本明細書において「レジンプレミックス」とは、ポリウレタンフォームを形成するための組成物であって、イソシアネートを除く原料の混合物を意味する。
本明細書において「〜」で示す数値範囲は、「〜」の前後に記載された数値を含む数値範囲を意味する。
<<レジンプレミックス>>
本発明のレジンプレミックスは、MFRが0.1g/10min以上200g/10min以下である樹脂からなる、平均繊維長が0.05mm以上50mm以下であり、かつ、繊維径の最小値が0.5μm以上であり、繊維径の最大値が70μm以下であるミクロフィブリル繊維が集合してなる、カナディアンフリーネスが200ml以上740ml以下である合成パルプと、ポリオールと、を含む。
本発明のレジンプレミックスから製造されたポリウレタンフォームが耐久性に優れる理由は明らかではないが、発明者らは以下のように推測している。
本発明に用いる特定の合成パルプは、カナディアンフリーネスが200ml以上740ml以下であり、適度に分岐し、かつ、適度な親水性を有している。このため、分岐構造による補強効果と、ポリウレタンと合成パルプとの水素結合による補強効果とが作用して耐久性が向上するものと推測される。また、他の原料との反応性が低く、かつ、他の原料中に均一に分散できるため、フォーム形成に与える影響も少ないと推測される。
<合成パルプ>
本発明のレジンプレミックスは合成パルプを含む。
本発明で用いる合成パルプは、MFRが0.1g/10min以上200g/10minである樹脂からなる、平均繊維長が0.05mm以上50mm以下であり、かつ、繊維径の最小値が0.5μm以上であり、繊維径の最大値が70μm以下であるミクロフィブリル繊維が集合してなる、カナディアンフリーネスが200ml以上740ml以下である。
本発明のレジンプレミックスは、上記の合成パルプを含むため、フォーム形成に与える影響が少なく、かつ、耐久性に優れる。
本発明のレジンプレミックスにおける合成パルプの含有量は、フォーム形成への影響をより少なくし、かつ、耐久性をより向上させる観点から、後述のポリオール100質量部に対して、0.01質量部〜15質量部が好ましい。
耐久性をより向上させる観点から、合成パルプの含有量は、後述のポリオール100質量部に対して、0.05質量部以上がより好ましく、0.1質量部以上が更に好ましい。
また、フォーム形成への影響をより少なくする観点から、合成パルプの含有量は、後述のポリオール100質量部に対して、13質量部以下がより好ましく、10質量部以下が更に好ましい。
本発明に用いる合成パルプは懸濁剤が付着した合成パルプであることが好ましい。懸濁材が付着した合成パルプであると合成パルプの親水性がより適切な範囲となりやすく、ポリウレタンフォーム中でのポリウレタンとの水素結合がより適切な範囲となり、耐久性に優れると推測される。
耐久性を向上させる観点から、懸濁剤の付着量は、合成パルプの全質量に対して0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上が更に好ましい。また、懸濁剤とイソシアネートとの反応を抑制して安定してポリウレタンフォームを製造する観点から、懸濁剤の付着量は、合成パルプの全質量に対して10質量%以下が好ましく、8質量%以下がより好ましく、6質量%以下が更に好ましい。
本発明に用いる合成パルプは、合成された樹脂からなる複数の微小繊維が絡まり合って、分岐構造を有するより太い繊維を形成する構造を有する繊維(単に「ミクロフィブリル繊維」ともいい、このような構造を単に「ミクロフィブリル構造」ともいう。)が、全体として特定方向に整列せずに集合してなる繊維集合体である。
上記合成された樹脂は、特に限定されず種々の化合物を用いることができるが、熱可塑性樹脂であることが好ましく、ポリオレフィンであることがより好ましい。上記ポリオレフィンの例には、炭素数2〜6のα−オレフィンの単独重合体および共重合体が含まれる。上記共重合体は、2種類以上の炭素数2〜6のα−オレフィンの共重合体でもよいし、炭素数2〜6のα−オレフィンと他の重合性化合物との共重合体でもよい。上記他の重合性化合物の例には、炭素数2〜6のα−オレフィン以外のオレフィン、アクリル酸およびメタクリル酸などを含む不飽和カルボン酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ならびに酢酸ビニルなどが含まれる。上記共重合体は、上述した単独重合体または共重合体に、不飽和カルボン酸モノマーを過酸化物でグラフト反応させて得られる、グラフト共重合体であってもよい。上記単独重合体または共重合体は、結晶性であることが好ましい。
上記炭素数2〜6のα−オレフィンの好ましい例には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテンおよび4−メチル−1−ブテンが含まれる。これらの炭素数2〜6のα−オレフィンを含む材料から製造される結晶性の単独重合体または共重合体の例には、線状低密度ポリエチレンやエラストマー(エチレン−α−オレフィン共重合体)などを含む低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、エチレン−メタクリル酸共重合体、マレイン酸やアクリル酸による酸変性ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ3−メチルブテン、およびポリ4−メチルブテン、ならびにこれらの混合物が含まれる。
上記合成された樹脂は、分子量分布(Mw/Mn)(TSKgelカラムを用いたGPC法によるポリスチレン換算の分子量を用いて算出した値)が1.5以上3.5以下であることが好ましい。また、上記合成された樹脂は、メルトフローレート(MFR:ASTMD1238による190℃、2.16kg加重で測定される値)が0.1g/10min以上200g/10min以下である。MFRの下限値は、5.0g/10min以上が好ましい。また、MFRの上限値は、150g/10min以下がより好ましく、110g/10min以下が更に好ましく、100g/10min以下が特に好ましい。
上記合成された樹脂は、ポリエチレンからなることが好ましく、特には上記メルトフローレートが5.0g/10min以上150g/10min以下であるポリエチレンからなることが好ましい。
上記合成された樹脂の製造方法は特に限定されず、公知の方法で製造したものを用いることができる。
なお、本発明に用いる合成パルプは、本発明の効果が損なわれない限りにおいて、ミクロフィブリル繊維以外の種々の化合物(以下、単に「他の化合物」ともいう。)を含有していても良い。たとえば、合成パルプは、上記他の化合物として、抗菌剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、各種安定剤、酸化防止剤、分散剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックス、および充填剤などとして公知の化合物を含有することができる。合成パルプは、複数種のこれらの化合物を含有していても良く、その含有量はこれらの化合物を含有させる目的に応じて適宜選択できる。
ミクロフィブリル繊維は、1本の繊維の端部間の距離のうち、最長となるように設定された端部間の距離の平均値(以下、「平均繊維長」ともいう。)が、0.05mm以上50mm以下である。平均繊維長の上限値は、40mm以下が好ましく、30mm以下がより好ましい。平均繊維長の下限値は、0.1mm以上が好ましい。平均繊維長がこの範囲にあれば、合成パルプとしたときに適度な嵩高性を有するため、ポリウレタンフォームに荷重が付加された際の復元力が強く、耐久性に優れるため好ましい。
平均繊維長は以下の手順で求めることができる。
合成パルプを構成するミクロフィブリル繊維を、上記最長となる長さを用いて長さ0.05mmごとに分級する。その後、それぞれの級(長さ)に含まれるミクロフィブリル繊維の実測繊維長と、それぞれの級に含まれるミクロフィブリル繊維の本数を測定する。測定は、12000〜13000本の繊維について行えばよい。その後、上記測定結果から、以下の式により、それぞれの級の数平均繊維長Ln(mm)を求める。
Ln=ΣL/N
L:1つの級に含まれるミクロフィブリル繊維の実測繊維長(mm)
N:1つの級に含まれるミクロフィブリル繊維の本数
その後、以下の式により、合成パルプを構成するミクロフィブリル繊維の平均繊維長(mm)を求める。
平均繊維長=Σ(Nn×Ln3)/Σ(Nn×Ln2)
Nn:それぞれの級に含まれるミクロフィブリル繊維の本数
なお、上記実測繊維長は、たとえば、濃度0.02質量%になるように合成パルプを水に分散し、フィンランド国、バルメットオートメーション社製自動繊維測定機(製品名:Valmet FS5)で合成パルプを構成する繊維の一本一本の繊維の長さを測定して求めることができる。当該測定機では、キャピラリー中を流れる際の繊維にキセノンランプ光を照射してCCD(電荷結合素子)センサーで映像信号を採取し、画像解析する。
ミクロフィブリル繊維は、直径(以下、単に「繊維径」ともいう。)の最小値が0.5μm以上であり、繊維径の最大値が70μm以下である。平均繊維径は、15μm以上であることがより好ましく、35μm以下であることがより好ましい。繊維径がこの範囲にあれば、当該繊維を集合体としたときに適度な嵩高性を有するため、ポリウレタンフォームに荷重が付加された際の復元力が強く、耐久性に優れるため好ましい。
繊維径は、1本、1本の繊維を、光学顕微鏡および電子顕微鏡などの顕微鏡で観察して測定できる。
具体的には、繊維径の最大値および最小値は、次のようにして測定できる。
キーエンス社製デジタルHFマイクロスコープVH8000にて倍率100倍で合成パルプを観察し、線維径が10μm以上であるように観察されるミクロフィブリル繊維を無作為に100本選択する。選択されたミクロフィブリル繊維の繊維径を測定し、測定値のうち最大の値を「繊維径の最大値」とする。
日本電子社製走査型電子顕微鏡JSM6480にて倍率3000倍で合成パルプを観察し、線維径が10μm未満であるように観察されるミクロフィブリル繊維を無作為に100本選択する。選択されたミクロフィブリル繊維の繊維径を測定し、測定値のうち最小の値を「繊維径の最小値」とする。
また、平均繊維径は、バルメットオートメーション製Valmet FS5などの繊維画像分析計を用いて測定することができる。
ミクロフィブリル繊維は、1本の繊維が多数に枝分かれた分岐構造を有する。分岐構造は光学顕微鏡または電子顕微鏡で観察して確認できる。
分岐構造を有するミクロフィブリル繊維は、多数集合して合成パルプを形成したときに、特定方向に整列せず、分岐した繊維同士が互いに絡み合ったり、分岐部分が交差したりしやすい。上記絡み合いや交差により、ポリウレタンフォームを形成した際に、耐久性を付与できると考えられる。
本発明に用いる合成パルプは、JIS P 8121−2(2012)に準じて測定されるカナディアンフリーネス(以下、「CSF」ともいう。)が200ml以上740ml以下である。フォーム形成への影響をより少なくする観点及び耐久性をより向上する観点から、CSFの上限値は700ml以下が好ましい。フォーム形成への影響をより少なくする観点及び耐久性をより向上する観点から、CSFの下限値は、250ml以上が好ましく、280ml以上がより好ましい。
CSFは以下の手順で求めることができる。
絶乾重量24gの合成パルプを量り取り、2000mlの水を加えて濃度1.2%程度とし、JIS P 8220−1(2012)に規定する離解機にかけて30000回転(10分間)まで離解させる。完全に離解したミクロフィブリル繊維を0.3%濃度程度に希釈し、水温を20.0±0.5℃とする。離解したパルプスラリーを1000ml量り取り、カナダ標準ろ水度試験器を用いて、側管から出た排水量を読み取る。
(合成パルプの製造方法)
合成パルプは、種々の方法により製造し得るが、通常はフラッシュ法で製造することが可能である。フラッシュ法とは、樹脂が溶媒に溶解している高圧の樹脂溶液を減圧下に噴出することで上記溶媒を揮散させて上記樹脂からなる繊維を形成し、さらに必要に応じてワーリング・ブレンダーまたはディスクリファイナーなどで上記形成された繊維を切断および叩解する方法である。特に、特開昭48−44523号公報に記載されているような、ポリオレフィン溶液を懸濁剤の存在下、水媒体に分散させたものをフラッシュさせる方法は、乱雑に分岐した形状を有する繊維状の樹脂を有する合成パルプが得られるため、好ましい。
フラッシュ法は、合成パルプを構成するミクロフィブリル樹脂の材料となる熱可塑性樹脂を溶解し、懸濁液および水を添加してエマルジョンとする工程と、上記エマルジョンを減圧下に噴出(フラッシュ)すると同時に溶剤を気化させる工程と、を含む。
フラッシュ法の第1工程では、前記熱可塑性樹脂を、当該熱可塑性樹脂を溶解可能な溶剤に溶解し、懸濁剤および水を加えてエマルジョンとする。
上記溶剤の例には、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンおよびシクロヘキサンなどを含む飽和炭化水素系溶剤、ベンゼンおよびトルエンなどを含む芳香族系溶剤、塩化メチレン、クロロホルムおよび四塩化炭素などを含むハロゲン化炭素類などが含まれる。これらの溶剤から、製造しようとする合成パルプを構成するミクロフィブリル樹脂の材料となる熱可塑性樹脂を溶解せしめ、かつ、フラッシュ時に揮発し得られた繊維の集合体に残存しにくいものを適宜選択すればよい。
上記懸濁剤の例には、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリル酸塩、ゼラチン、トラガカントゴム、デンプン、メチルセルロース、およびカルボキシメチルセルロースなどを含む親水性樹脂が含まれる。また、上記親水性樹脂と、一般的なノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤またはアニオン系界面活性剤とを併用することもできる。懸濁剤は、上記熱可塑性樹脂、溶剤および水を均一に混合させるため、エマルションを安定化させ、かつ、フラッシュ後の繊維の切断および叩解を水中でも安定して行うことを可能とする。これらの中でも、懸濁剤としては、ポリビニルアルコールが好ましい。
上記懸濁剤の添加量は、製造過程において、添加した懸濁剤の一部が抜けるような操作をする場合は多めに添加するなど、適宜調整することが好ましい。添加量の目安としては、熱可塑性樹脂100質量部に対して0.1質量部以上20質量部以下とすることができる。
なお、懸濁剤が付着した合成パルプを得る目的にあっては、他の工程中で懸濁剤を添加してもよい。
フラッシュ法の第2工程では、上記第1工程で得られたエマルジョンを、温度が100℃以上200℃以下、好ましくは130℃以上150℃以下となるように加熱し、かつ、圧力が0.1MPa以上5.0MPa以下、好ましくは圧力0.5MPa以上1.5MPa以下の加圧状態にする。その後、上記加熱および加圧したエマルジョンを、ノズルより減圧された空間へ噴出(フラッシュ)すると同時に溶剤を気化させ揮散させる。上記減圧された空間は、圧力が1kPa以上95kPa以下であることが好ましい。また、上記減圧された空間は、窒素雰囲気などの不活性雰囲気であることが好ましい。なお、本発明において、「圧力」とは絶対圧力のことを示す。
上記工程により、上記熱可塑性樹脂を材料とした、分岐構造を有する不定長のミクロフィブリル繊維が得られる。このようにして得られたミクロフィブリル繊維は、さらにワーリング・ブレンダーまたはディスクリファイナーなどで、平均繊維長が上述した範囲の長さになるように切断および叩解することが好ましい。このとき、上記ミクロフィブリル繊維を水に溶解または分散させて、濃度が0.5g/L以上5.0g/L以下の水スラリーにして、上記切断および叩解を行うことが好ましい。
このとき、たとえば、ディスクリファイナーの刃の種類、回転数、またはスクリーンの径などを所定の条件に沿って選択することで、ミクロフィブリル樹脂の線維径およびカナディアンフリーネスなどを所望の程度に調整することができる。
上記ミクロフィブリル樹脂には、親水性をより増大させるために、ノニオン性界面活性剤またはポリプロピレングリコールによる表面処理を行ってもよい。より親水化処理されたミクロフィブリル樹脂の例には、特開昭63−235575号公報および特開昭63−66380号公報などに示された合成パルプに用いられるミクロフィブリル樹脂が含まれる。ノニオン性界面活性剤およびポリプロピレングリコールは、前述の懸濁剤の一種である。
このようにして得られたミクロフィブリル樹脂を、乾燥後、ミキサーなどによって開綿して、合成パルプとすることができる。
本発明に用いる合成パルプにおける懸濁剤の付着量は、例えばフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)によって測定できる。具体的には、例えば懸濁剤としてポリビニルアルコールを使用した場合には、合成パルプを熱プレスによりフィルム化してFT−IRで吸収スペクトルを測定し、得られた波長3370nm付近のピーク強度から懸濁剤の付着量を求めることができる。
本発明に用いる合成パルプは、市販品を用いることができる。市販品としては、例えば、ケミベストFD380、FD505、FD780、FD990、FDSS−2、FDSS−5、及びFDSS−50(いずれも三井化学社製)が挙げられる。
<ポリオール>
本発明のレジンプレミックスは、ポリオールを含む。
本発明で用いるポリオールとしては、例えば、高分子ポリオールが挙げられる。
高分子量ポリオールは、水酸基を2つ以上有する数平均分子量300以上、20000以下の化合物であって、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオール、エポキシポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール、シリコーンポリオール、フッ素ポリオール、ビニルモノマー変性ポリオール(ポリマーポリオール)が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリオキシアルキレンポリオール、ポリテトラメチレンエーテルポリオールなどが挙げられる。
ポリオキシアルキレンポリオールは、例えば、低分子量ポリオールまたは低分子量ポリアミンを開始剤とする、アルキレンオキサイドの付加重合物である。
低分子量ポリオールは、水酸基を2つ以上有する数平均分子量40以上、300未満の化合物であって、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,2−トリメチルペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、アルカン(C7〜20)ジオール、1,3−または1,4−シクロヘキサンジメタノールおよびそれらの混合物、1,3−または1,4−シクロヘキサンジオールおよびそれらの混合物、水素化ビスフェノールA、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン、2,6−ジメチル−1−オクテン−3,8−ジオール、ビスフェノールA、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどの2価アルコール、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリイソプロパノールアミンなどの3価アルコール、例えば、テトラメチロールメタン(ペンタエリスリトール)、ジグリセリンなどの4価アルコール、例えば、キシリトールなどの5価アルコール、例えば、ソルビトール、マンニトール、アリトール、イジトール、ダルシトール、アルトリトール、イノシトール、ジペンタエリスリトールなどの6価アルコール、例えば、ペルセイトールなどの7価アルコール、例えば、ショ糖などの8価アルコールなどが挙げられる。
低分子量ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,3−または1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン(イソホロンジアミン)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、2,5(2,6)−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ヒドラジン、o、mまたはp−トリレンジアミン(TDA、OTD)などの低分子量ジアミン、例えば、ジエチレントリアミンなどの低分子量トリアミン、例えば、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンなどのアミノ基を4個以上有する低分子量ポリアミンなどが挙げられる。
これら開始剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。開始剤として、好ましくは、低分子量ポリオールが挙げられる。
アルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド(IUPAC名:オキシラン)、プロピレンオキサイド(1,2−プロピレンオキサイド(IUPAC名:メチルオキシラン))、ブチレンオキサイド(1,2−ブチレンオキサイド(IUPAC名:エチルオキシラン)、2,3−ブチレンオキサイド(IUPAC名:2,3−ジメチルオキシラン))などが挙げられる。また、これらアルキレンオキサイドは、単独使用または2種類以上併用することができる。また、これらのうち、好ましくは、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドが挙げられる。
このようなポリオキシアルキレンポリオールとして、具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンポリプロピレングリコール(ランダムまたはブロック共重合体)などのポリアルキレンオキサイドなどが挙げられる。
また、このようなポリオキシアルキレンポリオールとしては、プロピレンオキサイドの副反応が少ない触媒で重合反応されたポリオキシアルキレンポリオールが好ましく、そのようなポリオールは、例えば、公知のホスファゼン触媒や複金属シアン化錯体触媒などで製造される。ポリオール中の副反応の指標である総不飽和度(単位:meq./g)は、0.07以下が好ましく、さらに好ましくは0.05以下、最も好ましくは0.04以下であり、例えば、0.001以上である。
ポリテトラメチレンエーテルポリオールとしては、例えば、ポリテトラメチレンエーテルグリコールが挙げられ、具体的には、例えば、テトラヒドロフランのカチオン重合により得られる開環重合物や、テトラヒドロフランなどの重合単位に、アルキル置換テトラヒドロフランや、上記した2価アルコールを共重合した非晶性(非結晶性)ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどが挙げられる。
なお、非晶性(非結晶性)とは、常温(25℃)において液状であることを示す。
非晶性のポリテトラメチレンエーテルグリコールは、例えば、テトラヒドロフランと、アルキル置換テトラヒドロフラン(例えば、3−メチルテトラヒドロフランなど)との共重合体(テトラヒドロフラン/アルキル置換テトラヒドロフラン(モル比)=15/85〜85/15、数平均分子量500〜4000、好ましくは、800〜3500)や、例えば、テトラヒドロフランと、分岐状グリコール(例えば、ネオペンチルグリコールなど)との共重合体(テトラヒドロフラン/分岐状グリコール(モル比)=15/85〜85/15、数平均分子量500〜4000、好ましくは、800〜3500)などとして、得ることができる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、上記した低分子量ポリオールと多塩基酸とを、公知の条件下、反応させて得られる重縮合物が挙げられる。
多塩基酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、グルタール酸、アジピン酸、1,1−ジメチル−1,3−ジカルボキシプロパン、3−メチル−3−エチルグルタール酸、アゼライン酸、セバシン酸、その他の飽和脂肪族ジカルボン酸(C11〜13)、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、その他の不飽和脂肪族ジカルボン酸、例えば、オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トルエンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、その他の芳香族ジカルボン酸、例えば、ヘキサヒドロフタル酸、その他の脂環族ジカルボン酸、例えば、ダイマー酸、水添ダイマー酸、ヘット酸などのその他のカルボン酸、および、それらカルボン酸から誘導される酸無水物、例えば、無水シュウ酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水2−アルキル(C12〜C18)コハク酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水トリメリット酸、さらには、これらのカルボン酸などから誘導される酸ハライド、例えば、シュウ酸ジクロライド、アジピン酸ジクロライド、セバシン酸ジクロライドなどが挙げられる。
また、ポリエステルポリオールとして、例えば、植物由来のポリエステルポリオール、具体的には、上記した低分子量ポリオールを開始剤として、ヒドロキシル基含有植物油脂肪酸(例えば、リシノレイン酸を含有するひまし油脂肪酸、12−ヒドロキシステアリン酸を含有する水添ひまし油脂肪酸など)などのヒドロキシカルボン酸を、公知の条件下、縮合反応させて得られる植物油系ポリエステルポリオールなどが挙げられる。
また、ポリエステルポリオールとして、例えば、上記した低分子量ポリオール(好ましくは、2価アルコール)を開始剤として、例えば、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトンなどのラクトン類や、例えば、L−ラクチド、D−ラクチドなどのラクチド類などを開環重合して得られる、ポリカプロラクトンポリオール、ポリバレロラクトンポリオール、さらには、それらに上記した2価アルコールを共重合したラクトン系ポリエステルポリオールなどが挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、上記した低分子量ポリオール(好ましくは、2価アルコール)を開始剤とするエチレンカーボネートの開環重合物や、例えば、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールや1,6−ヘキサンジオールなどの2価アルコールと、開環重合物とを共重合した非晶性ポリカーボネートポリオールなどが挙げられる。
また、ポリウレタンポリオールは、上記により得られたポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールおよび/またはポリカーボネートポリオールを、イソシアネート基(NCO)に対する水酸基(OH)の当量比(OH/NCO)が1を超過する割合で、ポリイソシアネートと反応させることによって、ポリエステルポリウレタンポリオール、ポリエーテルポリウレタンポリオール、ポリカーボネートポリウレタンポリオール、あるいは、ポリエステルポリエーテルポリウレタンポリオールなどとして得ることができる。
エポキシポリオールとしては、例えば、上記した低分子量ポリオールと、例えば、エピクロルヒドリン、β−メチルエピクロルヒドリンなどの多官能ハロヒドリンとの反応により得られるエポキシポリオールが挙げられる。
ポリオレフィンポリオールとしては、例えば、ポリブタジエンポリオール、部分ケン価エチレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。
アクリルポリオールとしては、例えば、ヒドロキシル基含有アクリレートと、ヒドロキシル基含有アクリレートと共重合可能な共重合性ビニルモノマーとを、共重合させることによって得られる共重合体が挙げられる。
ヒドロキシル基含有アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2,2−ジヒドロキシメチルブチル(メタ)アクリレート、ポリヒドロキシアルキルマレエート、ポリヒドロキシアルキルフマレートなどが挙げられる。
共重合性ビニルモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルアクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート(炭素数1〜12)、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル、例えば、(メタ)アクリロニトリルなどのシアン化ビニル、例えば、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸などのカルボキシル基を含むビニルモノマー、または、そのアルキルエステル、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどのアルカンポリオールポリ(メタ)アクリレート、例えば、3−(2−イソシアネート−2−プロピル)−α−メチルスチレンなどのイソシアネート基を含むビニルモノマーなどが挙げられる。
そして、アクリルポリオールは、これらヒドロキシル基含有アクリレート、および、共重合性ビニルモノマーを、適当な溶剤および重合開始剤の存在下において共重合させることにより得ることができる。
シリコーンポリオールとしては、例えば、上記したアクリルポリオールの共重合において、共重合性ビニルモノマーとして、例えば、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのビニル基を含むシリコーン化合物が配合されたアクリルポリオールが挙げられる。
フッ素ポリオールとしては、例えば、公知の方法により上記した高分子量ポリオール(例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリウレタンポリオールなど)の少なくとも一部にフッ素原子を導入したポリオールが挙げられる。具体的には、例えば、フッ素含有ポリエーテルポリオール(パーフルオロポリエーテルポリオール)、フッ素含有ポリエステルポリオール、フッ素含有ポリウレタンポリオールなどが挙げられる。
また、フッ素ポリオールとしては、例えば、上記したアクリルポリオールの共重合において、共重合性ビニルモノマーとして、ビニル基を含むフッ素化合物が配合されたアクリルポリオールが挙げられる。
ビニル基を含むフッ素化合物としては、例えば、ビニリデンフルオライド(VdF)、テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、ビニルフルオライド(VF)、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)などが挙げられる。
また、フッ素ポリオールは、例えば、TFEなどのビニル基を含むフッ素化合物、共重合性ビニルモノマー、および、ヒドロキシル基含有ビニルモノマーの共重合により得ることができる。
ビニルモノマー変性ポリオール(ポリマーポリオール)は、前述の高分子量ポリオールにおいてビニルモノマーを分散重合させることにより得ることができる。
高分子量ポリオールは、ビニルモノマーの分散媒であって、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析により測定される数平均分子量(ポリエチレングリコール換算)が、例えば、400以上、好ましくは、1000以上であり、また、例えば、10000以下、好ましくは、8000以下である。高分子量ポリオールとしては、例えば、前述のポリオールが挙げられ、好ましくは、ポリエーテルポリオールが挙げられる。
これら高分子量ポリオールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
また、ビニルモノマーとしては、例えば、スチレン、アクリルアミド、アルキル(メタ)アクリレート、シアン化ビニル(アクリロニトリル)、シアン化ビニリデンなどが挙げられる。これらビニルモノマーは、単独使用または2種類以上併用することができる。また、これらのうち、好ましくは、スチレン、シアン化ビニル(アクリロニトリル)、スチレンおよびシアン化ビニルの併用が挙げられる。
ポリマーポリオールに対するビニルモノマーの重合体の含有量は、例えば、2質量%以上、好ましくは、5質量%以上であり、また、例えば、50質量%以下、好ましくは、45質量%以下である。
そして、ポリマーポリオールは、高分子量ポリオール中において、ビニルモノマーを、例えば、ラジカル重合開始剤(例えば、過硫酸塩、有機過酸化物、アゾ系化合物(アゾビスイソブチロニトリルなど)など)、さらには、必要により、分散安定化剤、連鎖移動剤などの存在下などにおいて反応させることにより得ることができる。
より具体的には、ポリマーポリオールは、高分子量ポリオール中において上記のビニルモノマーがラジカル開始剤によって重合され、得られるポリマー微粒子が高分子量ポリオール中に分散されることにより調製される。
ポリマー微粒子は、ビニルモノマーの重合体からなるポリマー微粒子である。
なお、ポリマー微粒子では、重合時にビニルモノマーの少なくとも一部を高分子量ポリオールにグラフト化させることもできる。
ポリマーポリオールのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析により測定される数平均分子量(ポリエチレングリコール換算)は、例えば、400以上、好ましくは、1000以上であり、例えば、15000以下、好ましくは、10000以下である。
また、ポリマーポリオールの平均官能基数は、例えば、1.5以上、好ましくは、2.0以上、より好ましくは、2.5以上であり、例えば、6以下、好ましくは、4以下である。
なお、ポリマーポリオールの平均官能基数は、仕込みの配合処方から算出される。
これらポリマーポリオールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
本発明のレジンプレミックスがポリオールとしてポリオキシアルキレンポリオールとポリマーポリオールとを含有する場合における、ポリオキシアルキレンポリオールおよびポリマーポリオールの配合割合は、ポリオール全質量100質量部に対して、ポリオキシアルキレンポリオールが、例えば、10質量部以上、好ましくは、30質量部以上、より好ましくは、40質量部以上であり、例えば、90質量部以下、好ましくは、70質量部以下、より好ましくは、60質量部以下であり、また、ポリマーポリオールが、例えば、10質量部以上、好ましくは、30質量部以上、より好ましくは、40質量部以上であり、例えば、90質量部以下、好ましくは、70質量部以下、より好ましくは、60質量部以下である。
また、ポリオキシアルキレンポリオールとポリマーポリオールとの配合比率(ポリマーポリオール/ポリオキシアルキレンポリオール)は、質量基準で、例えば、10/90以上、好ましくは、30/70以上、より好ましくは、40/60以上であり、また、例えば、90/10以下、好ましくは、70/30以下、より好ましくは、60/40以下である。
これらポリオールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
ポリオールとして、好ましくは、ポリエーテルポリオールとポリマーポリオールの少なくとも一種を含むことが好ましく、ポリエーテルポリオールとポリマーポリオールを含むことがより好ましく、ポリオキシアルキレンポリオールとポリマーポリオールを含むことが更に好ましい。
ポリオールの数平均分子量は、例えば、300以上、好ましくは、500以上、より好ましくは、1000以上、より一層好ましくは、1500以上、例えば、15000以下、好ましくは、10000以下、より好ましくは、9000以下、より一層好ましくは、8000以下である。
ポリオールの数平均分子量が上記上限値を上回ると、後述するポリイソシアネートと混合後の組成物が過度に増粘し、流動性が劣る場合がある。ポリオールの数平均分子量が上記下限値を下回ると、後述するポリイソシアネートと混合後の組成物の増粘速度を向上させることが困難になり、気泡の合一を抑制することが困難になる場合がある。ポリオールの数平均分子量が上記上限値を上回るか、または、上記下限値を下回ると、得られるポリウレタンフォームの物性が不十分となる場合がある。
ポリオールの平均官能基数は、例えば、1.5以上、好ましくは、2以上であり、例えば、3以下、好ましくは、2.5以下であり、さらに好ましくは、2.0である。
ポリオールの平均水酸基価は、例えば、10mgKOH/g以上、好ましくは、15mgKOH/g以上であり、例えば、400mgKOH/g以下、好ましくは、300mgKOH/g以下、より好ましくは、100mgKOH/g以下、より一層好ましくは、50mgKOH/g以下である。
本発明のレジンプレミックスは、合成パルプ、ポリオール及び後述のポリイソシアネート以外の添加剤を含んでいてもよい。
添加剤としては、例えば、触媒、発泡剤、架橋剤、連通化剤、整泡剤及びその他の添加剤が挙げられる。
<触媒>
本発明のレジンプレミックスは、ウレタン化反応を適切に行うために、触媒を含むことが好ましい。
触媒としては、特に制限されず、公知のウレタン化触媒が挙げられ、具体的には、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ビス−(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、モルフォリン類(例えば、N−メチルモルフォリンなど)などの脂肪族アミン類、例えば、テトラエチルアンモニウムヒドロキシドなどの四級アンモニウム塩、例えば、イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類、例えば、オクタン酸錫(オクチル酸錫)、酢酸錫、オレイン酸錫、ラウリル酸錫、ジブチル錫ジアセテート、ジメチル錫ジラウレート、ジブチル錫シメルカプチド、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫ジラウレート(ジブチルチンジラウレート)、ジブチル錫ジネオデカノエート、ジオクチル錫ジメルカプチド、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジクロリドなどの有機錫化合物、例えば、オクタン酸鉛、ナフテン酸鉛などの有機鉛化合物、例えば、ナフテン酸ニッケルなどの有機ニッケル化合物、例えば、ナフテン酸コバルトなどの有機コバルト化合物、例えば、オクテン酸銅などの有機銅化合物、例えば、オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマスなどの有機ビスマス化合物などが挙げられる。
さらに、ウレタン化触媒として、例えば、炭酸カリウム、酢酸カリウム、オクチル酸カリウムなどのカリウム塩なども挙げられる。
また、触媒は、市販品として入手することができ、例えば、カオーライザー No.31(アミン触媒、花王社製)、カオーライザー No.120(アミン触媒、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、花王社製)、カオーライザー No.12(アミン触媒、花王社製)、カオーライザー No.25(アミン触媒、花王社製)、DABCO 33LV(アミン触媒、トリエチレンジアミンの33質量%ジエチレングリコール溶液、エア・プロダクツジャパン社製)、Niax A−1(アミン触媒、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製(以下、「モメンティブ社製」とする。))、TOYOCAT−NCE(アミン触媒、東ソー社製)、Minico L1020(アミン触媒、活材ケミカル社製)、Minico TMDA(アミン触媒、活材ケミカル社製)、ネオスタンU−100(有機錫触媒、ジブチル錫ジラウレート、日東化成社製)、フォーメートTK−1(有機錫触媒、三井化学社製)などが挙げられる。
これらの触媒は、単独使用または2種類以上併用することができる。
触媒の配合割合は、レジンプレミックス中のポリオール100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、0.3質量部以上であり、また、例えば、5質量部以下、好ましくは、1質量部以下である。
<発泡剤>
本発明のレジンプレミックスは、フォームを適切に発生させるために、発泡剤を含むことが好ましい。
発泡剤としては、特に制限されず、公知の発泡剤が挙げられ、好ましくは、水が挙げられる。
また、発泡剤としては、水と、物理発泡剤(例えば、ヒドロフルオロカーボン類、炭化水素類(例えば、シクロペンタンなど)、炭酸ガス、液化炭酸ガスなど)とを、適宜の割合で併用することができる。物理発泡剤としては、環境負荷低減の観点から、好ましくは、炭酸ガス、液化炭酸ガスが挙げられる。
これら物理発泡剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
発泡剤の配合割合は、レジンプレミックス中のポリオール100質量部に対して、例えば、0.5質量部以上、好ましくは、1質量部以上であり、例えば、10質量部以下、好ましくは、7質量部以下である。
発泡剤の含有割合が上記範囲であれば、優れた発泡性を得ることができる。
<架橋剤>
本発明のレジンプレミックスは、必要により、架橋剤を含むことができる。
架橋剤としては、特に制限されず、公知の架橋剤が挙げられ、具体的には、例えば、アルカノールアミン、3価以上のポリオール、アルキレンオキサイド付加ポリオールなどが挙げられる。
アルカノールアミンとしては、例えば、トリメタノールアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリブタノールアミンなどのトリアルカノールアミン(トリC2〜4アルカノールアミン)や、ジエタノールアミンなどのジアルカノールアミン(ジC2〜4アルカノールアミン)などの、ポリアルカノールアミンが挙げられ、好ましくは、ジエタノールアミンが挙げられる。
3価以上のポリオールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパンなどの3価アルコール、例えば、テトラメチロールメタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、D−ソルビトール、キシリトール、D−マンニトール、D−マンニットなどの水酸基を4つ以上有する多価アルコールなどが挙げられる。
アルキレンオキサイド付加ポリオールは、上記した3価以上のポリオールにアルキレンオキサイドを付加したポリオールであり、例えば、水酸基価が200mgKOH/g以上2000mgKOH/g以下であるポリオキシアルキレンポリオールなどが挙げられる。
架橋剤として、好ましくは、3価以上のポリオールおよび/またはアルキレンオキサイド付加ポリオールが挙げられる。
また、3価以上のポリオールとして、好ましくは、グリセリンが挙げられ、アルキレンオキサイド付加ポリオールとして、好ましくは、アクトコールKL−210(平均官能基数3.75のポリオキシアルキレンポリオール、水酸基価(OHV)=850mgKOH/g、三井化学社製)が挙げられる。
架橋剤の水酸基価は、例えば、200mgKOH/g以上、好ましくは、800mgKOH/g以上であり、例えば、2000mgKOH/g以下、好ましくは、1850mgKOH/g以下である。
これら架橋剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
架橋剤の配合割合は、レジンプレミックス中のポリオール100質量部に対して、例えば、0.5質量部以上、好ましくは、1質量部以上であり、また、例えば、10質量部以下、好ましくは、5質量部以下である。
<連通化剤>
本発明のレジンプレミックスは、必要により、連通化剤を含むことができる。
連通化剤としては、特に制限されず、公知の連通化剤が挙げられ、具体的には、例えば、ポリエーテルポリオール(例えば、ポリオキシエチレンポリオール、プロピレンオキサイド−エチレンオキサイドのランダム共重合体など)などが挙げられる。
また、連通化剤としてポリオキシエチレンポリオールまたはプロピレンオキサイド−エチレンオキサイド共重合体が用いられる場合、そのエチレンオキサイド含有量は、例えば、50質量%超過、好ましくは、60質量%以上であり、例えば、100質量%以下、好ましくは、90質量%以下である。
また、連通化剤は、市販品として入手することができ、例えば、アクトコールEP−505S(三井化学社製)、MF−19(三井化学社製)、エクセノール3040(旭硝子社製)、EL−985(旭硝子社製)などが挙げられる。
これら連通化剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
連通化剤の配合割合は、レジンプレミックス中のポリオール100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、0.5質量部以上であり、例えば、10質量部以下、好ましくは、5質量部以下である。
<整泡剤>
本発明のレジンプレミックスは、必要により、整泡剤を含むことができる。
整泡剤としては、特に制限されず、公知の整泡剤が挙げられ、例えば、シリコーン整泡剤が挙げられる。
また、整泡剤は、市販品として入手することができ、モメンティブ社製のL−568、L−580、L−590、L−598、L−600、L−620、L−635、L−638、L−650、L−680、L−682、SC−155、Y−10366、L−3601、L−5309、L−5614、L−5617、L−5627、L−5639、L−5624、L−5690、L−5693、L−5698、信越シリコーン社製のF−607、F−606、F−242T、F−114、F−348、エアプロダクツ アンド ケミカルズ社製のDC5598、DC5933、DC5609、DC5986、DC5950、DC2525、DC2585、DC6070、DC3043、東レダウコーニングシリコーン社製のSZ−1919、SH−192、SH190、SZ−580、SRX280A、SZ−584、SF2904、SZ−5740M、SZ−1142、SZ−1959などのシリコーン系整泡剤が挙げられる。
これら整泡剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
整泡剤の配合割合は、レジンプレミックス中のポリオール100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、0.5質量部以上であり、例えば、10質量部以下、好ましくは、5質量部以下である。
<その他の添加剤>
本発明のレジンプレミックスには、上記の添加剤以外に、さらに必要により、例えば、顔料(着色顔料)、染料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、硬化促進剤、熱安定剤、光安定剤、つや消し剤、密着性付与剤、シランカップリング剤などの公知のその他の添加剤を、本発明の優れた効果を損なわない範囲において、適宜の割合で配合することができる。
本発明のレジンプレミックスは、軟質ポリウレタンフォーム、半硬質ポリウレタンフォーム及び硬質ポリウレタンフォームなどのポリウレタンフォームの製造に好ましく用いられる。また、本発明のレジンプレミックスは、ポリウレタンフォームとしたときの耐久性に優れるため、軟質ポリウレタンフォームの製造により好ましく用いられる。
本発明のレジンプレミックスは、前述のとおり、特定の合成パルプと、ポリオールを必須成分として含む。後述のポリウレタンフォームを形成する際に、触媒、発泡剤、架橋剤、連通化剤、整泡剤及びその他の添加剤などの特定の合成パルプ及びポリオール以外の原料を使用する場合は、これらの原料はレジンプレミックスに含んでもよく、後述するポリイソシアネートと混合しておいてもよい。
<<ポリウレタンフォーム>>
本発明のポリウレタンフォームは、MFRが0.1g/10min以上200g/10min以下である樹脂からなる、平均繊維長が0.05mm以上50mm以下であり、かつ、繊維径の最小値が0.5μm以上であり、繊維径の最大値が70μm以下であるミクロフィブリル繊維が集合してなる、カナディアンフリーネスが200ml以上740ml以下である合成パルプと、ポリオールと、ポリイソシアネートとを少なくとも含む組成物の反応および発泡物である。
本発明のポリウレタンフォームは、前述の合成パルプと、前述のポリオールと、後述のポリイソシアネートを用いて製造されるため、フォーム形成への影響が少なく、かつ、耐久性に優れる。
本発明のポリウレタンフォームは、前述のポリオールに由来する構成単位と後述のポリイソシアネートに由来する構成単位とを有するポリウレタンと、前述の合成パルプとを含むポリウレタンフォームであると言い換えることができる。
本発明のポリウレタンフォームは、JIS K 7222(2005)に準じて測定される見掛けコア密度が16kg/cm3〜100kg/cm3であることが好ましく、30kg/cm3〜〜80kg/cm3であることがより好ましく、40kg/cm3〜60kg/cm3であることが更に好ましい。
<合成パルプ>
本発明のポリウレタンフォームにおいて、合成パルプの好ましい態様は前述のとおりである。
<ポリオール>
本発明のポリウレタンフォームにおいて、ポリオールの好ましい態様は前述のとおりである。
<ポリイソシアネート>
本発明のポリウレタンフォームに用いるポリイソシアネートとしては、例えば、ポリイソシアネート単量体、ポリイソシアネート誘導体などが挙げられる。
ポリイソシアネート単量体としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネートなどが挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート(2,4−または2,6−トリレンジイソシアネートもしくはその混合物)(TDI)、フェニレンジイソシアネート(m−、p−フェニレンジイソシアネートもしくはその混合物)、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ジフェニルメタンジイソシネート(4,4’−、2,4’−または2,2’−ジフェニルメタンジイソシネートもしくはその混合物)(MDI)、4,4’−トルイジンジイソシアネート(TODI)、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、キシリレンジイソシアネート(1,3−または1,4−キシリレンジイソシアネートもしくはその混合物)(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(1,3−または1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネートもしくはその混合物)(TMXDI)、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼンなどの芳香脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、エチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート)、1,5−ペンタメチレンジイソシアネート(PDI)、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,4,4−または2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプエート、ドデカメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。
また、脂肪族ポリイソシアネートには、脂環族ポリイソシアネートが含まれる。脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロペンテンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート(1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート)、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロジイソシアネート)(IPDI)、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(4,4’−、2,4’−または2,2’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート、これらのTrans,Trans−体、Trans,Cis−体、Cis,Cis−体、もしくはその混合物))(H12MDI)、メチルシクロヘキサンジイソシアネート(メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート)、ノルボルナンジイソシアネート(各種異性体もしくはその混合物)(NBDI)、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(1,3−または1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンもしくはその混合物)(H6XDI)などの脂環族ジイソシアネートが挙げられる。
これらポリイソシアネート単量体は、単独使用または2種類以上併用することができる。
ポリイソシアネート誘導体としては、例えば、上記したポリイソシアネート単量体の多量体(例えば、2量体、3量体(例えば、イソシアヌレート変性体、イミノオキサジアジンジオン変性体)、5量体、7量体など)、アロファネート変性体(例えば、上記したポリイソシアネート単量体と、低分子量ポリオールとの反応より生成するアロファネート変性体など)、ポリオール変性体(例えば、上記したポリイソシアネート単量体と低分子量ポリオールとの反応より生成するポリオール変性体(アルコール付加体)など)、ビウレット変性体(例えば、上記したポリイソシアネート単量体と、水やアミン類との反応により生成するビウレット変性体など)、ウレア変性体(例えば、上記したポリイソシアネート単量体とジアミンとの反応により生成するウレア変性体など)、オキサジアジントリオン変性体(例えば、上記したポリイソシアネート単量体と炭酸ガスとの反応により生成するオキサジアジントリオンなど)、カルボジイミド変性体(上記したポリイソシアネート単量体の脱炭酸縮合反応により生成するカルボジイミド変性体など)、ウレトジオン変性体、ウレトンイミン変性体などが挙げられる。
さらに、ポリイソシアネート誘導体として、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(クルードMDI、ポリメリックMDI)なども挙げられる。
これらポリイソシアネート誘導体は、単独使用または2種類以上併用することができる。
ポリイソシアネートとして、好ましくは、芳香族ポリイソシアネートおよびその誘導体が挙げられ、より好ましくは、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(クルードMDI、ポリメリックMDI)が挙げられる。
これらポリイソシアネートは、単独使用または2種類以上併用することができる。
ポリイソシアネートとして、さらに好ましくは、トリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートおよびジフェニルメタンジイソシネートの併用が挙げられ、特に好ましくは、トリレンジイソシアネートおよびジフェニルメタンジイソシネートの併用が挙げられる。
ポリイソシアネートとして、トリレンジイソシアネートおよびジフェニルメタンジイソシネートを併用する場合、トリレンジイソシアネートおよびジフェニルメタンジイソシアネートの含有割合は、トリレンジイソシアネートおよびジフェニルメタンジイソシアネートの総量100質量部に対して、トリレンジイソシアネートが、例えば、40質量部を超えて、好ましくは、50質量部以上、好ましくは、60質量部以上であり、例えば、100質量部未満、好ましくは、90質量部以下であり、また、ジフェニルメタンジイソシアネートが、例えば、0質量部を超えて、好ましくは、10質量部以上であり、例えば、60質量部以下、好ましくは、50質量部以下、より好ましくは、40質量部以下である。
また、ポリイソシアネートにおけるイソシアネート基含有量は、ポリイソシアネートの総量に対して、例えば、15質量%以上、好ましくは、30質量%以上、より好ましくは、45質量%以上であり、また、例えば、60質量%以下、好ましくは、50質量%以下である。
ポリオールに対するポリイソシアネートの配合割合は、例えば、イソシアネートインデックス(ポリオール中の水酸基、架橋剤中の水酸基およびアミノ基、および、発泡剤としての水などの活性水素100に対するイソシアネート基の割合(化学量論割合))として、例えば、例えば、70以上、好ましくは、85以上であり、例えば、140以下、好ましくは、120以下である。
本発明のポリウレタンフォームは、前述のポリオールと、前述のポリイソシアネートが反応してポリウレタンを形成する。
本発明のポリウレタンフォームは、触媒、発泡剤、架橋剤、連通化剤、整泡剤及びその他の添加剤を含んでいてもよい。これらの物質の好ましい態様は、前述のとおりである。
<用途>
本発明のポリウレタンフォームは、従来公知の用途に利用できる。用途しては、
例えば、シューズのミッドソール(インナーソールとアウターソールとの間の部分)、インナーソール、アウターソール、シューズの緩衝部材、ヘルメットの衝撃吸収材、グリップテープの衝撃吸収材などのスポーツ用品、例えば、ヘッドフォンの部材、例えば、土木建材のパッキン部材、例えば、梱包材、枕、マットレス、シートクッション、シーリング材、防音フローリング材などの緩衝材料、例えば、ブラジャー、ブラジャー用パッド、ブラジャー用カップ、肩パッドなどの衣料用品、例えば、二輪車、モビリティ部材、例えば、ロボット用緩衝材料、例えば、介護用品、例えば、電気・電子製品の緩衝材などが挙げられる。
本発明のポリウレタンフォームは、耐久性に優れるため、繰り返し又は継続して荷重が付加される用途に好ましく用いられる。このような用途としては、例えば、車両の座席用、椅子やクッションなどの家具用、及び、マットレスや敷布団などの寝具用が挙げられる。
<<ポリウレタンフォームの製造方法>>
本発明のポリウレタンフォームの製造方法は、MFRが0.1g/10min以上200g/10minである樹脂からなる、平均繊維長が0.05mm以上50mm以下であり、かつ、繊維径の最小値が0.5μmであり、繊維径の最大値が70μmであるミクロフィブリル繊維が集合してなる、カナディアンフリーネスが200ml以上740ml以下である合成パルプと、ポリオールと、を混合してレジンプレミックスを調整する工程と、レジンプレミックスにポリイソシアネートを添加し、反応及び発泡する工程と、を含む。
レジンプレミックスを調製するための混合方法は特に制限されず、従来から公知の方法で混合できる。
レジンプレミックスにポリイソシアネートを添加した後の反応及び発泡する工程は、例えば、スラブ方式、モールド方式、スプレー方式などの公知の発泡方式により発泡させることができる。これにより、ポリウレタンフォームを得ることができる。
得られた発泡ポリウレタン材料は、スラブ方式により得られた場合には、切断加工などにより、所望の形状およびサイズに成形される。また、モールド方式により得られた場合には、型内で発泡されることにより、所望の形状およびサイズに成形される。
反応、発泡時の温度は、耐久性をより向上させる観点から、40℃〜90℃の範囲が好ましく、55℃〜75℃の範囲がより好ましい。
本発明のポリウレタンフォームの製造方法において、各原料の好ましい態様は前述のとおりである。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。また、以下の説明において特に言及がない限り、「部」および「%」は質量基準である。なお、以下に示す実施例の数値は、実施形態において記載される対応する数値(すなわち、上限値または下限値)に代替することができる。
<原料の説明>
EP−330N:アクトコールEP−330N(ポリオキシアルキレンポリオール(プロピレンオキサイド−エチレンオキサイドのブロック共重合体)、エチレンオキサイド含有量(末端オキシエチレン基含有量):15質量%、数平均分子量:5000、平均官能基数:3、水酸基価:34mgKOH/g、三井化学社製)
POP−3628:アクトコールPOP−3628(ポリマーポリオール、水酸基価:28mgKOH/g、三井化学社製)
KL−210:アクトコールKL−210(架橋剤、平均官能基数:3.75、水酸基価:850mgKOH/g)
L−5309:L−5309(シリコーン整泡剤、モメンティブ社製)
L−3601:L−3601(シリコーン整泡剤、モメンティブ社製)
L1020:Minico L1020(アミン触媒、活材ケミカル社製)
TMDA:Minico TMDA(アミン触媒、活材ケミカル社製)
TM−20:コスモネートTM−20(ポリイソシアネート(2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートとの80:20質量比の混合物(TDI)80質量%と、ジフェニルメタンジイソシネート(MDI)20質量%の混合物)、イソシアネート基含有量:45質量%、三井化学社製)
FD990:ケミベストFD990(MFR7.0g/10min、平均繊維長2mm、平均繊維径30μm、繊維径の最小値10μm、繊維径の最大値50μm、CSF700mlのミクロフィブリル繊維である合成パルプ、三井化学社製)
FD380:ケミベストFD380(MFR20.0g/10min、平均繊維長0.7mm、平均繊維径35μm、繊維径の最小値10μm、繊維径の最大値60μm、CSF700mlのミクロフィブリル繊維である合成パルプ、三井化学社製)
FD505:ケミベストFD505(MFR7.0g/10min、平均繊維長1.0mm、平均繊維径30μm、繊維径の最小値10μm、繊維径の最大値50μm、CSF600mlのミクロフィブリル繊維である合成パルプ、三井化学社製)
広葉樹クラフトパルプ:日本製紙社製の天然パルプ
ポリエチレンショートカットファイバー:ポリエチレン製のスパンボンド不織布をギロチンカッターにて10mmに切断したもの
ガラス繊維:チョップドストランド CS 3 E−227(ガラス製繊維、日東紡社製)
[実施例1]
ポリオールとしてEP−330Nを50部と、ポリマー分散ポリオールとしてPOP−3628を50部と、架橋剤としてKL−210を3部と、整泡剤としてL5309及びL3601をそれぞれ0.5部と、触媒1としてL1020を0.4部と、触媒2としてTMDA(活材ケミカル(株)製)を0.1部と、発泡剤としてイオン交換水を3部と、をあらかじめ混合した。さらに合成パルプとして、ケミベストFD990を1部添加し、攪拌混合してレジンプレミックスを調製した。レジンプレミックスを22±1℃に調整した。
さらに、ポリイソシアネートとして22±1℃に調整したTM−20をNCOインデックスが100/37.9となるよう添加しホモジナイザーにより5000rpmにて6秒間激しく攪拌し、直ちにあらかじめ温水ジャケットにて65℃に調整した内寸400mm×400mm×100mmの型枠に流し込んでポリウレタンフォームを作成した。
(1)フォーム形成
ポリウレタンフォームの作成時に、ポリウレタンフォームの形成を目視で観察し、フォーム形成の様子を下記の評価基準に従って評価した。評価結果を表1に示す。
○:異常が認められなかった。
×:異常が認められた。
(2)湿熱圧縮残留ひずみ試験
JIS K 6400−4(2004)記載の方法により測定を実施した。測定に際して、ポリウレタンフォームのコア部を50mm×50mm×25mmの大きさに切り抜き、これを試験片として使用した。試験片を70±0.5%の厚みまで圧縮し、平行平面板に挟み、所定の条件下にて22時間放置した。試験片を取り出して常温で15分間放置した後、厚みを測定し、試験前後の厚みから圧縮残留ひずみ(%)を算出した。
(3)繰返し圧縮残留ひずみ試験
JIS K 6400−4(2004)記載の方法により実施した。測定に際して、ポリウレタンフォームのコア部を100mm×100mm×50mm(厚み)の大きさに切り抜き、これを試験片とした。試験片の圧縮率は50%、繰り返し回数は8万回、繰り返し速さを毎分60回とした。
試験後、常温で30分間放置し、試験片の厚みを測定し、試験前後の厚みから厚さ低下率(%)を算出した。
(4)見掛けコア密度の測定
ポリウレタンフォームのコア部を100mm×100mm×50mm(厚み)の大きさに切り抜き、JIS K 7222(2005)記載の方法により見掛けコア密度を測定した。
[実施例2]
合成パルプとして、FD990に代えて、FD380を1部用いた以外、実施例1と同様にしてポリウレタンフォームを作成した。また、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
[実施例3]
合成パルプとして、FD990に代えて、FD505を1部用いた以外、実施例1と同様にしてポリウレタンフォームを作成した。また、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
[比較例1]
合成パルプを用いない以外は実施例1と同様にしてポリウレタンフォームを作成した。また、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
[比較例2]
合成パルプの代わりに、広葉樹クラフトパルプを1部添加した以外は実施例1と同様にしてポリウレタンフォームを作成した。また、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
[比較例3]
合成パルプの代わりに、ポリエチレンショートカットファイバーを1部用いた以外は実施例1と同様にしてポリウレタンフォームを作成した。また、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
[比較例4]
合成パルプの代わりに、ガラス繊維を1部添加した以外は実施例1と同様にしてポリウレタンフォームを作成した。また、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
表1中、「無」は該当する物質を含まないことを意味する。また、クラフトパルプは広葉樹クラフトパルプを意味し、PEショートカットファイバーはポリエチレンショートカットファイバーを意味する。
実施例1〜3のとおり、MFRが0.1g/10min以上200g/10min以下である樹脂からなる、平均繊維長が0.05mm以上50mm以下であり、かつ、繊維径の最小値が0.5μm以上であり、繊維径の最大値が70μm以下であるミクロフィブリル繊維が集合してなる、カナディアンフリーネスが200ml以上740ml以下である合成パルプと、ポリオールと、を含むレジンプレミックスから製造されたポリウレタンフォームは、フォーム形成への影響が少なく、かつ、圧縮残留ひずみ及び厚さ低下率が小さく耐久性に優れていることが分かる。
合成パルプを含まない比較例1のポリウレタンフォームは、圧縮残留ひずみ及び厚さ低下率のいずれもが大きく、耐久性に劣ることが分かる。合成パルプの代わりに広葉樹クラフトパルプを含む比較例2のポリウレタンフォーム、合成パルプの代わりにポリエチレンショートカットファイバーを用いた比較例3のポリウレタンフォーム、及び、合成パルプの代わりにガラス繊維を用いた比較例4のポリウレタンフォームは、レジンプレミックス中で合成パルプの繊維が分離しており、フォーム形成においてフォームが不均一であるという異常があった。特に、比較例3のフォーム形成において、合成パルプの凝集が見られた。出来上がった比較例2〜比較例4のポリウレタンフォームは、硬く不均一なものであった。また、圧縮残留ひずみ及び厚さ低下率のいずれもが大きく、耐久性に劣ることが分かる。