JP2024045637A - 可動構造および玩具 - Google Patents

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慎一 須田
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Abstract

【課題】湾曲が可能で、且つ伸縮が可能な可動構造を実現すること。【解決手段】可動構造体14は、人形の玩具の腕部5の一部を構成し、ロールピンジョイント53Lが嵌合するジョイント支持部を有する中空外殻(第1種中空外殻21、第2種中空外殻22、第3種中空外殻23)が列状に配列された列状外殻群20と、中空外殻の内部が連通してできる内部空間に配置され、1つおきのジョイント(第1種ジョイント51、第2種ジョイント52)が中空外殻の配列順にジョイント支持部25に支持されることで列状外殻群20の配列を保持するリンク群50と、を備える。可動構造体14は、リンク群50の可動によって列状外殻群20の伸縮および湾曲が可能である。【選択図】図13

Description

本発明は、玩具の可動構造等に関する。
可動部を備えた玩具の一例として、人間のように様々なポーズを取らせることができる人形体が知られている。例えば、特許文献1には、可動部を動かして楽しむ玩具が記載されている。
特開2017-159139号公報
可動部を備えた人形体のうち、特に人気なのが、マンガや、アニメ、特撮映画、ゲーム、小説、など(以下、総括して「原作」と呼ぶ。)に登場する変身ヒーローや、兵士、大型人型ロボット、などのキャラクタを再現した人形体である。
ユーザは、原作に登場するキャラクタの人形体を購入すると、是非とも原作で見たポーズと同じポーズをさせてみたいと思う。しかし、原作に登場するキャラクタの人形体に原作通りのポーズを取らせるには可動部の可動範囲が狭く、ポーズの再現が不完全となる場合が往々にしてあった。ユーザの立場からすると、可動部のフレキシビリティが不十分であるため、原作のポーズに近づけようとしても無理があり、残念な感覚を抱く場合があった。
特に、原作のキャラクタが、湾曲可能且つ伸縮可能な可動部を有するデザインである場合、あるポーズを維持しつつも湾曲可能で且つ伸縮可能な可動部を、玩具のレベルで実現できていなかった。
本発明が解決しようとする課題は、湾曲が可能で、且つ伸縮が可能な可動構造を実現する技術を提供すること、である。
本発明の態様は、玩具の所定部位となる可動構造体であって、ジョイント支持部を有する中空外殻が列状に配列された列状外殻群と、前記中空外殻の内部が連通してできる内部空間に配置され、少なくとも1つおきのジョイントが前記中空外殻の配列順に前記ジョイント支持部に支持されることで前記列状外殻群の配列を保持するリンク群と、を備え、前記リンク群の可動によって前記列状外殻群の伸縮および湾曲が可能な可動構造体、である。
また、前記中空外殻は、一端側の外形寸法よりも他端側の内部空間の寸法が大きい筒状体であって、前記列状外殻群は、隣り合う一方側の前記中空外殻の一端側が、他方側の前記中空外殻の他端側に遊嵌して配列されている、としてもよい。
また、前記列状外殻群は、隣り合う前記中空外殻が密着して嵌まり合った直線状の縮小形状と、隣り合う前記中空外殻が間隔を空けて弧状に配列した湾曲形状とに全体形状を変更可能な、構造としてもよい。
また、前記リンク群の各ジョイントはピン結合による回り対偶であり、前記リンク群の可動は、各ジョイントの回り対偶によって定められる所定の可動面に沿った可動であり、前記列状外殻群の湾曲は、前記可動面に沿った湾曲である、としてもよい。
また、前記中空外殻および前記リンク群の一方または両方に、前記可動面に沿った前記列状外殻群の両方向の湾曲のうち、一方向への湾曲限界を、他方向への湾曲限界に比べて制限する制限構造、を更に備えた、構成としてもよい。
また、前記制限構造は、前記リンク群の各ジョイントに設けられた前記一方向への回転制限構造である、としてもよい。
また、前記回転制限構造による回転角度の制限によって前記リンク群の伸長に制限が設けられ、当該リンク群の伸長可能範囲内において前記列状外殻群が伸長可能である、としてもよい。
また、前記制限構造は、前記中空外殻の配列中心線から前記他方向にずれた位置に前記ジョイント支持部が設けられた構造を含む、としてもよい。
また、前記制限構造は、前記一方向への湾曲時に、隣り合う前記中空外殻同士が干渉することで前記一方向への湾曲限界が設けられた構造である、としてもよい。
別の態様は、所定部位に上記可動構造体を備えた玩具、である。
本発明によれば、湾曲が可能で、且つ伸縮が可能な可動構造を実現できる。
人形体の直立姿勢における正面外観図。 左の腕部の構成例を示す正面外観図。 左の腕部の構成例を示す内部を示す図。 列状外殻群の分解図。 リンク群の正面図。 リンク群の側面図。 第1種リンクの斜視外観図。 第1種リンクの縦断面図。 第2種リンクの斜視図。 リンク群の縦断面図。 可動構造体を伸ばした状態の縦断面図。 腕部を限界まで伸ばした状態のリンク群の状態を示す縦断面図。 可動構造体を湾曲させた状態の列状外殻群の内部を示す図。 列状外殻群に制限構造部を追加した変形例を示す図。
図1は、本発明を適用した実施形態の一例である人形体2の直立姿勢における正面外観図である。なお、各図に示した矢印による方向表記は、人形体2にとっての上下(Y軸方向;正方向が上)、前後(Z軸方向;正方向が前)、左右(X軸方向;正方向が左)の方向を示している。以降の説明における方向はこれに基づくものとする。
人形体2は、マンガや、アニメ、特撮映画、ゲーム、小説などを原作とするキャラクタを立体造形物として再現した可動部位を備えた玩具である。本実施形態の人形体2は、人型ロボット兵器を模したデザインを有し、部位別のパーツを組み付けて作られる玩具である。
人形体2のパーツには、頭部3、胴部4、腕部5、脚部6、がある。そして、本実施形態では、人形体2の腕部5が、湾曲可能で且つ伸縮可能な可動構造体を有する。
なお、人形体2の基本的な形態は、胴部4を中心に、その上部に一つの頭部3があり、左右側部にそれぞれ腕部5があり、下部に2本の脚部6がある人を模した形態である。この形態に加えて、人形体2には、背部に背嚢的な付属物(例えば、ロボット兵器であれば背部バーニア)を付属させたり、背部に翼を設けたり、尻尾を取り付ける等しても構わない。何れも、本実施形態の人形体2の基本的な形態を有しており、本実施形態の人形体ということができる。
図2は、左の腕部5の構成例を示す正面外観図であって、可動構造体が最も短縮された直線状の「縮小形状」の状態を示している。図3は、同内部を示す図である。
なお、右の腕部5は、左の腕部5と左右対称で同じ構成を有するので、重複する説明は省略する。また、腕部5乃至可動構造体14として、曲がり得る曲率半径の最小値の小さい方向(簡単に言うとよく曲がる方向)を「主曲げ方向」と呼称する。図2,図3の場合は、腕部5は左腕であり、人形体2にとっての右方(X軸負方向)が主曲げ方向とされる。湾曲の程度は主曲げ方向に及ばないが、主曲げ方向とは反対方向にも湾曲可能であるため、主曲げ方向とは反対方向を「副曲げ方向」と呼称する。主曲げ方向と副曲げ方向とは、図2,3において、XY平面に沿った方向にある。
腕部5は、肩関節部10と、手部12と、手部ジョイント13と、可動構造体14と、を有する。可動構造体14は更に、列状外殻群20と、リンク群50と、を有する。
図4は、列状外殻群20の分解図である。
列状外殻群20は、複数の中空外殻が列状に配列された部品群である。具体的には、列状外殻群20は、第1種中空外殻21と、複数の第2種中空外殻22と、第3種中空外殻23と、を有し、これらは一列に配列している。
第1種中空外殻21は、前後対称の2ピース(前方ピース21f、後方ピース21r)で構成されており、それらを前後に合わせることで1つの筒状体となる。
1つの筒状体として外観に着目すると、第1種中空外殻21は、上下中央付近より上の一端側(上方側)が、上下中央付近より下の他端側(下方側)よりも外径が小さい。詳細には、第1種中空外殻21の一端部は、上方に向かって徐々に細くなり、下部他端部側は円筒形を有している。容積関係に着目すると、第1種中空外殻21の内部空間の他端側は、一端部を収容可能な広さを有している。言い換えると、第1種中空外殻21は、一端側の外形寸法よりも他端側の内部空間の寸法が大きく設定されている。
内部に着目すると、第1種中空外殻21は、上方である一端側に、肩関節部10の連結突起11を前後に挟持するための肩関節連結部24と、リンク群50を上下に揺動可能に支持するジョイント支持部25と、リンク群50の最上部のリンクの揺動のうち一方側を規制する揺動規制部26と、を有する。
ジョイント支持部25は、リンク群50において各リンクを回転対偶で連結するロールピン(リンクを繋ぐジョイント部材)の端部を嵌合させる穴又は孔である。ジョイント支持部25の位置は、列状外殻群20の配列中心線L1(第1種中空外殻21の正面視中心線に同じ)よりも、可動構造体14の主曲げ方向の側へずれた位置に設定されている。
第2種中空外殻22は、前後対称の2ピース(前方ピース22f、後方ピース22r)で構成されており、それらを前後に合わせることで1つの筒状体となる。
1つの筒状体として外観に着目すると、第2種中空外殻22もまた、上下中央付近より上の一端側(上方側)が、上下中央付近より下の他端側(下方側)よりも外径が小さい。詳細には、第2種中空外殻22の一端部は、ジョイント支持部25と、上方および右方への開口部27と、左方へ凸に湾曲したカバー部28と、を有する。第2種中空外殻22の下部他端部側は円筒形を有している。容積関係に着目すると、第2種中空外殻22の内部空間の他端側は、一端部を収容可能な広さを有している。言い換えると、第2種中空外殻22もまた、一端側の外形寸法よりも他端側の内部空間の寸法が大きく設定されている。
第2種中空外殻22でも、ジョイント支持部25の位置は、列状外殻群20の配列中心線L1(第2種中空外殻22の正面視中心線に同じ)よりも主曲げ方向へずれた位置に設定されている。
3つの第2種中空外殻22に続いて、第3種中空外殻23が配列されている。
第3種中空外殻23は、前後対称の2ピース(前方ピース23f、後方ピース23r)で構成されており、それらを前後に合わせることで1つのパーツとなる。
第3種中空外殻23は、上下中央付近より上の一端側(上方側)にジョイント支持部25とカバー部28とを有し、上下中央付近より下の他端側に手部ジョイント13を軸回転可能に支持するジョイント軸受29を有する。第3種中空外殻23でも、ジョイント支持部25の位置は、列状外殻群20の配列中心線L1(第3種中空外殻23の正面視中心線に同じ)よりも、可動構造体14の主曲げ方向へずれた位置に設定されている。
第3種中空外殻23は、上下中央付近より上の一端側(上方側)が、第2種中空外殻22の他端側(下方側)よりも外径が小さい。詳細には、第3種中空外殻23の一端部は、上方に向かって徐々に細くなり、下部他端部側も、下方に向かって徐々に細くなる円筒形を有している。容積関係に着目すると、第3種中空外殻23の一端側は、第2種中空外殻22の他端側に収容可能な大きさに設定されている。言い換えると、第3種中空外殻23の一端側の外形寸法は、隣接する中空外殻の他端側の内部空間の寸法が大きく設定されている。
そして、列状外殻群20は、上から順に、複数の中空外殻(第1種中空外殻21、3つの第2種中空外殻22、第3種中空外殻23)が、隣り合う一方側の中空外殻の一端側が、他方側の中空外殻の他端側に遊嵌して配列されている。
図5は、リンク群50の正面図である。図6は、同側面図である。
リンク群50は、中空外殻の内部が連通してできる内部空間に配置された複数のリンクの連結体である。具体的には、リンク群50は、上から順に、七つの第1種リンク51と、一つの第2種リンク52と、を有する。これらのリンクは、隣り合う同士がロールピンジョイント53(53L,53S)でピン結合による回り対偶で連結されており、ロールピンジョイント53を軸として相互に回転可能である。
ロールピンジョイント53は、長いタイプのロールピンジョイント53Lと短いタイプのロールピンジョイント53Sとが使用されている。可動構造体14の主曲げ方向(図5におけるX軸負側)に長いタイプのロールピンジョイント53Lが使用され、副曲げ方向(図5におけるX軸正側)に短いタイプのロールピンジョイント53Sが使用されている。
図7は、第1種リンク51の斜視外観図である。図8は、同縦断面図である。
第1種リンク51は、シングルリング511と、ツインリング512と、これらのリングを孔の向きが並行となるように連結する連結部513と、を有する。
シングルリング511の孔の内径は、ロールピンジョイント53を嵌合・固定するように設定されている。ツインリング512の孔の内径は、ロールピンジョイント53を遊嵌するように、シングルリング511の内径よりも若干大きく設定されている。
シングルリング511の孔方向の厚さDは、ツインリング512の対向面間の距離Wよりも若干小さく設定されており、リンク群50として連結される際に、シングルリング511が隣接する別のリンクのツインリング512の対向面の間で遊嵌される。
また、シングルリング511は、外周部に局所的に拡径された制限突起54を有する。また、連結部513は、ツインリング512の対向面間を向いた下面に段差部55を有する。
図9は、第2種リンク52の斜視図である。
第2種リンク52は、第1シングルリング521と、第2シングルリング522と、これらのリングを孔の向きが並行となるように連結する連結部523と、を有する。
第1シングルリング521は、第1種リンク51のシングルリング511と同じである。すなわち、第1シングルリング521の孔の内径は、ロールピンジョイント53を嵌合・固定するように設定されている。第1シングルリング521の孔方向の厚さDは、第1種リンク51のシングルリング511と同じである。また、第1シングルリング521は、外周部に局所的に拡径された制限突起54を有する。
第2シングルリング522は、第1種リンク51のツインリング512の一方のリングを省略したものである。よって、第2シングルリング522の孔の内径は、ロールピンジョイント53を遊嵌するように、第1シングルリング521の径よりも若干大きめに設定されている。
図10は、リンク群50の縦断面図である。なお、理解を容易にするために、隣り合う第1種リンク51で断面のハッチングを違えて表している。
七つの第1種リンク51は、上から順に、段差部55が副曲げ方向(図10におけるX軸正方向)を向く姿勢と、段差部55が主曲げ方向(図9におけるX軸負方向)を向く姿勢と、が交互に入れ替わっている。そして、上方の第1種リンク51のツインリング512の間に、下方の第1種リンク51のシングルリング511を挿入し、両リングの孔にロールピンジョイント53を通して連結する。
第2種リンク52は、第1シングルリング521を、隣りの第1種リンク51のツインリング512に挿入し、両リングの孔にロールピンジョイント53を通して連結する。
ここで、図3に戻って、列状外殻群20とリンク群50との組み付け関係に着目すると、リンク群50は、長いタイプのロールピンジョイント53L(図5参照)の前後端部が中空外殻のジョイント支持部25(図4参照)に嵌合して固定され、ロールピンジョイント53Sはジョイント支持部25等に固定されず、中空外殻内を自由に動くことができる。よって、リンク群50が、あたかも内部骨格であるかのようにして、1つおきのロールピンジョイント53が中空外殻の配列順にジョイント支持部25に支持されており、リンク群50は列状外殻群20の配列を保持している。なお、本実施の形態では、1つおきのロールピンジョイント53がジョイント支持部25に支持されるようになっているが、これに限られることはなく、ロールピンジョイント53とジョイント支持部25の位置関係は、曲げ伸ばしの形状に応じて適宜変更可能である。例えば、2つおきのロールピンジョイント53がジョイント支持部25に支持されるようになっていてもよい。
次に、可動構造体14の動作について説明する。
図11は、可動構造体14を伸ばした状態の縦断面図である。
図3に示した状態の可動構造体14は、可動構造体14が直状で且つ最も全長が短い状態にある。列状外殻群20に着目して述べれば、列状外殻群20は、隣り合う中空外殻が嵌まり合った直線状の縮小形状になっていると言える。
前述のようにリンク群50の各ジョイントはロールピンジョイント53によるピン結合による回り対偶であり、リンク群50の可動は、各ジョイントの回り対偶によって定められる所定の可動面(図11では、ロールピンジョイント53の軸方向と交差するXY平面)に沿った可動となる。
よって、ユーザが、人形体2の腕部5を伸ばしたいと思った場合、手部12を下方へ引く。すると、リンク群50がロールピンジョイント53でXY平面を可動面として相互に回転・揺動する。リンク群50の全体形状に着目すれば、リンクのジグザグの折れ角度が緩くなり、全長が伸びた格好となる。
但し、リンク群50の伸びは、ある長さで制限される。
図12は、腕部5を限界まで伸ばした状態のリンク群50の状態を示す縦断面図である。リンク群50を伸ばす動作における隣り合うリンクの位置関係に着目すると、下方のリンクのシングルリング511の制限突起54が、上方で隣り合うリンクのツインリング512の段差部55に接近することとなる。ユーザが腕部5を伸ばし続けると、やがて制限突起54が段差部55に当接して、それ以上の回転・揺動を制限することとなる。つまり、制限突起54と段差部55とが回転制限構造59(図7参照)として機能する。
列状外殻群20に着目すると、長いタイプのロールピンジョイント53Lによって、リンク群50が列状外殻群20の中空外殻と連結されているので、列状外殻群20では、リンク群50の伸びに連動して隣り合う中空外殻の間隔が広がる。よって、可動構造体14および腕部5は、外観上伸びたことになる。勿論、ユーザが、手部12をまっすぐ上方へ移動させて元の位置に戻せば、リンク群50・列状外殻群20・可動構造体14は、図3の元の状態に戻り、腕部5は元の直線状で最も短くなった状態に戻される。
図13は、可動構造体14を湾曲させた状態の列状外殻群20の内部を示す図である。
ユーザが、人形体2の腕部5を、図3や図11の状態から主曲げ方向(図3、図11におけるX軸負方向)へ曲げたいと思った場合、手部12を持って直立姿勢を基準として右方向に動かすと、図13に示すように、腕部5が僅かに伸びつつ曲げ方向へ湾曲した湾曲形状になる。勿論、右の腕部5の場合は、手部12を持って直立姿勢を基準として左方向に同様に動かせば、右の腕部5が僅かに伸びつつ左側(右の腕部5にとっての主曲げ方向)へ湾曲することになる。
具体的には、ユーザが、腕部5の手部12を主曲げ方向へ移動させると、長いタイプのロールピンジョイント53Lが湾曲の内側になり、短いタイプのロールピンジョイント53S(列状外殻群20に対して浮遊するある種の浮遊軸)が湾曲の外側になる。そのため、隣り合う長いタイプのロールピンジョイント53L間の距離は、隣り合う短いタイプのロールピンジョイント53S間の距離よりも小さくなり、リンク群50の正面視ジグザグ状態は、主曲げ方向が閉じつつ副曲げ方向が開き、全体として湾曲する。
そして、長いタイプのロールピンジョイント53Lは、列状外殻群20の各中空外殻と連結されているので、列状外殻群20の配列もリンク群50の変形に追従する。その結果、隣り合う中空外殻(第1種中空外殻21、第2種中空外殻22、第3種中空外殻23)の位置関係は、主曲げ方向側の端部は相互に近接した状態を維持し、副曲げ方向側の端部が離隔して間隔が空くこととなる。可動構造体14・腕部5は、リンク群50の可動面に沿って弧状に配列した湾曲形状に変化して全体形状が変更される。
隣り合う中空外殻の副曲げ方向側の端部が離隔すると、各中空外殻のカバー部28(図4参照)が、上方で隣りあう中空外殻の下方端部の内部空間から引き出される格好となり、列状外殻群20の内部が露出するのを防ぎ、腕部5の湾曲時の見栄えを保つ。
リンク群50が主曲げ方向に曲がる場合であっても、リンク群50が伸びるとやがて制限突起54と段差部55とが当接し、それ以上は伸びなくなる。結果、可動構造体14・腕部5の主曲げ方向への曲げも制限されることになる。いわば、腕がある程度以上は曲がらない状態となる。
では、腕部5を副曲げ方向へ曲げようとしたらどうなるだろう。
ユーザが、図3や図11の状態から、手部12を持って直立姿勢を基準として左方向に動かすと、リンク群50と列状外殻群20では、手部12を右方向へ動かした場合とは左右反対の動きをする。従って、リンク群50は副曲げ方向(左方)へ湾曲する。
副曲げ方向への湾曲も、主曲げ方向への湾曲と同様に、リンク群50の伸びの制限により、湾曲が制限される。但し、リンク群50と列状外殻群20とを連結する長いタイプのロールピンジョイント53Lは、列状外殻群20の配列中心線L1(図4参照)から位置がずれている。そのため、列状外殻群20の湾曲度合が同じだと仮定すると、主曲げ方向(X軸負方向)へ曲げた場合よりも、副曲げ方向(X軸正方向)へ曲げた場合のほうが、リンク群50の全長は長くなる。先程から述べているように、リンク群50の全長に制限が掛かることから、逆説的に、副曲げ方向へ曲げた場合のほうが、より早く制限が作用し曲げに制限がかかることとなる。
よって、リンク群50の回転制限構造59(図7、図8参照)は、リンク群50の可動面に沿った列状外殻群20の湾曲のうち、一方向(副曲げ方向)への湾曲限界を、他方向(主曲げ方向)への湾曲限界に比べて制限するように作用する。回転制限構造59による回転角度の制限によってリンク群50の伸長に制限が設けられ、当該リンク群50の伸長可能範囲内において列状外殻群20が伸長可能である、と言える。
以上、本実施形態によれば、湾曲が可能で、且つ伸縮が可能な可動構造を実現することができる。
〔変形例〕
本発明を適用可能な実施形態は、上記の例に限らず、適宜構成要素の追加・省略・変更が可能である。
(変形例その1)
例えば、上記実施形態では、1)リンク群50が、第1の制限構造として、回転制限構造59(図7参照)を有し、2)列状外殻群20が第2の制限構造として、ジョイント支持部25を中空外殻の配列中心線L1からずれた位置に有する(図4参照)。第1と第2の制限構造が、一方向への湾曲限界を他方向への湾曲限界に比べて制限する作用をもたらし、可動構造体14に偏曲性を与えている。可動構造体14が腕部5として用られており、偏曲性が、人間の腕のように特定方向には曲がり易いが、逆には曲がり難い特性を再現する点において好適である。可動構造体14を人形体2の首や腹部の構想に用いる場合も、同様の理由から偏曲性を持たせると好適と言える。
しかし、可動構造体14を用いる玩具の所定部位によっては、必ずしも偏曲性を上記実施形態ほど持たせなくてもよい。例えば、タコをモチーフとした玩具で、可動構造体14をタコの足に用いる場合がそれに該当する。現実あるいは仮想の動物や植物をデザインモチーフとした玩具で、可動構造体14を自由自在に曲がる尻尾や触手となる部位に適用する場合もそれに該当するであろう。
その場合、具体的には、ジョイント支持部25の設定位置に係り中空外殻の配列中心線L1からのずれを上記実施形態よりも小さくすれば、上記実施形態よりも偏曲性を小さくできる。また、リンク群50から回転制限構造59を省略する、或いは、段差部55をツインリング512の周方向にもっと深くすることで、上記実施形態よりも偏曲性を小さくできる。
なお、可動構造体14を適用する玩具の所定部位によって、列状外殻群20で配列させる中空外殻の数や、リンク群50で連結するリンクの数は、適宜設定可能なのは勿論である。
(変形例その2)
また、図14に示すように、列状外殻群20に制限構造部を追加することもできる。具体的には、中空外殻のカバー部28の外側に第1突起部31を設けるとともに、中空外殻の他端側の内側面に第1突起部31と当接する第2突起部32を設ける。第1突起部31と第2突起部32との相対的な位置関係は、隣り合う中空外殻において、可動構造体14が縮小形状では離隔した状態となり、可動構造体14が伸ばされると伸長限界で接触する位置関係となるように設定する。
図14の例では、第1突起部31と第2突起部32とを副曲げ方向側に設けているが、主曲げ方向側に設けても良いし、両方向に設けるとしてもよい。両方向に設ける構成において、方向によって第1突起部31と第2突起部32との相対的な位置関係を違えることで、列状外殻群20の一方向への湾曲限界を、他方向への湾曲限界に比べて制限するように作用させることもできる。そして、第1突起部31と当接する第2突起部32を設けるならば、リンク群50から回転制限構造59を省略できる。
なお、理解を容易にするために、第1突起部31と第2突起部32を突起然とした姿で描いているが、中空外殻の他端側の内部寸法と、カバー部28(図4参照)の曲率の設定等により、湾曲があるところまで行くと、他端側の内部にカバー部28が接触・干渉して制限が生まれるようにすることもできる。
2…人形体(玩具)
5…腕部
14…可動構造体
20…列状外殻群
21…第1種中空外殻
22…第2種中空外殻
23…第3種中空外殻
25…ジョイント支持部
26…揺動規制部
28…カバー部
50…リンク群
51…第1種リンク
52…第2種リンク
53(53L、53S)…ロールピンジョイント
54…制限突起
55…段差部
59…回転制限構造
L1…配列中心線

Claims (10)

  1. 玩具の所定部位となる可動構造体であって、
    ジョイント支持部を有する中空外殻が列状に配列された列状外殻群と、
    前記中空外殻の内部が連通してできる内部空間に配置され、少なくとも1つおきのジョイントが前記中空外殻の配列順に前記ジョイント支持部に支持されることで前記列状外殻群の配列を保持するリンク群と、
    を備え、前記リンク群の可動によって前記列状外殻群の伸縮および湾曲が可能な可動構造体。
  2. 前記中空外殻は、一端側の外形寸法よりも他端側の内部空間の寸法が大きい筒状体であって、
    前記列状外殻群は、隣り合う一方側の前記中空外殻の一端側が、他方側の前記中空外殻の他端側に遊嵌して配列されている、
    請求項1に記載の可動構造体。
  3. 前記列状外殻群は、隣り合う前記中空外殻が嵌まり合った直線状の縮小形状と、隣り合う前記中空外殻が間隔を空けて弧状に配列した湾曲形状とに全体形状を変更可能な、請求項2に記載の可動構造体。
  4. 前記リンク群の各ジョイントはピン結合による回り対偶であり、
    前記リンク群の可動は、各ジョイントの回り対偶によって定められる所定の可動面に沿った可動であり、
    前記列状外殻群の湾曲は、前記可動面に沿った湾曲である、
    請求項1~3の何れか一項に記載の可動構造体。
  5. 前記中空外殻および前記リンク群の一方または両方に、前記可動面に沿った前記列状外殻群の両方向の湾曲のうち、一方向への湾曲限界を、他方向への湾曲限界に比べて制限する制限構造、
    を更に備えた請求項4に記載の可動構造体。
  6. 前記制限構造は、前記リンク群の各ジョイントに設けられた前記一方向への回転制限構造である、
    請求項5に記載の可動構造体。
  7. 前記回転制限構造による回転角度の制限によって前記リンク群の伸長に制限が設けられ、当該リンク群の伸長可能範囲内において前記列状外殻群が伸長可能である、
    請求項6に記載の可動構造体。
  8. 前記制限構造は、前記中空外殻の配列中心線から前記他方向にずれた位置に前記ジョイント支持部が設けられた構造を含む、
    請求項5~7の何れか一項に記載の可動構造体。
  9. 前記制限構造は、前記一方向への湾曲時に、隣り合う前記中空外殻同士が干渉することで前記一方向への湾曲限界が設けられた構造である、
    請求項5~8の何れか一項に記載の可動構造体。
  10. 所定部位に請求項1~9の何れか一項に記載の可動構造体を備えた玩具。
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