JP2006218048A - 椅子 - Google Patents

椅子 Download PDF

Info

Publication number
JP2006218048A
JP2006218048A JP2005033633A JP2005033633A JP2006218048A JP 2006218048 A JP2006218048 A JP 2006218048A JP 2005033633 A JP2005033633 A JP 2005033633A JP 2005033633 A JP2005033633 A JP 2005033633A JP 2006218048 A JP2006218048 A JP 2006218048A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
backrest
support portion
view
support
chair
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005033633A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4800633B2 (ja
Inventor
Nobutoshi Yamazaki
信寿 山崎
Yoshiko Yagi
佳子 八木
Nobuhiko Kitada
暢彦 北田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Itoki Corp
Original Assignee
Itoki Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Itoki Corp filed Critical Itoki Corp
Priority to JP2005033633A priority Critical patent/JP4800633B2/ja
Publication of JP2006218048A publication Critical patent/JP2006218048A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4800633B2 publication Critical patent/JP4800633B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】女性が使用しやすい椅子を提供する。
【手段】椅子は座3と背もたれ4とを備えている。背もたれ4は、着座した人の腰とその上下の部分とを支える第1サポート部48と、その上方に連続した第2サポート部49とから成っている。第1サポート部48は縦断側面視において前向き凸状に湾曲している。第1サポート部48の左右側部は、着座した人を左右両側から包むように前向きに突出したサイドガード部48aが形成されており、サイドガード部48aは側面視で丸みを帯びた山形に形成されている。第2サポート部49は逆台形状に形成されている。サイドガード部48aの存在により、適度のホールド感を得ることができると共に、着座した人の腰下の肌が露出してもこれを隠すことができる。
【選択図】 図1

Description

本願発明は、背もたれを備えている椅子に関するものである。
例えば事務用回転椅子は、背もたれが後傾動するロッキングタイプが殆どである。背もたれの構造としては、フレームにネットを張ったものも出回ってはいるが、合成樹脂製の背インナーシェルの前面にクッション体を張ったものが主流であり、背インナーシェルはその後方に配置したバックフレーム(背支柱)やアウターシェル等の支持部材(バックサポート)に取付けていることが多い。
椅子の機能は人が腰掛けることであるが、椅子の使用態様は、背もたれを後傾させずに上半身を起こして例えばパソコン操作等の作業を行う作業態様と、背もたれを後傾させてリラックスする態様とに分け得ると言える(これは便宜的な分類であり、背もたれにもたれ掛かってパソコンやCADのマウスを操作するような場合もある。)。
着座した人が上半身を直立させた作業状態では、疲れの抑制等のため、背筋を伸ばして正しい姿勢を採ることが重要である。この場合、骨盤が不安定であると着座した人は猫背気味になりやすい。そこで、背もたれに、人の骨盤や腰椎を集中的に支持するランバーサポート機能を持たせることが行われている(例えば特許文献1参照)。
また、一般に、事務用回転椅子における背もたれの前面は人の上半身の背面のカーブに合わせて前向き凹状に反らせている。これに対して、特許文献2には、着座した人の脇腹のあたりを左右両側から包み込む形状の背もたれが開示されている。
特許第3553301号公報 意匠登録第1083758号公報
ところで、本願発明者たちが椅子の使用状態を観察したところ、男性と女性では椅子の使用の仕方に違いが見られることが分かった。
すなわち、男性が椅子を使用する場合は、背もたれの全体に背を当てていわば退け反るような姿勢で作業(例えばパソコン操作)を行ったり、例えば机に肘をついて作業を行ったりといった行儀の悪い姿勢を採ることに心理的な抵抗はないが、女性の場合、作業中では一貫して上半身を伸ばした姿勢を採ることが殆どであり、背もたれにもたれ掛かって退け反ったり、机に肩肘をついたりといった姿勢を採ることは殆どないと言える。従って、女性が椅子を使用する場合、上半身を伸ばした姿勢を楽に採れる機能が要請されていると言える。
しかして、従来、椅子との関係での女性に対する配慮としては、せいぜい寸法の小さい椅子を用意するといった程度のことしか成されておらず、心理面や動作面から見て女性が使いやすい機能を椅子に持たせるという着想は殆どなかったといえる。
また、女性用のズボンとして、腰口を臍のやや下方に位置させたローライズパンツと呼ばれるズボンがあり、このローライズパンツを穿いて椅子に腰掛けると、腰の側部の肌が露出する場合があるが(女性用のズボンは身体にフィットしていることから、着座すると生地が臀部の側に引き込まれる現象を生じて、肌が露出しやすくなる。)、従来の回転椅子の背もたれの平面形状は殆ど平坦に近い形状であるため、露出した肌が外部から見えやすかった。
この点については、特許文献2のように構成することによって肌の露顕を防止又は抑制できると言えるが、特許文献2の背もたれは下部も巾狭になっているため肌を的確に隠せない場合が生じる虞れがある。すなわち、腰下部分の露出肌を隠す目隠し効果が十分でない虞れがある。
また、特許文献2の背もたれのうちは上部は最大横巾の1/3程度の横巾寸法しかないため、着座した人が背もたれにもたれ掛かった状態で身体を横移動させると肩が背もたれから外れて安定性が悪くなる虞れがある。更に、背もたれの縦断側面視の形状は殆ど直線に近い形状であるため腰の支持機能が弱く、背筋を伸ばした姿勢を採るための機能が低いう点も問題であった。
本願発明はこのような現状を改善すべくなされたもので、女性に好適な椅子を提供することを課題とするものである。
請求項1の発明に係る椅子は、座と背もたれと備えており、前記背もたれの縦断側面視形状を、上半身を起こして着座した人の腰が支持され得る前向き凸部を有する前向き凸状に湾曲した形状に形成しており、更に、前記背もたれはその裏側に配置された支持部材に取付けられている。
そして、前記背もたれは、前向き凸部を挟んだ上下両側に広がる第1サポート部と、この第1サポート部に連続して上方に延びる第2サポート部とから成っており、前記第1サポート部に、着座した人を左右両側から包むように前向きに突出したサイドガード部を形成している一方、前記第2サポート部は、少なくとも上端部が平面視で略平坦状かそれに近い状態で前向き凹状に反った平断面形状に形成されていると共に、着座した人の肩部を安定的に支え得る横巾に設定されている。
請求項2の発明に係る椅子は、請求項1において、前記背もたれにおける第1サポート部の左右サイドガード部は、側面視では丸みを帯びた前向き凸の山形で正面視では外向き凸状に緩く湾曲した形状になっている一方、背もたれの第2サポート部は正面視で上方に向けて左右横巾が広がる略逆台形状に形成されており、このため第2サポート部と第1サポート部との境界部は正面視で最も横巾が小さいくびれ部になっている。
請求項3の発明に係る椅子は、請求項1又は2において、前記背もたれにおける第1サポート部と第2サポート部との上下高さ寸法の比率は約2:3〜3:5であり、更に、前記第2サポート部の最大横巾寸法を第1サポート部の最大横巾寸法よりもやや小さい寸法に設定している。更に、請求項4の発明は、請求項1〜3のうちのいずれかにおいて、前記背もたれは合成樹脂製の背インナーシェルの前面にクッション体を張った構造であり、縦断側面視における湾曲の程度が小さくなるように弾性変形することが許容されている。
本願発明によると、着座した人が事務等の作業を行うにおいては、背もたれの前向き凸部に腰椎を当てることにより、上半身の重心を骨盤の真上に保持して、背筋を伸ばした正しい姿勢を楽に維持し続けることができる。
更に述べると、着座した人の腰椎が背もたれの前向き突部で押されることにより、人の上半身は前向きに突き出され気味になって胸を上に上げて上半身を反らせる傾向を呈し、その結果、頭も起き勝手になって頭の重心が頸椎の真上に位置する状態になる。このため、背筋を伸ばした美しい姿勢で長時間にわたって使用し続けることができるのであり、従って、女性に特に好適である。この場合、前向き凸部を着座者の腰椎の上部に当たる高さ位置に設定しておくと、着座した人の上半身を突き出す作用が的確に発揮されてより好適である。
また、第1サポート部にサイドガード部を設けたことにより、人に対するホールド性が高くなって身体の安定性が高くなるが、この場合、サイドガード部は第1サポート部のみに設けているため、使用者が圧迫感を受けることはなく、また、着座した人が肩を回すといった動作も支障無く行える。更に、第2サポート部は平坦に近いため、人の肩や背中を安定よくサポートすることができる。更に、サイドガード部は側面視で山形であるため着座・離席に際してサイドガード部が邪魔になることはない。
このように、本願発明の椅子は、着座した人が上半身を起こして事務等の作業を行うに際して、背筋を伸ばした見た目にも美しい姿勢を採り続けることをバックアップできるのみならず、使用者の身体に対する適度のホールド感と使用者の動作の自由性とを兼備しており、このため、女性の要望に応えた画期的な椅子であると言える。
また、第1サポート部のサイドガード部によって腰下のあたりを隠すことができるため、椅子の使用者がローライズパンツを穿いていて腰下のあたりの肌が露出していても、肌を外部から見られることを防止又は著しく抑制することができ、この面からも女性の要望に応えていると言える。
更に、第2サイドガード部は着座した人の背中を安定的に支持できる横巾であるため、着座した人が肩を左右にずらしたりねじったりしても背中が背もたれから外れることはなく、従って、使用者の上半身に対する高い支持安定性を確保できる。
ところで、人の胴体の標準的な体形は、ウエストから肩に向けて左右横巾が大きくなっている。そして、請求項2のように構成すると、背もたれは全体として人の標準的な胴体の体形に類似した正面形状になっており、このため、上半身が背もたれから左右に落ち込むような現象は生ぜず、上半身を安定的にサポートし得る。また、くびれ部の存在により、人は上半身をねじったり離着席したりといった動作を採りやすい。従って請求項2によると、上半身の的確なサポート機能を保持しつつ、人の動作の自由性もより向上できる。
サイドガード部は着座した人の腰に加えて臀部まで覆うことも可能であるが、あまり人を覆う面積が大きいと体裁が悪くなる虞れがある。この点、請求項2のようにサイドガード部を側面視で前向き凸の山形に形成すると、適度のホールド性と目隠し機能とを保持しつつ体裁を良くできる利点がある。
腰の横巾に対する肩巾の比率は男性に比べて女性の方が小さくなる傾向を呈している。従って、請求項3のように第2サポート部の最大巾寸法が第1サポート部の最大巾寸法より多少小さくても、肩や背中の支持機能には支障はない。また、第2サポート部が第1サポート部よりも巾狭であることによって椅子にほっそり感が付与されて、女性らしいデザインになっていると言える。
背もたれが後傾動するロッキングタイプの椅子の場合、ロッキング時においても背もたれの前向き凸部のプロフィールに変化がないと、人の腰が過度に突き上げられて人に不快感を与える虞れがあるが、請求項4のように構成すると、背もたれは、その後傾動に連動して前向き凸部の湾曲の程度が小さくなるように構成とすることが可能になる。従って、ロッキングタイプの椅子として特に好適である。
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(1).椅子の概略
まず、図1〜図8に基づいて椅子の概略を説明する。図1は使用者を一点鎖線で表示した椅子の正面図、図2は右側面図、図3のうち(A)は平面図、(B)〜(E)は図1のB−B、C−C、D−D、E−E線で切断した背もたれの表面のプロフィールを示す図、図4は右側から見た部分的な分離側面図、図5は背面図、図6は図4のVI−VI視平面図、図7は図6の VII-VII視断面図、図8は図6のVIII−VIII視断面図である。
椅子(回転椅子)は、脚1と、脚1の上端に取り付けたベース体2と、その上方に配置した座3と、座3の後方に配置した背もたれ4とを備えている。脚1は、ガスシリンダからなる脚柱5と、脚柱5から放射状に延びる枝足6とを備えており、各枝足6の先端にはキャスター7を設けている。
図7及び図8に示すように、ベース体2は上向きに開口した箱状に形成されている。座3は、前後の座シェル板8,9とそれらの上面に一連に延びるように張ったクッション体とを備えている。詳細な説明は省略するが、図3から推測できるように、前後座シェル板8,9はその左右端部に形成した軸受け部10に軸11を挿通することによって連結されており、従って、座3の前部(前部座シェル板8の部分)は軸11の箇所を中心にして前向きに倒すことが可能である。
座3の後部シェル板9の下面には、ベース体2に上方から被さる形状の第1中間金具12が固定されており、また、前部座シェル板8の下方には、第1中間金具12に上方から被さる形状の第2中間金具13が配置されている。第1中間金具12の前端部と第2中間金具13の後端部とは、左右長手の第1支軸14によってベース体2の前部に連結されている。第1支軸14を挿通するためにベース体2に形成したガイド穴15は側面視で傾斜状に延びる長穴になっており、従って、第1軸14はガイド穴15に沿って略前後方向にスライドし得る。
第2中間金具13は座3の前部を支持するためのものであり、その前端部に左右長手のロッド16を設ける一方、前部座シェル板8の下面には、ロッド16が係脱する凹凸状の係止部材17を設けている。係止部材17の凹所に対するロッド16の嵌合位置を変えることにより、座3の前部の側面視姿勢を変えることができる。
背もたれ4は、ベース体2に後傾動自在に連結した傾動フレーム20と、第1中間金具12に固着した補助フレーム21とを介して取付けられている。この実施形態では、傾動フレーム20と補助フレーム21とが協働して請求項1に記載した支持部材(バックサポート)を構成している。両フレーム20,21はそれぞれ2本ずつの丸パイプから成っており、左右の補助フレーム21の間に傾動フレーム20が配置されている(勿論、逆の配置でも良い。)。
図6及び図8に示すように、ベース体2の内部のうち後部には、第1支軸14と平行に延びる第2支軸22が配置されており、第1支軸14と第2支軸22との間には、ばね手段の一例としての第1〜第3のコイルばね23,24,25が並列配置されている。各コイルばね23,24,25は、第1支軸14に被嵌した前ばね受け26と、第2支軸22に嵌め込まれた後部ばね受け27とで支持されている。
また、第2支軸22は、第1コイルばね23を支持する後部ばね受け27と専用の軸受け28とで後退動不能に保持されており、第1コイルばね23を支持する後部ばね受け27と専用の軸受け28とに、前記傾動フレーム20が第3支軸29によって後傾動自在に連結されている。言うまでもないが、傾動フレーム20はベース体2に直接に取付けても良いし、また、第2支軸22を傾動フレーム20の連結に兼用することも可能である。
第2支軸22にはロック切り換えレバー30を取付けている。詳細は省略するが、ロック切り換えレバー30を操作して第2支軸22を回転操作することにより、背もたれ4の後傾動に対する弾力(弾性抵抗)を調節できる。
図8に示すように、ベース体2の内部には補強板31が溶接によって固着されている。また、脚柱5(ガスシリンダ)の上端部は、ベース体2に固着した筒体32に嵌着しており、ベース体の2の内部には、脚柱5のプッシュバルブ33をプッシュ操作するための押圧装置35を設けている。図2に簡単に示すように、後部座シェル板9の側部下面には、前記押圧装置35を操作するためのレバー36を設けている。
(2).背もたれの形態の特徴
次に、従前の図に加えて図9及び図16も参照して背もたれ4の形態について説明する。図9は背もたれ4の縦断右側面図、図16は着座した人の椎骨と背もたれとの関係を示す図である。背もたれ4は、合成樹脂製の背インナーシェル43の前面にクッション体44を張った構造であり、また、背もたれ荷重が掛かっていない自由状態で全体として後傾した側面姿勢になっている。
また、図9に示すように、背もたれ4は、縦断側面視で前向き凸状に湾曲しており、従って、着座した人の上半身の一部に集中的に当接し得る前向き凸部45を備えている。そして、図16は背もたれ4を線で表示している図であるが、この図から明らかなように、背もたれ4の前向き凸部45は、着座した人46の腰椎47が当たる高さになっている。
腰椎47は5個の椎骨で構成されているが、本実施形態では、非ロッキング状態において、前向き凸部45は、着座した人46の腰椎47のうち第3腰椎47aのあたりかそれよりも上方の部分に主に当たる高さ位置に設定されている。
もちろん、身長によって着座した人46の腰椎47の高さには個人差があるが、平均的な身長の人を基準にして高さ位置を設定しておけば、多少の身長の違いがあっても、概ね腰椎47の上部あたりを前向き凸部45で押すことができる。具体的には、成人女性向け椅子の場合、座面(座3の左右中間部の上面)から前向き凸部45の最先端までの高さHは190〜250mmに設定するのが好ましい。
図1や図5に示すように、前向き凸部45を挟んだ上下両側に広がる第1サポート部48と、この第1サポート部48に連続して上方に延びる第2サポート部49とから成っており、第1サポート部48に、着座した人を左右両側から包むように前向きに突出した側面視山形で丸みを帯びたサイドガード部48aが形成されている。サイドガード部48aは、正面視で左右外向き凸状に緩い曲率で湾曲した形状になっている。サイドガード部48aは前向き凸部45の高さ位置において最も外向き及び前向きに張り出している。
一方、第2サポート部49は、正面視で上方に向けて左右横巾が広がる略逆台形状に形成されており、このため、両サポート部48,49の境界部はくびれ部50になっている。女性用椅子の場合、背もたれ4の全高は約500mm程度でよい。また、第1サポート部48と第2サポート部49の比率は、3:2〜5:3程度が好適である。
第2サポート部49は第1サポート部48と滑らかに連続しており、従って、第2サポート部49の下端の平断面形状は前向き凹状に緩く反っている。そして、反り(湾曲)の程度は上方に行くに従って小さくなっており、上端では平面視で殆ど平坦状に形成されている(図3(B)(C)参照)。第2サポート部48の上端は着座した人46の肩部を安定的に支え得る横巾(女性用の場合であると、例えば370mm程度かそれ以上)に設定されている。
第1サポート部48の正面視における最大巾寸法W1(図1参照)は400〜450mmが好ましく、くびれ部50の巾寸法W2は300〜350mm程度が好ましい。従って、正面視におけるくびれ部50からサイドガード部48aの左右外向き最大張り出し寸法は50mm(40〜60mm)程度あるのが好ましい。
第2サポート部49の最大巾寸法は座3及び第1サポート部48の最大横巾W1よりもやや小さい寸法になっている。サイドガード部48aの前向き突出寸法、すなわち、側面視において前向き凸部45の頂点部からサイドガード部48aの頂点部までの前後寸法Lは60mm〜100mm程度が好適であった。この寸法が小さいとホールド感や目隠し効果が低くなり、逆に大き過ぎると圧迫感を与えると共に作業等の邪魔になる。
なお、第1サポート部48は平面視で前向き凹状に湾曲しているが、図3(E)に示すように、横巾が最大の部位において最も曲率が大きくて、それから上下に離れるに従って平面視での湾曲の程度は緩くなっている。
背もたれ4の最大巾寸法は座3の最大巾寸法よりもやや小さいが、これは、ウエストに比べて臀部の横巾が大きい場合が多いという女性の体形に合わせたものである。勿論、第1サポート部48及び第2サポート部49の最大横巾を座3の最大横巾と略同じ程度に設定しても良い。
(3).背もたれの取付け構造
次に、既述の図に加えて図10以下の図面も参照して背もたれ4の取付け構造を説明する。図10のうち(A)は一部を省略した背面図、(B)は要部の一部破断背面図、図11は図10(A)のXI−XI視断面図、図12は図10(B)のXII-XII 視断面図、図13は図10(B)のXIII−XIII視断面図、図14のうち(A)は図10(A)のXIVA-XIVA 視断面図、(B)は図3のXIVB-XIVB 視断面図、図15は背インナーシェルの部分的な正面図、図17及び図18は作用を示す図である。
既述した傾動フレーム20は背もたれ4の背後の近くまで延びており、この左右傾動フレーム20の上端に、前向きに開口した平断面略C字状の第1ガイド部材52を溶接等によって固着している。第1ガイド部材52は、非ロッキング状態において、側面視で背インナーシェル43の下部の傾斜面と略平行な姿勢に設定されている。
他方、左右の補助フレーム21は、2本の傾動フレーム20の左右両側面に密接した状態で背もたれ4の背面に沿って上方に延びており、例えば図13に示すように、補助フレーム21と第1ガイド部材52とは、ボルト(ビス)で代用されている左右長手の第4軸53によって相対回動可能に連結されている。
従って、両フレーム20,21とは一体に傾動する。補助フレーム21と第1ガイド部材52との間には樹脂製のカラー54が介在しており、また、補助フレーム21の外面にも樹脂製のワッシャー55を配置している。言うまでもないが、左右の第4軸53は同心に配置されている。
左右補助フレーム21の上部は互いの間隔が広がるように曲げられており、左右補助フレーム21の上端はこれらに溶接したステー56を介して一体に連結されている。図14(A)に示すよう、ステー56の左右両端部はビス57及びナット58によって背インナーシェル43に固定されている。従って、背インナーシェル43の上端部はステー56によって前後離反不能及び上下作用にずれ不能に保持されている。
なお、ビスを背インナーシェル43にねじ込んでも良いし、スナップ係合等の他の手段で背インナーシェル43をステー56又は補助フレーム21に取付けても良い。補助フレーム21及び傾動フレーム20は、その裏側に配置した合成樹脂のカバー59で覆われている。また、図14(B)に示すように、カバー59は、その上端部に形成した前向き片を前記ステー56にビス59′で締結されている。勿論、ビスを使用しない取付け方法も採用可能である。
例えば図11及び図13に示すように、背インナーシェル43の裏面の下部には、第1ガイド部材52の内部に入り込む上下長手の第2ガイド部材60がビス61で固定されている。第2ガイド部材60は外向き開口のコ字状の平断面形状であり(勿論、他の形状でも良い)、その左右両側面に、第1ガイド部材52の内部に転動自在に当接する上下2対(3対以上でもよい)のコロ62を取付けている。
従って、両フレーム20,21の姿勢に関係なく、第1ガイド部材52と第2ガイド部材60との側面視での相対的な姿勢は変化しない。換言すると、背インナーシェル43のうち第2ガイド部材60が固定されている下部と第1ガイド体52との相対的な側面視姿勢は常に一定になっている。
図15に示すように、背インナーシェル43のうち第1サポート部48の上半部には、当該上半部の曲げ強度を弱くする弱化手段の1つとしてスリット67の群を形成している。このため、第1サポート部48の上半部は平面視で前向き凹状でありながら、縦断側面視おいて伸びるように容易に変形する。
(4).まとめ
既述のように、非ロッキング状態において椅子に深く腰掛けた使用者は、腰椎47がクッション体44を介して背インナーシェル43の前向き凸部45で突き出される作用を受ける。このため、使用者46は自然に胸を起こして背筋を伸ばした姿勢となり、かつ、頭も起き勝手になる。このため、上半身は立った時のように重心が安定し、その結果、使用者は長時間正しい姿勢を保持し続けのみならず、他人には行儀正しく美しく見える。
また、第1サポート部48にサイドガード部48aを設けたことにより、人46は背もたれ4に包み込まれたような状態になって、背もたれ4のフィット性が向上できる。また、ローライズパンツを穿いた女性が着座して左右腰下の部分の肌が露出しても、露出した肌は左右サイドガード部48aが隠れるため、他人にに見られることを防止できる。
また、背もたれ4の全体が平面視で前向き凹状に湾曲している訳ではなく、第1サポート部48は脇腹を中心にした部分のみに存在しているに過ぎず、かつ、第1サポート部48は側面視で前向き凸状の山形であるため、着座した人が背を左右に移動させたりねじったりする動作を採ることには支障はなく、使用者に圧迫感を与えることはない。かつ、離着席に際してサイドガード部48aが邪魔になることもない。つまり、サイドガード部48aを側面視山形に形成したことにより、人に対するフィット性と動作の自由性とを同時に達成できるのである。
着座した人46が背もたれ4にもたれ掛かると、図17に模式的に示すように、傾動フレーム20が後傾するとことに連動して、座3と補助フレーム21とは一緒に後傾しつつ後退動する。そして、傾動フレーム20が後傾動すると第1ガイド部材52の側面視での姿勢は直立姿勢に近づいてゆき、これに伴って、第2ガイド部材60と背インナーシェル43の下部との側面姿勢も第1ガイド部材52と同じになる。
他方、背インナーシェル43の上部は補助フレーム21の上端に固定されているため、背インナーシェル43(背もたれ4)は縦断側面視での曲がりの程度が小さくなるように伸び変形する。従って、背インナーシェル43(背もたれ4)は、ロッキングし切った状態では図18のようにかなりフラットに近い側段断面形状になる。この場合、背インナーシェル43における第1サポート部48の略上半部がスリット67によって変形し易くなっているため、背インナーシェル43はスムースに伸び変形する。
女性用の椅子の場合、背もたれ4が無負荷の初期状態からロッキングし切るまでの傾動角度は10度以下が好ましく、特に6〜8度が好適であった。これは、女性は腹筋が弱くて身体を大きく起こしにくいことに起因している。
既に説明したように、ロッド16と係合部材17との嵌合位置変えることにより、座3の前部の側面姿勢を変化させることができる。ロッド16の位置の軌跡を図19に示している。座3の前部の側面姿勢変更は、例えば図2に符号72で示すレバー装置によって行われる。
本実施形態では、座3の前面は平面視で前向き凹状に緩く湾曲して(反って)いる。このため、女性は無意識に左右両足を閉じる(揃える)傾向があり、このため、行儀良く上品な姿勢を自然に取ることができる。また、座3の前面が平面視で前向き凹状に反っていると、身長の低い人でも膝裏を座3の前面に当てることなく深く腰掛けることができる。
座3の前部を前倒しできる構成にすると、身長がより低い人でも座3に深く腰掛けることができ、また、使用者が大腿部に圧迫感を受けることや大腿部にむくみが生じることの防止又は軽減できる。更に、上半身を乗り出すようにして腰掛ける「チョイ掛け」の姿勢を違和感なく取ることができる利点がある。
(5).その他
本願発明は上記の実施形態の他にも様々に具体化することができる。例えば、背インナーシェルにクッション体を張らずに、背インナーシェルに人の上半身を直接に当てることも可能である。更に、本願発明はロッキング椅子に限らず、背もたれが後傾しない椅子(例えば会議用のパイプ椅子)にも適用できる。
サイドガード部のうち着座した人の腰よりも上方の部分は、圧迫感の防止や離着席に際しての邪魔になることを防止するため、第2サポート部に向けて前向き及び横向き突出寸法が小さくなる略傾斜状(或いは湾曲状)に形成するのが好ましいが、腰よりも下方の部分は正面及び側面視で略鉛直状に延びる形態でも良い。
実施形態に係る椅子の正面図である。 左側面図である。 (A)は椅子の平面図、 (B)〜(E) はは図1の B-B線、 C-C線、 D-D線、 E-Eで切断した背もたれの表面のプロフィールを示す図である。 分側面図である。 背面図である。 図4のVI−VI視平面図である。 図6の VII-VII視断面図である。 図6のVIII−VIII視断面図である。 背もたれの縦断右側面図である。 (A)は一部省略背面図、 (B)は要部の一部破断背面図である。 図10 (A)のXI−XI視断面図である。 図10(B)のXII-XII 視断面図である。 図10(B)のXIII−XIII視断面図である。 (A)は図10(A)のXIVA-XIVA 視断面図、(B)は図3のXIVB-XIVB 視断面図である。 背用インナーシェルの部分的な正面図である。 着座した人の椎骨と背もたれとの関係を示す図である。 動きを示す図である。 (A)はロッキング状態での側断面、 (B)は背もたれと椎骨との関係を示す図である。 座の前部の一部破断側面図である。
符号の説明
1 脚
2 ベース体
3 座
4 背もたれ
8,9 座のシェル板
43 背インナーシェル
45 前向き凸部
44 クッション体
48 第1サポート部
49 第2サポート部
50 くびれ部

Claims (4)

  1. 座と背もたれと備えており、前記背もたれの縦断側面視形状を、上半身を起こして着座した人の腰が支持され得る前向き凸部を有する前向き凸状に湾曲した形状に形成しており、更に、前記背もたれはその裏側に配置された支持部材に取付けられている椅子であって、
    前記背もたれは、前向き凸部を挟んだ上下両側に広がる第1サポート部と、この第1サポート部に連続して上方に延びる第2サポート部とから成っており、前記第1サポート部に、着座した人を左右両側から包むように前向きに突出したサイドガード部を形成している一方、
    前記第2サポート部は、少なくとも上端部が平面視で略平坦状かそれに近い状態で前向き凹状に反った平断面形状に形成されていると共に、着座した人の肩部を安定的に支え得る横巾に設定されている、
    椅子。
  2. 前記背もたれにおける第1サポート部の左右サイドガード部は、側面視では丸みを帯びた前向き凸の山形で正面視では外向き凸状に緩く湾曲した形状になっている一方、背もたれの第2サポート部は正面視で上方に向けて左右横巾が広がる略逆台形状に形成されており、このため第2サポート部と第1サポート部との境界部は正面視で最も横巾が小さいくびれ部になっている、
    請求項1に記載した椅子。
  3. 前記背もたれにおける第1サポート部と第2サポート部との上下高さ寸法の比率は約2:3〜3:5であり、更に、前記第2サポート部の最大横巾寸法を第1サポート部の最大横巾寸法よりもやや小さい寸法に設定している、
    請求項1又は2に記載した椅子。
  4. 前記背もたれは合成樹脂製の背インナーシェルの前面にクッション体を張った構造であり、縦断側面視における湾曲の程度が小さくなるように弾性変形することが許容されている、
    請求項1〜3のうちの何れかに記載した椅子。
JP2005033633A 2005-02-09 2005-02-09 椅子 Active JP4800633B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005033633A JP4800633B2 (ja) 2005-02-09 2005-02-09 椅子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005033633A JP4800633B2 (ja) 2005-02-09 2005-02-09 椅子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006218048A true JP2006218048A (ja) 2006-08-24
JP4800633B2 JP4800633B2 (ja) 2011-10-26

Family

ID=36980745

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005033633A Active JP4800633B2 (ja) 2005-02-09 2005-02-09 椅子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4800633B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009165663A (ja) * 2008-01-16 2009-07-30 Kokuyo Co Ltd 椅子
JP2009207769A (ja) * 2008-03-05 2009-09-17 Takano Co Ltd 椅子
JP2012010934A (ja) * 2010-06-30 2012-01-19 Kokuyo Co Ltd 椅子
CN110074583A (zh) * 2018-01-25 2019-08-02 泰桦家具股份有限公司 椅背曲度可调装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0387349U (ja) * 1989-12-25 1991-09-05
JPH05506599A (ja) * 1991-03-01 1993-09-30 ロホ・インコーポレイテッド 車椅子のためのバックレスト組立体
JPH07155233A (ja) * 1993-12-10 1995-06-20 Itoki Crebio Corp 背もたれ付き椅子
JP2003024175A (ja) * 2001-07-13 2003-01-28 Itoki Co Ltd 椅子の背もたれの支持機構
JP2004129966A (ja) * 2002-10-11 2004-04-30 Takano Co Ltd 椅子の背もたれ構造

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0387349U (ja) * 1989-12-25 1991-09-05
JPH05506599A (ja) * 1991-03-01 1993-09-30 ロホ・インコーポレイテッド 車椅子のためのバックレスト組立体
JPH07155233A (ja) * 1993-12-10 1995-06-20 Itoki Crebio Corp 背もたれ付き椅子
JP2003024175A (ja) * 2001-07-13 2003-01-28 Itoki Co Ltd 椅子の背もたれの支持機構
JP2004129966A (ja) * 2002-10-11 2004-04-30 Takano Co Ltd 椅子の背もたれ構造

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009165663A (ja) * 2008-01-16 2009-07-30 Kokuyo Co Ltd 椅子
JP2009207769A (ja) * 2008-03-05 2009-09-17 Takano Co Ltd 椅子
JP2012010934A (ja) * 2010-06-30 2012-01-19 Kokuyo Co Ltd 椅子
CN110074583A (zh) * 2018-01-25 2019-08-02 泰桦家具股份有限公司 椅背曲度可调装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4800633B2 (ja) 2011-10-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI658821B (zh) 姿勢保持用具
JP4875304B2 (ja) 椅子
WO2011052099A1 (ja) ロッキング椅子
JP4800633B2 (ja) 椅子
WO2008018117A1 (en) Chair
JP2018187313A (ja) 椅子
JP2006334025A (ja) 着座用家具
JP2012116218A (ja) 立席型のシート装置
JP3137036U (ja) 椅子
JP2007000570A5 (ja)
JP4960663B2 (ja) 椅子
JP2007000570A (ja) 椅子
KR20100002894U (ko) 척추라인 보정의자
CN210077162U (zh) 一种半站立式坐垫
JP6923398B2 (ja) クッションおよび車椅子
KR20180007942A (ko) 관절형 등받이 의자
JP3197066U (ja) 脊椎・脊髄疾患を予防するための矯正椅子
JP5373342B2 (ja) ロッキング椅子
JP2008023061A (ja) 座位保持具
KR101712824B1 (ko) 듀얼백 의자
JP6910095B2 (ja) 車両のシートの構造
JP2000270964A (ja) スイング式枕付腰掛
KR20210085228A (ko) 기능성 의자
KR20220086816A (ko) 다리의 벌어짐을 고정하는 자세교정용 보조 의자
JP3100529U (ja) 自然体療法脊椎矯正椅子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071228

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110328

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110420

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110616

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110727

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110804

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140812

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4800633

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350