JP6889070B2 - 泡吐出器及び泡吐出容器 - Google Patents
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Description
装着筒部の上端に内向きフランジを付設した装着部材と、
装着部材内へ取り付けられ、大径のエアシリンダと小径の液用シリンダを上下に同心円状に連設してなるシリンダ部材と、
液用シリンダ内を摺動する液用ピストンをステム外周下部より突設するとともに、エアシリンダ内を摺動するエアピストンをステム外周上部に連携させ、ステム上端に吐出ヘッドを嵌着して上方付勢状態で上下動可能に装着した作動部材と
を備え、作動部材の上下動により液用シリンダ内の液とエアシリンダ内の空気とを気液混合室で合流させて起泡部材を介して起泡させ、吐出ヘッドの吐出口より吐出するように構成したものが知られている(特許文献1)。
このようにしてエアシリンダ内に水が溜まることになると、エアシリンダ内の有効容積が低減し、これによりエアシリンダから気液混合室に送られる空気の量が減るため、気液の混合比率が変化する可能性がある。さらにエアシリンダ内に溜まる水の量が多くなると、エアシリンダから気液混合室へ送る流体に水が混じってしまうおそれもある。
この装着部材2内から垂下するシリンダ部材14と、
シリンダ部材14内に下部を上方付勢状態で昇降自在に挿入させるとともに、前記内向きフランジ8より上方へ吐出ヘッド34を含む上部を突設した作動部材20と
を具備し、かつ前記シリンダ部材14の下半部を小径の液用シリンダ14bに、シリンダ部材14の上半部を大径のエアシリンダ14aにそれぞれ形成するとともに、
前記作動部材20の下部に前記液用シリンダ14bに挿入された小径の液用ピストン22及び前記エアシリンダ14aに挿入されたエアピストン32を設け、前記作動部材20の下降により、液用シリンダ14bから圧送される液体とエアシリンダ14aから圧送される空気とを混合させ、この混合流体を、起泡部30を介して発泡させて形成される泡を前記吐出ヘッド34から吐出するように構成した泡吐出器において、
前記装着筒部4内に、前記口頸部への螺合用の第1ネジ部6を形成し、この第1ネジ部6の周方向の一部を縦方向に欠除させてなる欠除部6aを含む縦通路A1を設け、この縦通路A1の上部からエアシリンダ14aへ横通路A2を開通することで、装着筒部4の下方からエアシリンダ14aへ連通するエア導入路Aを形成しており、
前記内向きフランジ8の下面から、前記エアシリンダ14aの内面へ嵌着筒部12を垂下するとともに、
この嵌着筒部12の周方向の一部に、前記エア導入路Aの出口である通気口12aを開口した。
「縦通路」は、少なくとも装着筒部4の第1ネジ部を欠除させることにより形成するが、第1ネジ部6の欠除部6aに対応して装着筒部4の内面に縦溝部4aを設けても構わない。
「横通路」は、装着部材2の内向きフランジ8の下面及びエアシリンダ14aの上端面の何れか(図示例では前者)に横溝部を設けることで形成してもよい。
“ネジ部の周方向の一部を縦方向に欠除させて”とは、ネジ部の上下方向全体に亘って、ネジ部の周方向の一部を形成することを省略するという程度の意味である。欠除部が周方向に繰返し表れる、いわゆる“間欠ネジ”の構成であってもよい。この説明は、後述の容器体の口頸部のネジ部に関しても援用する。
前記口頸部101の外周面には、第1ネジ部6とかみ合う第2ネジ部102が形成され
ており、
前記縦通路A1は、装着筒部4の第1ネジ部6の周方向の一部を縦方向に欠除させた欠除部6aに代えて、前記口頸部101の第2ネジ部102の周方向の一部を縦方向に欠除させた欠除部102aを含む。
また第1の手段に係る発明によれば、前記内向きフランジ8の下面から、前記口頸部101の内面へ嵌着筒部12を垂下したから、シリンダ部材14のがたつきを防止することができるとともに、嵌着筒部12の周方向の一部に、前記エア導入路Aの出口である通気口12aを開口したから、エア導入機能を担保できる。
第2の手段に係る発明によれば、前記通気口12aの口縁に補強リブ12bを付設したから、装着部材2をシリンダ部材14にセットする際の変形を防止できる。
第3の手段に係る発明によれば、前記縦通路A1は、第1ネジ部6の欠除箇所に対応して装着筒部4の内面を凹陥させることで凹溝状に形成したから、空気の導入量を多くすることができる。
第4の手段に係る発明によれば、前記縦通路A1は、装着筒部4の第1ネジ部6の周方向の一部を縦方向に欠除させた欠除部6aに代えて、前記口頸部101の第2ネジ部102の周方向の一部を縦方向に欠除させた欠除部102aを含むから、装着筒部4の下方から確実にエアを導入することができる。
泡吐出容器は、泡吐出器1と、容器体100とを具備する。
泡吐出器1は、装着部材2と、シリンダ部材14と、作動部材20と、ポペット弁体36とを備えている。これら各部材は、例えば合成樹脂や金属で形成することができる。
説明の都合上、本発明の構成及び作用のうちの一般的な事柄を先に解説する。
前記エアシリンダ14aの周壁上部には通気孔15が開口されている。
前記液用シリンダ14bは、上側の直筒部分と連続する下端小径のテーパ状底部を有し、この底部の上面を第1液用弁座16としている。また前記底部から、吸上げ用パイプ19取付用のパイプ嵌合筒14dを一体に垂設させている。
前記テーパ状部から直筒部分の下端部に亘って、液用シリンダ14bの内周面からは、スプリング係止用の上向き段部を有する複数の係止リブ17が内方突設されている。
前記ステム24の筒壁24a上半部内には、環状弁座24bが形成され、この弁座上に玉弁bを載置することで第2液用逆止弁VL2を形成している。
また、環状弁座24bと前記第3液用弁座22cとの間においてステムの内面には複数の第1縦突条24cが縦設されている。更に、外面上下方向中間部からは、第2エア用弁座24eを外向きフランジ状に突設させている。また、第2エア用弁座24eの上側では、ステム24の外周に複数の第2縦突条24dが形成されている。
前記環状弁座24bより上側のステム部分内には、玉弁の押さえ板25を設ける。図示の押さえ板25の外周からは、ステム24内面に嵌合される嵌着筒部25aを垂下し、この嵌着筒部の適所には、後述の空気通路Pと連通する通液孔25bが開口されている。
前記下方筒部26aの内周面には、その下端部に位置する環状凹部27と、環状凹部と連続させて上方へ延びる複数の縦溝28とが形成されている。縦溝28の上端部は、径方向の内側に開口して中径筒部26cの内部に形成される気液混合室Rに連通している。環
状凹部27は後述のステム24と筒状弁部32aとの間隙gに連通している。この間隙gと前述の環状凹部27と縦溝28とは空気通路Pを構成する。
前記筒状ピストン32は、エアシリンダ14a内周へ摺動可能に嵌合させている。
前記筒状弁部32aは、ステム24の外周面を相対的に小さな幅で上下動するように設けられている。ステム24の外面には第2縦突条24dが縦設されているため、ステム24と筒状弁部32aとの間には空気通路Pの一部である間隙gが形成されている。
また前記隔壁32bには、外気導入弁である第1エア用逆止弁VA1が形成されている。図示例の第1エア用逆止弁は、前記隔壁に穿設した弁孔とこの弁孔を裏側から閉塞する弾性弁板とで形成されているが、その構成は適宜変更することができる。また図示例では、エアシリンダ14aへの浸水の防止をより確実にするために、前記弁孔のうちで垂下筒部12に近い側を覆う遮水壁部33を隔壁32bから上方突出している。もっとも装着部材2を作動部材20の回りに水密に装着したときには、これらの構造を省略することができる。
前記各係止突部36aは、液用シリンダ14bの係止リブ17の間へ、コイルスプリングS下面と当接可能な位置まで突設されている。これにより、ポペット弁体36は、係止突部がコイルスプリングに当接する位置と、ポペット弁体36の下面が第1液用弁座16に当接する位置との間で上下動することが可能である。ポペット弁体36の下端部と第1液用弁座16とで第1液用逆止弁VL1が形成されている。
前記テーパ状弁体36bは、前記第3液用弁座22cに係止されている。これらテーパ状弁体36bと第3液用弁座22cとで第3液用逆止弁VL3が形成されている。
前記吐出ヘッド34の押し下げを解放すると、コイルスプリングSの上方付勢力により作動部材20が上昇して、液圧が低下することにより、第2液用逆止弁VL2が閉じるとともに、コイルスプリングSで上方付勢される液用ピストン22と接するポペット弁体36が引き上げられて、第1液用逆止弁VL1が開き、液用シリンダ14b内が負圧化して容器体100内の液体が吸い込まれる。また前記液用ピストン22に組み付けられたステム24がエアピストン32に先行して上昇することで第2エア用逆止弁VA2が閉じ、その後にステム24とともにエアピストン32が上昇することにより、エアシリンダ14a内が負圧化され、外気が導入される。外気導入の仕組みについては次の段落で述べる。
このエア導入路Aは、縦通路A1と横通路A2とで形成している。
前記縦通路A1は、本実施形態では、装着筒部4の内面の第1ネジ部6の少なくとも周方向の一部を欠除させてなる欠除部6aとして形成されている。この欠除部6aは第1ネジ部6の上下方向全体に亘って形成されている。図示例では、図3に示す如く、第1ネジ部の周方向4箇所を等間隔で間欠させているが、間欠箇所の数は適宜変更することができ、また一箇所のみを欠除しても構わない。
欠除部6aの数と周方向の巾は、ネジとしての機能を損なわない範囲で、エアシリンダ14a内に十分な外気を導入できるように設計するものとする。
また図示例では、装着筒部4のうち鍔部14c及びパッキン18と向かい合う箇所の内面に欠除部6aと下記の横通路A2とを連通させる連通溝部4bを形成している。
横通路A2は、本実施形態では、図2に示す如く、横溝部8aと通気口12aとで形成している。
前記横溝部8aは、前記内向きフランジ8の下面のうちでエアシリンダ14aの鍔部14c上面に対向する部分を、図3に示すように、外側から内方へ横切るように形成する。横溝部8aは、少なくとも縦通路A1と連通しているものとし、図2に示すように、縦通路A1の上端から内方へ延びるように形成することが好適である。
前記通気口12aは、エア導入路Aの出口であり、前記嵌着筒部12のうち横溝部8aと連続する箇所に開口されている。図示例の通気口12aは、嵌着筒部12の上下方向全体を除去することにより形成されている。装着部材2を金型成形する際に型抜きを容易とするためである。もっともこれらの構造は適宜変更することができる。
なお、図示例と異なり、内向きフランジ8の下面に代えて、エアシリンダ14aの周壁及び鍔部14cの各上端面を横断するように横溝部8aを設けてもよい。
縦通路A1に関しては、図6に示す如く、前記第1ネジ部6の欠除部6aに対応させて装着筒部4の内面に、その筒長全体に亘る縦溝部4aを形成して、凹溝状の縦通路A1を形成している。この縦通路A1は、図7に示す、縦溝部4aの深さdの分だけ流路面積が大きくなるため、空気の流通量を多くすることができる。また前記縦溝部4aを設けることで、材料である樹脂量を低減することもできる。
通気口12aに関しては、図7に示す如く、この通気口の幅方向の両側縁から内方へ補強リブ12bを突設している。これにより、嵌着筒部12の強度が向上し、装着部材2をエアシリンダ14aに装着する際に徒に変形することを回避することができる。
このように口頸部101の第2ネジ部102を切除しても装着部材2の下側から空気を流入させることができる。
なお、第2実施形態と同様に、第2ネジ部の欠除部102の形成箇所に対応して縦溝部101aを縦設してもよく、これにより空気の流路面積を大きくすることができる。
2…装着部材 4…装着筒部 4a…縦溝部 4b…連通溝部
6…第1ネジ部 6a…欠除部
8…内向きフランジ 8a…横溝部 10…ガイド筒部 10a…外向きリブ
11…垂下筒部 12…嵌着筒部 12a…通気口 12b…補強リブ
14…シリンダ部材 14a…エアシリンダ 14b…液用シリンダ
14c…鍔部 14d…パイプ嵌合筒 15…通気孔
16…第1液用弁座 17…係止リブ 18…パッキン 19…吸上げ用パイプ
20…作動部材 22…液用ピストン 22a…嵌合筒部
22b…摺動筒部 22c…第3液用弁座
24…ステム 24a…筒壁 24b…環状弁座 24c…第1縦突条
24d…第2縦突条 24e…第2エア用弁座
25…押さえ板 25a…嵌着筒壁 25b…通液孔
26…連結筒部材 26a…下方筒部 26b…上方筒部 26c…中径筒部
26d…縮径部 27…環状凹部 28…縦溝 30…起泡部
32…エアピストン 32a…筒状弁部 32b…階段状の隔壁
32c…筒状ピストン 33…遮水壁部
34…吐出ヘッド 34a…頂板 34b…取付用筒部 34c…ノズル
34d…ヘッド周壁 34e…嵌合筒部
35…カバー筒部 35a…内向きリブ
36…ポペット弁体 36a…係止突部、36b…テーパ状弁体
100…容器体 101…口頸部 101a…縦溝部 102…第2ネジ部
102a…欠除部
A…エア導入路 A1…縦通路 A2…横通路
B…上部流路 b…玉弁 g…間隙 P…空気流路 R…気液混合室
s…コイルスプリング
VA1…第1エア用逆止弁 VA2…第2エア用逆止弁
VL1…第1液用逆止弁 VL2…第2液用逆止弁 VL3…第3液用逆止弁
Claims (4)
- 容器体の口頸部への装着筒部(4)の上部から内向きフランジ(8)を突設してなる装着部材(2)と、
この装着部材(2)内から垂下するシリンダ部材(14)と、
シリンダ部材(14)内に下部を上方付勢状態で昇降自在に挿入させるとともに、前記内向きフランジ(8)より上方へ吐出ヘッド(34)を含む上部を突設した作動部材(20)と
を具備し、かつ前記シリンダ部材(14)の下半部を小径の液用シリンダ(14b)に、シリンダ部材(14)の上半部を大径のエアシリンダ(14a)にそれぞれ形成するとともに、
前記作動部材(20)の下部に前記液用シリンダ(14b)に挿入された小径の液用ピストン(22)及び前記エアシリンダ(14a)に挿入されたエアピストン(32)を設け、前記作動部材(20)の下降により、液用シリンダ(14b)から圧送される液体とエアシリンダ(14a)から圧送される空気とを混合させ、この混合流体を、起泡部(30)を介して発泡させて形成される泡を前記吐出ヘッド(34)から吐出するように構成した泡吐出器において、
前記装着筒部(4)内に、前記口頸部への螺合用の第1ネジ部(6)を形成し、この第1ネジ部(6)の周方向の一部を縦方向に欠除させてなる欠除部(6a)を含む縦通路(A1)を設け、この縦通路(A1)の上部からエアシリンダ(14a)へ横通路(A2)を開通することで、装着筒部(4)の下方からエアシリンダ(14a)へ連通するエア導入路(A)を形成しており、
前記内向きフランジ(8)の下面から、前記エアシリンダ(14a)の内面へ嵌着筒部(12)を垂下するとともに、
この嵌着筒部(12)の周方向の一部に、前記エア導入路(A)の出口である通気口(12a)を開口したことを特徴とする、泡吐出器。 - 前記通気口(12a)の口縁に補強リブ(12b)を付設したことを特徴とする、請求項1記載の泡吐出器。
- 前記縦通路(A1)は、第1ネジ部(6)の欠除箇所に対応して装着筒部(4)の内面を凹陥させることで凹溝状に形成したことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の泡吐出器。
- 請求項1から請求項3の何れかに記載の泡吐出器(1)を、容器体(100)の口頸部(101)に装着させてなる泡吐出容器であって、
前記口頸部(101)の外周面には、第1ネジ部(6)とかみ合う第2ネジ部(102)が形成されており、
前記縦通路(A1)は、装着筒部(4)の第1ネジ部(6)の周方向の一部を縦方向に欠除させた欠除部(6a)に代えて、前記口頸部(101)の第2ネジ部(102)の周方向の一部を縦方向に欠除させた欠除部(102a)を含むことを特徴とする、泡吐出容器。
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