JP6889122B2 - ステータ構造およびレゾルバ - Google Patents

Description

本発明は、ステータ構造およびレゾルバに関する。

従来、モータや発電機などの回転電機の回転角を検出するレゾルバが知られている。かかるレゾルバは、たとえば、環状に形成される本体部の内周側から中心に向かって延在する複数のティースを備えたステータコアと、かかるステータコアの内側においてティースに対向配置されるロータとを備える。

また、レゾルバには、インシュレータを介して複数のティースのそれぞれに巻回されるコイルと、かかるコイルを軸方向の両側から覆って保護するコイルカバーとが設けられる。そして、かかるコイルカバーには貫通孔が形成され、インシュレータに形成されたピンをかかる貫通孔に挿通した後に熱カシメなどを施して先端部を潰すことにより、コイルカバーがインシュレータに保持される。

特開２０１７−１８９０９８号公報

しかしながら、従来の技術では、潰されたピンの先端部がコイルカバーの主面から突出するため、かかる突出する部位とレゾルバが取り付けられる回転電機とが干渉してしまう場合がある。すなわち、潰されたピンの先端部がコイルカバーの主面から突出することにより、レゾルバを回転電機に取り付ける際に寸法的な制約が生じる恐れがある。

本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、回転電機への取り付け性を向上させることができるステータ構造およびレゾルバを提供することを目的とする。

上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係るステータ構造は、ステータコアと、インシュレータと、複数のコイルと、コイルカバーとを備える。前記ステータコアは、環状の本体部と、前記本体部の径方向に延在し前記本体部の周方向に沿って配列される複数のティースとを有する。前記インシュレータは、前記複数のティースを覆い、前記ステータコアの軸方向に延在する複数のピンを有する。前記複数のコイルは、前記インシュレータを介して前記複数のティースのそれぞれに巻回される。前記コイルカバーは、前記複数のコイルを覆い、前記複数のピンに対応する位置に複数の貫通孔が形成され、前記複数の貫通孔に挿通されて突出した前記複数のピンの先端部が潰されることにより前記インシュレータに保持され、潰された前記先端部が主面から突出しない位置に配置される。前記インシュレータは、前記径方向に延在する複数のフランジを有する。前記複数のフランジに前記複数のピンがそれぞれ設けられる。前記コイルカバーは、前記インシュレータの前記複数のフランジをそれぞれ収容する複数のフランジを有する。前記コイルカバーの前記複数のフランジの上面は、前記コイルカバーの主面より低い。
あるいは、本発明の一態様に係るステータ構造は、ステータコアと、インシュレータと、複数のコイルと、コイルカバーとを備える。前記ステータコアは、環状の本体部と、前記本体部の径方向に延在し前記本体部の周方向に沿って配列される複数のティースとを有する。前記インシュレータは、前記複数のティースを覆い、前記ステータコアの軸方向に延在する複数のピンを有する。前記複数のコイルは、前記インシュレータを介して前記複数のティースのそれぞれに巻回される。前記コイルカバーは、前記複数のコイルを覆い、前記複数のピンに対応する位置に複数の貫通孔が形成され、前記複数の貫通孔に挿通されて突出した前記複数のピンの先端部が潰されることにより前記インシュレータに保持され、潰された前記先端部が主面から突出しない位置に配置される。前記インシュレータには、前記軸方向に凹んだ複数の凹部が形成される。前記複数の凹部に前記複数のピンがそれぞれ設けられる。

本発明の一態様によれば、回転電機への取り付け性を向上させることができる。

図１は、実施形態に係るステータ構造の中間構造体の構成を示す上面図である。 図２は、実施形態に係るステータ構造の中間構造体の構成を示す拡大斜視図である。 図３は、実施形態に係るステータ構造の中間構造体の構成を示す下面図である。 図４は、実施形態に係るステータ構造において中間構造体にコイルカバーを組み付ける前の状態を示す斜視図である。 図５は、実施形態に係るステータ構造およびレゾルバの構成を示す上面図である。 図６は、実施形態に係るステータ構造およびレゾルバの構成を示す側面図である。

以下、実施形態に係るレゾルバのステータ構造およびレゾルバについて図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態によりステータ構造およびレゾルバの用途が限定されるものではない。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。さらに、図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。

（ステータ構造の中間構造体の構成）
最初に、実施形態に係るステータ構造１（図５参照）のうち、コイルカバー６０（図４参照）を除いた構造体である中間構造体１ａの構成について、図１〜図３を参照しながら説明する。

図１は、実施形態に係るステータ構造１の中間構造体１ａの構成を示す上面図であり、図２は、実施形態に係るステータ構造１の中間構造体１ａの構成を示す拡大斜視図であり、図３は、実施形態に係るステータ構造１の中間構造体１ａの構成を示す下面図である。なお、図１および図３では、理解の容易のため、図２に示すコイル３０の図示を省略している。

実施形態にかかる中間構造体１ａは、ステータコア１０と、インシュレータ２０と、コイル３０と、端子台部４０と、リード線保持部５０とを備える。

ステータコア１０は、電磁鋼板などの軟磁性材料から形成された鋼板を複数枚積層した積層構造を有する。ステータコア１０は、本体部１１と、複数のティース１２とを有する。本体部１１は、環状であり、実施形態では円環状である。複数のティース１２は、本体部１１の内周側から本体部１１の中心に向かって（すなわち、径方向に）延在する。また、隣接するティース１２同士の間には、空隙であるスロット１３が形成される。そして、ステータコア１０は、電磁鋼板などの鋼板をプレス加工して製作されたコアを複数枚積層して構成される。

なお、以降においては、図１〜図３に示すように、ステータコア１０の径方向、軸方向および周方向を規定して説明する。ここで、「径方向」とは、ステータコア１０の内側で回転するロータ２（図５参照）の回転軸と直交する方向であり、「軸方向」とは、ロータ２の回転軸の軸方向と一致する方向であり、「周方向」とは、ロータ２の回転方向と一致する方向である。

インシュレータ２０は、絶縁性の部材であり、たとえば、絶縁性樹脂の射出成形によって形成される。インシュレータ２０は、たとえば、ステータコア１０が内部に埋め込まれるようなインサート成形で形成され、ステータコア１０を軸方向の両側から覆っている。

図１に示すように、インシュレータ２０の上面側には、径方向の外側に延在する複数のフランジ２１が設けられる。たとえば、実施形態では、インシュレータ２０に６つのフランジ２１が設けられる。なお、インシュレータ２０に設けられるフランジ２１の数は実施形態に限られず、任意の数でよい。

図２に示すように、フランジ２１は軸方向に略垂直な上面２１ａを有し、かかる上面２１ａにピン２２が設けられる。ピン２２は、軸方向の一方側（たとえば、上側）に延在し、たとえば円柱状である。なお、ピン２２は円柱状に限られず、角柱状などその他の形状であってもよい。

また、フランジ２１の根元部分には、上面２１ａより凹んだ溝２１ｂが設けられる。かかる溝２１ｂは、周方向に沿って形成される。

図３に示すように、インシュレータ２０の下面側には、軸方向に凹んだ複数の凹部２３が形成される。たとえば、実施形態では、インシュレータ２０に６つの凹部２３が形成される。なお、インシュレータ２０に設けられる凹部２３の数は実施形態に限られず、任意の数でよい。

また、凹部２３の底面には、ピン２４が設けられる。ピン２４は、軸方向の他方側（たとえば、下側）に延在し、たとえば円柱状である。なお、ピン２４は円柱状に限られず、角柱状などその他の形状であってもよい。

さらに、インシュレータ２０には、図１および図２に示すように、ティース１２の根元部分にガイド部２５が設けられ、スロット１３に隣接する位置にガイド部２６が設けられる。ガイド部２５、２６は軸方向に突出し、コイル３０を構成する巻線が巻回される際の渡り線のガイドとして機能する。

複数のコイル３０は、図２に示すように、インシュレータ２０を介して、複数のティース１２のそれぞれに巻回される。かかるコイル３０は、励磁巻線と出力巻線とにより構成される。また、コイル３０の出力巻線は、ｓｉｎ相の出力信号を出力するｓｉｎ相出力巻線と、ｃｏｓ相の出力信号を出力するｃｏｓ相出力巻線とにより構成される。

端子台部４０は、図１に示すように、インシュレータ２０の上面側に形成され、かかるインシュレータ２０から径方向の外側に延在する。端子台部４０には、複数（実施形態では６個）の端子４１が支持される。

端子４１は、金属などの導電性の部材であり、一端側に端子台部４０から軸方向に突出して立設する絡げ部４１ａを有する。そして、かかる絡げ部４１ａに対して、対応するコイル３０を構成する巻線の末端が絡げられる。

たとえば、６個の端子４１の絡げ部４１ａには、励磁巻線の巻き始めと、励磁巻線の巻き終わりと、ｓｉｎ相出力巻線の巻き始めと、ｓｉｎ相出力巻線の巻き終わりと、ｃｏｓ相出力巻線の巻き始めと、ｃｏｓ相出力巻線の巻き終わりとがそれぞれ絡げられる。

そして、巻線の末端が絡げられた絡げ部４１ａに、たとえば、ＴＩＧ（Tungsten Inert Gas）溶接を施すことにより、巻線と絡げ部４１ａとを電気的に接続することができる。

また、端子４１の他端は、図３に示すインシュレータ２０の下面側に形成され、インシュレータ２０から径方向の外側に延在するリード線保持部５０に収容される。かかるリード線保持部５０は、リード線保持部５０から軸方向に延在する壁部５０ａ（図６参照）を有し、壁部５０ａには溝状の挿入部５１が複数形成される。そして、かかる挿入部５１に外部装置（図示せず）から延びるリード線１００（図６参照）が挿入されて保持される。

そして、かかる挿入部５１には端子４１の他端が露出して設けられていることから、リード線１００を挿入部５１に挿入することにより、リード線１００と端子４１とを電気的に接続することができる。たとえば、リード線１００と端子４１とが接触する部分に抵抗溶接を施すことにより、リード線１００と端子４１とを電気的に接続することができる。

コイル３０を構成する巻線は、図１に示す端子台部４０のガイド部４２にガイドされて、コイル３０から絡げ部４１ａに向かって所定の経路で延びる。ガイド部４２は、たとえば、端子台部４０における所定の位置に立設されるピン状のガイドピンである。また、ガイド部４２は、複数の絡げ部４１ａに絡げられる複数の巻線に対して、それぞれ個別に設けられる。

コイル３０を構成する巻線には、温度変化による熱膨張の影響を低減させるため、コイル３０と絡げ部４１ａとの間に図示しないたるみが形成される。かかるたるみは、端子台部４０およびリード線保持部５０に形成される複数の挿入孔４３に図示しないたるみピンが挿通され、かかるたるみピンに巻線が引っかけられながら絡げ部４１ａに絡げられた後、挿入孔４３からたるみピンを引き抜くことにより形成される。

なお、インシュレータ２０と、端子台部４０と、リード線保持部５０とは、一体で形成されているとよい。これにより、一度の成形工程でインシュレータ２０と端子台部４０とリード線保持部５０とをすべて成形することができることから、ステータ構造１の製造工程を簡素化することができる。

さらに、端子台部４０には、上述のピン２２が設けられる。たとえば、図１に示すように、端子台部４０にはピン２２が周方向における両側に一対設けられる。

（ステータ構造の組立工程）
つづいて、実施形態に係るステータ構造１の組立工程について、図４を参照しながら説明する。図４は、実施形態に係るステータ構造１において中間構造体１ａにコイルカバー６０を組み付ける前の状態を示す斜視図である。

図４の（ｂ）に示す中間構造体１ａに対して、軸方向における両側からコイルカバー６０が組み付けられる。かかるコイルカバー６０は、コイル３０を軸方向における両側から覆い、図４の（ａ）に示す第１コイルカバー７０と、図４の（ｃ）に示す第２コイルカバー８０とを含む。

第１コイルカバー７０は、円環状の環状部７１と、円筒状の筒状部７２とを有する。かかる筒状部７２は、環状部７１の外周側に設けられ、下側に延在する。

第１コイルカバー７０の筒状部７２には、径方向の外側に延在する複数のフランジ７３が設けられる。かかる複数のフランジ７３は、中間構造体１ａのインシュレータ２０に設けられる複数のフランジ２１と対応する位置に設けられる。

また、フランジ７３は、フランジ２１を下方から収容可能な形状を有し、貫通孔７４が形成される。かかる貫通孔７４は、中間構造体１ａのフランジ２１に設けられるピン２２を下方から挿通可能に形成される。

また、第１コイルカバー７０には、筒状部７２から径方向の外側に延在するカバー部７５が設けられる。かかるカバー部７５は、中間構造体１ａの端子台部４０に対応する位置に配置され、かかる端子台部４０を覆う。

そして、カバー部７５にも、中間構造体１ａの端子台部４０に設けられるピン２２を下方から挿通可能な位置に貫通孔７４が形成される。なお、カバー部７５における貫通孔７４の周囲には、下側に凹んだ凹部７５ａが形成される。

さらに、第１コイルカバー７０には、環状部７１の内周側に設けられ、下側に延在する複数の凸部７６が設けられる。かかる複数の凸部７６は、中間構造体１ａのステータコア１０に形成される複数のスロット１３に対応する位置に設けられる。そして、凸部７６は、スロット１３に対応する形状を有する。

第２コイルカバー８０は、円環状の環状部８１と、円筒状の筒状部８２とを有する。かかる筒状部８２は、環状部８１の外周側に設けられ、上側に延在する。

第２コイルカバー８０の環状部８１における下面側には、上側に凹んだ複数の凹部８３が形成される。なお、図４の（ｃ）では第２コイルカバー８０を上方からみた斜視図を示していることから、かかる凹部８３が上方に突出して示される。

かかる複数の凹部８３は、図３に示した中間構造体１ａのインシュレータ２０に設けられる複数の凹部２３と対応する位置に設けられる。また、凹部８３には貫通孔８４が形成される。かかる貫通孔８４は、凹部２３に設けられるピン２４を上方から挿通可能に形成される。

また、第２コイルカバー８０には、筒状部８２から径方向の外側に延在するカバー部８５が設けられる。かかるカバー部８５は、中間構造体１ａのリード線保持部５０に対応する位置に配置され、かかるリード線保持部５０の一部を覆う。

さらに、第２コイルカバー８０には、環状部８１の内周側に設けられ、上側に延在する複数の凸部８６が設けられる。かかる複数の凸部８６は、中間構造体１ａのステータコア１０に形成される複数のスロット１３に対応する位置に設けられる。そして、凸部８６は、スロット１３に対応する形状を有する。

そして、ステータ構造１の組立工程では、中間構造体１ａを、第１コイルカバー７０と第２コイルカバー８０とで上下から挟み込む。この際、第１コイルカバー７０の凸部７６をステータコア１０に形成されるスロット１３に挿入するとともに、第２コイルカバー８０の凸部８６を同様にスロット１３に挿入し、凸部７６と凸部８６とでスロット１３の内周側を塞ぐ。

またこの際、インシュレータ２０の上側に設けられるピン２２を第１コイルカバー７０の貫通孔７４に挿通するとともに、インシュレータ２０の下側に設けられるピン２４を第２コイルカバー８０の貫通孔８４に挿通する。さらにこの際、第１コイルカバー７０の筒状部７２をインシュレータ２０に形成される溝２１ｂに挿入する。

その後、第１コイルカバー７０の貫通孔７４から突出したピン２２の端部と、第２コイルカバー８０の貫通孔８４から突出したピン２４の端部とを、赤外線カシメや熱カシメ、熱溶着などの手段で潰す。これにより、第１コイルカバー７０および第２コイルカバー８０がインシュレータ２０に保持され、実施形態に係るステータ構造１が完成する。

（ステータ構造およびレゾルバの構成）
つづいて、実施形態に係るステータ構造１およびレゾルバ３の構成について、図５および図６を参照しながら説明する。図５は、実施形態に係るステータ構造１およびレゾルバ３の構成を示す上面図であり、図６は、実施形態に係るステータ構造１およびレゾルバ３の構成を示す側面図である。

図５に示すように、ステータ構造１の内側にロータ２を設けることにより、実施形態に係るレゾルバ３が得られる。実施形態に係るレゾルバ３は、ＶＲ（Variable Reluctance）型レゾルバである。たとえば、レゾルバ３はインナーロータ型のレゾルバであり、ロータ２がステータ構造１の内側に配置されている。

ロータ２は、複数枚のコアを有しており、かかる複数枚のコアが軸方向に積層して構成される。コアは、電磁鋼板などのように軟磁性材料から形成された鋼板をプレス加工して製作される。

ロータ２の外周面は、径方向に凹凸した非円形状に形成されている。図５に示すロータ２は、外周面に６箇所の凸部２ａを有しており、ロータ２の軸倍角が６Ｘの場合を示している。なお、ロータ２の軸倍角は、１Ｘ〜５Ｘであってもよく、７Ｘ以上であってもよい。

ここで、実施形態では、図６に示すように、先端部が潰されたピン２２が、第１コイルカバー７０の環状部７１に設けられる主面７０ａから突出しないように配置される。

これにより、第１コイルカバー７０の主面７０ａに当接するように図示しない回転電機を配置する際に、先端部が潰されたピン２２が回転電機に干渉しないようにすることができる。したがって、実施形態によれば、回転電機への取り付け性を向上させることができる。

たとえば、実施形態では、図２に示したインシュレータ２０におけるフランジ２１の上面２１ａを低く配置することにより、先端部が潰されたピン２２を第１コイルカバー７０の主面７０ａから突出しないように配置することができる。

また、実施形態では、第１コイルカバー７０におけるフランジ７３の上面を主面７０ａより低く配置するとともに、カバー部７５に凹部７５ａを設けることにより、先端部が潰されたピン２２を第１コイルカバー７０の主面７０ａから突出しないように配置することができる。

また、実施形態では、先端部が潰されたピン２４が、第２コイルカバー８０の環状部８１に設けられる主面８０ａから突出しないように配置される。

これにより、第２コイルカバー８０の主面８０ａに当接するように回転電機を配置する際に、先端部が潰されたピン２４が回転電機に干渉しないようにすることができる。したがって、実施形態によれば、回転電機への取り付け性を向上させることができる。

たとえば、実施形態では、インシュレータ２０に凹部２３を形成し、第２コイルカバー８０に凹部８３を形成することにより、先端部が潰されたピン２４を第２コイルカバー８０の主面８０ａから突出しないように配置することができる。

さらに、実施形態では、インシュレータ２０の下側にフランジ２１を設けることなく、インシュレータ２０に凹部２３を形成し、第２コイルカバー８０に凹部８３を形成することにより、回転電機を装着したハウジングにステータ構造１を取り付ける際、ハウジングと干渉することなく容易にステータ構造１を取り付けることができる。したがって、実施形態によれば、回転電機への取り付け性をさらに向上させることができる。

また、実施形態では、ピン２２およびピン２４はステータコア１０のスロット１３に隣接して設けられるとよい。このように、ピン２２、２４がティース１２から離れて配置されることにより、巻線を巻回してコイル３０を構成する際に、巻線機のノズルがピン２２、２４と干渉することを抑制することができる。したがって、実施形態によれば、コイル３０を巻線機で円滑に巻回することができる。

以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。

たとえば、実施形態では、中間構造体１ａの上面側にフランジ２１を設け、中間構造体１ａの下面側に凹部２３を形成した例について示したが、中間構造体１ａの上面側に凹部２３を形成してもよく、ステータ構造１を取り付けるハウジングの自由度が高い場合、中間構造体１ａの下面側にフランジ２１を設けてもよい。

また、実施形態では、インシュレータ２０が一体で形成された例について示したが、インシュレータを軸方向に２つに分割して形成し、かかる２つのインシュレータでステータコア１０を挟み込むように設けてもよい。さらに、実施形態では、インナーロータ型のレゾルバ３に本発明を適用した場合について示したが、アウターロータ型のレゾルバに本発明を適用してもよい。

以上のように、実施形態に係るステータ構造１は、ステータコア１０と、インシュレータ２０と、複数のコイル３０と、コイルカバー６０とを備える。ステータコア１０は、環状の本体部１１と、本体部１１の径方向に延在し本体部１１の周方向に沿って配列される複数のティース１２とを有する。インシュレータ２０は、複数のティース１２を覆い、ステータコア１０の軸方向に延在する複数のピン２２、２４を有する。複数のコイル３０は、インシュレータ２０を介して複数のティース１２のそれぞれに巻回される。コイルカバー６０は、複数のコイル３０を覆い、複数のピン２２、２４に対応する位置に複数の貫通孔７４、８４が形成され、複数の貫通孔７４、８４に挿通されて突出した複数のピン２２、２４の先端部が潰されることによりインシュレータ２０に保持され、潰された先端部が主面７０ａ、８０ａから突出しない位置に配置される。これにより、回転電機への取り付け性を向上させることができる。

また、実施形態に係るステータ構造１において、インシュレータ２０は、径方向に延在する複数のフランジ２１を有し、複数のフランジ２１に複数のピン２２がそれぞれ設けられる。これにより、回転電機への取り付け性を向上させることができる。

また、実施形態に係るステータ構造１において、コイルカバー（第１コイルカバー７０）は、インシュレータ２０の複数のフランジ２１をそれぞれ収容する複数のフランジ７３を有し、コイルカバー（第１コイルカバー７０）の複数のフランジ７３の上面は、コイルカバー（第１コイルカバー７０）の主面７０ａより低い。これにより、先端部が潰されたピン２２を第１コイルカバー７０の主面７０ａから突出しないように配置することができる。

また、実施形態に係るステータ構造１において、インシュレータ２０の複数のフランジ２１の根元部分には、複数のフランジ２１の上面２１ａより凹んだ溝２１ｂが形成され、コイルカバー（第１コイルカバー７０）は、下側に延在し、溝２１ｂに嵌まる筒状部７２を有する。これにより、筒状部７２がフランジ２１と干渉することを抑制することができる。

また、実施形態に係るステータ構造１において、インシュレータ２０は、コイル３０を構成する巻線の末端が絡げられる絡げ部４１ａを有する端子４１が設けられ、ピン２２を有する端子台部４０を有し、コイルカバー（第１コイルカバー７０）は、端子台部４０を覆い、凹部７５ａと凹部７５ａに形成される貫通孔７４とを有するカバー部７５を有し、凹部７５ａの底面は、コイルカバー（第１コイルカバー７０）の主面７０ａより低い。これにより、先端部が潰されたピン２２を第１コイルカバー７０の主面７０ａから突出しないように配置することができる。

また、実施形態に係るステータ構造１において、インシュレータ２０には、軸方向に凹んだ複数の凹部２３が形成され、複数の凹部２３に複数のピン２４がそれぞれ設けられる。これにより、回転電機への取り付け性をさらに向上させることができる。

また、実施形態に係るステータ構造１において、コイルカバー（第２コイルカバー８０）には、インシュレータ２０の複数の凹部２３に対応する位置に複数の凹部８３が形成される。これにより、先端部が潰されたピン２２を第２コイルカバー８０の主面８０ａから突出しないように配置することができる。

また、実施形態に係るレゾルバ３は、ロータ２と、上述のステータ構造１とを備える。これにより、回転電機への取り付け性をさらに向上させることができるレゾルバ３を実現することができる。

また、上記実施の形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。

１ ステータ構造、２ ロータ、３ レゾルバ、１０ ステータコア、１１ 本体部、１２ ティース、１３ スロット、２０ インシュレータ、２１ フランジ、２１ａ 上面、２１ｂ 溝、２２ ピン、２３ 凹部、２４ ピン、３０ コイル、４０ 端子台部、４１ 端子、４１ａ 絡げ部、５０ リード線保持部、６０ コイルカバー、７０ 第１コイルカバー、７０ａ 主面、７１ 環状部、７２ 筒状部、７３ フランジ、７４ 貫通孔、７５ カバー部、７５ａ 凹部、８０ 第２コイルカバー、８１ 環状部、８２ 筒状部、８３ 凹部、８４ 貫通孔、１００ リード線

Claims (6)

1. 環状の本体部と、前記本体部の径方向に延在し前記本体部の周方向に沿って配列される複数のティースとを有するステータコアと、
   前記複数のティースを覆い、前記ステータコアの軸方向に延在する複数のピンを有するインシュレータと、
   前記インシュレータを介して前記複数のティースのそれぞれに巻回される複数のコイルと、
   前記複数のコイルを覆い、前記複数のピンに対応する位置に複数の貫通孔が形成され、前記複数の貫通孔に挿通されて突出した前記複数のピンの先端部が潰されることにより前記インシュレータに保持され、潰された前記先端部が主面から突出しない位置に配置されるコイルカバーと、
   を備え、
   前記インシュレータは、前記径方向に延在する複数のフランジを有し、
   前記複数のフランジに前記複数のピンがそれぞれ設けられ、
   前記コイルカバーは、前記インシュレータの前記複数のフランジをそれぞれ収容する複数のフランジを有し、
   前記コイルカバーの前記複数のフランジの上面は、前記コイルカバーの主面より低い
   ステータ構造。
2. 前記インシュレータの前記複数のフランジの根元部分には、前記複数のフランジの上面より凹んだ溝が形成され、
   前記コイルカバーは、下側に延在し、前記溝に嵌まる筒状部を有する請求項１に記載のステータ構造。
3. 前記インシュレータは、前記コイルを構成する巻線の末端が絡げられる絡げ部を有する端子が設けられ、前記ピンを有する端子台部を有し、
   前記コイルカバーは、前記端子台部を覆い、凹部と前記凹部に形成される前記貫通孔とを有するカバー部を有し、
   前記凹部の底面は、前記コイルカバーの主面より低い請求項１または２に記載のステータ構造。
4. 環状の本体部と、前記本体部の径方向に延在し前記本体部の周方向に沿って配列される複数のティースとを有するステータコアと、
   前記複数のティースを覆い、前記ステータコアの軸方向に延在する複数のピンを有するインシュレータと、
   前記インシュレータを介して前記複数のティースのそれぞれに巻回される複数のコイルと、
   前記複数のコイルを覆い、前記複数のピンに対応する位置に複数の貫通孔が形成され、前記複数の貫通孔に挿通されて突出した前記複数のピンの先端部が潰されることにより前記インシュレータに保持され、潰された前記先端部が主面から突出しない位置に配置されるコイルカバーと、
   を備え、
   前記インシュレータには、前記軸方向に凹んだ複数の凹部が形成され、
   前記複数の凹部に前記複数のピンがそれぞれ設けられる、ステータ構造。
5. 前記コイルカバーには、前記インシュレータの前記複数の凹部に対応する位置に複数の凹部が形成される請求項４に記載のステータ構造。
6. ロータと、
   請求項１〜５のいずれか一つに記載のステータ構造と、
   を備える、レゾルバ。

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