JP6889052B2 - 電解除染方法 - Google Patents
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[A]電解除染方法
図1は、第1実施形態に係る電解除染方法を説明するための図である。図1では、除染対象物10の断面(yz面)を模式的に示している。
本実施形態の電解除染方法においては、まず、準備工程を行う。準備工程では、図1に示すように、除染対象物10において放射性物質(図示省略)で汚染された表面10Sに電解質ゲル20を介して導電性部材30を設置する。
上記のように準備工程を実行した後には、除染工程を行う。除染工程では、除染対象物10と導電性部材30との間に電圧(過電圧)を印加することによって、除染対象物10の表面10Sについて電解除染を行う。
以上のように、本実施形態では、電解質ゲル20は、除染対象物10を構成する金属材料の金属成分のハロゲン化物を支持電解質として含んでいる。このため、陽極として機能する除染対象物10と、陰極として機能する導電性部材30との間における物質移動が円滑になり、この物質移動が電解除染の律速(制約)にならない。つまり、電解質ゲル20が含む支持電解質(電解支持物質)によって、陽極での溶解((陽極の酸化反応)と陰極での析出(陽極の酸化反応)が可逆な反応に維持される(陽極の酸化反応の反応速度と、陰極の還元反応の反応速度とが1:1の状態になる)。そして、その他の電気化学反応が抑制される(たとえば、LiClが分解し、陰極でリチウム(Li)が析出することによって電流のロスが生ずることが抑制されると共に、塩素(Cl2)ガスの発生が抑制される)。したがって、本実施形態では、電解質の電気分解が生ずることを効果的に防止し、除染処理を効率的に実行することができる。
[A]電解除染方法
図2は、第2実施形態に係る電解除染方法を説明するための図である。図2では、図1の場合と同様な部分の断面(yz面)を模式的に示している。
本実施形態の準備工程では、図2に示すように、除染対象物10の表面10Sと導電性部材30との間に絶縁部材50を介在させる。
本実施形態の除染工程において、電解除染を行う際には、上記のように絶縁部材50に担持した電解質ゲル20を介して、除染対象物10から導電性部材30に電流を流す。これにより、除染対象物10の表面10Sの母材が電解質ゲル20に溶解すると共に、除染対象物10の表面10Sから放射性物質が剥離される。
以上のように、本実施形態では、除染対象物10の表面10Sと導電性部材30との間に絶縁部材50が介在しており、絶縁部材50が電解質ゲル20を担持する。このため、本実施形態では、陽極として機能する除染対象物10と、陰極として機能する導電性部材30とが、直接接触することを絶縁部材50が妨げている。つまり、絶縁部材50は、陽極と陰極との間の距離を維持するためのスペーサとして機能する。したがって、本実施形態では、電解除染を行う際に、除染対象物10と導電性部材30との間で短絡が生ずることを防止することができる。
[A]電解除染方法
図3は、第3実施形態に係る電解除染方法を説明するための図である。図3では、導電性部材30の上面であって、図1に示す断面(yz面)の縦方向zに対して直交する面(xy面)を模式的に示している。
本実施形態の準備工程では、図3に示すように、導電性部材30は、複数の導電シート31で構成されている。導電シート31は、たとえば、4枚であって、4枚の導電シート31のそれぞれは、直流電源40に対して並列に接続されている。ここでは、4枚の導電シート31のそれぞれと直流電源40との間を接続する各配線W30の長さが同じである。つまり、4枚の導電シート31のそれぞれと直流電源40との間は、各電気抵抗が同じである。準備工程において、4枚の導電シート31は、たとえば、横方向および縦方向において等しいピッチで並ぶように、マトリクス状に配置される。
本実施形態の除染工程において、電解除染を行う際には、除染対象物10と複数の導電シート31のそれぞれとの間において電圧が印加される。複数の導電シート31のそれぞれと直流電源40との間は、各電気抵抗が同じであるので、印加される各電圧も同じである。
以上のように、本実施形態では、除染対象物10と複数の導電シート31のそれぞれとの間においては、電圧が均一に印加される。このため、除染対象物10の表面10Sについて電解除染がムラ無く実行される。したがって、本実施形態では、除染処理を効率的に実行することができる。
[A]電解除染方法
図4は、第4実施形態に係る電解除染方法を説明するための図である。図4では、図2の場合と同様な部分の断面(yz面)を模式的に示している。
本実施形態の準備工程では、図4に示すように、導電性部材30にヒータ60を設置する。
本実施形態の除染工程においては、上記のようにヒータ60によって導電性部材30が加熱された状態で電解除染を行う。これにより、除染対象物10の表面10Sの母材が電解質ゲル20に溶解すると共に、除染対象物10の表面10Sから放射性物質が剥離される。
以上のように、本実施形態では、導電性部材30を加熱した状態で電解除染を行うので、電解質ゲル20の温度が上昇する。このため、電解除染を行う際に生ずる電気化学的反応が促進される。また、電気抵抗が低下する。したがって、本実施形態では、電解除染を効率的に実行することができる。
[A]電解除染方法
図5および図6は、第5実施形態に係る電解除染方法を説明するための図である。図5では、図1の場合と同様な部分の断面(yz面)を模式的に示している。これに対して、図6では、図5に示す断面(yz面)の横方向yに対して直交する面(xz面)を模式的に示している(図6のY1−Y1部分の断面が、図5に相当する)。
本実施形態において、除染対象物10は、たとえば、円筒形状の管状体(配管など)であって、その管状体の内周面が、放射性物質(図示省略)で汚染された表面10Sである。除染対象物10において放射性物質で汚染された表面10Sは、導電性部材30および絶縁部材50を電解除染用具として用いた電解除染を実行することによって、放射性物質が除去される。
本実施形態の除染工程では、上記のように、袋体である導電性部材30を膨張させた状態で、電解除染を行う。電解除染を行う際には、絶縁部材50に担持された電解質ゲル20を介して、除染対象物10から導電性部材30に電流を流す。これにより、除染対象物10の表面10Sの母材が電解質ゲル20に溶解すると共に、除染対象物10の表面10Sから放射性物質が剥離される。
以上のように、本実施形態では、除染工程では、除染対象物10である管状体の内部において導電性部材30である袋体を膨張させた状態で、除染対象物10の表面10Sについて電解除染を行っている。このため、本実施形態では、除染対象物10において放射性物質で汚染された表面10Sが狭窄部位に存在する場合であっても、その表面10Sについて容易に電解除染を行うことができる。したがって、本実施形態では、電解除染を効率的に実行することができる。
図7は、第6実施形態において、電解除染で使用した電解質ゲル20について処理する電解質ゲル処理装置を模式的に示す図である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
Claims (3)
- 金属材料で形成された除染対象物において放射性物質で汚染された表面に、電解質を含む電解質ゲルを介して、導電性部材を設置する準備工程と、
前記除染対象物と前記導電性部材との間に電圧を印加し、前記除染対象物から前記電解質ゲルを介して前記導電性部材に電流を流すことによって、前記除染対象物の表面について電解除染を行う除染工程と
を有し、
前記電解質ゲルは、前記除染対象物を構成する金属材料の金属成分のハロゲン化物を含んでおり、
前記導電性部材は、複数の導電シートで構成されており、前記複数の導電シートのそれぞれと直流電源との間の各配線の長さが同じであり、
前記除染工程では、前記除染対象物と前記複数の導電シートのそれぞれとの間において電圧を均一に印加する、
電解除染方法。 - 前記準備工程では、前記電解質ゲルを担持するように絶縁材料で形成された絶縁部材を、前記除染対象物の表面と前記導電性部材との間に介在させ、
前記除染工程では、前記絶縁部材に担持された前記電解質ゲルを介して、前記除染対象物から前記導電性部材に電流を流すことによって、前記電解除染を行う、
請求項1に記載の電解除染方法。 - 前記除染工程では、前記導電性部材を加熱した状態で前記電解除染を行う、
請求項1または2に記載の電解除染方法。
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