JP6892375B2 - 活性エネルギー線硬化樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents

活性エネルギー線硬化樹脂フィルムの製造方法 Download PDF

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本発明は、活性エネルギー線硬化樹脂フィルムの製造方法に関し、詳しくは重合性組成物が活性エネルギー線により硬化されて形成される活性エネルギー線硬化樹脂フィルムの製造方法に関する。
近年、ディスプレイなどの保護フィルムや透明電極などの基材フィルムにおいて、またガラスの代替として、表面硬度が高く、耐熱性に優れる活性エネルギー線硬化樹脂フィルムが用いられている。活性エネルギー線硬化樹脂フィルムの製造方法としては、例えば特許文献1に記載されるように、長尺の第1の支持フィルム上に重合性組成物を塗工する塗工工程、その上から長尺の第2の支持フィルムを積層する積層工程、これに活性エネルギー線を照射して塗工膜を硬化させる硬化工程、硬化された塗工膜から第1及び第2の支持フィルムを剥離する剥離工程をロールトゥロール方式で連続的に行うものが知られている。
ところで、取得された活性エネルギー線硬化樹脂フィルムは通常、フィルム幅の調整などのためスリットされるが、製造過程において、幅方向における端部をスリットしようとすると、活性エネルギー線硬化樹脂フィルム特有の性質から、端部にクラックが生じるおそれがあった。そして、それ以降の工程において(特に剥離工程において)、そのクラックをきっかけに破断するおそれがあった。このため、特許文献1には、スリット工程を硬化工程と剥離工程の間に行い、さらにクラックの生じにくいレーザーでスリットすることが記載されている。
特開2002−11739号公報
しかしながら、特許文献1の製造方法によると、端部のクラックやそれに起因する破断の発生が抑制できるものの、レーザーによるスリットは一般に、レーザーにより昇華した樹脂組成物がフュームとなって、製品やこれを搬送するガイドロールに付着し、これらを汚染するおそれがある。また、レーザーによるスリットの導入には、レーザー発振器やフューム排気装置など大掛かりで高価な設備が必要であり、また厳重な安全対策を講ずることが不可欠となることから、別アプローチによる製造方法が求められた。
そこで本発明は、幅方向の端部においてスリットによるクラックが生じない活性エネルギー線硬化樹脂フィルムの製造方法の提供を目的とする。
本発明に係る活性エネルギー線硬化樹脂フィルムの製造方法は、長尺の第1の支持フィルムを長手方向に移送させながら、前記第1の支持フィルム上に重合性組成物を塗工して、前記第1の支持フィルムの幅方向及び長手方向に塗工膜を形成する塗工工程と、前記第1の支持フィルム上に、前記長手方向に移送される前記塗工膜を覆う長尺の第2の支持フィルムを積層して、積層体を形成する積層工程と、前記第1の支持フィルム及び前記第2の支持フィルムのいずれか一方側から前記積層体に活性エネルギー線を照射して、前記塗工膜を硬化させる硬化工程と、前記積層体から前記第1の支持フィルム及び前記第2の支持フィルムを剥離する剥離工程と、を順に備える活性エネルギー線硬化樹脂フィルムの製造方法であって、前記積層工程及び前記硬化工程の間において、前記積層体を前記塗工膜の前記幅方向における端部より内側で前記長手方向にスリットするスリット工程をさらに備えることを特徴とする。
この構成によれば、積層工程と硬化工程の間において、スリット工程を備えるため、塗工膜が硬化されていない状態(液状の状態)でスリットされることとなり、この端部にはクラックが生じ得ない。そして、硬化工程においてこれが硬化されることにより、端部にはクラックが生じていない硬化された塗工膜(活性エネルギー線硬化樹脂フィルム)を取得することができる。この端部における外観は、レーザーカット装置を用いなくても、レーザーカットしたものと同程度である。そして、剥離工程において、剥離による応力が加わっても、端部にはクラックが生じていないことから、それをきっかけとする破断の発生も抑制することができ、安定して活性エネルギー線硬化樹脂フィルムを取得することができる。
本発明の製造方法においては、前記重合性組成物として紫外線硬化樹脂組成物を選択することができる。この場合、前記硬化工程における前記活性エネルギー線として紫外線を選択する。
また、本発明に係る活性エネルギー線硬化樹脂フィルムの製造方法は、長尺の第1の支持フィルムを長手方向に移送させながら、前記第1の支持フィルム上に重合性組成物を塗工して、前記第1の支持フィルムの幅方向及び長手方向に塗工膜を形成する塗工工程と、前記第1の支持フィルム上に、前記長手方向に移送される前記塗工膜を覆う長尺の第2の支持フィルムを積層して、積層体を形成する積層工程と、前記第1の支持フィルム及び前記第2の支持フィルムのいずれか一方側から前記積層体に活性エネルギー線を照射して、前記塗工膜を硬化させる硬化工程と、を順に備える活性エネルギー線硬化樹脂フィルムの製造方法であって、前記積層工程及び前記硬化工程の間において、前記積層体を前記塗工膜の前記幅方向における端部より内側で前記長手方向にスリットするスリット工程をさらに備えることを特徴とする。
この構成によれば、フィルム幅がスリットにより一定に調整され、端部にはクラックが生じていない活性エネルギー線硬化樹脂フィルムを含む積層体を取得することができる。そして、一旦取得していた積層体から別途、第1及び第2の支持フィルムを剥離することにより、活性エネルギー線硬化樹脂フィルムを提供することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化樹脂フィルムの製造方法によれば、幅方向の端部においてスリットによるクラックが生じることを防止することができる。そして、剥離工程の際には、クラックに起因する破断の発生を抑制することができる。また、フィルム幅がスリットにより一定に調整され、端部にはクラックが生じていない活性エネルギー線硬化樹脂フィルムを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る活性エネルギー線硬化樹脂フィルムFの製造方法を適用した製造ライン10の概略図である。 塗工工程の後における塗工膜Wが形成された第1の支持フィルムS1を上方からみた平面図である。 塗工工程の後における塗工膜Wが形成された第1の支持フィルムS1を幅方向に沿って切断した場合の端部S1b側の拡大断面図である。 積層工程の後における積層体Lを幅方向に沿って切断した場合の端部S1b側の拡大断面図である。 実施例1に係る紫外線硬化樹脂フィルムの端部をマイクロスコープで上方から観察したときの画像である。 実施例1に係る紫外線硬化樹脂フィルムの端部をマイクロスコープで側方から観察したときの画像である。 紫外線硬化樹脂フィルムをレーザー加工機でカットしたときの端部をマイクロスコープで上方から観察したときの画像である。 紫外線硬化樹脂フィルムをレーザー加工機でカットしたときの端部をマイクロスコープで側方から観察したときの画像である。 参考例に係る紫外線硬化樹脂フィルムの端部をマイクロスコープで上方から観察したときの画像である。 参考例に係る紫外線硬化樹脂フィルムの端部をマイクロスコープで側方から観察したときの画像である。
以下、本発明の一実施形態に係る活性エネルギー線硬化樹脂フィルムの製造方法について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る活性エネルギー線硬化樹脂フィルムFの製造方法を適用した、ロールトゥロール方式で連続的に行う製造ライン10の概略図である。図1に示すように、活性エネルギー線硬化樹脂フィルムFの製造方法は、繰出装置11により長尺の第1の支持フィルムS1及び長尺の第2の支持フィルムS2をそれぞれ繰り出す繰出工程と、塗工装置12により第1の支持フィルムS1上に重合性組成物を塗工する塗工工程と、その上からニップロール13に沿って第2の支持フィルムS2を積層し、積層体Lを形成する積層工程と、スリット装置14により積層体Lをスリットするスリット工程と、活性エネルギー線照射装置15により第2の支持フィルムS2側から塗工膜Wに活性エネルギー線を照射し、硬化させる硬化工程と、ニップロール13に沿って硬化された塗工膜Wから第1の支持フィルムS1及び第2の支持フィルムS2を剥離する剥離工程と、巻取装置16により剥離して取得された活性エネルギー線硬化樹脂フィルムFを巻き取る巻取工程から構成される。工程の順を追って、各工程を詳細に説明する。
<繰出工程>
繰出工程においては、公知の繰出装置11により、ロール状に巻き取られた長尺の第1の支持フィルムS1及び、ロール状に巻き取られた長尺の第2の支持フィルムS2をそれぞれ繰り出していく。第1の支持フィルムS1及び第2の支持フィルムS2は、それぞれ複数のガイドロール17に沿って長手方向に移送され、移送速度は例えば0.1〜100m/minに設定される。
第1の支持フィルムS1及び第2の支持フィルムS2としては、例えばポリエステル系樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂によって形成された合成樹脂フィルムが用いられ、ハンドリング性及びコストの観点から、好ましくはポリエチレンテレフタレートフィルムが用いられる。合成樹脂フィルムの厚みは例えば25〜250μmであり、幅方向の長さは例えば200〜1350mmである。また、合成樹脂フィルムの表面には、離型処理などを施すことができる。
<塗工工程>
塗工工程においては、塗工装置12により、移送される第1の支持フィルムS1上に、第1の支持フィルムS1の幅方向における端部S1a、S1bより内側で重合性組成物を塗工する。また、塗工厚みは例えば20〜200μmとなるように塗工する。これにより、図2及び図3に示すように、第1の支持フィルムS1上に幅方向及び長手方向で塗工膜Wが形成される。
塗工装置12としては、例えばダイコータ、リップコータ、コンマコータ、ロールコータ、バーコータ、カーテンコータが用いられ、幅方向に均一に塗工する観点から、好ましくはダイコータが用いられる。
ここで、重合性組成物としては、例えば光(紫外線、可視光線、赤外線)、X線、電子線等の活性エネルギー線の照射によって硬化されるものが用いられる。光照射によって硬化される光重合性組成物としては、例えば重合性モノマーと、重合性オリゴマーと、光重合開始剤と、任意の添加剤(安定剤、フィラー等)を含有するものが用いられる。光重合性組成物としては、反応する光の波長(光重合開始剤の吸収する光の波長)によって、例えば紫外線硬化樹脂組成物、可視光線硬化樹脂組成物に分類され、好ましくは紫外線硬化樹脂組成物が用いられる。また、光重合性組成物は、その反応機構から、例えばラジカル重合型とカチオン重合型に分類される。ラジカル重合型の光重合性組成物については、重合性モノマーとして例えばアクリレートモノマーが、重合性オリゴマーとして例えばウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、アクリルアクリレートが、光重合開始剤として例えばベンゾフェノン系、アセトフェノン系、チオキサントン系の化合物が挙げられる。カチオン重合型の光重合性組成物については、重合性モノマーとして例えばビニルエーテルモノマーが、重合性オリゴマーとしてビニルエーテルオリゴマー、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエーテルエポキシが、光重合開始剤として例えばスルホニウム系、ヨードニウム系の化合物が挙げられる。添加剤としては、例えば重合性組成物にチキソトロピー性を付与する添加剤が挙げられる。
また、光重合性組成物の粘度は、例えば100〜50000mPa・s、好ましくは500〜30000mPa・sに調整される。ここで粘度は、例えばブルックフィールド社製B型粘度計により25℃の温度設定で測定される。
<積層工程>
積層工程においては、ニップロール13に沿って、第1の支持フィルムS1上に塗工膜Wの全面を覆う第2の支持フィルムS2を積層して、積層体Lを形成する。図4に示すように、積層体Lは、第1の支持フィルムS1、塗工膜W及び第2の支持フィルムS2を下方から順に有するものであり、また積層体Lの幅方向における端部は、第1の支持フィルムS1の端部S1a、S1bと第2の支持フィルムS2の端部S2a、S2bがそれぞれ接触した形となる。これにより硬化工程において、空気中の酸素による光重合性組成物の反応阻害を抑制することができる。
<スリット工程>
スリット工程においては、スリット装置14により、積層体Lを、塗工膜Wの幅方向における端部Wa、Wbより内側で長手方向にスリットする。これにより、フィルム幅を調整することができる。そして、塗工膜Wは硬化されていない液状の状態でスリットされることになり、このため端部にはクラックが生じ得ない。これが硬化されることにより、端部にはクラックが生じていない硬化された塗工膜W(活性エネルギー線硬化樹脂フィルムF)となる。スリット工程は、塗工膜Wの流動性の観点から、硬化工程により近い位置で行うことが好ましい。
スリットされて分断された積層体Lの幅方向における外側部(耳部)は、塗工膜Wが硬化されない状態でそのまま分岐させて、別途巻き取ることができ、また適宜除去することもできる。さらに、耳部は、硬化工程を行い、塗工膜Wを硬化させた状態で、別途巻き取ることができ、また適宜除去することもできる。
スリット装置14としては、例えば刃物によりスリットするもの、レーザーによりスリットするものが用いられ、利便性の観点から、好ましくは刃物でスリットするものが用いられる。
<硬化工程>
硬化工程においては、第2の支持フィルムS2上方に設置された活性エネルギー線照射装置15により、第2の支持フィルムS2側から塗工膜Wに活性エネルギー線を照射し、第2の支持フィルムS2を透過した活性エネルギー線により重合性組成物を反応させて硬化させる。
活性エネルギー線照射装置15は、例えば光(紫外線、可視光線、赤外線)、X線、電子線等の活性エネルギー線を照射するものが用いられる。光照射する光照射装置としては、光重合性組成物を硬化させる波長領域の光を照射するものであって、例えばメタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、無電極ランプ、LEDを備えるものが用いられる。紫外線硬化樹脂組成物の場合、塗工膜Wを簡便に硬化させる観点から、好ましくはUV−LED照射装置が用いられる。また、塗工膜Wを効率よく硬化させる観点から、好ましくは無電極ランプを備えるものが用いられる。
活性エネルギー線照射装置15は、光照射装置の場合、塗工膜Wにおける積算光量が例えば50〜5000mJ/cmとなるように光を照射する。光の波長領域としては、例えば紫外線領域(200nm〜380nm)、可視光線領域(380nm〜780nm)、赤外線領域(780nm〜1000μm)が挙げられる。
そして、硬化工程においては、光重合性組成物の反応率が例えば50%以上、好ましくは80%以上となるように硬化される。反応率としては、重合性組成物が紫外線硬化樹脂組成物の場合、例えば、赤外イメージングシステム(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製、Nicolet iS5)を用いて、紫外線照射前の紫外線硬化樹脂組成物及び紫外線照射後である紫外線硬化樹脂フィルムについてIRスペクトルを測定し、ビニル基のCH面外変角振動の吸収ピーク(810cm−1付近)の高さの比から算出することができる。
なお、硬化工程においては、紫外線照射装置15を第1の支持フィルムS1下方に設置し、また両方に設置することができる。そして、第1の支持フィルムS1側、S2側の片側から活性エネルギー線を照射することもできるし、また両側から照射することもできる。
<剥離工程>
剥離工程においては、ニップロール13に沿って、積層体Lの移送ラインから第1の支持フィルムS1及び第2の支持フィルムS2を分岐させ、積層体Lからこれらを剥離して、活性エネルギー線硬化樹脂フィルムFを取得する。この際、硬化された塗工膜Wの幅方向における端部Wa、Wbにはスリットによるクラックが起こっていないため、これに起因する破断の発生を抑制することができる。
<巻取工程>
巻取工程において、公知の巻取装置16により、取得された活性エネルギー線硬化樹脂フィルムF、剥離した第1の支持フィルムS1、剥離した第2の支持フィルムS2をそれぞれロール状に巻き取る。巻き取られる活性エネルギー線硬化樹脂フィルムFには、そのいずれか一方側または両側に、公知のプロテクトフィルムを貼合したり、合紙を挿入したりすることができる。
以上、本発明の一実施形態に係る活性エネルギー線硬化樹脂フィルムの製造方法について説明したが、本発明の具体的な態様は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態において、積層体Lから第1の支持フィルムS1及び第2の支持フィルムS2を剥離して、活性エネルギー線硬化樹脂フィルムFを巻き取ったが、第1の支持フィルムS1及び第2の支持フィルムS2を剥離せずにそのまま積層体Lを巻き取ることができる。そして、巻き取った積層体Lを繰り出し、第1の支持フィルムS1及び第2の支持フィルムS2を剥離することで、活性エネルギー線硬化樹脂フィルムFを取得することができる。
また、上記実施形態において設備上、スリット装置14と活性エネルギー線照射装置15の間にガイドロールが存在する場合がある。この場合、ガイドロールの手前に別の活性エネルギー線照射装置(例えば、UV−LED照射装置)を設置することができる(スリット工程と硬化工程までの距離が実質的に短縮されることになる)。これにより、積層体Lに、ガイドロールの手前に設置した活性エネルギー線照射装置により活性エネルギー線を照射し、塗工膜Wを一定程度硬化させることで、積層体Lの端部から塗工膜Wがガイドロールに付着することを防止することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
(実施例1)
重合性組成物としては、粘度が27000mPa・sの紫外線硬化樹脂組成物を準備した。第1の支持フィルムとしては厚みが50μmの長尺のポリエチレンテレフタレートフィルムを、第2の支持フィルムとしては厚みが50μmの長尺のポリエチレンテレフタレートフィルムを準備した。また、上述の製造方法において、塗工工程における塗工装置としてはダイコータを用いた。さらに、硬化工程における紫外線照射装置としては無電極紫外線ランプ(ヘレウス株式会社製、Hバルブ)を備えるものを用いた。そして、積層工程と硬化工程の間におけるスリット工程においては、第2の支持フィルム側から、両端部のそれぞれに刃物(オルファ株式会社製、SB10K)を挿入して、長手方向にスリットするようにした。その他の条件としては、移送速度を2m/minにし、塗工厚みを80μmに設定した。そして、塗工膜の全面に、積算光量が1490mJ/cmとなるように紫外線を照射した。なお、積算光量は、紫外線測定器(EIT社製、マイクロキュアMC−10)で測定したものである。これらの条件によると、剥離工程において、破断が発生することなく、紫外線硬化樹脂フィルムを取得することができた。取得した紫外線硬化樹脂フィルムについて、マイクロスコープ(キーエンス株式会社製、VHX−500)を用いて端部の状態を観察すると、図5及び図6に示すように、端部にはクラックが生じていなかった。これは、枚葉の紫外線硬化樹脂フィルムをレーザー加工機(株式会社コマックス製、LaserArt4531)を用いてカットしたときの端部の状態(マイクロスコープで観察したものを図7及び図8に示す)と、同程度のものであった。
(比較例1)
スリット工程を、硬化工程と剥離工程の間に行うようにしたこと以外は、実施例1と同じ製造条件にした。この製造条件によると、剥離工程において破断が発生し、端部には肉眼で確認できるクラックが多数生じていた。
実施例1、比較例1の紫外線硬化樹脂フィルムの結果を表1にまとめる。
Figure 0006892375
表1に示すように、硬化工程の前に(重合性組成物が硬化されていない状態で)スリットすることにより(実施例1)、フィルム幅が一定に調整され、端部にはクラックが生じていない(端部がレーザーによるスリットと同程度の状態の)紫外線硬化樹脂フィルムを安定して取得することができた。
参考例として重合性組成物が半硬化の状態でスリットした場合の紫外線硬化樹脂フィルムについて、端部の状態をマイクロスコープで観察すると、図9及び図10に示すように、微細なクラックが多数生じていた。
10 製造ライン
11 繰出装置
12 塗工装置
13 ニップロール
14 スリット装置
15 活性エネルギー線照射装置
16 巻取装置
17 ガイドロール
F 活性エネルギー線硬化樹脂フィルム
L 積層体
S1 第1の支持フィルム
S1a、S1b 第1の支持フィルムの幅方向における端部
S2 第2の支持フィルム
S2a、S1b 第2の支持フィルムの幅方向における端部
W 塗工膜
Wa、Wb 塗工膜の幅方向における端部

Claims (3)

  1. 長尺の第1の支持フィルムを長手方向に移送させながら、前記第1の支持フィルム上に重合性組成物を塗工して、前記第1の支持フィルムの幅方向及び長手方向に塗工膜を形成する塗工工程と、前記第1の支持フィルム上に、前記長手方向に移送される前記塗工膜を覆う長尺の第2の支持フィルムを積層して、積層体を形成する積層工程と、前記第1の支持フィルム及び前記第2の支持フィルムのいずれか一方側から前記積層体に活性エネルギー線を照射して、前記塗工膜を硬化させる硬化工程と、前記積層体から前記第1の支持フィルム及び前記第2の支持フィルムを剥離する剥離工程と、を順に備える活性エネルギー線硬化樹脂フィルムの製造方法であって、
    前記積層工程及び前記硬化工程の間において、前記積層体を前記塗工膜の前記幅方向における端部より内側で前記長手方向にスリットするスリット工程をさらに備えることを特徴とする活性エネルギー線硬化樹脂フィルムの製造方法。
  2. 前記重合性組成物は紫外線硬化樹脂組成物であり、前記活性エネルギー線は紫外線であることを特徴とする請求項1に記載の活性エネルギー線硬化樹脂フィルムの製造方法。
  3. 長尺の第1の支持フィルムを長手方向に移送させながら、前記第1の支持フィルム上に重合性組成物を塗工して、前記第1の支持フィルムの幅方向及び長手方向に塗工膜を形成する塗工工程と、前記第1の支持フィルム上に、前記長手方向に移送される前記塗工膜を覆う長尺の第2の支持フィルムを積層して、積層体を形成する積層工程と、前記第1の支持フィルム及び前記第2の支持フィルムのいずれか一方側から前記積層体に活性エネルギー線を照射して、前記塗工膜を硬化させる硬化工程と、を順に備える活性エネルギー線硬化樹脂フィルムの製造方法であって、
    前記積層工程及び前記硬化工程の間において、前記積層体を前記塗工膜の前記幅方向における端部より内側で前記長手方向にスリットするスリット工程をさらに備えることを特徴とする活性エネルギー線硬化樹脂フィルムの製造方法。
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