れたガラス面板G1の破片もこの粘着材61を介してガラス面板G2に貼着されている状態となる。このガラス面板G2そのものは特に亀裂や割れが発生していないことからこれらガラス面板G1の破片を落下させることなく受け止めることが可能となる。
このとき、ガラス面板G1が内側に、ガラス面板G2が外側となるように配置されることで、割れたガラス面板G1の破片が粘着材61から離間して落下する場合においても、ガラス面板G2により遮られることで外側(民地側)にこれが落下することを防止することができる。その結果、道路沿いの民地に火災によるガラスの破片が落下することを防止でき、安全性を高くすることができる。
なお、粘着材61については、弾性力のある材料で構成することにより、ガラス面板G1に発生する引張応力と圧縮応力を緩和することができることから、これらの応力がガラス面板G2へ伝達することを防止することができ、ひいてはガラス面板G2に対して亀裂が入ることを防止することができる。
またd>0とされていることにより、ガラス面板G2の端面と、上枠3、下枠4、縦枠5の各開口端面とが互いに非接触となるような状態を作り出すことができる。これにより上枠3、下枠4、縦枠5からの荷重がガラス面板G2に直接的に伝達されることを防止することが可能となる。d=0の場合には、ガラス面板G1において上述した引張応力や圧縮応力が発生すると、これに応じて上枠3、下枠4、縦枠5からガラス面板G2に負荷がかかる場合もあるが、d>0とすることで、このような負荷によりガラス面板G2が破損するのを防止することができる。
ちなみにこのdは、10mm以上とされていることが望ましい。その理由として、dが10mm以上とされていることで、シール材S1を注入する上で必要なノズルを挿入することが可能となるためである。更に理想的にはdは15mm程度とされていることが望ましい。
[第2実施形態]
図13〜図16を用いて、本発明の第2実施形態に係る透光性遮音パネル1について説明する。この第2実施形態において、上述した第1実施形態と同一の構成要素、部材に関しては同一の符号を付すことにより、以下での説明を省略する。
図13は、図6の上枠部分拡大端面図であり、図14は、図6の下枠部分拡大端面図であり、図15は、図4の縦枠部分拡大端面図である。第2実施形態では、各上枠3、下枠4、縦枠5に対して、支持部材76を取り付ける。支持部材76は、パネル枠2と同様にアルミ合金等を始めとした金属で構成されている。
上枠3については図13に示すように、外壁部32の底面に断面矩形状の支持部材76を取り付ける。この支持部材76は、ビスズ77等により、この外壁部32に取り付けられる。
下枠4については図14に示すように、外壁部42の上面に断面矩形状の支持部材76を取り付ける。この支持部材76は、ビス77等により、この外壁部42に取り付けられる。
縦枠5については図15に示すように、外壁部52に断面矩形状の支持部材76を取り付ける。この支持部材76は、ビス77等により、この外壁部52に取り付けられる。
何れの場合においても、この支持部材76は、ガラス面板G2よりも外側に設けられる。また支持部材76は、ガラス面板G2をガラス面板G1との間で挟むようにして配置されることが前提となる。このとき、支持部材76は、少なくともガラス面板G2の縁部のみをガラス面板G1との間で挟むように配置していればよい。
なお支持部材76はガラス面板G2の縁部に対して接触するようにして配置されていてもよいし、当該ガラス面板G2の縁部に対して離間するように配置されていてもよい。
<第2実施形態の動作>
上述した構成からなる第2実施形態において、内側(道路側)において火災が発生した場合におけるガラス面板G1とガラス面板G2の各挙動は、上述した第1実施形態と同様である。しかしながら、火災による熱が長い時間に亘り継続して加わると、図16に示すように、粘着材61が解けきってしまう場合もある。また火災による熱により、ガラス面板G2が貼着されているガラス面板G1が全て破損してしまう場合もある。かかる場合には、そもそもガラス面板G1のみにしか固定されていないガラス面板G2において、一切の固定手段の喪失を意味するものであることから、ガラス面板G2自体が場合によっては図中矢印に示す外側に落下してしまうことになる。しかしながら、第2実施形態は、支持部材76が、少なくともガラス面板G2の縁部のみをガラス面板G1との間で挟むように配置されていることから、ガラス面板G2が支持部材76により外側から支持されることになる。その結果、ガラス面板G2自体が外側に落下してしまうのを、この支持部材76を介して防止することが可能となる。その結果、道路沿いの民地に火災によるガラスの破片が落下することを防止でき、安全性を高くすることができる。
この第2実施形態においても同様にd>0とされていてもよいが、このdがあまりに大きすぎると、ガラス面板G2がガラス面板G1よりも縦横の長さが相当短くなり、その結果、ガラス面板G2をガラス面板G1と挟み込むための支持部材76をその分大きくしなければならなくなる。支持部材76を大きくすればその分においてガラス面板G1、G2からの視界が遮られることになる。このため、この第2実施形態においてdは100mm以下とされていることが望ましい。
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態に係る透光性遮音パネル1について説明する。この第3実施形態において、上述した第1実施形態と同一の構成要素、部材に関しては同一の符号を付すことにより、以下での説明を省略する。
図17は、図6の上枠部分拡大端面図であり、図18は、図6の下枠部分拡大端面図であり、図19は、図4の縦枠部分拡大端面図である。第3実施形態では、上枠3に対して通気孔101〜104を設け、下枠4に対して通気孔111〜114を設け、縦枠5に対して通気孔121〜124を設ける。
通気孔101は、上嵌合部30の下部内側面30cに形成される貫通孔である。通気孔102は、上嵌合部30における下面で、かつ凹部33を隔てる底壁39に形成される貫通孔である。通気孔103は、内壁部31の内側の面において形成される貫通孔である。通気孔104は、内壁部31の凹部33を隔てる面において形成される貫通孔である。
通気孔101、102を通じて凹部33は外部との間で通気性を確保することができ、図中矢印に示す経路で空気が出入りすることになる。同様に通気孔103、104を通じて凹部33は外部との間で通気性を確保することができ、図中矢印に示す経路で空気が出入りすることになる。
通気孔111は、内壁部41の内側の面において形成される貫通孔である。通気孔112は、内壁部41において凹部43を隔てる面に形成される貫通孔である。通気孔113は、下嵌合部40の内側面40bに形成される貫通孔である。通気孔114は、下嵌合部40における上面で、かつ凹部43を隔てる上壁49において形成される貫通孔である。
通気孔111、112を通じて凹部43は外部との間で通気性を確保することができ、図中矢印に示す経路で空気が出入りすることになる。同様に通気孔113、114を通じて凹部43は外部との間で通気性を確保することができ、図中矢印に示す経路で空気が出入りすることになる。
通気孔121は、内壁部51の内側の面において形成される貫通孔である。通気孔122は、内壁部51において凹部53を隔てる面に形成される貫通孔である。通気孔123は、縦枠外部50の側面プレート50bに形成される貫通孔である。通気孔124は、縦枠外部50の境界プレート50aに形成される貫通孔である。
通気孔121、122を通じて凹部53は外部との間で通気性を確保することができ、図中矢印に示す経路で空気が出入りすることになる。同様に通気孔123、124を通じて凹部53は外部との間で通気性を確保することができ、図中矢印に示す経路で空気が出入りすることになる。
<第3実施形態の動作>
上述した構成からなる第3実施形態において、内側(道路側)において火災が発生した場合において、この第3実施形態においてはガラス面板G1自体に亀裂が入り、破損することを抑制するように作用する。
この第3実施形態において、火災によりガラス面板G1、G2が高温に曝された場合には、それぞれが熱膨張することになる。火災による熱は、ガラス面板G1の縁部が挿入される凹部33,43,53を介して上枠3と、下枠4と、左右一対の縦枠5にも伝わる。しかし、通気孔101〜104を通じて上枠3の凹部33から冷気が抜けると共に火災による熱気が入り、通気孔111〜114を通じて下枠4の凹部43から冷気が抜けると共に火災による熱気が入り、通気孔121〜124を通じて縦枠5の凹部53から冷気が抜けると共に火災による熱気が入る。その結果、ガラス面板G1は、火災時において、凹部33,43,53に挿入される縁部G1aと、それ以外の領域との間で温度差が生じことが殆ど無くなる。これによりガラス面板G1の熱膨張を縁部G1aが拘束することなく、縁部G1aは引張応力が負荷されることも殆ど無くなり、縁部G1aの近傍において逆に圧縮応力が負荷されることが無くなる。即ちガラス面板G1は、内部に温度差が生じることなく一様に熱膨張することとなる。その結果、ガラス面板G1に亀裂が入ることによる破損を防止することができる。
ガラス面板G2も同様に、火災による熱で一様に熱膨張する結果、火災時において特に圧縮応力や引張応力を受けることも無くなり、許容応力を超えることによる亀裂が発生することも無くなる。
このように第3実施形態においては、火災時において、ガラス面板G1、G2ともに同様に挙動で熱膨張するに過ぎず、ガラス面板G1自体に亀裂が入り、破損することを抑制することができる。
<第3実施形態の他の構成>
図20は、図6の上枠部分拡大端面図であり、図21は、図6の下枠部分拡大端面図であり、図22は、図4の縦枠部分拡大端面図である。第3実施形態では、上枠3に対して通気孔101〜104を設け、下枠4に対して通気孔111〜114を設け、縦枠5に対して通気孔121〜124を設ける点は、上述と同様である。
この例では、ガラス面板G1に加えて、ガラス面板G2についても同様にパネル枠2の凹部33,43,53に挿入され、内側面に接着される。ガラス面板G2は、ガラス面板G1と縦横の長さをほぼ同一としておくことで実現できる。凹部33,43,53を構成する各遮音板装着溝は、ガラス面板G1の一の面及びガラス面板G2の他方の面をシール可能な所定の幅を有する。
火災によりガラス面板G1、G2が高温に曝された場合には、通気孔101〜104、111〜114、121〜124から冷気が抜けると共に火災による熱気が入り、ガラス面板G1、G2ともに局所的に温度差が殆ど無く一様に熱膨張することとなる。その結果、ガラス面板G1、G2に亀裂が入ることによる破損を防止することができる。
図23は、図20の更なる変形形態であり、ガラス面板G2の構成を省略したものである。下枠4、縦枠5の図示は省略するが、同様にガラス面板G2を省略し、ガラス面板G1のみがパネル枠2の凹部33,43,53に挿入され、内側面に接着される。
火災によりガラス面板G1が高温に曝された場合には、通気孔101〜104から冷気が抜けると共に火災による熱気が入り、ガラス面板G1が局所的に温度差が殆ど無く一様に熱膨張することとなる。その結果、ガラス面板G1に亀裂が入ることによる破損を防止することができる。
[透光性遮音壁への適用形態]
本発明に係る透光性遮音パネル1を透光性遮音壁へ適用する際の形態を図24に示す。この図24に示すように、コンクリート製のベース202上に立設された複数の支柱203と、この支柱203間に取り付けられた透光性遮音パネル1を備えている。
支柱203は、ウェブ233の両端に一対のフランジ231、232が連設されたH形鋼からなる。支柱203の下端はコンクリート製のベース202に埋め込まれているため、強固にかつ安定した状態で固定されている。支柱203の立設間隔は、これに取り付けられる透光性遮音パネル1の幅に対応した所定長とされる。また支柱203は、隣接する他の支柱203との間で、H形鋼のウェブ233を互いに対向させつつ離間させて配置される。H形鋼のフランジ231、232間に透光性遮音パネル1における縦枠5が嵌め込まれることとなる。
以下、本発明を適用した透光性遮音パネル1の作用効果を確認する上で行った実験的検証について説明をする。
実験的検証は、以下の表1に示す比較例1、2、本発明例1〜4の試験体を製作し、実際の火災を想定した燃焼試験を通じて行った。
Figure 0006896486
比較例1、本発明例1、2は、何れもガラス面板G1として網入りガラス、ガラス面板G2として化学強化ガラスを用いている。比較例1は、このガラス面板G1、G2の両方をパネル枠2の凹部33,43,53に挿入して内側面を接着したものである。本発明例1は、このガラス面板G1のみをパネル枠2の凹部33,43,53に挿入して内側面を接着し、ガラス面板G2はパネル枠2外としたものである。本発明例2は、このガラス面板G1のみをパネル枠2の凹部33,43,53に挿入して内側面を接着し、ガラス面板G2はパネル枠2外とした上で、支持部材76を取り付けた例である。ちなみに、この比較例1、本発明例1、2は何れもガラス面板G1を一枚のガラスで構成したものである。ガラス面板G1と、ガラス面板G2間の粘着材61は、アイオノマー系樹脂を用いている。
これに対して、比較例2、本発明例3、4は何れもガラス面板G1を2枚のガラスで構成している。即ち、比較例2、本発明例3、4は、ガラス面板G1につき、内側から順に網入りガラス、化学強化ガラスを配置している。最外側にあるガラス面板G2は、化学強化ガラスである。比較例2は、このガラス面板G1、G2の全てをパネル枠2の凹部33,43,53に挿入して内側面を接着したものである。本発明例3は、2枚のガラス面板G1のみをパネル枠2の凹部33,43,53に挿入して内側面を接着し、ガラス面板G2はパネル枠2外としたものである。本発明例4は、2枚のガラス面板G1のみをパネル枠2の凹部33,43,53に挿入して内側面を接着し、ガラス面板G2はパネル枠2外とした上で、支持部材76を取り付けた例である。ガラス面板G1における網入りガラス、化学強化ガラス間の粘着材61は、アイオノマー系樹脂を用いている。またガラス面板G1と、ガラス面板G2間の粘着材61は、アイオノマー系樹脂を用いている。
燃焼実験における加熱条件は、ISO834−1の標準加熱温度曲線に基づいて行った。パネルの大きさは、高さ1m×幅2mを使用した。
本燃焼試験における評価項目Aとしては、先ずガラス面板G1、G2が共に割れるまでの時間を測定した。また評価項目Bとしては、燃焼試験における炎がこのガラス面板G1、G2を通り、ガラス面板G2の外側から火を噴くまでの時間を測定した。
評価項目Aでは、ガラス面板G1、G2が共に割れるまでの時間が5分未満であれば×の評価とし、またガラス面板G1、G2が共に割れるまでの時間が5分以上10分未満の場合は○の評価とし、ガラス面板G1、G2が共に割れるまでの時間が10分以上の場合は◎の評価としている。
また評価項目Bでは、燃焼試験における炎がこのガラス面板G1、G2を通り、ガラス面板G2の外側から火を噴くまでの時間が10分未満の場合は、×の評価とし、当該時間が10分以上の場合には○の評価としている。
表1に評価項目Aの結果を示す。比較例1、2は、燃焼実験の結果、ガラス面板G1、G2共に1分以内に割れてしまった。本発明例1、3は、燃焼実験の結果、8分間に亘り連続的に加熱し続けても、ガラス面板G2は割れなかった。本発明例2、4は、燃焼実験の結果、10分間に亘り連続的に加熱し続けても割れなかった。なお本発明例1〜4は、ガラス面板G1の一部には亀裂が入ったが、ガラス面板G2が割れなかったため、ガラス面板G1、G2を合わせた状態とした場合には割れていないものと判定した。このため評価項目Aでは、比較例1、2の評価が×となり、本発明例1、3の評価は○となり、本発明例2、4の評価は◎となった。
表1に評価項目Bの結果を示す。比較例1、2は、燃焼実験の結果、炎がこのガラス面板G1、G2を通りぬけるまでの時間は、加熱開始から8分であった。また本発明例1、3は、燃焼実験の結果、炎がこのガラス面板G1、G2を通りぬけるまでの時間は、加熱開始から8分であった。本発明例1、3は、ガラス面板G2は炎により割れなかったもの、ガラス面板G1が割れてしまったために、これと一緒に抜け落ちてしまい、これにより炎は通り抜けてしまっていた。本発明例2、4は、燃焼実験の結果、加熱開始10分経過後も炎がこのガラス面板G1、G2を通りぬけることは無かった。特に本発明例2、4は、粘着材61の一部が焼失したが、ガラス面板G2は、支持部材76によって支持されており、炎が通り抜けることは無かった。このため評価項目Bでは、比較例1、2、本発明例1、3の評価は×となり、本発明例2、4の評価は○となった。
ちなみに評価項目A、Bの何れも×の場合は、総評を×としており、評価項目A、Bのうち何れか一方が×であり他方が○以上の場合は、総評を○としている。更に評価項目、評価項目共に○以上であれば、総評を◎としている。
比較例1、2は、共に総評が×であり、本発明例1、3は共に総評が○であり、本発明例2、4は共に総評が◎であった。
このため、本発明例1〜4では、道路の火災時においてガラス面板G1、G2の落下防止性に優れていることを実験的に検証することができた。更に本発明例2、4では、火災時において炎の通り抜けを強固に防止できることを実験的に検証することができた。
1 透光性遮音パネル
2 パネル枠
3 上枠
4 下枠
5 縦枠
30 上嵌合部
31、41、51 内壁部
32、42、52 外壁部
33、43、53 凹部
39 底壁
40 下嵌合部
49 上壁
50 縦枠外部
61 粘着材
74 溝部
75 側縁部
76 支持部材
77 ビス
85 ガラス板
G1、G2 ガラス面板
G2 ガラス面板
IB 内側バックアップ材
OB 外側バックアップ材
S1 シール材
SB セッティングブロック
101〜104、111〜114、121〜124 通気孔
202 ベース
203 支柱
231 フランジ
233 ウェブ

Claims (6)

  1. パネル枠を備えた透光性遮音パネルであって、
    1枚以上の第1ガラス面板と、上記第1ガラス面板の少なくとも一方の面に対して粘着材を介して貼着されてなる第2ガラス面板とを備えた透光性を有する遮音板を有し
    上記パネル枠は、上記第1ガラス面板のみを嵌め込んで当該第1ガラス面板の両面をシール可能な所定の幅を有する遮音板装着溝を有し、上記第2ガラス面板は、上記パネル枠と非接触で、遮音板装着溝外となるように配置されること
    を特徴とする透光性遮音パネル。
  2. 上記パネル枠は、上記第2ガラス面板の縁部を上記第1ガラス面板の間で挟むように配置される支持部材が取り付けられていること
    を特徴とする請求項1記載の透光性遮音パネル。
  3. 上記第2ガラス面板の端面と、上記パネル枠の開口端面との間隔dが0よりも大きいこと
    を特徴とする請求項1又は2記載の透光性遮音パネル。
  4. 上記パネル枠は、上記遮音板装着溝と、これに嵌め込まれる第1ガラス面板との間に形成される断面閉空間に対して外部と通気するための通気部が設けられていること
    を特徴とする請求項1〜3のうち何れか1項記載の透光性遮音パネル。
  5. 上記第1ガラス面板は、上記第2ガラス面板が貼着される一方の面の反対面が道路側に対面するように配置されること
    を特徴とする請求項1〜4のうち何れか1項記載の透光性遮音パネル。
  6. 透光性を有する遮音板を固定するシール材を有し、
    上記シール材は、上記第1ガラス面板のみ接していること
    を特徴とする請求項1〜5のうち何れか1項記載の透光性遮音パネル。
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