JP6890878B2 - 緑色食品用退色抑制剤 - Google Patents
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また、ミネラル含有乳酸菌体と、有機酸及びその塩からなる群より選ばれた1種以上の化合物とを含有する、クロロフィル含有食品の緑色の退色防止剤又は退色した緑色復元剤が知られている(特許文献2)。
さらに、リゾチーム、グリシン乃至その塩、有機酸乃至その酸性塩、酢酸ナトリウム、酸化防止剤、及び炭酸塩を含有する、緑色野菜の日持向上及び退色防止剤が知られている(特許文献3)。
しかしながら、これらの退色抑制剤はいずれも独特の風味があるため、様々な種類の緑色食品に対して使用しづらいという欠点があった。また、これらの有効成分は一般に容易入手可能なものではなく、誰でも簡便に実施できるものではなかった。そこで、様々な種類の緑色食品において、誰でも簡便に実施できる退色抑制剤が求められていた。
また、本発明の一態様によれば、有効成分である中鎖脂肪酸トリグリセリドが中鎖脂肪酸トリグリセリドを含む油脂の全質量に対して5質量%以上含有する、緑色食品用退色抑制剤を提供することができる。
さらに、本発明の一態様によれば、緑色食品と、上記退色抑制剤とを含有する、退色が抑制された緑色食品を提供することができる。
そして、本発明の好ましい一態様によれば、前記中鎖脂肪酸トリグリセリドの含有量が、中鎖脂肪酸トリグリセリドを含む緑色食品の全質量に対して1.5質量%以上である、上記緑色食品を提供することができる。
そして、本発明のより好ましい一態様によれば、前記緑色食品が、液体状食品である、上記緑色食品を提供することができる。
また、本発明の一態様によれば、緑色食品と、中鎖脂肪酸トリグリセリドとを、前記中鎖脂肪酸トリグリセリドの含有量が、中鎖脂肪酸トリグリセリドを含む緑色食品の全質量に対して1.5質量%以上となるように混合する工程を含む、退色が抑制された緑色食品の製造方法を提供することができる。
そして、本発明のより好ましい一態様によれば、前記緑色食品が、液体状食品である、上記製造方法を提供することができる。
また、本発明の一態様によれば、緑色食品と、中鎖脂肪酸トリグリセリドとを、前記中鎖脂肪酸トリグリセリドの含有量が、中鎖脂肪酸トリグリセリドを含む緑色食品の全質量に対して1.5質量%以上となるように混合する工程を含む、緑色食品に退色を抑制する方法を提供することができる。
そして、本発明のより好ましい一態様によれば、前記緑色食品が、液体状食品である、上記方法を提供することができる。
また、本発明の退色が抑制された緑色食品は、光照射下での長期にわたる保存時においても、退色が十分に抑制され得るため、製造直後の緑色を維持することも可能であり、そのため大変嗜好性が高く、従来の緑色食品では満足できなかった人々の需要に応えることができる。特に、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの棚で長期にわたり陳列される加工食品(例えば瓶詰のソース類等)に対して、本発明は好適に使用することができる。
さらに本発明は、中鎖脂肪酸トリグリセリドを有効成分とする、緑色食品用退色抑制剤や緑色食品の退色を抑制する方法を提供することができる。中鎖脂肪酸トリグリセリドはそれ自体に独特の風味がなく、ほぼ無味無臭であるので、どのような種類の緑色食品に加えても、当該緑色食品本来の風味を損なうことがなく、むしろ、当該緑色食品本来の風味を引き立たせる可能性さえあるので、様々な緑色食品に対して、本発明は好適に使用することができる。
本発明の一態様は、中鎖脂肪酸トリグリセリドを有効成分として含有する、緑色食品用退色抑制剤である。以下、当該緑色食品用退色抑制剤について詳しく説明する。
[構成脂肪酸]
本発明の緑色食品用退色抑制剤は、油脂の1種である中鎖脂肪酸トリグリセリドを有効成分として含有する。当該、中鎖脂肪酸トリグリセリド(本明細書では、「MCT」又は「中鎖オイル」ということもある)は、構成脂肪酸が炭素数6〜12の中鎖脂肪酸のみから構成されているトリアシルグリセロールである。例えば、グリセロールにオクタン酸(炭素数8)又はデカン酸(炭素数10)が3分子エステル結合した単酸基又は混酸基トリアシルグリセロールが挙げられる。また、本発明において用いられる中鎖脂肪酸トリグリセリドは、例えば、複数種の中鎖脂肪酸トリグリセリドの混合物であってもよい。また、本発明では、炭素数が8及び/又は10である中鎖脂肪酸のみから構成されていることがより好ましい。また、後述するように、炭素数8又は炭素数10の中鎖脂肪酸のみから構成されるものであっても効果を有するので、炭素数8と炭素数10の中鎖脂肪酸の比率は任意であって構わないが、その比率は75:25〜30:70であることがさらに好ましい。
また、液体状、固体状、または粉末体状など、中鎖脂肪酸トリグリセリドの形態は特に問わない。さらに、中鎖脂肪酸トリグリセリドの形態は対象とする緑色食品の形態にも依存するが、取扱いの容易性等を考慮すると、液体状であることがより好ましい。
ここで、触媒としては、特に限定されるものではなく、例えば、通常のエステル交換に用いられる酸触媒又は塩基触媒等を使用することができる。減圧下とは、例えば、0.01〜100Pa、好ましくは、0.05〜75Pa、より好ましくは、0.1〜50Paである。このとき系内の水分は少ない方が好ましく、更に好ましくは0.2質量%以下である。
但し、中鎖脂肪酸トリグリセリド含有量は、本発明の緑色食品用退色抑制剤中の中鎖脂肪酸トリグリセリドと他の油脂とを合わせた油脂の全質量の5質量%以上となることが好ましい。これは後述するように、前述の有効成分である中鎖脂肪酸トリグリセリドが中鎖脂肪酸トリグリセリドを含む油脂の全質量に対して5質量%以上含まれていないと所望の効果が得られないことによる。また、退色抑制効果は、原則、有効成分である中鎖脂肪酸トリグリセリドの含有量に比例して生じると推測されるため、本発明の緑色食品用退色抑制剤中の中鎖脂肪酸トリグリセリドと他の油脂とを合わせた油脂の全質量に対する、中鎖脂肪酸トリグリセリドの含有量は、より好ましくは10質量%以上であり、さらに好ましくは15質量%以上であり、殊更好ましくは20質量%以上である。もちろん、油脂のすべて(つまり油脂の100質量%)が中鎖脂肪酸トリグリセリドであってもよい。
他方、後述するように、中鎖脂肪酸トリグリセリドの種類によっては、5〜10質量%程度のところに効果のピークがある可能性も想定されるので、場合によっては、例えば、5〜20質量%であることも好ましく、5〜15質量%であることがより好ましく、5〜10質量%であることもさらに好ましい。
なお、本発明のメカニズムについては定かでないが、中鎖脂肪酸トリグリセリドは、他の油脂に比べて水への相溶性が高いため、一定濃度以上になるとクロロフィルの周りに存在する水を排除し、中鎖脂肪酸トリグリセリドがクロロフィルの周りを取り囲んで、クロロフィルを光分解から保護し退色を抑制しているとも考えられる。しかし、ここで説明したメカニズムは本発明の理解する上での参考程度にすぎず、本発明はこのメカニズムによって何ら制限されない。
本発明の好ましい態様は、緑色食品と、上記緑色食品用退色抑制剤とを含有することを特徴とする、退色が抑制された緑色食品を含む。ここで、本発明の「緑色食品」とは、クロロフィルを多少なりとも含んでいる食品又は食品素材であって、中鎖脂肪酸トリグリセリドのような油脂を含むことができるものであれば、特に制限されない。
本発明で用いられる「緑色食品」の例としては、例えば、バジルソース、ホウレンソウソース、グリンピースソース等のソース類、抹茶、緑茶、青汁などの飲料類、エンドウマメスナック、グリンピーススナック等のスナック類、メロンシャーベット、抹茶アイスクリーム等の冷菓類、メロンゼリー、抹茶プリンなどのデザート類、メロンケーキ、抹茶クッキー等の菓子類、抹茶蒸しパン、ホウレンソウパン等のパン類、マスカットラムネ、タブレット等の錠菓類などの固体状もしくは液体状食品が挙げられる。さらに、粉末抹茶チョコレート、粉末緑色ドレッシング、海苔ふりかけ等の粉末状もしくは顆粒状食品も挙げられる。本発明の緑色食品としては、ソース類等の液体状食品が好ましい。液体状食品は水分を多く含むため光照射による退色が起こりやすいが、本発明によれば、このような水分を多く含む液体状食品であっても、光照射による退色を十分に抑制することができる。このことは本発明の重要な特徴の1つである。なお、液体状食品の中でもソース類がより好ましく、特にバジルソースがさらに好ましい。
本発明の退色が抑制された緑色食品は、上記緑色食品と、上記緑色食品用退色抑制剤とを含有する。特に、中鎖脂肪酸トリグリセリドの含有量が、前記中鎖脂肪酸トリグリセリドを含む緑色食品の全質量に対して、1.5質量%以上であることが適当である。これは後述するように、前述の有効成分である中鎖脂肪酸トリグリセリドが中鎖脂肪酸トリグリセリドを含む緑色食品の全質量に対して1.5質量%以上ないと所望の効果が得られないことによる。また、本発明の退色が抑制された緑色食品に含まれる、前記中鎖脂肪酸トリグリセリドの含有量は、前記中鎖脂肪酸トリグリセリドを含む緑色食品の全質量に対して、1.8質量%以上であることがより好ましく、2.0質量%以上であることがさらに好ましく、3.9質量%以上であることが殊更好ましく、7.9質量%以上であることが最も好ましい。
他方、後述するように、中鎖脂肪酸トリグリセリドの種類によっては、2.0〜3.9質量%程度のところに効果のピークがある可能性も想定されるので、場合によっては、例えば、2.0〜3.9質量%であることも好ましく、2.5〜3.5質量%であることがより好ましく、2.8〜3.3質量%であることもさらに好ましい。
そして、退色が抑制された緑色食品に含まれる中鎖脂肪酸トリグリセリドの含有量が上記範囲内にあると、光照射下で長期にわたり保存しても(例えば、1か月程度保存しても)、製造直後の緑色が維持されることもあり、中鎖脂肪酸トリグリセリドが含まれていない無添加区と比べて明らかに退色が抑制された、嗜好性の高い緑色食品が得られるので好ましい。
以下、本発明の退色が抑制された緑色食品の製造方法について順を追って記述する。
本発明の退色が抑制された緑色食品の製造方法は、上述したような緑色食品を原料とし、該緑色食品と中鎖脂肪酸トリグリセリドとを、前記中鎖脂肪酸トリグリセリドの含有量が、中鎖脂肪酸トリグリセリドを含む緑色食品の全質量に対して1.5質量%以上となるように混合する工程を含む。
ここで、原料となる緑色食品、中鎖脂肪酸トリグリセリド、当該中鎖脂肪酸トリグリセリドの含有量の定義や好ましい範囲などについては上述のとおりである。
本発明の緑色食品と中鎖脂肪酸トリグリセリドとの混合は、従来から公知の方法に従って行うことができる。具体的には、例えば、まず、従来公知の方法で緑色食品又はその原材料を用意する。そして、この緑色食品又はその原材料に、上記中鎖脂肪酸トリグリセリドを添加し、例えば、良く撹拌して、前記中鎖脂肪酸トリグリセリドが該緑色食品又はその原材料中に十分に分散又は乳化された状態の緑色食品を得る。この緑色食品をそのまま喫食することもあるが、必要に応じて、例えば、煮る、蒸す、焼く、揚げる、冷やすなどの調理工程を行い、上述した緑色食品を完成することもある。つまり、本発明における「混合する工程」とは、既に最終形態にある緑色食品に、前記中鎖脂肪酸トリグリセリドを混合する場合もあれば、最終形態にない緑色食品の原材料に前記中鎖脂肪酸トリグリセリドを混合する場合も含み得る。後者の場合、その後の調理工程を経て、最終形態の緑色食品が出来上がる。ここで、混合の温度は、緑色食品に応じて異なるが、一般に常温(20℃)程度であればよく、攪拌には、通常の攪拌で常用されるミキサー、パドルミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー、流動層ミキサー、Vブレンダー、ホモゲナイザー等の機械器具を用いることができる。
ところで、以上述べたように、中鎖脂肪酸トリグリセリドを緑色食品に添加すると、緑色の退色が抑制された、外観が良く、嗜好性の高い緑色食品へと改変することができることから、本発明は、緑色食品と中鎖脂肪酸トリグリセリドとを、前記中鎖脂肪酸トリグリセリドの含有量が、中鎖脂肪酸トリグリセリドを含む緑色食品の全質量に対して1.5質量%以上となるように混合する工程を含む、緑色食品に退色を抑制する方法にも関する。
ここで、原料として用いられる緑色食品、中鎖脂肪酸トリグリセリド、当該中鎖脂肪酸トリグリセリドの含有量の定義や好ましい範囲もしくは混合工程などについては、上述のとおりである。
油脂に含まれるトリアシルグリセロールの組成の分析は、ガスクロマトグラフ法(JAOCS,vol70,11,1111−1114(1993)準拠)及び銀イオンカラム−HPLC法(J.High Resol.Chromatogr.,18,105−107(1995)準拠)を用いて行った。
油脂に含まれるトリアシルグリセロール(TAG)の有する構成脂肪酸の分析は、ガスクロマトグラフ法(AOCS Ce1f−96準拠)を用いて行った。
(1)中鎖脂肪酸トリグリセリド
中鎖オイルA(日清オイリオグループ株式会社製、中鎖脂肪酸トリグリセリドを構成する脂肪酸がオクタン酸(炭素数8)とデカン酸(炭素数10)であり、前記トリグリセリドを構成する脂肪酸の割合(質量比)がオクタン酸:デカン酸=60:40である、炭素数8及び10の中鎖脂肪酸のみで構成されているトリグリセリド)
中鎖オイルB(日清オイリオグループ株式会社製、中鎖脂肪酸トリグリセリドを構成する脂肪酸がオクタン酸(炭素数8)とデカン酸(炭素数10)であり、前記トリグリセリドを構成する脂肪酸の割合(質量比)がオクタン酸:デカン酸=75:25である、炭素数8及び10の中鎖脂肪酸のみで構成されているトリグリセリド)
中鎖オイルC(日清オイリオグループ株式会社製、中鎖脂肪酸トリグリセリドを構成する脂肪酸がオクタン酸(炭素数8)とデカン酸(炭素数10)であり、前記トリグリセリドを構成する脂肪酸の割合(質量比)がオクタン酸:デカン酸=30:70である、炭素数8及び10の中鎖脂肪酸のみで構成されているトリグリセリド)
中鎖オイルD(日清オイリオグループ株式会社製、中鎖脂肪酸トリグリセリドを構成する脂肪酸がオクタン酸(炭素数8)のみで構成されているトリグリセリド)
中鎖オイルE(日清オイリオグループ株式会社製、中鎖脂肪酸トリグリセリドを構成する脂肪酸がデカン酸(炭素数10)のみで構成されているトリグリセリド)
(2)キャノーラ油
キャノーラ油(日清オイリオグループ株式会社製、商品名:日清キャノーラ油)
下記表1に示した配合比率で、中鎖オイルAとキャノーラ油(油脂)とを合計100gとなるように混合し、実施例1〜2の退色抑制剤、比較例1〜3の油脂(前記退色抑制剤の対照)を調製した。
下記表2に示した配合で、バジルソースを製造した。具体的には、まず、松の実、アンチョビ、にんにくをフードプロセッサーに入れて20秒ほど撹拌混合し、次いで、実施例1〜2の退色抑制剤又は比較例1〜3の油脂と生バジルとを加えて、さらに3分間ほど撹拌混合し、製造した。以下、実施例1〜2の退色抑制剤又は比較例1〜3の油脂を含むバジルソースをそれぞれ実施例1〜2のバジルソース又は比較例1〜3のバジルソースと略していう。
実施例1〜2、比較例1〜3のバジルソースを100mlのサンプル瓶に70g(グラム)ずつ取り、製造直後の色を、色差計(日本電色工業株式会社製、300A)を用いて測定した。次に、10℃の暗所で保存したもの(対照)と、1000lx(ルクス)の光照射条件下(常温20℃)で保存したものとについて、保存後(1週間後、2週間後、1か月後)の色を、色差計(日本電色工業株式会社製、300A)を用いて測定した。
なお、色度の測定について、より具体的に説明すると、実施例1〜2、比較例1〜3のバジルソースを7gずつ採取し、色差計にセットし、L値(明度)、a値及びb値(いずれも色度)をそれぞれ測定した。ここで、a値は、大きければ大きいほど赤色を帯びており、小さければ小さいほど緑色を帯びていることを示すから、a値の値が対照よりも小さくなることを指標として、緑色の退色抑制効果を測定した。なお、L値は、大きければ大きいほど白色を帯びており、小さければ小さいほど黒色を帯びていることを示し、b値は、大きければ大きいほど黄色を帯びており、小さければ小さいほど青色を帯びていることを示す。
上述のとおり、実施例1〜2、比較例1〜3のバジルソースを用意した。これらについて、色差計(日本電色工業株式会社製、300A)を用いて、製造直後の色を測定した。その結果を以下の表3に示した。なお、表中の「配合比率」は、中鎖脂肪酸トリグリセリドを含む油脂の全質量中の中鎖脂肪酸トリグリセリドの含有量を指す。また、「MCT含有率」は、バジルソース(退色が抑制された緑色食品)の全質量中に含まれる中鎖脂肪酸トリグリセリドの含有量(小数点第2位を四捨五入)を指す(以下同様)。
実施例1〜2、比較例1〜3のバジルソースを、10℃の暗所で1週間保存したもの(対照)と、1000lx(ルクス)の光照射条件下(常温20℃)で1週間保存したものとを用意した。これらについて、色差計(日本電色工業株式会社製、300A)を用いて、保存後の色を測定した。その結果をそれぞれ以下の表4〜5、図1〜2に示した。
実施例1〜2、比較例1〜3のバジルソースを、10℃の暗所で2週間保存したもの(対照)と、1000lx(ルクス)の光照射条件下(常温20℃)で2週間保存したものとを用意した。これらについて、色差計(日本電色工業株式会社製、300A)を用いて、保存後の色を測定した。その結果をそれぞれ以下の表6〜7、図3〜4に示した。
実施例1〜2、比較例1〜3のバジルソースを、10℃の暗所で1か月保存したもの(対照)と、1000lx(ルクス)の光照射条件下(常温20℃)で1か月保存したものとを用意した。これらについて、色差計(日本電色工業株式会社製、300A)を用いて、保存後の色を測定した。その結果をそれぞれ以下の表8〜9、図5〜6に示した。
<退色抑制剤の調製>
下記表11に示した配合比率で、中鎖オイルBとキャノーラ油(油脂)とを合計100gとなるように混合し、実施例3〜5の退色抑制剤、比較例4の油脂(前記退色抑制剤の対照)を調製した。
上記表2に示した配合を用いて、バジルソースを同様に製造した。以下、実施例3〜5の退色抑制剤又は比較例4の油脂を含むバジルソースをそれぞれ実施例3〜5のバジルソース又は比較例4のバジルソースと略していう。
上述のとおり、実施例3〜5、比較例4のバジルソースを用意した。これらについて、段落0024と同様に、色差計(日本電色工業株式会社製、300A)を用いて、製造直後の色を測定した。その結果を以下の表12に示した。
実施例3〜5、比較例4のバジルソースを、10℃の暗所で1か月保存したもの(対照)と、1000lx(ルクス)の光照射条件下(常温20℃)で1か月保存したものとを用意した。これらについて、色差計(日本電色工業株式会社製、300A)を用いて、段落0024と同様に、保存後の色を測定した。その結果をそれぞれ以下の表13〜14、図7〜8に示した。
<退色抑制剤の調製>
下記表16に示した配合比率で、中鎖オイルCとキャノーラ油(油脂)とを合計100gとなるように混合し、実施例6〜8の退色抑制剤、比較例4の油脂(前記退色抑制剤の対照)を調製した。
上記表2に示した配合を用いて、バジルソースを同様に製造した。以下、実施例6〜8の退色抑制剤又は比較例4の油脂を含むバジルソースをそれぞれ実施例6〜8のバジルソース又は比較例4のバジルソースと略していう。
上述のとおり、実施例6〜8、比較例4のバジルソースを用意した。これらについて、段落0024と同様に、色差計(日本電色工業株式会社製、300A)を用いて、製造直後の色を測定した。その結果を以下の表17に示した。
実施例6〜8、比較例4のバジルソースを、10℃の暗所で1か月保存したもの(対照)と、1000lx(ルクス)の光照射条件下(常温20℃)で1か月保存したものとを用意した。これらについて、色差計(日本電色工業株式会社製、300A)を用いて、段落0024と同様に、保存後の色を測定した。その結果をそれぞれ以下の表18〜20、図9〜10に示した。
<退色抑制剤の調製>
下記表21に示した配合比率で、中鎖オイルD(オクタン酸のみで構成)とキャノーラ油とを合計100gとなるように混合し、実施例9〜11の退色抑制剤、比較例4の油脂(前記退色抑制剤の対照)を調製した。
上記表2に示した配合で、バジルソースを同様に製造した。以下、実施例9〜11の退色抑制剤又は比較例4の油脂を含むバジルソースをそれぞれ実施例9〜11のバジルソース又は比較例4のバジルソースと略していう。
上述のとおり、実施例9〜11、比較例4のバジルソースを用意した。これらについて、段落0024と同様に、色差計(日本電色工業株式会社製、300A)を用いて、製造直後の色を測定した。その結果を以下の表22に示した。
実施例9〜11、比較例4のバジルソースを、10℃の暗所で1か月保存したもの(対照)と、1000lx(ルクス)の光照射条件下(常温20℃)で1か月保存したものとを用意した。これらについて、色差計(日本電色工業株式会社製、300A)を用いて、段落0024と同様に、保存後の色を測定した。その結果をそれぞれ以下の表22〜23、図11〜12に示した。
<退色抑制剤の調製>
下記表18に示した配合比率で、中鎖オイルE(デカン酸のみで構成)とキャノーラ油とを合計100gとなるように混合し、実施例12〜14の退色抑制剤、比較例4の油脂(前記退色抑制剤の対照)を調製した。
上記表2に示した配合で、バジルソースを同様に製造した。以下、実施例12〜14の退色抑制剤又は比較例4の油脂を含むバジルソースをそれぞれ実施例12〜14のバジルソース又は比較例4のバジルソースと略していう。
上述のとおり、実施例12〜14、比較例4のバジルソースを用意した。これらについて、段落0024と同様に、色差計(日本電色工業株式会社製、300A)を用いて、製造直後の色を測定した。その結果を以下の表26に示した。
実施例12〜14、比較例4のバジルソースを、10℃の暗所で1か月保存したもの(対照)と、1000lx(ルクス)の光照射条件下(常温20℃)で1か月保存したものとを用意した。これらについて、色差計(日本電色工業株式会社製、300A)を用いて、段落0024と同様に、保存後の色を測定した。その結果をそれぞれ以下の表28〜30、図13〜14に示した。
なお、オクタン酸又はデカン酸のいずれか単独から構成される中鎖脂肪酸トリグリセリドであっても効果があるので、オクタン酸及びデカン酸の比率はいかなるものであっても効果があることが予想された。
Claims (4)
- 中鎖脂肪酸トリグリセリドを有効成分とし、
緑色食品がクロロフィルを含むソース類であり、
乳化剤を含まない、
緑色食品用退色抑制剤。 - 有効成分である中鎖脂肪酸トリグリセリドが中鎖脂肪酸トリグリセリドを含む油脂の全質量に対して5〜100質量%含有する、請求項1に記載の緑色食品用退色抑制剤。
- クロロフィルを含むソース類である緑色食品と、中鎖脂肪酸トリグリセリドのみ又は中鎖脂肪酸トリグリセリドと他の油脂のみとを、前記中鎖脂肪酸トリグリセリドの含有量が、中鎖脂肪酸トリグリセリドを含む緑色食品の全質量に対して1.5〜7.9質量%となるように混合する工程を含む、緑色食品の退色を抑制する方法。
- 前記緑色食品が、液体状食品である、請求項3に記載の方法。
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