JP6891193B2 - 特定の炭化水素系樹脂を含むゴム組成物 - Google Patents

特定の炭化水素系樹脂を含むゴム組成物 Download PDF

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Description

本発明は、とりわけタイヤ用の組成物、より詳細には、樹脂とエラストマー、詳細にはきわめて低いガラス転移温度(Tg)を有するエラストマーとの適合性を改善する特定の炭化水素系樹脂を含む組成物に関する。
低Tgを有するエラストマーは、摩損性についての改善を可能とすることが従来技術から公知である(WO2015/043902)。しかし、これらの低Tgエラストマーは、タイヤに通常使用される炭化水素系可塑化樹脂に対する適合性が低く、このため、同時に調和させることが困難な性能特性、すなわち高くなければならない耐摩耗性およびグリップと、燃料消費を最小限にするために低くなければならない転がり抵抗性との間における最良の妥協点を有し得るタイヤ用組成物において、それらを容易かつ理想的に使用することができない。
したがって現在のところ、とりわけエラストマーと炭化水素系可塑化樹脂との適合性を改善することにより、これらの性能特性すべての間のバランスを改善することが可能な配合物を見出すことが、タイヤ製造者にとって有益である。
文献WO2013/176712は、特定の質量および軟化点を有するシクロペンタジエン/ジシクロペンタジエン/メチルシクロペンタジエン型の様々な樹脂について記載している。この文献では、これらの樹脂は、ウェットグリップを改善するために、例において12phrの含有量で使用されている。
目下、本出願者は、特定のエラストマーおよび特定の炭化水素系樹脂を含む特定の組成物により、グリップが強く、転がり抵抗が低い組成物を得ることが可能になると示している。
したがって、本発明は、少なくとも、ブタジエンおよびビニル芳香族モノマーの1つまたは複数のコポリマーを50〜100phr含む1つのエラストマーであって、0から5質量%の間のビニル芳香族単位の含有量、および−110℃〜−70℃に及ぶ範囲内のTgを有する、エラストマーと、強化フィラーと、架橋系と、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエンおよびそれらの混合物からなる群から選択される単位で主に構成される、水素化されていてもよい炭化水素系樹脂であって、前記炭化水素系樹脂が、2000g/mol未満の平均分子量Mzおよび、
Tg≧80−2×(%HA)
と℃で表現されるガラス転移温度Tg(式中、%HAは、前記樹脂の芳香族プロトンの含有量を表す)を有し、前記炭化水素系樹脂の含有量が、15〜150phrに及ぶ範囲内である、炭化水素系樹脂とに基づく、ゴム組成物に関する。
本発明は、好ましくは、上で定義した組成物に関し、前記炭化水素系樹脂は、1500g/mol未満のMzを有する。好ましくは、前記炭化水素系樹脂は、Tg≧85−2×(%HA)と℃で表現されるガラス転移温度Tgを有する。さらにより好ましくは、前記炭化水素系樹脂は、1.7未満、好ましくは1.6未満の多分散指数(PI)を有する。優先的には、樹脂は、50%未満の、優先的には、0%〜20%、好ましくは0%〜15%に及ぶ範囲内の芳香族プロトンの含有量を有する。優先的な様式によれば、樹脂は、5%未満、好ましくは0%〜4%、好ましくは0%〜2%に及ぶ範囲内の、より優先的には0%の芳香族プロトンの含有量を有する。別の優先的な様式によれば、樹脂は、3%〜15%、好ましくは5%〜10%に及ぶ範囲内の芳香族プロトンの含有量を有する。また、好ましくは、樹脂は、0.5%未満、好ましくは0.1%未満のエチレンプロトンの含有量を有する。より優先的には、樹脂は、エチレン単位を含まない。
優先的には、本発明は、上で定義した組成物に関し、ブタジエンおよびビニル芳香族モノマーのコポリマーは、75〜100phr、好ましくは90〜100phr、さらにより適切には100phrの総含有量を表す。優先的には、ブタジエンおよびビニル芳香族モノマーのコポリマーは、−110℃〜−80℃、好ましくは−95℃〜−80℃に及ぶ範囲内のTgを有する。また、優先的には、ブタジエンおよびビニル芳香族モノマーのコポリマーは、50〜80に及ぶ範囲内のムーニー粘度を有する。好ましくは、ブタジエンおよびビニル芳香族モノマーのコポリマーは、コポリマーの総質量に対して、1〜4質量%のビニル芳香族単位の含有量、および、ジエン部に対して、8〜15質量%に及ぶ、好ましくは10〜15質量%に及ぶビニル単位の含有量を有する。好ましくは、ブタジエンおよびビニル芳香族モノマーのコポリマーのビニル芳香族モノマーは、スチレンである。また、好ましくは、ブタジエンおよびビニル芳香族モノマーの前記コポリマーの少なくとも70質量%が、官能基化されている。このケースでは、ブタジエンおよびビニル芳香族モノマーの前記コポリマーは、優先的には、部分的または全体的に加水分解されてシラノールを得てもよいアルコキシシラン基により官能基化されており、アルコキシシラン基は、強化フィラーと相互反応することが可能である別の官能基を保有し、または保有せず、アルコキシシラン基は、ケイ素原子を経由してジエンエラストマーに結合している。優先的には、ブタジエンおよびビニル芳香族モノマーの前記コポリマーは、主に鎖の中央で官能基化される。本発明の好ましい実施形態によれば、ブタジエンおよびビニル芳香族モノマーの前記コポリマーは、ブタジエンおよびビニル芳香族モノマーのコポリマーの総質量に対して、0質量%超かつ30質量%まで、好ましくは0から20質量%の間のブタジエンおよびビニル芳香族モノマーの星状分岐コポリマーを含む。
優先的には、本発明は、上で定義した組成物に関し、強化フィラーは、シリカ、カーボンブラックおよびそれらの混合物からなる群から選択される。好ましくは、強化フィラーの含有量は、5〜200phr、好ましくは40〜160phrに及ぶ範囲内である。好ましい実施形態によれば、主たる強化フィラーは、好ましくは40〜150phrに及ぶ範囲内の含有量のシリカである。好ましくは、この好ましい実施形態によれば、組成物は、好ましくは0.1〜10phrに及ぶ範囲内の含有量の、少量のカーボンブラックも含む。
好ましくは、本発明は、上で定義した組成物に関し、前記炭化水素系樹脂の含有量は、25〜120phr、好ましくは40〜115phrに及ぶ範囲内である。
本発明は、好ましくは、トレッドのすべてまたは一部において、上で定義した組成物を含むタイヤにも関する。
優先的には、本発明によるタイヤは、二輪車両、旅客車両、あるいは「重量級」車両(つまり、地下鉄、バス、オフロード車両、大型輸送車両、例えば大型トラック、トラクターまたはトレーラー)、あるいは航空機、建設機器、大型農業用車両または荷役車両への装備が意図されているタイヤから選択されることになる。
I−組成物の成分
本発明によるゴム組成物は、少なくとも、ブタジエンおよびビニル芳香族モノマーの1つまたは複数のコポリマーを90〜100phr含む1つのエラストマーであって、0から5質量%の間のビニル芳香族単位の含有量、および−110℃〜−80℃に及ぶ範囲内のTgを有する、エラストマーと、強化フィラーと、架橋系と、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエンおよびそれらの混合物からなる群から選択される単位で主に構成される、水素化されていてもよい炭化水素系樹脂であって、前記炭化水素系樹脂が、2000g/mol未満の平均分子量Mzおよび、
Tg≧80−2×(%HA)
と℃で表現されるガラス転移温度Tg(式中、%HAは、前記樹脂の芳香族プロトンの含有量を表す)を有し、前記炭化水素系樹脂の含有量が、15〜150phr(エラストマー100質量部当たりの質量部)に及ぶ範囲内である、炭化水素系樹脂とに基づく。
「に基づく組成物」(をベースとする組成物)という表現は、使用される様々なベース成分のin situ反応の混合物および/または生成物を含む組成物を意味すると理解されるべきであり、これらの成分のいくつかは、組成物の様々な製造相中、または開始時に調製された組成物の後続する硬化、変性中に、少なくとも部分的に、互いに反応させることができ、かつ/または、反応させることが意図されている。したがって、本発明に用いられる組成物は、非架橋状態および架橋状態で異なっていてよい。
本明細書では、明らかに別段の指示がない限り、示されているすべての百分率(%)は、質量に対する百分率である。さらに、「aとbの間」という表現により表されている任意の値の範囲は、a超からb未満に及ぶ値の範囲を表す(つまり、極限値aおよびbが除外される)が、「a〜b」という表現により表される任意の値の範囲は、aからbまでに及ぶ値の範囲を意味する(つまり、厳密な極限値aおよびbを含む)。
「主たる」化合物が言及される場合、これは、本発明の意義の範囲内で、組成物中の同一型の化合物のうち、この化合物が主であること、つまり、同一型の化合物のうち、質量に対して最大量を表すものであることを意味すると理解される。したがって、例えば、主たるポリマーは、組成物中のポリマーの総質量に対する最大質量を表すポリマーである。同様に、「主たる」フィラーは、組成物のフィラーのうちの最大質量を表すものである。例として、ポリマーを1つしか含まない系では、ポリマーは、本発明の意義の範囲内で主であり、ポリマーを2つ含む系では、主たるポリマーは、ポリマーの質量の半分超を表す。一方、「マイナー」(少量)化合物は、同一型の化合物のうちの質量に対する最大分画を表さない化合物である。
本発明の目的に関して、同一の化合物(またはポリマー)内の「主たる」単位(またはモノマー)が言及される場合、これは、この単位(またはモノマー)が、化合物(またはポリマー)を形成する単位(またはモノマー)のうちで主であること、つまり、化合物(またはポリマー)を形成する単位(またはモノマー)のうち、質量に対する最大分画を表すものであることを意味するよう意図されている。したがって、例えば、シクロペンタジエン単位で主に構成される樹脂は、シクロペンタジエン単位が、前記樹脂を構成するすべての単位のうち、質量に対する最大量を表す樹脂である。同様に、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエンおよびそれらの混合物からなる群から選択される単位で主に構成される樹脂は、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエンおよびそれらの混合物からなる群から選択される単位の総計が、前記樹脂を構成する単位すべてのうち、質量に対する最大数を表す樹脂である。言い換えれば、「主たる」モノマーは、ポリマー中の質量に対する最大分画を表すモノマーである。一方、「マイナー」モノマーは、ポリマー中の最大モル分率を表さないモノマーである。
本出願では、化合物Aおよび化合物Bの量の比、または、化合物Aの含有量と化合物Bの含有量の間の比が言及される場合、これは、数学的な意味において、化合物Aの量が化合物Bの量を必ず上回る比である。
I−1.エラストマー
本発明によるタイヤトレッドの組成物は、単一のジエンエラストマー、または、いくつかのジエンエラストマーの混合物を含有し得る。
ここで、「ジエン」型のエラストマー(または「ゴム」、2つの用語は同義とみなす)は、ジエンモノマー(2つの共役または非共役炭素−炭素二重結合を保有するモノマー)から少なくとも部分的に得られるエラストマー(1つまたは複数が理解される)(すなわち、ホモポリマーまたはコポリマー)を意味するものとして、公知のように理解されるべきであることが思い出される。
ジエンエラストマーは、2つの区分:「本質的に不飽和の」または「本質的に飽和した」に分類できる。「本質的に不飽和の」は、一般的に、15%(mol%)超のジエン起源単位(共役ジエン)の含有量を有する共役ジエンモノマーから少なくとも部分的に得られるジエンエラストマーを意味すると理解される;したがって、ジエンエラストマー、例えばブチルゴム、またはEPDM型のジエンおよびα−オレフィンのコポリマーは、先行する定義に該当せず、とりわけ「本質的に飽和した」ジエンエラストマーと説明できる(ジエン起源単位の含有量が少なく、またはきわめて少なく、必ず15%未満)。「本質的に不飽和の」ジエンエラストマーという区分では、「高度に不飽和の」ジエンエラストマーは、詳細には、50%超のジエン起源単位(共役ジエン)の含有量を有するジエンエラストマーを意味すると理解される。
これらの定義を踏まえ、また、当業者に周知なように、ジエンエラストマーは、より詳細には:
(a)4〜12個の炭素原子を有する共役ジエンモノマーの重合により得られる任意のホモポリマー;
(b)1つまたは複数の共役ジエンと、別のジエンの、または、8〜20個の炭素原子を有する1つまたは複数のビニル芳香族化合物の共重合により得られる任意のコポリマー;
(c)エチレンおよび3〜6個の炭素原子を有するα−オレフィンと、6〜12個の炭素原子を有する非共役ジエンモノマーの共重合により得られる三元コポリマー、例えば、エチレンおよびプロピレンと、上述の型の非共役ジエンモノマー、例えば、とりわけ、1,4−ヘキサジエン、エチリデン、ノルボルネンまたはジシクロペンタジエンから得られるエラストマー;
(d)イソブテンおよびイソプレンのコポリマー(ブチルゴム)、また、ハロゲン化したもの、詳細にはこの型のコポリマーの塩素化または臭素化したものを意味すると理解される。
本発明の目的に関して、トレッド組成物は、ブタジエンおよびビニル芳香族モノマーの1つまたは複数のコポリマーを90〜100phr含むエラストマーを含み、0から5質量%の間のビニル芳香族単位の含有量、および−110℃〜−70℃に及ぶ範囲内のTgを有する。したがって、ブタジエンおよびビニル芳香族モノマーのコポリマーは、95〜100質量%未満のジエン単位、および0超〜5質量%のビニル芳香族単位を含有し得る。
例えば、以下:スチレン、オルト−、メタ−もしくはパラ−メチルスチレン、「ビニルトルエン」の商用混合物、パラ−(tert−ブチル)スチレン、メトキシスチレン、クロロスチレン、ビニルメシチレン、ジビニルベンゼンまたはビニルナフタレンは、ビニル芳香族化合物として適切である。好ましくは、ブタジエンおよびビニル芳香族モノマーのコポリマーのビニル芳香族モノマーは、スチレンである。
エラストマーは、任意の微細構造を有し得、これは、使用される重合条件、とりわけ、変性剤および/またはランダム化剤の有無、ならびに用いられる変性剤および/またはランダム化剤の量によって決まる。エラストマーは、例えば、ブロック、ランダム、シーケンシャルまたはミクロシーケンシャルエラストマーであり得、分散体または溶液中で調製され得る。とりわけ、ブタジエンおよびスチレンを含有するジエンおよびビニル芳香族に基づくコポリマーのケースでは、優先的には、2つのモノマーがランダムに分布する。
ブタジエンおよびビニル芳香族モノマーの前記コポリマーは、当業者に公知のカップリング剤および/もしくは星状分岐剤、または官能基化剤を経由して導入した基によりカップリングされ得る、かつ/もしくは星状分岐され得る、または官能基化され得る。この基は、直鎖状の主なエラストマー鎖の末端に位置し得る。その結果、ジエンエラストマーが鎖末端官能基化されると明記される。これは、一般的には、リビングエラストマーと官能基化剤、つまり、少なくとも単官能性である任意の分子の反応により得られるエラストマーであり、官能基は、当業者により公知であり、リビング鎖末端と反応する、任意の型の化学基である。
この基は、直鎖状のエラストマー主鎖に位置し得る。その結果、「鎖末端」位置ではなく、また、エラストマー鎖の中央に正確に位置していないが、ジエンエラストマーは鎖の中央でカップリングまたは官能基化されると明記される。これは、一般的には、2本のリビングエラストマー鎖とカップリング剤、つまり少なくとも二官能性である任意の分子の反応により得られるエラストマーであり、官能基は、当業者により公知であり、リビング鎖末端と反応する、任意の型の化学基である。
この基は、中心であってよく、そこにn本のエラストマー鎖(n>2)が結合し、星状分岐構造を形成する。その結果、ジエンエラストマーが星状分岐すると明記される。これは、一般的には、n本のリビングエラストマー鎖と星状分岐剤、つまり任意の多官能性分子の反応により得られるエラストマーであり、官能基は、当業者により公知であり、リビング鎖末端と反応する、任意の型の化学基である。
当業者は、リビングエラストマーに対して反応性である1個超の官能基を含む作用剤との官能基化反応は、官能基化されたエラストマーの直鎖状鎖をなす、鎖末端および鎖の中央で官能基化された物質、また、適切な場合は、星状分岐された物質の混合物を生じることを理解する。主に官能基化剤対リビング鎖のモル比は、作用条件に応じて、ある物質が混合物において優位になる。
優先的には、本発明の目的に関して、ブタジエンおよびビニル芳香族モノマーの前記コポリマーは、−110℃〜−80℃、好ましくは−95℃〜−80℃に及ぶ範囲内のTgを有する。
また、好ましくは、ブタジエンおよびビニル芳香族モノマーの前記コポリマーは、50〜80に及ぶ範囲内のムーニー粘度を有する。本明細書において、ムーニー粘度は、規格ASTM D1646に従って測定した、化合物、とりわけ、本発明に使用されるブタジエンおよびビニル芳香族モノマーのコポリマーのML(1+4)、100℃のムーニー粘度を意味するよう意図されている。
好ましい実施形態によれば、ブタジエンおよびビニル芳香族モノマーの前記コポリマーは、コポリマーの総質量に対して1〜4質量%のビニル芳香族単位の含有量を有し、および、ビニル単位の含有量は、ジエン部に対して、8〜15質量%に及び、好ましくは10〜15質量%に及ぶ。
好ましくは、少なくとも70質量%の、ブタジエンおよびビニル芳香族モノマーの前記コポリマーは、優先的には、アルコキシシラン基により官能基化されており、部分的または全体的に加水分解されて、シラノールを得てもよく、アルコキシシラン基は、強化フィラーと相互反応することが可能である別の官能基を保有し、または保有せず、アルコキシシラン基は、ケイ素原子を経由してジエンエラストマーに結合している。優先的には、ブタジエンおよびビニル芳香族モノマーの前記コポリマーは、主に鎖の中央で官能基化されている。これらのエラストマーの微細構造は、極性化剤の有無、およびアニオン重合ステップ中に用いられる極性化剤の量により判定され得る。優先的には、ジエンエラストマーがジエンおよびスチレンに基づく場合、重合ステップ中に、極性化剤が、ポリマー鎖と平行したスチレンのランダム分布を促進しながら、好ましくは8%と15%の間の含有量、好ましくは10%〜15%の1,2−結合の保持も促進する量で使用される。
「強化フィラーと都合よく相互反応するアルコキシシラン基」または「強化フィラーと相互反応することが可能である官能基」という用語は、他の任意のアルコキシシラン基または官能基、優先的には、フィラーにより強化されたゴム組成物中で前記フィラーとの物理的または化学的結合を形成することが可能であるアミンを意味するよう理解される。この相互反応は、例えば、前記官能基と、フィラーに存在する官能基の間で、共有結合、水素結合、イオン結合および/または静電結合を経由して確立され得る。
アルコキシシラン基のアルコキシラジカルは、式R’O−であってよい。(式中、R’は、置換または非置換C1−C10、またはさらにC1−C8アルキル基、好ましくはC1−C4アルキル基、より優先的には、メチルおよびエチルを表す)
上で言及されている他の官能基は、例えばアミン、チオール、ポリオキシエチレンまたはポリエーテル基であってよい。きわめて優先的には、強化フィラーと相互反応することが可能である他の官能基は、第一級、第二級または第三級アミンである。本発明のこの変形は、ヒステリシス性質における改善のため、特に有利である。
本明細書において、第一級または第二級アミンは、当業者に公知の保護基により保護されている、または保護されていない第一級または第二級アミンを意味するよう意図されている。
第二級または第三級アミン官能基としては、C1−C10、好ましくはC1−C4アルキルラジカル、より優先的には、メチルまたはエチルラジカルにより置換されているアミン、あるいは、窒素原子、および少なくとも1個の炭素原子、好ましくは2〜6個の炭素原子を含有する複素環を形成する環状アミンを挙げることができる。例えば、メチルアミノ−、ジメチルアミノ−、エチルアミノ−、ジエチルアミノ−、プロピルアミノ−、ジプロピルアミノ−、ブチルアミノ−、ジブチルアミノ−、ペンチルアミノ−、ジペンチルアミノ−、ヘキシルアミノ−、ジヘキシルアミノ−またはヘキサメチレンアミノ基、好ましくはジエチルアミノ−およびジメチルアミノ基が適切である。
好ましくは、強化フィラーと相互反応することが可能である官能基は、第三級アミン官能基、好ましくはジエチルアミンまたはジメチルアミンである。
本発明の変形によれば、強化フィラーと相互反応することが可能である官能基、優先的には、第一級、第二級または第三級アミンは、ジエンエラストマーに直接的に結合しているケイ素原子自体に直接的に結合する。
本発明の別の変形によれば、強化フィラー、およびジエンエラストマーに結合しているケイ素原子と相互反応することが可能である官能基は、優先的には、第一級、第二級または第三級アミンであり、これは、原子または原子群であってよいスペーサー基を経由して別のものに結び付く。スペーサー基は、飽和もしくは不飽和、環状もしくは非環状、直鎖もしくは分岐二価C1−C18脂肪族炭化水素系ラジカル、または二価C6−C18芳香族炭化水素系ラジカルであり得、1個もしくは複数の芳香族ラジカル、および/または1個もしくは複数のヘテロ原子を含有し得る。炭化水素系ラジカルは、置換されてもよい。
好ましくは、ブタジエンおよびビニル芳香族モノマーの前記コポリマーは、ブタジエンおよびビニル芳香族モノマーのコポリマーの総質量に対して、0質量%超かつ30質量%までの(より優先的には、0%と20%の間)のブタジエンおよびビニル芳香族モノマーの星状分岐コポリマーを含む。
好ましくは、ブタジエンおよびビニル芳香族モノマーの前記コポリマーは、75〜100phr、好ましくは90〜100phr、さらにより適切には100phrの総含有量で存在する。
組成物がそれらを含む場合、ブタジエンおよびビニル芳香族モノマーのコポリマーに補充されるエラストマーは、当業者に公知の任意のエラストマー、とりわけ、ポリブタジエン、天然または合成ポリイソプレン、イソプレンコポリマー、既に本発明で要求されているもの以外のブタジエンコポリマー、およびそれらの混合物からなる群から選択されるエラストマーであってよい。好ましくは、これらの補充されるエラストマーは、ポリブタジエン、天然または合成ポリイソプレン、イソプレンおよびビニル芳香族モノマーのコポリマー、−70℃超のTgを有するブタジエンおよびビニル芳香族モノマーのコポリマー、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される。
I−2 強化フィラー
本発明による組成物は、強化フィラーを含む。タイヤの製造に使用できるゴム組成物を強化する能力に関して公知である、任意の型の強化フィラー、例えば有機フィラー、例としてカーボンブラック、強化無機フィラー、例としてシリカもしくはアルミナ、またはこうした2つの型のフィラーの混和物も使用され得る。
すべてのカーボンブラック、とりわけ「タイヤグレード」ブラックが、カーボンブラックとして適切である。より詳細には、そのうち、強化カーボンブラック100、200もしくは300シリーズ(ASTMグレード)、例えば、N115、N134、N234、N326、N330、N339、N347またはN375ブラック、あるいは、対象とした用途に応じて、さらなる高級シリーズのブラック(例えばN660、N683またはN772)が挙げられる。カーボンブラックは、例えば、マスターバッチ形態で、イソプレンエラストマーに既に組み込まれていることがある(例えば、国際出願第97/36724号または第99/16600号を参照されたい)。
カーボンブラック以外の有機フィラーの例として、例えば出願WO−A−2006/069792、WO−A−2006/069793、WO−A−2008/003434およびWO−A−2008/003435に記載されている官能基化されたポリビニル有機フィラーを挙げることができる。
組成物は、1つの型のシリカまたはいくつかのシリカの混和物を含み得る。使用されるシリカは、当業者に公知の任意の強化シリカ、とりわけ、BET表面積およびCTAB比表面積、いずれも450m2/g未満、好ましくは30〜400m2/gを呈する、任意の沈降シリカまたはヒュームドシリカであってよい。高分散性沈降シリカ(「HDS」)として、例えば、DegussaのUltrasil 7000およびUltrasil 7005シリカ、RhodiaのZeosil 1165MP、1135MPおよび1115MPシリカ、PPGのHi−Sil EZ150Gシリカ、HuberのZeopol 8715、8745および8755シリカ、処理済み沈降シリカ、例えば、出願EP0735088に記載されているアルミニウムで「ドープされた」シリカ、または出願WO03/16837に記載されている比表面が大きいシリカが挙げられる。
シリカは、好ましくは、45m2/gと400m2/gの間、より優先的には60m2/gと300m2/gの間のBET比表面を有する。
これらの組成物は、カップリング剤に加えて、カップリング活性化物質、無機フィラーを覆う作用剤、またはより一般的には、公知のように、ゴムマトリックスにおけるフィラーの分散を改善すること、また、組成物の粘度を低下させることによって、未加工状態における組成物の加工される能力の改善が可能な加工助剤も含んでもよく、これらの作用剤は、例えば、加水分解性シラン、例えばアルキルアルコキシシラン、ポリオール、脂肪酸、ポリエーテル、第一級、第二級もしくは第三級アミン、またはヒドロキシル化もしくは加水分解性ポリオルガノシロキサンである。
とりわけ、例えば、出願WO03/002648号(またはUS2005/016651)および出願WO03/002649(またはUS2005/016650)に記載されている、特定の構造に応じて「対称」または「不斉」と呼ばれるシランポリスルフィドが使用される。
詳細には、以下の定義に限定されないが、以下の一般式(III):
Z−A−Sx−A−Zに対応する、「対称」と呼ばれるシランポリスルフィドが適切である。(式中:
− xは、2〜8の整数(好ましくは2〜5)であり;
− Aは、二価炭化水素ラジカル(好ましくはC1−C18アルキレン基またはC6−C12アリーレン基、より詳細にはC1−C10アルキレン、詳細にはC1−C4アルキレン、とりわけプロピレンである)であり;
− Zは、以下の式の1つに相当し、
Figure 0006891193
− 置換または非置換であり、互いに同一である、または異なるR1ラジカルは、C1−C18アルキル、C5−C18シクロアルキルまたはC6−C18アリール基(好ましくはC1−C6アルキル、シクロヘキシルまたはフェニル基、詳細にはC1−C4アルキル基、より詳細にはメチルおよび/またはエチル)を表し、
− 置換または非置換であり、互いに同一である、または異なるR2ラジカルは、C1−C18アルコキシまたはC5−C18シクロアルコキシ基(好ましくはC1−C8アルコキシおよびC5−C8シクロアルコキシから選択される基、より優先的には、さらに、C1−C4アルコキシ、詳細にはメトキシおよびエトキシから選択される基)を表す)
上式(III)に対応するアルコキシシランポリスルフィドの混合物、とりわけ通常の市販混合物のケースでは、「x」指数の平均値は、好ましくは2と5の間、より優先的には、約4の分数である。しかし、本発明は、例えば、アルコキシシランジスルフィド(x=2)でも有利に実行できる。
より詳細には、シランポリスルフィドの例として、ビス((C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキルシリル(C1−C4)アルキル)ポリスルフィド(とりわけジスルフィド、トリスルフィドまたはテトラスルフィド)、例えば、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)もしくはビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィドが挙げられる。詳細には、これらの化合物のうち、式[(C25O)3Si(CH2322のTESPTと省略されるビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、または式[(C25O)3Si(CH23S]2のTESPDと省略されるビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドが使用される。優先的な例として、ビス(モノ(C1−C4)アルコキシルジ(C1−C4)アルキルシリルプロピル)ポリスルフィド(詳細にはジスルフィド、トリスルフィドまたはテトラスルフィド)、より詳細には、例えば特許出願WO02/083782(またはUS2004/132880)に記載されているビス(モノエトキシジメチルシリルプロピル)テトラスルフィドも挙げられる。
アルコキシシランポリスルフィド以外のカップリング剤として、二官能性POS(ポリオルガノシロキサン)、あるいは例えば特許出願WO02/30939(またはUS6774255)およびWO02/31041(またはUS2004/051210)に記載されているヒドロキシシランポリスルフィド(上式IIIではR2=OH)、あるいは、例えば、特許出願WO2006/125532、2006/125533および2006/125534に記載されている、アゾジカルボニル官能基を保有するシランまたはPOSも挙げられる。
本発明によるゴム組成物において、カップリング剤の含有量は、優先的には、1phrと15phrの間、より優先的には、3phrと14phrの間である。
当業者は、本セクションに記載されているシリカと当量のフィラーとして、別の性質の、とりわけ有機強化フィラーを使用できるが、但し、この強化フィラーが、シリカの層で覆われている、あるいは、フィラーとエラストマーの間に結合を形成するためにカップリング剤の使用が要求される表面に、官能基部位、とりわけヒドロキシル部位を含むことを条件とすると理解するであろう。
強化フィラーが得られる物理的条件は、フィラーが粉末、ミクロパール、顆粒、ビーズであれ、または他の適切な任意の圧縮された形態であれ、重要ではない。
本発明の目的に関して、強化フィラーの総含有量(カーボンブラックおよび/または強化無機フィラー、例えばシリカ)は、5〜200phr、より優先的には、40〜160phrである。フィラーが5phrを下回ると、組成物は、十分に強化されないことがある一方、フィラーが200phrを超えると、組成物は、転がり抵抗に関する性能が低いことがある。
主たるフィラーとして、好ましくはシリカが、好ましくは40〜150phr、より優先的には、90〜150phrに及ぶ含有量で使用され;カーボンブラックが使用されてもよい。カーボンブラックは、存在する場合、少量で、好ましくは0.1〜10phr、より優先的には、0.5〜10phr、とりわけ1〜5phrに及ぶ範囲内の含有量で使用される。
I−3 架橋系
本発明の組成物では、ゴム組成物用に当業者に公知の任意の型の架橋系が使用され得る。
架橋系は、好ましくは、加硫系であり、つまり硫黄(または硫黄供与剤)および第1の加硫促進剤に基づいている。様々な公知の第2の加硫促進剤または加硫活性化物質、例えば酸化亜鉛、ステアリン酸もしくは等価化合物、またはグアニジン誘導体(詳細にはジフェニルグアニジン)は、このベース加硫系に添加され得、続いて記載される第1の非生産相および/または生産相に組み込まれる。
硫黄は、0.5phrと10phrの間、より優先的には、0.5phrと5phrの間、詳細には0.5phrと3phrの間の優先的な含有量で使用される。
本発明による組成物の加硫系は、1つまたは複数の追加の促進剤、例えば、チウラム、ジチオカルバミン酸亜鉛誘導体、スルフェンアミド、グアニジンまたはチオホスフェートファミリーの化合物も含み得る。詳細には、硫黄の存在下で、ジエンエラストマーの加硫促進剤として作用することが可能である任意の化合物、とりわけチアゾール型の促進剤、また、それらの誘導体、チウラム型の促進剤、およびジチオカルバミン酸亜鉛が使用され得る。これらの促進剤は、より優先的には、2−メルカプトベンゾチアゾールジスルフィド(「MBTS」と省略される)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(「CBS」と省略される)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(「DCBS」と省略される)、N−(tert−ブチル)−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(「TBBS」と省略される)、N−(tert−ブチル)−2−ベンゾチアゾールスルフェンイミド(「TBSI」と省略される)、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛(「ZBEC」と省略される)、およびこれらの化合物の混合物からなる群から選択される。好ましくは、スルフェンアミド型の第1の促進剤が使用される。
I−4 特定の炭化水素系樹脂
本発明による組成物は、特定の炭化水素系樹脂を含む。
この水素化されてもよい炭化水素系樹脂は、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエンおよびそれらの混合物からなる群から選択される単位で主に構成される。
好ましくは、本発明の目的のために使用する炭化水素系樹脂は、50%未満、好ましくは0%〜20%、好ましくは0%〜15%に及ぶ範囲内の芳香族プロトンの含有量を有する。
優先的な実施形態によれば、本発明の目的のために使用する炭化水素系樹脂は、5%未満、好ましくは0%〜4%、好ましくは0%〜2%に及ぶ範囲内の、好ましくは0%の芳香族プロトンの含有量を有する。
別の、また、優先的な実施形態によれば、本発明の目的のために使用する炭化水素系樹脂は、3%〜15%、好ましくは5%〜10%に及ぶ範囲内の芳香族プロトンの含有量を有する。
また、好ましくは、本発明の目的のために使用する炭化水素系樹脂は、0.5%未満、好ましくは0.1%未満のエチレンプロトンの含有量を有する。より優先的には、樹脂は、エチレン単位を含まない。
本発明の目的のために使用する炭化水素系樹脂は、2000g/mol未満、好ましくは1500g/mol未満の平均分子量Mzを有する。
本発明の目的のために使用する炭化水素系樹脂は、Tg≧80−2×(%HA)、好ましくはTg≧85−2×(%HA)と℃で表現されるガラス転移温度Tgも有する。(式中、%HAは、前記樹脂の芳香族プロトンの含有量を表す)Tgは、ASTM D3418(1999年)に従って測定される。
好ましくは、本発明の目的のために使用する炭化水素系樹脂は、1.7未満、好ましくは1.6未満の多分散指数(PI)を有する。
多数の炭化水素系樹脂が市販されている。これらの樹脂は、供給業者に応じて異なる特性、とりわけ化学組成、Mz、Tg、芳香族プロトン含有量、あるいはPIを有し得る。
炭化水素系樹脂のマクロ構造(Mw、Mn、PIおよびMz)は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により、規格ISO 16014(サイズ排除クロマトグラフィーを使用したポリマーの平均分子質量および分子質量分布の測定)、ASTM D5296(高速サイズ排除クロマトグラフィーによる、ポリスチレンの分子量平均および分子量分布)、およびDIN 55672(サイズ排除クロマトグラフィー)に基づいて判定される。
これらの測定に関しては、非抗酸化テトラヒドロフラン中に樹脂試料を1.5g/lの濃度まで溶解する。溶液は、例えば、フィルターに装着した使い捨てシリンジを使用して、空隙率0.45μmのテフロンフィルターで濾過する。体積100μlを、一連のサイズ排除クロマトグラフィーカラムに注入する。移動相を、1ml/分の流量で溶出する。カラムを、オーブン中で35℃にて、サーモスタットでコントロールする。検出を、35℃にて、サーモスタットでコントロールした屈折計により実行する。カラムの固定相は、空隙率をコントロールしたポリスチレンジビニルベンゼンゲルに基づく。ポリマー鎖は、溶媒中に溶解した場合にそのポリマー鎖が占める空間に従って分離される:ポリマー鎖が占める体積が大きいほど、カラムの細孔はポリマー鎖が入りにくくなり、溶出時間は短くなる。
モル質量の対数(logM)を溶出時間(te)に結び付けるMoore較正曲線が、ポリスチレン標準に対して事前に生成され、三次多項式:Log(ポリスチレンのモル質量)=a+b te+c te2+d te3を使用してモデル化される。
この較正曲線には、分子分布が狭いポリスチレン標準が使用される(1.1以下の多分散指数、PI)。これらの標準のモル質量の範囲は、160〜約70000g/molに及ぶ。これらの標準は、「ファミリー」として、各ファミリー間で約0.55のlogM増加を有する4または5種の標準と共に、グループ分けされる。
認証済み(ISO 13885およびDIN 55672)標準キット、例えば、PSS(polymer standard service、商品番号PSS−pskitr1l−3)のバイアルキット、また、Wp=162g/molの追加の標準PS(Interchim、商品番号178952)が使用され得る。これらのキットは、適切な量でポリスチレン標準のファミリーをそれぞれ含有する、バイアル3種の形態である:
− 黒色バイアル:Wp=1220、4850、15500および67500g/mol。
− 青色バイアル:Wp=376、3470、10400、46000g/mol。
− 黄色バイアル:Wp=266、1920、7200、28000g/mol。
− PS162:Wp=162g/mol。
分析した樹脂の数平均モル質量(Mn)、質量平均モル質量(Mw)、Mzおよび多分散性は、この較正曲線から計算される。これが、ポリスチレン較正に対するモル質量が言及される理由である。
平均質量およびPIの計算に関して、生成物溶出の積分の極限は、試料の注入に対応するクロマトグラムで定義される。2つの積分の極限間で定義される屈折率シグナルは、毎秒「カット」される。こうした「基本的カット」のそれぞれでは、溶出時間tiおよび検出器からのシグナル面積Aiが読み取られる。
ここで:PI=Mw/Mnであり、Mwは質量平均分子量であり、Mnは数平均分子量であることが思い出される。質量Mw、MnおよびMzは、以下の式に従って計算した平均質量であることも思い出される。
Figure 0006891193
(式中、Aiは、質量Miおよび溶出時間tiに対応する屈折率検出器からのシグナルの振幅である)
SEC測定に使用される装備は、液体クロマトグラフィー系、例えば、ポンプ、脱ガス装置および注入器;示差屈折計(例えばWaters 2410屈折計)、データ取得および加工用ソフトウェア、例えばWaters Empowerソフトウェア、カラムオーブン、例えばWaters「Columns Heater Module」および以下の順序で直列に取り付けられた4つのカラム:
Figure 0006891193

を含むWaters Alliance 2690系である。
芳香族プロトンの含有量(%HA)、およびエチレンプロトンの含有量(%HE)は、1H NMRにより測定される。これは、検出されたシグナルすべてに対して判定される。したがって、得られた結果は、ピーク面積の%として表現される。
試料は、重水素化クロロホルム(CDCl3)中に、溶媒およそ1ml中に樹脂およそ10mgの量で溶解する。スペクトルは、Bruker「broad band」BBO z−grad 5mmプローブを付けたBruker Avance 500MHz分光計で取得する。1H NMR実験は、30°単一パルスシーケンス、および各取得の間で5秒の繰り返し時間を使用する。蓄積を室温にて64回実行する。重水素化クロロホルムのプロトン化不純物に対する化学シフトを較正する;δppm 1H、7.20ppm。芳香族プロトンの1H NMRシグナルは、8.5ppmと6.2ppmの間に位置する。エチレンプロトンは、シグナルを6.2ppmと4.5ppmの間に上昇させる。最終的に、脂肪族プロトンに対応するシグナルは、4.5ppmと0ppmの間に位置する。プロトンの各区分の面積は、これらの面積の総計に関連して、それにより、プロトンの各区分に対する面積%に対して分散する。
以下の市販の樹脂は、特性を判定するために、上記の方法を使用して分析した;表1は、得られた結果を要約している。
Figure 0006891193

商用樹脂の分析により、表1は、樹脂7〜10のみが、本発明の目的のために使用する樹脂の基準を満たすことを示す。
シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエンおよびそれらの混合物からなる群から選択される単位で主に構成される、本発明の目的のために使用する樹脂は、これらの単位に加えて、かつ少量で、脂肪族または芳香族単位、あるいは脂肪族/芳香族型の単位を含み得る、つまり、脂肪族および/または芳香族モノマーに基づき得る。
芳香族モノマーとして、例えば:C9分画(またはより一般的にはC8〜C10分画)から得られるスチレン、α−メチルスチレン、オルト−、メタ−またはパラ−メチルスチレン、ビニルトルエン、パラ−(tert−ブチル)スチレン、メトキシスチレン、クロロスチレン、ビニルメシチレン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレン、インデン、または任意のビニル芳香族モノマーが適切である。好ましくは、ビニル芳香族モノマーは、C9分画(またはより一般的にはC8〜C10の分画)から得られるスチレンまたはビニル芳香族モノマーである。
特に優先的な実施形態によれば、本発明の目的のために使用する樹脂は、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエンもしくはメチルシクロペンタジエン、およびそれらの混合物のホモポリマーの樹脂、または、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、およびそれらの混合物からなる群から選択されるモノマーからなるコポリマーの樹脂、ならびに、これらのコポリマー樹脂の混合物からなる群から選択される。同様に、本発明の目的のために使用する樹脂は、上述のモノマーまたはコポリマー樹脂の混合物であってよい。
きわめて優先的でもある別の実施形態によれば、本発明の目的のために使用する樹脂は、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、および少量の芳香族単位、あるいは脂肪族/芳香族型の単位、およびそれらの混合物からなる群から選択される単位で主に構成される樹脂からなる群から選択される。
本発明による組成物における樹脂の含有量は、15phr〜150phr、優先的には25〜120phr、より優先的には40〜115phr、よりいっそう優先的には50〜110phr、さらに適切には65〜110phrに及ぶ範囲内である。実際に、本発明の目的のために使用する樹脂が15phrを下回ると、樹脂の効果は、不十分なことがあり、組成物は、グリップの問題を有することがある一方、150phrを超えると、樹脂すべてが組成物に組み込まれやすいという観点から、組成物は、製造上の困難を提示することがある。
I−5 他の考えられる添加剤
本発明によるゴム組成物は、エラストマー組成物に習慣的に使用される、とりわけトレッド製造用を意図されている通常の添加剤、例えば、顔料、保護剤、例えば抗オゾンワックス、化学オゾン劣化防止剤もしくは抗酸化剤、上記のもの以外の可塑剤、抗疲労剤、補強樹脂またはメチレン受容体(例えば、ノボラックフェノール樹脂)または供与体(例えばHMTまたはH3M)もすべて、または一部含んでもよい。
本発明による組成物は、可塑化系も含み得る。この可塑化系は、上記の特定の炭化水素系樹脂、および/または可塑化油に加えて、Tgが20℃超の炭化水素系樹脂で構成され得る。
もちろん、本発明による組成物は、単体で、または、タイヤの製造に使用できる他の任意のゴム組成物との混和物として(すなわち、混合物として)使用され得る。
本発明は、「未硬化」または非架橋状態(すなわち硬化前)、および「硬化」または架橋、あるいは加硫状態(すなわち架橋または加硫後)の両方における、上記のゴム組成物に関することが明らかである。
II−ゴム組成物の調製
組成物は、当業者に周知の2つの連続する調製相:110℃と200℃の間、好ましくは130℃と180℃の間の最大温度までの高温にて、熱機械的に作用させる、または混練する第1相(「非生産」相と呼ばれることがある)、続いて、より低い温度、典型的には110℃未満、例えば60℃と100℃の間にて機械的に作用させる第2相(「生産」相と呼ばれることがある)を使用して適切な混合機中で製造され、その仕上げ相の最中に架橋または加硫系が組み込まれ;そのような相は、例えば、出願EP0501227、EP0735088、EP0810258、WO00/05300またはWO00/05301に記載されている。
最初の(非生産)相は、優先的には、いくつかの熱機械的段階で実行される。第1のステップ中、適切な混合機、例えば常用の内部混合機中に、20℃と100℃の間、好ましくは25℃と100℃の間の温度にて、エラストマー、強化フィラーおよび炭化水素系樹脂が導入される(また、架橋系を除く、カップリング剤および/または他の原料も導入されてよい)。数分後、優先的には、0.5〜2分後、また、温度90℃または100℃への上昇後、他の原料(つまり、開始時にすべて投入されていなかった場合に残ったもの)は、20秒から数分に及ぶ混合中に、架橋系を除いて、一度にすべて、または少量ずつ添加する。この非生産相における混練の総持続時間は、180℃以下、優先的には、170℃以下の温度にて、好ましくは2から10分の間である。
このようにして得られた混合物の冷却後、次いで架橋系を、低温(典型的には100℃未満)にて、一般的に外部混合器、例えばオープンミル中に組み込み;次いで、合わせた混合物を数分間、例えば5分と15分の間混合する(生産相)。
このようにして得られた最終組成物を、続いて、例えば詳細には実験室の特徴に合わせてシートまたはスラブの形態で、カレンダー仕上げする、あるいは、例えば、タイヤ用の半製品の製造に使用されるゴム異形材を形成するために押し出す。これらの生成物は、次いで、当業者に公知の技術に従って、本発明の利点を有する、すなわちタイヤの硬化前に、互いの層の良好な粘着性を有するタイヤの製造に使用され得る。
架橋(または硬化)は、詳細には硬化温度、採用された架橋系、考慮中の組成物の架橋動態、あるいはタイヤの大きさに応じて、一般的に130℃と200℃の間の温度にて、圧力下で、例えば、変化させてよい十分な時間にわたり、5分と90分の間、公知のように実行する。
後続する例は、本発明を例証するが、限定しない。
III−本発明の模範的な実施形態
III−1 例の調製
後続する例において、ゴム組成物を上に記載したように生成した。
III−2 例の特徴
例では、ゴム組成物は、硬化前および/または後に、以下に指し示されているように特徴付けられる。
動的性質(硬化後):
動的性質G*およびtan(δ)maxを、規格ASTM D 5992−96に従って、粘度分析器(Metravib V A4000)で測定する。+1.5℃/分の温度勾配で−80℃〜+100℃に温度掃引中に、周波数10Hzでの単純な正弦波せん断の交互応力を、0.7MPaの最大応力下で施した加硫組成物の試料(厚さ4mmおよび直径10mmの円筒形試験片)の反応を記録する。0℃および60℃での次いで、損失正接(tan(δ))の値に注目する。
60℃でのtan(δ)の値が低いほど、組成物のヒステリシスは減少するものであり、したがって転がり抵抗も減少するものである。結果は、性能ベース100を単位として表現しており、つまり、続いて、試験した様々な溶液の60℃でのtan(δ)(つまりヒステリシス、したがって、転がり抵抗)を比較するために、値100が自由裁量で最適な対照に割り付けられている。演算:(対照の60℃でのtan(δ)の値/試料の60℃でのtan(δ)の値)×100に従って、ベース100における値を計算する。このように、ヒステリシス性能の低下を表す値が低い(つまりヒステリシスが増加する)ほど、一方で、良好なヒステリシス性能を表す値は高くなる(つまりヒステリシスは減少する)。
tan(δ)の値、0℃に関しては、値が高いほど、組成物はより良好なウェットグリップを可能にすることができるものである。結果は、性能ベース100を単位として表現しており、つまり、試験した様々な溶液の0℃でのtan(δ)を計算し、続いて、比較するために、値100が自由裁量で最適な対照に割り付けられている。演算:(試料の0℃でのtan(δ)の値/対照の60℃でのtan(δ)の値)×100に従って、ベース100における値を計算する。このように、グリップ性能の低下を表す値が低いほど(つまり、0℃でのtan(δ)値が低いほど)、一方で、良好なグリップ性能を表す値は高くなる(つまり、0℃でのtan(δ)値は高くなる)。
(例1−SBR、すなわち、鎖の中央における、Tgが−88℃のアミノアルコキシシラン官能基の調製)
メチルシクロヘキサン、ブタジエン、スチレンおよびテトラヒドロフルフリルエチルエーテルは、撹拌して継続的に供給された32l反応器中に継続的に導入し、以下の比率:質量に対するブタジエン流量=4.013kg.時-1、質量に対するスチレン流量=0.122kg.時-1、モノマーの質量に対する濃度=9.75質量%、15ppmのテトラヒドロフルフリルエチルエーテルに従って完全に撹拌されていると、当業者により仮定される。n−ブチルリチウム(n−BuLi)を、第1の反応器の注入口に存在する様々な成分により導入されたプロトン性不純物を中和するために、十分な量で導入する;モノマー100g当たり850μmolのn−BuLiを導入する。
反応器における35分の平均滞留時間のために、様々な流量を計算する。温度を95℃にて維持する。ポリマー溶液の試料を、重合反応器の流出口で回収する。このようにして得られたポリマーは、0.4phrの2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール)および0.2phrのN−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンを添加して、抗酸化処理を施す。このように処理したポリマーは、続いて、水蒸気ストリッピング作業により溶液から分離し、次いで、100℃にてオープンミルで乾燥させる。測定される「初期」固有粘度は、1.98dl.g-1である。SEC技術により判定される数平均モル質量Mnは、90000g.mol-1であり、多分散指数PIは1.90である。重合反応器の流出口で、モノマー100g当たり440μmolの、メチルシクロヘキサン中の溶液中の(3−N,N−ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシラン(カップリングおよび星状分岐剤CA)をリビングポリマー(CA/Li=0.52)の溶液に添加する。
このようにして得られたポリマーは、0.4phrの2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール)、および0.2phrのN−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンを添加して、抗酸化処理を施す。このように処理したポリマーは、続いて、水蒸気ストリッピング作業により溶液から分離し、次いで、100℃にてオープンミルで乾燥させる。
測定される「最終」固有粘度は、2.52dl.g-1である。粘度の急上昇は、前記「最終」粘度対前記「初期」粘度の比と定義され、この例では1.27である。ポリマーAのムーニー粘度は70である。SEC技術により判定される数平均モル質量Mnは、168600g.mol-1であり、多分散指数PIは1.68である。このポリマーの微細構造は、NIR方法により判定される。1,2−単位の含有量は、ブタジエン単位に対する12.7%である。スチレンの質量に対する含有量は、2.1%である。このポリマーのガラス転移温度は、−88℃である。ポリマーのコールドフローCF(1+6)100℃は、0.52である。官能基化後の物質の分布は、上記のモデル化方法により示される:官能基鎖は86%であり、その77%が官能基鎖の中央にあり、星状分岐非官能基鎖は14%である。
(例2−組成物)
加硫系を除くすべての成分を内部混合器に導入して、組成物を製造した。加硫剤(硫黄および促進剤)を低温にて(混合器を構成するロールはおよそ30℃である)外部混合器に導入した。
表2で提示されている例の目的は、対照組成物(T0〜T7)の様々なゴムの性質を、本発明による組成物(C1〜C4)の性質と比較することである。硬化の前後で測定された性質は、表3で提示されている。
Figure 0006891193
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対照組成物と比較して、本発明によらず、可塑化樹脂を含まない組成物T1は、低く、かつ改善が要求される転がり抵抗(60℃でのtan(δ)値により測定した)を有することが注目される。したがって、この組成物の転がり抵抗は、他の組成物の性能を比較するためのベース100としての役割を果たす。T3を除き、樹脂を含むすべての組成物が、この性能を改善できることが注目される。一方、組成物C1〜C4のみが、転がり抵抗における10%超の改善が可能となる。転がり抵抗を改善する他の手段は、当業者に公知であるが、グリップを犠牲にしてしまう手段にすぎない。本発明によって、組成物C1〜C4のみが良好なヒステリシス性能(60℃でのtan(δ)値により測定される)を有し、グリップは限定された範囲内で低下し、その結果2つの性能の平均が改善されることが注目される。

Claims (10)

  1. 少なくとも、
    − ブタジエンおよびビニル芳香族モノマーの1つまたは複数のコポリマーを50〜100phr含む1つのエラストマーであって、0質量%と5質量%の間のビニル芳香族単位の含有量、および−110℃〜−70℃に及ぶ範囲内のTgを有する、エラストマーと、
    − 強化フィラーと、
    − 架橋系と、
    − シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエンおよびそれらの混合物からなる群から選択される単位で主に構成される、水素化されていてもよい炭化水素系樹脂であって、前記炭化水素系樹脂が、2000g/mol未満の平均分子量Mzおよび、
    Tg≧80−2×(%HA)
    と℃で表現されるガラス転移温度Tg(式中、%HAは、前記樹脂の芳香族プロトンの含有量を表す)を有し、前記炭化水素系樹脂の含有量が、15〜150phrに及ぶ範囲内である、炭化水素系樹脂と
    に基づく、ゴム組成物。
  2. 前記炭化水素系樹脂が、1.7未満の多分散指数(PI)を有する、請求項1に記載の組成物。
  3. 樹脂が、50%未満の芳香族プロトンの含有量を有する、請求項1または2に記載の組成物。
  4. ブタジエンおよびビニル芳香族モノマーのコポリマーが、50〜80に及ぶ範囲内のムーニー粘度を有する、請求項1から3までのいずれか1項に記載の組成物。
  5. ブタジエンおよびビニル芳香族モノマーのコポリマーが、コポリマーの総質量に対して1〜4質量%のビニル芳香族単位の含有量、および、ジエン部に対して、8〜15質量%に及ぶビニル単位の含有量を有する、請求項1から4までのいずれか1項に記載の組成物。
  6. ブタジエンおよびビニル芳香族モノマーの前記コポリマーの少なくとも70質量%が官能基化されている、請求項1から5までのいずれか1項に記載の組成物。
  7. ブタジエンおよびビニル芳香族モノマーの前記コポリマーが、部分的または全体的に加水分解されてシラノールを得てもよいアルコキシシラン基により官能基化されており、アルコキシシラン基が、強化フィラーと相互反応することが可能である別の官能基を保有し、または保有せず、アルコキシシラン基が、ケイ素原子を経由してジエンエラストマーに結合している、請求項6に記載の組成物。
  8. ブタジエンおよびビニル芳香族モノマーの前記コポリマーが、主に鎖の中央で官能基化されている、請求項6および7のいずれか1項に記載の組成物。
  9. ブタジエンおよびビニル芳香族モノマーの前記コポリマーが、ブタジエンおよびビニル芳香族モノマーのコポリマーの総質量に対して、ブタジエンおよびビニル芳香族モノマーの星状分岐コポリマーを、0質量%超かつ30質量%まで含む、請求項6から8までのいずれか1項に記載の組成物。
  10. 請求項1から9までのいずれか1項に記載の組成物を含むタイヤ。
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