JP6888911B2 - コア及びリアクトル - Google Patents

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Description

本発明は、磁性粉末と樹脂からなるコアと、そのコア及びコイルを備えたリアクトルに関する。
OA機器、太陽光発電システム、自動車、無停電電源など様々な用途にリアクトルが用いられている。リアクトルは、例えば、出力系への高調波電流の流出を防止するフィルタや、電圧を昇降させる電圧昇降用コンバータなどに用いられる。
リアクトルには、用途に合わせて透磁率、インダクタンス値、鉄損などの磁気特性が求められる。例えば、電力昇降用のコンバータに用いられるリアクトルは、エネルギー変換効率の向上が求められるため、エネルギー損失である鉄損が小さいことが求められる。さらに、使用環境によって、小型化、軽量化、低騒音化なども要求される場合がある。
特開2005− 72198号公報
リアクトルは、一般に、磁性粉末と樹脂からなる混合物を所定の型に入れて成型してなるコアと、当該コアに巻回されたコイルとを備える。従来のリアクトルは、コアに空隙を有している場合等、駆動中の磁場印加により、コアを構成する磁性粉末が振動し、騒音が発生する。特に、磁性粉末間に比較的柔らかい樹脂が介在している場合、磁性粉末が振動しやすくなり、騒音が増大するという問題があった。このため、このような騒音が大きいリアクトルは、人がいる環境下において使用される機器に用いることができない。例えば、太陽光発電システム等では、室内にリアクトルが使用されるユニットを配置するケースが多く、低騒音化の要求が高い。
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものである。本発明の目的は、コアに含まれる樹脂の硬度を上げ、騒音発生を効果的に抑止できるコア及びリアクトルを提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明のコアは、下記の構成を採用したことを特徴とする。
(1)磁性粉末と樹脂とを含むコアであって、前記樹脂は、ショア硬度Dが83以上88以下のエポキシ樹脂であること。
(2)前記コアは、前記磁性粉末に対して3wt%〜5wt%の前記エポキシ樹脂を含有すること。
また、本発明のコアは、下記の構成を有していても良い。
)前記樹脂は、ショア硬度Dが85以上であること
(4)前記磁性粉末は、第1の磁性粉末と、前記第1の磁性粉末より平均粒径の小さい第2の磁性粉末とからなり、前記第1の磁性粉末と前記第2の磁性粉末の重量比率が80:20〜50:50であること。
)前記磁性粉末は、Fe−Si合金粉末若しくはFe−Si−Al合金粉末又はこれらの混合粉であること。
本発明のリアクトルは、上記(1)のコアと、コイルとを備えたことを特徴とする。また、本発明のリアクトルは、上記(2)〜(4)の構成を有していても良いし、次の構成を有していても良い。
(1)前記コイルは、前記コア内部に埋設されていること。
(2)前記コイルの周囲には、前記樹脂よりショア硬度の低い樹脂が被覆されていること。
(3)前記コイルの周囲を被覆する前記樹脂はシリコーン樹脂であること。
本発明によれば、コアに含まれる樹脂の硬度を上げることにより、磁性粉末の振動や磁歪を抑制して騒音発生を効果的に抑止できるコア及びリアクトルを提供することができる。
樹脂のショア硬度と騒音との関係を示すグラフである。 第2の実施形態に係るリアクトルの断面図である。
[1. 第1の実施形態]
[1−1.構成]
本実施形態のリアクトルは、コアと、コイルとを備える。コアは、磁性粉末と樹脂とを含み構成されたメタルコンポジットコアである。磁性粉末と樹脂とを混合した粘土状の混合物を、所定の型に充填し、加圧することでコアを所定の形状とすることができる。コアの形状は、例えば、トロイダル状コア、I型コア、U型コア、θ型コア、E型コア、EER型コアなどである。本実施形態のリアクトルは、トロイダルコアと、当該トロイダルコアに導線を巻き回して形成されたコイルとを備える。
磁性粉末としては、Fe粉末、Fe−Si合金粉末、Fe−Al合金粉末、Fe−Si−Al合金粉末(センダスト)、又はこれら2種以上の粉末の混合粉などが使用できる。これらの粉末は、粉末自体の磁歪が小さいので、騒音を抑制できる。Fe−Si合金粉末としては、例えば、Fe−6.5%Si合金粉末、Fe−3.5%Si合金粉末を使用できる。軟磁性粉末の平均粒径は20μm〜150μmが好ましい。
磁性粉末は、平均粒径の異なる2種類以上の磁性粉末から構成しても良い。ここでは、磁性粉末は、第1の磁性粉末と、第1の磁性粉末より平均粒径の小さい第2の磁性粉末とからなり、その重量比率は、第1の磁性粉末:第2の磁性粉末=80:20〜50:50とすることが好ましい。この範囲とすることで密度が向上し、透磁率も向上するともに、鉄損を小さくすることができる。第1の磁性粉末の平均粒径は20μm〜150μm、第2の磁性粉末は、5μm〜20μmが好ましい。第1の磁性粉末同士の隙間に平均粒径の小さい第2の磁性粉末が入り込み、密度及び透磁率の向上と低鉄損化を図ることができるからである。なお、第1の磁性粉末と第2の磁性粉末の種類は同じでも良いし、異なっていても良い。異なる場合は3種以上であっても良い。
樹脂は、磁性粉末と混合され、磁性粉末の周囲に絶縁層を形成する。樹脂は、ショア硬度が83以上の樹脂を用いることができる。ショア硬度を83以上とすることで、絶縁層が硬くなり、磁場印加による磁性粉末の振動を抑制し、騒音の発生を抑止することができる。好ましくはショア硬度を85以上とすると良い。騒音発生抑制効果が更に向上するからである。この樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂を用いることができる。樹脂の中でも、エポキシ樹脂を用いると良い。ガラス転移温度が高く、耐熱性に優れるからである。エポキシ樹脂は、一液性、二液性又は三液性のエポキシ樹脂を用いることができる。また、エポキシ樹脂は熱硬化性、紫外線硬化性、又は熱可塑性のエポキシ樹脂を用いることができる。樹脂は、磁性粉末に対して3wt%〜5wt%の樹脂がコアに含有される。この範囲より少ないと、騒音が大きくなり、この範囲より多いと、密度、透磁率、及びインダクタンス値Lが低下する。樹脂には、フィラーが含有されていても良い。フィラーは、例えばSiO、Al、MgOなどを用いることができる。
コイルは、絶縁被覆が施された導線であり、線材として銅線やアルミニウム線を用いることができる。コイルは、コアの少なくとも一部に導線が巻き回されて形成され或いは装着されており、コアの少なくとも一部の周囲に配置される。コイルの巻き方は特に限定されない。
[1−2.作用・効果]
(1)本実施形態のコアは、磁性粉末と樹脂とを含み構成されるコアであって、当該樹脂は、ショア硬度を83以上とした。これにより、磁場印加に伴う磁性粉末の振動や磁歪を抑制し、低騒音化を図ることができる。例えば、磁性粉末周囲の絶縁層が硬くなるので、磁性粉末が振動する余地を無くすことで、粉末同士の衝突やコアとコイルとの衝突を抑制することができ、騒音発生を効果的に抑止することができる。また、当該樹脂のショア硬度を85以上とすることで、顕著な騒音抑制効果を得ることができる。
(2)コアは、磁性粉末に対して3wt%〜5wt%のエポキシ樹脂を含有するようにした。これにより、高密度、高透磁率及び低鉄損の特性が得られ、かつ、低騒音のリアクトルを得ることができる。
(3)磁性粉末は、第1の磁性粉末と、第1の磁性粉末より平均粒径の小さい第2の磁性粉末とからなり、第1の磁性粉末と第2の磁性粉末の重量比率を80:20〜50:50とした。これにより、コアを高密度にすることができ、コア内の空隙を減らすことができる。そのため、磁性粉末の振動の余地を無くすことができ、騒音の発生を抑制することができる。また、コアが高密度になるので高透磁率、かつ低鉄損のリアクトルを得ることができる。
(4)磁性粉末は、Fe−Si合金粉末若しくはFe−Si−Al合金粉末又はこれらの混合粉とした。これにより、これらの粉末は磁場印加に伴う粉末径が変化する磁歪が小さいので、粉末同士の衝突を抑制できるので、騒音発生を効果的に抑制することができる。
[1−3.実施例]
本発明の実施例を、表1〜表4及び図1を参照して、以下に説明する。
(1) 測定項目
測定項目は、透磁率、鉄損、及び騒音である。作製された各コアのサンプルに対して、φ2.6mmの銅線で42ターンの巻線を施してリアクトルを作製した。騒音測定用のコアは、外径φ110mm、内径49.2mm、高さ30mmとした。また、作製したリアクトルの透磁率及び鉄損を下記の条件で算出し、下記の条件でリアクトルから発生する騒音について測定した。
<透磁率及び鉄損>
透磁率及び鉄損の測定条件は、周波数20kHz、最大磁束密度Bm=30mTとした。透磁率は、鉄損Pcv測定時に最大磁束密度Bmを設定したときの振幅透磁率とした。鉄損については、磁気計測機器であるBHアナライザ(岩通計測株式会社:SY−8232)を用いて算出した。この算出は、鉄損の周波数曲線を次の(1)〜(3)式で最小2乗法により、ヒステリシス損係数、渦電流損失係数を算出することで行った。
Pcv=Kh×f+Ke×f…(1)
Ph =Kh×f…(2)
Pe =Ke×f…(3)
Pcv:鉄損
Kh :ヒステリシス損係数
Ke :渦電流損係数
f :周波数
Ph :ヒステリシス損失
Pe :渦電流損失
<騒音測定>
騒音測定について、その測定装置、測定環境、測定方法等を以下に示す。
[騒音評価装置とソフトウェア]
(1) 測定装置 SOUND LEVEL METER NL-31 …リオン株式会社製
(2) 測定環境 無響箱(暗騒音は25dB) KM-1…株式会社アコー製
(3) パワーアンプ(音源) HIGH SPEED POWER AMPLIFIER/BIPOLAR POWER SUPPLY 4025…NF ELECTRONIC INSTRUMENTS社製
(4) 発振器 80MHz Function/Arbitrary Waveform Generator 33250A…アジレント・テクノロジー株式会社製
(5) 分析処理ソフト SA-01 CATSYSSA Ver3.5…リオン株式会社製
<測定方法>
(1) 太陽光発電用パワーコンディショナに作製したリアクトルを接続した。
(2) マイク距離:測定サンプルから10cmとした。
(3) 測定サンプルを無響箱内に設置し、騒音測定用のマイクの距離はサンプルから10cmとした。
(2)サンプルの作製方法
コアのサンプルは、下記のように、(a)コアに含まれる樹脂のショア硬度、(b)樹脂の含有量、(c)第1の磁性粉末と第2の磁性粉末の重量比率の観点から作製した。これらの作製方法と、その結果について下記に順に示す。
(a) コアに含まれる樹脂のショア硬度
平均粒径123μmのFe−6.5%Si合金粉末(円形度0.943)と、平均粒径5.1μmのFe−6.5%Si合金粉末(円形度0.908)を重量比率70:30で混練機にて30分混合し、これらの磁性粉末に対して4wt%のシリコーン樹脂、アクリル樹脂、二液性かつ熱硬化性のエポキシ樹脂A〜Fを、ショア硬度を下記の表1に示す条件としてそれぞれ添加し、混合した。さらに、この磁性粉末と樹脂の混合物をアルミカップとヘラで混練し、0.5tonで加圧成型し、外径φ110mm、内径49.2mm、高さ30mmの成型体を作製し、当該成型体を大気中にて、85℃で2時間乾燥させ、その後120℃で1時間乾燥させ、さらに150℃で4時間乾燥させて、サンプルとなるトロイダルコアを作製した。
これらのサンプルに対して、上記「(1)測定項目」で示したように巻線を巻回し、実施例1〜4、比較例1〜4のリアクトルを作製し、騒音測定を行った。その結果を表1及び図1に示す。なお、表1〜表3及び表5において、最大騒音は、搬送周波数19〜20kHzの範囲における騒音レベルのピーク値である。
Figure 0006888911
図1のグラフ内の直線は、得られた結果を線形近似したものである。表1及び図1から、樹脂のショア硬度が高くなるほど最大騒音値が低下していることが分かる。特に、ショア硬度が83以上で騒音の抑止効果が発揮され、低騒音になっていることが確認できる。磁性粉末周囲の絶縁層が硬くなり、磁性粉末の振動が抑制されるためと考えられる。
なお、低騒音がどの程度の騒音レベルを指すかは、リアクトルの使用環境によって要求されるレベルが異なる。一般的には、リアクトルの使用時において不快と感じられないレベルの騒音は45dB以下とされているが、太陽光発電システム等のユニットを室内に配置する場合には、さらに低い騒音レベルが要求される場合がある。このような場合であっても、本実施例では、ショア硬度が83以上である場合に低騒音効果を実現することができる。図1において、45dB以下の中でもショア硬度が85以上である場合には、図1中の近似直線より下回っており、騒音値の下がり方がさらに顕著になっていることが分かる。特に、ショア硬度が88のときは、最大騒音値が39.6dBとなり、40dBを下回り、低騒音効果が顕著である。
(b) 樹脂の含有量
コアに含まれる樹脂を、表1のエポキシ樹脂C(ショア硬度83)、エポキシ樹脂F(ショア硬度88)とし、その含有量を下記の表2及び表3に示す条件として、上記(a)と同様の手順でトロイダルコアのサンプルを作製した。
これらのサンプルに対して、上記「(1)測定項目」で示したように巻線を巻回し、実施例1、4〜8及び比較例5〜8のリアクトルを作製し、騒音測定を行った。その結果を表2、表3に示す。
Figure 0006888911
Figure 0006888911
表2、表3から、樹脂の含有量が3.0wt%〜6.0wt%で最大騒音値が45dB以下となり、低騒音効果が確認できる。3.0wt%未満であると、含有量が少なく磁性粉末周囲の絶縁層の硬度が十分に上がらない。そのため、励磁磁界による粉末振動を抑制できず、十分な騒音抑止の効果が得られない。この観点からは、樹脂の含有量が多い程良いが、5.0wt%より多くなると透磁率が低下し、これに起因して騒音が増加する傾向にあるリアクタのL値が低下する。これにより、リップル電流が大きくなり、磁束密度変化が増加するため、騒音が増加する。このため、樹脂の含有量は、磁性粉末に対して3.0wt%〜5.0wt%とすることが好ましい。
(c) 第1の磁性粉末と第2の磁性粉末の重量比率
第1の磁性粉末と第2の磁性粉末の重量比率を下記の表4に示す条件とし、上記(a)と同様の手順でトロイダルコアを作製した。但し、樹脂の種類はエポキシ樹脂D(ショア硬度D85)とし、その含有量を磁性粉末に対して5wt%とした。
これらのサンプルに対して、上記「(1)測定項目」で示したように、実施例9〜14、比較例9〜11のリアクトルを作製し、コアの密度、透磁率、鉄損の算出を行った。その結果を表4に示す。
Figure 0006888911
表4から、第1の磁性粉末:第2の磁性粉末=80:20〜50:50の範囲で、高密度、高透磁率、低鉄損であることが分かる。第2の磁性粉末の含有量が20wt%以上で透磁率が25以上となり、鉄損も低下し、リアクトルの磁気特性が良好になる。第2の磁性粉末の含有量が20wt%未満であれば、密度及び透磁率が低下し、鉄損が増加するため、リアクトルの磁気特性が低下する。また、第2の磁性粉末の含有量が50wt%を超えると、密度の低下及び鉄損の増大はそれほど生じないが、透磁率が低下するため、リアクトルの磁気特性は低下する。
また、表4から、高透磁率及び低鉄損の観点から、第1の磁性粉末:第2の磁性粉末=70:30〜60:40の範囲であることが好ましい。
[2. 第2の実施形態]
[2−1.構成]
第2の実施形態について、図2を用いて説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態と基本構成は同じである。よって、第1の実施形態と異なる点のみを説明し、第1の実施形態と同じ部分については詳細な説明は省略する。
第2の実施形態のリアクトルは、全体形状が円柱状のポット型リアクトルである。図2は、円柱状の軸方向に切断した第2の実施形態のリアクトルの断面図である。
図2に示すように、コア1は、内部に設けられた円柱状の中脚部11と、中脚部11の外側に位置し、中脚部11と同軸の円筒状の側部12と、中脚部11及び側部12の両端を繋ぐ一対の平板部13、14とから構成されている。ここでは、側部12及び平板部13、14は、中脚部11の軸方向と垂直方向に切った断面形状は、円形であるが、D型、角型であっても良い。
コア1は、第1の実施形態と同様に、磁性粉末と樹脂(ここではエポキシ樹脂)とを混合し、当該混合物を所定の型に入れて、固化してなる。このコア1には、周囲に樹脂が被覆されたコイル5が埋め込まれている。すなわち、上記混合物とともに、当該コイル5も所定の型に入れることでコア1を成型することができる。ここでは、コイル5は、2つのコイル5a、5bからなる。
コイル5a、5bは、中脚部11を芯とするように上下に直列に配置されている。コイル5a、5bは、通電されると、中脚部11を共通の磁路として直列に磁気結合する。その結合係数は、0.7以上とすることが好ましい。漏れ磁束が少なくなり、リアクトルの騒音低下を図ることができるからである。
上記の通り、コイル5a、5bの周囲には、樹脂が被覆されて被覆部31が設けられている。被覆部31は、コア1に含有される樹脂のショア硬度83より低いショア硬度の樹脂で構成されている。この樹脂のショア硬度は15以下が好ましい。この樹脂としては、例えば、ショア硬度が6のシリコーン樹脂、ショア硬度が15以下のウレタン樹脂を用いることができる。
[2−2.作用・効果]
(1)本実施形態のリアクトルは、コア1の一部である中脚部11の周囲にコイル5a、5bが配置され、コイル5a、5bの周囲には、コア1に含有される樹脂よりショア硬度の低い樹脂からなる被覆部31を設けるようにした。これにより、コイル5a、5bとコア1との間に比較的柔らかい被覆部31が介在するため、被覆部31が緩衝材となって磁場印加によるコア1の振動又はコイル5a、5bの振動を吸収することができ、騒音の発生を抑制することができる。
(2)周囲に被覆部31が設けられたコイル5a、5bをコア1内部に埋め込むようにした。これにより、コイル5a,5bとコア1との間及びコイル5a、5b間に緩衝材となる被覆部31が介在するので、被覆部31によってコイル5a、5bの全周囲にわたって、磁場印加によるコア1の振動又はコイル5a、5bの振動を吸収することができ、騒音の発生を抑制することができる。
(3)コア1に含まれる樹脂はエポキシ樹脂であり、被覆部31を構成する樹脂はシリコーン樹脂とした。コア1に含まれる樹脂をエポキシ樹脂とすることで、コア1内の磁性粉末の振動を抑制し、騒音の発生を抑制でき、被覆部31を構成する樹脂をシリコーン樹脂とすることで、コア1やコイル5a、5bが振動しても、振動の衝撃を和らげることができるため、騒音の発生を抑制できる。このように、2段階で騒音の発生を抑制することができるため、相乗的に低騒音化を図ることができる。
[2−3.実施例]
本実施形態の実施例について、図2及び表5を用いて説明する。コア1に含まれる樹脂のショア硬度と騒音との関係を、図2に示す本実施形態の構造について検証するため、樹脂のショア硬度を表5に示す通りとして、実施例15、比較例12のポット型リアクトルを作製した。すなわち、実施例15は、ショア硬度88の二液性エポキシ樹脂Fとし、比較例12は、ショア硬度78の二液性エポキシ樹脂Aとし、その他の構造は共通している。
Figure 0006888911
(1)実施例15、比較例12のリアクトルの作製方法
まず、コア1の組成として、粒子径(D50)が120μmのガスアトマイズ法で作製されたFe−6.5%Si合金粉末と、粒子径(D50)が5μmのガスアトマイズ法で作製されたFe−6.5%Si合金粉末とを重量比70:30で混合するとともに、これらの複合磁性粉末とエポキシ樹脂を重量比96:4で混合し、混合物を作製した。次に、この混合物と、周囲にショア硬度が6であるシリコーン樹脂からなる被覆部31が設けられたコイル5a、5bとを、図示しない所定の型に入れ、混合物を0.2tonで加圧成型し、大気中において、85℃で2時間、120℃で1時間、150℃で6時間の順に乾燥させて、実施例15、比較例12のリアクトルを作製した。コイル5a、5bは、丸線を使用し、ターン数を30とした。
(2) 騒音の測定及び樹脂のショア硬度と騒音との関係
騒音の測定は、第1の実施形態の「(1)測定項目」と同様に行った。その結果を表5に示す。表5から明らかなように、実施例15の最大騒音値は44.2dBであり、比較例12の最大騒音値54.2dBに対して小さく、低騒音化できることが確認できる。このように、本発明は、リアクトルの構造に関わらず、低騒音化の効果を奏することが確認できる。
[3.他の実施形態]
本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
(1)第1の実施形態においても第2の実施形態と同様に、コイルの周囲に被覆部が設けられていても良い。例えば、トロイダル状のコアの一部の周囲に導線が巻き回されてコイルが形成される場合に、コアとコイルの間に当該被覆部を介在させる。これにより、磁場印加によるコアの振動又はコイルの振動が生じても、被覆部が緩衝材となるため、騒音を抑制することができる。
(2)第1の実施形態では、コアを磁性粉末と樹脂からなるメタルコンポジットコアとしたが、圧粉磁心としても良い。すなわち、磁性粉末の周囲をショア硬度D83以上の樹脂で被覆して構成される圧粉磁心も本発明に含まれる。
1 コア
11 中脚部
12 側部
13、14 平板部
31 被覆部
5 コイル
5a、5b コイル

Claims (8)

  1. 磁性粉末と樹脂とを含むコアであって、
    前記樹脂は、ショア硬度Dが83以上88以下のエポキシ樹脂であり、
    前記コアは、前記磁性粉末に対して3wt%〜5wt%の前記エポキシ樹脂を含有すること、
    を特徴とするコア。
  2. 前記樹脂は、ショア硬度Dが85以上であること、
    を特徴とする請求項1に記載のコア。
  3. 前記磁性粉末は、第1の磁性粉末と、前記第1の磁性粉末より平均粒径の小さい第2の磁性粉末とからなり、前記第1の磁性粉末と前記第2の磁性粉末の重量比率が80:20〜50:50であること、
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコア。
  4. 前記磁性粉末は、Fe−Si合金粉末若しくはFe−Si−Al合金粉末又はこれらの混合粉であること、
    を特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のコア。
  5. 前記請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のコアと、
    コイルと、
    を備えたリアクトル。
  6. 前記コイルは、前記コア内部に埋設されていること、
    を特徴とする請求項5に記載のリアクトル。
  7. 前記コイルの周囲には、前記樹脂よりショア硬度Dの低い樹脂が被覆されていること、
    を特徴とする請求項5又は請求項6に記載のリアクトル。
  8. 前記コイルの周囲を被覆する前記樹脂はシリコーン樹脂であること、
    を特徴とする請求項7に記載のリアクトル。
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