JP6891520B2 - 積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、積層体に関する。さらに詳しくは、漆黒性が高い積層体に関する。
一般に、樹脂成形体に対して、製品デザイナーや消費者から高い意匠性を付与することが求められている。特に成形体に高級感や高い質感を付与するため青味があって、かつ黒度が高い色調、いわゆる漆黒の成形体が求められている。同様に、一般に自動車等の塗装は、車体を保護し、耐久性を向上させるためのことを目的としているが、近年は感性に訴える外観品質(塗装質感)の向上に対する要求が強くなってきている。塗装質感を向上させるには、深み感、透明感、奥行き感を強くすることが必要であり、高級感を与える塗装として漆黒感、深み感のある黒塗装に対する要求が強い。
一般に、上記のような、漆黒性の樹脂塗工物、フィルム、成形物を得るためにはカーボンブラックを樹脂溶液や固形樹脂に均一に分散させたものを使用してきた。(特許文献1,2参照)しかし、当該手段においては、明度(L*)が高い(灰色・白)方向にあり、色度(a*、b*)がプラス方向(+a*:赤、+b*:黄)となり、いわゆる「ピアノブラック」や「カラスの濡れ羽色」といった漆黒性を表現することが困難であった。
カーボンブラックを使用した成形体の色調は配合したカーボンブラックの一次粒子径により異なる傾向にある。具体的には、一次粒子径が小さなカーボンブラックを使用すると、黒度はあるが赤味の強い色調が得られる。逆に、一次粒子径の大きなカーボンブラックを使用すると、青味はあるが黒度が低下する。このように、カーボンブラックを使用した黒色の着色は黒度と青味はトレードオフの関係にあるため、青味があって、かつ黒度が高い漆黒の色調を再現することは困難であった。
また、塗装質感を向上させるために、第一層の上に、明度が0.2未満である黒色ベースカラー層と、カーボンブラックを0.1重量%を超えて10重量%以下含有する黒色カラークリア層とを形成して成る塗膜構造が提案されている(特許文献3)。
しかしながら、上記従来の塗膜構造においては、黒色ベースカラー層とカラークリア層の積層が必要で製造工程の複雑化、高コスト化するといった問題があった。
さらに、塗装質感を向上させるために、カーボンナノチューブを黒色顔料として用いた樹脂組成物の積層体が提案されている。しかしながら、満足のいく塗装質感を得るためには、カーボンナノチューブ樹脂組成物層の上にクリア層を積層することが必要であり、製造工程の複雑化、高コスト化するといった問題があった。
(特許文献4)。
特開2001−179176号公報 特開2004−098033号公報 特開平6−15223号公報 特開2016−13680号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、光沢感、漆黒性の高い積層体を提供することを目的とする。
本発明の積層体は、基材上に、カーボンナノチューブの平均外径が5nm以上15nm以下であり、カーボンナノチューブ平均凝集粒子面積が0.2μm2以上1.0μm2以下であり、カーボンナノチューブ凝集粒子内のカーボンナノチューブ密度が300本/μm2以上800本/μm2以下に制御されたカーボンナノチューブ含有層を形成して成る積層体であって、高い光沢と漆黒性を得ることができ、漆黒感、深み感のある黒塗装を得ることができる。
すなわち本発明は、少なくとも基材と基材上にカーボンナノチューブ含有層とを有する積層体であって、カーボンナノチューブ含有層は少なくともカーボンナノチューブと樹脂を含み、カーボンナノチューブの平均外径が5nm以上15nm以下であり、カーボンナノチューブ平均凝集粒子面積が0.2μm2以上1.0μm2以下であり、カーボンナノチューブ凝集粒子内のカーボンナノチューブ密度が300本/μm2以上800本/μm2以下であることを特徴とする積層体に関する。
また、本発明は、カーボンナノチューブ含有層の膜厚が20μmである際、積層された面の垂線方向に対して45°の角度で入射した光の正反射光からのオフセット角45°のL*が1.0以下、a*が−2.0以上2.0以下かつb*が−2.0以上0.5以下であることを特徴とする前記積層体(ただし、L*、a*およびb*は、JIS Z8781−4で規定されるL***表色系における値を表わす。)に関する。
また、本発明は、カーボンナノチューブ含有層の膜厚が20μmである際、JIS Z 8741に準ずる60度鏡面光沢において、80以上であることを特徴とする前記積層体に関する。
また、本発明は、カーボンナノチューブ含有層をウエットコート法によって形成することを特徴とする前記積層体の製造方法に関する。
また、本発明は、平均外径が5nm以上15nm以下のカーボンナノチューブと溶剤と分散剤とを含んだ混合液を熱処理する工程と、湿式ジェットミルで分散する工程、メディアで分散する工程を含むことを特徴とする前記積層体の製造方法に関する。
本発明の積層体を使用することにより、漆黒性に優れた積層体が得られる。よって、高い漆黒性を有する色材が必要とされる様々な用途分野において、本発明で得られる積層体を使用することが可能である。
図1は実施例1で得られた積層体の走査型透過電子顕微鏡写真の100万倍写真であり、カーボンナノチューブ含有層のカーボンナノチューブ平均外径とカーボンナノチューブ密度測定に用いた写真である。 図2は実施例1で得られた積層体の走査型透過電子顕微鏡写真の2万倍写真であり、カーボンナノチューブ含有層のカーボンナノチューブ平均凝集粒子面積測定に用いた写真である。 図3は実施例3で得られた積層体の走査型透過電子顕微鏡写真の2万倍写真であり、カーボンナノチューブ含有層のカーボンナノチューブ平均凝集粒子面積測定に用いた写真である。
以下、本発明の実施形態について、詳しく説明する。本発明の積層体(c)は基材(a)、カーボンナノチューブ含有層(b)によって形成される。下記のカーボンナノチューブ含有層形成用樹脂組成物(b´)とは、カーボンナノチューブ含有層(b)、積層体(c)を形成するための分散体であり、層とは樹脂組成物により形成される、成形体である。
(1)基材(a)
基材としては、特に限定されるものではなく、鉄、アルミニウム、銅またはこれらの合金などの金属類、ガラス、セメント、コンクリート等の無機材料、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン―酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネード樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂(東レ社製ルミラー100T等)等の樹脂類や各種フィルム、FRP等のプラスチック材料、木材、繊維材料(紙、布等)等の天然または合成材料等が挙げられる。
(2)カーボンナノチューブ含有層形成用樹脂組成物(b´)
カーボンナノチューブ含有層形成用樹脂組成物(b´)は、カーボンナノチューブ、樹脂と必要に応じて分散剤、ワックス、溶媒を混合して熱処理する工程と、湿式ジェットミルで分散する工程、メディアで分散する工程により得られる。
熱処理工程は、温度50℃以上80℃以下で24時間以上行うことが好ましい。
分散工程は、湿式ジェットミル分散とメディア分散の組み合わせで行われる。湿式ジェットミル分散機として、例えば株式会社常光製「ナノジェットパルJN」、ナノマイザー社製「ナノマイザー」等が挙げられる。メディア分散機としてはペイントシェーカー、ボールミル、サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製「ダイノーミル」等)、アトライター、パールミル(アイリッヒ社製「DCPミル」等)、コボールミル、バスケットミルが挙げられる。
また、カーボンナノチューブ含有層形成用樹脂組成物(b´)を得るために高速攪拌機を使用することもできる。例えば、ホモディスパー(PRIMIX社製)、フィルミックス(PRIMIX社製)、ディゾルバー(井上製作所社製)、ハイパーHS(アシザワ・ファインテック社製)等が挙げられる。
カーボンナノチューブ含有層形成用樹脂組成物(b´)にカーボンナノチューブを用いる。カーボンナノチューブは、グラファイトの1枚面を巻いて円筒状にした形状を有しており、そのグラファイト層が2層またはそれ以上で巻いた多層カーボンナノチューブ(MWCNT)を用いる。また、カーボンナノチューブの側壁がグラファイト構造ではなく、アモルファス構造をもったカーボンナノチューブを用いることもできる。
カーボンナノチューブの形状は、針状、円筒チューブ状、魚骨状(フィッシュボーン、カップ積層型)、トランプ状(プレートレット)、コイル状の形態などいずれの形態を有するものであってもよい。具体的には、例えばグラファイトウィスカー、フィラメンタスカーボン、グラファイトファイバー、極細炭素チューブ、カーボンチューブ、カーボンフィブリル、カーボンマイクロチューブ、カーボンナノファイバーなどを挙げることができる。これらの形態として1種または2種以上を組み合わせた形態において使用することができる。本発明は魚骨状(フィッシュボーン、カップ積層型)、トランプ状(プレートレット)、コイル状以外の形態であることが好ましい。魚骨状、トランプ状の場合は、樹脂組成物・成形体の製造時に発生するせん断応力によりカップ・トランプ状グラファイトシートの積層面(x−y面)よりカーボンナノチューブの切断が起こり、樹脂中に十分なネットワーク構造を形成できず、光閉じ込め効果が減少して黒度の低下に繋がる恐れがある。コイル状の場合も同様に、製造時にその3次元構造が破壊されやすく、着色効果が低下する可能性がある。
本発明に使用されるカーボンナノチューブの平均外径は、5〜15nmであり、8〜12nmがより好ましい。なお、カーボンナノチューブ平均外径は後述の実施例に記載の方法で求められる。
カーボンナノチューブの繊維長は、分散の容易さや色相の観点から、0.1〜150μmが好ましく、1〜50μmがより好ましい。
カーボンナノチューブの炭素純度は、カーボンナノチューブ100質量%中、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましい。
カーボンナノチューブは、一般的に二次粒子として存在している。この二次粒子形状は、例えば一般的な一次粒子であるカーボンナノチューブが複雑に絡み合っている状態でもよく、ほぐれ易くカーボンナノチューブを直線状にしたものの集合体であっても良い。直線状のカーボンナノチューブの集合体である二次粒子は絡み合っているものと比べると分散性が良いので好ましい。
カーボンナノチューブは、表面処理を行ったものや、カルボキシル基などの官能基を付与させたカーボンナノチューブ誘導体であってもよい。また、有機化合物や金属原子、フラーレン等を内包させたカーボンナノナノチューブ等も用いることができる。
カーボンナノチューブ含有層形成用樹脂組成物(b´)に用いる樹脂は、天然樹脂、合成樹脂から選ばれる1種ないし2種以上を組み合わせて使用することができる。
天然樹脂としては、天然ゴム、ゼラチン、ロジン、セラック、多糖類、ギルソナイト等が挙げられる。また、合成樹脂としては、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、石油樹脂、ビニル系樹脂、オレフィン樹脂、合成ゴム、ポリエステル、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アミノ樹脂、アミド樹脂、イミド樹脂、フッ素系樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート、シリコーン系樹、ニトロセルロース、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性ポリアミド樹脂等が挙げられる。これらの樹脂のうち、耐光性の観点からカーボンナノチューブ含有層形成用樹脂組成物(b´)にはアクリル樹脂および/またはポリエステル樹脂が含まれていることが好ましい。
特に、例えば、主剤として水酸基を含有するポリオール樹脂を使用し、硬化剤がイソシアネートである2液クリア塗料(例えば、2液硬化型ウレタン塗料)が好ましい。得られる塗膜が耐候性に優れたものとなるからである。上記主剤として使用されるポリオール樹脂は、特に限定されないが、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオール等が挙げられる。
硬化剤として用いるイソシアネートとしては、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ビスフェニレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロペンチレンジイソシアネート、シクロへキシレンジイソシアネート、メチルシクロへキシレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、エチルエチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。
カーボンナノチューブ含有層形成用樹脂組成物(b´)としてエマルジョン塗料が用いられる場合の樹脂は水溶性樹脂が用いられる。水溶性樹脂としては、酸価が20〜70mgKOH/gで、水酸基価が20〜160mgKOH/gの水溶性樹脂が好ましく、具体的には、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂が特に好ましい。水溶性樹脂として好適に用いられるポリエステル樹脂は、多価アルコール及び多塩基酸を樹脂原料として用いて得られる、酸価が20〜70mgKOH/g、好ましくは25〜60mgKOH/g、特に好ましくは30〜55mgKOH/gで、水酸基価が20〜160mgKOH/g、好ましくは80〜130mgKOH/gの水溶性樹脂である。
水溶性ポリエステル樹脂は、その樹脂原料として、通常のポリエステル樹脂を構成する多価アルコール、多塩基酸及び必要に応じ油脂類を用い、公知のエステル化反応によって容易に得ることができる。多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、水素化ビスフェノールA、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリット、ジペンタエリトリット等が挙げられる。これらの多価アルコールは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。該多塩基酸としては、例えば、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水トリメリット酸等を挙げることができる。これらの多塩基酸は1種用いてもよいし、2 種以上を組み合わせて用いてもよい。油脂類としては、例えば、大豆油、椰子油、サフラワー油、ぬか油、ひまし油、きり油、あまに油、トール油、及びこれから得られる脂肪酸を挙げることができる。
水溶性樹脂として好適に用いられるアクリル樹脂は、ビニル系モノマーを樹脂原料として用いて得られる、酸価が20〜70mgKOH/g、好ましくは22〜50mgKOH/g、特に好ましくは23〜40mgKOH/gで、水酸基価が20〜160mgKOH/g、好ましくは80〜150mgKOH/gの水溶性樹脂である。
水溶性アクリル樹脂は、その樹脂原料として、通常のアクリル樹脂を構成するビニル系モノマーを用いて、有機過酸化物を開始剤とする公知の溶液重合法等によって、容易に得ることができる。
ビニル系モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸類、アクリル酸またはメタクリル酸のメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、ターシャリーブチル、2−エチルヘキシル、ラウリル、シクロヘキシル、ステアリル等のアルキルエステル類、アクリル酸またはメタクリル酸の2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、分子量1000以下のポリエチレングリコール等のヒドロキシアルキルエステル類、アクリル酸またはメタクリル酸のアミド類またはそれらのアルキルエーテル類、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、ジアセトンメタクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド等が挙げられる。
更に、エポキシ基を持つグリシジル(メタ)アクリレートや第3級アミノ基を含むモノマー類、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。この他、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルピリジン等の芳香族モノマー、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、マレイン酸、またはフマル酸のモノまたはジアルキルエステル類等が挙げられる。
有機過酸化物としては、例えば、アシルパーオキシド類(例えば、過酸化ベンゾイル)、アルキルヒドロパーオキシド類(例えば、t−ブチルヒドロパーオキシド、p−メタンヒドロパーオキシド)、ジアルキルパーオキシド類(例えば、ジ−t−ブチルパーオキシド)等が挙げられる。
水溶性樹脂として好適に用いられるポリウレタン樹脂は、ポリオールとポリイソシアネートを原料として用いて得られる、酸価が20〜70mgKOH/g、好ましくは22〜50mgKOH/g、特に好ましくは23〜35mgKOH/gで、水酸基価が20〜160mgKOH/g、好ましくは25〜50mgKOH/gの水溶性樹脂である。
水溶性ポリウレタン樹脂は、その樹脂原料として、通常のポリウレタン樹脂を構成するポリオールとポリイソシアネートを用いて、付加重合することによって、容易に得ることができる。
ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール等が挙げられる。また、ポリイソシアネートとしては、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ビスフェニレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロペンチレンジイソシアネート、シクロへキシレンジイソシアネート、メチルシクロへキシレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、エチルエチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。
水溶性のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂等は、通常、塩基性物質で中和することにより水溶性が付与される。この際、塩基性物質は、水溶性樹脂に含まれている酸性基の40モル%以上を中和するのに必要な量を用いることが好ましい。上記の塩基性物質としては、例えば、アンモニア、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、トリエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−アミノエチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、モルホリン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジメチルエタノールアミン等が挙げられる。
水溶性樹脂の数平均分子量は特に制限ないが、通常500〜50000が好ましく、800〜25000がより好ましく、1000〜12000が特に好ましい。
また、カーボンナノチューブ含有層形成用樹脂組成物(b´)を得るために、UV硬化性樹脂を使用できる。代表的なものとしては、不飽和アクリル系化合物、ポリケイ皮酸ビニル類あるいはアジド化樹脂等が使用できる。不飽和アクリル系化合物としては、アクリル系またはメタクリル系不飽和基を1ないし数個有するモノマー、オリゴマー或いはそれ等の混合物であって、プロピレン(またはブチレン、エチレン)グリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等の単量体または分子量10,000以下のオリゴエステルが例示される。具体的には、例えば特殊アクリレート(2官能)のアロニックスM−210,アロニックスM−215,アロニックスM−220,アロニックスM−233,アロニックスM−240,アロニックスM−245;(3官能)のアロニックスM−305,アロニックスM−309,アロニックスM−310,アロニックスM−315,アロニックスM−320,アロニックスM−325,および(多官能)のアロニックスM−400(東亜合成株式会社製)などが例示できる。
また、カーボンナノチューブ含有層形成用樹脂組成物(b´)を得るために熱可塑性樹脂を用いてもよい。例としては、高密度ポリエチレン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、超低密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブタジエン樹脂、環状オレフィン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリスチレン樹脂、エチレン酢酸ビニルコポリマー、アイオノマー樹脂、エチレンビニルアルコール共重合樹脂、エチレンアクリル酸エチル共重合体、アクリロニトリル・スチレン樹脂、アクリロニトリル・塩素化ポリスチレン・スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル・EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)・スチレン共重合樹脂、シリコーンゴム・アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂、セルロース・アセテート・ブチレート樹脂、酢酸セルロース樹脂、メタクリル樹脂、エチレン・メチルメタクリレートコポリマー樹脂、エチレン・エチルアクリレート樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ4フッ化エチレン樹脂、4フッ化エチレン・6フッ化プロピレン共重合樹脂、4フッ化エチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂、4フッ化エチレン・エチレン共重合樹脂、ポリ3フッ化塩化エチレン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ナイロン4,6、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロン6,12、ナイロン12、ナイロン6,T、ナイロン9,T、芳香族ナイロン樹脂、ポリアセタール樹脂、超高分子量ポリエチレン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、非晶性コポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、液晶ポリマー、ポリテトラフロロエチレン樹脂、ポリフロロアルコキシ樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリケトン樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、生分解樹脂、バイオマス樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの樹脂2種以上を共重合させたものであっても良い。
また、生分解樹脂、バイオマス樹脂も用いることができる。生分解樹脂は単にプラスチックがバラバラになることではなく、微生物の働きにより、分子レベルまで分解し、最終的には二酸化炭素と水となって自然界へと循環していく性質を持った樹脂であり、その原料は有機資源由来の物質である必要性が無い樹脂を示す。一方、バイオマス樹脂とは有機資源由来の物質からなる樹脂で生分解性を有さなくても良い樹脂を示す。生分解樹脂、バイオマス樹脂の両方に属する樹脂も多い。具体的にはポリ乳酸、ポリカプロラクトン、または脂肪族ジカルボン酸と多価アルコールとを原料として得られる脂肪族ポリエステル系樹脂の他、微生物または植物より合成されたポリエステル樹脂等が挙げられる。特にポリ乳酸が好ましい。
分散剤としては、界面活性剤または樹脂型分散剤を使用することができる。界面活性剤は主にアニオン性、カチオン性、ノニオン性、両性に分類され、要求特性に応じて適宜好適な種類、配合量を選択して使用することができる。好ましくは、樹脂型分散剤である。
アニオン性界面活性剤としては、特に限定されるものではなく、具体的には脂肪酸塩、ポリスルホン酸塩、ポリカルボン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸スルホン酸塩、グリセロールボレイト脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセロール脂肪酸エステルなどが挙げられ、具体的にはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステル塩、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩などが挙げられる。
カチオン性活性剤としては、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類があり、具体的にはステアリルアミンアセテート、トリメチルヤシアンモニウムクロリド、トリメチル牛脂アンモニウムクロリド、ジメチルジオレイルアンモニウムクロリド、メチルオレイルジエタノールクロリド、テトラメチルアンモニウムクロリド、ラウリルピリジニウムクロリド、ラウリルピリジニウムブロマイド、ラウリルピリジニウムジサルフェート、セチルピリジニウムブロマイド、4−アルキルメルカプトピリジン、ポリ(ビニルピリジン)−ドデシルブロマイド、ドデシルベンジルトリエチルアンモニウムクロリドなどが挙げられる。両性界面活性剤としては、アミノカルボン酸塩などが挙げられる。
ノニオン性活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン誘導体、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アルキルアリルエーテルなどが挙げられ、具体的にはポリオキシエチレンラウリルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等などが挙げられる。
界面活性剤の選択に際しては1種類に限定されるものではなく、アニオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤など、2種以上の界面活性剤を併用して使用することも可能である。その際の配合量は、それぞれの活性剤成分に対して前述した配合量とすることが好ましい。好ましくは、アニオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤の併用が良く、アニオン性界面活性剤としては、ポリカルボン酸塩、ノニオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレンフェニルエーテルが好ましい。
樹脂型分散剤として具体的には、ポリウレタン;ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル;不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物;ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤;(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物;ポリエステル系樹脂、変性ポリアクリレート系樹脂、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、リン酸エステル系樹脂等が用いられ、これらは単独または2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
上記分散剤のうち少量の添加量で分散組成物の粘度が低くなり、高い分光透過率を示すという理由から、ポリカルボン酸のような酸性官能基を有する樹脂型分散剤が好ましい。樹脂型分散剤は、カーボンナノチューブに対して3〜300質量%程度使用することが好ましく、成膜性の観点から5〜100質量%程度使用することがより好ましい。
市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミー社製のDisperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155またはAnti−Terra−U、203、204、またはBYK−P104、P104S、220S、6919、またはLactimon、Lactimon−WSまたはBykumen等;日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE−3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、76500等;BASFジャパン社製のEFKA−46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503、等;味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
カーボンナノチューブ含有層形成用樹脂組成物(b´)に用いるワックスとしては、ポリエチレン系ワックス、ポリプロピレン系ワックス、サゾールワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、シュラックワックス等から選ばれる1種類または2種類以上であることが好ましい。これらの中でもポリエチレン系ワックスまたはポリプロピレン系ワックスがより好ましい。
カーボンナノチューブ含有層形成用樹脂組成物(b´)に必要に応じて用いる溶媒は特に限定されるものではなく、水、有機溶媒のいずれも用いることができる。
有機溶媒としては、沸点が50〜250℃の有機溶媒が、塗工時の作業性や硬化前後の乾燥性の点から用いやすい。具体的な溶媒の例としては、メタノール、エタノールおよびイソプロピルアルコールなどのアルコール系溶媒、アセトン、ブチルジグリコールアセテート、メチルエチルケトン(MEK)などのケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、3-エトキシプロピオン酸エチル(EEP)等のエステル系溶媒、ジブチルエーテル、エチレングリコール、モノブチルエーテル等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン、ソルベッソ150(東燃ゼネラル石油社製)などの芳香族系溶媒、N−メチル−2−ピロリドンなどの非プロトン性極性溶媒などを用いることができる。これらの溶媒は、単独あるいは2種以上を混合して用いることもできる。
また、前記溶媒のほかにも、必要に応じて、例えば顔料、濡れ浸透剤、皮張り防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、架橋剤、防腐剤、防カビ剤、粘度調整剤、pH調整剤、レベリング剤、消泡剤などの添加剤を本発明の目的を阻害しない範囲で適宜配合することができる。
(3)カーボンナノチューブ含有層(b)
カーボンナノチューブ含有層(b)はカーボンナノチューブ含有層層形成用樹脂組成物(b´)を使用して得た層である。
カーボンナノチューブは1〜20質量%含有し、5〜10質量%含有することが好ましい。この範囲内であれば、優れた漆黒性が得られる。
カーボンナノチューブ含有層(b)を形成する方法としては、形成する物質により最適な方法を選択すれば良く、加熱硬化、真空蒸着、EB蒸着、スパッタ蒸着などのドライ法、キャスト、スピンコート、ディップコート、バーコート、スプレー、ブレードコート、スリットダイコート、グラビアコート、リバースコート、スクリーン印刷、鋳型塗布、印刷転写、インクジェットなどのウエットコート法、射出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法、ブロー成形法等、一般的な方法を挙げることができる。
カーボンナノチューブ含有層(b)の膜厚は、0.5μm以上であることが好ましく、1μm以上であることがより好ましい。さらに、40μm以下であることが好ましい。0.5μm以上ならば、隠蔽性が十分に得られる。40μm以下であれば、硬化スピード等の実用性に優れる。
(4)積層体(c)
本発明の積層体(c)は少なくとも基材(a)とカーボンナノチューブ含有層(b)の二層から構成される。基材(a)とカーボンナノチューブ含有層(b)との間に他の層が設けられていてもよい。
本発明の積層体(c)の形成方法では、基材(a)に対し直接カーボンナノチューブ含有層(b)が形成されるが、積層体(c)が自動車車体および部品の場合は予め化成処理、電着塗装等による下塗り塗装、中塗り塗装等を施しておくことが好ましい。この中塗り塗装は、下地の隠ぺい、耐チッピング性の付与および上塗りとなる基材(a)との密着性確保のために塗膜を形成するものである。
カーボンナノチューブ含有層(b)中のカーボンナノチューブの平均外径が5nm以上15nm以下であり、8nm以上12nm以下が好ましい。なお、カーボンナノチューブ含有層(b)中のカーボンナノチューブ平均外径は後述の実施例に記載の方法で求められる。
カーボンナノチューブ平均凝集粒子面積は、0.2μm2以上1.0μm2以下である。なお、カーボンナノチューブ含有層(b)中のカーボンナノチューブ平均凝集面積は後述の実施例に記載の方法で求められる。
カーボンナノチューブ凝集粒子内のカーボンナノチューブ密度は300本/μm2以上800本/μm2以下である。なお、カーボンナノチューブ含有層(b)中のカーボンナノチューブ凝集粒子内のカーボンナノチューブ密度は後述の実施例に記載の方法で求められる。
積層体(c)のカーボンナノチューブ含有層が積層された面方向から測定したとき、カーボンナノチューブ含有層の膜厚が20μmである際、積層体(c)のJIS Z8781−4に基づいたL*,a*,b*表色系におけるL*は1.0以下であり、0.7以下であることがより好ましい。また、a*は−2.0以上2.0以下であり、b*は−2.0以上0.5以下であり、−2.0以上0以下であることが好ましく、−2.0以上−1.0以下であることがより好ましい。特に斯かる範囲であれば、漆黒性に優れた積層体(c)が得られる。L*が小さい程、黒度が高い(明度が低い)ことを示す。a*とb*はゼロ(0)に近い値である程、黒い色相であるといえる。また、b*がマイナスである程、青味(青色)が強い色相であるといえる。したがって、漆黒性という観点では、若干青味(青色)を有する黒色である場合が、漆黒性が高いと考えられるため、上記の数値範囲が好ましいと考えられる。
積層体(c)のカーボンナノチューブ含有層が積層された面方向から測定したとき、カーボンナノチューブ含有層の膜厚が20μmである際、60度鏡面光沢は80以上であることが好ましく、85以上であることがさらに好ましい。特に斯かる範囲であれば、光沢によりL*を小さくできるため、漆黒性に優れた積層体(c)が得られる。
以下本発明について実施例を掲げて更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、本実施例中で単に「%」と記載した場合は「質量%」を指すものとする。
<物性の測定方法>
後述の各実施例及び比較例において使用されたカーボンナノチューブ平均外径、積層体のL***値、光沢、カーボンナノチューブ平均外径、カーボンナノチューブ平均凝集粒子面積、カーボンナノチューブ密度は、以下の方法により測定した。
[カーボンナノチューブ平均外径の測定方法]
透過型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製H−7650)によって、得られたカーボンナノチューブを観測した。観測写真において、任意の100個のカーボンナノチューブを選び、それぞれの外径を計測し、その数平均値を求めることによりカーボンナノチューブ平均外径(nm)を算出した。
[L***の測定方法]
積層体(c)について、カーボンナノチューブ含有層が積層された面方向から、色差計(NIPONDENSHOKU社製、SpectroColorMeterSE2000)を用いてJIS Z8781−4で規定される明度(L*)および色度(a*、b*)を測定した。
[光沢の評価方法]
積層体(c)について、カーボンナノチューブ含有層が積層された面方向から、JIS Z 8741に準じて、グロスメーターGM−26D(村上色彩研究所製)で60度鏡面光沢を測定した。
[カーボンナノチューブ含有層(b)中のカーボンナノチューブ平均外径の測定方法]
積層体(c)について、カーボンナノチューブ含有層が積層された面方向から垂直に切削して得た薄片を、走査型透過電子顕微鏡(日本電子株式会社製JEM−2800)によって、観察倍率2万倍の画像を撮影し、カーボンナノチューブ凝集粒子部分を拡大し、観察倍率100万倍 の画像より任意の100個のカーボンナノチューブを選び、それぞれの外径を計測し、その数平均値を求めることによりカーボンナノチューブ含有層(b)中のカーボンナノチューブ平均外径(nm)を算出した。
[カーボンナノチューブ平均凝集粒子面積の測定方法]
積層体(c)について、カーボンナノチューブ含有層が積層された面方向から垂直に切削して得た薄片を、走査型透過電子顕微鏡(日本電子株式会社製JEM−2800)によって取得した、観察倍率2万倍の二次電子像について、約100個のカーボンナノチューブ凝集粒子の面積を計測し、その数平均値を求めることによりカーボンナノチューブ平均凝集粒子面積(μm2)を算出した。
[カーボンナノチューブ密度の測定方法]
積層体(c)について、カーボンナノチューブ含有層が積層された面方向から垂直に切削して得た薄片を、走査型透過電子顕微鏡(日本電子株式会社製JEM−2800)によって、観察倍率2万倍の画像を撮影し、カーボンナノチューブ凝集粒子部分を拡大し、観察倍率100万倍 の画像より面積計27μm2中のカーボンナノチューブの本数をカウントし、1μm2中のカーボンナノチューブ密度(本/μm2)を算出した。
<カーボンナノチューブ合成用触媒の作製例>
(作製例)
<カーボンナノチューブ合成用触媒(触媒−1)>
水酸化コバルト74部、担持成分としての酢酸マグネシウム・四水和物172部および助触媒成分としての炭酸マンガン10部をビーカーに秤取り、均一になるまで撹拌した。耐熱性容器に移し替え、電気オーブンを用いて、190±5℃の温度で30分間乾燥させて水分を蒸発させた後、乳鉢で粉砕してカーボンナノチューブ合成用触媒(触媒−1)の前駆体を得た。得られたカーボンナノチューブ合成用触媒(触媒−1)の前駆体100部を耐熱容器に秤取り、マッフル炉にて、空気中500±5℃雰囲気下で30分間焼成した後、乳鉢で粉砕してカーボンナノチューブ合成用触媒(触媒−1)を得た。
<カーボンナノチューブ合成用触媒(触媒−2)>
水酸化コバルト74部、担持成分としての酢酸マグネシウム・四水和物172部および助触媒成分としての酢酸マンガン・四水和物20部をビーカーに秤取り、均一になるまで撹拌した。耐熱性容器に移し替え、電気オーブンを用いて、190±5℃の温度で30分間乾燥させて水分を蒸発させた後、乳鉢で粉砕してカーボンナノチューブ合成用触媒(触媒−2)の前駆体を得た。得られたカーボンナノチューブ合成用触媒(触媒−2)の前駆体100部を耐熱容器に秤取り、マッフル炉にて、空気中500±5℃雰囲気下で30分間焼成した後、乳鉢で粉砕してカーボンナノチューブ合成用触媒(触媒−2)を得た。
<カーボンナノチューブ合成用触媒(触媒−3)>
酢酸コバルト・四水和物200部、担持成分としての酢酸マグネシウム・四水和物172部、助触媒成分として炭酸マンガン・四水和物20部をビーカーに秤取り、均一になるまで撹拌した。耐熱性容器に移し替え、電気オーブンを用いて、190±5℃の温度で30分間乾燥させて水分を蒸発させた後、乳鉢で粉砕してカーボンナノチューブ合成用触媒(触媒−3)の前駆体を得た。得られたカーボンナノチューブ合成用触媒(触媒−3)の前駆体100部を耐熱容器に秤取り、マッフル炉にて、空気中500±5℃雰囲気下で30分間焼成した後、乳鉢で粉砕してカーボンナノチューブ合成用触媒(触媒−3)を得た。
<カーボンナノチューブ合成用触媒(触媒−4)>
酢酸コバルト・四水和物200部、担持成分としての酢酸マグネシウム・四水和物172部、助触媒成分として酢酸マンガン・四水和物20部、発泡成分としてL−アスコルビン酸ナトリウム50部、イオン交換水1600部をビーカーに秤取り、均一になるまで撹拌した。耐熱性容器に移し替え、電気オーブンを用いて、190±5℃の温度で30分間乾燥させて水分を蒸発させた後、乳鉢で粉砕してカーボンナノチューブ合成用触媒(触媒−4)の前駆体を得た。得られたカーボンナノチューブ合成用触媒(触媒−4)の前駆体100部を耐熱容器に秤取り、マッフル炉にて、空気中500±5℃雰囲気下で30分間焼成した後、乳鉢で粉砕してカーボンナノチューブ合成用触媒(触媒−4)を得た。
<カーボンナノチューブの作製例>
(作製例)
<カーボンナノチューブ(CNT−1)>
横型反応管の中央部に、カーボンナノチューブ合成用触媒(触媒−1)1.0gを散布した石英ガラス製耐熱皿を設置した。横型反応管は加圧可能であり、かつ外部ヒーターで加熱可能であり、かつ内容積が10リットルであった。横型反応管にアルゴンガスを注入しながら排気を行うことで、反応管内の空気をアルゴンガスで置換した。置換後の横型反応管中の雰囲気を酸素濃度1体積%以下とした。次いで、横型反応管内の中心部温度が680℃になるまで外部ヒーターにて反応管を加熱した。中心部温度が680℃に到達した後、毎分0.1リットルの流速で1分間、水素ガスを反応管内に導入することで、触媒を活性化する処理をした。その後、炭素源としてエチレンガスを毎分1リットルの流速で反応管内に導入することで、1時間反応を行った。反応終了後、反応管内のガスをアルゴンガスで置換することで、反応管内の温度が100℃以下になるまで反応管を冷却した。冷却後、生成したカーボンナノチューブを採取した。得られたカーボンナノチューブは、80メッシュの金網で粉砕するとともにろ過した。平均外径は9.5nmであった。
<カーボンナノチューブ(CNT−2)>
横型反応管の中央部に、カーボンナノチューブ合成用触媒(触媒−2)1.0gを散布した石英ガラス製耐熱皿を設置した。横型反応管は加圧可能であり、かつ外部ヒーターで加熱可能であり、かつ内容積が10リットルであった。横型反応管にアルゴンガスを注入しながら排気を行うことで、反応管内の空気をアルゴンガスで置換した。置換後の横型反応管中の雰囲気を酸素濃度1体積%以下とした。次いで、横型反応管内の中心部温度が680℃になるまで外部ヒーターにて反応管を加熱した。中心部温度が680℃に到達した後、毎分0.1リットルの流速で1分間、水素ガスを反応管内に導入することで、触媒を活性化する処理をした。その後、炭素源としてエチレンガスを毎分1リットルの流速で反応管内に導入することで、1時間反応を行った。反応終了後、反応管内のガスをアルゴンガスで置換することで、反応管内の温度が100℃以下になるまで反応管を冷却した。冷却後、生成したカーボンナノチューブを採取した。得られたカーボンナノチューブは、80メッシュの金網で粉砕するとともにろ過した。平均外径は11.5nmであった。
<カーボンナノチューブ(CNT−3)>
横型反応管の中央部に、カーボンナノチューブ合成用触媒(触媒−3)1.0gを散布した石英ガラス製耐熱皿を設置した。横型反応管は加圧可能であり、かつ外部ヒーターで加熱可能であり、かつ内容積が10リットルであった。横型反応管にアルゴンガスを注入しながら排気を行うことで、反応管内の空気をアルゴンガスで置換した。置換後の横型反応管680℃になるまで外部ヒーターにて反応管を加熱した。中心部温度が680℃に到達した後、毎分0.1リットルの流速で1分間、水素ガスを反応管内に導入することで、触媒を活性化する処理をした。その後、炭素源としてエチレンガスを毎分1リットルの流速で反応管内に導入することで、1時間反応を行った。反応終了後、反応管内のガスをアルゴンガスで置換することで、反応管内の温度が100℃以下になるまで反応管を冷却した。冷却後、生成したカーボンナノチューブを採取した。得られたカーボンナノチューブは、80メッシュの金網で粉砕するとともにろ過した。平均外径は14nmであった。
<カーボンナノチューブ(CNT−4)>
横型反応管の中央部に、カーボンナノチューブ合成用触媒(触媒−4)1.0gを散布した石英ガラス製耐熱皿を設置した。横型反応管は加圧可能であり、かつ外部ヒーターで加熱可能であり、かつ内容積が10リットルであった。横型反応管にアルゴンガスを注入しながら排気を行うことで、反応管内の空気をアルゴンガスで置換した。置換後の横型反応管中の雰囲気を酸素濃度1体積%以下とした。次いで、横型反応管内の中心部温度が680℃になるまで外部ヒーターにて反応管を加熱した。中心部温度が680℃に到達した後、毎分0.1リットルの流速で1分間、水素ガスを反応管内に導入することで、触媒を活性化する処理をした。その後、炭素源としてエチレンガスを毎分1リットルの流速で反応管内に導入することで、1時間反応を行った。反応終了後、反応管内のガスをアルゴンガスで置換することで、反応管内の温度が100℃以下になるまで反応管を冷却した。冷却後、生成したカーボンナノチューブを採取した。得られたカーボンナノチューブは、80メッシュの金網で粉砕するとともにろ過した。平均外径は20nmであった。
(実施例1)[積層体(C1)]
カーボンナノチューブ(CNT−1、平均外径9.5nm)1.86g、分散剤として樹脂型分散剤(ビックケミー社製、Disperbyk−111、不揮発分100%)3.72g、溶媒としてソルベッソ150(東燃ゼネラル石油社製)16.2g、トルエン24.4g、キシレン24.4g、酢酸ブチル16.2gを445cm3のガラス瓶に仕込み蓋をして50℃の恒温槽に24時間浸け熱処理を行った。そこに樹脂としてアクリル系樹脂(DIC社製、アクリディック47−712、不揮発分50%)78.9gをディスパーで10分間撹拌しカーボンナノチューブ混合溶液を得た。この混合液を、圧力170MPaで60分間、湿式ジェットミル(株式会社常光製、ナノジェットパルJN20)を用いて分散し混合液を得た。次いで、この混合液100gを445cm3のガラス瓶に仕込み、ジルコニアビーズ(ビーズ径1.0mmφ)をメディアとしてペイントシェーカーを用いて180分間分散を行い、次いでメラミン樹脂(DIC社製、スーパーベッカミンL−117−60、不揮発分60%)19.3gを加え10分間分散を行い、カーボンナノチューブ含有層形成用樹脂組成物(B1)を得た。ついで、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム(東レ社製、ルミラー100、T60)を基材として、片面にカーボンナノチューブ含有層形成用樹脂組成物(B1)を乾燥後の膜厚が20μmになるようにエアスプレーを用いてウエットコート法によって形成し、電気オーブン中で150±5℃にて60分間乾燥させ、基材上にカーボンナノチューブ含有層を形成し、積層体(C1)を作製した。
(実施例2〜6)[積層体(C2)〜(C6)]
表1に掲載した、原料とビーズ径と分散時間の条件を変更した以外は、実施例1と同様にして製造を行い、積層体(C2)〜(C6)を得た。
表1に実施例1〜6で作製した積層体の作製条件を示す。
Figure 0006891520
表2に実施例1〜6で作製した積層体の評価結果を示す。
[光沢の評価]
60度鏡面光沢において、積層体(c)のカーボンナノチューブ含有層から測定した値が、80以上のものを○、80未満のものを×とした。
[漆黒性の評価]
漆黒性の評価の基準は、上記積層体(c)のカーボンナノチューブ含有層から測定したL*が0.7未満のものを◎、L*が0.7以上1.7未満のものを○、L*が1.7以上2.5未満のものを△、L*が2.5以上のものを×とした。さらにb*が−0.2未満のものには+(プラス)、−0.2以上のものには−(マイナス)を付け評価した。
Figure 0006891520
(比較例1)[積層体(C7)]
カーボンナノチューブ(Elicarb SW、トーマススワン社製、平均外径1.5nm)0.186g、分散剤として樹脂型分散剤(ビックケミー社製、Disperbyk−111、不揮発分100%)3.72g、溶媒としてソルベッソ150(東燃ゼネラル石油社製)16.2g、トルエン24.4g、キシレン24.4g、酢酸ブチル16.2gを445cm3のガラス瓶に仕込み蓋をして50℃の恒温槽に24時間浸け熱処理を行った。そこに樹脂としてアクリル系樹脂(DIC社製、アクリディック47−712、不揮発分50%)78.9gをディスパーで10分間撹拌しカーボンナノチューブ混合溶液を得た。この混合液を、圧力170MPaで60分間、湿式ジェットミル(株式会社常光製、ナノジェットパルJN20)を用いて分散し混合液を得た。次いで、この混合液100gを445cm3のガラス瓶に仕込み、ジルコニアビーズ(ビーズ径1.0mmφ)をメディアとしてペイントシェーカーを用いて180分間分散を行い、次いでメラミン樹脂(DIC社製、スーパーベッカミンL−117−60、不揮発分60%)19.3gを加え10分間分散を行い、カーボンナノチューブ含有層形成用樹脂組成物(B7)を得た。ついで、PETフィルム(東レ社製、ルミラー100、T60)を基材として、片面にカーボンナノチューブ含有層形成用樹脂組成物(B7)を乾燥後の膜厚が20μmになるようにエアスプレーを用いてウエットコート法によって形成し、電気オーブン中で150±5℃にて60分間乾燥させ、基材上にカーボンナノチューブ含有層を形成し、積層体(C7)を作製した。
(比較例2)[積層体(C8)]
カーボンナノチューブ(CNT−1、外径9.5nm)1.86g、分散剤として樹脂型分散剤(ビックケミー社製、Disperbyk−111、不揮発分100%)3.72g、溶媒としてソルベッソ150(東燃ゼネラル石油社製)16.2g、トルエン24.4g、キシレン24.4g、酢酸ブチル16.2g、樹脂としてアクリル系樹脂(DIC社製、アクリディック47−712、不揮発分50%)78.9gをディスパーで10分間撹拌しカーボンナノチューブ混合溶液を得た。この混合液100gを445cm3のガラス瓶に仕込み、ジルコニアビーズ(ビーズ径3.0mmφ)をメディアとしてペイントシェーカーを用いて300分間分散を行い、次いでメラミン樹脂(DIC社製、スーパーベッカミンL−117−60、不揮発分60%)19.3gを加え10分間分散を行い、カーボンナノチューブ含有層形成用樹脂組成物(B8)を得た。ついで、PETフィルム(東レ社製、ルミラー100、T60)を基材として、片面にカーボンナノチューブ含有層形成用樹脂組成物(B8)を乾燥後の膜厚が20μmになるようにエアスプレーを用いてウエットコート法によって形成し、電気オーブン中で150±5℃にて60分間乾燥させ、基材上にカーボンナノチューブ含有層を形成し、積層体(C8)を作製した。
(比較例3〜4)[積層体(C9)〜(C10)]
表3に掲載した、原料とビーズ径の条件を変更した以外は、比較例2と同様にして製造を行い、積層体(C9)〜(C10)を得た。
(比較例5)[積層体(C11)]
表3に掲載した、原料の条件を変更した以外は、比較例1と同様にして製造を行い、積層体(C11)を得た。
表3に比較例1〜5で作製した積層体の作製条件を示す。
Figure 0006891520
表4に比較例1〜5で作製した積層体の評価結果を示す。
Figure 0006891520
本発明の積層体のカーボンナノチューブ含有層は、カーボンナノチューブの平均外径が5nm以上15nm以下、カーボンナノチューブ平均凝集粒子面積が0.2μm2以上1.0μm2以下、カーボンナノチューブ凝集粒子内のカーボンナノチューブ密度が300本/μm2以上800本/μm2以下で制御され、その範囲であれば高い光沢性と漆黒性を有する積層体を得られることがわかった。
以上、本発明を特定の態様に沿って説明したが、当業者に自明の変形や改良は本発明の範囲に含まれる。
本発明に係る積層体は、漆黒性が高く、成形加工性に優れるので、住宅・建材用途、自動車車体、自動車部材、電気・電子部品、雑貨、フィルム等に好適に使用できる。特に、高い意匠性が求められる外観部材として好適であり、車両用部材や家電製品部材、家具用部品、OA筐体用途、フィルム用途等に好適に用いられる。
1 カーボンナノチューブ
2 カーボンナノチューブ凝集粒子

Claims (5)

  1. 少なくとも基材と基材上にカーボンナノチューブ含有層とを有する積層体であって、カーボンナノチューブ含有層は少なくともカーボンナノチューブと樹脂を含み、カーボンナノチューブを1〜20質量%含有し、カーボンナノチューブの平均外径が5nm以上15nm以下であり、カーボンナノチューブ平均凝集粒子面積が0.2μm2以上1.0μm2以下であり、カーボンナノチューブ凝集粒子内のカーボンナノチューブ密度が300本/μm2以上800本/μm2以下であることを特徴とする積層体。
  2. カーボンナノチューブ含有層の膜厚が20μmである際、積層された面の垂線方向に対して45°の角度で入射した光の正反射光からのオフセット角45°のL*が1.0以下
    、a*が−2.0以上2.0以下かつb*が−2.0以上0.5以下であることを特徴とする請求項1記載の積層体。(ただし、L*、a*およびb*は、JIS Z8781−4で
    規定されるL***表色系における値を表わす。)
  3. カーボンナノチューブ含有層の膜厚が20μmである際、JIS Z 8741に準ずる60度鏡面光沢において、80以上であることを特徴とする請求項1または2記載の積層体。
  4. カーボンナノチューブ含有層をウエットコート法によって形成することを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の積層体の製造方法。
  5. 平均外径が5nm以上15nm以下のカーボンナノチューブと溶剤と分散剤とを含んだ混合液を50℃以上80℃以下で熱処理する工程と、湿式ジェットミルで分散する工程、メディアで分散する工程を含むことを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の積層体の製造方法。

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