JP6886684B2 - 人形の首関節構造 - Google Patents
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Description
人形の頭部と胴部を連結する首連結構造にあっては、例えば特許文献1に開示の構造が提案されている。
前記上下の軸受部に連結される上方側関節部の下端と、前記下方側関節部の上端には、それぞれ球状の連結部が備えられており、前記上下の軸受部は、前記球状の連結部が摺動可能な球状内面を有する空間をもって形成されている。
しかし、二分割されている首部の組み合わせが上下で逆になったりすると組み立てることができなかったり、複数個のネジ等の固着具を介して一体に組み立てる作業が面倒かつ煩雑であった。
人形の胴部側に対して水平方向の軸心を中心として前後方向に傾動可能に連結される第一部材と、
前記第一部材と一体に構成され、鉛直方向の軸心を中心として左右方向に回動可能に連結される第二部材と、
前記第二部材と一体に構成され、水平方向の軸心を中心として前後方向に傾動可能な第三部材と、で構成されており、
前記第一部材は、胴部側に立設された支持片に軸着される軸着片と、前記軸着片の上端にて一体に構成され、かつ側面の一部に嵌め込み口を設けてなる嵌合部とを含み、
前記第二部材は、最大径部が前記嵌め込み口よりも僅かに大径に形成され、前記嵌め込み口を拡開させて前記嵌合部内に摺動可能に嵌め込まれる嵌合摺動部と、前記嵌合摺動部よりも小径で、前記嵌合摺動部の上面略中心から一体に立ち上げられる棒状部と、を含み、
前記第三部材は、上端に頭部連結部を備え、前記第二部材の棒状部上方にて前後方向に回動可能に一体に構成された前後傾動部と、を含むことを特徴とする人形の首関節構造としたことである。
前記嵌合部は円筒状に形成され、
前記嵌合摺動部は円板状に形成されていることを特徴とする人形の首関節構造としたことである。
本実施形態では、胴部1と、胴部1に着脱可能に連結される左右の腕部3と、胴部に着脱可能に連結される左右の脚部と、胴部に着脱可能に連結される頭部を備えてなる、いわゆる人形素体と称されるものを本発明の一実施形態として説明する。
本発明において、「人形」とは、胴部と脚部と腕部3と頭部を備えた人形全般に限らず、頭部を備えていない所謂人形用素体といわれるものをも含む概念とする。また、少なくとも脚部や腕部3などの所要箇所が可動する人形であれば全てが対象とされる。例えば人間の男性・女性を模写した人形に限らず、動物や空想上の生物若しくはロボットなどを模写した人形であってもよい。
「胴部(胴体)」とは、一般的には人形の腕部と脚部と頭部を除いた部分とされるが、胴部は頭部を備える概念としてもよい。
「脚部」とは、足部、脛部、膝部、太腿部の付根部(腰部の股間位置と連結される部分)あたりまでをいい、「大腿部」とは、付根部から膝上あたりまでをいい、「脛部」とは、膝下あたりから足首あたりまでをいい、「膝部」とは、大腿部と脛部とを連結する部分をいい、「足部」とは足首から先端(指先)までをいうものとする。
「腕部」とは、胴部に連結される上腕と、上腕と肘部を介して屈曲可能に連結する下腕と、下腕に連結する手部とからなり、「上腕」とは、腕部付根位置(肩位置との連結部)あたりから肘上あたりまでをいい、「下腕」とは、肘下あたりから手首あたりまでをいい、「手部」とは手首あたりから先端(指先)までをいうものとする。
図1及び図2は、本発明人形の一実施形態の全体概要を示し、図1は正面側から見た概略正面図で、図2は、頭部と、胴部を構成する上胴外皮と下胴外皮を取り外した状態の概略正面図である。
なお、上胴外皮19と下胴外皮21のそれぞれの外観形態は任意であって特に限定解釈されるものではなく本発明の範囲内で設計変更可能である。
また、下胴を腹部と腰部とにさらに分割した三分割構成とする胴部であっても本発明の範囲内である。さらに、全く分割しない胴部(一体の胴部外皮)であっても本発明の範囲内である。
また、本実施形態の胴部1は、ソフトビニル製の外皮(上胴外皮19、下胴外皮21)と硬質合成樹脂製の胴部骨格23とで構成しているが、外皮が硬質合成樹脂製であっても本発明の範囲内である。さらに、硬質合成樹脂製で中実体(無垢)に形成された一体若しくは複数分割の胴部を採用することも可能で本発明の範囲内である。なお、硬質合成樹脂製で中実体(無垢)に形成された胴部の場合、骨格は備えていなくてもよい。
スペーサ81は、本実施形態ではネジ41により固定される円筒状に形成されているが、特に本実施形態に限定解釈されるものではなく本発明の範囲内で設計変更可能である。
また、後部材43の前面略中央領域には、前部材27の背面部37に当接する縦長板状のリブ43cが突設されている。
そして、本実施形態では、リブ43cの上端に平板状の底面47dを介して左右方向に所定の間隔をあけて一対の支持片47が突設されている。
嵌合摺動部69は、第一収容部65bの内径よりも僅かに小径、あるいは略同径に形成されている。
従って、第二部材67の嵌合摺動部69を第一部材61の嵌め込み口65cから嵌合部65内の第一収容部65bへと収容して一体化させるとき、嵌合摺動部69が嵌め込み口65cを僅かに拡開させて嵌合させることができるため、回動可能に一体化させることが容易である。これにより、第二部材67は、第一部材61の嵌合部内にて鉛直方向の軸心を中心として左右方向に回動可能に一体化される。
前後傾動部75は、本実施形態では、第二部材67を構成する棒状部71の上端に一体に形成されている第一半球部75aと、第三部材73を構成する頭部連結部77の下端に一体に形成されている半球状の第二半球部75bとを軸着して球状に構成されている(図52乃至図6参照。)。
頭部連結部77は、第二半球部75bの上端にて、第二半球部75bよりも水平方向で突出するフランジ状に係止部77aが備えられている。この係止部77aを、頭部7の下端に設けられている係止孔部(図示省略)の弾性に抗して押し広げて頭部7内に挿入し、係止部77aによって係止孔部に係止される。
本実施形態によれば、連結軸75cによって第一半球部75aと第二半球部75bとが、その連結軸75cを中心として前後方向に相対回転可能に構成される。
連結軸75cは、連結孔部75d全域にわたって差し込み可能な長さを有するとともに、連結孔部75d内に緊密に差し込み嵌合可能な合成樹脂製の円柱棒状に形成されている。
そして、図6の状態から、例えば、第三部材73の前後傾斜部75を、連結軸75cを軸心として前方に回動させると、頭部7が前方に少しうつむいた状態を表現することができる(図7(a)。)。あるいは、連結軸75cを軸心として後方に回動させると、頭部7が少し後方に傾いて上を見上げている状態を表現することができる(図7(b)。)。
次に、図7の状態から、例えば、第一部材61の軸着片63を、軸49を中心として前方に回動させると、頭部7がさらに前方にうつむいた状態を表現することができる(図8(a)。)。あるいは、軸49を軸心として後方に回動させると、頭部7がさらに後方に傾いて上を見上げている状態(寝ている状態)を表現することができる(図8(b)。)。
さらに、図6の状態から第二部材67を90度回動させ、第三部材73の前後傾動部75を横方向(向かって左方向)に90度回動させれば、頭部7を向かって左方向に傾動させることができる(図9(a)参照。)また、第二部材67を90度回動させ、第三部材73の前後傾動部75を横方向(向かって右方向)に90度回動させれば、頭部7を向かって右方向に傾動させることができる(図9(b)参照。)。
頭部7を前方に傾動させる際に、所定角度以上に傾動させると、この第一抑止部79aに第一部材61の軸着片63が当接するように構成した(図8(c)参照)ため、必要以上の前方への頭部7の傾動を抑えることができる(図8(a)の状態を越えた傾動を抑制する。)。
なお、少なくとも底面47dに対向する上端43d領域のみを高く設定しているものであればよい。
頭部7を後方に傾動させる際に、この第二抑止部79bに第一部材61の軸着片63が当接するように構成したため、必要以上の前方への頭部7の傾動を抑えることができる(図8(b)の状態を越えた傾動を抑制する。)。
7 頭部
47 支持片
61 第一部材
63 軸着片
65 嵌合部
65c 嵌め込み口
67 第二部材
R1 最大径部
69 嵌合摺動部
71 棒状部
73 第三部材
75 前後傾動部
77 頭部連結部
79 抑止部
79a 第一抑止部
79b 第二抑止部
Claims (3)
- 人形の頭部を人形の胴部に対して可動するように連結する人形の合成樹脂製の首関節であって、
人形の胴部側に対して水平方向の軸心を中心として前後方向に傾動可能に連結される第一部材と、
前記第一部材と一体に構成され、鉛直方向の軸心を中心として左右方向に回動可能に連結される第二部材と、
前記第二部材と一体に構成され、水平方向の軸心を中心として前後方向に傾動可能な第三部材と、で構成されており、
前記第一部材は、胴部側に立設された支持片に軸着される軸着片と、前記軸着片の上端にて一体に構成され、かつ側面の一部に嵌め込み口を設けてなる嵌合部とを含み、
前記第二部材は、最大径部が前記嵌め込み口よりも僅かに大径に形成され、前記嵌め込み口を拡開させて前記嵌合部内に摺動可能に嵌め込まれる嵌合摺動部と、前記嵌合摺動部よりも小径で、前記嵌合摺動部の上面略中心から一体に立ち上げられる棒状部と、を含み、
前記第三部材は、上端に頭部連結部を備え、前記第二部材の棒状部上方にて前後方向に回動可能に一体に構成された前後傾動部と、を含むことを特徴とする人形の首関節構造。 - 前記軸着片は平板状に形成され、
前記嵌合部は円筒状に形成され、
前記嵌合摺動部は円板状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の人形の首関節構造。 - 前記胴部側には、前記軸着片の所定角度以上の傾動を抑止する抑止部を備えてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の人形の首関節構造。
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