JP6889498B2 - 椅子の構造 - Google Patents

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Description

本発明は、椅子の構造に関する。
椅子の座面構造の改良に関しては、近時、研究と併せて、形態の構造に関しても、種々の発明とか考案、並びに提案がなされている。
その一例を、下記に開示する。
着座者の臀部の前ズレ防止を意図した発明として、特開2019−18613号公報があり、シートの座面に復元力が作用する拡縮可能な袋部を備えたシートが開示されている。この発明は、臀部を、袋部で抱持可能とし、臀部の前ズレを無くすことにある。
尚、同様な考えとして、座骨クッションには、左右側の開口部を備え、着座者がクッションの上に座った際に、下の骨盤にかかる圧力を軽減できる、US9723928B2号公報がある。この発明では、座骨クッションには、右脚サポートカットアウト、左脚サポートカットアウト、及び後部カットアウトを備えていることで、着座者は、位置へのサポートと脚のガイダンスを持ちながら、人の尾骨への圧力を軽減でき、かつ健康な座位姿勢、適切な脊椎の整列を促進し、腰と臀部の痛みを軽減できること等が特徴である。
また、座板の坐骨部位に陥没又は貫通するように形成された対の坐骨位置付け部と、坐骨の側面から大腿骨の股関節方向に繋がる左右対称の羽状の対の側面支持部と、骨盤を正位置に誘導する構造のシート座板の構造として、特表2012−523940号公報があり、座板に着座することで骨盤の歪みを最小化し、坐骨部位が圧迫、及び痛みをなくし、骨盤の下端周囲を支えることで上半身の荷重の反発力で骨盤を保持し、臀部の下端部を引き締めることを特徴とする。
特開2019−18613号公報 US9723928B2号公報 特表2012−523940号公報
しかしながら、本発明が意図する構成、又は特徴に関しては、先行文献1−3と、市場の座面、又はシートにおいては、見当たらない。
1) 「下り座面には、着座者の座骨結節が位置可能とし、かつ空間には、着座者の尾骨が位置可能とし」、しかも、「下り座面と、椅子の背凭れの間に、着座者の臀部が接触しない空間を形成し、」た構造を確保し、従来のシート着座時に生じていた、尾骨を含む尾部の、シート座面への接地荷重による、尾部への下からの反力を回避することも可能とすることで、骨盤や脊柱の安定化にも寄与する。また、左右の座骨結節部が同じ線状でストッパー効果により止められ、しかも骨盤部の回転力や捻れを抑止でき、これによる着座者の骨盤部や脊柱の安定化に効果を発揮する。
さらに、2) 着座者の荷重がシート座面にかかっていることで、乗り物において、乗車時や運転時に、着座者へかかる加速・減速や遠心力などの重心変換力に対し、その影響力を減少させ得ることで、例えば、座り心地・乗り心地の良好性とか、身体の安定性と、身体の筋肉への負担軽減化等に寄与できる。
3) 従って、このシートは、車両・乗り物のいずれのシート(運転席・助手席・後部座席等)にも適用可能であり、かつ車両・乗り物に限らず、あらゆる用途のシート、及び/又は、座面に適用しても良い。
4) 着座者の骨盤後傾・臀部の前方へのズレを抑制可能とする。よって、着座者の安定性の向上やそれに伴う肉体的疲労感の軽減である。構造は、シンプルな座面形状でコストは殆ど増加しない、ヒトに環境に優しいシート座面となる。
また、5) 前記1)の「下り座面には、着座者の座骨結節が位置可能とし、かつ空間には、着座者の尾骨が位置可能とし」、しかも、「下り座面と、椅子の背凭れの間に、着座者の臀部が接触しない空間を形成し、」かつ「この各位置における着座者への下方からの骨盤への反力は、座骨結節の前方からの入力が可能となる構成」を確保したことで、重心が後方へ偏る為に、バランスを取る行為として、頭や肩を含む上体が前傾する姿勢となる立ち直り反射を抑制することができ、その結果、脊椎の生理的弯曲の保持は可能で、骨格支柱で体重を受け止め得ること、等の特徴を確保できる。
前述した1)〜5)の特長を達成するための手段として、請求項を提案する。
請求項1は、
座面の前方側端に山部座面を形成し、
山部座面から、後方側である背凭れ側に向かって、着座者の臀部が接触する下り座面を形成し、
下り座面端と、椅子の背凭れの間に、空間を形成し、
下り座面端に、着座者の座骨結節が位置し、
尾骨は座面に接触しないため座面からの反力を受けず、
着座者の尾骨のみが、空間の長さ方向幅内に位置し、
下り座面は、着座時に着座者の座骨結節が下り座面に当接してストッパーとなり、座骨結節から寛骨を伝わり仙腸関節を介して仙骨に入力される反力が、直立姿勢時の寛骨、仙腸関節、及び仙骨における反力の力学的作用を実質的に再現して、着座者の骨盤後傾回避できる構成とし、
骨盤後傾を回避できる構成は着座者が背凭れに上体を預けた状態で実現される
ことを特徴とする椅子の構造である。従って、1)、5)の特徴を可能とする。尚、5)の効果は、[0012]と[0030]と図3−1において示してある。
第一実施例の椅子の側面図 図1−1の椅子の下り座面に着座した、着座者の座骨結節が、下り座面に位置し、かつ着座者の尾骨が、空間に位置した状態を示した模式図 第二実施例の椅子の側面図 図2−1の椅子の下り座面に着座した、着座者の座骨結節が、下り座面に位置し、かつ着座者の尾骨が、空間に位置した状態を示した模式図 図1−2と図2−2において、着座者の座骨結節が、下り座面に位置し、かつ空間には、着座者の尾骨が、位置した状態において、着座者の骨盤後傾・臀部の前方へのズレを抑制可能とする状態を説明する模式図 図3−1において、着座者の座骨結節が、下り座面に位置し、かつ空間には、着座者の尾骨(臀部)が、位置した状態において、着座者の骨盤後傾・臀部の前方へのズレを抑止可能な状態を説明する模式図 人の骨盤に関しての表示の、腰仙関節面を含む仙骨底は、直立姿勢を可能とするヒトの特徴であることを説明する模式図 図3−3を受けて生理的な腰仙関節面の傾斜はやや前傾し、上体の胸椎の後弯、頚椎の前弯、頭蓋との全体的な重量バランスで鉛直軸を形成している様子を説明するための模式図 第一実施例の椅子の別のパターンを示す側面図と、着座者の関係を示す図 第二実施例の椅子の別のパターンを示す側面図と、着座者の関係を示す図
図1−1と図1−2において、椅子1のそれぞれの構造と、特徴を記述する。
図1−1の椅子1において、躯体2に設けた座面3は、その後方側(背凭れ側)3aには、着座者Hの臀部H1が接触する緩やかな曲面の(湾曲した)下り座面30を形成し、一方、前方側3bには緩やかな曲面でなる山部座面31を形成したシート100である。
そして、下り座面30と、椅子1の背凭れ5の間に、着座者Hの臀部H1が接触しない空間6を形成する。従って、躯体2に設けた座面3は、その後方側3aの下り座面30に、着座者Hの臀部H1が接触するとともに、一方、前方側3bの山部座面31には、人の大腿部H2が接触する。この際に、臀部H1は、空間6に、中吊り感覚に保持される。その理由は、下り座面30の後方側3aの薄肉化と、かつ後方側3aの内側の高さとによる曲面の座面3が確保されていることである。
続いて、図3−1〜図3−4に示した骨格と、第一実施例の椅子1との関係を説明する。
人の最大の特徴の一つは直立二足歩行であるが、静止時における良姿勢は直立姿勢である。図示しないが、上体荷重を左右の骨盤部の仙腸関節において、地面からの反力で支える構造になっている。そして、直立姿勢は、体重を骨軸で支えることができるが故に、姿勢保持筋力への負担軽減を可能とする。一方で、座位においても同様で、脊柱を直立に支える姿勢が理想的であり、例えば、図3−4に示すように、骨盤を立てた状態で座骨結節H4からの反力が、仙腸関節へ鉛直に入力される状態を確保することである。従って、骨盤後傾・腰椎の後弯を抑制する姿勢を保つ、例えば、骨盤の理想的傾斜位とも云える。
そして、従来の、仕事、事務用の椅子1とか、乗り物を含むシート100は、背凭れ5に上体荷重をあずける形状である為、座った際には、骨盤部は後傾してしまい、それにより脊柱全体は直立軸の保持が不可能となる。また、骨軸の不均衡発生で、座骨結節H4部からの反力による脊柱を支える力が低下してしまい、姿勢保持の為に筋肉へ負担がかかる結果を招いてしまう。骨盤後傾現象は同時に、シート100の座面3への尾骨H3を含む尾部へ荷重がかかる状況も発生させる為、そこからの反力が、テーパー形状の仙腸関節へ入力される。従って、前述の如く、人(着座者H)の骨格の力学的構造を破綻させる結果を生じ、姿勢保持・脊柱保持がより困難な状況になり、かつ時間の経過に比例して増大させる結果となる。このようなことから、例えば、骨盤後傾は、構造安定している状態から、その圧力が減少する状況となり、不安定要素が発生する方向への、所謂、逸脱する傾きと考えられる。
以上のようなことから、本発明が目的とするのは、着座者Hの骨盤後傾・臀部H1の前方へのズレを抑制可能とする座面3の提供であって、着座者Hの安定性の向上と、併せて、肉体的疲労感の軽減である。また、本発明は、シンプルな座面3の形状であって、かつコストは殆ど増加しないことと、併せて、着座者Hと環境に優しい座面3の提供である。
殊に、本発明の解決手段は、人の骨格の力学的構造を考慮し、椅子1やシート100の座面3に凸型曲部の山部座面31(傾斜段差)を設けることによる。人の座位姿勢では、体重の略80%が座面3に掛かると考えると、膨大な応力の存在から、シートに座る行為自体を、骨盤や構造支柱としての脊柱の破綻機序から防御し、その応力によりさらに、最も効率の良い安定性の獲得へと変換できることが理解できる。
例えば、図3−1において、座面3の接地部(座面接地部)の骨盤下部は、部位a)の座骨結節H4から、部位b)の恥骨結合H5へ向かい輪郭形状を成しており、この部位a)、及び部位b)に、下り座面30において、ストッパーの役割をさせることで、骨盤後傾・臀部H1の前方へのズレを抑止できる。
また、図3−2において、背凭れ5に着座者H(人)の上体をあずける行為と、その状況下において、上からの荷重により、座骨結節H4の部位a)で示すと、脊柱の位相差が前後軸上で発生する。例えば、上体荷重が理想的な荷重軸を逸脱した状態となることで、
イ)のベクトルによる、骨盤は後傾しようとする(同時に腰椎の後弯の促進)力学の発生が、臀部H1の前方へのズレを生ずる。しかしながら、本発明では、前述の如く、部位a)、及び部位b)が、下り座面30において、ストッパーの役割を担うことから、ロ)の偶力を発生させる結果となり、シート100に着座した常時においては、骨盤前傾・腰椎前弯方向へのベクトルが生ずる。即ち、この力は、筋力を使うことなく骨盤や脊柱の安定化へと結びつき、肉体疲労の軽減につながる。さらに、従来型のシートに比べて重心が前方へ向かうことで、大腿部H2への荷重量も増加し、体圧分散をも可能とする。凸型曲線の形状特性による、大腿部H2への荷重量増加も併せて起こることが考えられる。そして、また、凸型座面形状の段差はハ)で示した空間6を生むことで、従来のシート100への着座時に生じていた、尾骨H3を含む尾部への、シート100の座面3への接地荷重による、尾部への下からの反力を回避することも可能であって、骨盤や脊柱の安定化に寄与できる。また、左右の座骨結節H4の部位が同じ線状でストッパー効果により止められることで、骨盤部の回転力や捻れを抑止でき、これによる着座者Hの骨盤部や脊柱の安定化に効果を発揮する。
即ち、本発明では、乗り物乗車時や運転時に、着座者へかかる加速・減速や遠心力等の重心変換力に対しても、その影響力を減少させ得る。上記の如く、ほとんどの荷重がシート100の座面3にかかっていることを考慮すると、その部位での安定性を増すことは確実である。さらに、座り心地・乗り心地の良し悪しは、身体が楽に感じるか否かであり、筋肉への負担が多いか少ないかにより決まる。裏を返せば、骨軸で体荷重をどれだけ受けられるかによる。そして、本発明では、車両・乗り物のいずれのシート100(運転席・助手席・後部座席等)に適用しても良い。また、車両・乗り物用のシート100に限らず、あらゆる用途のシート100に適用しても良い。
尚、図示しないが、座位での理想的な荷重ラインは、座骨結節H4の上になる。しかしながら、実際に椅子1に着座した際は、前記部位a)、及びb)は、下り座面30において、ピンポイントでの接地となり不安定となる。そこで、実際の椅子1は、座面3が程度の差はあれ後傾している為、着座者Hの骨盤位は後傾位へ誘導される。これにより、上記ピンポイント接地から、座骨結節H4・尾骨H3を含む臀部(尾部)での接地になるが、重心が後方へ偏る為に、バランスを取る行為として、人の頭や肩を含む上体が前傾する姿勢となる(立ち直り反射)。これによって、脊椎の生理的弯曲の保持はできず、身体重量を筋力でサポートしなければならない状態が生まれる(骨格支柱で体重を受け止められない状態となる)。
換言すると、座り姿勢は、理想的な直立状態より逸脱した姿勢では、当然ながら、脊椎から派生する血管・神経への悪影響も考えられる(生理的弯曲形成不全による神経・血管の伸長等である)。従って、人体(身体)の変形により、内臓の位置異常や圧迫が発生することと、併せて、座面3からの反力が尾部より上方へ加わり、テーパー形状の仙腸関節への離解力が発生し、仙腸関節不安定症に繋がる。これは、脊柱支持力の低下が起こり、かつ身体のメカニズムの悪循環が継続する。
殊に、勉強やデスクワーク時においては、前方の机に向かう為、通常は前傾姿勢となることが理想である。しかしながら、現実は、骨格支柱を支える骨盤位が後傾位では、脊柱の配列が屈曲位となる為に、体重を骨格で支持することが不可能となり、かつ負荷は筋肉へ負担をかける。
上記に鑑み、本発明では、図4−1に示した椅子1の別のシートパターンにおいては、骨盤が重力作用により自然と前傾へと誘導され、大腿後面部や足底への接地荷重が増加し、身体の体圧分散作用の向上と、身体の支持面積拡大が図れる構成としている。これにより、例えば、姿勢保持の安易化・安定化と骨格支柱での身体重量支持増大による筋肉のエネルギーロスの低減と、座り心地の改善や疲れにくさの改善に繋がる特性がある。そして、また、骨盤が軽度前傾傾向へ誘導された結果として、立ち直り反射により、無意識的に上体を起こす動きが発生する。すなわち姿勢改善へと誘導する。以上の結果、座りながらにして骨盤が立った状態にて脊椎を支えることが容易に可能となり、理想的な重心バランスでの座り姿勢となれる。
図4−1に示した、第一実施例の椅子1の別のシート100のパターンでは、背凭れ無しの椅子1に、座面3を備え、かつ湾曲した下り座面30と、湾曲した山部座面31と、を備えてなるシート100であり、空間6には、原則として、臀部H1がない使用である。
また、図3−3に示した、腰仙関節面H6を含む仙骨底H7は直立姿勢を可能とする人の特徴であり、その履歴を紐解くと、着座者Hの進化過程において増大したので、上体荷重を鉛直軸上で支えることを可能とする為の構造である(図3−3・3−4参照)。図面では、生理的な腰仙関節面の傾斜はやや前傾である。上体の胸椎の後弯、頚椎の前弯、頭蓋との全体的な重量バランスで鉛直軸を形成している。きわめて理想で、健康的な短角維持である。
そして、前述した如く、座り姿勢における骨盤後傾が、いかに非生理的な状態であるかが理解できる。例えば、任意に骨盤を立てる動作は、種々の弊害がある。例えば、(1) 姿勢を保持する為に過大な筋力を要すること、(2) 連動して上半身の筋緊張を生ずることから、継続して維持することは困難であり、座り姿勢に違和感と、疲労とを伴うこと、等の改良点がある。
以上で説明した、使用方法と特徴は、第一実施例の構成に基づく。
図2−1と図2−2において、椅子1の第二実施例の構造と、特徴を記述する。
図2−1の椅子1において、躯体2に設けた座面3は、その後方側(背凭れ側)3aには、着座者Hの臀部H1が接触する傾斜する(傾斜面でなる)下り座面30を形成し、一方、前方側3bには凸型角部の山部座面31を形成する。
そして、下り座面30と、椅子1の背凭れ5の間に、着座者Hの臀部H1が接触しない空間6を形成する。従って、躯体2に設けた座面3は、その後方側3aの下り座面30に、着座者Hの臀部H1の一部が接触するとともに、一方、前方側3bの山部座面31には、人の大腿部H2が接触する。この際に、臀部H1は、空間6に、安定的に保持される。その理由は、下り座面30の後方側3aの薄肉と、かつ後方側3aに高さが確保されていることである。
その使用方法と特徴は、前述の第一実施例と同じと考えられる。
さらに、図5−1に示した、第二実施例の椅子1の別のシート100のパターンでは、背凭れ無しの椅子1に、座面3を備え、かつ傾斜面でなる下り座面30と、角方の山部座面31と、を備えたシート100であり、空間6には、原則として、臀部H1がない使用である。
前述した各図面と、各図面に基づく説明は、本発明の好ましい一例であって、この説明と各図面に限定されない。従って、発明の趣旨の範囲において構成の一部を変更する構造とか、同じ特徴と効果を達成できる構造、等は、本発明の範疇である。
本発明は、各実施例に、それぞれの構造と特徴を説明したが、その基本構造は、前述した如く、山部座面31を、後方側3aにするか、下り座面30を、前方側3bにするかの一例と、逆のパターンとなる山部座面31を、前方側3bにするか、下り座面30を、後方側3aにするかの他の一例とが考えられるが、人Hの着座姿勢とか、慣習等により選択できることと、必要により、人Hの要望と訓練等を考慮することで、有意義な利用ができる。さらに選択の幅が広がる等の有効性も考えられる。
H 着座者(人)
H1 臀部
H2 大腿部
H3 尾骨
H4 座骨結節
H5 恥骨結合
H6 腰仙関節面
H7 仙骨底
1 椅子
100 シート
2 躯体
3 座面
3a 後方側
3b 前方側
30 下り座面
31 山部座面
5 背凭れ
6 空間

Claims (1)

  1. 座面の前方側端に山部座面を形成し、
    この山部座面から、後方側である背凭れ側に向かって、着座者の臀部が接触する下り座面を形成し、
    前記下り座面端と、椅子の前記背凭れの間に、空間を形成し、
    前記下り座面上に、前記着座者の座骨結節が位置し、
    前記着座者の尾骨のみが、前記空間の長さ方向幅内に位置し、
    前記尾骨は前記座面に接触しないため前記座面からの反力を受けず、
    前記山部座面には、前記着座者の大腿部の裏面が位置し、
    前記下り座面は、着座時に前記着座者の座骨結節が前記下り座面に当接してストッパーとなり、座骨結節から寛骨を伝わり仙腸関節を介して仙骨に入力される反力が、直立姿勢時の寛骨、仙腸関節、及び仙骨における反力の力学的作用を実質的に再現して、前記着座者の骨盤後傾回避できる構成とし、
    前記骨盤後傾を回避できる構成は前記着座者が前記背凭れに上体を預けた状態で実現される
    ことを特徴とする椅子の構造。
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