JP6896107B2 - アンテナ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、導波管を伝搬する電力とマイクロストリップ線路を伝搬する電力とを相互に変換可能なアンテナ装置に関する。
導波管マイクロストリップ線路変換器は、導波管とマイクロストリップ線路とを接続し、導波管からマイクロストリップ線路へ、あるいはマイクロストリップ線路から導波管へ信号を伝送する。導波管マイクロストリップ線路変換器は、マイクロ波帯あるいはミリ波帯の高周波信号を伝送するアンテナ装置において広く用いられている。
誘電体基板の両面のうち一方の面には地導体、他方の面にはマイクロストリップ線路が設けられた導波管マイクロストリップ線路変換器が知られている。地導体には、導波管の開口端が接続される。特許文献1には、地導体と、マイクロストリップ線路に接続された導体板とが、誘電体基板に埋め込まれた導通構造を介して電気的に接続されている導波管マイクロストリップ線路変換器が開示されている。導通構造は、導波管の開放端を囲むように配置された複数のスルーホールによって形成される。
特許第5289551号公報
導波管マイクロストリップ線路変換器は、高い電気性能を安定して得ること、および信頼性を高めることが要求されている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、高い電気性能を安定して得ることができ、かつ信頼性を向上可能とするアンテナ装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかるアンテナ装置は、導波管マイクロストリップ線路変換器と、導波管マイクロストリップ線路変換器に接続されたアンテナ素子と、を有する。導波管マイクロストリップ線路変換器は、開口端を有する導波管と、開口端に向けられた第1の面と第1の面とは逆側の第2の面とを有する誘電体基板と、第1の面に設けられており開口端が接続されるとともに、開口端の縁部により囲まれた領域にスロットが設けられている地導体と、第2の面に設けられた線路導体とを備える。線路導体は、第1の線路幅のマイクロストリップ線路である第1の部位と、スロットの直上に位置し、第1の線路幅より大きい第2の線路幅の第2の部位と、第2の部位から第1の方向へ延ばされており、第1の部位と第2の部位との間におけるインピーダンス整合を担う第3の部位とを有する。第3の部位の第1の方向における両端のうちの1つの端は第2の部位に繋げられている。第1の部位は、第3の部位の両端のうちの他の端に続けて第1の方向に垂直な第2の方向へ延ばされている。第3の部位のうち他の端を含む部分の線路幅は、第1の線路幅より大きい第1の部位の第1の方向における1つの端と第3の部位の他の端とが1つの直線をなすことによって、第1の部位と第3の部位との間の線路幅が不連続である部分と線路導体の折り曲げ箇所とが一体とされている。アンテナ素子は、第1の部位の第2の方向における1つの端に繋げられている。
本発明にかかるアンテナ装置は、高い電気性能を安定して得ることができ、信頼性を向上できるという効果を奏する。
本発明の実施の形態1にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器の外観構成を示す上面図 実施の形態1にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器の内部構成を示す断面図 図1に示す導波管マイクロストリップ線路変換器が有する導波管の外観構成を示す斜視図 図1に示す導波管マイクロストリップ線路変換器が有する地導体の平面図 図1に示す導波管マイクロストリップ線路変換器が有する線路導体の平面図 図1に示す導波管マイクロストリップ線路変換器が有するスロットの変形例を示す図 実施の形態1にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器の一つの応用例を示す断面図 実施の形態1の第1変形例にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器が有する線路導体の平面図 実施の形態1の第2変形例にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器が有する線路導体の平面図 実施の形態1の第3変形例にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器が有する線路導体の平面図 本発明の実施の形態2にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器の外観構成を示す上面図 図11に示す導波管マイクロストリップ線路変換器が有する線路導体の平面図 本発明の実施の形態3にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器の外観構成を示す上面図 図13に示す導波管マイクロストリップ線路変換器が有する線路導体の平面図 実施の形態3の第1変形例にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器が有する線路導体の平面図 実施の形態3の第2変形例にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器が有する線路導体の平面図 実施の形態3の第3変形例にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器が有する線路導体の平面図 本発明の実施の形態4にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器の外観構成を示す上面図 図18に示す導波管マイクロストリップ線路変換器が有する線路導体の平面図 本発明の実施の形態5にかかるアンテナ装置の平面図 実施の形態5の変形例にかかるアンテナ装置の平面図 本発明の実施の形態6にかかるアンテナ装置の平面図 図22に示すアンテナ装置が有するアンテナ素子の放射パターンの例を示す図 実施の形態6の第1変形例にかかるアンテナ装置の平面図 実施の形態6の第2変形例にかかるアンテナ装置の平面図 実施の形態6の第3変形例にかかるアンテナ装置の平面図 本発明の実施の形態7にかかるアンテナ装置の平面図 本発明の実施の形態8にかかるアンテナ装置の平面図 本発明の実施の形態9にかかるアンテナ装置の平面図 本発明の実施の形態10にかかるアンテナ装置の平面図
以下に、本発明の実施の形態にかかるアンテナ装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器10の外観構成を示す上面図である。図2は、実施の形態1にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器10の内部構成を示す断面図である。図1では、実線で示された構成よりも紙面奥側に設けられている構成を破線により示している。
X軸、Y軸およびZ軸は、互いに垂直な3軸とする。X軸に平行な方向を第1の方向であるX軸方向、Y軸に平行な方向を第2の方向であるY軸方向、Z軸に平行な方向を第3の方向であるZ軸方向とする。X軸方向のうち図中矢印で示す方向をプラスX方向、プラスX方向とは逆の方向をマイナスX方向とする。Y軸方向のうち図中矢印で示す方向をプラスY方向、プラスY方向とは逆の方向をマイナスY方向とする。Z軸方向のうち図中矢印で示す方向をプラスZ方向、プラスZ方向とは逆の方向をマイナスZ方向とする。
導波管マイクロストリップ線路変換器10は、開口端16を有する導波管14と、開口端16に向けられた第1の面S1と第1の面S1とは逆側の第2の面S2とを有する誘電体基板11とを備える。導波管マイクロストリップ線路変換器10は、第1の面S1に設けられており開口端16が接続された地導体12と、第2の面S2に設けられた線路導体13とを備える。なお、図2には、図1に示すII−II線における導波管マイクロストリップ線路変換器10の断面構成のうち導波管14を中心とする部分を示している。
導波管マイクロストリップ線路変換器10は、導波管14を伝搬する電力と線路導体13を伝搬する電力とを相互に変換可能とする。導波管14と線路導体13とは、高周波信号を伝送する伝送路である。地導体12は、開口端16の縁部である開口縁部18により囲まれた領域に形成されたスロット15を有する。第1の面S1および第2の面S2は、いずれもX軸およびY軸に平行な面とする。導波管14の管軸方向は、Z軸方向とする。管軸は、導波管14の中心線である。
図3は、図1に示す導波管マイクロストリップ線路変換器10が有する導波管14の外観構成を示す斜視図である。導波管14は、矩形のXY断面をなす方形導波管であって、中空の金属管からなる。導波管14のXY断面は、Y軸に平行な長辺とX軸に平行な短辺とを備える長方形である。導波管14では、金属材料で構成された管壁19で囲まれた内部空間にて電磁波が伝搬する。開口端16は、導波管14のうち管軸方向における1つの端であって、導波管14のXY断面と同じ形状の開口縁部18を備える。開口縁部18は、地導体12に接続される短絡面となる。導波管14のうち管軸方向における他方の端である入出力端17では、導波管14にて伝搬させる高周波信号が入力され、あるいは導波管14にて伝搬した高周波信号が出力される。
なお、開口縁部18と地導体12との接続は、地導体12と開口縁部18とを直接接触させたことによる接続に限られない。開口縁部18と地導体12とは、高周波信号を変換可能に接続されていれば良く、互いに非接触であっても良い。開口縁部18と地導体12とは、開口縁部18と地導体12との間にチョーク構造などが設けられることにより互いに接続されても良い。
実施の形態1において導波管14の構成は任意であるものとする。導波管14は、金属材料で構成された管壁19に代えて、複数のスルーホールが形成された誘電体基板を備えたものであっても良い。また、導波管14は、管壁19で囲まれた内部が誘電体材料によって充填されたものであっても良い。導波管14は、XY断面における角部に曲率を持たせた形状の導波管、繭形の断面形状の導波管、またはリッジ型導波管であっても良い。
誘電体基板11は、樹脂材料で構成された平板部材である。地導体12は、誘電体基板11の第1の面S1の全体に設けられている。スロット15は、地導体12のうち開口端16の開口縁部18で囲まれるXY領域内において、地導体12の材料である導体が除かれて形成されている。1つの例では、地導体12は、導電性金属箔である銅箔を第1の面S1に圧着することにより形成される。スロット15は、第1の面S1に圧着された銅箔をパターニングすることにより形成される。線路導体13は、誘電体基板11の第2の面S2において、導波管14の開口の直上を通過するように設けられている。線路導体13は、第2の面S2に圧着された銅箔をパターニングすることにより形成される。地導体12および線路導体13は、あらかじめ成形されてから誘電体基板11に取り付けられた金属板であっても良い。
図4は、図1に示す導波管マイクロストリップ線路変換器10が有する地導体12の平面図である。スロット15は、地導体12の一部を除去して形成された開口部分である。スロット15は、X軸方向よりもY軸方向が長い平面形状をなす。スロット15は、Y軸方向における両端に位置する端部22と、端部22同士の間の中央部21とを備える。端部22のX軸方向の幅は、中央部21のX軸方向の幅よりも大きい。図4に示すスロット15の形状を、適宜「H形状」と称する。中央部21は、線路導体13の直下に位置する。
端部22のX軸方向の幅を中央部21のX軸方向の幅よりも大きくしたことで、端部22では電界が弱められる一方、中央部21では電界が強められる。スロット15のうち線路導体13の直下に位置する中央部21における電界が強められることで、導波管14の開口端16と線路導体13との間の電磁結合が強められる。これにより、導波管マイクロストリップ線路変換器10は、導波管14および線路導体13の間において効率良く電力を変換することができる。
図1に示すように、線路導体13は、マイクロストリップ線路35である第1の部位と、スロット15の直上に位置する変換部31である第2の部位と、第1の部位および第2の部位の間の第3の部位とを含む。第3の部位は、マイクロストリップ線路35および変換部31の間におけるインピーダンス整合を担う複数のインピーダンス変成部である第1、第2および第3のインピーダンス変成部32,34,33を含む。線路導体13は、変換部31から分岐された分岐部位である2つのスタブ36を含む。
変換部31は、線路導体13のうちX軸方向における中心に位置する。変換部31は、線路導体13のうち、導波管14との間における電力変換を担う部位である。第1のインピーダンス変成部32は、X軸方向における変換部31の隣に位置する。第3のインピーダンス変成部33は、X軸方向における第1のインピーダンス変成部32の隣であって、第1のインピーダンス変成部32から見て変換部31とは逆側に位置する。第2のインピーダンス変成部34は、第3のインピーダンス変成部33とマイクロストリップ線路35との間に位置している。実施の形態1において、マイクロストリップ線路35は、導波管マイクロストリップ線路変換器10の外部から線路導体13への高周波信号の入力と、線路導体13から導波管マイクロストリップ線路変換器10の外部への高周波信号の出力とを担う。
2つのスタブ36は、X軸方向における変換部31の中心位置に設けられている。1つのスタブ36は、変換部31のプラスY方向側の端からプラスY方向へ延ばされている。もう1つのスタブ36は、変換部31のマイナスY方向側の端からマイナスY方向へ延ばされている。各スタブ36のうち変換部31側とは逆側の端37は、開放端である。X軸方向におけるスタブ36の中心位置は、X軸方向におけるスロット15の中心位置と一致している。端38は、X軸方向における第2のインピーダンス変成部34の端である。端39は、X軸方向におけるマイクロストリップ線路35の端である。
図5は、図1に示す導波管マイクロストリップ線路変換器10が有する線路導体13の平面図である。図5では、参考として、スロット15を破線により示している。線路導体13には、変換部31を中心に、X軸方向における一方の側であるプラスX方向側に位置する第3の部位と、X軸方向における他方の側であるマイナスX方向側に位置する第3の部位とが設けられている。変換部31のプラスX方向側に位置する第3の部位は、第1、第2および第3のインピーダンス変成部32−1,34−1,33−1を含む。変換部31のマイナスX方向側に位置する第3の部位は、第1、第2および第3のインピーダンス変成部32−2,34−2,33−2を含む。なお、第1のインピーダンス変成部32とは、第1のインピーダンス変成部32−1,32−2の各々を区別せずに称したものとする。第2のインピーダンス変成部34とは、第2のインピーダンス変成部34−1,34−2の各々を区別せずに称したものとする。第3のインピーダンス変成部33とは、第3のインピーダンス変成部33−1,33−2の各々を区別せずに称したものとする。
線路導体13は、変換部31のプラスX方向側に位置する第3の部位からY軸方向へ延ばされているマイクロストリップ線路35−1と、変換部31のマイナスX方向側に位置する第3の部位からY軸方向へ延ばされているマイクロストリップ線路35−2とを有する。マイクロストリップ線路35−1は、第2のインピーダンス変成部34−1からプラスY方向へ延ばされている。マイクロストリップ線路35−2は、第2のインピーダンス変成部34−2からプラスY方向へ延ばされている。
マイクロストリップ線路35−1は、線路導体13に含まれる第1のマイクロストリップ線路であって、変換部31を中心にX軸方向における一方の側であるプラスX方向側に位置する。マイクロストリップ線路35−2は、線路導体13に含まれる第2のマイクロストリップ線路であって、変換部31を中心にX軸方向における他方の側であるマイナスX方向側に位置する。なお、マイクロストリップ線路35とは、マイクロストリップ線路35−1,35−2の各々を区別せずに称したものとする。
変換部31のプラスX方向側に位置する第3の部位のX軸方向における両端のうちの1つの端は、第1のインピーダンス変成部32−1のマイナスX方向側の端であって、変換部31に繋げられている。当該第3の部位の両端のうちの他の端は、第2のインピーダンス変成部34−1のプラスX方向側の端38−1である。マイクロストリップ線路35−1は、端38−1に続けてY軸方向へ延ばされている。図5に示す平面構成において、端38−1と、マイクロストリップ線路35−1のプラスX方向側の端39−1とは、Y軸方向の1つの直線をなす。
変換部31のマイナスX方向側に位置する第3の部位のX軸方向における両端のうちの1つの端は、第1のインピーダンス変成部32−2のプラスX方向側の端であって、変換部31に繋げられている。当該第3の部位の両端のうちの他の端は、第2のインピーダンス変成部34−2のマイナスX方向側の端38−2である。マイクロストリップ線路35−2は、端38−2に続けてY軸方向へ延ばされている。図5に示す平面構成において、端38−2と、マイクロストリップ線路35−2のマイナスX方向側の端39−2とは、Y軸方向の1つの直線をなす。
実施の形態1において、マイクロストリップ線路35が第3の部位の端38に続けてY軸方向へ延ばされているとは、マイクロストリップ線路35の端39と第3の部位の端38とが1つの直線をなしてマイクロストリップ線路35が設けられていることを指すものとする。なお、端38とは、端38−1,38−2の各々を区別せずに称したものとする。端39とは、端39−1,39−2の各々を区別せずに称したものとする。
伝送路の方向に垂直な方向における線路導体13の幅を、線路幅とする。伝送路の方向における線路導体13の長さを、線路長とする。線路導体13のうち、変換部31と第1、第2および第3のインピーダンス変成部32,34,33とは、X軸方向へ延ばされた伝送路を構成する。変換部31と第1、第2および第3のインピーダンス変成部32,34,33とにおいて、線路幅とはY軸方向における幅を表し、線路長とはX軸方向における長さを表すものとする。線路導体13のうち、マイクロストリップ線路35は、Y軸方向へ延ばされた伝送路を構成する。マイクロストリップ線路35において、線路幅とはX軸方向における幅を表し、線路長とはY軸方向における長さを表すものとする。スタブ36についても、線路幅とはX軸方向における幅を表し、線路長とはY軸方向における長さを表すものとする。
変換部31と、第1、第2および第3のインピーダンス変成部32,34,33と、マイクロストリップ線路35と、スタブ36とは、一体の金属部材である金属箔あるいは金属板で構成されている。変換部31と、第1、第2および第3のインピーダンス変成部32,34,33と、マイクロストリップ線路35とは、隣り合う部位同士にて互いに線路幅が異なるように形成されている。
マイクロストリップ線路35の線路幅を、第1の線路幅であるW、変換部31の線路幅を、第2の線路幅であるWとして、WはWより大きい。すなわち、WとWとの間には、W>Wの関係が成り立つ。線路導体13を伝搬する高周波信号の波長がλであるとして、変換部31の線路長は、λ/2に相当する長さである。マイクロストリップ線路35の線路長は任意であるものとする。
第1のインピーダンス変成部32の線路幅であるWは、Wより大きく、かつWより小さい。すなわち、Wと、Wと、Wとの間には、W>W>Wの関係が成り立つ。第3のインピーダンス変成部33の線路幅であるWは、Wと等しく、かつWより小さい。すなわち、Wと、Wと、Wとの間には、W>W=Wの関係が成り立つ。第2のインピーダンス変成部34の線路幅であるWは、WとWとのいずれよりも大きい。また、Wは、Wより小さい。すなわち、Wと、Wと、Wと、Wとの間には、W>W>W=Wの関係が成り立つ。
およびWは、Wより大きい。また、WおよびWは、Wより小さい。すなわち、Wと、Wと、Wと、Wとの間には、W>W>W>Wの関係が成り立つ。第1、第2および第3のインピーダンス変成部32,34,33の線路長は、いずれもλ/4に相当する長さである。スタブ36の線路長は、λ/4に相当する長さである。
次に、図1から図5を参照して、導波管マイクロストリップ線路変換器10の動作を説明する。ここでは、導波管14にて伝搬した高周波信号をマイクロストリップ線路35へ伝送させる場合を例とする。
導波管14の内部を伝搬した電磁波は、地導体12に到達する。地導体12に到達した電磁波は、スロット15を通って変換部31へ伝搬する。なお、変換部31へ電磁波が伝搬するとは、地導体12と変換部31との間に電磁波のエネルギーが生じることを含むものとする。変換部31へ伝搬した電磁波は、変換部31からプラスX方向とマイナス方向とへ伝搬する。
変換部31から第1のインピーダンス変成部32−1、第3のインピーダンス変成部33−1、および第2のインピーダンス変成部34−1にてプラスX方向へ伝搬した電磁波は、マイクロストリップ線路35−1にてプラスY方向へ伝搬する。変換部31から第1のインピーダンス変成部32−2、第3のインピーダンス変成部33−2、および第2のインピーダンス変成部34−2にてマイナスX方向へ伝搬した電磁波は、マイクロストリップ線路35−2にてプラスY方向へ伝搬する。導波管マイクロストリップ線路変換器10は、マイクロストリップ線路35−1とマイクロストリップ線路35−2とからプラスY方向へ伝送される高周波信号を出力する。マイクロストリップ線路35−1から出力される高周波信号の位相とマイクロストリップ線路35−2から出力される高周波信号の位相とは、互いに逆となる。
変換部31に相当する部分の導体に微細な間隙を設けて線路を分断し、電磁結合によって高周波信号を伝送させる構成では、かかる間隙の加工不良が生じた場合に、線路長に誤差が生じ得る。これに対し、実施の形態1の線路導体13では、一体の金属部材で変換部31からマイクロストリップ線路35までの各部位が構成されている。実施の形態1では、線路導体13における間隙の形成が不要であるため、間隙の加工不良の問題を回避でき、かつ線路導体13を容易に加工することができる。
変換部31と、第1、第2および第3のインピーダンス変成部32,34,33と、マイクロストリップ線路35とは、線路幅に対応する特性インピーダンスを持つ。変換部31の特性インピーダンスは、変換部31の線路幅であるWに対応するZであるとする。マイクロストリップ線路35の特性インピーダンスは、マイクロストリップ線路35の線路幅であるWに対応するZであるとする。ZはZより小さい。すなわち、ZとZとの間には、Z<Zの関係が成り立つ。変換部31とマイクロストリップ線路35とでは線路幅の違いが大きいことから、仮にマイクロストリップ線路35が変換部31に直接隣り合わせられた場合、変換部31の特性インピーダンスとマイクロストリップ線路35の特性インピーダンスとの不整合に起因して電磁波の不要な放射が増大し、電力損失が大きくなる。
第1、第2および第3のインピーダンス変成部32,34,33は、変換部31とマイクロストリップ線路35との間におけるインピーダンス整合を担う。第1のインピーダンス変成部32の特性インピーダンスは、第1のインピーダンス変成部32の線路幅であるWに対応するZであるとする。Zは、Zより小さく、かつZより大きい。すなわち、Zと、Zと、Zとの間には、Z<Z<Zの関係が成り立つ。
第3のインピーダンス変成部33の特性インピーダンスは、第3のインピーダンス変成部33の線路幅であるWに対応するZであるとする。Zは、Zと等しく、かつZより大きい。すなわち、Zと、Zと、Zとの間には、Z<Z=Zの関係が成り立つ。第2のインピーダンス変成部34の特性インピーダンスは、第2のインピーダンス変成部34の線路幅であるWに対応するZであるとする。Zは、Zと、Zとのいずれよりも小さく、かつZより大きい。すなわち、Zと、Zと、Zと、Zとの間には、Z<Z<Z=Zの関係が成り立つ。
実施の形態1では、導波管マイクロストリップ線路変換器10は、マイクロストリップ線路35の線路幅よりも拡大された線路幅を持つ第1および第2のインピーダンス変成部32,34が設けられることで、変換部31とマイクロストリップ線路35との間のインピーダンス整合を図る。導波管マイクロストリップ線路変換器10は、変換部31とマイクロストリップ線路35との間のインピーダンス整合により、電力損失を低減できる。
また、第3のインピーダンス変成部33および第2のインピーダンス変成部34は、第1のインピーダンス変成部32とマイクロストリップ線路35との線路幅の違いによるインピーダンスの不整合を低減させる機能を果たす。線路導体13は、線路幅を段階的に異ならせた部位である第1、第2および第3のインピーダンス変成部32,34,33が含まれることで、電磁波の伝送におけるインピーダンスの急峻な変化を緩和可能とする。これにより、導波管マイクロストリップ線路変換器10は、電力損失を効果的に低減できる。また、導波管マイクロストリップ線路変換器10は、線路導体13におけるインピーダンスの変化を緩和できることで、広い周波数帯域の信号を扱うことが可能となる。
第3のインピーダンス変成部33の線路幅は、マイクロストリップ線路35の線路幅とは異なっていても良い。第3のインピーダンス変成部33の線路幅であるWは、W>WおよびW>Wを満足すれば良く、マイクロストリップ線路35の線路幅であるWとは異なることとしても良い。また、マイクロストリップ線路35より拡大された線路幅を持つ部位であるインピーダンス変成部は2つに限られず、1つあるいは3つ以上であっても良い。
実施の形態1では、第2のインピーダンス変成部34の端38とマイクロストリップ線路35の端39とが1つの直線となるように、端38からY軸方向へマイクロストリップ線路35が延ばされている。第2のインピーダンス変成部34とマイクロストリップ線路35との間では、第2のインピーダンス変成部34とマイクロストリップ線路35との間の線路幅が不連続である部分と伝送路の折り曲げ箇所とが一体とされている。
仮に、一定の線路幅のマイクロストリップ線路35内に、X軸方向へ延ばされた部分とY軸方向へ延ばされた部分との折り曲げ箇所が含まれる場合、第2のインピーダンス変成部34とマイクロストリップ線路35との間の線路幅が不連続な部分と伝送路の折り曲げ箇所とにおいて不要な電磁波放射が生じ得ることになる。導波管マイクロストリップ線路変換器10は、線路幅が不連続である部分と伝送路の折り曲げ箇所とが一体とされたことで、不要な電磁波放射が生じ得る箇所を少なくすることができる。これにより、導波管マイクロストリップ線路変換器10は、変換部31からの伝送方向であるX軸方向に垂直なY軸方向へ高周波信号を伝送する構成において、不要な電磁波放射による電力損失を低減できる。
図5において、X軸方向におけるスタブ36の中心位置は、X軸方向におけるスロット15の中心位置と一致している。この場合、スロット15の中心に対する対称性を線路導体13が持つことにより、2つのスタブ36への電力の伝搬は生じない。ただし、導波管マイクロストリップ線路変換器10の製造誤差等により、X軸方向におけるスロット15の中心位置とスタブ36の中心位置とにずれが生じることがある。
線路導体13の位置とスロット15の位置とのずれに伴って、スタブ36に電界が生じる。スタブ36の端37が開放端とされているため、スタブ36と変換部31との接続部にて電界がゼロとなる境界条件が成り立つ。これにより、線路導体13における電気的対称性が確保されることで、2つのマイクロストリップ線路35から出力される高周波信号の位相が、互いに逆位相となる。このように、導波管マイクロストリップ線路変換器10は、スタブ36が設けられていることで、線路導体13の位置とスロット15の位置とのずれが高周波信号へ与える影響を少なくすることができる。線路導体13は、2つのスタブ36を用いた電気的対称性の確保により、マイクロストリップ線路35−1,35−2における高周波信号の位相の変動を低減できる。なお、線路導体13に設けられるスタブ36は、1つであっても良い。スタブ36が1つとされる場合、スタブ36は、変換部31のプラスY方向側の端とマイナスY方向側の端とのどちらに設けられても良い。
導波管マイクロストリップ線路変換器10は、マイクロストリップ線路35にて伝搬した高周波信号を導波管14へ伝送させることも可能である。マイクロストリップ線路35−1とマイクロストリップ線路35−2とには、マイナスY方向へ伝送される高周波信号が入力される。マイクロストリップ線路35−1へ入力される高周波信号の位相とマイクロストリップ線路35−2へ入力される高周波信号の位相とは、互いに逆となる。導波管マイクロストリップ線路変換器10は、導波管14からマイクロストリップ線路35への高周波信号の伝搬と同様に、マイクロストリップ線路35から導波管14への高周波信号の伝搬においても電力損失を低減できる。
変換部31の線路幅であるWは、開口端16の長辺よりも短く、かつY軸方向におけるスロット15の長さよりも短い。導波管14と変換部31との電磁的な結合が十分に確保されていれば、導波管マイクロストリップ線路変換器10は、導波管14と変換部31との物理的な寸法に関わらず、導波管14と変換部31との間における電力の高い変換効率を得ることができる。
実施の形態1によると、導波管マイクロストリップ線路変換器10は、変換部31とマイクロストリップ線路35との間のインピーダンス整合を担う第1、第2および第3のインピーダンス変成部32,34,33が設けられることで電磁波の放射を低減させ、電力損失を低減できる。また、導波管マイクロストリップ線路変換器10は、H形状のスロット15が設けられたことで変換部31の直下における電磁結合が強められ、導波管14および線路導体13の間において効率良く電力を変換することができる。これにより、導波管マイクロストリップ線路変換器10は、誘電体基板11にスルーホールが設けられなくても、高い電気性能を得ることができる。
さらに、導波管マイクロストリップ線路変換器10は、第3の部位のうちプラスX方向の端38−1とマイナスX方向の端38−2から続けてY軸方向へマイクロストリップ線路35−1,35−2が延ばされている。導波管マイクロストリップ線路変換器10は、不要な電磁波の放射を低減しつつ、開口端16の長辺の方向へマイクロストリップ線路35を延ばした構成を実現できる。これにより、導波管マイクロストリップ線路変換器10は、高い電気性能を得ることができる。
導波管マイクロストリップ線路変換器10は、誘電体基板11のスルーホールが不要となるため、スルーホールの加工の省略による製造工程の簡易化および製造コスト低減が可能となる。また、導波管マイクロストリップ線路変換器10は、スルーホールの破断による電気性能の劣化という事態を回避できることで、信頼性を向上できるとともに、安定した電気性能を得ることができる。アンテナ装置の給電回路に導波管マイクロストリップ線路変換器10が使用される場合、アンテナ装置は、安定した送信電力および受信電力を得ることができる。以上により、導波管マイクロストリップ線路変換器10は、安定かつ高い電気性能が得られ、信頼性の向上が可能となるという効果を奏する。
導波管マイクロストリップ線路変換器10では、スロット15から、あるいは線路導体13のうち線路幅が不連続な部分から、不要な電磁波放射が生じ得る。導波管マイクロストリップ線路変換器10は、スロット15の寸法または線路導体13の各部位の寸法の調整により、放射される電磁波の位相の調整が可能である。放射される電磁波の位相の調整により、導波管マイクロストリップ線路変換器10から特定の方向であるプラスZ方向への不要な電磁波放射が低減されても良い。全方向のうち特定の方向への電磁波放射が大きくなるような電磁波放射の偏りが少なくなるように、電磁波放射を全方向へ均等に拡散させる調整が行われても良い。このような調整によっても、導波管マイクロストリップ線路変換器10は、高い電気性能を得ることができる。
導波管マイクロストリップ線路変換器10は、電磁波の放射が許容可能な程度であれば、いずれの形状のスロットを備えることとしても良い。図6は、図1に示す導波管マイクロストリップ線路変換器10が有するスロットの変形例を示す図である。変形例にかかるスロット25の平面形状は、Y軸に平行な長辺とX軸に平行な短辺とを備える長方形である。H形状を備えるスロット15が用いられる場合と同等の電気性能を実現するために、スロット25の長辺は、スロット15のY軸方向の幅より長くしても良い。
図7は、実施の形態1にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器10の一つの応用例を示す断面図である。図7に示す応用例では、導波管マイクロストリップ線路変換器10は、誘電体基板26に実装されている。図7には、図2に示す断面構成に誘電体基板26が追加された断面構成を示している。誘電体基板26は、樹脂材料で構成された平板部材である。
地導体12は、誘電体基板26の表面に積層されている。導波管14は、誘電体基板26の表面と裏面との間を貫通して設けられている。入出力端17は、誘電体基板26の裏面において開放されている。導波管マイクロストリップ線路変換器10は、導波管14に代えて、誘電体基板26の表面と裏面との間を貫通して形成された複数のスルーホールが設けられていても良い。複数のスルーホールは、矩形、繭型といった形状に沿って配置される。導波管マイクロストリップ線路変換器10は、複数のスルーホールが設けられる場合も、導波管14が設けられる場合と同様に、高周波信号を伝送可能である。
図8は、実施の形態1の第1変形例にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器51が有する線路導体52の平面図である。図8では、参考として、スロット15を破線により示している。導波管マイクロストリップ線路変換器51は、線路導体52にスタブ36が設けられていないことを除いて、導波管マイクロストリップ線路変換器10と同様の構成を備える。
X軸方向における線路導体52の位置とスロット15の位置とのずれを小さくできることで、マイクロストリップ線路35−1,35−2における高周波信号の位相の変動を少なくできる場合に、スタブ36が省略されても良い。これにより、導波管マイクロストリップ線路変換器51は、上記の導波管マイクロストリップ線路変換器10と同様に、安定かつ高い電気性能を得ることができる。この他、マイクロストリップ線路35−1,35−2における高周波信号の位相の変動の有無を問わない態様にて高周波信号が伝送される場合においても、スタブ36が省略されても良い。なお、実施の形態1の第1変形例以外の変形例、および後述する実施の形態2から5においても、実施の形態1の第1変形例と同様にスタブ36が省略されても良い。
図9は、実施の形態1の第2変形例にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器53が有する線路導体54の平面図である。図9では、参考として、スロット15を破線により示している。導波管マイクロストリップ線路変換器53は、線路導体54における2つのマイクロストリップ線路35が第2のインピーダンス変成部34から互いに逆向きに延ばされていることを除いて、導波管マイクロストリップ線路変換器10と同様の構成を備える。マイクロストリップ線路35−1は、第2のインピーダンス変成部34−1からマイナスY方向へ延ばされている。マイクロストリップ線路35−2は、第2のインピーダンス変成部34−2からプラスY方向へ延ばされている。
変換部31から第1のインピーダンス変成部32−1、第3のインピーダンス変成部33−1、および第2のインピーダンス変成部34−1にてプラスX方向へ伝搬した電磁波は、マイクロストリップ線路35−1にてマイナスY方向へ伝送される。変換部31から第1のインピーダンス変成部32−2、第3のインピーダンス変成部33−2、および第2のインピーダンス変成部34−2をマイナスX方向へ伝搬した電磁波は、マイクロストリップ線路35−2にてプラスY方向へ伝送される。また、マイクロストリップ線路35−1には、プラスY方向へ伝送される高周波信号が入力される。マイクロストリップ線路35−2には、マイナスY方向へ伝送される高周波信号が入力される。導波管マイクロストリップ線路変換器53は、上記の導波管マイクロストリップ線路変換器10と同様に、安定かつ高い電気性能を得ることができる。
図10は、実施の形態1の第3変形例にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器55が有する線路導体56の平面図である。図10では、参考として、スロット15を破線により示している。導波管マイクロストリップ線路変換器55は、線路導体56における第2のインピーダンス変成部34の線路幅であるWと第3のインピーダンス変成部33の線路幅であるWとが等しいことを除いて、導波管マイクロストリップ線路変換器10と同様の構成を備える。
第3のインピーダンス変成部33の線路幅であるWと、マイクロストリップ線路35の線路幅であるWとは等しい。第1のインピーダンス変成部32の線路幅であるW、第3のインピーダンス変成部33の線路幅であるWと、第2のインピーダンス変成部34の線路幅であるWと、マイクロストリップ線路35の線路幅であるWとの間には、W>W=W=Wの関係が成り立つ。
導波管マイクロストリップ線路変換器55では、第2のインピーダンス変成部34の線路幅と第3のインピーダンス変成部33の線路幅とが等しいことから、第2のインピーダンス変成部34と第3のインピーダンス変成部33との間におけるインピーダンス整合は行われない。電磁波の放射が許容可能な程度であれば、導波管マイクロストリップ線路変換器55のように、第3の部位のうち互いに隣り合う変成部同士の線路幅を同じとしても良い。
第2のインピーダンス変成部34の線路幅と第3のインピーダンス変成部33の線路幅とがマイクロストリップ線路35の線路幅と等しいことで、第2のインピーダンス変成部34と第3のインピーダンス変成部33とでは、マイクロストリップ線路35と同様に高周波信号が伝搬する。なお、第2のインピーダンス変成部34の線路幅と第3のインピーダンス変成部33の線路幅とは、マイクロストリップ線路35の線路幅とは異なっていても良い。
導波管マイクロストリップ線路変換器55では、第2のインピーダンス変成部34の線路長または第3のインピーダンス変成部33の線路長の調整により、X軸方向における端38の位置が調整されても良い。端38の位置の調整により、放射される電磁波の振幅と位相とが調整されることで、導波管マイクロストリップ線路変換器55は、放射される電磁波の低減を図り得る。導波管マイクロストリップ線路変換器55は、上記の導波管マイクロストリップ線路変換器10と同様に、安定かつ高い電気性能を得ることができる。
実施の形態2.
図11は、本発明の実施の形態2にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器57の外観構成を示す上面図である。導波管マイクロストリップ線路変換器57の第3の部位では、第1および第2のインピーダンス変成部32,34がX軸方向へ延ばされ、第3のインピーダンス変成部33がX軸方向とY軸方向との間の斜め方向へ延ばされている。実施の形態2では、実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付し、実施の形態1とは異なる構成について主に説明する。
図12は、図11に示す導波管マイクロストリップ線路変換器57が有する線路導体58の平面図である。図12では、参考として、スロット15を破線により示している。第1のインピーダンス変成部32−1は、変換部31のプラスX方向側に位置する。第3のインピーダンス変成部33−1は、第1のインピーダンス変成部32−1からプラスX方向とプラスY方向との間の斜め方向へ延ばされている。Y軸方向における第2のインピーダンス変成部34−1の中心は、Y軸方向における第1のインピーダンス変成部32−1の中心よりもプラスY方向側へシフトしている。第3のインピーダンス変成部33−1は、X軸方向とY軸方向との間の斜め方向の伝送路を構成している。第3のインピーダンス変成部33−1において、線路幅とは当該斜め方向に垂直な方向における幅を表し、線路長とは当該斜め方向における長さを表すものとする。第3のインピーダンス変成部33−1の線路長は、任意の長さとする。
第1のインピーダンス変成部32−2は、変換部31のマイナスX方向側に位置する。第3のインピーダンス変成部33−2は、第1のインピーダンス変成部32−2からマイナスX方向とプラスY方向との間の斜め方向へ延ばされている。Y軸方向における第2のインピーダンス変成部34−2の中心は、Y軸方向における第1のインピーダンス変成部32−2の中心よりもプラスY方向側へシフトしている。第3のインピーダンス変成部33−2は、X軸方向とY軸方向との間の斜め方向の伝送路を構成している。第3のインピーダンス変成部33−2において、線路幅とは当該斜め方向に垂直な方向における幅を表し、線路長とは当該斜め方向における長さを表すものとする。第3のインピーダンス変成部33−2の線路長は、任意の長さとする。
導波管マイクロストリップ線路変換器57では、第1、第2および第3のインピーダンス変成部32,34,33のうち線路幅が最も小さい第3のインピーダンス変成部33が斜め方向の伝送路とされている。導波管マイクロストリップ線路変換器57は、第1のインピーダンス変成部32または第2のインピーダンス変成部34を斜め方向の伝送路とする場合よりも、斜め方向の伝送路を第3の部位に含めた構成を容易に実現することができる。
導波管マイクロストリップ線路変換器57では、第3のインピーダンス変成部33の線路長の調整により、X軸方向における端38の位置が調整されても良い。端38の位置の調整により、放射される電磁波の振幅と位相とが調整されることで、導波管マイクロストリップ線路変換器57は、放射される電磁波の低減を図り得る。
導波管マイクロストリップ線路変換器57では、実施の形態1の構成と比較して、第2のインピーダンス変成部34の位置がプラスY方向へシフトされている。第2のインピーダンス変成部34からプラスY方向へマイクロストリップ線路35が延ばされている構成において、第2のインピーダンス変成部34の位置がプラスY方向へシフトされることで、導波管マイクロストリップ線路変換器57は、変換部31からマイクロストリップ線路35までの伝送路の長さを短縮することができる。誘電体基板11の材料の性質に起因する電力の損失と、線路導体58の導電率に起因する電力の損失とは、線路導体58全体の線路長と概ね比例する。このため、導波管マイクロストリップ線路変換器57は、変換部31からマイクロストリップ線路35のプラスY方向側の端までの伝送路の長さを短縮できることで、高周波信号の伝送による電力損失を低減できる。
導波管マイクロストリップ線路変換器57は、実施の形態1の導波管マイクロストリップ線路変換器10と同様に、不要な電磁波放射による電力損失を低減できる。導波管マイクロストリップ線路変換器57は、実施の形態1の導波管マイクロストリップ線路変換器10と同様に、信頼性を向上できるとともに、安定した電気性能を得ることができる。これにより、導波管マイクロストリップ線路変換器57は、安定かつ高い電気性能が得られ、信頼性の向上が可能となるという効果を奏する。
導波管マイクロストリップ線路変換器57において、マイクロストリップ線路35−1,35−2のうちの1つまたは2つは、第2のインピーダンス変成部34−1,34−2からマイナスY方向へ延ばされていても良い。この場合、マイナスY方向へ延ばされているマイクロストリップ線路35に隣接する第3の部位内の第3のインピーダンス変成部33は、第1のインピーダンス変成部32からX軸方向とマイナスY方向との間の斜め方向へ延ばされても良い。これにより、導波管マイクロストリップ線路変換器57は、伝送路の長さを短縮できる。
実施の形態3.
図13は、本発明の実施の形態3にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器59の外観構成を示す上面図である。導波管マイクロストリップ線路変換器59の線路導体60は、1つのマイクロストリップ線路35を含む伝送路と、もう1つのマイクロストリップ線路35を含む伝送路とが繋げられた第5の部位を有する。第5の部位は、導波管マイクロストリップ線路変換器59の外部から線路導体60への高周波信号の入力と、線路導体60から導波管マイクロストリップ線路変換器59の外部への高周波信号の出力とを担う。実施の形態3では、実施の形態1および2と同一の構成要素には同一の符号を付し、実施の形態1および2とは異なる構成について主に説明する。
導波管マイクロストリップ線路変換器59の線路導体60のうち、変換部31と、第1、第2および第3のインピーダンス変成部32,34,33と、マイクロストリップ線路35とは、上記の実施の形態2の線路導体58と同様に構成されている。線路導体60は、さらに、マイクロストリップ線路40と、第4および第5のインピーダンス変成部41,42と、第5の部位であるマイクロストリップ線路43とを有する。
図14は、図13に示す導波管マイクロストリップ線路変換器59が有する線路導体60の平面図である。図14では、参考として、スロット15を破線により示している。マイクロストリップ線路40は、マイクロストリップ線路35−2に続けて設けられた第4の部位であり、線路導体60に設けられた第3のマイクロストリップ線路である。
マイクロストリップ線路35−2は、変換部31を中心にX軸方向における一方の側であるマイナスX方向側の第2のインピーダンス変成部34−2から延ばされた第1の部位である。マイクロストリップ線路40は、マイクロストリップ線路35−2に続けてプラスY方向へ延ばされている第1範囲44と、第1範囲44からX軸方向における他方の側であるプラスX方向へ向けて延ばされている第2範囲45と、第1範囲44と第2範囲45との間の折り曲げ部46とを含む。第2範囲45には、鈍角をなす折り曲げ部47が設けられている。
第1範囲44は、マイクロストリップ線路35−2と折り曲げ部46との間の部分であって、Y軸方向へ延ばされている。第2範囲45のうち折り曲げ部46と折り曲げ部47との間の部位は、プラスX方向へ向かうにしたがいプラスY方向へ向かうようにX軸方向に対してわずかに傾けられた斜め方向へ延ばされている。第2範囲45のうち折り曲げ部47よりプラスX方向側の部位は、X軸方向へ延ばされている。第1範囲44について、線路幅とはX軸方向における幅を表し、線路長とはY軸方向における長さを表すものとする。第2範囲45のうち折り曲げ部46と折り曲げ部47との間の部位について、線路幅とは当該斜め方向に垂直な方向における幅を表し、線路長とは当該斜め方向における長さを表すものとする。第2範囲45のうち折り曲げ部47よりプラスX方向側の部位について、線路幅はY軸方向における幅を表し、線路長とはX軸方向における長さを表すものとする。
第4のインピーダンス変成部41は、第2範囲45のプラスX方向側に位置する。第4のインピーダンス変成部41は、マイクロストリップ線路35−2,40とマイクロストリップ線路43との間のインピーダンス整合を担う。第4のインピーダンス変成部41は、X軸方向へ延ばされている。第4のインピーダンス変成部41について、線路幅とはY軸方向における幅を表し、線路長とはX軸方向における長さを表すものとする。
第5のインピーダンス変成部42は、マイクロストリップ線路35−1のプラスY方向側に位置する。第5のインピーダンス変成部42は、マイクロストリップ線路35−1とマイクロストリップ線路43との間のインピーダンス整合を担う。第5のインピーダンス変成部42は、Y軸方向へ延ばされている。第5のインピーダンス変成部42について、線路幅とはX軸方向における幅を表し、線路長とはY軸方向における長さを表すものとする。
マイクロストリップ線路43は、第4のインピーダンス変成部41からプラスX方向へ延ばされている。マイクロストリップ線路43のマイナスX方向側の端部と第5のインピーダンス変成部42のプラスY方向側の端部とは、互いに垂直に繋げられている。マイクロストリップ線路43について、線路幅とはY軸方向における幅を表し、線路長とはX軸方向における長さを表すものとする。
導波管マイクロストリップ線路変換器59では、マイクロストリップ線路35−1および第5のインピーダンス変成部42の伝送路と、マイクロストリップ線路35−2、マイクロストリップ線路40および第4のインピーダンス変成部41の伝送路とが、マイクロストリップ線路43である1つの伝送路に繋げられている。導波管マイクロストリップ線路変換器59では、変換部31と、第1から第5のインピーダンス変成部32,34,33,41,42と、マイクロストリップ線路35,40とによるループ状の伝送路が構成されている。
マイクロストリップ線路40の第1範囲44と第2範囲45とにおける線路幅は、マイクロストリップ線路35の線路幅と同じ線路幅Wである。線路導体60にて伝送される高周波信号の波長がλであるとして、マイクロストリップ線路35−の線路長と第1範囲44の線路長との合計の長さLは、概ねλ/4に相当する長さ、またはλ/4以下の長さである。マイクロストリップ線路35−の線路長は、第1範囲44の線路長を合わせた長さがL≦λ/4を満足する任意の長さとする。マイクロストリップ線路35−の線路長は、マイクロストリップ線路35−の線路長と等しい。
マイクロストリップ線路43の線路幅と線路長とは、いずれも任意であるものとする。第4のインピーダンス変成部41の線路長と第5のインピーダンス変成部42の線路長とは、λ/4に相当する長さである。第4のインピーダンス変成部41の線路幅と第5のインピーダンス変成部42の線路幅とは、マイクロストリップ線路35,40の線路幅であるWより小さい。
次に、図14を参照して、導波管マイクロストリップ線路変換器59の動作を説明する。ここでは、導波管14にて伝搬した高周波信号をマイクロストリップ線路43へ伝送させる場合を例とする。導波管14からマイクロストリップ線路35−1,35−2までは、実施の形態2と同様に高周波信号が伝搬する。マイクロストリップ線路35−2とマイクロストリップ線路40との境界48−2における高周波信号の位相と、マイクロストリップ線路35−1と第5のインピーダンス変成部42との境界48−1における高周波信号の位相とは、互いに逆となる。
境界48−2を通過した高周波信号は、マイクロストリップ線路40と第4のインピーダンス変成部41とを経由して、マイクロストリップ線路43へ伝搬する。境界48−1を通過した高周波信号は、第5のインピーダンス変成部42を経由して、マイクロストリップ線路43へ伝搬する。導波管マイクロストリップ線路変換器59は、マイクロストリップ線路43からプラスX方向へ伝送される高周波信号を出力する。第4のインピーダンス変成部41と第5のインピーダンス変成部42との交点において、第4のインピーダンス変成部41を経由した高周波信号の位相と第5のインピーダンス変成部42を経由した高周波信号の位相とが同じとなるように、マイクロストリップ線路40の線路長が設定されている。
は、Y軸方向へ延ばされたマイクロストリップ線路35−2および第1範囲44と、第1範囲44から斜め方向へ延ばされた第2範囲45との間の直角に近い角度の折り曲げを折り曲げ部46にて実現可能な限りにおいて、できるだけ短くされても良い。Lがλ/4以下の長さであり、さらにλ/4よりできるだけ短くされることで、折り曲げ部46が端38−2に近づけられる。これにより、ループ状の伝送路のうち、第2のインピーダンス変成部34−2およびマイクロストリップ線路35−2の間と、マイクロストリップ線路35−2とマイクロストリップ線路40の間とに形成される折り曲げ箇所が集約される。
導波管マイクロストリップ線路変換器59は、伝送路の折り曲げ箇所が集約されたことで、不要な電磁波放射が生じ得る箇所を少なくすることができる。これにより、導波管マイクロストリップ線路変換器59は、ループ状の伝送路を含む線路導体60において、不要な電磁波放射による電力損失を低減できる。
折り曲げ部47では、マイクロストリップ線路40の折り曲げの度合いが小さいことから、導波管マイクロストリップ線路変換器59は、折り曲げ部47が設けられていることによる電磁波放射を少なくすることができる。なお、マイクロストリップ線路40には折り曲げ部47が含まれていなくても良い。第2範囲45は、折り曲げ部46からX軸方向へ延ばされて第4のインピーダンス変成部41に繋げられていても良く、折り曲げ部46から斜め方向へ延ばされた第4のインピーダンス変成部41に繋げられていても良い。第2範囲45が斜め方向へ延ばされている構成では、第4のインピーダンス変成部41は、第2範囲45と同じ斜め方向へ延ばされて、マイクロストリップ線路43に繋げられていても良い。
導波管マイクロストリップ線路変換器59では、ループ状の伝送路内に第4および第5のインピーダンス変成部41,42が含まれている。導波管マイクロストリップ線路変換器59は、ループ状の伝送路の外にインピーダンス変成部が含まれる場合に比べて、構成の小型化が可能となる。
なお、マイクロストリップ線路43は、第4のインピーダンス変成部41の端部と第5のインピーダンス変成部42の端部とからX軸方向以外の方向へ延ばされたものであっても良い。導波管マイクロストリップ線路変換器59は、導波管マイクロストリップ線路変換器59から高周波信号が出力される方向と導波管マイクロストリップ線路変換器59へ高周波信号が入力される方向とを任意に設定できる。
導波管マイクロストリップ線路変換器59は、実施の形態2の導波管マイクロストリップ線路変換器57と同様に、不要な電磁波放射による電力損失を低減でき、信頼性の向上と安定した電気性能を得ることとが可能である。さらに、導波管マイクロストリップ線路変換器59は、Lをλ/4以下の長さとしたことで、ループ状の伝送路での不要な電磁波放射による電力損失を低減できる。これにより、導波管マイクロストリップ線路変換器59は、安定かつ高い電気性能が得られ、信頼性の向上が可能となるという効果を奏する。
図15は、実施の形態3の第1変形例にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器61が有する線路導体62の平面図である。図15では、参考として、スロット15を破線により示している。導波管マイクロストリップ線路変換器61は、スロット15に対するX軸方向における線路導体62の相対位置が上記の導波管マイクロストリップ線路変換器59の場合とは異なることを除いて、導波管マイクロストリップ線路変換器59と同様の構成を備える。
上記の導波管マイクロストリップ線路変換器59では、X軸方向におけるスタブ36の中心位置は、X軸方向におけるスロット15の中心位置と一致している。これに対し、図15に示す導波管マイクロストリップ線路変換器61では、X軸方向におけるスタブ36の中心位置は、X軸方向におけるスロット15の中心位置よりもマイナスX方向側にある。
実施の形態1と同様に、導波管マイクロストリップ線路変換器61は、スタブ36が設けられていることで、線路導体62とスロット15とのX軸方向におけるずれによる高周波信号の位相への影響の低減が図られている。導波管マイクロストリップ線路変換器61は、線路導体62とスロット15との位置のずれによる不要な電磁波放射を生じ得る。導波管マイクロストリップ線路変換器61は、線路導体62における対称性の崩れに起因する電磁波放射を低減するように、線路導体62とスロット15との位置のずれが設定されても良い。これにより、導波管マイクロストリップ線路変換器61は、不要な電磁波放射による電力損失を低減できる。
図16は、実施の形態3の第2変形例にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器63が有する線路導体64の平面図である。図16では、参考として、スロット15を破線により示している。導波管マイクロストリップ線路変換器63は、第4および第5のインピーダンス変成部41,42とマイクロストリップ線路43とに代えて、マイクロストリップ線路70と、第5の部位であるマイクロストリップ線路71とが設けられていることを除いて、上記の導波管マイクロストリップ線路変換器59と同様の構成を備える。
マイクロストリップ線路70は、マイクロストリップ線路35−1のプラスY方向側に位置する。マイクロストリップ線路70は、Y軸方向へ延ばされている。マイクロストリップ線路70について、線路幅とはX軸方向における幅を表し、線路長とはY軸方向における長さを表すものとする。
マイクロストリップ線路71は、マイクロストリップ線路40の第2範囲45のプラスX方向側に位置する。マイクロストリップ線路71は、X軸方向へ延ばされている。マイクロストリップ線路71のマイナスX方向側の端部とマイクロストリップ線路70のプラスY方向側の端部とは、互いに垂直に繋げられている。マイクロストリップ線路71について、線路幅とはY軸方向における幅を表し、線路長とはX軸方向における長さを表すものとする。導波管マイクロストリップ線路変換器63では、マイクロストリップ線路35−1およびマイクロストリップ線路70の伝送路と、マイクロストリップ線路35−2およびマイクロストリップ線路40の伝送路とが、マイクロストリップ線路71である1つの伝送路に繋げられている。
マイクロストリップ線路70の線路幅は、マイクロストリップ線路35の線路幅と同じ線路幅Wである。マイクロストリップ線路71の線路幅であるWは、マイクロストリップ線路35およびマイクロストリップ線路70の線路幅であるWより大きい。すなわち、WとWとの間には、W>Wの関係が成り立つ。マイクロストリップ線路70の線路長とマイクロストリップ線路71の線路長とは、任意であるものとする。
マイクロストリップ線路35−2とマイクロストリップ線路40との境界48−2における高周波信号の位相と、マイクロストリップ線路35−1とマイクロストリップ線路70との境界48−1における高周波信号の位相とは、互いに逆となる。導波管マイクロストリップ線路変換器63は、マイクロストリップ線路71からプラスX方向へ伝送される高周波信号を出力する。なお、マイクロストリップ線路71は、マイクロストリップ線路40の端部とマイクロストリップ線路70の端部とからX軸方向以外の方向へ延ばされたものであっても良い。導波管マイクロストリップ線路変換器63は、導波管マイクロストリップ線路変換器63から高周波信号が出力される方向と導波管マイクロストリップ線路変換器63へ高周波信号が入力される方向とを任意に設定できる。
マイクロストリップ線路71の特性インピーダンスが、マイクロストリップ線路71の線路幅であるWに対応するZであるとする。マイクロストリップ線路40,70の線路幅であるWよりWが大きいことで、Zは、マイクロストリップ線路40,70の特性インピーダンスであるZより小さい。マイクロストリップ線路40とマイクロストリップ線路71との間、またはマイクロストリップ線路70とマイクロストリップ線路71との間にインピーダンス変成部が設けられなくても特性インピーダンスの整合が取れている場合は、導波管マイクロストリップ線路変換器63のように、マイクロストリップ線路40,70とマイクロストリップ線路71とが直接繋げられても良い。導波管マイクロストリップ線路変換器63は、マイクロストリップ線路40,70,71の間の特性インピーダンスの整合により、電磁波の不要な放射による電力損失を低減できる。
図17は、実施の形態3の第3変形例にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器65が有する線路導体66の平面図である。図17では、参考として、スロット15を破線により示している。導波管マイクロストリップ線路変換器65は、マイクロストリップ線路71に代えて、第6のインピーダンス変成部72およびマイクロストリップ線路73が設けられていることを除いて、上記の第2変形例にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器63と同様の構成を備える。第6のインピーダンス変成部72およびマイクロストリップ線路73は、1つのマイクロストリップ線路35を含む伝送路と、もう1つのマイクロストリップ線路35を含む伝送路とに繋げられた第5の部位である。また、導波管マイクロストリップ線路変換器65は、ループ状の伝送路の外に第6のインピーダンス変成部72が設けられている点で、ループ状の伝送路内に第4および第5のインピーダンス変成部41,42が設けられている上記の導波管マイクロストリップ線路変換器59とは異なる。
第6のインピーダンス変成部72は、マイクロストリップ線路40の第2範囲45のプラスX方向側に位置する。第6のインピーダンス変成部72は、X軸方向へ延ばされている。第6のインピーダンス変成部72のマイナスX方向側の端部とマイクロストリップ線路70のプラスY方向側の端部とは、互いに垂直に繋げられている。第6のインピーダンス変成部72は、マイクロストリップ線路35−2,40とマイクロストリップ線路73との間のインピーダンス整合と、マイクロストリップ線路70とマイクロストリップ線路73との間のインピーダンス整合とを担う。
マイクロストリップ線路73は、第6のインピーダンス変成部72のプラスX方向側に位置する。マイクロストリップ線路73は、X軸方向へ延ばされている。第6のインピーダンス変成部72とマイクロストリップ線路73とについて、線路幅とはY軸方向における幅を表し、線路長とはX軸方向における長さを表すものとする。
導波管マイクロストリップ線路変換器65では、マイクロストリップ線路35−1およびマイクロストリップ線路70の伝送路と、マイクロストリップ線路35−2およびマイクロストリップ線路40の伝送路とが、第6のインピーダンス変成部72およびマイクロストリップ線路73を含む1つの伝送路に繋げられている。
第6のインピーダンス変成部72の線路幅は、マイクロストリップ線路40の線路幅であるWとマイクロストリップ線路70の線路幅であるWとの和である2Wより小さく、かつマイクロストリップ線路73の線路幅より大きい。線路導体66にて伝送される高周波信号の波長がλであるとして、第6のインピーダンス変成部72の線路長は、λ/4に相当する長さである。マイクロストリップ線路73の線路幅は、第6のインピーダンス変成部72の線路幅より小さければ良く、任意であるものとする。マイクロストリップ線路73の線路長は、任意であるものとする。
導波管マイクロストリップ線路変換器65は、マイクロストリップ線路73からプラスX方向へ伝送される高周波信号を出力する。なお、第6のインピーダンス変成部72とマイクロストリップ線路73とは、マイクロストリップ線路40の端部とマイクロストリップ線路70の端部とからY軸方向へ延ばされたものであっても良い。導波管マイクロストリップ線路変換器65は、第6のインピーダンス変成部72が設けられたことによるマイクロストリップ線路40,70,73の間の特性インピーダンスの整合により、電磁波の不要な放射による電力損失を低減できる。
実施の形態4.
図18は、本発明の実施の形態4にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器67の外観構成を示す上面図である。導波管マイクロストリップ線路変換器67では、1つのマイクロストリップ線路35を含む伝送路ともう1つのマイクロストリップ線路35を含む伝送路との2つの伝送路から、同じ向きへ伝送される高周波信号が出力される。また、導波管マイクロストリップ線路変換器67の当該2つの伝送路へ、同じ向きへ伝送される高周波信号が入力される。導波管マイクロストリップ線路変換器67は、ループ状の伝送路が含まれていない点において、上記の実施の形態3にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器61,63,65とは異なる。実施の形態4では、実施の形態1から3と同一の構成要素には同一の符号を付し、実施の形態1から3とは異なる構成について主に説明する。
導波管マイクロストリップ線路変換器67の線路導体68のうち、変換部31と、第1、第2および第3のインピーダンス変成部32,34,33と、マイクロストリップ線路35とは、上記の実施の形態2の線路導体58と同様に構成されている。線路導体68は、さらに、マイクロストリップ線路74,75を有する。
図19は、図18に示す導波管マイクロストリップ線路変換器67が有する線路導体68の平面図である。図19では、参考として、スロット15を破線により示している。マイクロストリップ線路74は、マイクロストリップ線路35−2に続けて設けられた第4の部位であり、線路導体68に設けられた第3のマイクロストリップ線路である。実施の形態4において、マイクロストリップ線路74,75は、導波管マイクロストリップ線路変換器67の外部から線路導体68への高周波信号の入力と、線路導体68から導波管マイクロストリップ線路変換器67の外部への高周波信号の出力とを担う。
マイクロストリップ線路74は、マイクロストリップ線路35−2に続けてプラスY方向へ延ばされている第1範囲44と、第1範囲44からX軸方向における他方の側であるプラスX方向へ向けて延ばされている第2範囲45と、第1範囲44と第2範囲45との間の折り曲げ部46とを含む。第2範囲45には、鈍角をなす折り曲げ部47が設けられている。このように、マイクロストリップ線路74は、上記の実施の形態3の線路導体62,64,66に設けられているマイクロストリップ線路40と同様の構成を備える。マイクロストリップ線路74についての線路幅と線路長との定義は、マイクロストリップ線路40の場合と同様であるものとする。マイクロストリップ線路74は、マイクロストリップ線路74のプラスX方向側の端部が線路導体68における他の部位と繋がれていない点において、マイクロストリップ線路40とは異なる。
マイクロストリップ線路75には、直角をなす折り曲げ部76が設けられている。マイクロストリップ線路75のうちマイクロストリップ線路35−1との境界48−1と折り曲げ部76との間には、僅かにY軸方向へ延ばされている部位77が設けられている。マイクロストリップ線路75のうち折り曲げ部76よりプラスX方向側の部位78は、X軸方向へ延ばされている。マイクロストリップ線路75のうちY軸方向へ延ばされている部位77について、線路幅とはX軸方向における幅を表し、線路長とはY軸方向における長さを表すものとする。マイクロストリップ線路75のうちX軸方向へ延ばされている部位78について、線路幅とはY軸方向における幅を表し、線路長とはX軸方向における長さを表すものとする。
マイクロストリップ線路74の第1範囲44と第2範囲45とにおける線路幅は、マイクロストリップ線路35の線路幅と同じ線路幅Wである。マイクロストリップ線路75の部位77,78における線路幅は、マイクロストリップ線路35の線路幅と同じ線路幅Wである。マイクロストリップ線路74の線路長とマイクロストリップ線路35の線路長とは、任意であるものとする。
次に、図19を参照して、導波管マイクロストリップ線路変換器67の動作を説明する。ここでは、導波管14にて伝搬した高周波信号をマイクロストリップ線路74,75へ伝送させる場合を例とする。導波管14からマイクロストリップ線路35−1,35−2までは、実施の形態2と同様に高周波信号が伝搬する。マイクロストリップ線路35−2とマイクロストリップ線路74との境界48−2における高周波信号の位相と、マイクロストリップ線路35−1とマイクロストリップ線路75との境界48−1における高周波信号の位相とは、互いに逆となる。マイクロストリップ線路74では、実施の形態3のマイクロストリップ線路40と同様に高周波信号が伝搬する。
境界48−1を通過した高周波信号は、マイクロストリップ線路75を伝搬する。マイクロストリップ線路74とマイクロストリップ線路75とは、プラスX方向へ伝送される高周波信号を出力する。
マイクロストリップ線路75の部位77とマイクロストリップ線路35−1とは、できるだけ短くされても良い。これにより、折り曲げ部76が端38−1に近づけられる。これにより、伝送路のうち、第2のインピーダンス変成部34−1およびマイクロストリップ線路35−1の間と、マイクロストリップ線路35−1とマイクロストリップ線路75の間とに形成される折り曲げ箇所が集約される。
導波管マイクロストリップ線路変換器67は、伝送路の折り曲げ箇所が集約されたことで、不要な電磁波放射が生じ得る箇所を少なくすることができる。これにより、導波管マイクロストリップ線路変換器67は、同じ向きへ高周波信号が出力されるマイクロストリップ線路74,75を含む線路導体68において、不要な電磁波放射による電力損失を低減できる。マイクロストリップ線路75には、Y軸方向へ延ばされた部位77が含まれなくても良い。導波管マイクロストリップ線路変換器67は、Y軸方向へ延ばされたマイクロストリップ線路35−1とX軸方向へ延ばされたマイクロストリップ線路75とが繋がれることで、折り曲げ箇所を集約することができる。
導波管マイクロストリップ線路変換器67は、実施の形態3の導波管マイクロストリップ線路変換器61,63,65と同様に、不要な電磁波放射による電力損失を低減でき、信頼性の向上と安定した電気性能を得ることとが可能である。これにより、導波管マイクロストリップ線路変換器67は、安定かつ高い電気性能が得られ、信頼性の向上が可能となるという効果を奏する。
実施の形態5.
図20は、本発明の実施の形態5にかかるアンテナ装置100の平面図である。アンテナ装置100は、マイクロ波あるいはミリ波を送受信する平面アンテナである。アンテナ装置100は、上記の実施の形態3にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器59を備える。実施の形態5では、実施の形態1から4と同一の構成要素には同一の符号を付し、実施の形態1から4とは異なる構成について主に説明する。
アンテナ装置100は、導波管マイクロストリップ線路変換器59とアンテナ101とを備える。アンテナ101は、導波管マイクロストリップ線路変換器59に接続された複数のアンテナ素子103を備える。複数のアンテナ素子103は、X軸方向へ配列されている。X軸方向において互いに隣り合うアンテナ素子103同士は、X軸方向へ延ばされたマイクロストリップ線路102により互いに繋がれている。アンテナ101のうちマイナスX方向側の端に位置するマイクロストリップ線路102のマイナスX方向側の端は、導波管マイクロストリップ線路変換器59のマイクロストリップ線路43のうちプラスX方向側の端に繋がれている。
アンテナ101に設けられるアンテナ素子103の数は、図20に示す5個に限られず、任意であるものとする。アンテナ101に設けられる複数のアンテナ素子103は、X軸方向への配列に代えて、Y軸方向へ配列されていても良い。アンテナ101に設けられる複数のアンテナ素子103は、X軸方向とY軸方向とへマトリクス状に配列されていても良い。アンテナ101には、分岐を含むマイクロストリップ線路102が設けられていても良い。分岐を含むマイクロストリップ線路102には、3個以上のアンテナ素子103が繋がれても良い。アンテナ素子103の平面形状は、矩形に限られず、矩形以外の形状であっても良い。
線路導体60とアンテナ101とは、誘電体基板11の第2の面S2に形成されている。線路導体60とアンテナ101とは、一体の金属部材であって、第2の面S2に圧着された銅箔をパターニングすることにより形成されている。図2に示す場合と同様に、地導体12は、誘電体基板11のうちマイナスZ方向側の第1の面S1全体に設けられている。
線路導体60とアンテナ101とは、共通の第2の面S2への配置とされたことで、共通のプロセスにより形成することができる。1つの例では、線路導体60とアンテナ101とは、共通の成膜工程およびパターニング工程により形成することができる。アンテナ装置100は、線路導体60の形成とは別工程によるアンテナ101の形成が不要となることで、製造工程の簡易化および製造コスト低減が可能となる。なお、線路導体60とアンテナ101とは、あらかじめ成形されてから誘電体基板11に取り付けられた金属板であっても良い。
実施の形態5では、アンテナ101と地導体12との間の誘電体基板11のスルーホールは不要であり、かつ上記の実施の形態3と同様に、導波管マイクロストリップ線路変換器59における誘電体基板11のスルーホールも不要である。アンテナ装置100は、スルーホールの加工を省略できることで、製造工程の簡易化および製造コスト低減が可能となる。アンテナ装置100は、安定した送信電力および受信電力が得られることで、安定した通信性能を得ることができる。
実施の形態5によると、アンテナ装置100は、導波管マイクロストリップ線路変換器59が設けられたことで、安定かつ高い電気性能が得られ、信頼性の向上が可能となる。また、アンテナ装置100は、第2の面S2に線路導体60とアンテナ101とが設けられたことで、製造工程の簡易化および製造コスト低減が可能となる。
図21は、実施の形態5の変形例にかかるアンテナ装置110の平面図である。アンテナ装置110は、マイクロ波あるいはミリ波を送受信する平面アンテナである。アンテナ装置110は、複数の導波管マイクロストリップ線路変換器59と、導波管マイクロストリップ線路変換器59ごとに設けられたアンテナ101とを備える。
X軸方向へ配列された導波管マイクロストリップ線路変換器59とアンテナ101とは、互いに繋げられている。かかる導波管マイクロストリップ線路変換器59とアンテナ101との組み合わせは、Y軸方向へ配列されている。アンテナ装置110に設けられる導波管マイクロストリップ線路変換器59とアンテナ101との組み合わせの数は、図21に示す4個に限られず、任意であるものとする。
アンテナ装置110は、複数の導波管マイクロストリップ線路変換器59が設けられたことで、導波管14が伝送する高周波信号の位相を導波管マイクロストリップ線路変換器59ごとに制御可能とする。アンテナ装置110は、電磁波を送信する場合に、高周波信号の位相を制御することで、Y軸方向へのビーム走査を実施可能とする。
各導波管マイクロストリップ線路変換器59では、Y軸方向において、導波管14の範囲内に一対のスタブ36までの構成要素が収まる。導波管マイクロストリップ線路変換器59のY軸方向におけるサイズは、導波管14と1つのマイクロストリップ線路40が収められるサイズであれば良い。このため、各導波管マイクロストリップ線路変換器59のY軸方向におけるサイズを低減できる。各導波管マイクロストリップ線路変換器59のY軸方向のサイズを小さくできることで、アンテナ装置110における複数の導波管マイクロストリップ線路変換器59の配置のためのレイアウト制約を低減できる。アンテナ装置110には、複数の導波管マイクロストリップ線路変換器59を密に配置することができる。
本変形例にかかるアンテナ装置110も、導波管マイクロストリップ線路変換器59が設けられたことで、安定かつ高い電気性能が得られ、信頼性の向上が可能となる。また、アンテナ装置110は、第2の面S2に線路導体60とアンテナ101とが設けられたことで、製造工程の簡易化および製造コスト低減が可能となる。
実施の形態5にかかるアンテナ装置100,110は、導波管マイクロストリップ線路変換器59に代えて、上記の各実施の形態の導波管マイクロストリップ線路変換器のいずれが備えられても良い。アンテナ装置100,110の構成は、レーダ装置に備えられても良い。レーダ装置は、安定した送信電力および受信電力が得られることで、安定した検出性能を得ることができる。
実施の形態6.
図22は、本発明の実施の形態6にかかるアンテナ装置120の平面図である。アンテナ装置120は、上記の実施の形態2にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器57を備える。実施の形態6では、実施の形態1から5と同一の構成要素には同一の符号を付し、実施の形態1から5とは異なる構成について主に説明する。
アンテナ装置120は、マイクロ波あるいはミリ波を送受信する平面アンテナである。アンテナ装置120は、アンテナを構成する2つのアンテナ素子121−1,121−2を備える。なお、アンテナ素子121とは、アンテナ素子121−1,121−2の各々を区別せずに称したものとする。線路導体58とアンテナ素子121とは、誘電体基板11の第2の面S2に設けられている。マイクロストリップ線路35−1,35−2は、第2のインピーダンス変成部34からY軸方向へ延ばされた直線形をなしている。
アンテナ素子121−1は、Y軸方向におけるマイクロストリップ線路35−1の両端のうち、第2のインピーダンス変成部34に繋げられている端とは逆側の端であるプラスY方向側の端に繋げられている。アンテナ素子121−2は、Y軸方向におけるマイクロストリップ線路35−2の両端のうち、第2のインピーダンス変成部34に繋げられている端とは逆側の端であるプラスY方向側の端に繋げられている。このように、マイクロストリップ線路35−1,35−2のうちプラスY方向側の端は、導波管マイクロストリップ線路変換器57のうちアンテナ素子121を接続可能な端子とされている。
線路導体58とアンテナ素子121とは、共通の第2の面S2への配置とされたことで、共通のプロセスにより形成することができる。1つの例では、線路導体58とアンテナ素子121とは、共通の成膜工程およびパターニング工程により形成することができる。アンテナ装置120は、線路導体58の形成とは別工程によるアンテナ素子121の形成が不要となることで、製造工程の簡易化および製造コスト低減が可能となる。なお、線路導体58とアンテナ素子121とは、あらかじめ成形されてから誘電体基板11に取り付けられた金属板であっても良い。なお、アンテナ素子121の平面形状は、矩形に限られず、矩形以外の形状であっても良い。
ここで、X軸とY軸とに基づいて表される二次元座標によって第2の面S2上の位置を表現するとして、第2の面S2内のY軸方向における位置をY座標、第2の面S2内のX軸方向における位置をX座標、とする。アンテナ素子121−1のうちX軸方向における中心のX座標は、マイクロストリップ線路35−1のうちX軸方向における中心のX座標と一致する。アンテナ素子121−2のうちX軸方向における中心のX座標は、マイクロストリップ線路35−2のうちX軸方向における中心のX座標と一致する。
次に、電磁波の不要な放射によるアンテナ装置120の放射パターンへの影響について説明する。一般に、誘電体基板11の誘電正接または線路導体58の導電率に起因する導波管マイクロストリップ線路変換器57の電力損失は、線路長が長くなるほど増加する。また、伝送路の折り曲げまたは分岐といった箇所では、電磁波の不要な放射が生じ得る。線路導体58の線路長が長くなるにしたがい、または伝送路における電磁波の放射が多くなるにしたがい、アンテナ装置120は、アンテナ素子121から放射される電磁波が減少する。
アンテナ素子121による電磁波の放射源と、伝送路における電磁波の放射源とが、X軸方向およびY軸方向に平行な1つのXY平面である第2の面S2上において互いに異なる位置に存在するため、アンテナ素子121による放射パターンに伝送路からの不要な電磁波が重畳される。アンテナ素子121から放射される電磁波と伝送路からの不要な電磁波との位相差が、XY平面内の方位角ごとに変化することによって、アンテナ素子121の放射パターンには、周期的な起伏であるリプルが生じることがある。
図23は、図22に示すアンテナ装置120が有するアンテナ素子121の放射パターンの例を示す図である。図23に示すグラフは、XY平面内における方位角と利得との関係を表している。利得の単位は任意とする。利得が最大となる方位を、方位角の基準である0度とする。図23には、リプルが生じていないケースと、リプルが生じた2つのケースとの3つのケースについて、方位角ごとの利得の変化を表している。グラフG1は、リプルが生じていないケースを表す。グラフG2は、リプルが生じた2つのケースのうち長い周期のリプルが生じたケースを表す。グラフG3は、リプルが生じた2つのケースのうち短い周期のリプルが生じたケースを表す。
アンテナ装置120の設計において、導波管マイクロストリップ線路変換器57のY座標とアンテナ素子121のY座標とが、設計上の制約によってあらかじめ決定されているとする。導波管マイクロストリップ線路変換器57は、線路導体58の各部の線路長の調整と、X軸に対する第3のインピーダンス変成部33の傾きとの調整によって、高い自由度での設計が可能である。アンテナ装置120は、導波管マイクロストリップ線路変換器57の構成を調整することによって、直線形のマイクロストリップ線路35にアンテナ素子121を直接繋げるための調整を行うことができる。また、アンテナ装置120は、導波管マイクロストリップ線路変換器57の設計における調整によって、電磁波の不要な放射を抑制するための調整を図ることができる。
アンテナ装置120は、直線形のマイクロストリップ線路35にアンテナ素子121が直接繋げられることで、導波管マイクロストリップ線路変換器57とアンテナ素子121とが最短の配線によって接続される。アンテナ装置120は、導波管マイクロストリップ線路変換器57とアンテナ素子121とを接続するための配線を短くできることで、かかる配線の線路長に起因する電力損失を低減できる。アンテナ装置120には、導波管マイクロストリップ線路変換器57の伝送路が折り曲げ箇所を有する以外に、導波管マイクロストリップ線路変換器57へのアンテナ素子121の接続による折り曲げ箇所の追加はない。アンテナ装置120は、伝送路の折り曲げに起因する電磁波の不要な放射を導波管マイクロストリップ線路変換器57によるものに抑えることができるため、電磁波の不要な放射の増大を抑制できる。よって、アンテナ装置120は、アンテナ素子121の放射パターンへ重畳される不要な電磁波の抑制が可能であるため、リプルを抑制することができる。アンテナ装置120は、リプルの抑制と電力損失の低減とによって、安定かつ高い電気性能を得ることができる。
アンテナ装置120の伝送路は、X軸方向において対称である。X軸方向において対称とは、線路導体58のうちX軸方向における中心を通りかつY軸に平行な線に対して対称、すなわち図22での左右方向において対称であることを指すものとする。アンテナ装置120は、伝送路がX軸方向において対称な構成を有することによって、全方位のうち特定の方向への電磁波放射が大きくなるような電磁波放射の偏りを少なくすることができ、高い電気性能を得ることができる。
実施の形態6によると、アンテナ装置120は、導波管マイクロストリップ線路変換器57を備えるとともに、直線形をなすマイクロストリップ線路35にアンテナ素子121が繋げられていることにより、安定かつ高い電気性能が得られ、信頼性の向上が可能となる。
マイクロストリップ線路35には、複数のアンテナ素子121が接続されても良い。図24は、実施の形態6の第1変形例にかかるアンテナ装置122の平面図である。アンテナ装置122は、2個のアレイアンテナ123−1,123−2を備える。アレイアンテナ123−1,123−2は、それぞれ、Y軸方向へ配列された複数のアンテナ素子121を有するアンテナである。なお、アレイアンテナ123とは、アレイアンテナ123−1,123−2の各々を区別せずに称したものとする。
図24において、アレイアンテナ123には、4個のアンテナ素子121が設けられている。Y軸方向において互いに隣り合うアンテナ素子121同士は、Y軸方向へ延ばされた直線形をなすマイクロストリップ線路124により互いに繋がれている。アレイアンテナ123−1のうちマイナスY方向側の端に位置するアンテナ素子121は、図22に示すアンテナ素子121−1と同様に、マイクロストリップ線路35−1に繋げられている。アレイアンテナ123−2のうちマイナスY方向側の端に位置するアンテナ素子121は、図22に示すアンテナ素子121−2と同様に、マイクロストリップ線路35−2に繋げられている。
なお、アレイアンテナ123に設けられるアンテナ素子121の数は、4個に限られず、任意であるものとする。アレイアンテナ123に設けられる複数のアンテナ素子121は、X軸方向とY軸方向とへマトリクス状に配列されていても良い。マトリクス状に配列されたアンテナ素子121は、分岐を有するマイクロストリップ線路に繋げられても良い。アンテナ素子121は、複数に分岐されてXY平面における任意の方向へ延ばされたマイクロストリップ線路に繋げられ得る。
マイクロストリップ線路35には、アンテナ素子121のうちX軸方向における中心以外の位置が繋げられても良い。図25は、実施の形態6の第2変形例にかかるアンテナ装置125の平面図である。アンテナ装置125は、アンテナを構成する2つのアンテナ素子121−1,121−2を備える。マイクロストリップ線路35−1は、アンテナ素子121−1のうちマイナスX方向側の端部に繋げられている。マイクロストリップ線路35−2は、アンテナ素子121−2のうちプラスX方向側の端部に繋げられている。X軸方向において、アンテナ素子121のうちマイクロストリップ線路35が繋げられる位置は、任意であるものとする。
マイクロストリップ線路35には、X軸方向へ配列された複数のアンテナ素子121が接続されても良い。図26は、実施の形態6の第3変形例にかかるアンテナ装置126の平面図である。アンテナ装置126は、2個のアレイアンテナ127−1,127−2を備える。アレイアンテナ127−1,127−2は、それぞれ、X軸方向へ配列された複数のアンテナ素子121を有するアンテナである。なお、アレイアンテナ127とは、アレイアンテナ127−1,127−2の各々を区別せずに称したものとする。
図26において、アレイアンテナ127には、4個のアンテナ素子121が設けられている。X軸方向において互いに隣り合うアンテナ素子121同士は、X軸方向へ延ばされた直線形をなすマイクロストリップ線路128により互いに繋がれている。アレイアンテナ127−1のうちマイナスX方向側の端に位置するアンテナ素子121は、図25に示すアンテナ素子121−1と同様に、マイクロストリップ線路35−1に繋げられている。アレイアンテナ127−2のうちプラスX方向側の端に位置するアンテナ素子121は、図25に示すアンテナ素子121−2と同様に、マイクロストリップ線路35−2に繋げられている。
なお、アレイアンテナ127に設けられるアンテナ素子121の数は、4個に限られず、任意であるものとする。アレイアンテナ127に設けられる複数のアンテナ素子121は、X軸方向とY軸方向とへマトリクス状に配列されていても良い。マトリクス状に配列されたアンテナ素子121は、分岐を有するマイクロストリップ線路に繋げられても良い。アンテナ素子121は、複数に分岐されてXY平面における任意の方向へ延ばされたマイクロストリップ線路に繋げられ得る。
実施の形態6の各変形例にかかるアンテナ装置122,125,126も、図22に示すアンテナ装置120と同様に、リプルの抑制と電力損失の低減とによって、安定かつ高い電気性能を得ることができる。
実施の形態6にかかるアンテナ装置120,122,125,126は、導波管マイクロストリップ線路変換器57に代えて、上記の実施の形態1にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器10,51,53,55のいずれかを備えていても良い。導波管マイクロストリップ線路変換器10,51,53,55は、Y軸方向へ延ばされた2つのマイクロストリップ線路35の端にアンテナ素子121を接続可能である点で、導波管マイクロストリップ線路変換器57と共通の構成を有する。アンテナ装置120,122,125,126は、導波管マイクロストリップ線路変換器10,51,53,55のいずれかを備える場合も、導波管マイクロストリップ線路変換器57を備える場合と同様に、リプルの抑制と電力損失の低減とによって、安定かつ高い電気性能を得ることができる。
実施の形態7.
図27は、本発明の実施の形態7にかかるアンテナ装置130の平面図である。アンテナ装置130は、実施の形態6におけるマイクロストリップ線路35−1,35−2に代えて、折り曲げ部134を有するマイクロストリップ線路131−1,131−2を備える。実施の形態7では、実施の形態1から6と同一の構成要素には同一の符号を付し、実施の形態1から6とは異なる構成について主に説明する。
アンテナ装置130は、マイクロ波あるいはミリ波を送受信する平面アンテナである。アンテナ装置130は、アンテナを構成する2つのアンテナ素子121−1,121−2を備える。マイクロストリップ線路131とは、マイクロストリップ線路131−1,131−2の各々を区別せずに称したものとする。
マイクロストリップ線路131−1は、第2のインピーダンス変成部34からプラスY方向へ延ばされた部分132−1と、部分132−1からプラスY方向とプラスX方向との間の斜め方向へ延ばされた部分133−1との間の折り曲げ部134で折り曲げられている。マイクロストリップ線路131−1において、折り曲げ部134は、部分132−1と部分133−1との境界である。折り曲げ部134における折り曲げの角度は、鈍角である。部分133−1のうちプラスY方向側の端136には、アンテナ素子121−1が繋げられている。部分132−1のうちマイナスY方向側の端135には、第2のインピーダンス変成部34が繋げられている。
マイクロストリップ線路131−2は、第2のインピーダンス変成部34からプラスY方向へ延ばされた部分132−2と、部分132−2からプラスY方向とマイナスX方向との間の斜め方向へ延ばされた部分133−2との間の折り曲げ部134で折り曲げられている。マイクロストリップ線路131−2において、折り曲げ部134は、部分132−2と部分133−2との境界である。折り曲げ部134における折り曲げの角度は、鈍角である。部分133−2のうちプラスY方向側の端136には、アンテナ素子121−2が繋げられている。部分132−2のうちマイナスY方向側の端135には、第2のインピーダンス変成部34が繋げられている。
マイクロストリップ線路131は、折り曲げの角度が鈍角である折り曲げ部134を有することで、折り曲げの角度が直角あるいは鋭角である場合に比べて、折り曲げ部134における伝送路の向きの変化を緩和可能とする。アンテナ装置130は、アンテナ素子121の接続のための伝送路における伝送路の向きの変化を緩和できることによって、電磁波の不要な放射を低減できる。
アンテナ装置130の設計において、導波管マイクロストリップ線路変換器57のX座標およびY座標とアンテナ素子121のX座標およびY座標とが、設計上の制約によってあらかじめ決定されているとする。マイクロストリップ線路131の各部分の長さと折り曲げの角度とが調整されることによって、導波管マイクロストリップ線路変換器57とアンテナ素子121とを接続できる。かかる調整では、マイクロストリップ線路131−1とマイクロストリップ線路131−2とは、X軸方向において対称とされる。なお、折り曲げ部134の位置がマイクロストリップ線路131のうちマイナスY方向側の端に近いほど、折り曲げの角度が180度に近くなる。折り曲げの角度が180度に近くなるほど伝送路の向きの変化が小さくなるため、アンテナ装置130は、折り曲げ部134での電磁波の放射を少なくすることができる。
アンテナ装置130は、アンテナ素子121の放射パターンへ重畳される不要な電磁波の抑制が可能であるため、リプルを抑制することができる。アンテナ装置130は、リプルの抑制と電力損失の低減とによって、安定かつ高い電気性能を得ることができる。
マイクロストリップ線路131−1とマイクロストリップ線路131−2とがX軸方向において対称であることで、アンテナ装置130の伝送路全体が、X軸方向において対称となる。アンテナ装置130は、伝送路がX軸方向において対称な構成を有することで、電磁波放射の偏りを少なくすることができ、高い電気性能を得ることができる。
実施の形態7によると、アンテナ装置130は、導波管マイクロストリップ線路変換器57を備えるとともに、折り曲げの角度が鈍角である折り曲げ部134を有するマイクロストリップ線路131にアンテナ素子121が繋げられていることにより、安定かつ高い電気性能が得られ、信頼性の向上が可能となる。
実施の形態7にかかるアンテナ装置130は、導波管マイクロストリップ線路変換器57に代えて、上記の実施の形態1にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器10,51,53,55のいずれかを備えていても良い。アンテナ装置130は、導波管マイクロストリップ線路変換器10,51,53,55のいずれかを備える場合も、導波管マイクロストリップ線路変換器57を備える場合と同様に、リプルの抑制と電力損失の低減とによって、安定かつ高い電気性能を得ることができる。
実施の形態8.
図28は、本発明の実施の形態8にかかるアンテナ装置140の平面図である。アンテナ装置140は、実施の形態6におけるマイクロストリップ線路35−1,35−2に代えて、折り曲げ部145,146を有するマイクロストリップ線路141−1,141−2を備える。実施の形態8では、実施の形態1から7と同一の構成要素には同一の符号を付し、実施の形態1から7とは異なる構成について主に説明する。
アンテナ装置140は、マイクロ波あるいはミリ波を送受信する平面アンテナである。アンテナ装置140は、アンテナを構成する2つのアンテナ素子121−1,121−2を備える。マイクロストリップ線路141とは、マイクロストリップ線路141−1,141−2の各々を区別せずに称したものとする。
マイクロストリップ線路141−1は、第2のインピーダンス変成部34からプラスY方向へ延ばされた部分142−1と、部分142−1からプラスX方向へ延ばされた部分143−1と、部分143−1からプラスY方向へ延ばされた部分144−1とを有する。部分144−1のうちプラスY方向側の端148には、アンテナ素子121−1が繋げられている。部分142−2のうちマイナスY方向側の端147には、第2のインピーダンス変成部34が繋げられている。マイクロストリップ線路141−1は、部分142−1と部分143−1との間の折り曲げ部145で折り曲げられており、かつ部分143−1と部分144−1との間の折り曲げ部146で折り曲げられている。折り曲げ部145,146における折り曲げの角度は、直角である。マイクロストリップ線路141−1において、折り曲げ部145は、部分142−1と部分143−1との境界である。マイクロストリップ線路141−1において、折り曲げ部146は、部分143−1と部分144−1との境界である。
マイクロストリップ線路141−2は、第2のインピーダンス変成部34からプラスY方向へ延ばされた部分142−2と、部分142−2からマイナスX方向へ延ばされた部分143−2と、部分143−2からプラスY方向へ延ばされた部分144−2とを有する。部分144−2のうちプラスY方向側の端148には、アンテナ素子121−2が繋げられている。部分142−2のうちマイナスY方向側の端147には、第2のインピーダンス変成部34が繋げられている。マイクロストリップ線路141−2は、部分142−2と部分143−2との間の折り曲げ部145で折り曲げられており、かつ部分143−2と部分144−2との間の折り曲げ部146で折り曲げられている。折り曲げ部145,146における折り曲げの角度は、直角である。マイクロストリップ線路141−2において、折り曲げ部145は、部分142−2と部分143−2との境界である。マイクロストリップ線路141−2において、折り曲げ部146は、部分143−2と部分144−2との境界である。
マイクロストリップ線路141−1の折り曲げ部145,146のY座標と、マイクロストリップ線路141−2の折り曲げ部145,146のY座標とは、同じである。マイクロストリップ線路141では、端147から折り曲げ部145,146までのY軸方向における長さL1よりも、端148から折り曲げ部145,146までのY軸方向における長さL2のほうが短い。すなわち、折り曲げ部145,146は、Y軸方向における端147と端148との間の中心よりもプラスY方向の側にある。
マイクロストリップ線路141の折り曲げ部145,146は、伝送路の向きが90度変化する位置であることから、電磁波の不要な放射が生じ得る。アンテナ素子121による電磁波の放射源と伝送路における電磁波の放射源とが互いに離れているほど、XY平面内の方位角ごとにおける双方の電磁波の位相差の変化が大きくなる。双方の電磁波の位相差の変化が大きくなることで、アンテナ素子121の放射パターンには短い周期のリプルが発生する。
アンテナ装置140の伝送路では、長さL1よりも長さL2が短いことで、端147と端148との間の中心よりもアンテナ素子121から近い位置に折り曲げ部145,146が設けられている。折り曲げ部145,146がアンテナ素子121に近い位置に設けられるほど、アンテナ素子121の放射パターンに発生するリプルの周期が長くなる。リプルの周期が長くなることにより、アンテナ装置140は、方位角ごとの利得の変化を低減できる。アンテナ装置140は、方位角ごとの利得の変化の低減によって、安定かつ高い電気性能を得ることができる。
アンテナ装置140の設計において、導波管マイクロストリップ線路変換器57のX座標およびY座標とアンテナ素子121のX座標およびY座標とが、設計上の制約によってあらかじめ決定されているとする。マイクロストリップ線路141の各部分の長さの調整によって、導波管マイクロストリップ線路変換器57とアンテナ素子121とを接続できる。かかる調整において、マイクロストリップ線路141−1とマイクロストリップ線路141−2とは、X軸方向において対称とされる。
X軸方向において対称なマイクロストリップ線路141−1とマイクロストリップ線路141−2とを有することで、アンテナ装置140の伝送路全体が、X軸方向において対称となる。アンテナ装置140は、伝送路がX軸方向において対称な構成を有することで、電磁波放射の偏りを少なくすることができ、高い電気性能を得ることができる。
実施の形態8によると、アンテナ装置140は、導波管マイクロストリップ線路変換器57を備えるとともに、長さL1よりも長さL2が短くされたマイクロストリップ線路141にアンテナ素子121が繋げられていることにより、安定かつ高い電気性能が得られ、信頼性の向上が可能となる。
実施の形態8にかかるアンテナ装置140は、導波管マイクロストリップ線路変換器57に代えて、上記の実施の形態1にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器10,51,53,55のいずれかを備えていても良い。アンテナ装置140は、導波管マイクロストリップ線路変換器10,51,53,55のいずれかを備える場合も、導波管マイクロストリップ線路変換器57を備える場合と同様に、リプルの抑制と電力損失の低減とによって、安定かつ高い電気性能を得ることができる。
実施の形態9.
図29は、本発明の実施の形態9にかかるアンテナ装置150の平面図である。アンテナ装置150は、実施の形態6におけるマイクロストリップ線路35−1,35−2に代えて、折り曲げ部154を有するマイクロストリップ線路151−1,151−2を備える。実施の形態9では、実施の形態1から8と同一の構成要素には同一の符号を付し、実施の形態1から8とは異なる構成について主に説明する。
アンテナ装置150は、マイクロ波あるいはミリ波を送受信する平面アンテナである。アンテナ装置150は、アンテナを構成する2つのアンテナ素子121−1,121−2を備える。マイクロストリップ線路151とは、マイクロストリップ線路151−1,151−2の各々を区別せずに称したものとする。
マイクロストリップ線路151−1は、第2のインピーダンス変成部34からプラスY方向へ延ばされた部分152−1と、部分152−1からプラスX方向へ延ばされた部分153−1とを有する。部分153−1のうちプラスX方向側の端156には、アンテナ素子121−1が繋げられている。部分152−1のうちマイナスY方向側の端155には、第2のインピーダンス変成部34が繋げられている。マイクロストリップ線路151−1は、部分152−1と部分153−1との間の折り曲げ部154を有する。折り曲げ部154における折り曲げの角度は、直角である。マイクロストリップ線路151−1において、折り曲げ部154は、部分152−1と部分153−1との境界である。
マイクロストリップ線路151−2は、第2のインピーダンス変成部34からプラスY方向へ延ばされた部分152−2と、部分152−2からマイナスX方向へ延ばされた部分153−2とを有する。部分153−2のうちマイナスX方向側の端156には、アンテナ素子121−2が繋げられている。部分152−2のうちマイナスY方向側の端155には、第2のインピーダンス変成部34が繋げられている。マイクロストリップ線路151−2は、部分152−2と部分153−2との間の折り曲げ部154で折り曲げられている。折り曲げ部154における折り曲げの角度は、直角である。マイクロストリップ線路151−2において、折り曲げ部154は、部分152−2と部分153−2との境界である。
端156は、Y軸方向におけるアンテナ素子121の中心に繋げられている。折り曲げ部154のY座標は、Y軸方向におけるアンテナ素子121の中心のY座標と同じである。また、マイクロストリップ線路151−1の折り曲げ部154のY座標と、マイクロストリップ線路151−2の折り曲げ部154のY座標とは、同じである。
折り曲げ部154は、伝送路の向きが90度変化する位置であることから、電磁波の不要な放射が生じ得る。折り曲げ部154のY座標とアンテナ素子121の中心のY座標とが同じであることによって、YZ平面においては、アンテナ素子121から放射される電磁波と折り曲げ部154から放射される電磁波との位相差は生じない。アンテナ装置150は、YZ平面においては、折り曲げ部154からの電磁波の放射に起因するリプルの発生を抑制することができる。アンテナ装置150は、リプルの抑制によって、安定かつ高い電気性能を得ることができる。
なお、端156は、アンテナ素子121のうちY軸方向における中心以外の位置に繋げられても良い。アンテナ素子121に端156が繋げられることにより、折り曲げ部154のY座標は、Y軸方向におけるアンテナ素子121の範囲に含まれる。折り曲げ部154のY座標がY軸方向におけるアンテナ素子121の範囲に含まれることで、YZ平面における上記の位相差を低減できる。よって、アンテナ装置150は、アンテナ素子121に端156が繋げられることで、YZ平面におけるリプルの発生を抑制できる。
アンテナ装置150の設計において、導波管マイクロストリップ線路変換器57のX座標およびY座標とアンテナ素子121のX座標およびY座標とが、設計上の制約によってあらかじめ決定されているとする。マイクロストリップ線路151の各部分の長さの調整によって、導波管マイクロストリップ線路変換器57とアンテナ素子121とを接続できる。かかる調整において、マイクロストリップ線路151−1とマイクロストリップ線路151−2とは、X軸方向において対称とされる。
X軸方向において対称であるマイクロストリップ線路151−1とマイクロストリップ線路151−2とを有することで、アンテナ装置150の伝送路全体が、X軸方向において対称となる。アンテナ装置150は、伝送路がX軸方向において対称な構成を有することで、電磁波放射の偏りを少なくすることができ、高い電気性能を得ることができる。
実施の形態9によると、アンテナ装置150は、導波管マイクロストリップ線路変換器57を備えるとともに、Y軸方向におけるアンテナ素子121の範囲に折り曲げ部154のY座標が含まれることにより、安定かつ高い電気性能が得られ、信頼性の向上が可能となる。
実施の形態9にかかるアンテナ装置150は、導波管マイクロストリップ線路変換器57に代えて、上記の実施の形態1にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器10,51,53,55のいずれかを備えていても良い。アンテナ装置150は、導波管マイクロストリップ線路変換器10,51,53,55のいずれかを備える場合も、導波管マイクロストリップ線路変換器57を備える場合と同様に、リプルの抑制と電力損失の低減とによって、安定かつ高い電気性能を得ることができる。
実施の形態10.
図30は、本発明の実施の形態10にかかるアンテナ装置160の平面図である。アンテナ装置160は、実施の形態6におけるマイクロストリップ線路35−1,35−2に代えて、分岐を有するマイクロストリップ線路162−1,162−2を備える。実施の形態10では、実施の形態1から9と同一の構成要素には同一の符号を付し、実施の形態1から9とは異なる構成について主に説明する。
アンテナ装置160は、マイクロ波あるいはミリ波を送受信する平面アンテナである。アンテナ装置160は、2個のアレイアンテナ161−1,161−2を備える。アレイアンテナ161−1,161−2は、それぞれ、X軸方向は配列された2個のアンテナ素子121を有するアンテナである。なお、アレイアンテナ161とは、アレイアンテナ161−1,161−2の各々を区別せずに称したものとする。マイクロストリップ線路162とは、マイクロストリップ線路162−1,162−2の各々を区別せずに称したものとする。
マイクロストリップ線路162−1は、第2のインピーダンス変成部34からプラスY方向へ延ばされた部分163−1と、部分163−1から2個のアンテナ素子121の各々へ向けて延ばされた分岐とを有する。部分163−1のうちプラスY方向側の端は、アレイアンテナ161−1が有する2個のアンテナ素子121の間に位置する。マイクロストリップ線路162−1は、部分163−1の端からプラスX方向へ延ばされた部分164−1と、部分163−1の端からマイナスX方向へ延ばされた部分165−1とを有する。マイクロストリップ線路162−1における分岐の位置である分岐部166は、部分163−1と部分164−1と部分165−1との境界である。アレイアンテナ161−1が有する2個のアンテナ素子121のうちの1つは、部分164−1のうちプラスX方向側の端167に繋げられている。2個のアンテナ素子121のうちの他の1つは、部分165−1のうちマイナスX方向側の端168に繋げられている。
マイクロストリップ線路162−2は、第2のインピーダンス変成部34からプラスY方向へ延ばされた部分163−2と、部分163−2から2個のアンテナ素子121の各々へ向けて延ばされた分岐とを有する。部分163−2のうちプラスY方向側の端は、アレイアンテナ161−2が有する2個のアンテナ素子121の間に位置する。マイクロストリップ線路162−2は、部分163−2の端からプラスX方向へ延ばされた部分164−2と、部分163−2の端からマイナスX方向へ延ばされた部分165−2とを有する。マイクロストリップ線路162−2における分岐の位置である分岐部166は、部分163−2と部分164−2と部分165−2との境界である。アレイアンテナ161−2が有する2個のアンテナ素子121のうちの1つは、部分164−2のうちプラスX方向側の端167に繋げられている。2個のアンテナ素子121のうちの他の1つは、部分165−2のうちマイナスX方向側の端168に繋げられている。
端167,168は、Y軸方向におけるアンテナ素子121の中心に繋げられている。分岐部166のY座標は、Y軸方向におけるアンテナ素子121の中心のY座標と同じである。また、マイクロストリップ線路162−1の分岐部166のY座標と、マイクロストリップ線路162−2の分岐部166のY座標とは、同じである。
分岐部166は、伝送路の向きが90度変化する位置であることから、電磁波の不要な放射が生じ得る。分岐部166のY座標とアンテナ素子121の中心のY座標とが同じであることによって、YZ平面においては、アンテナ素子121から放射される電磁波と分岐部166から放射される電磁波との位相差は生じない。アンテナ装置160は、YZ平面においては、分岐部166からの電磁波の放射に起因するリプルの発生を抑制することができる。アンテナ装置160は、リプルの抑制によって、安定かつ高い電気性能を得ることができる。
なお、端167,168は、アンテナ素子121のうちY軸方向における中心以外の位置に繋げられても良い。アンテナ素子121に端167,168が繋げられた状態では、分岐部166のY座標は、Y軸方向におけるアンテナ素子121の範囲に含まれる。分岐部166のY座標がY軸方向におけるアンテナ素子121の範囲に含まれることで、YZ平面における上記の位相差を低減できる。アンテナ装置160は、Y軸方向におけるアンテナ素子121の範囲に分岐部166のY座標が含まれることで、YZ平面におけるリプルの発生を抑制できる。
アンテナ装置160の設計において、導波管マイクロストリップ線路変換器57のX座標およびY座標とアンテナ素子121のX座標およびY座標とが、設計上の制約によってあらかじめ決定されているとする。マイクロストリップ線路162の各部分の長さの調整によって、導波管マイクロストリップ線路変換器57とアンテナ素子121とを接続できる。かかる調整において、マイクロストリップ線路162−1とマイクロストリップ線路162−2とは、X軸方向において対称とされる。
X軸方向において対称であるマイクロストリップ線路162−1とマイクロストリップ線路162−2とを有することで、アンテナ装置160の伝送路全体が、X軸方向において対称となる。アンテナ装置160は、伝送路がX軸方向において対称な構成を有することで、電磁波放射の偏りを少なくすることができ、高い電気性能を得ることができる。
実施の形態10によると、アンテナ装置160は、導波管マイクロストリップ線路変換器57を備えるとともに、Y軸方向におけるアンテナ素子121の範囲に分岐部166のY座標が含まれることにより、安定かつ高い電気性能が得られ、信頼性の向上が可能となる。
実施の形態10にかかるアンテナ装置160は、導波管マイクロストリップ線路変換器57に代えて、上記の実施の形態1にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器10,51,53,55のいずれかを備えていても良い。アンテナ装置160は、導波管マイクロストリップ線路変換器10,51,53,55のいずれかを備える場合も、導波管マイクロストリップ線路変換器57を備える場合と同様に、リプルの抑制と電力損失の低減とによって、安定かつ高い電気性能を得ることができる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
10,51,53,55,57,59,61,63,65,67 導波管マイクロストリップ線路変換器、11,26 誘電体基板、12 地導体、13,52,54,56,58,60,62,64,66,68 線路導体、14 導波管、15,25 スロット、16 開口端、17 入出力端、18 開口縁部、19 管壁、21 中央部、22 端部、31 変換部、32,32−1,32−2 第1のインピーダンス変成部、33,33−1,33−2 第3のインピーダンス変成部、34,34−1,34−2 第2のインピーダンス変成部、35,35−1,35−2,40,43,70,71,73,74,75,102,124,128,131,131−1,131−2,141,141−1,141−2,151,151−1,151−2,162,162−1,162−2 マイクロストリップ線路、36 スタブ、37,38,38−1,38−2,39,39−1,39−2,135,136,147,148,155,156,167,168 端、41 第4のインピーダンス変成部、42 第5のインピーダンス変成部、44 第1範囲、45 第2範囲、46,47,76,134,145,146,154 折り曲げ部、48−1,48−2 境界、72 第6のインピーダンス変成部、77,78 部位、100,110,120,122,125,126,130,140,150,160 アンテナ装置、101 アンテナ、103,121,121−1,121−2 アンテナ素子、123,123−1,123−2,127,127−1,127−2,161,161−1,161−2 アレイアンテナ、132−1,132−2,133−1,133−2,142−1,142−2,143−1,143−2,144−1,144−2,152−1,152−2,153−1,153−2,163−1,163−2,164−1,164−2,165−1,165−2 部分、166 分岐部、S1 第1の面、S2 第2の面。

Claims (16)

  1. 導波管マイクロストリップ線路変換器と、
    前記導波管マイクロストリップ線路変換器に接続されたアンテナ素子と、を有し、
    前記導波管マイクロストリップ線路変換器は、
    開口端を有する導波管と、
    前記開口端に向けられた第1の面と前記第1の面とは逆側の第2の面とを有する誘電体基板と、
    前記第1の面に設けられており前記開口端が接続されるとともに、前記開口端の縁部により囲まれた領域にスロットが設けられている地導体と、
    第1の線路幅のマイクロストリップ線路である第1の部位と、前記スロットの直上に位置し、前記第1の線路幅より大きい第2の線路幅の第2の部位と、前記第2の部位から第1の方向へ延ばされており、前記第1の部位と前記第2の部位との間におけるインピーダンス整合を担う第3の部位と、を有し、前記第2の面に設けられた線路導体と、を備え、
    前記第3の部位の前記第1の方向における両端のうちの1つの端は前記第2の部位に繋げられており、
    前記第1の部位は、前記第3の部位の前記両端のうちの他の端に続けて前記第1の方向に垂直な第2の方向へ延ばされており、
    前記第3の部位のうち前記他の端を含む部分の線路幅は、前記第1の線路幅より大きく、
    前記第1の部位の前記第1の方向における1つの端と前記第3の部位の前記他の端とが1つの直線をなすことによって、前記第1の部位と前記第3の部位との間の線路幅が不連続である部分と前記線路導体の折り曲げ箇所とが一体とされており、
    前記アンテナ素子は、前記第1の部位の前記第2の方向における1つの端に繋げられていることを特徴とするアンテナ装置。
  2. 前記第3の部位は、前記インピーダンス整合を担う複数のインピーダンス変成部を含み、
    前記複数のインピーダンス変成部において互いに隣り合うインピーダンス変成部同士は、互いに異なる線路幅をなすことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記複数のインピーダンス変成部のそれぞれの線路幅は、前記第2の線路幅より小さいことを特徴とする請求項2に記載のアンテナ装置。
  4. 前記複数のインピーダンス変成部は、前記第1の線路幅より大きい線路幅のインピーダンス変成部を含むことを特徴とする請求項2または3に記載のアンテナ装置。
  5. 前記複数のインピーダンス変成部は、前記第1の方向の伝送路を構成するインピーダンス変成部と、前記第1の方向と前記第2の方向との間の斜め方向の伝送路を構成しているインピーダンス変成部とを含むことを特徴とする請求項2から4のいずれか1つに記載のアンテナ装置。
  6. 前記複数のインピーダンス変成部は、第1のインピーダンス変成部と、第2のインピーダンス変成部と、前記第1のインピーダンス変成部および前記第2のインピーダンス変成部の間に設けられ前記第1のインピーダンス変成部の線路幅と前記第2のインピーダンス変成部の線路幅とのいずれよりも小さい線路幅の第3のインピーダンス変成部と、を含み、
    前記第3のインピーダンス変成部は、前記斜め方向の伝送路を構成していることを特徴とする請求項5に記載のアンテナ装置。
  7. 前記線路導体には、前記第2の部位を中心に前記第1の方向における一方の側に位置する前記第3の部位と前記第1の方向における他方の側に位置する前記第3の部位とが設けられており、
    前記線路導体は、さらに、前記一方の側の前記第3の部位から延ばされた前記第1の部位に続けて前記第2の方向へ延ばされている第1範囲と、前記第1範囲から前記他方の側へ延ばされた第2範囲と、前記第1範囲と前記第2範囲との間の折り曲げ部とを含む第4の部位を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載のアンテナ装置。
  8. 前記第1の部位および前記第1範囲の線路長の合計が、前記線路導体にて伝送される高周波信号の波長の4分の1以下の長さであることを特徴とする請求項7に記載のアンテナ装置。
  9. 前記線路導体は、
    前記一方の側の前記第3の部位から延ばされた前記第1の部位を含む伝送路と、前記他方の側の前記第3の部位から延ばされた前記第1の部位を含む伝送路とが繋げられた第5の部位と、
    前記第4の部位と前記第5の部位との間のインピーダンス整合を担う第4のインピーダンス変成部と、
    前記他方の側の前記第3の部位から延ばされた前記第1の部位と前記第5の部位との間のインピーダンス整合を担う第5のインピーダンス変成部とを有することを特徴とする請求項7または8に記載のアンテナ装置。
  10. 前記線路導体は、前記第2の部位から分岐され前記第2の部位の側とは逆側の端が開放端とされた分岐部位を有することを特徴とする請求項1から9のいずれか1つに記載のアンテナ装置。
  11. 前記分岐部位は、前記第2の部位のうち前記第2の方向における端から前記第2の方向へ延ばされており、
    前記第1の方向における前記分岐部位の中心位置は、前記第1の方向における前記スロットの中心位置から前記第1の方向へずれていることを特徴とする請求項10に記載のアンテナ装置。
  12. 前記第1の部位は、前記第3の部位から前記第2の方向へ延ばされた直線形をなしており、
    前記アンテナ素子は、前記第2の方向における前記第1の部位の両端のうち、前記第3の部位に繋げられている端とは逆側の端に繋げられていることを特徴とする請求項1から11のいずれか1つに記載のアンテナ装置。
  13. 前記第1の部位は、前記第3の部位から前記第2の方向へ延ばされた部分と、当該部分から前記第1の方向と前記第2の方向との間の斜め方向へ延ばされた部分との間の折り曲げ部で折り曲げられており、前記折り曲げ部における折り曲げの角度が鈍角であることを特徴とする請求項1から11のいずれか1つに記載のアンテナ装置。
  14. 前記第1の部位は、前記第2の方向へ延ばされた部分と前記第1の方向へ延ばされた部分との間の折り曲げ部で折り曲げられており、
    前記第1の部位のうち前記第3の部位に繋げられた端から前記折り曲げ部までの前記第2の方向における長さよりも、前記第1の部位のうち前記アンテナ素子に繋げられた端から前記折り曲げ部までの前記第2の方向における長さのほうが短いことを特徴とする請求項1から11のいずれか1つに記載のアンテナ装置。
  15. 前記第1の部位は、前記第2の方向へ延ばされた部分と当該部分から前記アンテナ素子が繋げられた前記端までの部分との間の折り曲げ部で折り曲げられており、
    前記第2の方向における前記折り曲げ部の位置が、前記第2の方向における前記アンテナ素子の範囲に含まれることを特徴とする請求項1から11のいずれか1つに記載のアンテナ装置。
  16. 前記第1の部位は、前記第2の方向へ延ばされた部分から複数の前記アンテナ素子の各々へ向けて延ばされた分岐を有し、
    前記第2の方向における前記分岐の位置が、前記第2の方向における前記アンテナ素子の範囲に含まれることを特徴とする請求項1から11のいずれか1つに記載のアンテナ装置。
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