JP2017124235A - 人形体の関節構造 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の目的とするところは、外観デザインの魅力低減を抑えつつ、関節部の可動自由度を高めることができる技術を提供することである。
図1は、第1実施形態における人形玩具の上半身部分の斜視外観図である。
人形玩具2は、部位別のパーツを組み付けて構成した玩具である。図示の例では、人形玩具2の頭部10と、胸部20と、腹部30と、上腕部40と、背嚢部50との各パーツを選択的に図示しているが、図示されていない部位のパーツも(例えば、下腕部や、腰部、脚部、など)も適宜備える。ユーザは、これらの各パーツの相対向きや相対姿勢を任意に変更し、人形玩具2のポーズを様々に変えて楽しむことができる。
体的には、中央胸部パーツ22は、躯幹を構成する第1パーツであって、本実施形態では胸部20の左右中央部分を形作っている。左方胸部パーツ24と右方胸部パーツ26は、躯幹の一部又は躯幹の外観を構成する第3パーツである。本実施形態では、それぞれ、右肩及び右肺部に相当する右半体、左肩及び左肺部に相当する左半体を形作っている。そして、中央胸部パーツ22の外面と、左方胸部パーツ24の外面と、右方胸部パーツ26の外面とで、胸部20としての一体的に連なった外観を形成している。
図3は、本実施形態における人形玩具2の正面視分解図であって、左方胸部パーツ24の正面側をカットした部分断面図を含む。
図4は、本実施形態の人形玩具2の上面図である。
上部パーツ221は、左右と下方が開口した略箱状体であって、胸部20の上面・中央正面・中央背面を形作る。そして、上部には頭部10を連結するボールジョイント12を連結させるためのジョイント部223を有する。
下部パーツ222は、腹部30と連結される胸部20の底面224と、ジョイント部223と連結するジョイント連結柱部225と、左方胸部パーツ24を左右回転自在に連結させる左揺動軸226と、右方胸部パーツ26を左右回転自在に軸支する右揺動軸227と、を有する。
左方胸部パーツ24は、右方と下方に開口した箱状体であって、胸部左半体の正面・側面・背面及び上面の一部外観を形づくる左外装部241と、左揺動軸226を上下に挿通させる左軸受242と、左の上腕部40(第2パーツ)をボールジョイント連結するための左腕用ボールスタッド243と、を有する。左腕用ボールスタッド243は、胸部左半体の前後中央上面を形作り、左外装部241内に前後方向に延びるように設けられた左肩軸244により上下揺動可能に軸支される。つまり、人形玩具2は、左肩軸244で左腕用ボールスタッド243を上下方向に揺動させることで、左肩を上げるポーズを取らせることができる。
したがって、図4に示すように、左方胸部パーツ24の右端部の先端が、中央胸部パーツ22の左方開口部からその内側へ挿入された状態となり、右方胸部パーツ26の左端部の先端が、中央胸部パーツ22の右方開口部からその内側へ挿入された状態となる。
すなわち、躯幹を構成する中央胸部パーツ22の後面と左方胸部パーツ24の後面との成す角度が低減するように、左揺動軸226を中心にして左方胸部パーツ24の向きを変更することができる。これにより、左腕用ボールスタッド243は後方に回動し、胸部20の正面は、前方に向かって凸を成すように略湾曲したように変形し、あたかも胸を張るようなポーズができあがる。
すなわち、躯幹を構成する中央胸部パーツ22の前面と左方胸部パーツ24の前面との成す角度が低減するように、左揺動軸226を中心にして左方胸部パーツ24の向きを変更することができる。これにより、左腕用ボールスタッド243は前に回動し、胸部20の正面の左右方向の幅が狭くなるように変形し、あたかも肩を前にすぼめるようなポーズができあがる。この時、左方胸部パーツ24の前側中央胸部パーツ22寄りの端部は、向きを変えるにつれて中央胸部パーツ22の更に内側へ挿入される。これにより、あたかも肩を前にすぼめるようなポーズにしようとしたとき、左方胸部パーツ24と中央胸部パーツ22とで形成する胸部前方の体積が小さくなり、上腕部40の動きを妨げないようにすることで、上腕部40の可動範囲を拡大しつつも、胸部20として連なった外観を好適に保つことができる。同様のことは、右方胸部パーツ26と中央胸部パーツ22との間にも言える。
具体的には、例えば図7に示すように、仮に従来の人形玩具のように胸部20が1つの略箱形に形成されている(中央胸部パーツ22・左方胸部パーツ24・右方胸部パーツ26というような分割構成になっていない)場合には、両肩を前にすぼめることができないので、両腕を前(図7の下側)に向けても、いわゆる「前にならえ」の姿勢しかできない。
次に、本発明を適用した第2実施形態について説明する。なお、以降では第1実施形態との差異について主に述べることとし、第1実施形態と同様の構成要素には同じ符号を付与して重複する説明を適宜省略するものとする。
図10は、人形玩具2Bの内部構造例を示す部分断面正面図である。
図11は、人形玩具2Bの左側面図である。
すなわち、仮に胸部20Bが1つの略箱形に形成されていると仮定すると(中央胸部パーツ22B・左方胸部パーツ24B・右方胸部パーツ26Bの分割構成になっていない一体構成であると仮定すると)、図12に示すように、両肩を前にすぼめることができないので、両腕を前(図12の下側)に向けても、いわゆる「前にならえ」の姿勢しかできない。
次に、本発明を適用した第3実施形態について説明する。なお、以降では第1及び第2実施形態との差異について主に述べることとし、第1及び第2実施形態と同様の構成要素には同じ符号を付与して重複する説明を適宜省略するものとする。
人形玩具2Cは、上から順に頭部10・胸部20・腹部30・腰部60を備え、これらのうち隣接するパーツ同士は、ボールジョイントにより相対角度を変更可能に連結されている。
また、腰基部70の前方上部には大垂リンク72が上下に揺動自在に連結されている。大垂リンク72の後方ジョイントは、リンク可動軸73により腰基部70に対して上下揺動可能に連結されている。また、大垂リンク72の前方ジョイントは、大垂部81の裏面の上下中間部に設けられた軸受部82にて大垂可動軸74で連結され、大垂部81を上下へ揺動可能に支持している。
大腿リンク76の前方ジョイントは、リンク可動軸73に連結されている。そして、大腿リンク76の後方ジョイントは、腰基部70に設けられた弧状のガイド溝77に嵌合している。すなわち、大腿リンク76は、リンク可動軸73を中心に後方ジョイント部を腰基部70の左右側面のガイド溝77に沿って上下に揺動させることができるようになっている。
腹部30は、内部空間にボールスタッド71と連結するソケット部31を内部に有するとともに、前側下端には大垂部81の上端が挿入可能な開口部32を備えている。しかし、直立姿勢における大垂部81はほとんど上下に立った姿勢にあり、その上端は腹部30の前面と近接した位置にあって開口部32を覆い隠している。その為、人形玩具2Cを正面から見ると開口部32の存在は目立たず、胸部20→腹部30→腰部60へ大きな切れ目のない連なった外観を形づくっている。なお、直立姿勢においては、腰部60の横周りも、外装部80により大きな切れ目のない連なった外観を形づくっている(図14参照)。
図20と図21は、腰部60周りのパーツを抜き出して示した簡略斜視図である。
仮に本実施形態のように大垂部81の揺動位置(大垂リンク72の前方ジョイント;大垂可動軸74(図15参照))を変えられない構成だと仮定すると、図20に示すように、人形玩具2Cに立て膝をつくポーズをさせるために右の大腿部44を前方に振り上げた場合には、右前垂部84も振り上げられることになるが、大垂部81は直立姿勢の位置のままとなり、右鼠径部に大きな外観の途切れ部9が生じる。しかし、本実施形態では、図21に示すように、大垂部81を前方に振り上げつつ寝かせることができるので、右前垂部84→大垂部81→左前垂部83の横周りにおいて大きな切れ目のない外観を形づくることができ、外観のデザイン性を向上させることができる。
なお、本発明の実施形態は上記の例に限るものでは無く、発明の要旨を変更しない限りにおいて適宜構成要素の追加・省略・変更が可能である。
9…途切れ部
10…頭部
12…ボールジョイント
20、20B…胸部
22、22B…中央胸部パーツ
226…左揺動軸
227…右揺動軸
24、24B…左方胸部パーツ
241…左外装部
242…左軸受
243…左腕用ボールスタッド
244…左肩軸
26、26B…右方胸部パーツ
30…腹部
31…ソケット部
32…開口部
40…上腕部
44…大腿部
60…腰部
70…腰基部
71…ボールスタッド
72…大垂リンク
73…リンク可動軸
74…大垂可動軸
75…ボールスタッド
76…大腿リンク
77…ガイド溝
80…外装部
81…大垂部
82…軸受部
83…左前垂部
84…右前垂部
L1…中心線
L2…中心線
Sp…干渉防止空間
T…テーパ面
Claims (11)
- 人形体の関節構造であって、
躯幹を構成する第1パーツと、
四肢を構成し、前記第1パーツに対し回動可能な第2パーツと、
前記躯幹の一部又は前記躯幹の外観を構成し、前記第1パーツに対し回動可能な第3パーツであって、前記第2パーツと前記第1パーツとの成す角度を低減させるように回動した場合に、前記第2パーツの当該回動に合わせて当該成す角度を低減させる方向に回動可能に構成された第3パーツと、
を備えた人形体の関節構造。 - 前記第1パーツと前記第3パーツとは、前記成す角度を低減させる方向への前記第3パーツの回動時に、部分的に一方が外側、他方が内側に重なるように構成された、
請求項1に記載の人形体の関節構造。 - 前記第3パーツは、前記第1パーツ寄りの端部に回動時に前記第1パーツとの接触を回避するためのテーパ面を有する、
請求項2に記載の人形体の関節構造。 - 上面視において、前記第2パーツを角度変更するための可動軸は、前記第3パーツを向き変更するための可動軸よりも、前記躯幹の中心から離れた位置に設けられて構成された、
請求項1〜3の何れか一項に記載の人形体の関節構造。 - 前記第1パーツは胸部中央用のパーツであり、
前記第2パーツは腕用のパーツであり、
前記第3パーツは胸部左右に位置するパーツである、
請求項1〜4の何れか一項に記載の人形体の関節構造。 - 前記第3パーツが前記第2パーツを支持する支持部を有する、
請求項5に記載の人形体の関節構造。 - 正面視において、前記第2パーツを回動するための可動軸は、前記第3パーツを回動するための可動軸よりも下方に設けられて構成された、
請求項1〜3の何れか一項に記載の人形体の関節構造。 - 前記第3パーツは、当該第3パーツを回動するための可動軸より上の部分と下の部分とを有し、前記成す角度を低減させる方向への当該第3パーツの回動時に、前記第3パーツの当該上の部分と当該下の部分とのうちの一方が前記第1パーツの外側へ、他方が前記第1パーツの内側へ部分的に重なるように構成された、
請求項1〜3,7のうちの何れか一項に記載の人形体の関節構造。 - 前記第1パーツは腹部用のパーツであり、
前記第2パーツは脚部用のパーツであり、
前記第3パーツは腰部外観用のパーツである、
請求項1〜3,7,8のうちの何れか一項に記載の人形体の関節構造。 - 前記第3パーツは、前記第1パーツに対し揺動するように構成され、
一端部が前記第3パーツの揺動軸を支持し、他端部が軸支されたリンクパーツを更に備え、
前記他端部を軸中心として前記リンクパーツを上下に揺動させることで前記第3パーツの前記揺動軸が上下に位置調整可能に構成された、請求項9に記載の人形体の関節構造。 - 前記成す角度を低減させるように前記第2パーツを回動した場合に、前記リンクパーツを下方に揺動させることで前記第1パーツと前記第3パーツとの干渉防止空間を拡大させることが可能に構成された、請求項10に記載の人形体の関節構造。
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