JP6896056B2 - ロータリー型圧縮機、及び、ロータリー型圧縮機の製造方法 - Google Patents

ロータリー型圧縮機、及び、ロータリー型圧縮機の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ロータリー型圧縮機、及び、ロータリー型圧縮機の製造方法に関し、特に、ベーン及びベーン取付溝の表面性状に関するものである。
ロータリー圧縮機では、クランク軸の偏芯軸部に嵌着されたローリングピストンが、シリンダー内の中央空間部に可動式に配設されており、外周面とシリンダーの内壁面、及び、外周面とシリンダーの内側面から延出するベーンが当接状態となっている。そして、シリンダーとローリングピストンとの隙間に形成された空間が、ベーンにより、圧縮室と吸入室とに仕切られている。
ローリングピストンは、クランク軸の回転により偏心回転し、シリンダーとローリングピストンとの隙間の空間に冷媒ガスを吸入する吸入工程と、吸入した冷媒ガスを圧縮する圧縮工程とを順次連続して繰り返す。シリンダーとローリングピストンとの隙間で圧縮された冷媒ガスは、吸入工程と、圧縮工程との一連の工程を経た後、密閉容器内に放出され、密閉容器から吐出管を経て冷凍回路に送り込まれる。
ローリングピストンが回転すると、ベーンは、位相が位相180°に達するまでベーン取付溝基部の背圧室からの押付荷重により、偏心回転するローリングピストンに追従して下死点へと移動する。一方、位相が位相180°以上に達すると、ベーンは、偏心回転するローリングピストンから荷重を受け、上死点へと移動する。
このように、ベーンは、ローリングピストンの高速回転により、シリンダーの内周面に形成されたベーン取付溝に案内され、ベーン側面部においてベーン取付溝の内側面に当接しながら往復動する。そのため、ベーンとベーン取付溝との間には、クリアランスを設け、且つ、潤滑油を介在させてベーンとベーン取付溝内との摺動及び往復動を可能としている。また、シリンダー内の圧縮された冷媒ガスの漏れ損失を低減するため、ベーンとベーン取付溝とのクリアランスを抑制することも提案されている。
例えば、特許文献1には、ベーンの摺動面を表面粗さRaが0.1μm以下、十点平均最大高さ粗さに換算すると、0.4μm以下とすることが記載されている。また、特許文献2では、ベーンのロータに接触する面において、ロータ回転方向の表面粗さを十点平均最大高さ粗さで1μm以下、ロータ回転方向の直角方向の表面粗さを十点平均最大高さRzで0.6μm以下とすることが提案されている。このように、ベーン取付溝の内側面に当接するベーンの側面を研削し、クリアランスを抑制している。
特開平6−299981号公報 特開平7−267730号公報
特許文献1、2に記載されたベーンでは、クリアランスを抑制することができていても、研削が不十分であり、微少な凸部が排除されずに残存すると考えられる。ベーン側面に残存する凸部は、ベーン取付溝の凸形状と引っ掛かり、円滑なベーンの往復動が阻害され、圧縮機運転時に摺動損失が生じてしまうと考えられる。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、ベーン取付溝を円滑に往復動し、往復動による騒音、摺動損失、及び、摺動抵抗を低減できる表面性状を有するベーンを備えたロータリー型圧縮機、及び、ロータリー型圧縮機の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るロータリー型圧縮機は、シリンダーに形成されたベーン取付溝と、ベーン取付溝の内側面に側面が接し、往復動するベーンと、を備え、ベーンの側面部は、表面粗さの値が十点平均粗さで0.1μm未満の超平滑な表面性状を備え、ベーン取付溝の内側面は、突出山高さRpkで0.1μmの表面性状を備えており、内側面には、ベーンを潤滑する潤滑油を保持する溝であり、最大深度が0.3μm〜1.5μmである凹陥形状が形成されている。
また、本発明に係るロータリー型圧縮機の製造方法は、シリンダーに形成されたベーン取付溝と、ベーン取付溝に挿入されるベーンと、を加工する加工工程を有し、加工工程は、ベーンを、砥粒を液体に溶いた研磨液を塗布して研磨し、表面粗さの値が十点平均粗さで0.1μm未満の表面性状とする研磨工程と、ベーン取付溝を、ベーン取付溝よりも硬度が高い丸棒を押しつけ、ベーン取付溝を塑性加工させて表面粗さの値が突出山部高さで0.1μm未満の表面性状とする塑性加工工程と、を含み、ベーン取付溝の内側面は、突出山高さRpkで0.1μmの表面性状を備えており、内側面には、ベーンを潤滑する潤滑油を保持する溝であり、最大深度が0.3μm〜1.5μmである凹陥形状が形成されている。
本発明によれば、ベーン取付溝の内側面と当接するベーンの側面を十点平均粗さで0.1μm未満の超平滑な表面形状としているため、表面の凸部が排除され、表面の平坦性が向上する。これにより、ベーンとベーン取付溝との隙間からの圧力損失を低減し、且つ、摺動抵抗が抑制された高い性能を有するロータリー型圧縮機を得ることができる。
本発明の実施の形態1に係るロータリー型圧縮機の概略模式図である。 本発明の実施の形態1に係るロータリー型圧縮機のシリンダーの端面の概略図である。 図2のベーンの側面図である。 本発明の実施の形態1に係るベーンの表面性状を示す断面曲線である。 従来のベーンの表面性状を示す断面曲線である。 本発明の実施の形態1に係るベーン側面部と、従来のベーン側面部とにおける試験時間と摩擦係数との関係を示すグラフである。 本発明の実施の形態2に係るロータリー型圧縮機のベーン取付溝の側面部の断面曲線である。 従来のベーン取付溝の側面部の断面曲線である。 本発明の実施の形態2に係るベーン取付溝を備えたロータリー型圧縮機と、従来のベーン取付溝を備えたロータリー型圧縮機との運転時間と入力値との関係を示すグラフである。
実施の形態1.
本実施の形態に係るロータリー型圧縮機は、例えば、多段シリンダー型、又は、単一シリンダー型などのロータリー型圧縮機であり、冷凍サイクルにおいて、冷媒を圧縮し、圧縮された冷媒を冷凍回路に送り込むためなどに用いられる。以下の説明においては、多段シリンダー型のロータリー型圧縮機を例にとり説明する。
<ロータリー型圧縮機1の構成>
図1は、本実施の形態に係るロータリー型圧縮機1の概略模式図である。図1に示すように、ロータリー型圧縮機1は、鋼板からなる円筒状の密閉容器2と、密閉容器2内の上部に配置された電動要素12と、電動要素12の下方に配置された回転圧縮機構部4と、により構成されている。
電動要素12は、クランク軸3を有し、クランク軸3により電動要素12の下方に配置された回転圧縮機構部4と接続している。電動要素12は、回転圧縮要素から成る回転圧縮機構部4を回転させる駆動源となる。
回転圧縮機構部4は、シリンダー5と、クランク軸3に設けられた偏心軸部8と、偏心軸部8に嵌着されたローリングピストン6とにより構成されている。シリンダー5は、中央に空間を有し、中央の空間にローリングピストン6が配置されている。ローリングピストン6は、シリンダー5の中央の空間において可動に設けられており、偏心軸部8の駆動によりシリンダー5の内側面に接触しながら偏心回転する。シリンダー5には、ベーン9を案内するベーン取付溝11が、シリンダー5の内周面に開口し、内周面から外周面に向かって形成されている。ベーン9は、ベーン取付溝11に挿入され、ベーン取付溝11の案内によりベーン取付溝11内を移動し、ローリングピストン6の外周面に線接触した状態を維持する。シリンダー5の上部及び下部には、上部カバー10と、クランク軸3の軸受としての機能を備える下部カバー7とが取り付けられており、上部カバー10及び下部カバー7により軸方向の開口が閉塞されている。回転圧縮機構部4において偏心軸部8がクランク軸3の回転により回転し、これ伴ってシリンダー5の内部のローリングピストン6が偏心回転する。
図2は、本実施の形態に係るロータリー型圧縮機1のシリンダー5の端面の概略図である。図2に示すように、シリンダー5に形成されたベーン取付溝11は、シリンダー5の内周面に軸方向に開口している。ベーン取付溝11には、ベーン9がバネ14を介して挿入され、シリンダー5とローリングピストン6との間に形成される空間を仕切っている。ベーン9は、ベーン取付溝11の奥から開口の方向に作用するバネ14の復元力により、偏心回転するローリングピストン6と当接した状態を維持している。
図3は、図2のベーン9の側面図である。図3に示すように、ベーン9は、矩形状の平板であり、ベーン側面部13が、表面粗さの値が十点平均粗さで0.1μm未満の超平滑な表面性状を備えている。ここで、十点平均粗さとは、Rzjisとも略称される日本独自の表面粗さの尺度であり、基準長さにおいて、輪郭曲線の最大の山高さから5番目までの平均と、最深の谷深さから5番目までの平均との和を表している。ベーン側面部13の表面粗さの値は、可能な限り小さいことが望ましく、例えば、0.05μmなどに設定される。
ベーン9は、一方の端部9aがベーン取付溝11に挿入され、ベーン取付溝11の奥に配置されたバネ14に接しており、他方の端部9bが偏心回転するローリングピストン6の外側面に線接触している。ベーン側面部13は、ベーン取付溝11の内側面と面接触している。ベーン側面部13は、ローリングピストン6の偏心回転に伴うベーン9の往復動により、ベーン取付溝11の内側面に沿って摺動する。
ベーン取付溝11に沿って移動するベーン側面部13は、超平滑な表面性状を有し、凸部が排除されている。そのため、ベーン取付溝11の内側面に凸形状があっても、凸形状がベーン取付溝11に引っ掛かることが抑制されている。従って、ベーン9は、ベーン取付溝11を移動する際に、凸形状の引っ掛かりによる摺動抵抗を受けることなく円滑に往復動することができる。
<ロータリー型圧縮機1の動作>
続いて、ロータリー型圧縮機1の動作について説明する。
ロータリー型圧縮機1は、ベーン9により吸入室と圧縮室とに仕切られたシリンダー5とローリングピストン6との間に形成される空間において、冷媒ガスを吸入する吸入工程と、吸入した冷媒ガスを圧縮する圧縮工程と、を行う。吸入工程及び圧縮工程を繰り返し行いながら、吸入工程及び圧縮工程により圧縮された冷媒ガスを、密閉容器2に放出し、冷凍回路に送り込む。
ロータリー型圧縮機1の圧縮工程においては、ローリングピストン6の偏心回転に伴い、シリンダー5と、ローリングピストン6と、ベーン9とにより形成された空間が小さくなることで、冷媒ガスが圧縮される。このとき、ベーン9とベーン取付溝11との隙間が大きいと、圧縮された冷媒ガスが漏れ出てしまう。しかし、ベーン側面部13の凸部を排除することで、ベーン9とベーン取付溝11とをより近接させることが可能となり、隙間が小さく抑制される。これにより、圧縮された冷媒ガスがベーン9とベーン取付溝11との隙間から漏れ出にくくなり、圧力損失が低減される。
<ベーン9の表面性状>
図4は、本実施の形態に係るベーン9の表面性状を示す断面曲線である。また、図5は、従来のベーンの表面性状を示す断面曲線である。図4及び図5において、横軸は、ベーン9の長手方向の寸法を、縦軸は、ベーン9の側面に直交する断面における表面性状をそれぞれ示している。また、表面位置を代表する基準位置S1を0.00μmとする。
図4に示すように、本実施の形態に係るベーン9のベーン側面部13は、超平滑に加工され、表面粗さの値が十点平均粗さで0.1μm未満になっている。また、図5に示すように、従来のベーンは、表面粗さが十点平均粗さで0.8μm以下の表面形状に形成されている。
図4の本実施の形態に係るベーン9と、図5の従来のベーンとを比較すると、本実施の形態に係るベーン側面部13は、凹凸が微少であり、基準位置S1から突出する凸部が排除され、超平滑な面になっていることを観察できる。一方、従来のベーン側面部の表面においては、凹凸が大きく、凸部が基準位置S1から離れた位置に達しており、山高さが大きい凸部が残存していることが観察できる。ベーン側面部13に残存する凸部は、ベーン9の摺動時にベーン取付溝11の内側面の凸形状に引っ掛かり、摺動抵抗の増大を招く。従来のベーンでは、ベーン側面部の凸部と、ベーン取付溝11の凸形状とが接触することにより、隙間が大きくなり、圧縮された冷媒ガスが漏れ出すことで圧力損失を引き起こす。
ベーン9が超平滑な表面性状を備えることで、ベーン側面部13の凸部が排除され、ベーン取付溝11の内側表面の凸部への引っ掛かりが生じにくくなり、摺動抵抗が抑制される。また、ベーン側面部13とベーン取付溝11の内側面とがより密着することで隙間からの漏れが防止され圧力損失が低減される。従って、ベーン取付溝11とベーン9との間での摩擦と、圧力損失とを抑制できる。
<ロータリー型圧縮機1の製造方法>
次に、本実施の形態に係るロータリー型圧縮機1に搭載されるベーン9に関する製造方法について説明する。
ロータリー型圧縮機1に搭載されるベーン9は、ベーン9を加工する加工工程を経て製造される。加工工程は、研削工程と、研磨工程と、を含む。
加工工程においては、まず、板金からベーン9となる部材を切り出す。板金の材料としては、例えば、ステンレスとしてSUS440、又は、高速度鋼としてSKH51などを用いることができる。そして、切り出された部材の側面部の表面を研削する研削工程を実施する。研削工程を実施した後、砥粒を液体に溶いた研磨液を用いて研磨する研磨工程を実施する。砥粒の材質は、例えば、ダイヤモンドを用いる。研磨工程では、例えば、側面部の表面に粒子が3μmなどの砥粒を液体に溶いた研磨液を塗布するポリッシング加工を施せばよい。その他の研磨方法としては、研磨シートを押し当てて加工するラッピング加工などがある。ベーン9は、加工工程において研磨され、表面粗さの値が十点平均粗さで0.1μm未満となるように加工される。
このように形成されたロータリー型圧縮機1に搭載されるベーン9は、ダイヤモンド砥粒を用いた研磨液などにより研磨され、従来の製造方法で作成されたベーンと比較してベーン9の側面部が超平滑になっている。これにより、ベーン9とベーン取付溝11との間で生じる摺動抵抗が低減され、且つ、騒音、摺動損失、及び、圧力損失が抑制されることとなり、円滑に冷媒ガスの圧縮を行うことができるロータリー型圧縮機1を製造することができる。
<実験結果>
次に、従来のベーン側面部の表面性状と、本実施の形態に係るベーン側面部13の表面性状との摩擦係数について行った実験結果を示す。
図6は、本実施の形態に係るベーン側面部13と、従来のベーン側面部とにおける試験時間と摩擦係数との関係を示すグラフである。図6において、縦軸は摩擦係数を示し、横軸は試験時間を示している。本実施の形態に係るベーン9は、表面粗さの値が十点平均粗さで0.06μmに加工したものを用いて実験を行い、実験結果を○印で示した。従来のベーンとして、表面粗さの値が十点平均粗さで0.8μmのものを用いた場合を菱形印で示し、表面粗さの値が十点平均粗さで0.2μmのものを用いた場合を×印で示した。
図6に示すように、従来のベーン側面部は、表面粗さの値が十点平均粗さで0.8μmの表面性状であった。このとき、ベーン取付溝11の内側面との摺動摩擦係数の平均値は0.109であり、表面粗さの値が十点平均粗さで0.2μmの表面性状では、0.099であった。これに対し、本実施の形態のベーン側面部13では、ベーン取付溝11の内側面との摺動摩擦係数の平均値が0.045であった。以上の実験結果より、ベーン側面部13を超平滑な表面性状にすることで、摩擦抵抗が低減し、ベーン9の摺動が円滑な圧縮機が得られることがわかった。
以上説明した、本実施の形態に係るロータリー型圧縮機1は、ベーン側面部13の表面粗さの値が十点平均粗さで0.1μm未満の超平滑な表面性状に加工されており、凸部が排除された表面性状になっている。これにより、ベーン側面部13の表面の平坦性が向上し、ベーン9とベーン取付溝11との摩擦による摺動抵抗と、隙間からの漏れによる圧力損失とを抑制することができる。
特に、ベーン側面部13が砥粒を液体に溶いた研磨液により研磨加工されているため、十点平均粗さで0.1μm未満の超平滑な表面性状となっている。
また、ベーン9の加工工程において、砥粒を液体に溶いた研磨剤によりベーン9を研磨する研磨工程を実施し、表面粗さを十点平均粗さで0.1μm未満の超平滑な表面性状としている。このような加工工程を経ることにより、摺動抵抗、圧力損失、騒音などが低減されたロータリー型圧縮機1を製造できる。
特に、研磨工程において、砥粒の材質にダイヤモンドを用いることで、超平滑な表面性状のベーン9を実現できる。
実施の形態2.
実施の形態2に係るロータリー型圧縮機1について説明する。本実施の形態に係るロータリー型圧縮機1は、ベーン取付溝11の内側面に凹陥形状Rが形成されている点で実施の形態1と相違する。なお、本実施の形態では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、実施の形態1と同一部分には、同一符号を付して説明を省略するものとする。
図7は、本実施の形態に係るロータリー型圧縮機1のベーン取付溝11の側面部の断面曲線である。また、図8は、従来のベーン取付溝の側面部の断面曲線である。図7及び図8は、図4及び図5と同様、横軸にベーン取付溝11の長手方向の寸法を、縦軸にベーン取付溝11の側面に直交する断面における表面性状をそれぞれ示している。点線は、ベーン側面部13が摺動する摺動位置Pを示し、基準位置S2を0.00μmとする。
図7に示すように、ベーン取付溝11は、内側面に形成された凹陥形状Rを有し、内側面の突出山高さRpkで0.1μmの表面性状を備えている。ここで、突出山高さRpkとは、プラトー構造表面の潤滑性評価パラメーターの一つであり、基準となる高さよりも上にある突出山部の平均高さを示す。
ベーン取付溝11の内側面は、表面性状が突出山高さRpkで0.1μm未満であり、内側面から突出する凸形状が排除され、摺動位置Pがベーン取付溝11の基準位置S2に近接している。ベーン取付溝11の内側面の表面性状により、ベーン取付溝11の基準位置S2とベーン側面部13の摺動位置Pとが密接し、ベーン取付溝11と超平滑な平面性状のベーン側面部13との隙間が抑制される。
また、ベーン取付溝11の内側面に設けられた凹陥形状Rは、ベーン取付溝11の基準位置S2から面内方向に凹む溝であり、ベーン9とベーン取付溝11と隙間に供給され、ベーン9の摺動性を向上させるための潤滑油を保持している。凹陥形状Rは、最大深度が、例えば、0.3μm〜1.5μmなどである。そのため、ベーン取付溝11の基準位置S2と超平滑に加工されたベーン側面部13の摺動位置Pとが密接し、隙間が小さく抑制されていても凹陥形状Rに貯留された油が逐次供給され、油切れによる摺動抵抗の上昇が防止される。
図8に示すように、従来のベーン取付溝は、内側面が突出山高さRpkで0.3μm以下の表面性状であり、凹陥形状Rは形成されていない。図7のベーン取付溝11と比較すると、図8のベーン取付溝の内側面には、凸形状が残存しており、ベーン取付溝の基準位置S2と、摺動位置Pとの隙間が大きくなっている。
このように、内側面の凸形状を排除し、超平滑な表面性状としたベーン取付溝11に、ベーン側面部13が超平滑な表面性状のベーン9が挿入されることで、ベーン取付溝の基準位置S2と、摺動位置Pとの隙間を更に抑制することができる。これにより、超平滑なベーン側面部13に密着して隙間が抑制され、圧縮された冷媒ガスが漏れ出て圧力損失が生じることが防止される。これにより、油切れによる摺動抵抗の増加が低減し、且つ、冷媒ガスが漏れ出ることによる圧力損失が防止される。
ベーン取付溝11は、例えば、ベーン取付溝11の内側面を構成する部材として、突出山高さRpkで3μm以下の表面性状を有する部材を用いて、突出山高さRpkで0.1μmの表面性状となるように研磨して作製すればよい。研磨の方法としては、例えば、ベーン取付溝よりも硬度が高い超硬の丸棒をベーン取付溝に押しつけ、凸形状を塑性変形させて押しつぶす塑性加工により作製することができる。これにより、突出山高さRpkで0.1μmであり、最大深度が0.3μm〜1.5μmなどの凹陥形状Rを有するベーン取付溝11が形成される。なお、研磨の方法は、上記に限定されず、凸形状を排除することができればよい。
なお、本実施の形態において、ベーン取付溝11に凹陥形状Rが形成された例を示したが、凹陥形状Rは、ベーン側面部13に形成されていてもよく、ベーン取付溝11と、ベーン側面部13との双方に形成されていてもよい。また、本実施の形態において説明した、ベーン側面部13の構成と、ベーン取付溝11の構成とを反転させ、ベーン側面部13に凹陥形状Rを形成し、突出山高さRpkで0.1μmの表面性状とし、ベーン取付溝11を超平滑な表面性状としてもよい。この場合にも、ベーン9とベーン取付溝11との隙間を抑制し、油切れを防止しながら摩擦抵抗と、圧力損失とを抑制することができる。
<実験結果>
次に、本実施の形態に係るベーン取付溝11を備えたロータリー型圧縮機1と、従来のベーン取付溝を備えたロータリー型圧縮機と運転効率について実験を行った。
図9は、本実施の形態に係るベーン取付溝11を備えたロータリー型圧縮機1と、従来のベーン取付溝を備えたロータリー型圧縮機との運転時間と入力値との関係を示すグラフであり、縦軸に一次入力比を示し、横軸に運転時間を示している。図9において、太線は、本実施の形態のロータリー型圧縮機1の実験結果を示し、細線は、従来のロータリー型圧縮機の実験結果を示している。
図9に示すように、本実施の形態に係る仕様のベーン取付溝11を備えたロータリー型圧縮機1は、運転時間が160分を超えるまでは一次入力比が低下し、その後、一定の100%付近を推移する傾向を示した。一方、比較対象として、従来の仕様のベーン取付溝を備えたロータリー型圧縮機の一次入力比は、運転時間が260分を超えても低下し続け、その後一定に推移する傾向であった。つまり、従来の仕様のベーン取付溝では、ベーン9の摺動性が悪化していた。
ベーン取付溝11の突出山高さRpkを0.9μm以下としたことで、ベーン側面部13との摺動抵抗が低減し、圧縮効率の低下による入力の上昇を抑制することが可能となった。また、ベーン取付溝11の凹陥形状Rにより潤滑油が保持され、摺動抵抗の低減による圧縮効率の低下を抑制することが可能となった。これにより、圧縮効率の低下による入力の上昇を抑制することが可能なロータリー圧縮機が得られた。
以上説明した、本実施の形態に係るロータリー型圧縮機1によれば、ベーン取付溝11の内側面に凹陥形状Rが形成されており、凹陥形状Rに保持された潤滑油がベーン9とベーン取付溝との隙間に供給される。これにより、油切れを防止し、ベーン9がベーン取付溝11を円滑に摺動することができる。
また、ベーン側面部に凹陥形状Rが形成されることで、潤滑油が凹陥形状Rに保持され、油切れを防止し、ベーン9がベーン取付溝11を円滑に摺動することができる。
また、ベーン取付溝11の内側面を表面粗さの値が突出山部高さで0.1μm未満の表面性状とすることで、ベーン取付溝11の側面部の凸形状が排除され、ベーン9とベーン取付溝11との間の摩擦抵抗、及び、圧力損失を抑制することができる。
また、ベーン取付溝11の加工工程において、凸形状を塑性変形させて押しつぶす塑性加工工程をベーン取付溝11に施し、ベーン取付溝11の内側面の表面性状が突出山部高さで0.1μm未満としている。このような加工工程を経ることにより、摺動抵抗、圧力損失、騒音などが低減されたロータリー型圧縮機1を製造できる。
1 ロータリー型圧縮機、2 密閉容器、3 クランク軸、4 回転圧縮機構部、5 シリンダー、6 ローリングピストン、7 下部カバー、8 偏心軸部、9 ベーン、9a、9b 端部、10 上部カバー、11 ベーン取付溝、12 電動要素、13 ベーン側面部、14 バネ。

Claims (4)

  1. シリンダーに形成されたベーン取付溝と、
    前記ベーン取付溝の内側面に側面が接し、往復動するベーンと、
    を備え、
    前記ベーンの側面部は、
    表面粗さの値が十点平均粗さで0.1μm未満の超平滑な表面性状を備え、
    前記ベーン取付溝の前記内側面は、突出山高さRpkで0.1μmの表面性状を備えており、前記内側面には、前記ベーンを潤滑する潤滑油を保持する溝であり、最大深度が0.3μm〜1.5μmである凹陥形状が形成されている
    ロータリー型圧縮機。
  2. 前記ベーン取付溝の前記内側面は、表面粗さの値が突出山部高さで0.1μm未満の表面性状を備えた、
    請求項1に記載のロータリー型圧縮機。
  3. 前記ベーン取付溝の前記凹陥形状は、前記ベーン取付溝の前記内側面が塑性加工されて形成された、
    請求項2に記載のロータリー型圧縮機。
  4. シリンダーに形成されたベーン取付溝と、前記ベーン取付溝に挿入されるベーンと、を加工する加工工程を有し、
    前記加工工程は、
    前記ベーンを、砥粒を液体に溶いた研磨液を塗布して研磨し、表面粗さの値が十点平均粗さで0.1μm未満の表面性状とする研磨工程と、
    前記ベーン取付溝を、前記ベーン取付溝よりも硬度が高い丸棒を押しつけ、前記ベーン取付溝を塑性加工させて表面粗さの値が突出山部高さで0.1μm未満の表面性状とする塑性加工工程と、を含み、
    前記ベーン取付溝の内側面は、突出山高さRpkで0.1μmの表面性状を備えており、前記内側面には、前記ベーンを潤滑する潤滑油を保持する溝であり、最大深度が0.3μm〜1.5μmである凹陥形状が形成されている
    ロータリー型圧縮機の製造方法。
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