JP6891947B2 - 蒸着マスク及び蒸着マスクの製造方法 - Google Patents

蒸着マスク及び蒸着マスクの製造方法 Download PDF

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Description

本開示の実施形態は、蒸着マスク及び蒸着マスクの製造方法に関する。
近年、スマートフォンやタブレットPC等の持ち運び可能なデバイスで用いられる表示装置に対して、高精細であること、例えば画素密度が400ppi以上であることが求められている。また、持ち運び可能なデバイスにおいても、ウルトラハイディフィニション(UHD)に対応することへの需要が高まっており、この場合、表示装置の画素密度が例えば800ppi以上であることが求められる。
表示装置の中でも、応答性の良さ、消費電力の低さやコントラストの高さのため、有機EL表示装置が注目されている。有機EL表示装置の画素を形成する方法として、所望のパターンで配列された貫通孔が形成された蒸着マスクを用い、所望のパターンで画素を形成する方法が知られている。具体的には、はじめに、有機EL表示装置用の基板に対向するよう蒸着マスクを配置し、次に、蒸着マスク及び基板を共に蒸着装置に投入し、有機材料を基板に蒸着させる蒸着工程を行う。
蒸着マスクの製造方法としては、例えば特許文献1に開示されているように、めっき処理を利用して蒸着マスクを製造する方法が知られている。例えば特許文献1に記載の方法においては、はじめに、導電性を有する母型板を準備する。次に、母型板の上に、所定の隙間を空けてレジストパターンを形成する。このレジストパターンは、蒸着マスクの貫通孔が形成されるべき位置に設けられている。その後、レジストパターンの隙間にめっき液を供給して、電解めっき処理によって母型板の上に金属層を析出させる。その後、金属層を母型板から分離させることにより、複数の貫通孔が形成された蒸着マスクを得ることができる。
特開2001−234385号公報
蒸着マスクは、複数の貫通孔が設けられた有効部と、有効部を囲う外枠部と、を備える。外枠部は、有効部を支持するための部分であり、有効部よりも高い剛性を有する。例えば、外枠部には貫通孔が設けられていない。若しくは、外枠部における貫通孔の分布密度は、有効部における貫通孔の分布密度よりも低い。
ところで、めっき処理によって作製した蒸着マスクの金属層には、めっきに起因する内部応力が生じている。上述のように有効部には外枠部に比べて多くの貫通孔が設けられているので、有効部に生じる内部応力は、外枠部に生じる内部応力よりも小さく、有効部は外枠部から引張力を受けている。この場合、引張力のばらつきなどに起因して、貫通孔の位置ずれが生じてしまうことが考えられる。
本開示の実施形態は、このような課題を効果的に解決し得る蒸着マスク及びその製造方法を提供することを目的とする。
本開示の一実施形態は、蒸着マスクであって、複数の貫通孔が設けられた有効部と、前記有効部を囲う外枠部と、を備え、前記有効部は、前記外枠部に接する外周領域と、前記外周領域によって囲われ、前記外周領域よりも大きい厚みを有する中央領域と、を含む、蒸着マスクである。
本開示の一実施形態による蒸着マスクにおいて、前記有効部を第1方向及び前記第1方向に直交する第2方向に沿ってそれぞれ3等分して、前記有効部を9つの領域に仮想的に分割した場合、前記外枠部に接する8つの領域が前記外周領域を構成し、中央の1つの領域が前記中央領域を構成してもよい。
本開示の一実施形態による蒸着マスクにおいて、前記外周領域の厚みの平均値をT1で表し、前記外周領域の厚みの標準偏差をσ1で表し、前記中央領域の厚みの平均値をT2で表す場合、好ましくは以下の関係式が成立する。
T1<T2
3σ1<T2/2
本開示の一実施形態による蒸着マスクにおいて、前記外周領域の厚みの平均値T1及び標準偏差σ1は、前記外周領域を構成する8つの領域の各々において9カ所で厚みを測定することにより算出され、前記中央領域の厚みの平均値T2は、前記中央領域を構成する1つの領域の9カ所で厚みを測定することにより算出されてもよい。
本開示の一実施形態による蒸着マスクは、前記貫通孔を通った蒸着材料が付着する基板の側に位置する第1面と、前記第1面の反対側に位置する第2面と、を含み、前記貫通孔のうち前記第1面上に位置する部分を第1開口部と称し、前記貫通孔のうち前記第2面上に位置する部分を第2開口部と称する場合、前記第1面の法線方向に沿って見た場合に前記第2開口部の輪郭が前記第1開口部の輪郭を囲んでいてもよい。
本開示の一実施形態による蒸着マスクは、前記第1面側に位置し、前記第1開口部が形成された第1金属層と、前記第2面側に位置し、前記第2開口部が形成された第2金属層と、を含む金属層を備えていてもよい。
本開示の一実施形態による蒸着マスクは、前記貫通孔が形成された金属層を備え、前記金属層の前記貫通孔の、前記第1面の面方向における寸法は、前記第2面側から前記第1面側に向かうにつれて減少していてもよい。
本開示の一実施形態による蒸着マスクにおいて、前記金属層はめっき層であってもよい。
本開示の一実施形態による蒸着マスクは、第1方向に沿って並ぶ複数の前記有効部を備え、前記第1方向における前記蒸着マスクの端部に最も近接する前記有効部の前記中央領域の厚みは、前記第1方向における前記蒸着マスクの中心に最も近接する前記有効部の前記中央領域の厚みよりも大きくてもよい。
本開示の一実施形態は、上記記載の蒸着マスクの製造方法であって、遮蔽部及び貫通部を含む遮蔽板の前記貫通部を介してめっき液を供給して、前記遮蔽部に重なる前記外周領域と、前記貫通部に重なる前記中央領域と、を形成するめっき処理工程を備える、蒸着マスクの製造方法である。
本開示の一実施形態によれば、貫通孔の位置ずれが生じることを抑制することができる。
本開示の一実施形態による蒸着マスク装置を備えた蒸着装置を示す図である。 図1に示す蒸着マスク装置を用いて製造した有機EL表示装置を示す断面図である。 本開示の一実施形態による蒸着マスク装置を示す平面図である。 蒸着マスクの一部を拡大して示す平面図である。 図4の蒸着マスクをA−A方向から見た断面図である。 図4の蒸着マスクをB−B方向から見た断面図である。 本開示の一実施形態による蒸着マスクの有効部の外周領域に加わる力を模式的に示す平面図である。 蒸着マスクの有効部を拡大して示す平面図である。 図8の蒸着マスクをIX−IX方向から見た断面図である。 図9の有効部の金属層を拡大して示す断面図である。 蒸着マスクの製造方法の一例を説明する図である。 蒸着マスクの製造方法の一例を説明する図である。 蒸着マスクの製造方法の一例を説明する図である。 蒸着マスクの製造方法の一例を説明する図である。 めっき処理工程の一例を説明する図である。 めっき処理工程の一例を説明する図である。 めっき処理工程の一例を説明する図である。 めっき処理工程のその他の例を説明する図である。 めっき処理工程のその他の例を説明する図である。 蒸着マスクの製造方法の一変形例を説明する図である。 蒸着マスクの製造方法の一変形例を説明する図である。 蒸着マスクの一変形例を示す断面図である。 実施例1〜6及び比較例1〜3の評価結果を示す図である。 遮蔽板の一変形例を示す断面図である。 組成分析で用いられる試料が樹脂によって封止された状態を示す図。 樹脂によって封止された試料を切断することによって得られる測定用サンプルの測定面を示す図。
以下、図面を参照して本開示の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
図1〜図17は、本開示の一実施の形態を説明するための図である。以下の実施の形態およびその変形例では、有機EL表示装置を製造する際に有機材料を所望のパターンで基板上にパターニングするために用いられる蒸着マスクの製造方法を例にあげて説明する。ただし、このような適用に限定されることなく、種々の用途に用いられる蒸着マスクの製造方法に対し、本開示の実施形態を適用することができる。
なお、本明細書において、「板」、「シート」、「フィルム」の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。例えば、「板」はシートやフィルムと呼ばれ得るような部材も含む概念である。
また、「板面(シート面、フィルム面)」とは、対象となる板状(シート状、フィルム状)の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となる板状部材(シート状部材、フィルム状部材)の平面方向と一致する面のことを指す。また、板状(シート状、フィルム状)の部材に対して用いる法線方向とは、当該部材の板面(シート面、フィルム面)に対する法線方向のことを指す。
さらに、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件および物理的特性並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」、「同等」等の用語や長さや角度並びに物理的特性の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
(蒸着装置)
まず、対象物に蒸着材料を蒸着させる蒸着処理を実施する蒸着装置90について、図1を参照して説明する。図1に示すように、蒸着装置90は、蒸着源(例えばるつぼ94)、ヒータ96、及び蒸着マスク装置10を備える。るつぼ94は、有機発光材料などの蒸着材料98を収容する。ヒータ96は、るつぼ94を加熱して蒸着材料98を蒸発させる。蒸着マスク装置10は、るつぼ94と対向するよう配置されている。
(蒸着マスク装置)
以下、蒸着マスク装置10について説明する。図1に示すように、蒸着マスク装置10は、蒸着マスク20と、蒸着マスク20を支持するフレーム15と、を備える。フレーム15は、蒸着マスク20が撓んでしまうことがないように、蒸着マスク20をその面方向に引っ張った状態で支持する。蒸着マスク装置10は、図1に示すように、蒸着マスク20が、蒸着材料98を付着させる対象物である基板、例えば有機EL基板92に対面するよう、蒸着装置90内に配置される。以下の説明において、蒸着マスク20の面のうち、有機EL基板92側の面を第1面20aと称し、第1面20aの反対側に位置する面を第2面20bと称する。
蒸着マスク装置10は、図1に示すように、有機EL基板92の、蒸着マスク20と反対の側の面に配置された磁石93を更に備える。磁石93を設けることにより、磁力によって蒸着マスク20を磁石93側に引き寄せて、蒸着マスク20を有機EL基板92に密着させることができる。
図3は、蒸着マスク装置10を蒸着マスク20の第1面20a側から見た場合を示す平面図である。図3に示すように、蒸着マスク装置10は、平面視において略矩形状の形状を有する複数の蒸着マスク20を備え、各蒸着マスク20は、蒸着マスク20の長手方向における一対の端部20e又はその近傍において、フレーム15に固定されている。
蒸着マスク20は、蒸着マスク20を貫通する複数の貫通孔を含む。るつぼ94から蒸発して蒸着マスク装置10に到達した蒸着材料98は、蒸着マスク20の貫通孔を通って有機EL基板92に付着する。これによって、蒸着マスク20の貫通孔の位置に対応した所望のパターンで、蒸着材料98を有機EL基板92の表面に成膜することができる。
図2は、図1の蒸着装置90を用いて製造した有機EL表示装置100を示す断面図である。有機EL表示装置100は、有機EL基板92と、パターン状に設けられた蒸着材料98を含む画素と、を備える。
なお、複数の色によるカラー表示を行いたい場合には、各色に対応する蒸着マスク20が搭載された蒸着装置90をそれぞれ準備し、有機EL基板92を各蒸着装置90に順に投入する。これによって、例えば、赤色用の有機発光材料、緑色用の有機発光材料および青色用の有機発光材料を順に有機EL基板92に蒸着させることができる。
ところで、蒸着処理は、高温雰囲気となる蒸着装置90の内部で実施される場合がある。この場合、蒸着処理の間、蒸着装置90の内部に保持される蒸着マスク20、フレーム15および有機EL基板92も加熱される。この際、蒸着マスク20、フレーム15および有機EL基板92は、各々の熱膨張係数に基づいた寸法変化の挙動を示すことになる。この場合、蒸着マスク20やフレーム15と有機EL基板92の熱膨張係数が大きく異なっていると、それらの寸法変化の差異に起因した位置ずれが生じ、この結果、有機EL基板92上に付着する蒸着材料の寸法精度や位置精度が低下してしまう。
このような課題を解決するため、蒸着マスク20およびフレーム15の熱膨張係数が、有機EL基板92の熱膨張係数と同等の値であることが好ましい。例えば、有機EL基板92としてガラス基板が用いられる場合、蒸着マスク20およびフレーム15の主要な材料として、ニッケルを含む鉄合金を用いることができる。例えば、蒸着マスク20を構成する金属材料として、38質量%以上且つ62質量%以下のニッケルと、残部の鉄及び不可避の不純物と、を含む鉄合金を用いることができる。蒸着マスク20およびフレーム15を構成する鉄合金におけるニッケルの含有率は、40質量%以上且つ44質量%以下であってもよい。
また、蒸着マスク20を構成する金属層の材料として、上述のニッケルを含む鉄合金以外の様々な材料を用いてもよい。例えば、クロムを含む鉄合金、ニッケル、ニッケル−コバルト合金などを用いることができる。クロムを含む鉄合金としては、例えば、いわゆるステンレスと称される鉄合金を用いることができる。
(蒸着マスク)
次に、蒸着マスク20について詳細に説明する。図3に示すように、蒸着マスク20は、有効部21と、有効部21を囲う外枠部24と、を含む。有効部21は、蒸着マスク20の第1面20aから第2面20bに至る複数の貫通孔が形成された部分である。図3に示す例において、蒸着マスク20は、蒸着マスク20が延びる第1方向D1に沿って並ぶ複数の有効部21を備える。一つの有効部21は、一つの有機EL表示装置100の表示領域に対応する。このため、図3に示す蒸着マスク装置10によれば、有機EL表示装置100の多面付蒸着が可能である。
図3に示すように、有効部21は、例えば、平面視において略四角形形状、さらに正確には平面視において略矩形状の輪郭を有する。例えば、有効部21は、第1方向D1に延びる一対の辺と、第1方向D1に直交する第2方向D2に延びる一対の辺とを含む、矩形状の輪郭を有する。なお図示はしないが、有効部21は、有機EL基板92の表示領域の形状に応じて、四角形形状以外の形状を有していてもよい。例えば、有効部21は、円形状の輪郭を有していてもよい。
外枠部24は、有効部21を支持するための領域であり、有効部21よりも高い剛性を有する。例えば、外枠部24には貫通孔が設けられていない。若しくは、外枠部24における貫通孔の分布密度は、有効部21における貫通孔25の分布密度よりも低い。
後述するように、蒸着マスク20は、めっき処理工程によって形成された金属層を含む。この場合に生じ得る課題について、図4を参照して説明する。図4は、蒸着マスク20の一部を拡大して示す平面図である。
めっき処理によって作製した蒸着マスク20の金属層には、めっきに起因する内部応力が生じている。上述のように有効部21には外枠部24に比べて多くの貫通孔25が設けられているので、有効部21に生じる内部応力は、外枠部24に生じる内部応力よりも小さい。このため、図4において矢印E1で示すように、有効部21には外枠部24からの引張力が加わっている。この場合、引張力E1のばらつきなどに起因して、有効部21の貫通孔25の位置ずれが生じてしまうことが考えられる。
このような課題を考慮し、本実施の形態においては、有効部21の中央領域23の厚みを、有効部21の外周領域22の厚みよりも大きくすることを提案する。外周領域22とは、有効部21のうち外枠部24に接する領域であり、中央領域23とは、外周領域22によって囲われた領域である。例えば、図4に示すように有効部21を第1方向D1及び第2方向D2に沿ってそれぞれ3等分して、有効部21を9つの領域に仮想的に分割した場合、外枠部24に接する8つの領域が外周領域22を構成する。また、中央の1つの領域が中央領域23を構成する。
図5は、図4の蒸着マスク20をA−A方向から見た断面図であり、図6は、図4の蒸着マスク20をB−B方向から見た断面図である。図5及び図6に示すように、有効部21の中央領域23は、外周領域22の厚みt1よりも大きい厚みt2を有する。このため、外周領域22における貫通孔25の分布密度と中央領域23における貫通孔25の分布密度とが同等である場合、中央領域23には、外周領域22に比べて大きな内部応力が生じる。
図7は、本実施の形態に係る蒸着マスク20の有効部21の外周領域22に加わる力を模式的に示す平面図である。上述のように、外周領域22には、外枠部24からの引張力E1が加わる。また、中央領域23の内部応力が外周領域22の内部応力よりも大きいことに起因して、外周領域22には、中央領域23からの引張力E2も更に加わる。引張力E1と引張力E2とは、外周領域22において反対の向きに働くので、少なくとも部分的に互いに打ち消し合う。これにより、外周領域22に加わる引張力を低減することができる。このことにより、外周領域22に位置する貫通孔25の位置が設計からずれてしまうことを抑制することができる。
なお、「中央領域23が外周領域22よりも大きい厚みを有する」とは、下記の(1)、(2)又は(3)の少なくともいずれか1つが成立していることを意味する。
(1)中央領域23を構成する1つの領域の複数の箇所で測定された厚みt2がいずれも、外周領域22を構成する8つの領域の各々の複数の箇所で測定された厚みt1よりも大きい。
(2)中央領域23を構成する1つの領域の複数の箇所で測定された厚みt2の平均値T2が、外周領域22を構成する8つの領域の各々の複数の箇所で測定された厚みt1の平均値T1よりも大きい。
(3)中央領域23を構成する1つの領域の複数の箇所で測定された厚みt2の平均値T2が、外周領域22を構成する8つの領域の各々における厚みt1の平均値T11、T12、T13、T14、T15、T16、T17及びT18よりも大きい。
(1)、(2)又は(3)の1つのみが成立していてもよく、任意の2つが成立していてもよく、3つ全てが成立していてもよい。
外周領域22を構成する8つの領域、及び中央領域23を構成する1つの領域の各々における、厚みの測定箇所の数は、5以上且つ36以下であり、例えば9である。
外周領域22を構成する8つの領域の各々の複数の箇所で測定された厚みt1の標準偏差をσ1で表す場合、以下の関係式が成立していることが好ましい。
T1<T2・・・(4)
3σ1<T2/2・・・(5)
上述の条件が満たされるよう蒸着マスク20を作製することにより、外周領域22の各位置において、中央領域23に向かう引張力E2をより確実に生じさせることができる。このことにより、外周領域22に位置する貫通孔25の位置が設計からずれてしまうことをより確実に抑制することができる。
外周領域22の厚みt1の平均値T1に対する、中央領域23の厚みt2の平均値T2の比率(=T2/T1)は、好ましくは1.000以上であり、より好ましくは1.060以上である。また、T2/T1は、好ましくは1.200以下であり、より好ましくは1.170以下である。
図5及び図6において、符号t3は、外枠部24の厚みを表す。外枠部24の厚みt3は特には限定されないが、好ましくは、外枠部24の厚みt3は、有効部21の外周領域22の厚みt1と同等である。例えば、外周領域22の厚みt1の平均値T1に対する、外枠部24の厚みt3の平均値T3の比率(=T3/T1)は、0.920以上且つ1.080以下ある。
次に、有効部21の位置に応じた、中央領域23の厚みの調整の例について説明する。図3に示すように第1方向D1に沿って複数の有効部21が並ぶ場合、第1方向D1における蒸着マスク20の端部に最も近接する有効部21の中央領域23の厚みを、第1方向D1における蒸着マスク20の中心に最も近接する有効部21の中央領域23の厚みよりも大きくしてもよい。すなわち、フレーム15に近接する有効部21の中央領域23の厚みを、フレーム15から離れた有効部21の中央領域23の厚みよりも大きくしてもよい。これにより、蒸着マスク20を引っ張った状態でフレーム15によって支持する際、各有効部21の貫通孔25の位置合わせ工程の作業性が向上する。
以下、蒸着マスク20の有効部21について詳細に説明する。図8は、有効部21を拡大して示す平面図であり、図9は、図8の有効部21をIX−IX方向から見た断面図である。図8に示すように、複数の貫通孔25は、有効部21において、互いに直交する二方向に沿ってそれぞれ所定のピッチで規則的に配列される。
以下、貫通孔25及びその周囲の部分の形状について詳細に説明する。ここでは、蒸着マスク20がめっき処理によって形成される場合の、貫通孔25及びその周囲の部分の形状について説明する。
図9に示すように、有効部21の金属層は、第1面20aを構成する第1金属層32と、第2面20bを構成する第2金属層37と、を備える。第1金属層32には、所定のパターンで第1開口部30が設けられており、また、第2金属層37には、所定のパターンで第2開口部35が設けられている。有効部21においては、第1開口部30と第2開口部35とが互いに連通することにより、蒸着マスク20の第1面20aから第2面20bに至る貫通孔25が構成されている。
図8に示すように、貫通孔25を構成する第1開口部30や第2開口部35は、平面視において略多角形状になっていてもよい。ここでは第1開口部30および第2開口部35が、略四角形状、より具体的には略正方形状になっている例が示されている。また、図示はしないが、第1開口部30や第2開口部35は、略六角形状や略八角形状など、その他の略多角形状になっていてもよい。なお「略多角形状」とは、多角形の角部が丸められている形状を含む概念である。また図示はしないが、第1開口部30や第2開口部35は、円形状になっていてもよい。また、第1開口部30の形状と第2開口部35の形状が相似形になっていなくてもよい。
図9において、符号41は、第1金属層32と第2金属層37とが接続される接続部を表している。また符号S0は、第1金属層32と第2金属層37との接続部41における貫通孔25の寸法を表している。なお図9においては、第1金属層32と第2金属層37とが接している例を示したが、これに限られることはなく、第1金属層32と第2金属層37との間にその他の層が介在されていてもよい。例えば、第1金属層32と第2金属層37との間に、第1金属層32上における第2金属層37の析出を促進させるための触媒層が設けられていてもよい。
図10は、図9の第1金属層32および第2金属層37を拡大して示す図である。図10に示すように、蒸着マスク20の第2面20bにおける第2金属層37の幅M2は、蒸着マスク20の第1面20aにおける第1金属層32の幅M1よりも小さくなっている。言い換えると、第2面20bにおける貫通孔25(第2開口部35)の開口寸法S2は、第1面20aにおける貫通孔25(第1開口部30)の開口寸法S1よりも大きくなっている。例えば、図9に示すように、蒸着マスク20の第1面20aの法線方向に沿って見た場合、第2開口部35の輪郭が第1開口部30の輪郭を囲んでいる。以下、このように第1金属層32および第2金属層37を構成することの利点について説明する。
蒸着マスク20の第2面20b側から飛来する蒸着材料98は、貫通孔25の第2開口部35および第1開口部30を順に通って有機EL基板92に付着する。有機EL基板92のうち蒸着材料98が付着する領域は、第1面20aにおける貫通孔25の開口寸法S1や開口形状によって主に定められる。図9及び図10において第2面20b側から第1面20aへ向かう矢印L1で示すように、蒸着材料98は、るつぼ94から有機EL基板92に向けて蒸着マスク20の法線方向Nに沿って移動するだけでなく、蒸着マスク20の法線方向Nに対して大きく傾斜した方向に移動することもある。ここで、仮に第2面20bにおける貫通孔25の開口寸法S2が第1面20aにおける貫通孔25の開口寸法S1と同一であるとすると、斜めに移動する蒸着材料98が、第2金属層37の壁面36や第1金属層32の壁面31に引っ掛かり易くなり、この結果、貫通孔25を通過できない蒸着材料98の比率が多くなる。従って、蒸着材料98の利用効率を高めるためには、第2開口部35の開口寸法S2を大きくすること、すなわち第2金属層37の幅M2を小さくすることが好ましいと言える。
図9において、第2金属層37の壁面36及び第1金属層32の壁面31に接する直線L1が、蒸着マスク20の法線方向Nに対してなす最小角度が、符号θ1で表されている。斜めに移動する蒸着材料98を、可能な限り有機EL基板92に到達させるためには、角度θ1を大きくすることが有利となる。例えば、角度θ1を45°以上にすることが好ましい。角度θ1を大きくする上では、第1金属層32の幅M1に比べて第2金属層37の幅M2を小さくすることが有効である。上述の開口寸法S0,S1,S2は、有機EL表示装置の画素密度や上述の角度θ1の所望値などを考慮して、適切に設定される。
図10に示すように、第1金属層32によって構成される蒸着マスク20の第1面20aには、窪み部34が形成されていてもよい。窪み部34は、めっき処理によって蒸着マスク20を製造する場合に、後述するパターン基板50の導電性パターン52に対応して形成される。窪み部34の深さDは、例えば50nm以上且つ500nm以下である。好ましくは、第1金属層32に形成される窪み部34の外縁34eは、第1金属層32の端部33と接続部41との間に位置する。
次に、第1金属層32及び第2金属層37の組成について説明する。本実施の形態において、好ましくは、第1金属層32の組成と第2金属層37の組成とが同一である。「組成が同一」とは、後述するエネルギー分散型X線分析(以下、EDX分析とも称する)によって算出される、第1金属層32に含まれる鉄及びニッケルの重量%と、第2金属層37に含まれる鉄及びニッケルの重量%との差が、2重量%以下であることを意味する。好ましくは、第1金属層32及び第2金属層37に含まれるニッケル、クロムなどのその他の元素についても、第1金属層32における重量%と第2金属層37における重量%の差が2重量%以下である。
第1金属層32の組成と第2金属層37の組成とが同一であることにより、第1金属層32の熱膨張係数と第2金属層37の熱膨張係数の差を小さくすることができる。これにより、温度変化に起因して第1金属層32と第2金属層37の間の界面に応力や歪が生じることを抑制することができる。このため、温度変化に起因して第1金属層32及び第2金属層37に反りや撓みが生じることを抑制することができる。
また、好ましくは、蒸着マスク20は、少なくとも有効部21において、第1金属層32及び第2金属層37以外の構成要素を有さない。例えば、蒸着マスク20の第1面20aは、第1金属層32によって構成されており、蒸着マスク20の第2面20bは、第2金属層37によって構成されている。これにより、異なる材料を用いることに起因して温度変化時に蒸着マスク20に反りや撓みが生じることを抑制することができる。
以下、EDX分析によって第1金属層32及び第2金属層37の組成を分析する方法について説明する。
まず、蒸着マスク20の有効部21を含む試料71を蒸着マスク20から切り出す。続いて、図25に示すように、試料71を樹脂72で封止する。樹脂72としては、例えばエポキシ樹脂を用いる。封止される試料71の厚みは、蒸着マスク20の有効部21の厚みに等しい。蒸着マスク20の面方向D1,D2における試料71の寸法はそれぞれ、例えば5mmである。
続いて、試料71の断面が樹脂72から露出されるよう、トリミング加工を実施する。続いて、試料71及び樹脂72に対して、イオンビームを用いた仕上げ加工を実施する。このようにして、図26に示すように、蒸着マスク20のうち測定されるべき第1金属層32及び第2金属層37の断面が樹脂72から露出している測定面73を有する測定用サンプル70を得ることができる。
図26において、符号32cは、測定面73中の第1金属層32の断面のうちEDX分析によって測定される測定箇所を表し、符号37cは、測定面73中の第2金属層37の断面のうちEDX分析によって測定される測定箇所を表す。第1金属層32の測定箇所32cは、例えば、蒸着マスク20の面方向における第1金属層32の中心に位置する。同様に、第2金属層37の測定箇所も、例えば、蒸着マスク20の面方向における第2金属層37の中心に位置する。
上述のトリミング加工及び仕上げ加工においては、まず、測定面73までの距離が30μmになるまでトリミング加工で試料71及び樹脂72を切断する。その後、イオンビームを用いた仕上げ加工を試料71及び樹脂72に施して、トリミング加工によって生じたダメージを除去する。これによって、図26に示す測定面73が形成された測定用サンプル70を得ることができる。トリミング加工を実施する装置としては、ライカマイクロシステムズ社製のウルトラミクロトームを用いることができる。
上述の仕上げ加工を実施する装置としては、イオンビームの照射によって試料71及び樹脂72をエッチングする装置を用いることができ、例えばJOEL社製のクロスセクションポリッシャーを用いることができる。仕上げ加工においては、まず、トリミング加工が施された試料71及び樹脂72の上に遮蔽板を載置する。続いて、トリミング加工が施された試料71及び樹脂72を遮蔽板から30μmだけ飛び出させた状態で、トリミング加工が施された試料71及び樹脂72並びに遮蔽板に向けてイオンビームを照射する。この際のJOEL社製のクロスセクションポリッシャーの設定は下記の通りである。
・電圧:5kV
・時間:6時間
続いて、得られた測定用サンプル70の測定面73を、走査型電子顕微鏡を用いて観察する。これにより、第1金属層32の測定箇所32c及び第2金属層37の測定箇所37cを特定することができる。走査型電子顕微鏡としては、例えばカールツァイス社製のUltra55を用いることができる。この際の走査型電子顕微鏡の設定は下記の通りである。
・電圧:15kV
・作動距離:8.5mm
・観察倍率:5000倍
・観察倍率基準:Polaroid545
測定面73の観察後、標準試料を使用してEDX分析装置のキャリブレーション補正を行った後、EDX分析装置を用いて、第1金属層32の測定箇所32c及び第2金属層37の測定箇所37cの組成分析を実施する。EDX分析装置としては、例えばBRUKER社製のQuantax QX400を用いることができる。
なお、BRUKER社製のQuantax QX400を用いた場合に算出される、第1金属層32及び第2金属層37の組成の定量分析の精度は±2重量%である。従って、第1金属層32及び第2金属層37の組成の定量分析で検出される元素のうち、その比率が2重量%以下の元素については、第1金属層32の組成と第2金属層37の組成とが同一であるか否かの判定の際に無視してもよい。
第1金属層32及び第2金属層37の厚みが小さい場合、例えば厚みが1μm以下である場合、組成分析の結果に、周囲の樹脂72に起因する電子線散乱の影響が含まれることがある。第1金属層32及び第2金属層37の組成の定量分析においては、このような樹脂72の影響を除去することが好ましい。組成分析の結果に周囲の樹脂72の影響が含まれているか否かは、走査型電子顕微鏡の加速電圧を変化させた際に、組成の定量分析の結果において周囲の樹脂72に起因すると考えられる成分の検出量が変化するか否かに基づいて判断する。
(蒸着マスクの製造方法)
次に、蒸着マスク20を製造する方法について説明する。図11乃至図14は、蒸着マスク20の製造方法を説明する図である。
〔パターン基板準備工程〕
まず、図11に示すパターン基板50を準備する。パターン基板50は、絶縁性を有する基材51と、基材51上に形成された導電性パターン52と、を有する。導電性パターン52は、第1金属層32に対応するパターンを有する。
絶縁性および適切な強度を有する限りにおいて基材51を構成する材料や基材51の厚みが特に限られることはない。例えば基材51を構成する材料として、ガラスや合成樹脂などを用いることができる。
導電性パターン52を構成する材料としては、金属材料や酸化物導電性材料等の、導電性を有する材料が適宜用いられる。金属材料の例としては、例えばクロムや銅などを挙げることができる。導電性パターン52の厚みは、例えば50nm以上且つ500nm以下である。
なお、蒸着マスク20をパターン基板50から分離させる後述する分離工程を容易化するため、パターン基板50に離型処理を施しておいてもよい。
例えば、まず、パターン基板50の表面の油分を除去する脱脂処理を実施する。例えば、酸性の脱脂液を用いて、パターン基板50の導電性パターン52の表面の油分を除去する。
次に、導電性パターン52の表面を活性化する活性化処理を実施する。例えば、後述する第1めっき処理工程において用いられる第1めっき液に含まれる酸性溶液と同一の酸性溶液を、導電性パターン52の表面に接触させる。例えば、第1めっき液がスルファミン酸ニッケルを含む場合、スルファミン酸を導電性パターン52の表面に接触させる。
次に、導電性パターン52の表面に有機物の膜を形成する有機膜形成処理を実施する。例えば、有機物を含む離型剤を導電性パターン52の表面に接触させる。この際、有機膜の厚みを、有機膜の電気抵抗が、電解めっきによる第1金属層32の析出が有機膜によって阻害されない程度に薄く設定する。離型剤は、硫黄成分を含んでいてもよい。
なお、脱脂処理、活性化処理および有機膜形成処理の後には、パターン基板50を水で洗浄する水洗処理をそれぞれ実施する。
〔第1めっき処理工程〕
次に、導電性パターン52が形成された基材51上に第1めっき液を供給して、導電性パターン52上に第1金属層32を析出させる第1めっき処理工程を実施する。例えば、導電性パターン52が形成された基材51を、第1めっき液が充填されためっき槽に浸す。これによって、図12に示すように、パターン基板50上に、所定のパターンで第1開口部30が設けられた第1金属層32を得ることができる。
なお、めっき処理の特性上、図12に示すように、第1金属層32は、基材51の法線方向に沿って見た場合に導電性パターン52と重なる部分だけでなく、導電性パターン52と重ならない部分にも形成され得る。これは、導電性パターン52の端部54と重なる部分に析出した第1金属層32の表面にさらに第1金属層32が析出するためである。この結果、図12に示すように、第1開口部30の端部33は、基材51の法線方向に沿って見た場合に導電性パターン52と重ならない部分に位置するようになり得る。また、第1金属層32のうち導電性パターン52と接する側の面には、導電性パターン52の厚みに対応する上述の窪み部34が形成される。
図12において、第1金属層32のうち導電性パターン52と重ならない部分(すなわち窪み部34が形成されない部分)の幅が符号wで表されている。幅wは、例えば0.5μm以上且つ5.0μm以下になる。導電性パターン52の寸法は、この幅wを考慮して設定される。
導電性パターン52上に第1金属層32を析出させることができる限りにおいて、第1めっき処理工程の具体的な方法が特に限られることはない。例えば、第1めっき処理工程は、導電性パターン52に電流を流すことによって導電性パターン52上に第1金属層32を析出させる、いわゆる電解めっき処理工程として実施されてもよい。若しくは、第1めっき処理工程は、無電解めっき処理工程であってもよい。なお、第1めっき処理工程が無電解めっき処理工程である場合、導電性パターン52上には適切な触媒層が設けられていてもよい。若しくは、導電性パターン52が、触媒層として機能するよう構成されていてもよい。電解めっき処理工程が実施される場合にも、導電性パターン52上に触媒層が設けられていてもよい。
用いられる第1めっき液の成分は、第1金属層32が、38質量%以上且つ62質量%以下のニッケルと、残部の鉄及び不可避の不純物と、を含むよう、定められる。例えば、第1めっき液として、ニッケル化合物を含む溶液と、鉄化合物を含む溶液との混合溶液を用いることができる。例えば、スルファミン酸ニッケルや臭化ニッケルを含む溶液と、スルファミン酸第一鉄を含む溶液との混合溶液を用いることができる。めっき液には、様々な添加剤が含まれていてもよい。添加剤としては、ホウ酸などのpH緩衝剤、サッカリンナトリウなどの一次光沢剤、ブチンジオール、プロパギルアルコール、クマリン、ホルマリン、チオ尿素などの二次光沢剤や、酸化防止剤などが用いられ得る。一次光沢剤は、硫黄成分を含んでいてもよい。
〔レジスト形成工程〕
次に、基材51上および第1金属層32上に、所定の隙間56を空けてレジストパターン55を形成するレジスト形成工程を実施する。図13は、基材51上に形成されたレジストパターン55を示す断面図である。図13に示すように、レジスト形成工程は、第1金属層32の第1開口部30がレジストパターン55によって覆われるとともに、レジストパターン55の隙間56が第1金属層32上に位置するように実施される。
以下、レジスト形成工程の一例について説明する。はじめに、基材51上および第1金属層32上にドライフィルムを貼り付けることによって、ネガ型のレジスト膜を形成する。ドライフィルムとは、基材51などの対象物の上にレジスト膜を形成するために対象物に貼り付けられるフィルムのことである。ドライフィルムは、PETなどからなるベースフィルムと、ベースフィルムに積層され、感光性を有する感光層と、を少なくとも含む。感光層は、アクリル系光硬化性樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、スチレン系樹脂などの感光性材料を含む。なお、レジストパターン55用の材料を基材51上に塗布し、その後に必要に応じて焼成を実施することにより、レジスト膜を形成してもよい。
次に、レジスト膜のうち隙間56となるべき領域に光を透過させないようにした露光マスクを準備し、露光マスクをレジスト膜上に配置する。その後、真空密着によって露光マスクをレジスト膜に十分に密着させる。その後、レジスト膜を露光マスク越しに露光する。さらに、露光されたレジスト膜に像を形成するためにレジスト膜を現像する。以上のようにして、図13に示すように、第1金属層32上に位置する隙間56が設けられるとともに第1金属層32の第1開口部30を覆うレジストパターン55を形成することができる。なお、レジストパターン55を基材51および第1金属層32に対してより強固に密着させるため、現像工程の後にレジストパターン55を加熱する熱処理工程を実施してもよい。
なお、レジスト膜として、ポジ型のものが用いられてもよい。この場合、露光マスクとして、レジスト膜のうちの除去したい領域に光を透過させるようにした露光マスクが用いられる。
〔第2めっき処理工程〕
次に、レジストパターン55の隙間56に第2めっき液を供給して、第1金属層32上に第2金属層37を析出させる第2めっき処理工程を実施する。例えば、第1金属層32が形成された基材51を、第2めっき液が充填されためっき槽に浸す。これによって、図14に示すように、第1金属層32上に第2金属層37を形成することができる。第2めっき処理工程は、例えば、第1金属層32に電流を流すことによって第1金属層32上に第2金属層37を析出させる、いわゆる電解めっき処理工程として実施される。若しくは、第2めっき処理工程は、無電解めっき処理工程であってもよい。
本実施の形態においては、有効部21の中央領域23を構成する第2金属層37の厚みが、有効部21の外周領域22を構成する第2金属層37の厚みよりも大きくなるよう、第2めっき処理工程を実施する。以下、そのような厚みの制御を実現することができる第2めっき処理工程の一例について、図15乃至図17を参照して説明する。
図15は、図7に示す有効部21の外周領域22及び中央領域23の第2金属層37をめっき処理によって形成するために用いられる遮蔽板60を示す平面図である。また、図16は、図15に示す遮蔽板60をC−C方向から見た断面図である。遮蔽板60は、遮蔽部61と、遮蔽部61に囲まれた貫通部62と、を有する。貫通部62は、パターン基板50の基材51の法線方向に沿って見た場合に、有効部21の中央領域23を構成する第1金属層32に少なくとも部分的に重なるよう、配置されている。また、遮蔽部61は、パターン基板50の基材51の法線方向に沿って見た場合に、有効部21の外周領域22及び外枠部24を構成する第1金属層32に少なくとも部分的に重なるよう、配置されている。
第2めっき処理工程においては、図16において矢印F1で示すように、遮蔽板60の貫通部62を介して第1金属層32上に第2めっき液を供給する。この場合、第1金属層32のうち遮蔽部61と重なる部分には、図16において矢印F2で示すように、貫通部62と重なる第1金属層32を通った後の第2めっき液が供給される。このため、第1金属層32のうち遮蔽部61と重なる部分においては、第1金属層32のうち貫通部62と重なる部分に比べて、第2金属層37の成長が抑制される。また、遮蔽部61が導電性を有する場合、第1金属層32と図示しないアノードとの間に生じている電界が、遮蔽部61によって遮断される。この点でも、第1金属層32のうち遮蔽部61と重なる部分においては、第1金属層32のうち貫通部62と重なる部分に比べて、第2金属層37の成長が抑制される。
遮蔽部61及び貫通部62を有する遮蔽板60を用いることにより、第1金属層32のうち遮蔽部61と重なる部分において、すなわち中央領域23を構成する第1金属層32の上において優先的に第2金属層37を成長させることができる。このため、図17に示すように、中央領域23を構成する第2金属層37の厚みを、外周領域22及び外枠部24を構成する第2金属層37の厚みよりも大きくすることができる。これにより、中央領域23の厚みを、外周領域22の厚みよりも大きくすることができ、外周領域22に、中央領域23に向かう引張力を生じさせることができる。なお、中央領域23の厚み及び外周領域22の厚みはそれぞれ、最も厚い箇所、すなわち第1金属層32と第2金属層37とがかさなっている箇所において測定される。
第2めっき液の成分は、第2金属層37が、38質量%以上且つ62質量%以下のニッケルと、残部の鉄及び不可避の不純物と、を含むよう、定められる。例えば、第2めっき液として、上述の第1めっき液と同一のめっき液が用いられてもよい。若しくは、第1めっき液とは異なるめっき液が第2めっき液として用いられてもよい。第1めっき液の組成と第2めっき液の組成とが同一である場合、第1金属層32を構成する金属の組成と、第2金属層37を構成する金属の組成も同一になる。
なお、図14においては、レジストパターン55の上面と第2金属層37の上面とが一致するようになるまで第2めっき処理工程が継続される例を示したが、これに限られることはない。第2金属層37の上面がレジストパターン55の上面よりも下方に位置する状態で、第2めっき処理工程が停止されてもよい。
また、図示はしないが、第1めっき処理工程の際に、遮蔽板60の貫通部62を介して基材51上に第1めっき液を供給してもよい。これにより、上述の第2めっき処理工程の場合と同様に、基材51のうち中央領域23に対応する部分において優先的に第1金属層32を成長させることができる。
〔除去工程〕
その後、レジストパターン55を除去する除去工程を実施する。例えばアルカリ系剥離液を用いることによって、レジストパターン55を基材51、第1金属層32や第2金属層37から剥離させることができる。
〔分離工程〕
次に、第1金属層32および第2金属層37の組み合わせ体を基材51から分離させる分離工程を実施する。これによって、所定のパターンで第1開口部30が設けられた第1金属層32と、第1開口部30に連通する第2開口部35が設けられた第2金属層37と、を備えた蒸着マスク20を得ることができる。
以下、分離工程の一例について詳細に説明する。はじめに、粘着性を有する物質が塗工などによって設けられているフィルムを、基材51上に形成された第1金属層32および第2金属層37の組み合わせ体に貼り付ける。次に、フィルムを引き上げたり巻き取ったりすることにより、フィルムを基材51から引き離し、これによって、第1金属層32および第2金属層37の組み合わせ体をパターン基板50の基材51から分離させる。その後、第1金属層32および第2金属層37の組み合わせ体からフィルムを剥がす。
その他にも、分離工程においては、はじめに、第1金属層32および第2金属層37の組み合わせ体と基材51との間に、分離のきっかけとなる間隙を形成し、次に、この間隙にエアを吹き付け、これによって分離工程を促進してもよい。
なお、粘着性を有する物質としては、UVなどの光を照射されることによって、または加熱されることによって粘着性を喪失する物質を使用してもよい。この場合、第1金属層32および第2金属層37の組み合わせ体を基材51から分離させた後、フィルムに光を照射する工程やフィルムを加熱する工程を実施する。これによって、第1金属層32および第2金属層37の組み合わせ体からフィルムを剥がす工程を容易化することができる。例えば、フィルムと第1金属層32および第2金属層37の組み合わせ体とを可能な限り互いに平行な状態に維持した状態で、フィルムを剥がすことができる。これによって、フィルムを剥がす際に第1金属層32および第2金属層37の組み合わせ体が湾曲することを抑制することができ、このことにより、蒸着マスク20に湾曲などの変形のくせがついてしまうことを抑制することができる。
ところで、めっき処理によって作製した蒸着マスク20には、めっきに起因する内部応力が生じている。このような内部応力を緩和する方法として、蒸着マスク20をアニール処理することが考えられる。一方、パターン基板50から分離される前の蒸着マスク20にアニール処理を施すと、蒸着マスク20の線膨張率とパターン基板50の基材51の線膨張率との差に起因して、基材51に反りや割れが生じ、蒸着マスク20が損傷してしまうことが考えられる。この点を考慮し、本実施の形態においては、めっき処理によって蒸着マスク20をパターン基板50上に作製した後、蒸着マスク20にアニール処理を施すことなく、蒸着マスク20をパターン基板50から分離してもよい。例えば、めっき処理を実施した後、分離工程を実施するまでの間に、蒸着マスク20の金属層を140℃以上に加熱するような工程を実施しない。これにより、パターン基板50の反りや割れに起因して蒸着マスク20が損傷してしまうことを抑制することができる。もちろん、状況によっては、蒸着マスク20をアニール処理する工程を実施してもよい。
(蒸着マスクの溶接工程)
次に、上述のようにして得られた蒸着マスク20をフレーム15に溶接する溶接工程を実施する。これによって、蒸着マスク20及びフレーム15を備える蒸着マスク装置10を得ることができる。
本実施の形態においては、有効部21の中央領域23の厚みを、外周領域22の厚みよりも大きくすることにより、外周領域22に、中央領域23に向かう引張力を生じさせることができる。これにより、外周領域22において、外枠部24から加わる引張力と、中央領域23から加わる引張力とを少なくとも部分的に打ち消し合わせることができる。このことにより、外周領域22に位置する貫通孔25の位置が設計からずれてしまうことを抑制することができる。
(蒸着方法)
次に、蒸着マスク20及びフレーム15を備える蒸着マスク装置10を用いて有機EL基板92などの基板上に蒸着材料98を蒸着させる蒸着方法について説明する。まず、蒸着マスク20が有機EL基板92に対向するよう蒸着マスク装置10を配置する。また、磁石93を用いて蒸着マスク20を有機EL基板92に密着させる。この状態で、蒸着材料98を蒸発させて蒸着マスク20を介して有機EL基板92へ飛来させることにより、蒸着マスク20の貫通孔25に対応したパターンで蒸着材料98を有機EL基板92に付着させることができる。ここで本実施の形態においては、上述のように、外周領域22に位置する貫通孔25の位置が設計からずれてしまうことを抑制することができる。このため、高い位置精度で有機EL基板92に蒸着材料98を付着させることができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、必要に応じて図面を参照しながら、変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
(めっき処理工程の変形例)
上述の実施の形態においては、遮蔽部61が、パターン基板50のうち有効部21の外周領域22及び外枠部24に対応する部分と重なる例を示した。しかしながら、遮蔽部61は、パターン基板50のうち少なくとも有効部21の外周領域22に対応する部分と重なっていればよく、外枠部24に対応する部分とは重なっていなくてもよい。例えば、図18及び図19に示すように、めっき処理工程においては、パターン基板50のうち有効部21の外周領域22に対応する部分と重なる遮蔽部61と、パターン基板50のうち有効部21の中央領域23に対応する部分と重なる貫通部62と、を備える複数の遮蔽板60を用いてもよい。この場合、遮蔽板60の間の隙間63が、パターン基板50のうち外枠部24に対応する部分と重なっていてもよい。若しくは、図示はしないが、遮蔽板60は、パターン基板50のうち外枠部24に対応する部分と重なる貫通孔を有していてもよい。
本変形例においては、図19において矢印F3で示すように、パターン基板50のうち外枠部24に対応する部分の上にもめっき液が供給される。ところで、パターン基板50のうち外枠部24に対応する部分にはレジストパターン55が形成されていない。一方、パターン基板50のうち有効部21に対応する部分には、上述のようにレジストパターン55が形成されている。パターン基板50のうちレジストパターン55と重なる部分には電流が流れないので、有効部21に対応する部分においては、レジストパターン55と重ならない部分に電流が集中し易い。このため、パターン基板50のうち有効部21に対応する部分においては、パターン基板50のうち外枠部24に対応する部分に比べて、めっき層が厚み方向に成長し易い。言い換えると、パターン基板50のうち外枠部24に対応する部分においては、パターン基板50のうち有効部21に対応する、レジストパターン55が形成されている部分に比べて、めっき層が厚み方向に成長しにくい。従って、パターン基板50のうち外枠部24に対応する部分の上に遮蔽部61が設けられていない場合であっても、外枠部24の厚みと有効部21の外周領域22の厚みの差が大きくなることを抑制することができる。
(蒸着マスクの製造方法の変形例)
上述の本実施の形態においては、蒸着マスク20が、第1金属層32および第2金属層37という、少なくとも2つの金属層を積層させることによって構成される場合について説明した。しかしながら、これに限られることはなく、蒸着マスク20は、所定のパターンで複数の貫通孔25が形成された1つの金属層27によって構成されていてもよい。以下、図20〜図22を参照して、蒸着マスク20が1つの金属層27を備える例について説明する。なお、本変形例においては、蒸着マスク20の第1面20aから第2面20bに至る貫通孔25のうち第1面20a上に位置する部分を第1開口部30と称し、貫通孔25のうち第2面20b上に位置する部分を第2開口部35と称する。
はじめに、本変形例による蒸着マスク20を製造する方法について説明する。
まず、所定の導電性パターン52が形成された基材51を準備する。次に図20に示すように、基材51上に、所定の隙間56を空けてレジストパターン55を形成するレジスト形成工程を実施する。好ましくは、レジストパターン55の隙間56を画成するレジストパターン55の側面57の間の間隔は、基材51から遠ざかるにつれて狭くなっている。すなわち、レジストパターン55が、基材51から遠ざかるにつれてレジストパターン55の幅が広くなる形状、いわゆる逆テーパ形状を有している。
このようなレジストパターン55を形成する方法の一例について説明する。例えば、はじめに、基材51の面のうち導電性パターン52が形成された側の面上に、光硬化性樹脂を含むレジスト膜を設ける。次に、基材51のうちレジスト膜が設けられている側とは反対の側から基材51に入射させた露光光をレジスト膜に照射して、レジスト膜を露光する。その後、レジスト膜を現像する。この場合、露光光の回り込み(回折)に基づいて、図20に示すような逆テーパ形状を有するレジストパターン55を得ることができる。
次に図21に示すように、レジストパターン55の隙間56にめっき液を供給して、導電性パターン52上に金属層27を析出させるめっき処理工程を実施する。その後、上述の除去工程および分離工程を実施することにより、図22に示すように、所定のパターンで貫通孔25が設けられた金属層27を備えた蒸着マスク20を得ることができる。図22に示すように、金属層27の貫通孔25の、第1面20aの面方向における寸法は、第2面20b側から第1面20a側に向かうにつれて減少している。
本変形例においても、上述の実施の形態の場合と同様に、パターン基板50のうち有効部21の外周領域22に対応する部分と重なる遮蔽部61と、パターン基板50のうち有効部21の中央領域23に対応する部分と重なる貫通部62と、を備える遮蔽板60を用いてめっき処理を実施する。これにより、有効部21の中央領域23の厚みを、外周領域22の厚みよりも大きくすることができる。このことにより、外周領域22に位置する貫通孔25の位置が設計からずれてしまうことを抑制することができる。
本変形例の蒸着マスク20は、好ましくは、少なくとも有効部21において、金属層27以外の構成要素を有さない。例えば、蒸着マスク20の第1面20a及び第2面20bはいずれも、金属層27によって構成されている。これにより、異なる材料を用いることに起因して温度変化時に蒸着マスク20に反りや撓みが生じることを抑制することができる。
なお、上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
次に、本開示の実施形態を実施例により更に具体的に説明するが、本開示の実施形態はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
(実施例1)
めっき処理によって、図9に示す第1金属層32及び第2金属層37を有する蒸着マスク20を作製した。めっき処理においては、パターン基板50のうち有効部21の外周領域22に対応する部分と重なる遮蔽部61と、パターン基板50のうち有効部21の中央領域23に対応する部分と重なる貫通部62と、を備える遮蔽板60を用いてめっき液の供給を行った。
蒸着マスク20の全体の寸法及び各部分の寸法は、下記の通りであった。
・蒸着マスク20の長さ:870mm
・蒸着マスク20の幅:66.5mm
・第1方向D1における有効部21の寸法:112.8mm
・第2方向D2における有効部21の寸法:63.5mm
・有効部21における貫通孔25の開口率:20%〜60%、例えば39%
・第1面20aにおける貫通孔25の開口寸法S1:29μm
・第2面20bにおける貫通孔25の開口寸法S2:34μm
なお開口率とは、有効部21全体の面積に対する貫通孔25の面積の比率である。
続いて、有効部21の厚みを測定した。具体的には、上述の図4に示すように有効部21を9つの領域に仮想的に分割し、9つの領域の各々の9箇所、すなわち合計で81箇所において、有効部21の厚みを測定した。また、9つの領域のうち外枠部24に接する8つの領域における、合計72箇所での厚みの測定結果の平均値及び標準偏差を、外周領域22の厚みの平均値T1及び標準偏差σ1として算出した。また、外周領域22を構成する8つの領域によって囲まれた1つの領域における、合計9箇所での厚みの測定結果の平均値を、中央領域23の厚みの平均値T2として算出した。結果を図23に示す。
以下、有効部21の厚みの測定方法について説明する。まず、蒸着マスク20の一部を切断してサンプルを作製した。サンプルは、長辺150mm、短辺80mmの矩形の形状を有する。サンプルは、1つの有効部21を少なくとも含む。続いて、サンプルを、厚み0.7mmのガラス板に貼り付けた黒色のゲルポリシートの上に載置し、サンプルを固定した。ゲルポリシートとしては、パナック株式会社製のGPH100E82A04を用いた。
その後、サンプルに含まれる1つの有効部21の、上述の81箇所において、厚みの測定を行った。厚みを測定するための測定器としては、株式会社キーエンス製のレーザ顕微鏡 VK−8500を用いた。具体的な測定条件は下記の通りである。
RUN MODE:白黒超深度
測定ピッチ:0.05μm
対物倍率:100倍
続いて、有効部21の外周領域22の貫通孔25の位置の、設計からのずれを評価した。貫通孔25の位置を検出するための装置としては、新東Sプレシジョン株式会社製の大型自動2次元座標測定機 AMIC−1710Dを用いた。評価対象の貫通孔25の数は15とした。各貫通孔25の位置の、設計からのずれ量の最大値を図23に示す。
(実施例2〜6)
めっき処理の条件が異なること以外は、実施例1の場合と同様にして、めっき処理によって蒸着マスク20を作製した。また、実施例1の場合と同様にして、有効部21の厚みを測定した。また、実施例1の場合と同様にして、実施例2〜6に係る蒸着マスク20において、有効部21の外周領域22の貫通孔25の位置の、設計からのずれを評価した。結果を図23に示す。
(比較例1〜3)
めっき処理において遮蔽板60を用いなかったこと以外は、実施例1の場合と同様にして、めっき処理によって、比較例1に係る蒸着マスク20を作製した。また、めっき処理において遮蔽板60を用いなかったこと以外は、実施例3の場合と同様にして、めっき処理によって、比較例2に係る蒸着マスク20を作製した。また、めっき処理において遮蔽板60を用いなかったこと以外は、実施例5の場合と同様にして、めっき処理によって、比較例3に係る蒸着マスク20を作製した。また、実施例1の場合と同様にして、比較例1〜3に係る蒸着マスク20において、有効部21の外周領域22の貫通孔25の位置の、設計からのずれを評価した。結果を図23に示す。
図23に示すように、遮蔽板60を用いてめっき液の供給を行った実施例1〜6においては、中央領域23の厚みの平均値T2が、外周領域22の厚みの平均値T1よりも大きかった。一方、遮蔽板60を用いることなくめっき液の供給を行った比較例1〜3においては、中央領域23の厚みの平均値T2が、外周領域22の厚みの平均値T1と同一であった。このように、遮蔽板60を用いてめっき液の供給を行うことにより、中央領域23の厚みの平均値T2を、外周領域22の厚みの平均値T1よりも大きくすることができた。
図23に示すように、実施例1〜6においては、比較例1〜3に比べて、貫通孔25の位置のずれ量の最大値が小さかった。中央領域23の厚みの平均値T2を、外周領域22の厚みの平均値T1よりも大きくすることは、貫通孔25の位置のずれ量を低減する上で有効であると言える。
実施例1、3及び5においては、以下の関係式が成立していた。
T1<T2・・・(4)
3σ1<T2/2・・・(5)
一方、実施例2、4及び6においては、上述の関係式(4)、(5)が満たされていなかった。実施例1、3及び5においては、外周領域22に対応する領域におけるめっき液の流れが実施例2、4及び6の場合に比べてより均一になるよう構成された遮蔽板60を用いて、めっき液の供給を行った。具体的には、実施例1、3及び5においては、遮蔽板60の貫通部62の壁面の基材51側の端部が、図24に示すように、基材51の法線方向に対して傾斜した傾斜面64を含んでいた。このため、貫通部62を通った後に基材51上において外周領域22に対応する領域に向かうめっき液の流速がばらつくことを抑制することができ、外周領域22の厚みの標準偏差σ1を小さくすることができたと考えられる。
実施例1、3及び5においては、貫通孔25の位置のずれ量の最大値が5μm以下であった。一方、実施例2、4及び6においては、貫通孔25の位置のずれ量の最大値が5μmを超えていた。上述の関係式(4)、(5)を満たすよう有効部21の外周領域22及び中央領域23を構成することは、貫通孔25の位置のずれ量を低減する上での有用な指標になり得る。
なお、外周領域22に対応する領域におけるめっき液の流れを均一にするための方法としては、上述のように遮蔽板60の貫通部62の壁面の端部に傾斜面64を設けること以外にも、様々な方法が考えられる。例えば、基材51と遮蔽板60との間の距離を調整することが考えられる。基材51と遮蔽板60との間の距離が大きいほど、基材51のうち遮蔽板60と重なっていない領域へめっき液が供給され易くなり、外周領域22に対応する領域に向かうめっき液の流速がばらつくことを抑制することができる。一方、基材51と遮蔽板60との間の距離が大きくなり過ぎると、遮蔽板60が外周領域22へのめっき液の供給を抑制する効果が乏しくなる。従って、基材51と遮蔽板60との間の距離は、上述の関係式(4)、(5)を満たす範囲内で適切に調整されることが好ましい。
10 蒸着マスク装置
15 フレーム
20 蒸着マスク
21 有効部
22 外周領域
23 中央領域
24 外枠部
25 貫通孔
30 第1開口部
31 壁面
32 第1金属層
34 窪み部
35 第2開口部
36 壁面
37 第2金属層
41 接続部
50 パターン基板
51 基材
52 導電性パターン
60 遮蔽板
61 遮蔽部
62 貫通部
90 蒸着装置
92 有機EL基板
98 蒸着材料
100 有機EL表示装置

Claims (11)

  1. 蒸着マスクであって、
    複数の貫通孔が設けられた有効部と、
    前記有効部を囲う外枠部と、を備え、
    前記有効部は、前記外枠部に接する外周領域と、前記外周領域によって囲われ、前記外周領域よりも大きい厚みを有する中央領域と、を含み、
    前記蒸着マスクは、前記貫通孔を通った蒸着材料が付着する基板の側に位置する第1面と、前記第1面の反対側に位置する第2面と、を含み、
    前記貫通孔のうち前記第1面上に位置する部分を第1開口部と称し、前記貫通孔のうち前記第2面上に位置する部分を第2開口部と称する場合、前記第1面の法線方向に沿って見た場合に前記第2開口部の輪郭が前記第1開口部の輪郭を囲んでおり、
    前記中央領域は、前記第2面側において前記外周領域に対して隆起した状態にあり、
    前記有効部を第1方向及び前記第1方向に直交する第2方向に沿ってそれぞれ3等分して、前記有効部を9つの領域に仮想的に分割した場合、前記外枠部に接する8つの領域が前記外周領域を構成し、中央の1つの領域が前記中央領域を構成しており、
    前記外周領域の厚みの平均値をT1で表し、前記外周領域の厚みの標準偏差をσ1で表し、前記中央領域の厚みの平均値をT2で表す場合、以下の関係式が成立する、
    T1<T2
    3σ1<T2/
    着マスク。
  2. 前記外周領域の厚みの平均値T1及び標準偏差σ1は、前記外周領域を構成する8つの領域の各々において9カ所で厚みを測定することにより算出され、
    前記中央領域の厚みの平均値T2は、前記中央領域を構成する1つの領域の9カ所で厚みを測定することにより算出される、請求項に記載の蒸着マスク。
  3. 前記蒸着マスクは、前記第1面側に位置し、前記第1開口部が形成された第1金属層と、前記第2面側に位置し、前記第2開口部が形成された第2金属層と、を含む金属層を備える、請求項1又は2に記載の蒸着マスク。
  4. 蒸着マスクであって、
    複数の貫通孔が設けられた有効部と、
    前記有効部を囲う外枠部と、を備え、
    前記有効部は、前記外枠部に接する外周領域と、前記外周領域によって囲われ、前記外周領域よりも大きい厚みを有する中央領域と、を含み、
    前記蒸着マスクは、前記貫通孔を通った蒸着材料が付着する基板の側に位置する第1面と、前記第1面の反対側に位置する第2面と、を含み、
    前記貫通孔のうち前記第1面上に位置する部分を第1開口部と称し、前記貫通孔のうち前記第2面上に位置する部分を第2開口部と称する場合、前記第1面の法線方向に沿って見た場合に前記第2開口部の輪郭が前記第1開口部の輪郭を囲んでおり、
    前記中央領域は、前記第2面側において前記外周領域に対して隆起した状態にあり、
    前記蒸着マスクは、前記第1面側に位置し、前記第1開口部が形成された第1金属層と、前記第2面側に位置し、前記第2開口部が形成された第2金属層と、を含む金属層を備える、蒸着マスク。
  5. 前記蒸着マスクは、前記貫通孔が形成された金属層を備え、
    前記金属層の前記貫通孔の、前記第1面の面方向における寸法は、前記第2面側から前記第1面側に向かうにつれて減少している、請求項1又は2に記載の蒸着マスク。
  6. 前記金属層はめっき層である、請求項3乃至5のいずれか一項に記載の蒸着マスク。
  7. 蒸着マスクであって、
    複数の貫通孔が設けられた有効部と、
    前記有効部を囲う外枠部と、を備え、
    前記有効部は、前記外枠部に接する外周領域と、前記外周領域によって囲われ、前記外周領域よりも大きい厚みを有する中央領域と、を含み、
    前記蒸着マスクは、前記貫通孔を通った蒸着材料が付着する基板の側に位置する第1面と、前記第1面の反対側に位置する第2面と、を含み、
    前記貫通孔のうち前記第1面上に位置する部分を第1開口部と称し、前記貫通孔のうち前記第2面上に位置する部分を第2開口部と称する場合、前記第1面の法線方向に沿って見た場合に前記第2開口部の輪郭が前記第1開口部の輪郭を囲んでおり、
    前記中央領域は、前記第2面側において前記外周領域に対して隆起した状態にあり、
    前記蒸着マスクは、前記貫通孔が形成された金属層を備え、
    前記金属層の前記貫通孔の、前記第1面の面方向における寸法は、前記第2面側から前記第1面側に向かうにつれて減少しており、
    前記金属層はめっき層である、蒸着マスク。
  8. 前記蒸着マスクは、第1方向に沿って並ぶ複数の前記有効部を備え、
    前記第1方向における前記蒸着マスクの端部に最も近接する前記有効部の前記中央領域の厚みは、前記第1方向における前記蒸着マスクの中心に最も近接する前記有効部の前記中央領域の厚みよりも大きい、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の蒸着マスク。
  9. 蒸着マスクであって、
    複数の貫通孔が設けられた有効部と、
    前記有効部を囲う外枠部と、を備え、
    前記有効部は、前記外枠部に接する外周領域と、前記外周領域によって囲われ、前記外周領域よりも大きい厚みを有する中央領域と、を含み、
    前記蒸着マスクは、前記貫通孔を通った蒸着材料が付着する基板の側に位置する第1面と、前記第1面の反対側に位置する第2面と、を含み、
    前記貫通孔のうち前記第1面上に位置する部分を第1開口部と称し、前記貫通孔のうち前記第2面上に位置する部分を第2開口部と称する場合、前記第1面の法線方向に沿って見た場合に前記第2開口部の輪郭が前記第1開口部の輪郭を囲んでおり、
    前記中央領域は、前記第2面側において前記外周領域に対して隆起した状態にあり、
    前記蒸着マスクは、第1方向に沿って並ぶ複数の前記有効部を備え、
    前記第1方向における前記蒸着マスクの端部に最も近接する前記有効部の前記中央領域の厚みは、前記第1方向における前記蒸着マスクの中心に最も近接する前記有効部の前記中央領域の厚みよりも大きい、蒸着マスク。
  10. 前記有効部を第1方向及び前記第1方向に直交する第2方向に沿ってそれぞれ3等分して、前記有効部を9つの領域に仮想的に分割した場合、前記外枠部に接する8つの領域が前記外周領域を構成し、中央の1つの領域が前記中央領域を構成する、請求項4、7又は9に記載の蒸着マスク。
  11. 蒸着マスクの製造方法であって、
    前記蒸着マスクは、
    複数の貫通孔が設けられた有効部と、
    前記有効部を囲う外枠部と、を備え、
    前記有効部は、前記外枠部に接する外周領域と、前記外周領域によって囲われ、前記外周領域よりも大きい厚みを有する中央領域と、を含み、
    前記蒸着マスクは、前記貫通孔を通った蒸着材料が付着する基板の側に位置する第1面と、前記第1面の反対側に位置する第2面と、を含み、
    前記貫通孔のうち前記第1面上に位置する部分を第1開口部と称し、前記貫通孔のうち前記第2面上に位置する部分を第2開口部と称する場合、前記第1面の法線方向に沿って見た場合に前記第2開口部の輪郭が前記第1開口部の輪郭を囲んでおり、
    前記中央領域は、前記第2面側において前記外周領域に対して隆起した状態にあり、
    前記蒸着マスクの製造方法は、
    遮蔽部及び貫通部を含む遮蔽板の前記貫通部を介してめっき液を供給して、前記遮蔽部に重なる前記外周領域と、前記貫通部に重なる前記中央領域と、を形成するめっき処理工程を備える、蒸着マスクの製造方法。
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