JP6894531B2 - 2段階に差動制限可能なデファレンシャル装置 - Google Patents
2段階に差動制限可能なデファレンシャル装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6894531B2 JP6894531B2 JP2019557719A JP2019557719A JP6894531B2 JP 6894531 B2 JP6894531 B2 JP 6894531B2 JP 2019557719 A JP2019557719 A JP 2019557719A JP 2019557719 A JP2019557719 A JP 2019557719A JP 6894531 B2 JP6894531 B2 JP 6894531B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- clutch
- cam
- pressure plate
- cam mechanism
- differential device
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16H—GEARING
- F16H48/00—Differential gearings
- F16H48/20—Arrangements for suppressing or influencing the differential action, e.g. locking devices
- F16H48/28—Arrangements for suppressing or influencing the differential action, e.g. locking devices using self-locking gears or self-braking gears
- F16H48/285—Arrangements for suppressing or influencing the differential action, e.g. locking devices using self-locking gears or self-braking gears with self-braking intermeshing gears having parallel axes and having worms or helical teeth
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16H—GEARING
- F16H48/00—Differential gearings
- F16H48/12—Differential gearings without gears having orbital motion
- F16H48/14—Differential gearings without gears having orbital motion with cams
- F16H48/147—Differential gearings without gears having orbital motion with cams with driven cam followers or balls engaging two opposite cams
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D23/00—Details of mechanically-actuated clutches not specific for one distinct type
- F16D23/12—Mechanical clutch-actuating mechanisms arranged outside the clutch as such
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16H—GEARING
- F16H48/00—Differential gearings
- F16H48/12—Differential gearings without gears having orbital motion
- F16H48/14—Differential gearings without gears having orbital motion with cams
- F16H48/142—Differential gearings without gears having orbital motion with cams consisting of linked clutches using axially movable inter-engaging parts
- F16H48/145—Differential gearings without gears having orbital motion with cams consisting of linked clutches using axially movable inter-engaging parts with friction clutching members
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16H—GEARING
- F16H48/00—Differential gearings
- F16H48/36—Differential gearings characterised by intentionally generating speed difference between outputs
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D23/00—Details of mechanically-actuated clutches not specific for one distinct type
- F16D23/12—Mechanical clutch-actuating mechanisms arranged outside the clutch as such
- F16D2023/123—Clutch actuation by cams, ramps or ball-screw mechanisms
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16H—GEARING
- F16H48/00—Differential gearings
- F16H48/36—Differential gearings characterised by intentionally generating speed difference between outputs
- F16H2048/366—Differential gearings characterised by intentionally generating speed difference between outputs using additional non-orbital gears in combination with clutches or brakes
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16H—GEARING
- F16H48/00—Differential gearings
- F16H48/06—Differential gearings with gears having orbital motion
- F16H48/08—Differential gearings with gears having orbital motion comprising bevel gears
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16H—GEARING
- F16H48/00—Differential gearings
- F16H48/20—Arrangements for suppressing or influencing the differential action, e.g. locking devices
- F16H48/24—Arrangements for suppressing or influencing the differential action, e.g. locking devices using positive clutches or brakes
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Retarders (AREA)
Description
以下の開示は、2段階に差動制限可能な車両用のデファレンシャル装置に関し、特に、第1段階において差動を制限し、第2段階においてロックすることが可能なデファレンシャル装置に関する。
自動車において、左右のアクスルは必ずしも等速で回転するわけではないので、その間の差動を許容する必要がある。差動を許容しながら両アクスルへトルクを伝達するために、デファレンシャル装置が利用される。
左右の駆動輪の何れかがトラクションを失ったときにはデファレンシャル装置は空転してしまい、他方の駆動輪にもトルクを伝えることができなくなる。かかる事態を回避するために、幾つかのデファレンシャル装置は差動を制限する機構を備える。その一例は、摩擦クラッチを利用したリミテッドスリップデフ(LSD)である。摩擦クラッチに押圧力を印加する手段と、それを制御する電子機器とを組み合わせた電子制御LSDも実用にされている。押圧手段としては、油圧やカム機構が提案されている。
また所謂フリーランニングデフは、デファレンシャル装置をプロペラシャフトから断続することができ、例えば2輪駆動と4輪駆動との切り替えに利用される。かかる断続にも摩擦クラッチと押圧手段とが利用されることがある。電子制御LSDとフリーランニングデフとを複合した装置も提案されており、かかる装置は独立した2組の摩擦クラッチと押圧手段とを備える。特許文献1は、関連する技術を開示する。
摩擦クラッチは、押圧力により決まる閾値を越えたトルクが印加されたときには滑り始めるので、差動を制限するのには適しているが、デファレンシャル装置をロックする用途には向いていない。噛み合いクラッチはデファレンシャル装置をロックする用途には向いているが、滑りがないので差動を制限する用途には利用できない。これら2種のクラッチと、それぞれに個別の駆動手段とがあれば、差動制限とロックとを自由に選択できるデファレンシャル装置が実現できるが、これは装置の構造を著しく複雑化してしまう。複雑な構造は、もちろん、信頼性と重量の両方の点で不利である。
以下の開示は、一のアクチュエータのみによって差動制限とロックとの両方を実現する装置に関する。
一局面によれば、デファレンシャル装置は、トルクを受容して軸の周りに回転する入力部材と、前記軸の周りに回転可能な出力ギアを備え、前記入力部材から前記出力ギアへ差動を許容しながら前記トルクの伝達を仲介するべく前記入力部材と結合したギア組と、前記差動を制限するべく前記入力部材と前記出力ギアとに結合した第1のクラッチと、前記第1のクラッチに軸方向に隣接し、前記第1のクラッチを押圧するべく軸方向に可動な第1のプレッシャプレートと、前記第1のプレッシャプレートを前記第1のクラッチに向けて押圧するべく前記第1のプレッシャプレートに隣接した第1のカム機構と、噛合すると前記出力ギアを前記入力部材に駆動的に連結する第2のクラッチと、前記第2のクラッチに軸方向に隣接し、前記第2のクラッチを噛合せしめるべく軸方向に可動な第2のプレッシャプレートと、第1の位置から第2の位置を経由して第3の位置まで回転運動が可能なドライバディスクであって、前記第1の位置から前記第2の位置まで前記第1のカム機構を共に回転せしめ、前記第2の位置から前記第3の位置まで前記第1のカム機構に回転差を許容するべく前記第1のカム機構と結合した押圧部材を備え、前記第2のプレッシャプレートとの組み合わせが前記第2のクラッチを噛合せしめる第2のカム機構を構成するドライバディスクと、を備える。
添付の図面を参照して以下に幾つかの例示的な実施形態を説明する。以下の説明および請求の範囲を通じて、特段の説明がなければ、軸はデファレンシャル装置の回転軸の意味であり、また軸方向はこれに平行な方向であり径方向はこれに直交する方向を意味する。かかる回転軸は、通常にはカム機構やドライバディスクの回転軸とも一致するが、一致は必須ではない。また説明の便宜のために右と左を区別するが、かかる区別は実施形態を限定するものではない。
ベベルギア式のデファレンシャル装置の例を以下に説明するが、本明細書に開示されるものは、フェースギア式や遊星ギア式等、入力部材から出力ギアへトルクの伝達を仲介しながら、その間に差動が生じうる何れのギア装置にも、一般的に利用することができる。
主に図1を参照するに、デファレンシャル装置は、概して、入力部材たるケーシング1と、差動を許容しながらトルクを伝達するデファレンシャルギア組3と、差動を制限する第1のクラッチ5と、差動をロックアップする第2のクラッチ7と、これらのクラッチを作動せしめるアクチュエータ9と、を備える。
ケーシング1は、デファレンシャルギア組3を収容するのみならず、エンジン/モータからトルクを受容して軸C周りに回転する入力部材でもある。ケーシング1は、複数に分割して内部を開放し、以って各種の部材を組み込む便宜を図ることができるようになっていてもよく、例えば本体11とカバー13とに分割される。本体11とカバー13とを互いに結合する便宜のために、例えば径方向に外方に突出したフランジを備えることができ、かかるフランジはトルクを受容するリングギアの結合にも利用できる。もちろん互いの結合は他の構造によってもよく、またトルクの受容はケーシング1の他の部分が担ってもよい。
ケーシング1の例えば本体11は、シャフト15を結合するための貫通孔をその周面に備え、シャフト15はピン等で本体11に固定される。ケーシング1の例えばカバー13は、クラッチ5,7とアクチュエータ9との連絡のための貫通孔17,19をその側面に備える。
デファレンシャルギア組3は、概して複数のピニオン31と、それぞれピニオン31に噛合するサイドギア33,35とを備える。ピニオン31はシャフト15によりその軸周りに回転可能なように支持され、またシャフト15を介してケーシング1からトルクを受容する。
サイドギア33,35は、それぞれアクスルとの結合のためにスプラインのごとき構造を備え、両アクスルにトルクを出力する出力ギアである。すなわちデファレンシャルギア組3は、入力部材たるケーシング1から出力ギアたるサイドギア33,35へ、ギア組内の噛合を介して、差動を許容しながらトルクの伝達を仲介する。
サイドギア33,35の一方、例えば左サイドギア35のボス部35Bは、好ましくは軸方向に延長され、第1のクラッチ5との結合、特に後述のインナプレート53やプレッシャプレート55との周方向の係合に供される。
図1に組み合わせて図2Aを参照するに、第1のクラッチ5は好ましくは、一対以上の互いに摩擦する摩擦板よりなる摩擦クラッチであり、例えば複数のアウタプレート51と、複数のインナプレート53と、プレッシャプレート55と、を備えた多板クラッチである。図2Aには一対しか見えていないが、複数対のアウタプレート51とインナプレート53とが交互に軸方向に並べられており、アウタプレート51はケーシング1に、インナプレート53はボス部35Bに、それぞれラグ等により係合している。またプレート51,53,55は何れも軸方向には僅かに可動であり、プレッシャプレート55はプレート51,53に軸方向に隣接してこれらを押圧することができる。プレッシャプレート55が僅かにプレート51,53に向けて移動して押圧力をプレート51,53に及ぼすと、プレート51,53はサイドギア35をケーシング1に対して摩擦的に制動し、すなわち差動を制限する。
ケーシング1にはさらにクラッチ部材75が収容されており、軸方向に可動である。クラッチ部材75においてプレッシャプレート55に向いた面には、第1のクラッチ歯71が切られており、これに噛合する第2のクラッチ歯73との組み合わせは第2のクラッチ7を構成する。第2のクラッチ歯73は、プレッシャプレート55とは別体の部材に形成されていてもよく、あるいはプレッシャプレート55に一体に形成されていてもよい。何れにせよ、かかる別体の部材またはプレッシャプレート55は、サイドギア35のボス部35Bにラグ等により係合している。
クラッチ部材75において第1のクラッチ歯71とは反対方向に向いた面からは、軸対称に複数の脚77が軸方向に延びており、これらは図7に特によく示される通り、カバー13の貫通孔19にそれぞれ嵌入して係合している。各脚の端は、貫通孔19を通って外部に臨んでおり、ケーシング1外部のリング107とボルト等により結合していてもよい。リング107は後述の第2のカム機構101との連絡に供される。
クラッチ部材75がプレッシャプレート55に向けて軸方向に移動してクラッチ歯71,73が互いに噛合すると、第2のクラッチ7は、脚77によるカバー13への係合を介して、サイドギア35をケーシング1に駆動的に結合し、すなわち差動を禁止する(デファレンシャルギアをロックアップする)。噛合の解除を促すべく、リング107とカバー13との間にはリターンスプリングが介在していてもよい。
図1,2Aに組み合わせて図2Bを参照するに、アクチュエータ9は、概して、第1のクラッチ5を駆動する第1のカム機構91と、第2のクラッチ7を駆動する第2のカム機構101と、これらを作動させるドライバディスク95と、を備える。
第1のカム機構91には、比較的に大きな押圧力を生ずるカム機構を適用することができる。図示の例による第1のカム機構91は、概して、軸周りに回転可能なカムプレート81と、軸対称に配置された複数のカムボール83と、回り止めされたカウンタプレート85と、を備える。カムプレート81とカウンタプレート85とは、それぞれ例えば概して円環ないし円盤状であり、カムボール83はそれぞれこれらの間に挟まれて転動可能である。ボールに代えて、転動可能な円柱ないし円錐台のごときローラでもよく、あるいはカムプレート81とカウンタプレート85との何れかまたは両方に形成されたカム突起であってもよい。
カムプレート81は、それぞれカムボール83に対応した複数のカム面81Fを有し、各カム面81Fは周方向に伸び、また周方向に緩やかに傾斜した底を有する。これに加えて、あるいは代えて、カウンタプレート85も対応してカム面を有してもよい。カムプレート81はまた、ドライバディスク95と結合するための例えば一対のグリップ81Gを備える。グリップ81Gは、ドライバディスク95そのもの、あるいは後述の押圧部材97と係合し、以ってドライバディスク95に回転駆動される。
図4に最もよく示されている通り、ドライバディスク95により駆動されてカムプレート81が回転運動RDを起こすと、カム面81F上をカムボール83が転動してその傾斜した底を昇り、以ってカウンタプレート85には軸方向の押圧力F1が発生する。
図1,2A,2Bに戻り、主に図2Bを参照するに、第1のカム機構91と第1のクラッチ5とを仲介するべく、媒介部材37を利用することができる。媒介部材37は例えば概してリング状であって、第1のクラッチ5に向けて軸対称の複数の突起37Pを備え、突起37Pはカバー13の貫通孔17を通ってプレッシャプレート55に隣接する。突起37Pによる押圧力を均等化するべく、また制限される以前の相対回転を吸収するべく、ケーシング1内であって突起37Pとプレッシャプレート55との間には介在部材103が介在してもよい。かかる介在部材103は例えばスラストベアリングおよび/またはリングプレートである。さらに媒介部材37と第1のカム機構91との間にもスラストベアリング/リングプレート105が介在していてもよい。
アクチュエータ9は、さらに第2のプレッシャプレート93を備えており、これは既に述べたリング107を介して第2のクラッチ7に隣接する。第2のプレッシャプレート93は、第2のクラッチ7とは反対方向に、すなわちドライバディスク95に向けて延びた複数の脚93Lを備え、これらはまた軸対称に並んでいる。これに対応するようにドライバディスク95はカム面99を備え、各カム面99は図5に示す通り周方向に傾斜した底を含む。かかる傾斜は比較的に急峻にすることができる。脚93Lとカム面99との組み合わせは第2のカム機構101を構成する。
カムプレート81は脚93Lに対応するように貫通孔81Hを備え、図5に示す通り、脚93Lはそれぞれ貫通孔81Hを通ってカム面99に臨んでいる。ドライバディスク95が回転運動RDを起こし、かつカムプレート81との間に回転差が生じると、脚93Lはカムプレート81に従動する。すると脚93Lはカム面99上を摺動してその傾斜した底を登るので、第2のプレッシャプレート93は軸方向に移動し、リング107を介して第2のクラッチ7を噛合せしめる。
図2Bに組み合わせて図3を参照するに、アクチュエータ9はドライバディスク95を備え、これはカムプレート81と重ねられている。ドライバディスク95は概してカムプレート81と同程度の径の半円盤と、それより大径の半円盤とを結合したような形状の円盤である。例えばその大径の側はギア歯を備えることができ、これは外部のモータとの結合に利用することができる。あるいはドライバディスク95自体がモータのロータを構成してもよく、さらにあるいはモータ以外の何らかの駆動装置に駆動され、または駆動装置の一部を構成してもよい。ドライバディスク95はケーシング1に対して同軸であって相対回転可能に支持される。回転可能な支持のために、例えばボールベアリング111を利用することができる。
またかかる大径の側を利用して、第1のカム機構91を駆動するための押圧部材97と結合することができる。図示の例では押圧部材97はコイルバネであり、ドライバディスク95はコイルバネが嵌り込む半円筒上の溝95Sを備える。押圧部材97の両端は溝95Sの両端に突き当たって支持され、またこれを外れ止めするべくブラケット等を利用してもよい。コイルバネよりなる押圧部材97の両端は、またグリップ81Gにそれぞれ突き当たり、以ってカムプレート81をドライバディスク95と共に回転せしめる。
主に図6Aを参照するに、ドライバディスク95が当初の位置(第1の位置)から一定の位置(第2の位置)に回転するまでは、コイルバネの弾発力はカムプレート81から受ける反力に打ち勝つので、ドライバディスク95はカムプレート81を共に回転せしめ、第1のカム機構91は回転角に応じた押圧力を第1のクラッチ5に及ぼし、以って第1のクラッチ5を作動せしめる。第1のカム機構91は、緩やかな傾斜面上を転動するカムボールを利用して大きな押圧力を生じるので、摩擦クラッチである第1のクラッチ5を作動させるのに有利である。
主に図6Bを参照するに、第2の位置を越えて回転すると、弾発力が反力に負けてコイルバネの圧縮が始まるので、ドライバディスク95とカムプレート81との間に回転差が生じる。既に述べた通り、回転差が生じると脚93Lがカム面99を登ることにより第2のプレッシャプレート93は軸方向に移動し、以ってクラッチ部材75を軸方向に移動せしめる。
ドライバディスク95が第2の位置を越えて第3の位置にまで回転すると、第2のクラッチ7が噛合する。第2のカム機構101による押圧力は第1のカム機構91に比べれば弱いが、反力に抗する必要がないので比較的に小さな押圧力で十分である。また図7に示すごとく、噛合の後には脚77の側面は貫通孔19の側面に当接してその状態を維持するので、噛合を保持するのに大きな押圧力は必要がない。
さらには脚77の側面と貫通孔19の側面とは、対応して僅かに周方向に傾いていてもよい。かかる構造は、カバー13の回転Rcを押圧力F2に変換し、以って噛合を保持するのに役立つ。
回転が第2の位置から第3の位置に進む間、第1のカム機構91においてカムボール83は殆ど転動せず、あるいは静止している。カムボール83はカム面のより奥の位置にまで進まないので、ドライバディスク95が逆転した際には速やかに当初の位置に戻ることができる。
第2の位置はコイルバネの弾発力と反力との釣り合いによりほぼ一意的に決まる。すなわちコイルバネのバネ係数を調整することにより第2の位置を任意に定めることができるし、また第1のカム機構91の押圧力、ひいては第1のクラッチ5による制動力の上限を任意に定めることができる。
本実施形態によれば、差動を制限する第1のクラッチと差動を禁止する第2のクラッチとの両方が、単一のドライバディスクのみにより作動される。これらの作動はドライバディスクの回転角のみによって制御されるので、第1,第2のクラッチの作動を制御することは容易である。第2のクラッチが噛合するとき、第1のクラッチが予め差動を制限しているので、クラッチ歯間に相対回転がなく、従って噛合が阻害されることがない。
上述の説明では押圧部材97はコイルバネであったが、他の弾発部材であってもよい。あるいはこれに代えて、または加えて、第1の位置から第2の位置まで係合を維持し、第2の位置において係合が外れるラッチ機構やラチェット機構を利用してもよい。さらにあるいは、押圧部材によらずに、カム面の構成のみにより第2のカム機構が第1のカム機構より遅れて作動するように構成されていてもよい。
幾つかの実施形態を説明したが、上記開示内容に基づいて実施形態の修正ないし変形をすることが可能である。
Claims (7)
- トルクを受容して軸の周りに回転する入力部材と、
前記軸の周りに回転可能な出力ギアを備え、前記入力部材から前記出力ギアへ差動を許容しながら前記トルクの伝達を仲介するべく前記入力部材と結合したギア組と、
前記差動を制限するべく前記入力部材と前記出力ギアとに結合した第1のクラッチと、
前記第1のクラッチに軸方向に隣接し、前記第1のクラッチを押圧するべく軸方向に可動な第1のプレッシャプレートと、
前記第1のプレッシャプレートを前記第1のクラッチに向けて押圧するべく前記第1のプレッシャプレートに隣接した第1のカム機構と、
噛合すると前記出力ギアを前記入力部材に駆動的に連結する第2のクラッチと、
前記第2のクラッチに軸方向に隣接し、前記第2のクラッチを噛合せしめるべく軸方向に可動な第2のプレッシャプレートと、
第1の位置から第2の位置を経由して第3の位置まで回転運動が可能なドライバディスクであって、前記第1の位置から前記第2の位置まで前記第1のカム機構を共に回転せしめ、前記第2の位置から前記第3の位置まで前記第1のカム機構に回転差を許容するべく前記第1のカム機構と結合した押圧部材を備え、前記第2のプレッシャプレートとの組み合わせが前記第2のクラッチを噛合せしめる第2のカム機構を構成するドライバディスクと、
を備えた、デファレンシャル装置。 - 前記第2のクラッチは、前記入力部材に周方向に係合して軸方向に可動な第1のクラッチ歯と、前記出力ギアに結合し前記第1のクラッチ歯に噛合する第2のクラッチ歯と、を備え、前記第2のクラッチ歯は前記第1のプレッシャプレートに一体に形成されている、請求項1のデファレンシャル装置。
- 前記第2のプレッシャプレートは前記ドライバディスクに向けて延びた脚を備え、前記ドライバディスクは前記脚が当接するカム面を備え、前記第2の位置から前記第3の位置まで前記回転運動に伴い前記第2のプレッシャプレートを前記第2のクラッチに向けて前記脚を押圧するように前記カム面は寸法づけられている、請求項1のデファレンシャル装置。
- 前記第1のカム機構は、前記押圧部材に駆動的に係合したカムプレートと、前記回転運動に伴い前記カムプレート上を転動して軸方向に押圧力を生じるカムボールと、を備える、請求項1のデファレンシャル装置。
- 前記入力部材は前記ギア組を収容するケーシングを備え、前記第1のカム機構と前記第2のカム機構と前記ドライバディスクとは前記ケーシングの外側に配置され、前記ケーシングは、前記第1のカム機構と前記第1のクラッチとを連絡する第1の貫通孔と、前記第2のカム機構と前記第2のクラッチとを連絡する第2の貫通孔と、を備える、請求項1のデファレンシャル装置。
- 前記第2のクラッチは前記第2の貫通孔に嵌入する腕を備え、前記ケーシングの回転を前記第2のクラッチの噛合を保持する力に変換するべく、前記腕の側面および前記第2の貫通孔の側面とは周方向に傾いている、請求項5のデファレンシャル装置。
- 前記第1のクラッチは、前記入力部材に駆動的に結合した第1の摩擦板と、前記出力ギアに駆動的に結合した第2の摩擦板とを備え、前記第1の摩擦板と前記第2の摩擦板とは前記第1のプレッシャプレートにより押圧されて互いに回転を摩擦的に制限するべく配置されている、請求項1のデファレンシャル装置。
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
PCT/JP2017/043464 WO2019111294A1 (ja) | 2017-12-04 | 2017-12-04 | 2段階に差動制限可能なデファレンシャル装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2019111294A1 JPWO2019111294A1 (ja) | 2020-11-19 |
JP6894531B2 true JP6894531B2 (ja) | 2021-06-30 |
Family
ID=66750827
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019557719A Active JP6894531B2 (ja) | 2017-12-04 | 2017-12-04 | 2段階に差動制限可能なデファレンシャル装置 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US11174928B2 (ja) |
JP (1) | JP6894531B2 (ja) |
CN (1) | CN111433490B (ja) |
WO (1) | WO2019111294A1 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021014858A (ja) | 2019-07-10 | 2021-02-12 | ジーケーエヌ オートモーティブ リミテッド | クラッチ制御システム |
WO2022137321A1 (ja) * | 2020-12-22 | 2022-06-30 | ジーケーエヌ オートモーティブ リミテッド | クラッチを制御するシステム |
KR102582535B1 (ko) * | 2021-06-08 | 2023-09-22 | 현대트랜시스 주식회사 | 디스커넥터 장치 |
WO2022262931A1 (de) | 2021-06-14 | 2022-12-22 | Gkn Automotive Ltd. | Sperrbares differentialgetriebe |
US11603915B1 (en) * | 2021-08-17 | 2023-03-14 | Gkn Automotive Limited | Differential |
Family Cites Families (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2800945B2 (ja) * | 1988-12-26 | 1998-09-21 | 栃木富士産業株式会社 | デファレンシャル装置 |
US5098360A (en) | 1988-12-26 | 1992-03-24 | Tochigifujisangyo Kabushiki Kaisha | Differential gear with limited slip and locking mechanism |
JPH0825995A (ja) * | 1994-07-12 | 1996-01-30 | Tochigi Fuji Ind Co Ltd | ロック機構付差動制限装置 |
US6796412B2 (en) * | 2001-12-27 | 2004-09-28 | Tochigi Fuji Sangyo Kabushiki Kaisha | Differential apparatus |
JP4721965B2 (ja) * | 2005-09-02 | 2011-07-13 | Gknドライブラインジャパン株式会社 | クラッチ装置およびこのクラッチ装置を用いたデファレンシャル装置 |
JP4887703B2 (ja) * | 2005-09-15 | 2012-02-29 | トヨタ自動車株式会社 | 車両用伝達トルク制限装置 |
JP2007139147A (ja) * | 2005-11-22 | 2007-06-07 | Nissan Motor Co Ltd | 駆動力伝達装置 |
DE102008063904B4 (de) | 2008-12-19 | 2012-10-25 | Gkn Driveline International Gmbh | Antriebsanordnung |
US8051744B2 (en) * | 2009-03-04 | 2011-11-08 | Eaton Corporation | Locking differential |
JP5345569B2 (ja) * | 2010-02-03 | 2013-11-20 | 本田技研工業株式会社 | 車両の差動装置 |
JP5896013B2 (ja) * | 2012-03-07 | 2016-03-30 | トヨタ自動車株式会社 | 動力伝達装置 |
JP6240687B2 (ja) * | 2014-02-14 | 2017-11-29 | Gknドライブラインジャパン株式会社 | クラッチおよびそれを備えたデファレンシャル装置 |
JP6728690B2 (ja) * | 2016-01-13 | 2020-07-22 | 株式会社ジェイテクト | 噛み合いクラッチ及び差動装置 |
JP7035741B2 (ja) * | 2018-04-06 | 2022-03-15 | トヨタ自動車株式会社 | 連結装置を備えた車両 |
-
2017
- 2017-12-04 WO PCT/JP2017/043464 patent/WO2019111294A1/ja active Application Filing
- 2017-12-04 JP JP2019557719A patent/JP6894531B2/ja active Active
- 2017-12-04 CN CN201780097375.6A patent/CN111433490B/zh active Active
-
2020
- 2020-06-03 US US16/891,315 patent/US11174928B2/en active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPWO2019111294A1 (ja) | 2020-11-19 |
CN111433490B (zh) | 2023-05-30 |
CN111433490A (zh) | 2020-07-17 |
US20200292045A1 (en) | 2020-09-17 |
US11174928B2 (en) | 2021-11-16 |
WO2019111294A1 (ja) | 2019-06-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6894531B2 (ja) | 2段階に差動制限可能なデファレンシャル装置 | |
JP6291588B2 (ja) | 機械式噛み合いロックディファレンシャル | |
WO2015068821A1 (ja) | 動力伝達装置 | |
US6398686B1 (en) | Electronically controlled limited slip differential assembly | |
US6551209B2 (en) | Electronically actuated locking differential | |
US8216106B2 (en) | Locking differential side gear to friction disc unloading | |
TWI424127B (zh) | 包含彈性碟片機構的改進式鎖定差速器 | |
JP2003184993A (ja) | ディファレンシャル・アセンブリにおけるクラッチ・アクチュエータ用のギヤ・モジュール | |
JP6267708B2 (ja) | 接触維持のためのプレロードスプリング結合体を備えたロッキングディファレンシャル | |
US10202784B2 (en) | Clutch and handle for lockable mechanism | |
CN106715944A (zh) | 动力传递装置 | |
TW201104106A (en) | Block mounted lock-out mechanism | |
EP2221495B1 (en) | Improved torque overload clutch | |
US20210102586A1 (en) | Switchable i-brake for hybrid transmission | |
CN113260806B (zh) | 差速器装置 | |
US20180370354A1 (en) | Vehicular power transmission device | |
TWI582318B (zh) | 轉矩致動式離合裝置 | |
EP3841317B1 (en) | Locking differential | |
GB2528327A (en) | Clutch and handle for lockable mechanism | |
CN111133213B (zh) | 自由轮离合器 | |
JP6539783B2 (ja) | ヘリカルlsd用クラッチ付キャップ | |
WO2017042882A1 (ja) | リミテッドスリップデフ | |
CN109937312B (zh) | 离合器组件 | |
RU188501U1 (ru) | Механизм включения с эксцентриковой шайбой для блокировки дифференциала главной передачи колесного мотовездехода | |
JPH0399942A (ja) | デファレンシャル装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200529 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210601 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210603 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6894531 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |