JP2800945B2 - デファレンシャル装置 - Google Patents

デファレンシャル装置

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JP2800945B2
JP2800945B2 JP1290077A JP29007789A JP2800945B2 JP 2800945 B2 JP2800945 B2 JP 2800945B2 JP 1290077 A JP1290077 A JP 1290077A JP 29007789 A JP29007789 A JP 29007789A JP 2800945 B2 JP2800945 B2 JP 2800945B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) この発明は、車両などに用いられるデファレンシャル
装置に関する。
(従来の技術) 従来のデファレンシャル装置としては、例えば特公昭
60−580号公報に記載されたようなものがある。このデ
ファレンシャル装置は車軸とデフケースとをドッグクラ
ッチの操作を用いて連結し、差動をロック(デフロッ
ク)することができるようになっている。従って、悪路
からの脱出も容易となる。
(発明が解決しようとする課題) しかし、このような装置では任意の操作によるデフロ
ックは達成できるものの、摩擦力による差動制限を達成
することはできず、コーナーリング時の安定性等の面で
難がある。
これに対し、デフケースからピニオンシャフトへ伝え
られた伝達力をカムを介してプレッシャーリングへ伝
え、プレッシャーリングはカム作用によって軸方向へ移
動し、デフケースとの間で摩擦板を締結することにより
差動制限を行なうようにしたものがある。そして、この
装置では、摩擦力によって差動制限を行なうことがで
き、しかもその制限力はデフケースへの入力トルクに応
じて高いものとなる。
しかし、あくまでも入力トルクに応じた差動制限であ
り、任意の操作によるデフロックを達成することができ
ず、悪路からの脱出性等において難点があった。
一方、上記両装置を単純に組合わせることもできる
が、これでは装置が大型化する恐れがある。
そこでこの発明は、装置を大型化せずにデフロック操
作ができると共に、摩擦力による差動制限も可能なデフ
ァレンシャル装置の提供を目的とする。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 上記課題を解決するためにこの発明は、デフケース内
に支持されたピニオンシャフトと、ピニオンシャフトに
回転自在に支承されたピニオンギヤと、ピニオンギヤと
噛合った一対のサイドギヤと、差動を制限する摩擦クラ
ッチと、前記ピニオンシャフトに設けられた回転トルク
により前記摩擦クラッチを締結可能な第1のカム手段
と、差動回転時に回転方向へ相対動する部材間に設けら
れ前記相対動により噛合いスラスト力を発生させて前記
摩擦クラッチを前記第1のカム手段と協力して締結可能
な第2のカム手段と、この第2のカム手段を噛合、離脱
操作する操作手段とを備えたことを特徴とする。
(作用) 第1のカム手段に基づく摩擦クラッチにより差動制限
ができる。
操作手段の操作により第2のカム手段を噛合させれば
差動回転により、この第2のカム手段が働きデフロック
が可能となる。
(実施例) 第1図ないし第3図により第一実施例を説明する。左
右の方向は第1図と第3図の左右の方向とし第1図の上
方は第3図の車両の前方(第3図の上方)に相当する。
第3図はこの実施例を用いたフロントエンジンの4輪
駆動(4WD)車の動力系を示し、この動力系はエンジン
1,トランスミッション3,トランスファ5,フロントデフ7
(前輪側のデファレンシャル装置)、前車軸9,11、左右
の前輪13,15、プロペラシャフト17、リヤデフ19(後輪
側のデファレンシャル装置に用いたこの実施例の装
置)、後車軸21,23、左右の後輪25,27などから構成され
ている。
先ず、構成を説明する。
デフキャリア29には車軸管31,33がボルト35とナット3
7とで左右に固定されている。36はバッフルプレートで
ある。デフキャリヤ29にはドライブピニオンシャフト39
がベアリング41,43により回転自在に支承されている。
このシャフト39の前端にはフランジ部材45がスプライン
連結され、後端にはドライブピニオンギヤ47が一体に形
成されている。フランジ部材45は第3図のプロペラシャ
フト17側に連結されている。
デフケース49はベアリング51,53によりデフキャリヤ2
9内に回転自在に支承されている。このデフケース49に
はリングギヤ55がボルト57により固定され、このリング
ギヤ55は前記ドライブピニオンギヤ47と噛合っている。
こうして、デフケース49はエンジン1からの駆動力によ
り回転駆動される。
デフケース49の内周には一対のフレッシャリング59,6
1が軸方向摺動自在に係合している。又、ピニオンシャ
フト63は連結リング65にこれを中心にして十文字状に4
本設けられており、各自由端とプレッシャリング59,61
との間に設けられたカム部材(第1のカム手段)67によ
り保持されている。デフケース49が回転するとピニオン
シャフト63側の回転抵抗により、このカム部67にはプレ
ッシャリング59,61をそれぞれ軸方向左右に後退させる
スラスト力が生じる。
各ピニオンシャフト63にはピニオンギヤ69が回転自在
に支承されており、これらにはデフケース49と同軸に配
置された一対のサイドギヤ71,73が左右から噛合ってい
る。これらのサイドギヤ71,73はギヤを形成した外筒75,
77とこれらに連結された内筒79,81からなっている。サ
イドギヤ71,73はピニオンギヤ69との噛合いスラスト力
によって軸方向左右に移動しプレッシャリング59,61を
左右に後退させる。
各サイドギヤ71,73とデフケース49との間にはこれら
を連結する多板クラッチ83,85(摩擦クラッチ)が配置
されている。これらの多板クラッチ83,85はプレッシャ
リング59,61の上記各後退力によって押圧され締結され
る。
各サイドギヤ71,73の対向面間及びピニオンシャフト6
3の連結リング65の内径側にはリング状のクラッチ部材8
7が軸方向移動自在に配置されている。第2図に示した
ように、クラッチ部材87と左のサイドギヤ71との間には
一方の凸部が他方の凹部にルーズに係合する退避部89が
形成されている。クラッチ部材87と左のサイドギヤ71の
各凸部91,93の間にはカム部(第2のカム手段)95が、
又右のサイドギヤ73との間にはカム部(第2のカム手
段)97がそれぞれ形成されている。従って、クラッチ部
材87は退避部89で左のサイドギヤ71と係合しながら左右
に移動可能であり、第2図(a)のように右方に移動す
れば各カム部95,97の噛合いにより左右のサイドギヤ71,
73は連結されて×印を付記した矢印のように差動回転が
不能になるとともにこの噛合いの軸方向分力であるスラ
スト力99,101により左右に押圧される。又、同図(b)
のように左方へ移動すればサイドギヤ71,73間の連結は
解除されて○印を付記した矢印のように差動回転が可能
になる。このように、ロック機構が構成されている。
クラッチ部材87の内径側にはスラストブロック103が
配置されている。又、右のサイドギヤ73側に回転方向係
止された係止部材の側面にはリテーナ105が回転自在に
設けられ、リテーナ105とクラッチ部材87との間にはク
ラッチ部材87を左方へ付勢するリターンスプリング107
が装着されており、スラストブロック103に設けられた
フランジ部109はクラッチ部材87の左方への移動を規制
するストッパを兼ねている。
各サイドギヤ71,73の内筒79,81には左右の後車軸21,2
3が互いの間に設けたスプライン部111,113により軸方向
相対移動可能に連結されている。スラストブロック103
はこれらの車軸21,23の間で互いのスラスト力を伝達す
る。
左の車軸管31の内周にはリング状のシリンダ部材115
がボルト117で固定され、このシリンダ部材115の内周に
はリング状のピストン部材119が軸方向摺動自在に係合
している。これらの部材115,119の間にはOリング121,1
23で液密状態に保たれた圧力室125が形成され、リング
状の油圧アクチュエータ127が構成されている。その圧
力室125には油圧ポート129から油路131を通って油圧が
供給され、ピストン部材119を右方へ移動させる。
ピストン部材119の右側には円筒状の伝達部材133が回
転自在に配置されている。この伝達部材133の右端側に
は腕135が形成され、この腕135は左のサイドギヤ71と左
後車軸21の間のスプライン部111に設けられた欠歯部137
の先端をクラッチ部材87に当接可能に挿通している。
油圧アクチュエータ127に油圧を供給すると、ピスト
ン部材119と伝達部材133とその腕135とを介してクラッ
チ部材87は右方へ移動操作されて、上記のように、サイ
ドギヤ71,73をロックし、油圧の供給を停止するとリタ
ーンスプリング107の付勢力によりクラッチ部材87は左
方へ戻りサイドギヤ71,73のロックは解除される。
油圧アクチュエータ127のこのような操作は運転席か
ら手動操作可能か、又は操舵条件、路面条件あるいは後
車軸21,23の回転差などに応じて自動操作可能に構成さ
れている。
次に、機能を説明する。
エンジン1からの駆動力によりデフケース49が回転す
ると、この回転はプレッシャリング59,61,カム部67,ピ
ニオンシャフト63,ピニオンギヤ69を介して左右のサイ
ドギヤ71,73に伝達され左右の後輪25,27を回転させる。
後輪25,27間に回転差が生じるとピニオンギヤ69の自転
によりサイドギヤ71,73が差動回転しエンジン1からの
回転は左右の後輪25,27に差動分配される。このとき、
プレッシャリング59,61はカム部67からのスラスト力及
びピニオンギヤ69との噛合いスラスト力によるサイドギ
ヤ71,73の後退力により多板クラッチ83,85を締結してお
り、この締結力により後輪25,27間の差動が制限されて
回転抵抗の大きい後輪側にも大きなトルクが伝達され、
回転抵抗の小さい後輪側だけにトルクが集中することは
ない。
従って、悪路走行中などで後輪の一方がスリップ状態
になってもリヤデフ19の差動制限可能により他方の後輪
にも駆動力が送られるから、車両はスタック状態に陥ら
ずに円滑な走行を維持し悪路から脱出できる。こうし
て、走破性が向上する。
又、例えば不整地走行中に外乱により車体が旋回しよ
うとすると、リヤデフ19の差動制限機能により外輪側の
後輪の回転が抑制されるとともに外輪側の先行回転によ
り内輪側の回転が促され、車体には姿勢を元に戻そうと
するモーメントが生じる。このようにして、直進安定性
が向上する。
油圧アクチュエータ127に油圧を供給してクラッチ部
材87を移動操作しサイドギヤ71,73をロックすると後輪
間の差動が停止する。
油圧アクチュエータ127への油圧供給を停止すると、
リターンスプリング107の付勢力によりクラッチ部材87
が元の位置に戻りサイドギヤ71,73のロックが解除され
る。この状態では旋回中に内外輪間の差動が可能であり
円滑な旋回が行える。
なお、カム部95,97の角度を変えればクラッチ部材87
と多板クラッチ83,85間のロック力の分担割合を変える
ことができる。例えば、噛合い方向に対して角度を小さ
くすれば多板クラッチ83,85の分担割合が増し、クラッ
チ部材87の負担が減る。又、カム部95,97の角度が異っ
てもよく、別々に変えてもよい。
以上のように、ロック力を多板クラッチ83,85が分担
するからクラッチ部材87とそのカム部95,97には過大な
強度が要求されない。従ってクラッチ部材87を大型にす
る必要がなく、装置が大型化しない。又、ロック機構を
サイドギヤ71,73の両間スペースに配置しこれらを連結
するように構成したから、従来例と異って、一方のサイ
ドギヤ側だけに負担が掛ることはなく、その上デフケー
スの変更が不要であるからその互換性が損なわれない。
更に、ロック機構の操作手段(油圧アクチュエータ12
7)を車軸管31に配置したからデフキャリヤ29の変更が
不要でありその互換性が保たれる。操作手段はフォーク
やレバーのような外方に突き出す部材を伴なわないから
周辺部材との干渉が起らずレイアウト上有利である。
以上のように、この第一実施例のデファレンシャル装
置は強度上の理由でクラッチ部材を大型にする必要がな
く、従って装置も大型化しない。又、ロック機構の支持
とロック力の負荷とが一方のサイドギヤ側だけに片寄ら
ないからバランスが良く、その上デフケースなどの互換
性が損なわれない。
第4図ないし第6図により第二実施例の説明をする。
第6図はこの実施例を用いた車両の動力系を示す。
又、左右の方向は第4図の左右の方向とし、その上方は
この車両の前方(第6図の上方)に相当する。なお、番
号を付さない部材等は図示されていない。
先ず、第6図の車両の動力系を説明する。この動力系
は、エンジン201、トランスミッション203、プロペラシ
ャフト207、リヤデフ209(後輪側に用いたこの実施例の
デファレンシャル装置)、後輪軸211,213、左右の後輪2
15,217、左右の前輪219,221などから構成されている。
リヤデフ209のデフケース223はベアリング225,227に
よってデフキャリ229内に回転自在に支承されている。
デフケース223によりリングギヤ231がボルト233で固定
され、このギヤ231はプロペラシャフト207側に連結され
デフキャリヤ229にベアリング235で回転自在に支承され
たドライブピニオンシャフト237の後端に一体成形され
たドライブピニオンギヤ239と噛合っている。こうし
て、デフケース223はエンジン201からの駆動力により回
転駆動される。
デフケース223の内側には軸方向の溝241(ラグ穴)が
設けられており、溝241にはプレッシャリング243,245が
各凸部247,249を係合して軸方向移動自在に支持されて
いる。各リング243,245の間にはピニオンシャフト251が
支持され、これらの間には回転トルクにより各リング24
3,245にそれぞれ左右のスラスト力を与える第1のカム
手段が形成されている。
ピニオンシャフト251にはピニオンギヤ253が回転自在
に支承され、このギヤ253には左右のサイドギヤ255,257
(出力部材)が噛合い、差動機構259が構成されてい
る。各サイドギヤ255,257はそれぞれ左右の車軸管261,2
63に収められた後車軸211,213がスプライン連結されて
いる。
従って、エンジン201からの駆動力によりデフケース2
23が回転すると、この回転はプレッシャリング243,245
からカムを介し、ピニオンシャフト251、ピニオンギヤ2
53、サイドギヤ255,257を経て、ピニオンギヤ253の自転
により、左右の後輪215,217側へ伝達される。
サイドギヤ255,257とデフケース223の間には交互に配
置された複数枚の摩擦板265,267を各ギヤ255,257とケー
ス223とに各別にスプライン係合して構成される多板ク
ラッチ269,271が配置されている。これらのクラッチ26
9,271はプレッシャリング243,245の前記スラスト力によ
りリング243,245とデフケース223との間で押圧され締結
する。この締結力に応じてピニオンギヤ253の自転が制
限され差動機構259の差動機能が制限される。なお、各
サイドギヤ255,257とデフケース223の間に配置されたワ
ッシャ272,272によりピニオンギヤ253との噛合いによる
各サイドギヤ255,257のスラスト力は多板クラッチ269,2
71には作用しない。
デフケース223の右側壁273には凹部275が設けられて
おり、クラッチリング277(連結部材)が軸方向移動自
在に配置されている。凹部275の右端側(底部)とこの
リング277との間には、カム(第2のカム手段)279が形
成されている。又リング277の左端側とクラッチ271の受
圧部材280の右端側との間にはドッグクラッチ281が形成
されている。受圧部材280は多板クラッチ271の内側の摩
擦板265と同じスプラインでサイドギヤ257に連結されて
いる。ドッグクラッチ281はリング277が左方へ移動する
と噛合い、右方へ移動(図面の状態)すると開放され
る。カム279の高さはリング277のこのような移動距離よ
り大きいからカム279は常時噛合い状態にあり、リング2
77とデフケース223とは常時連結されている。
従って、ドグクラッチ281が噛合うとカム279が働き、
サイドギヤ257側とデフケース2223とはリング277による
クラッチ269,271の締結を介して相対回転不能に連結さ
れ、差動機構259の差動機能が停止しデフロック状態に
なる。
リング277と受圧部材280との間にはリング277を右方
へ付勢するリターンスプリング283(付勢部材)が配置
されている。又、第5図(a),(b)に示すようにデ
フケース223の右端側において溝241の延長位置には内外
を連通する加工用の穴285(連通孔)が設けられ、この
穴285を貫通して保持板291(操作部材)の押圧部287が
第5図(c)(d)に示すようにボルト289によりクラ
ッチリング277に固定されている。穴285は前記凹部275
を含んでいる。
保持板291の右方にはリング状のアクチュエータ293
(操作手段)が配置されボルト295によりデフキャリア2
29に固定されている。アクチュエータ293には圧力源か
ら制御弁装置を介して流体圧が供給される。アクチュエ
ータ293の圧力室297に流体圧が供給されると、ダイヤフ
ラム299が左方へ撓み、部材291を介してクラッチリング
277が、リターンスプリング283の付勢力に抗して、左方
へ移動し上記のようにドグクラッチ281が噛合う。この
圧力供給を停止するとリターンスプリング283の付勢力
によりクラッチリング277は右方に戻りドグクラッチ281
は開放される。このような、制御弁装置の操作は運転席
から手動操作可能か、又は操舵条件や路面条件に応じて
自動操作可能に構成されている。こうして、デフロック
機構301が構成されている。
次に、第6図の車両の性能に即して実施例の機能を説
明する。
リヤデフ209のデフロック機構301を解放しておけば、
差動機構259の差動機能により後輪215,217間の差動が許
容されるから車両な円滑な旋回が行える。
発進時などの加速時はエンジン201からのトルクと後
輪215,217側からの駆動抵抗によりピニオンシャフト251
とプレッシャリング243,245間のカムに回転トルクが働
き、上記のように、リング243,245のスラスト力により
多板クラッチ269,271が締結されリヤデフによる後輪21
5,217間の差動が制限され、車両の直進安定性が向上す
る。デフロック機構301を差動させれば差動が停止する
から直進安定性は更に向上する。
又、例えば悪路において、一方の後輪がスリップ状態
になったときデフロック機構301により差動を停止すれ
ば他方の後輪にも駆動力が伝達され、車両はスタック状
態に陥らず、走破性が向上する。
以上のように、デフロック機構301のクラッチリング7
7をデフケース223の凹部275に収め、側壁273の肉厚を利
用したから軸方向にスペースの余裕が生じ、リヤデフ20
9を幅方向に大型化せず断続部のカム279とドグクラッチ
281の歯に必要な高さを与えることができる。又、デフ
キャリヤ229に封入され、リングギヤ233の回転により撥
ね掛けられる潤滑油がこの凹部275と外部とを連通する
穴285からこれらの断続部に供給され充分な潤滑が行わ
れる。又、このように、デフケース223に既存の穴285を
利用したカム歯を形成したので、従来例と異って、別体
にした側壁にカム歯を鍛造した後溶接する必要がなくこ
の部分を一体にできるからコストの上昇を防止できる。
又、クラッチリング277において常時噛合いのカム279
を受圧部280との間に設けドグクラッチ281をデフケース
223との間に設けてもよい。この場合、ドッグクラッチ2
81はリターンスプリング283により噛合い、アクチュエ
ータ293の押圧力によって開放される。
このように、この第二実施例のデファレンシャル装置
は、デフロック機構の断続部をデフケース側壁の凹部に
収容したから、それだけ装置を幅方向に小型化すること
ができ断続部の歯に必要な高さを与えることができる。
又、連通孔をラグ穴加工用の穴に設けたため、充分な潤
滑油が供給される。
[発明の効果] 以上より明らかなようにこの発明の構成によれば、摩
擦クラッチにより差動制限ができ、コーナリング等も安
定して行なうことができる。操作手段でカム手段を噛合
させれば差動回転によりカム手段のカム作用が強くなり
デフロックが可能となる。カム手段の操作で摩擦クラッ
チを働かせ、デフロックを達成するから装置の小形化が
可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は第一実施例を周辺部材とともに示す断面図、第
2図はこの実施例のロック機構の側面図、第3図はこの
実施例を用いた車両の動力系を示すスケルトン機構図、
第4図は第二実施例の構成を示す断面図、第5図(a)
〜(d)はそれぞれ第4図に関し、(a)はI−I矢視
図、(b)はII−II断面図、(c)はIII−III矢視図、
(d)はIV−IV断面図、第6図はこの実施例を用いた車
両の動力系を示すスケルトン機構図である。 49……デフケース 63……ピニオンシャフト 69……ピニオンギヤ 67……カム部材(第1のカム手段) 71,73……サイドギヤ 83,85……多板クラッチ(摩擦クラッチ) 87……クラッチ部材 95,97……カム部(第2のカム手段) 223……デフケース 255,257……サイドギヤ(出力部材) 259……差動機構 273……側壁 275……凹部 277……クラッチリング(連結部材) 279……カム(第2のカム手段) 281……ドッグクラッチ(クラッチ) 283……リターンスプリング(付勢部材) 285……穴 287……押圧部材(操作部材) 293……アクチュエータ(操作手段)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】デフケース内に支持されたピニオンシャフ
    トと、ピニオンシャフトに回転自在に支承されたピニオ
    ンギヤと、ピニオンギヤと噛合った一対のサイドギヤ
    と、差動を制限する摩擦クラッチと、前記ピニオンシャ
    フトに設けられ回転トルクにより前記摩擦クラッチを締
    結可能な第1のカム手段と、差動回転時に回転方向へ相
    対動する部材間に設けられ前記相対動により噛合いスラ
    スト力を発生させて前記摩擦クラッチを前記第1のカム
    手段と協力して締結可能な第2のカム手段と、この第2
    のカム手段を噛合、離脱操作する操作手段とを備えたこ
    とを特徴とするデファレンシャル装置。
  2. 【請求項2】デフケース内に支持されたピニオンシャフ
    トと、ピニオンシャフトに回転自在に支承されたピニオ
    ンギヤと、ピニオンギヤと噛合った一対のサイドギヤ
    と、デフケースとサイドギヤの差動を制限する摩擦クラ
    ッチと、前記ピニオンシャフトに設けられ回転トルクに
    より前記摩擦クラッチを締結可能な第1のカム手段と、
    各サイドギヤ間に設けた第2のカム手段を移動操作を受
    けて噛合わせサイドギヤを相対回転不能に連結するとと
    もにサイドギヤの相対回転により噛合いスラスト力を発
    生させて前記摩擦クラッチを前記第1のカム手段と協力
    して締結させるクラッチ部材とを備えたことを特徴とす
    るデファレンシャル装置。
  3. 【請求項3】トルクを入力して回転するデフケースと、
    このデフケース内に配置されデフケースからの入力トル
    クを出力部材を介して出力する差動機構と、デフケース
    の側壁内側に設けられた凹部に収納されデフケースと前
    記出力部材との間に噛合い状態のカムを有しこのカムの
    働きで差動制限用のクラッチを締結する連結部材と、前
    記凹部と外部との連通孔を貫通する操作部材を介してこ
    の連結部材を軸方向一方へ移動操作する操作手段と、連
    結部材を軸方向他方へ付勢する付勢部材とを備え、前記
    連通孔は前記デフケースのラグ穴加工用の穴に設けたこ
    とを特徴とするデファレンシャル装置。
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