JP6893231B2 - 自重沈降式竪型反応炉内状態把握方法、及び自重沈降式竪型反応炉の自動運転制御方法 - Google Patents

自重沈降式竪型反応炉内状態把握方法、及び自重沈降式竪型反応炉の自動運転制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、処理対象物を乾燥・熱分解・燃焼・溶融させる自重沈降式竪型反応炉の炉内状態を把握し、適正な運転状態を維持するための方法に関する。
廃棄物等の処理対象物を乾燥・熱分解・燃焼・溶融させる自重沈降式竪型反応炉では、鉛直筒状の竪型反応炉の上部から処理対象物を炉内に投入して、炉内下部に堆積させながら、炉底部から高温の酸素含有気体を加圧状態で炉内に供給する。処理対象物の堆積によって、炉内下部に堆積層が形成される。炉内下部に堆積された処理対象物が、自重によって炉底に向かって沈降し、その沈降順に、乾燥、熱分解、燃焼又は/及び溶融が行われる。
炉内下部に堆積された処理対象物が乾燥、熱分解、燃焼又は/及び溶融されることで、含まれる水分の蒸発等によってかさ比重(即ち密度)が増大するとともに、質量及び体積が減少する。処理中の処理対象物は、かさ比重の増大に伴って、自重(及びその上に堆積された他の処理対象物からの圧力)により炉底へ沈降していく。最終的に、処理対象物は、燃焼又は/及び溶融されて焼却灰又は溶融スラグとなり、炉底から炉外へ排出される。
一方、炉底から炉内に供給される酸素含有気体は、処理対象物との熱交換及び熱反応を進行させながら、乾燥・熱分解・燃焼・溶融等の熱反応で生成されたガス成分を伴って、堆積層を上方に抜ける。堆積層を通過した酸素含有気体は、堆積層より上側の炉内空間からなるフリーボードに到達した後、炉上部から炉外へ排出される。
このような竪型反応炉では、堆積された処理対象物の沈降は、機械的な送り機構によるものではなく、原則としてその自重によってなされる。そのため、処理対象物内の成分に不均一性がある場合、竪型反応炉内の自重沈降の進行にアンバランスが発生する。このアンバランスが過大になると、処理対象物の一部が、炉内空間を構成する側壁に引っ掛かるように固着して、棚のようなものを形成する「棚吊り」と呼ばれる現象が発生することがある。「棚吊り」が発生すると、炉内に投入された他の処理対象物が、側壁に固着した処理対象物に支えられ、炉底への落下又は沈降をしなくなる。これにより、側壁に固着した処理対象物の直ぐ下方において、処理対象物が存在しない空洞が形成される。
竪型反応炉で生じた「棚吊り」が何らかの理由によって解消されると、「棚吊り」状態となった多量の処理対象物が一気に炉底に向かって崩落する「棚落ち」という現象が起きる。崩落する処理対象物の量が多い場合、その衝撃で炉底構造が破壊されるおそれがある。また、「棚落ち」に伴って大量の処理対象物の熱反応が一気に進行して、ガス成分(水蒸気等)が大量に発生して、崩落後の炉内各所の圧力、温度等に深刻な変化を引き起こし、竪型反応炉の本体、及び本体に接続された設備に損傷を与えるおそれがある。
そのため、自重沈降式竪型反応炉では、「棚吊り」等の異常の発生の早期検出、及び検出後の早期解消方法(機構)が望まれていた。
従来から、自重沈降式竪型反応炉内の処理対象物が堆積された部分からなる堆積層の高さを、一定時間毎に、先端に錘を付けたチェーンを介して、炉内の堆積層の上部を接触することで計測し、その計測値に基づいて「棚吊り」が発生しているか否かを推定する方法が知られている。しかしながら、この方法では、チェーンが炉内の高温部を通過する際にチェーンの熱損傷が生じる問題や、チェーンが接触しない箇所で発生する「棚吊り」を検出できないという問題等があった。
これに対して、特許文献1及び2は、「棚吊り」の発生を検出するための方法をそれぞれ提案している。
特許文献1の方法では、炉底部や炉側壁部に配置された酸素含有気体投入口に対応した位置に温度センサを設け、当該温度センサの検出値が所定の温度を超えた場合、温度センサが設けられた部分が「棚吊り」の下の空洞に入ったと判断し、当該部分の直上部に「棚吊り」が発生していると判定する。
特許文献2の方法では、反応炉からフリーボードに到達し、炉外へ排出される排ガス量を計測し、当該排ガス量の減少が所定時間以上継続した場合に、「棚吊り」となった処理対象物が堆積層下部に落下しなくなるので、その分の燃焼又は/及び溶融が発生しなくなり、排ガスの量が減少したとみなし、炉内で「棚吊り」が発生していると判定する。
特開2017−122558号公報 特開2009−019787号公報
しかしながら、上記特許文献1の方法では、温度センサが設けられた箇所から離れた部分に発生する「棚吊り」の検出ができない。また、特許文献1の方法では、温度センサが設けられた箇所に対応する部分に「棚吊り」が発生した場合でも、「棚吊り」の下部に形成された空洞が、温度センサが設けられた箇所まで広がっていないときは、「棚吊り」の検出ができない。従って、発生した「棚吊り」を早期に検出することができず、状況の拡大を適切に防止することができなかった。
一方、特許文献2の方法が用いる排ガスの「継続的な減少」という現象は、「棚吊り」が発生している場合以外にも、例えば処理対象物中に含まれた反応性物質の割合が少なくなった等の場合でも発生する。従って、特許文献2の方法では、「棚吊り」の発生を正確に検出することができない。
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、自重沈降式竪型反応炉において、「棚吊り」等の異常の発生を早期かつ正確に検出できる自重沈降式竪型反応炉内状態把握方法と、「棚吊り」等の異常による想定外炉停止を防止でき、反応炉の運転を適切に維持できる自動運転制御方法と、を提供することにある。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の第1の観点によれば、以下の自重沈降式竪型反応炉内状態把握方法が提供される。即ち、この自重沈降式竪型反応炉内状態把握方法は、炉上部より処理対象物を炉内に投入し堆積させ、炉底部及び炉下方側壁部に、加圧された酸素含有気体を供給することで、処理対象物に対して乾燥、熱分解、燃焼、溶融のうち少なくとも1つを行う自重沈降式竪型反応炉で用いられる。この自重沈降式竪型反応炉内状態把握方法は、3次元熱画像作成工程と、炉内状況把握工程と、を含む。前記3次元熱画像作成工程では、前記自重沈降式竪型反応炉の運転を制御する制御装置が、炉内に堆積された処理対象物より上側に設置され、視点が異なる複数の赤外線カメラによって、堆積された処理対象物から形成された堆積層の最上側界面である堆積層界面の熱画像を撮影することで取得された熱画像に基づいて、前記堆積層界面の3次元熱画像を作成する。前記炉内状況把握工程では、前記制御装置が、前記3次元熱画像作成工程で作成された前記3次元熱画像に基づいて、炉内の状況を把握する。前記炉内状況把握工程では、前記制御装置が、前記3次元熱画像作成工程で作成された前記3次元熱画像及びその履歴3次元熱画像に基づいて、予め前記堆積層界面をメッシュ状に分割することで形成された複数の分割単位毎に、当該分割単位における前記堆積層界面の外観動態変化を算出する。前記炉内状況把握工程では、前記制御装置が、各分割単位に対して、算出した前記外観動態変化と、周辺に位置する他の分割単位である周辺分割単位の前記外観動態変化との乖離である位置基準外観動態乖離、及び、同一の前記分割単位自体の前記外観動態変化の履歴との乖離である時間基準外観動態乖離を算出する。前記炉内状況把握工程では、前記制御装置が、算出された前記位置基準外観動態乖離、及び前記時間基準外観動態乖離を含む外観動態乖離に基づいて、判定対象の分割単位に対応する前記堆積層に異常が発生しているか否かを判定し、異常が発生していると判定した場合、判定対象の当該分割単位を異常分割単位として特定する。
本発明の第2の観点によれば、以下の自重沈降式竪型反応炉内状態把握方法が提供される。即ち、この自重沈降式竪型反応炉内状態把握方法は、炉上部より処理対象物を炉内に投入し堆積させ、炉底部及び炉下方側壁部に、加圧された酸素含有気体を供給することで、処理対象物に対して乾燥、熱分解、燃焼、溶融のうち少なくとも1つを行う自重沈降式竪型反応炉で用いられる。この自重沈降式竪型反応炉内状態把握方法は、3次元熱画像作成工程と、炉内状況把握工程と、を含む。前記3次元熱画像作成工程では、前記自重沈降式竪型反応炉の運転を制御する制御装置が、炉内に堆積された処理対象物より上側に設置され、視点が異なる複数の赤外線カメラによって、堆積された処理対象物から形成された堆積層の最上側界面である堆積層界面の熱画像を撮影することで取得された熱画像に基づいて、前記堆積層界面の3次元熱画像を作成する。前記炉内状況把握工程では、前記制御装置が、前記3次元熱画像作成工程で作成された前記3次元熱画像に基づいて、炉内の状況を把握する。前記炉内状況把握工程では、前記制御装置が、前記3次元熱画像作成工程で作成された前記3次元熱画像及びその履歴3次元熱画像に基づいて、予め前記堆積層界面をメッシュ状に分割することで形成された複数の分割単位毎に、当該分割単位における前記堆積層界面の平均温度を算出する。前記炉内状況把握工程では、前記制御装置が、各分割単位に対して、算出した前記平均温度と、周辺に位置する他の分割単位である周辺分割単位の前記平均温度との乖離である位置基準平均温度乖離、及び、同一の前記分割単位自体の前記平均温度の履歴との乖離である時間基準平均温度乖離を算出する。前記炉内状況把握工程では、前記制御装置が、算出された前記位置基準平均温度乖離、及び前記時間基準平均温度乖離を含む平均温度乖離に基づいて、判定対象の分割単位に対応する前記堆積層に異常が発生しているか否かを判定し、異常が発生していると判定した場合、判定対象の当該分割単位を異常分割単位として特定する。
これにより、3次元熱画像を用いることで、目視で観測できない炉内の全面の様子及び変化を正確かつ容易に把握することができるので、「棚吊り」等の異常の発生位置にかかわらず、異常を早期かつ正確に検出することができる。この結果、異常に対する早期対策を行うことができるので、想定外の炉停止を防止でき、反応炉の運転を適切に維持することができる。
本発明によれば、自重沈降式竪型反応炉において、「棚吊り」等の異常の発生を早期かつ正確に検出することができる。
本発明の一実施形態に係る自重沈降式竪型反応炉の概略な構成を示す模式図。 「棚吊り」の早期発見及び解消のために制御装置が行う制御を示すフローチャート。
<自重沈降式竪型反応炉の概略な構成>初めに、図1を参照して、本実施形態の自重沈降式竪型反応炉1の構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る自重沈降式竪型反応炉1の概略な構成を示す模式図である。なお、以下の説明において「上流」及び「下流」とは、酸素含有気体、処理後ガス、排ガス等が流れる方向の上流及び下流を意味する。
自重沈降式竪型反応炉1は、廃棄物等の処理対象物に対して、乾燥、熱分解、燃焼、溶融等の熱処理を行い、処理対象物を溶融させることで減容化させる等の目的で用いられる。自重沈降式竪型反応炉1では、炉体の上方から炉内に投入された処理対象物を炉内空間の下方に堆積させることで、堆積層を形成する。この状態で、加圧された高温の酸素含有気体を炉底部及び炉下方側壁部に供給することで、処理対象物を乾燥、熱分解、燃焼、溶融させる。
図1に示すように、自重沈降式竪型反応炉1は、炉本体部2と、燃焼ガス供給部3と、赤外線カメラ4と、制御装置9と、を備える。
炉本体部2は、中空の鉛直筒状に形成されている。炉本体部2は、鉛直筒状に限定されず、例えば、炉側面が多少傾斜して形成されても良いし、炉の断面が円形以外の他の形状を有するように形成されても良い。炉本体部2の下部に堆積層22が形成されている。これにより、炉内空間が、図1に示すように、フリーボード21と、堆積層22と、に分けられる。
フリーボード21は、処理対象物の堆積層22より上側の炉内空間である。フリーボード21の上部には、処理対象物の熱処理過程で生成された処理後ガスを炉外へ排出するための処理後ガス排出口21aが形成されている。堆積層22からフリーボード21内に上昇してきた処理後ガスは、この処理後ガス排出口21aを介して炉外へ排出される。フリーボード21内において、処理後ガスの二次燃焼を行っても良い。
自重沈降式竪型反応炉1から排出された処理後ガスは、例えば、図1に示すように、処理後ガス処理装置5内に供給される。処理後ガス処理装置5においては、処理後ガスに対して、脱臭、再燃焼、冷却等の処理を行う。
処理後ガス処理装置5によって処理された処理後ガスは、排ガスとして、下流に設けられた図略の排ガス処理装置に供給される。処理後ガスは、排ガス処理装置において排熱回収、冷却、除塵、有害成分低減等の処理が適宜行われた後、煙突等により大気へ排出される。なお、フリーボード21内で二次燃焼を行っている場合、処理後ガス処理装置5における再燃焼処理を省略しても良い。
堆積層22は、図1に示す処理対象物供給装置6によって外部から炉内に投入された処理対象物が炉本体部2の下部に堆積されることで形成されている。処理対象物供給装置6は、例えば供給コンベア等を備える。炉本体部2の上部には、対象物投入口2aが形成される。処理対象物供給装置6は、対象物投入口2aを介して処理対象物を炉内に投入することができる。
なお、処理対象物が処理対象物供給装置6へ供給される前に、適宜の処理装置によって粉砕等の処理が行われても良い。また、処理対象物とは別途に、副資材としての、燃焼を促進するためのコークス等の資材、生成される溶融スラグの物性調整を目的とした石灰石や、ドロマイト等の資材等を炉内に投入しても良い。この場合、堆積層22は、炉内下部に堆積された処理対象物及び副資材から構成される。
堆積層22の上方に投入された処理対象物は、堆積層22において上から下へ沈降していくにつれて、乾燥、熱分解、燃焼又は/及び溶融が順に行われる。この結果、堆積層22では、酸素の濃度及び温度に応じて、自重沈降式竪型反応炉1の高さ方向において、上から順に、乾燥層、熱分解層、燃焼溶融層、溶融層等が形成される。堆積層22の上に落下した処理対象物は、熱処理されながら、含まれる水分の蒸発、熱分解等によって、その質量及び体積が減少され、かさ比重(密度)が増大し、自重(及びその上に堆積された他の処理対象物からの圧力)によって、堆積層22内を沈降していく。最終的に、処理対象物が燃焼又は/及び溶融されて、焼却灰又は溶融スラグとして、炉底から燃焼ガス供給部3を経由して炉外へ排出される。
上述のように、堆積層22内において、処理対象物の成分の不均一性等によって、処理対象物が炉の内壁に引っ掛かるように固着する「棚吊り」と呼ばれる現象が発生する可能性がある。この「棚吊り」は堆積層22の上下方向中途部で発生するため、目視で観測することが困難である。なお、本実施形態の自重沈降式竪型反応炉1における「棚吊り」の検出の詳細は後述する。
燃焼ガス供給部3は、炉本体部2の下端に接続され、炉本体部2と一体に形成されている。燃焼ガス供給部3内には、例えば、図略の複数の燃焼バーナーが設けられている。各燃焼バーナーは、加圧された高温の酸素含有気体と、LPG(Liquefied Petroleum Gas)や重油等の燃料と、の混合体を、上側に向かって、炉本体部2(堆積層22)の底部から炉内に吹き出す。
図1に示すように、燃焼ガス供給部3の底部の一側には、焼却灰及び/又は溶融スラグ等を取り出すための焼却灰又はスラグ排出口3aが形成されている。炉本体部2内で燃焼又は/及び溶融され生成された焼却灰又は溶融スラグは、当該焼却灰又はスラグ排出口3aを介して炉外へ排出される。
赤外線カメラ4は、物体から放射される赤外線を可視化するためのカメラから構成される。赤外線カメラ4は、静止画を撮像することを主目的とする機器であっても良いし、動画を撮像することを主目的とする機器であっても良い。動画は連続する複数の静止画であるため、何れの機器であっても、熱画像を取得するという機能は同じである。
赤外線カメラ4は、主として堆積層22の上側界面である堆積層界面の熱画像を取得することを目的としている。そのため、赤外線カメラ4は、堆積層界面の全面を見下ろす位置に設置することが望ましい。赤外線カメラ4は、例えば、自重沈降式竪型反応炉1の天井面、フリーボード21の側壁面等の位置に設置することができる。堆積層界面の全面が、赤外線カメラ4の取得画像範囲に含まれることが好ましい。ただし、赤外線カメラ4の設置上の制約等によって、取得画像範囲内に堆積層界面の全面を含むことが困難な場合は、その限りではない。
赤外線カメラ4は、選択透過フィルタ4aを介して、自重沈降式竪型反応炉1の炉内における堆積層界面の熱画像を撮影している。選択透過フィルタ4aは、火炎が放射しない波長(例えば3.9μm帯)の光を選択的に透過させるフィルタである。
ここで、「火炎が放射しない」とは、火炎が放射する他の波長の光と比較して大幅に光度が低い(殆ど照射しない)という意味であり、当該波長の光を火炎が全く放射しないことを示すものではない。
選択透過フィルタ4aを介して、火炎の向こう側にある物体の熱画像を透視的に取得できる。なお、本実施形態において、選択透過フィルタ4aは、赤外線カメラ4と一体的に構成されているが、別体であっても良い。つまり、炉内の光が通る経路上に選択透過フィルタ4aを配置し、この選択透過フィルタ4aを透過した透過光を通常の赤外線カメラで処理しても良い。
上記のように、赤外線カメラ4及び選択透過フィルタ4aを介して炉内の温度分布を示す熱画像を取得することで、発光する火炎を伴わない反応である場合、また、炉内が真っ暗で有用な可視光学画像を取得できない熱処理を行う各種の反応炉の場合においても、暗闇の奥にある物体の熱画像を取得することができる。なお、上記の構成に限定されず、例えば堆積層界面及びフリーボード21において火炎が存在しない場合、選択透過フィルタ4aを省略しても良い。
本実施形態の自重沈降式竪型反応炉1において、赤外線カメラ4は、3次元熱画像(温度分布を3次元的に示す画像)を作成することを目的として、複数(例えば2つ以上)設けられている。当該複数の赤外線カメラ4の相対位置は、制御装置9により予め記憶されている。
制御装置9は、例えば公知のコンピュータとして構成される。制御装置9は、図示しないCPU、RAM、ROM、HDD等を備え、種々の演算を行うとともに、自重沈降式竪型反応炉1の運転を制御する。制御装置9が備える記憶部は、自重沈降式竪型反応炉1を制御するための様々なデータを記憶する。この記憶部は、上記のROM及びHDD等から構成されている。
<制御装置が行う制御>制御装置9は、本発明の自重沈降式竪型反応炉内状態把握方法を実行することで、炉内の状態を正確に把握し、発生した「棚吊り」を早期かつ正確に検出する。また、制御装置9は、自重沈降式竪型反応炉1の運転を制御するための自動運転制御方法を実行することで、自重沈降式竪型反応炉内状態把握方法を用いて検出された「棚吊り」に対して、自重沈降式竪型反応炉1に対する操作変数(制御変量)等を変更することで、「棚吊り」の早期解消を実現する。
以下、制御装置9が行う制御について、図2のフローチャートに沿って具体的に説明する。図2は、「棚吊り」の早期発見及び解消するために制御装置9が行う制御を示すフローチャートである。
初めに、制御装置9は、3次元熱画像作成工程において、赤外線カメラ4が取得した堆積層界面の熱画像に基づいて3次元熱画像を作成して記憶する(ステップS101)。制御装置9は、作成された3次元熱画像を、当該3次元熱画像に対応する熱画像を撮影する時点における自重沈降式竪型反応炉1の操作変数と関連付けた状態で記憶する。制御装置9は、異なる時点で撮影した熱画像に基づいて作成された複数の3次元熱画像を時系列で記憶する。
自重沈降式竪型反応炉1の操作変数としては、例えば、炉底部から炉内に供給される酸素含有気体の温度、圧力、酸素含有量、供給量等の供給条件、炉下方側壁部から炉内に供給される酸素含有気体の上記供給条件、処理対象物等の炉内投入方法(単位時間投入量、処理対象物の粉砕程度等)、処理対象物の種類等から、1又は複数を選択することができる。
複数の熱画像から3次元熱画像を作成する処理は公知であり、以下、簡単に説明する。制御装置9は、例えば、堆積層界面のある特定箇所が、少なくとも2つの赤外線カメラ4が同時点で取得した2つの熱画像のそれぞれにおいて表示された位置を特定する。そして、予め記憶されている2つの赤外線カメラ4のそれぞれの配置位置及び視点を用いて、三角法等に基づいて、それぞれの赤外線カメラ4から、堆積層界面の特定箇所までの距離を算出する。各赤外線カメラ4から特定箇所までの距離のそれぞれに基づいて、特定箇所の3次元座標を得ることができる。このように処理することで、制御装置9は、堆積層界面の各部分の3次元座標をそれぞれ特定しながら、3次元熱画像を作成する。
次に、制御装置9は、炉内状況把握工程において、作成された3次元熱画像を分析する(ステップS102)。この分析は、制御装置9は、炉内の堆積層界面を平面視でメッシュ状となるように分割することで複数の分割単位を予め定義し、この分割単位毎に行われる。それぞれの分割単位の形状は任意である。分割単位同士の形状及びサイズが、同じであっても良いし、互いに異なっても良い。
制御装置9は、3次元熱画像及びその履歴に基づいて、各分割単位に対応する堆積層界面の外観動態変化を算出して、操作変数と関連付けて、かつ時系列で記憶する。なお、この外観動態変化は、上下方向における処理対象物の動態変化も含んでいるので、処理対象物の沈降についてもある程度反映している。言い換えれば、外観動態変化には、処理対象物の沈降速度変化が含まれている。
そして、制御装置9は、分割単位毎における外観動態変化の乖離を算出する。詳細には、制御装置9は、対象の分割単位に対して、当該分割単位の外観動態変化と、その周辺に位置する他の分割単位である周辺分割単位の同時点の外観動態変化と、を比較することによって、その乖離を位置基準外観動態乖離として算出する。
ところで、上述のように「棚吊り」が発生すると、棚となった処理対象物の上に堆積された処理対象物が沈降しなくなる。従って、堆積層界面において、「棚吊り」の発生部分の外観動態変化と、「棚吊り」が発生していない他の部分の外観動態変化と、の間で差異が生じる。即ち、この位置基準外観動態乖離は、対応する分割単位の直下方において、自重沈降について、他の分割単位と比較して何らかの特異的な状況が起きているか否かを示している。
また、制御装置9は、対象の分割単位に対して、算出された最新の外観動態変化と、当該分割単位自体の過去の外観動態変化と、を比較することによって、その乖離を時間基準外観動態乖離として算出する。
上述のように、「棚吊り」の発生箇所では処理対象物が沈降しなくなる。従って、「棚吊り」が発生している部分では、現在の堆積層界面の外観動態変化と、「棚吊り」が発生していなかった過去の外観動態変化と、の間で差異が生じる。即ち、この時間基準動態乖離は、対応する分割単位の直下方において、自重沈降について、以前とは異なる何らかの特異的な状況が起きているか否かを示している。
上記堆積層界面の外観動態変化に関する算出に伴って、制御装置9は、各分割単位に対して、当該分割単位(具体的に言えば、分割単位に対応する堆積層界面)の平均温度を算出して、操作変数と関連付けた状態かつ時系列で記憶する。ここでの平均温度とは、1つの分割単位に注目したときに、堆積層界面の温度に関する、当該分割単位における場所的な平均値を意味する。そして、制御装置9は、分割単位毎における平均温度の乖離を算出する。
詳細には、制御装置9は、対象の分割単位に対して、当該分割単位の平均温度と、その周辺に位置する他の分割単位である周辺分割単位の同時点の平均温度と、を比較することによって、その乖離を位置基準平均温度乖離として算出する。
ところで、「棚吊り」が発生すると、堆積層22内を上昇してくる高温の酸素含有気体は、棚となった処理対象物によって、その流動(上昇)が阻害され、棚となった部分を避けた形で堆積層22内を上昇して堆積層界面を通過することになる。これにより、「棚吊り」が発生する部分の直上に堆積された処理対象物に対して、高温の酸素含有気体による加温、熱反応が弱まる。この結果、堆積層界面において、「棚吊り」が発生している部分の温度と、「棚吊り」が発生していない他の部分の温度と、の間で差異が生じる。即ち、この位置基準平均温度乖離は、対応する堆積層界面の直下方において、酸素含有気体の流動について、他の分割単位と比較して何らかの特異的な状況が起きているか否かを示している。
また、制御装置9は、対象の分割単位に対して、算出された最新の平均温度と、当該分割単位自体の過去の平均温度と、を比較することによって、その乖離を時間基準平均温度乖離として算出する。
上述のように、「棚吊り」が発生すると、「棚吊り」が発生する部分の直上に堆積された処理対象物に対して、高温の酸素含有気体による加温、熱反応が弱まる。この結果、「棚吊り」が発生している部分では、現在の堆積層界面の温度と、「棚吊り」が発生していなかった過去の温度と、の間で差異が生じる。即ち、この時間基準平均温度乖離は、対応する堆積層界面部分の直下方において、酸素含有気体の流動について、以前とは異なる何らかの特異的な状況が起きているか否かを示している。
本実施形態の制御装置9は、分割単位毎に堆積層界面を分析している。従って、「棚吊り」等の異常が局所的かつ小規模で発生する段階においても、当該異常を的確に検出することができる。
次に、制御装置9は、炉内状況把握工程において、上記のように算出された外観動態乖離(位置基準外観動態乖離及び時間基準外観動態乖離)、及び平均温度乖離(位置基準平均温度乖離及び時間基準平均温度乖離)のうち少なくとも何れかに基づいて、何らかの異常が発生している分割単位を異常分割単位として特定する(ステップS103)。例えば、制御装置9は、外観動態乖離又は/及び平均温度乖離がそれぞれの所定閾値範囲を外れていた場合、判定対象の分割単位に対応する堆積層22の部分(界面及びその直下部分)に何らかの異常が発生していると判定する。
制御装置9は、異常分割単位を特定するとともに、現在炉内に「棚吊り」が発生しているか否かを判定する。例えば、制御装置9は、上記外観動態乖離及び平均温度乖離を総合的に評価した評価値を求め、この総合的な評価値が所定の閾値よりも大きな乖離を示している場合、判定対象の分割単位に対応する堆積層界面の直下部分内に「棚吊り」が発生していると判定する。
上記の所定閾値範囲、及び評価値の閾値は、シミュレーション、試運転、実際の運転データ等に基づいて、操作変数に関連付けて適宜定めることができる。
次に、制御装置9は、対策方法決定工程において、判定された異常分割単位に対して、発生している異常を解消させるための対策方法を決定する(ステップS104)。なお、ステップS103で制御装置9が「棚吊り」が発生していると判定した場合、ステップS104において、制御装置9は、「棚吊り」を解消させるための対策方法も決定する。
この対策方法としては、(1)炉底部からの酸素含有気体の供給条件を変更すること、(2)炉下方側壁部からの酸素含有気体の供給条件を変更すること、(3)処理対象物等の炉内投入方法を変更すること等を例として挙げることができる。
制御装置9は、自重沈降式竪型反応炉1の特性、処理対象物の種類、異常分割単位の分布及び数量、外観動態乖離の大きさ、平均温度乖離の大きさ等を総合的に分析することで、上記のような対策方法のうち少なくとも何れかの対策方法を決定する。
これにより、自重沈降式竪型反応炉1の特性、及び炉内の状態に合致した対策方法を決定することができ、対策方法の有効性を向上でき、異常又は/及び「棚吊り」の早期解消を実現することができる。
その後、制御装置9は、対策実行工程において、決定した対策方法に基づいて、自重沈降式竪型反応炉1の運転に影響する操作変数を調整する。この結果、異常分割単位で発生する異常を解消させることで「棚吊り」の発生を防止し、また、「棚吊り」が発生している場合には、その「棚吊り」を早期解消させる(ステップS105)。
以上に説明したように、本実施形態の自重沈降式竪型反応炉内状態把握方法は、炉上部より処理対象物を炉内に投入し堆積させ、炉底部及び炉下方側壁部に、加圧された酸素含有気体を供給することで、処理対象物を乾燥・熱分解・燃焼・溶融させる自重沈降式竪型反応炉1で用いられる。この自重沈降式竪型反応炉内状態把握方法は、3次元熱画像作成工程と、炉内状況把握工程と、を含む。3次元熱画像作成工程では、自重沈降式竪型反応炉1の運転を制御する制御装置9が、炉内に堆積された処理対象物より上側に設置され、視点が異なる複数の赤外線カメラ4によって、堆積された処理対象物から形成された堆積層の最上側界面である堆積層界面の熱画像を撮影することで取得された熱画像に基づいて、堆積層界面の3次元熱画像を作成する。炉内状況把握工程では、制御装置9が、3次元熱画像作成工程で作成された3次元熱画像に基づいて、炉内の状況を把握する。
これにより、3次元熱画像を用いることで、目視で観測できない炉内の全面の様子及び変化を正確かつ容易に把握することができるので、「棚吊り」等の異常の発生位置にかかわらず、異常を早期かつ正確に検出することができる。この結果、異常に対する早期対策を行うことができるので、想定外の炉停止を防止でき、反応炉の運転を適切に維持することができる。
また、本実施形態の自重沈降式竪型反応炉内状態把握方法において、炉内状況把握工程では、制御装置9が以下の処理を行う。即ち、制御装置9は、3次元熱画像作成工程で作成された3次元熱画像及びその履歴3次元熱画像に基づいて、予め前記堆積層界面をメッシュ状に分割することで形成された複数の分割単位毎に、当該分割単位における前記堆積層界面の外観動態変化を算出する。また、制御装置9は、各分割単位に対して、算出した外観動態変化と、周辺に位置する他の分割単位である周辺分割単位の外観動態変化との乖離である位置基準外観動態乖離、及び、同一の分割単位自体の外観動態変化の履歴との乖離である時間基準外観動態乖離を算出する。また、制御装置9は、算出された位置基準外観動態乖離、及び時間基準外観動態乖離を含む外観動態乖離に基づいて、判定対象の分割単位に対応する堆積層22に異常が発生しているか否かを判定する。制御装置9は、異常が発生していると判定した場合、判定対象の当該分割単位を異常分割単位として特定する。
これにより、炉内の堆積層22の外観動態に関する情報を用いることで、堆積層22内で発生している異常を正確に判定することができる。また、動態に関する判定が分割単位毎に行われるので、局所的かつ小規模な異常に対しても正確に判定することができる。
また、本実施形態の自重沈降式竪型反応炉内状態把握方法において、炉内状況把握工程では、制御装置9が以下の処理を行う。即ち、制御装置9は、3次元熱画像作成工程で作成された3次元熱画像及びその履歴3次元熱画像に基づいて、予め前記堆積層界面をメッシュ状に分割することで形成された複数の分割単位毎に、当該分割単位における前記堆積層界面の平均温度を算出する。また、制御装置9は、各分割単位に対して、算出した平均温度と、周辺に位置する他の分割単位である周辺分割単位の平均温度との乖離である位置基準平均温度乖離、及び、同一の分割単位自体の平均温度の履歴との乖離である時間基準平均温度乖離を算出する。また、制御装置9は、算出された位置基準平均温度乖離、及び時間基準平均温度乖離を含む平均温度乖離に基づいて、判定対象の分割単位に対応する堆積層22内に異常が発生しているか否かを判定する。制御装置9は、異常が発生していると判定した場合、判定対象の当該分割単位を異常分割単位として特定する。
これにより、炉内の堆積層22の温度に関する情報を用いることで、堆積層22内で発生している異常を正確に判定することができる。また、温度に関する判定が分割単位毎に行われるので、局所的かつ小規模な異常に対しても正確に判定することができる。
また、本実施形態の自重沈降式竪型反応炉内状態把握方法において、炉内状況把握工程では、制御装置9が以下の処理を行う。即ち、制御装置9は、3次元熱画像作成工程で作成された3次元熱画像及びその履歴3次元熱画像に基づいて、予め前記堆積層界面をメッシュ状に分割することで形成された複数の分割単位毎に、当該分割単位における前記堆積層界面の外観動態変化を算出する。また、制御装置9は、各分割単位に対して、算出した外観動態変化と、周辺に位置する他の分割単位である周辺分割単位の外観動態変化との乖離である位置基準外観動態乖離、及び、同一の分割単位自体の外観動態変化の履歴との乖離である時間基準外観動態乖離を算出する。また、制御装置9は、算出された位置基準外観動態乖離、及び時間基準外観動態乖離を含む外観動態乖離及び平均温度乖離に基づいて、判定対象の異常分割単位に対応する堆積層界面の下の部分に処理対象物が炉内側壁に固着する「棚吊り」が発生しているか否かを判定する。
これにより、外観動態乖離及び平均温度乖離を総合的に判定することで、「棚吊り」の発生に関する判定精度を向上させることができる。
また、本実施形態の自動運転制御方法は、対策方法決定工程と、対策実行工程と、を含む。対策方法決定工程では、制御装置9が、自重沈降式竪型反応炉内状態把握方法によって算出された外観動態乖離及び/又は平均温度乖離に基づいて、異常分割単位に対応する堆積層界面の外観動態変化及び/又は平均温度の乖離を小さくするための対策方法を決定する。対策実行工程では、制御装置9が、対策方法決定工程で決定された対策方法に基づいて、自重沈降式竪型反応炉1の運転に関する操作変数を調整する。
これにより、炉内に発生している異常の状況に応じて対策を行うことができる。この結果、「棚吊り」の防止を実現でき、自重沈降式竪型反応炉1の運転の安定性を向上することができる。
また、本実施形態の自動運転制御方法において、対策方法決定工程では、制御装置9が、自重沈降式竪型反応炉内状態把握方法によって、「棚吊り」が発生していると特定された異常分割単位に対して、特定された異常分割単位の外観動態乖離及び平均温度乖離に基づいて、当該異常分割単位に対応する堆積層22内で発生している「棚吊り」を解消する対策方法を決定する。対策実行工程では、制御装置9が、対策方法決定工程で決定された対策方法に基づいて、自重沈降式竪型反応炉1の運転に関する操作変数を調整する。
これにより、炉内に「棚吊り」が発生している場合に、外観動態乖離及び平均温度乖離を総合的に考慮することで、「棚吊り」の状況に応じた対策を行うことができる。この結果、「棚吊り」の早期解消を図ることができる。
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
3次元熱画像は、制御装置9とは別途に設けられた図略の画像処理装置により作成されても良い。この場合、図2に示すステップS101において、制御装置9は、画像処理装置から3次元熱画像を取得して記憶する。
赤外線カメラ4が動画を撮影する場合、撮影した動画から堆積層界面の外観動態変化を取得しても良い。
自重沈降式竪型反応炉1の特性に応じて、堆積層は、炉本体部2の上部まで形成されても良い。
対象物投入口2aは、自重沈降式竪型反応炉1の頂部に設けられも良い。
赤外線カメラ4は、堆積層22に対応する炉本体部2の側方に別途に設けても良い。この場合、堆積層22内の異常の発生位置を補助的に検出することが可能である。
1 自重沈降式竪型反応炉
2 炉本体部
2a 対象物投入口
21 フリーボード
21a 処理後ガス排出口
22 堆積層
3 燃焼ガス供給部
3a 焼却灰又はスラグ排出口
4 赤外線カメラ
4a 選択透過フィルタ
5 処理後ガス処理装置
6 処理対象物供給装置
9 制御装置

Claims (7)

  1. 炉上部より処理対象物を炉内に投入し堆積させ、炉底部及び炉下方側壁部に、加圧された酸素含有気体を供給することで、処理対象物に対して乾燥、熱分解、燃焼、溶融のうち少なくとも1つを行う自重沈降式竪型反応炉で用いられる自重沈降式竪型反応炉内状態把握方法であって、
    前記自重沈降式竪型反応炉の運転を制御する制御装置が、炉内に堆積された処理対象物より上側に設置され、視点が異なる複数の赤外線カメラによって、堆積された処理対象物から形成された堆積層の最上側界面である堆積層界面の熱画像を撮影することで取得された熱画像に基づいて、前記堆積層界面の3次元熱画像を作成する3次元熱画像作成工程と、
    前記制御装置が、前記3次元熱画像作成工程で作成された前記3次元熱画像に基づいて、炉内の状況を把握する炉内状況把握工程と、
    を含み、
    前記炉内状況把握工程では、前記制御装置が、
    前記3次元熱画像作成工程で作成された前記3次元熱画像及びその履歴3次元熱画像に基づいて、予め前記堆積層界面をメッシュ状に分割することで形成された複数の分割単位毎に、当該分割単位における前記堆積層界面の外観動態変化を算出し、
    各分割単位に対して、算出した前記外観動態変化と、周辺に位置する他の分割単位である周辺分割単位の前記外観動態変化との乖離である位置基準外観動態乖離、及び、同一の前記分割単位自体の前記外観動態変化の履歴との乖離である時間基準外観動態乖離を算出し、
    算出された前記位置基準外観動態乖離、及び前記時間基準外観動態乖離を含む外観動態乖離に基づいて、判定対象の分割単位に対応する前記堆積層に異常が発生しているか否かを判定し、異常が発生していると判定した場合、判定対象の当該分割単位を異常分割単位として特定することを特徴とする自重沈降式竪型反応炉内状態把握方法。
  2. 炉上部より処理対象物を炉内に投入し堆積させ、炉底部及び炉下方側壁部に、加圧された酸素含有気体を供給することで、処理対象物に対して乾燥、熱分解、燃焼、溶融のうち少なくとも1つを行う自重沈降式竪型反応炉で用いられる自重沈降式竪型反応炉内状態把握方法であって、
    前記自重沈降式竪型反応炉の運転を制御する制御装置が、炉内に堆積された処理対象物より上側に設置され、視点が異なる複数の赤外線カメラによって、堆積された処理対象物から形成された堆積層の最上側界面である堆積層界面の熱画像を撮影することで取得された熱画像に基づいて、前記堆積層界面の3次元熱画像を作成する3次元熱画像作成工程と、
    前記制御装置が、前記3次元熱画像作成工程で作成された前記3次元熱画像に基づいて、炉内の状況を把握する炉内状況把握工程と、
    を含み、
    前記炉内状況把握工程では、前記制御装置が、
    前記3次元熱画像作成工程で作成された前記3次元熱画像及びその履歴3次元熱画像に基づいて、予め前記堆積層界面をメッシュ状に分割することで形成された複数の分割単位毎に、当該分割単位における前記堆積層界面の平均温度を算出し、
    各分割単位に対して、算出した前記平均温度と、周辺に位置する他の分割単位である周辺分割単位の前記平均温度との乖離である位置基準平均温度乖離、及び、同一の前記分割単位自体の前記平均温度の履歴との乖離である時間基準平均温度乖離を算出し、
    算出された前記位置基準平均温度乖離、及び前記時間基準平均温度乖離を含む平均温度乖離に基づいて、判定対象の分割単位に対応する前記堆積層に異常が発生しているか否かを判定し、異常が発生していると判定した場合、判定対象の当該分割単位を異常分割単位として特定することを特徴とする自重沈降式竪型反応炉内状態把握方法。
  3. 請求項に記載の自重沈降式竪型反応炉内状態把握方法であって、
    前記炉内状況把握工程では、前記制御装置が、
    前記3次元熱画像作成工程で作成された前記3次元熱画像及びその履歴3次元熱画像に基づいて、予め前記堆積層界面をメッシュ状に分割することで形成された複数の分割単位毎に、当該分割単位における前記堆積層界面の外観動態変化を算出し、
    各分割単位に対して、算出した前記外観動態変化と、周辺に位置する他の分割単位である周辺分割単位の前記外観動態変化との乖離である位置基準外観動態乖離、及び、同一の前記分割単位自体の前記外観動態変化の履歴との乖離である時間基準外観動態乖離を算出し、
    算出された前記位置基準外観動態乖離、及び前記時間基準外観動態乖離を含む外観動態乖離及び前記平均温度乖離に基づいて、判定対象の前記異常分割単位に対応する前記堆積層界面の下の部分に前記処理対象物が炉内側壁に固着する「棚吊り」が発生しているか否かを判定することを特徴とする自重沈降式竪型反応炉内状態把握方法。
  4. 前記制御装置が、請求項に記載の自重沈降式竪型反応炉内状態把握方法によって算出された前記外観動態乖離に基づいて、前記異常分割単位に対応する前記堆積層界面の前記外観動態変化の乖離を小さくするための対策方法を決定する対策方法決定工程と、
    前記制御装置が、前記対策方法決定工程で決定された前記対策方法に基づいて、前記自重沈降式竪型反応炉の運転に関する操作変数を調整する対策実行工程と、
    を含むことを特徴とする自動運転制御方法。
  5. 前記制御装置が、請求項に記載の自重沈降式竪型反応炉内状態把握方法によって算出された前記平均温度乖離に基づいて、前記異常分割単位に対応する前記堆積層界面の前記平均温度の乖離を小さくするための対策方法を決定する対策方法決定工程と、
    前記制御装置が、前記対策方法決定工程で決定された前記対策方法に基づいて、前記自重沈降式竪型反応炉の運転に関する操作変数を調整する対策実行工程と、
    を含むことを特徴とする自動運転制御方法。
  6. 前記制御装置が、請求項に記載の自重沈降式竪型反応炉内状態把握方法によって算出された前記外観動態乖離及び前記平均温度乖離に基づいて、前記異常分割単位に対応する前記堆積層界面の前記外観動態変化及び前記平均温度の乖離を小さくするための対策方法を決定する対策方法決定工程と、
    前記制御装置が、前記対策方法決定工程で決定された前記対策方法に基づいて、前記自重沈降式竪型反応炉の運転に関する操作変数を調整する対策実行工程と、
    を含むことを特徴とする自動運転制御方法。
  7. 請求項に記載の自動運転制御方法であって、
    前記対策方法決定工程では、前記制御装置が、請求項4に記載の自重沈降式竪型反応炉内状態把握方法によって、「棚吊り」が発生していると特定された前記異常分割単位に対して、特定された前記異常分割単位の前記外観動態乖離及び前記平均温度乖離に基づいて、当該異常分割単位に対応する前記堆積層内で発生している前記「棚吊り」を解消するための対策方法を決定し、
    前記対策実行工程では、前記制御装置が、前記対策方法決定工程で決定された前記対策方法に基づいて、前記自重沈降式竪型反応炉の運転に関する操作変数を調整することを特徴とする自動運転制御方法。
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