JP6886027B2 - インクジェットヘッドメンテナンス装置、インクジェット記録装置、及びインクジェットヘッドメンテナンス支援方法 - Google Patents

インクジェットヘッドメンテナンス装置、インクジェット記録装置、及びインクジェットヘッドメンテナンス支援方法 Download PDF

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Description

本発明はインクジェットヘッドメンテナンス装置、インクジェット記録装置、及びインクジェットヘッドメンテナンス支援方法に係り、特にインクジェットヘッドのメンテナンス支援に関する。
インクジェットヘッドのノズル面を保湿する保湿ユニットを備えたインクジェット記録装置が知られている。保湿ユニットを備えたインクジェット記録装置は、インクジェットヘッドに保湿ユニットを装着してインクジェットヘッドのノズル面を保湿し、ノズル面の乾燥を抑制している。
特許文献1は、記録ヘッドの近傍の除湿を行うインクジェット記録装置が記載されている。特許文献1に記載のインクジェット記録装置は、記録媒体上のインクから蒸発した蒸気に起因する局所的な湿度上昇が引き起こす記録ヘッドのノズル面の結露を連続的に防止している。
特許文献2は、キャップを備えたインクジェット式プリンタが記載されている。特許文献2に記載のプリンタは、各ヘッドの吐出空間の温度、及び湿度を検出する温湿度センサを備えている。特許文献2に記載のプリンタは、キャップを用いてヘッドを封止して加湿メンテナンスを実行し、吐出口の目詰まり等を防止し、吐出口内のインクの粘度を適正な範囲にしている。
特許文献3は、記録ヘッドの吐出口がキャップを用いて覆われている場合に、キャップの温度を制御して記録ヘッドの吐出口の結露を防止するインクジェット記録装置が記載されている。
特許文献4は、吐出口を密閉するキャップを備えるインクジェット記録装置が記載されている。特許文献4に記載のインクジェット記録装置は、印字休止の際にキャップ温度が吐出口温度よりも高く保たれる。これにより、記録液の粘度が上昇せず、長期間休止後の高品位の記録を実現している。
特許文献5は、インクジェットヘッドのノズル形成面を覆うヘッドキャップを備えたメディア処理装置が記載されている。特許文献5に記載のメディア処理装置は、インクジェットヘッド付近の温度を検出する温度センサを備え、インクジェットヘッド付近の使用環境温度を検出する。そして、使用環境温度からキャッピング時間の閾値を割り出し、キャッピング時間が閾値以上の場合に、インクジェットヘッドの使用環境温度に対して結露が生じるおそれがあり、ワイピング工程が必要であると判断している。
特開2012−274592号公報 特開2012−158018号公報 特開平3−275359号公報 特開平6−340080号公報 特開2009−12381号公報
しかしながら、キャップを用いてインクジェットヘッドを保護するシステムにおいて、キャップ内部の温度、又はキャップ内部の保湿液の温度が、インクジェットヘッドの温度よりも高くなると、インクジェットヘッドの結露が懸念される。インクジェットヘッドのノズル面に結露が発生した場合、インクジェットヘッドの吐出性が悪化してしまうおそれがある。
特許文献1に記載のインクジェット記録装置は、記録ヘッドの近傍の湿度を制御する構成が提案されているが、キャップの温度の変化、及びキャップの湿度の変化が発生した場合における、キャッピング中の記録ヘッドの結露の有無について検討されたものではない。
特許文献2に記載のプリンタは、特許文献1に記載のインクジェット記録装置と同様に、キャップの温度の変化、及びキャップの湿度の変化が発生した場合における、キャッピング中のヘッドの結露の有無について検討されたものではない。
特許文献3に記載のインクジェット記録装置は、記録ヘッドの温度からキャップの温度を減算した温度を一定にして、キャップの結露を防止し、記録ヘッドの吐出面に水滴が付着することが防止される。一方、特許文献3に記載のインクジェット記録装置は、ヒータ等のキャップの温度を制御する構成が必要となり、キャップの大型化、高コスト化が懸念される。
特許文献4に記載のインクジェット記録装置は、印字休止の際にキャップ温度が吐出口温度よりも高く保たれる。そうすると、ヘッドの結露が発生し得る。
特許文献5に記載のメディア処理装置は、インクジェットヘッド付近の環境温度に基づいて、インクジェットヘッドの使用環境温度に対して結露が生じるおそれの有無を判定しているが、キャップ内部の温度変化、又はキャップ内部の保湿液の温度変化について検討していない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、キャップを用いてインクジェットヘッドを保湿する際に、キャップ内部の温度上昇、又はキャップ内部の保湿液の温度上昇が生じた場合に、ノズル面の結露の発生を予告し得るインクジェットヘッドメンテナンス装置、インクジェット記録装置、及びインクジェットヘッドメンテナンス支援方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、次の発明態様を提供する。
第1態様に係るインクジェットヘッドメンテナンス装置は、液体を吐出するノズル開口が形成されるノズル面を備えたインクジェットヘッドと、インクジェットヘッドを保湿するキャップと、キャップの温度変化を用いて任意の時刻tにおけるキャップの温度を予測し、任意の時刻tにおけるキャップの予測温度をT(t)とし、インクジェットヘッドの温度をTnzlとし、インクジェットヘッドの結露が発生する場合のキャップの温度、及びインクジェットヘッドの結露が発生する場合のインクジェットヘッドの温度を用いて導出される温度差をdTとした場合に、下記の式1、T(t)>Tnzl+dT …式1を満たす時刻tである結露時刻を予測する結露予測部と、予測された結露時刻に関する情報を報知する報知部と、を備えたインクジェットヘッドメンテナンス装置である。
第1態様によれば、任意の時刻tにおけるキャップの予測温度T(t)に基づき、インクジェットに結露が発生し得る結露時刻を予測する。これにより、インクジェットの結露の発生の予告が可能となり、インクジェットヘッドの配置環境状態を把握し得る。
例えば、頻繁にインクジェットヘッドのメンテナンスが必要な場合は、インクジェットヘッドの配置環境を下げる等の対応が可能となる。
インクジェットヘッドのメンテナンスの例として、ノズル開口から液体を排出させるパージ、及びノズル面を払拭するワイピングなどが挙げられる。パージは、予備吐出、及びダミージェットなど、各ノズル開口に対応する吐出素子を動作させて、各ノズル開口から液体を吐出させる処理が併用されてもよい。
インクジェットヘッドの例として、媒体搬送方向と直交する媒体幅方向の媒体の全長に渡って吐出口が形成されるライン型インクジェットヘッドが挙げられる。ライン型インクジェットヘッドは、インクジェットヘッドの長手方向について、複数のヘッドモジュールを繋ぎ合わせた構成を採用し得る。
インクジェットヘッドの温度Tnzlは固定値とし得る。インクジェットヘッドの温度Tnzlは実測されたインクジェットヘッドの温度を用いてもよいし、インクジェットヘッドの温度設定値を用いてもよい。
温度差dTの一例として、インクジェットヘッドの結露が発生する場合のキャップの温度から、インクジェットヘッドの結露が発生する場合のインクジェットヘッドの温度を減算した値が挙げられる。
第2態様は、第1態様のインクジェットヘッドメンテナンス装置において、インクジェットヘッドの温度を取得するヘッド温度取得部を備えた構成としてもよい。
第2態様によれば、インクジェットヘッドの温度の取得が可能である。インクジェットヘッドの温度を用いて、キャップの予測温度の導出が可能である。
ヘッド温度取得部はインクジェットヘッドの温度を検出してもよい。ヘッド温度取得部はインクジェットヘッドの温度検出結果を取得してもよい。
第3態様は、第2態様のインクジェットヘッドメンテナンス装置において、ヘッド温度取得部は、インクジェットヘッドの内部のインクの温度を検出するインク温度検出部を備えた構成としてもよい。
第3態様によれば、インクジェットヘッドの内部のインクの温度を検出し得る。これにより、インクジェットヘッドの温度として、インクジェットヘッドの内部のインクの温度を用いて、結露時刻の予測が可能となる。
第4態様は、第3態様のインクジェットヘッドメンテナンス装置において、インクジェットヘッドは、インクジェットヘッドの内部においてインクを循環させるインク循環流路を備え、インク温度検出部は、インク循環流路に備えられる構成としてもよい。
第4態様によれば、インクジェットヘッドの内部においてインクを循環させるインク循環流路のインクの温度を検出可能である。これにより、インクジェットヘッドの温度として、インク循環流路のインクの温度を用いて、結露時刻の予測が可能となる。
インクジェットヘッドの内部においてインクを循環させるインクジェットヘッドは、インクが一定の温度に調整される。
第5態様は、第2態様から第4態様のいずれか一態様のインクジェットヘッドメンテナンス装置において、ヘッド温度取得部は、インクジェットヘッドのノズル面の温度を検出するヘッド温度検出部を備えた構成としてもよい。
第5態様によれば、インクジェットヘッドのノズル面の結露に直結するインクジェットヘッドのノズル面の温度を正確に検出し得る。これにより、インクジェットヘッドの温度としてノズル面の温度を用いて、結露時刻の予測が可能となる。
第6態様は、第1態様から第5態様のいずれか一態様のインクジェットヘッドメンテナンス装置において、キャップの温度を検出するキャップ温度検出部と、キャップ温度検出部を用いて検出されたキャップの温度測定値を用いて、予測温度T(t)を導出するキャップ温度予測部と、を備えた構成としてもよい。
第6態様によれば、キャップの温度を検出し得る。これにより、キャップの内部の温度を用いて、予測温度T(t)を導出し得る。
第7態様は、第6態様のインクジェットヘッドメンテナンス装置において、キャップ温度予測部は、インクジェットヘッドにキャップが装着された時刻であるキャッピング開始時刻におけるキャップの温度をTとし、任意の時刻tにおけるキャップの飽和温度をTsatとし、任意の時刻tにおける緩和時間をτとした場合に、予測温度T(t)として、下記の式2、T(t)=T+(Tsat−T)×{1.0−exp(−t/τ)}
…式2を用いて表される温度予測曲線を導出し、結露予測部は、温度予測曲線を用いて結露時刻を予測する構成としてもよい。
第7態様によれば、温度予測曲線を用いて、キャップの温度変化をより正確に予測することが可能である。これにより、より正確な結露時刻の予測が可能となる。
第8態様は、第7態様のインクジェットヘッドメンテナンス装置において、結露予測部は、温度予測曲線における予め定められた結露温度閾値に対応する時刻を結露時刻として導出する構成としてもよい。
第8態様によれば、温度予測曲線、及び結露温度閾値を用いて、結露時刻の導出が可能である。これにより、より正確な結露時刻の予測が可能となる。
第9態様は、第8態様のインクジェットヘッドメンテナンス装置において、結露予測部は、インクジェットヘッドの温度Tnzlと、温度差dTとを加算した値を結露温度閾値として、結露時刻を予測する構成としてもよい。
第9態様によれば、インクジェットヘッドの温度Tnzlと温度差dTとを加算した値を結露温度閾値として、結露時刻の予測が可能である。
第10態様は、第6態様から第9態様のいずれか一態様のインクジェットヘッドメンテナンス装置において、キャップは、保湿液を貯留する保湿液貯留部を備え、キャップ温度検出部は、保湿液貯留部に備えられ、かつ、保湿液貯留部に貯留される保湿液の温度を検出する構成としてもよい。
第10態様によれば、インクジェットヘッドのノズル面の結露に直結する保湿液の温度を正確に検出し得る。これにより、保湿液の温度を用いて予測温度T(t)を導出し得る。
また、保湿液の温度からキャップの内部の飽和水蒸気量を把握し得る。
第11態様は、第10態様のインクジェットヘッドメンテナンス装置において、保湿液貯留部は、水系保湿液が貯留される構成としてもよい。
第11態様によれば、水系保湿液は温度と飽和水蒸気量との関係が明確である。これにより、結露時刻の予測の精度が安定する。
第12態様は、第1態様から第11態様のいずれか一態様のインクジェットヘッドメンテナンス装置において、ノズル面は、少なくともノズル開口が形成されるノズル開口形成領域が、シリコンを用いて形成される構成としてもよい。
第12態様によれば、ノズル面が結露しない温度差の上限値を規定し得る。
第13態様は、第1態様から第12態様のいずれか一態様のインクジェットヘッドメンテナンス装置において、温度差dTを記憶する温度差記憶部を備え、結露予測部は、温度差記憶部から温度差dTを取得する構成としてもよい。
第13態様によれば、結露予測部は、温度差記憶部に記憶されている温度差dTを用いて結露時刻の予測が可能である。
第14態様は、第1態様から第13態様のいずれか一態様のインクジェットヘッドメンテナンス装置において、結露予測部は、インクジェットヘッドの温度が20℃以上35℃以下の場合に、インクジェットヘッドの結露が発生する条件から導出されたキャップの温度からインクジェットヘッドの温度を減算して算出される温度差を1.8℃として結露時刻を予測する構成としてもよい。
第14態様によれば、インクジェットヘッドの温度が20℃以上35℃以下の場合に、温度差dTを1.8℃として、結露時刻を予測し得る。
第15態様に係るインクジェット記録装置は、液体を吐出するノズル開口が形成されるノズル面を備えたインクジェットヘッドと、インクジェットヘッドを保湿するキャップと、キャップの温度変化を用いて任意の時刻tにおけるキャップの温度を予測し、任意の時刻tにおけるキャップの予測温度をT(t)とし、インクジェットヘッドの温度をTnzlとし、インクジェットヘッドの結露が発生する場合のキャップの温度、及びインクジェットヘッドの結露が発生する場合のインクジェットヘッドの温度を用いて導出される温度差をdTとした場合に、下記の式1、T(t)>Tnzl+dT …式1を満たす時刻tである結露時刻を予測する結露予測部と、予測された結露時刻に関する情報を報知する報知部と、を備えたインクジェット記録装置である。
第15態様によれば、第1態様と同様の効果を得ることができる。また、結露時刻に基づき、予めメンテナンスまで期間を把握し得る。これにより、印刷スケジュールの変更、及びメンテナンス後のサンプルチェック等が可能となる。
第15態様において、第2態様から第14態様で特定した事項と同様の事項を適宜組み合わせることができる。その場合、インクジェットヘッドメンテナンス装置において特定される処理や機能を担う構成要素は、これに対応する処理や機能を担うインクジェットヘッド記録装置の構成要素として把握することができる。
第16態様は、第15態様のインクジェット記録装置において、インクジェットヘッドに対してメンテナンス処理を実行するメンテナンス部を備え、報知部は、結露時刻の以降の時刻において画像記録が実行される場合、画像記録の実行前にメンテナンス部を用いてインクジェットヘッドに対してメンテナンス処理を実行することを予告するメンテナンス予告情報を報知する構成としてもよい。
第16態様によれば、結露時刻の以降に画像記録において、インクジェットヘッドの良好な吐出性能を発揮し得る。
第17態様は、第16態様のインクジェット記録装置において、メンテナンス部を制御するメンテナンス制御部を備え、インクジェットヘッドにキャップが装着されたキャッピング開始時刻におけるキャップの温度をTが予め定められた結露温度閾値を超える場合に、次の画像記録の前に、メンテナンス部を用いてインクジェットヘッドに対してメンテナンス処理を実行する構成としてもよい。
第17態様によれば、キャッピング開始時刻においてインクジェットヘッドの結露が発生し得る場合は、次の画像記録の前にインクジェットヘッドに対してメンテナンスが実行される。これにより、次の画像記録において、インクジェットヘッドの良好な吐出性能を発揮し得る。
第18態様は、第15態様から第17態様のいずれか一態様のインクジェット記録装置において、報知部は、結露時刻に関する情報を表示する表示部を備え、表示部は、キャッピング開始時刻から予め定められた期間は、結露時刻が計算中であることを表す情報を表示する構成としてもよい。
第18態様によれば、キャッピング開始時刻から予め定められた期間は、キャップの温度の予測精度が実用上問題となることを把握し得る。
第18態様において、結露時刻を表示させてもよい。第18態様において、結露時刻を非表示としてもよい。
第19態様に係るインクジェットヘッドメンテナンス支援方法は、液体を吐出するノズル開口が形成されるノズル面を備えたインクジェットヘッドのメンテナンス支援方法であって、インクジェットヘッドを保湿するキャップの温度変化を用いて任意の時刻tにおけるキャップの温度を予測し、任意の時刻tにおけるキャップの予測温度をT(t)とし、インクジェットヘッドの温度をTnzlとし、インクジェットヘッドの結露が発生する場合のキャップの温度、及びインクジェットヘッドの結露が発生する場合のインクジェットヘッドの温度を用いて導出される温度差をdTとした場合に、下記の式1、T(t)>Tnzl+dT …式1を満たす時刻tである結露時刻を予測する結露予測工程と、予測された結露時刻に関する情報を報知する報知工程と、を含むインクジェットヘッドメンテナンス支援方法である。
第19態様によれば、第1態様と同様の効果を得ることができる。
第19態様において、第2態様から第15態様で特定した事項と同様の事項を適宜組み合わせることができる。その場合、インクジェットヘッドメンテナンス装置において特定される処理や機能を担う構成要素は、これに対応する処理や機能を担うインクジェットヘッドメンテナンス支援方法の構成要素として把握することができる。
本発明によれば、任意の時刻tにおけるキャップの予測温度T(t)に基づき、インクジェットに結露が発生し得る結露時刻を予測する。これにより、インクジェットの結露の発生の予告が可能となり、インクジェットヘッドの配置環境状態を把握し得る。
図1はインクジェット印刷機の概略構成を示す全体構成図である。 図2はインクジェットヘッドの先端部分の構成を示す斜視図である。 図3はノズル面の一部拡大図である。 図4はノズル配置部の平面図である。 図5はイジェクタの立体的構造を示す縦断面図である。 図6はメンテナンス部の概略構成を模式的に示す正面図である。 図7はメンテナンス部の概略構成を模式的に示す平面図である。 図8はキャップの傾斜配置を示す斜視図である。 図9はインク供給系の構成、及びインク循環系の構成を示すブロック図である。 図10は制御系の概略構成を示すブロック図である。 図11は温度情報取得の模式図である。 図12は温度情報取得の他の態様の模式図である。 図13はキャップ温度予測曲線の一例を示すグラフである。 図14はキャップ温度予測曲線の他の例を示すグラフである。 図15はアンキャップ状態におけるキャップの温度変化を示すグラフである。 図16はインクジェットヘッドメンテナンス支援方法の手順の流れを示すフローチャートである。 図17は図16のキャップ温度予測工程の手順の流れを示すフローチャートである。 図18はメンテナンス予告画面の第一例を示す模式図である。 図19はメンテナンス予告画面の第二例を示す模式図である。 図20はメンテナンス予告画面の第三例を示す模式図である。 図21はメンテナンス予告画面の第四例を示す模式図である。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。本明細書では、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
[インクジェット記録装置の構成例]
〈全体構成〉
図1はインクジェット記録装置の概略構成を示す全体構成図である。図1に示したインクジェット記録装置101は、枚葉の用紙Pにカラー画像を記録する枚葉式のカラーインクジェット記録装置である。
インクジェット記録装置101は、給紙部110と、処理液塗布部120と、処理液乾燥部130と、描画部140と、インク乾燥部150と、集積部160と、を備える。また、インクジェット記録装置101は、図1に図示しないメンテナンス部を備える。メンテナンス部は、図6に符号400を付して図示する。
〈給紙部〉
給紙部110は、給紙装置112と、フィーダボード114と、給紙ドラム116と、を備える。給紙装置112は、束の状態で給紙トレイ112Aにセットされた用紙Pを上から順に一枚ずつ取り出して、フィーダボード114に給紙する。フィーダボード114は、給紙装置112から受け取った用紙Pを給紙ドラム116へ移送する。
給紙ドラム116は、フィーダボード114から給紙される用紙Pを受け取る。給紙ドラム116は、受け取った用紙Pを処理液塗布部120へ移送する。
〈処理液塗布部〉
処理液塗布部120は、処理液塗布ドラム122と、処理液塗布装置124と、を備える。処理液塗布ドラム122は、周面にグリッパ123を備える。処理液塗布ドラム122は、グリッパ123を用いて用紙Pの先端部を把持して回転し、用紙Pを周面に巻き付けて搬送する。
グリッパ123は、処理液塗布ドラム122の軸方向に沿って配置される複数の爪を備える。処理液乾燥ドラム132のグリッパ133、描画ドラム142のグリッパ143、及びチェーンデリバリ210のグリッパ214についても同様である。
処理液塗布ドラム122は、給紙ドラム116から用紙Pを受け取る。処理液塗布ドラム122は、受け取った用紙Pを処理液乾燥部130へ移送する。
処理液塗布装置124は、処理液塗布ドラム122を用いて搬送される用紙Pに前処理液を塗布する。図1に示した処理液塗布装置124は、ローラを用いて前処理液を塗布する。なお、前処理液の塗布は、ブレードなど、他の塗布部材を用いてもよい。前処理液は、インク中の色材成分を凝集、不溶化、又は増粘させる機能を備えた液体である。
〈処理液乾燥部〉
処理液乾燥部130は、処理液乾燥ドラム132と、温風送風機134と、を備える。処理液乾燥ドラム132は、処理液塗布ドラム122から用紙Pを受け取る。処理液乾燥ドラム132は、受け取った用紙Pを描画部140へ移送する。処理液乾燥ドラム132は、周面にグリッパ133を備える。処理液乾燥ドラム132は、グリッパ133を用いて用紙Pの先端部を把持して回転し、用紙Pを搬送する。
温風送風機134は、処理液乾燥ドラム132の内部に配置される。温風送風機134は、処理液乾燥ドラム132を用いて搬送される用紙Pに温風を吹き当てて、前処理液を乾燥させる。
〈描画部〉
描画部140は、描画ドラム142と、ヘッドユニット144と、インラインセンサ148と、を備える。描画ドラム142は、処理液乾燥ドラム132から用紙Pを受け取る。描画ドラム142は、受け取った用紙Pをインク乾燥部150へ移送する。
描画ドラム142は、周面にグリッパ143を備え、グリッパ143で用紙Pの先端を把持して回転して、用紙Pを周面に巻き付けて搬送する。描画ドラム142は、図示しない吸着機構を備える。描画ドラム142は、周面に巻き付けられた用紙Pを周面に吸着させて搬送する。
用紙Pの吸着には、負圧が利用される。描画ドラム142は、周面に複数の吸着穴を備える。描画ドラム142は、吸着穴を介して描画ドラム142の内部から用紙Pを吸引して、用紙Pを周面に吸着させる。
ヘッドユニット144は、シアンのインク滴を吐出するインクジェットヘッド146Cと、マゼンタのインク滴を吐出するインクジェットヘッド146Mと、イエローのインク滴を吐出するインクジェットヘッド146Yと、ブラックのインク滴を吐出するインクジェットヘッド146Kと、を備える。
なお、インクジェットヘッドを表す符号146に付したアルファベットは、インクジェットヘッドから吐出させるインクの色を表す。Cはシアンを表す。Mはマゼンタを表す。Yはイエローを表す。Kはブラックを表す。
インクジェットヘッド146C、インクジェットヘッド146M、インクジェットヘッド146Y、及びインクジェットヘッド146Kの各々は、描画ドラム142を用いた用紙Pの搬送経路上に一定の間隔で配置される。
なお、本実施形態では、シアン、マゼンタ、イエロー、及びブラックの四色のインクを用いる構成を例示するが、インク色、及び色数の組み合わせについては本実施形態に限定されない。必要に応じて淡インク、濃インク、及び特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、及びライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成も可能である。各色のインクジェットヘッドの配置順序も特に限定はない。
描画ドラム142を用いて搬送される用紙Pに向けて、インクジェットヘッド146C、インクジェットヘッド146M、インクジェットヘッド146Y、及びインクジェットヘッド146Kのノズル開口からインク滴を吐出させると用紙Pの上に画像が記録される。ノズル開口は、図4に符号351を付して図示する。
図1に示したインラインセンサ148は、インクジェットヘッド146C、インクジェットヘッド146M、インクジェットヘッド146Y、及びインクジェットヘッド146Kを用いて用紙Pに記録された画像を読み取る。
インラインセンサ148の読取信号は、図10に示すシステムコントローラ600へ送信される。インラインセンサ148の読取信号は、吐出異常ノズルの検出、及び画像補正等に用いられる。
〈インク乾燥部〉
図1に示したインク乾燥部150は、チェーンデリバリ210と、用紙ガイド220と、温風送風ユニット230と、用紙検出センサ250と、を備える。チェーンデリバリ210は、描画ドラム142から用紙Pを受け取る。チェーンデリバリ210は、受け取った用紙Pを集積部160へ移送する。
チェーンデリバリ210は、規定の走行経路を走行する一対の無端状のチェーン212を備える。一対のチェーン212は複数のグリッパ214を備える。複数のグリッパ214は、チェーン212の走行方向に沿って一定の間隔で配置される。
各グリッパ214は、用紙Pの先端部を把持する。チェーンデリバリ210は、グリッパ214を用いて先端部が把持された用紙Pを規定の搬送経路に沿って搬送する。
用紙ガイド220は、チェーンデリバリ210を用いて搬送される用紙Pをガイドする。図1に示した用紙ガイド220は、第一用紙ガイド222、及び第二用紙ガイド224を備える。
第一用紙ガイド222はチェーンデリバリ210の第一搬送区間を搬送させる用紙Pをガイドする。第二用紙ガイド224は、第1搬送区間の後段の第二搬送区間を搬送させる用紙をガイドする。
温風送風ユニット230は、チェーンデリバリ210を用いて搬送される用紙Pに温風を吹き当てる。用紙検出センサ250は、用紙Pの有無を検出する。用紙検出センサ250から出力される用紙検出信号は、図10に示すシステムコントローラ600へ送信される。
用紙検出信号は、チェーンデリバリ210の制御、及び温風送風ユニット230の制御等に使用される。なお、図10では用紙検出センサ250の図示を省略する。用紙検出センサ250の例として、反射型の光学式センサ、又は透過型の光学式センサが挙げられる。
〈集積部〉
集積部160は、集積装置162を備える。集積装置162は、集積トレイ162Aを備える。集積装置162は、チェーンデリバリ210からリリースされた用紙Pを受け取る。集積装置162は、用紙Pを集積トレイ162Aの上に束状に集積する。
〈メンテナンス部〉
図1に示したインクジェット記録装置101は、図1に図示しないメンテナンス部を備える。メンテナンス部は、インクジェットヘッド146C、インクジェットヘッド146M、インクジェットヘッド146Y、及びインクジェットヘッド146Kに対してメンテナンス処理を施す。メンテナンス部の詳細は後述する。
[インクジェットヘッドの構成例]
〈全体構成〉
図2はインクジェットヘッドの先端部分の構成を示す斜視図である。図1に示したインクジェットヘッド146C、インクジェットヘッド146M、インクジェットヘッド146Y、及びインクジェットヘッド146Kは、同一の構成を適用し得る。
以下の説明におけるインクジェットヘッド146は、図1に示したインクジェットヘッド146C、インクジェットヘッド146M、インクジェットヘッド146Y、及びインクジェットヘッド146Kの任意の一ヘッド、又はこれらの総称を表す。符号を付さないインクジェットヘッドについても同様である。
図2に示したインクジェットヘッド146は、図1に示したインクジェット記録装置101に搭載された状態において、用紙の幅方向について、用紙の全記録領域を、一回の走査で規定の記録解像度による画像記録が可能なノズル列を有するライン型のインクジェットヘッドである。ライン型のインクジェットヘッドは、ライン型インクジェットヘッド、フルライン型インクジェットヘッド、又はページワイドヘッドなどとも呼ばれる。
用紙は、図1に示した用紙Pを示す。以下、符号を付さない用紙は図1に示した用紙Pを示す。用紙の幅方向は、用紙の搬送方向と直交する方向であり、用紙の印刷面に平行となる方向である。以下、用紙の幅方向は用紙幅方向と記載することがある。また、用紙の搬送方向は用紙搬送方向と記載することがある。図2では、用紙の幅方向、及び用紙の搬送方向の図示を省略する。用紙幅方向は符号Xを用いて図4に図示する。用紙搬送方向は符号Yを用いて図4に図示する。
インクジェットヘッド146の先端部分はノズル面146Aを有する。ノズル面146Aは、インクを吐出するノズルのノズル開口が形成される。インクジェットヘッド146の先端部分とは、インクジェットヘッド146におけるインクを吐出させる側の端が含まれる。
また、インクジェットヘッド146は、複数のヘッドモジュール147−iを、長手方向に沿って一列に繋ぎ合わせた構造を有している。なお、iは1からmまでの整数である。mはヘッドモジュール147−iの総数を表す整数である。
なお、インクジェットヘッド146の長手方向は、図1に示したインクジェット記録装置101にインクジェットヘッド146が搭載された状態において、用紙幅方向、及び図1に示した描画ドラム142の回転軸方向と平行である。ここでいう平行は、インクジェットヘッド146の取り付け誤差等の誤差が含まれた結果、厳密には非平行となっている場合が含まれていてもよい。
複数のヘッドモジュール147−iは、支持フレーム310に取り付けられて一体化される。図2に符号309を付した構成要素は、各ヘッドモジュール147−iに取り付けられた電気接続用のケーブルである。ケーブル309は、各ヘッドモジュール147−iへ送信される電気信号、及び電気エネルギーを伝送する。
〈ノズル面の構成〉
図3はノズル面の一部拡大図である。図3に示したノズル面146A−1、ノズル面146A−2、及びノズル面146A−3の平面形状は平行四辺形状である。支持フレーム310の両端は、ウイング部311が取り付けられる。図3には支持フレーム310の一方の端を図示し、他方の端の図示を省略する。
ヘッドモジュール147−1の短手方向におけるノズル面146A−1の中央部分には、帯状のノズル配置部312−1が備えられる。ノズル配置部312−1はノズル開口が配置される。
同様に、ヘッドモジュール147−2の短手方向におけるノズル面146A−2の中央部分には、帯状のノズル配置部312−2が備えられる。ノズル配置部312−2はノズル開口が配置される。ヘッドモジュール147−3の短手方向におけるノズル面146A−3の中央部分には、帯状のノズル配置部312−3が備えられる。ノズル配置部312−3はノズル開口が配置される。ノズル配置部312−1、ノズル配置部312−2、及びノズル配置部312−3はノズル開口形成領域の一例である。
図3ではノズル開口を個別に図示せず、複数のノズル開口から構成されるノズル開口列350を図示する。なお、図3の説明におけるノズル開口はノズルと読み替えてもよい。また、図3の説明におけるノズル開口列はノズル列と読み替えてもよい。
〈ノズル配置〉
図4はノズル配置部の平面図である。ヘッドモジュール147−iのノズル面146A−iには、二次元配置が適用されて複数のノズル開口351が配置される。符号312−iはヘッドモジュール147−iのノズル配置部を示す。
ヘッドモジュール147−iは、用紙幅方向Xに対して角度βの傾きを有するV方向に沿った長辺側の端面と、用紙搬送方向Yに対して角度αの傾きを持つW方向に沿った短辺側の端面とを有する平行四辺形の平面形状である。
ヘッドモジュール147−iは、V方向に沿う行方向、及びW方向に沿う列方向について、複数のノズル開口351がマトリクス配置される。ノズル開口351は、用紙幅方向Xに沿う行方向、及び用紙幅方向Xに対して斜めに交差する列方向に沿って配置されてもよい。
複数のノズルがマトリクス配列されるインクジェットヘッドの場合、マトリクス配列における各ノズルを用紙幅方向に沿って投影した投影ノズル列は、用紙幅方向について最大の記録解像度を達成するノズル密度で各ノズルが概ね等間隔で並ぶ一列のノズル列と等価なものと考えることができる。投影ノズル列は、二次元ノズル配列における各ノズルを用紙幅方向に沿って正射影したノズル列である。
概ね等間隔とは、インクジェット記録装置において記録可能な打滴点として実質的に等間隔であることを意味している。例えば、製造上の誤差、及び着弾干渉による媒体上での液滴の移動の少なくともいずれか一方を考慮して僅かに間隔を異ならせたものなどが含まれている場合も、等間隔の概念に含まれる。投影ノズル列は実質的なノズル列に相当する。
インクジェットヘッドのノズルの配列形態は限定されず、様々なノズル配列の形態を採用することができる。例えば、マトリクス状の二次元配列の形態に代えて、一列の直線配列、V字状のノズル配列、及びV字状配列を繰り返し単位とするW字状などのような折れ線状のノズル配列なども可能である。
〈イジェクタの構成〉
図5はイジェクタの立体的構造を示す縦断面図である。イジェクタ22は、ノズル20と、ノズル20に通じる圧力室50と、圧電素子52とを備える。ノズル20は、ノズル流路54を介して圧力室50と通じている。ノズル20の先端の開口は、図4に示したノズル開口351に相当する。
圧力室50は個別供給路24を介して供給側共通支流路26に通じている。圧力室50の天面を構成する振動板56は、圧電素子52の下部電極に相当する共通電極として機能する導電層を備える。なお、導電層の図示は省略する。
圧力室50、その他の流路部分の壁部、及び振動板56などはシリコンを用いて作製される。振動板56の材質はシリコンに限らず、樹脂などの非導電性材料を用いて形成する態様も可能である。振動板56自体をステンレス鋼などの金属材料を用いて構成し、共通電極を兼ねる振動板としてもよい。
振動板56に対して圧電素子52が積層された構造により、圧電ユニモルフアクチュエータが構成される。圧電素子52の上部電極である個別電極58に駆動電圧を印加して圧電体60を変形させ、振動板56を撓ませて圧力室50の容積を変化させる。圧力室50の容積変化に伴う圧力変化がインクに作用して、ノズル20からインクが吐出される。
インク吐出後に圧電素子52が元の状態に戻る際に、供給側共通支流路26から個別供給路24を通って新しいインクが圧力室50に充填される。圧力室50にインクが充填される動作をリフィルという。
圧力室50の平面視形状については、特に限定はなく、四角形その他の多角形、円形、及び楕円形など、様々な形態があり得る。図5に符号66を付して図示した構成要素はカバープレートである。カバープレート66は圧電素子52の可動空間68を保ち、かつ、圧電素子52の周囲を封止する部材である。
カバープレート66の上方には、図示しない供給側インク室、及び回収側インク室が形成される。供給側インク室は、図示しない連通路を介して、図示しない供給側共通本流路に連結される。回収側インク室は、図示しない連通路を介して、図示しない回収側共通本流路に連結されている。
図5に示した符号20Aは、ノズル面を示す。図5に示したノズル面20Aは、図2に示したノズル面146Aに相当する。また、図5に示した符号21はノズルプレートを表す。ノズルプレート21はシリコンを用いて作成される。
[メンテナンス部]
〈全体構成〉
図6はメンテナンス部の概略構成を模式的に示す正面図である。図7はメンテナンス部の概略構成を模式的に示す平面図ある。図6、及び図7に示したメンテナンス部400は、図7に示したインクジェットヘッド146C、インクジェットヘッド146M、インクジェットヘッド146Y、及びインクジェットヘッド146Kのメンテナンスを行う。
なお、図6では、図7に示したインクジェットヘッド146M、インクジェットヘッド146Y、及びインクジェットヘッド146Kの図示を省略し、インクジェットヘッド146Cのみを図示する。
〈メンテナンス部の配置〉
図6に示すメンテナンス部400は描画部140に隣接して配置される。メンテナンス部400は描画ドラム142の回転軸方向において、描画部140に隣接する位置に配置される。描画ドラム142の回転軸は図6に符号142Bを付して図示する。
メンテナンス部400は、ヘッド移動機構402、払拭部460、及びキャップ480を備える。払拭部460は、図7に示した払拭部460C、払拭部460M、払拭部460Y、及び払拭部460Kの総称である。また、キャップ480は、キャップ480C、キャップ480M、キャップ480Y、及びキャップ480Kの総称である。
〈ヘッド移動機構〉
図6に示すヘッド移動機構402は、ヘッド支持フレーム410と、フレーム移送装置とを412を備える。
ヘッド移動機構402は、図示しないヘッド昇降部を備える。ヘッド昇降部は、インクジェットヘッド146Cのヘッド支持部414を鉛直方向に沿って昇降させて、インクジェットヘッド146Cを鉛直方向に沿って昇降させる。
図7に示したインクジェットヘッド146M、インクジェットヘッド146Y、及びインクジェットヘッド146Kもまた、図6に示したインクジェットヘッド146Cと同様に、図示しないヘッド昇降部を用いて昇降可能に構成される。
図6に示したヘッド支持フレーム410は、ヘッド支持部414を介してインクジェットヘッド146Cの長手方向の両端を支持する。図7に示したインクジェットヘッド146M、インクジェットヘッド146Y、及びインクジェットヘッド146Kもまた、図6に示したインクジェットヘッド146Cと同様に、ヘッド支持部を用いてヘッド支持フレーム410に支持される。
フレーム移送装置412は、一対のガイドレール416と、送り装置418とを備える。図6では一対のガイドレール416の一方を図示する。一対のガイドレール416は、描画ドラム142の回転軸142Bに沿って水平に配置される。
ヘッド支持フレーム410は、スライダ417を介してガイドレール416にスライド自在に支持される。
送り装置418は、送りねじ418Aと、ナット部材418Bと、モータ418Cとを備える。送りねじ418Aは、描画ドラム142の回転軸142Bに沿って水平に配置される。
図7に示すように、送りねじ418Aは一対のガイドレール416の間に配置される。送りねじ418Aは、図6に示したモータ418Cの回転軸と連結される。なお、図6、及び図7では、モータ418Cの回転軸の図示は省略する。
ナット部材418Bは、送りねじ418Aに螺合される。ナット部材418Bはヘッド支持フレーム410に連結される。図6に示したモータ418Cは送りねじ418Aを駆動する。ヘッド移動機構402は、モータ418Cを駆動して、水平方向であり、インクジェットヘッドの長手方向に沿う方向について、図7に示したインクジェットヘッド146C、インクジェットヘッド146M、インクジェットヘッド146Y、及びインクジェットヘッド146Kを一括して移動させる。
図6に示したモータ418Cを正回転させた場合、図7に示したインクジェットヘッド146C、インクジェットヘッド146M、インクジェットヘッド146Y、及びインクジェットヘッド146Kを支持するヘッド支持フレーム410は、ガイドレール416に沿って、描画ドラム142からキャップ480へ向かって移動する。
図6に示したモータ418Cを逆回転させた場合、ヘッド支持フレーム410は、ガイドレール416に沿って、キャップ480から描画ドラム142へ向かって移動する。
図6に実線を用いて図示したインクジェットヘッド146Cは、画像記録位置におけるインクジェットヘッド146Cである。破線を用いて図示したインクジェットヘッド146Cは、メンテナンス位置におけるインクジェットヘッド146Cである。
画像記録位置は、インクジェットヘッドを用いて用紙Pへの画像記録を実行し得るインクジェットヘッドの位置である。メンテナンス位置は、インクジェットヘッドのメンテナンスを実施し得る、インクジェットヘッドの位置である。
〈払拭部〉
図7に示すように、メンテナンス部400は、払拭部460Cと、払拭部460Mと、払拭部460Yと、払拭部460Kと、を備える。払拭部460C、払拭部460M、払拭部460Y、及び払拭部460Kは同一の構成を適用可能である。ここでは、図6に示した払拭部460Cについて説明する。
払拭部460Cは、インクジェットヘッド146Cの移動経路に配置される。払拭部460Cは、ヘッド移動機構402を用いて移動するインクジェットヘッド146Cのノズル面146Aに払拭ウエブ462を接触させて、インクジェットヘッド146Cのノズル面146Aを払拭する。
〈キャップ〉
図7に示すように、メンテナンス部400は、キャップ480Cと、キャップ480Mと、キャップ480Yと、キャップ480Kと、を備える。キャップ480C、キャップ480M、キャップ480Y、及びキャップ480Kは同一の構成を適用可能である。ここでは、キャップ480Cについて説明する。
図6に示すように、キャップ480Cは、インクジェットヘッド146Cの先端部分を覆い、インクジェットヘッド146Cのノズル面146Aを密封する。キャップ480は、インクジェットヘッド146Cの移動方向において、描画ドラム142の払拭部460Cと反対側の位置に配置される。
キャップ480Cは保湿液を貯留する保湿液貯留部を備える。キャップ480Cの下には、廃液トレイ466が配置される。払拭部460C、及びキャップ480Cは、廃液トレイ466の内側に配置される。廃液トレイ466は、廃液回収配管467を介して廃液タンク468が接続される。
キャップ480Cへ供給された保湿液、及びキャップ480Cにパージされたインク等は、廃液トレイ466へ排出され、廃液タンク468へ回収される。
〈キャップ、及び払拭部の傾斜配置〉
図8はキャップの傾斜配置を示す斜視図である。図8に示したキャップ480Cは、図1に示したインクジェットヘッド146Cの水平面に対する傾斜配置に対応して、水平面に対して傾斜して配置される。図8に示したキャップ480M、キャップ480Y、及びキャップ480Kについても、同様である。
図8に示した払拭部460C、払拭部460M、払拭部460Y、及び払拭部460Kは、キャップ480C、キャップ480M、キャップ480Y、及びキャップ480Kと同様に、図1に示したインクジェットヘッド146C、インクジェットヘッド146M、インクジェットヘッド146Y、及びインクジェットヘッド146Kの水平面に対する傾斜配置に対応して、水平面に対して傾斜して配置される。
〈メンテナンスの例〉
メンテナンス部400を用いたメンテナンスの例として、インクジェットヘッドのパージ処理、及びノズル面の払拭処理が挙げられる。パージ処理を実行する際に、予備吐出、及びダミージェット等の処理を併用してもよい。
インクジェットヘッドのパージとは、ポンプ等を用いてインクジェットヘッドの内部流路へ圧力を付与して、図4に示したノズル開口351からインクを排出させる処理である。予備吐出、及びダミージェットは、図5に示した各ノズル20に具備されるイジェクタ22を動作させて、各ノズル20からインクを吐出させる処理である。
図2に示したノズル面146Aの払拭処理は、ノズル面146Aに図7に示した払拭ウエブ462、及び図示しないブレード等の払拭部材を接触させて、ノズル面146Aに付着している液体などの汚れ、及びノズル面146Aの結露に起因する水滴などを除去する処理である。ノズル面146Aの払拭処理は図6に示した払拭部460を用いて実施される。ノズル面146Aの払拭処理はワイピングと呼ばれることがある。
〈保湿液〉
保湿液は、水を主溶媒とし、かつ、保湿剤を含有する水系保湿液を適用した。保湿剤とは、低揮発性で保水能力が比較的高い水溶性化合物をいう。保湿剤の例として、ポリオール類、ラクタム類、及び水溶性の固体保湿液が挙げられる。保湿液の表面張力が予め定められた範囲に調整可能であれば、任意の保湿剤を適用可能である。
ポリオール類の例として、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、及びペンタエリスリトール等が挙げられる。
ラクタム類の例として、2−ピロリドン、及びN−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。水溶性の固体保湿液の例として、尿素、チオ尿素、N−エチル尿素等の窒素化合物、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール等のジオール類、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトール(ソルビット)、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース等の単糖類、二糖類、オリゴ糖類、及び多糖類、並びにこれら糖類の還元糖、酸化糖、アミノ酸、及びチオ糖等の誘導体等が挙げられる。
保湿液は、ポリオール類が好ましく、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールがより好ましく、ジエチレングリコールが最も好ましい。
保湿剤の含有量は、保湿液全量に対して、16質量パーセント以上30質量パーセント以下の範囲が好ましい。保湿剤の含有量が16質量パーセント以上の場合、保湿液の水分蒸発による乾燥が抑制される。また、保湿剤の含有量が30質量パーセント以下の場合、粘度上昇による流動性の低下が抑制される。
〈インク供給系、及びインク循環系〉
図9はインク供給系の構成、及びインク循環系の構成を示すブロック図である。図9では、複数のヘッドモジュール147−iのうち、一部のヘッドモジュール147−iの図示を省略する。
各ヘッドモジュール147−iは、供給側個別流路500を介して供給側マニホールド520と接続される。供給側個別流路500は、供給側ダンパ502、及び供給側バルブ504を備える。
各ヘッドモジュール147−iは、循環側個別流路510を介して循環側マニホールド522と接続される。循環側個別流路510は、循環ダンパ512、及び循環側バルブ514を備える。
図示の都合上、図9では、ヘッドモジュール147−i、供給側ダンパ502、供給側バルブ504、循環ダンパ512、循環側バルブ514の符号の図示を適宜省略する。
供給側マニホールド520は、第一バイパス流路530を介して循環側マニホールド522と接続される。また、供給側マニホールド520は、第二バイパス流路540を介して循環側マニホールド522と接続される。第一バイパス流路530は、第一バイパスバルブ532を備える。第二バイパス流路540は、第二バイパスダンパ542、及び第二バイパスバルブ544を備える。
供給側マニホールド520は、供給側温度センサ550を備える。循環側マニホールド522は、循環側温度センサ552を備える。
供給側マニホールド520は、第一供給流路560を介して共通流路562と接続される。循環側マニホールド522は、第一循環流路570を介して共通流路562と接続される。共通流路562は、方向切換バルブ578、及び第二供給流路580を介して供給タンク590と接続される。
また、共通流路562は、方向切換バルブ578、及び第二循環流路582を介して回収タンク592と接続される。供給タンク590と回収タンク592とは、流路594を介して接続される。
第一供給流路560は、第一供給背圧タンク564、及び第一供給流路バルブ566を備える。第一循環流路570は、第二供給背圧タンク572、及び第二供給流路バルブ574を備える。
方向切換バルブ578の入力口578Cは、共通流路562と接続される。方向切換バルブ578の第一出力口578Aは、第二供給流路580と接続される。方向切換バルブ578の第二出力口578Bは、第二循環流路582と接続される。
第二供給流路580は、供給ポンプ584を備える。第二循環流路582は、回収ポンプ586を備える。流路594はポンプ588を備える。
供給側マニホールド520は、インクジェットヘッド146の内部において、ヘッドモジュール147−iへ供給されるインクが一時的に貯留される流路構造であり、複数のヘッドモジュール147−iに共通する流路構造である。
循環側マニホールド522は、インクジェットヘッド146の内部において、ヘッドモジュール147−iから回収されるインクが一時的に貯留される流路構造であり、複数のヘッドモジュール147−iに共通する流路構造である。
供給側温度センサ550は、供給側マニホールド520に貯留されるインクの温度を検出する。循環側温度センサ552は、循環側マニホールド522に貯留されるインクの温度を検出する。
供給側バルブ504、循環側バルブ514、第一バイパスバルブ532、第二バイパスバルブ544、第一供給流路バルブ566、第二供給流路バルブ574の開閉は、図示しないバルブ制御部を用いて制御される。バルブ制御部は、図10に示すシステムコントローラから送信される指令信号に基づき、供給側バルブ504等のバルブの開閉を制御する。
供給ポンプ584、回収ポンプ586、及びポンプ588の動作は、図示しないポンプ制御部を用いて制御される。ポンプ制御部は、図10に示すシステムコントローラ600から送信される指令信号に基づき、図9に示した供給ポンプ584等のポンプの動作を制御する。
第一供給流路バルブ566を開き、方向切換バルブ578を第一出力口578Aへ切り替え、供給ポンプ584を動作させた場合、第二供給流路580、共通流路562、第一供給流路560を介して、供給タンク590から供給側マニホールド520へインクが供給される。
第二供給流路バルブ574を開き、方向切換バルブ578を第二出力口578Bへ切り替え、回収ポンプ586を動作させた場合、第一循環流路570、共通流路562、及び第二循環流路582を介して、供給側マニホールド520から回収タンク592へインクが循環する。
第二バイパスバルブ544を開く場合、第二バイパス流路540を介して供給側マニホールド520から循環側マニホールド522へインクが循環する。第一バイパスバルブ532を開く場合、第一バイパス流路530を介して循環側マニホールド522から供給側マニホールド520へインクが循環する。
このようにして、供給側バルブ504等のバルブ、及び供給ポンプ584等のポンプの動作を適宜制御して、供給タンク590から各ヘッドモジュール147−iへインク供給し、かつ、各ヘッドモジュール147−iから回収タンク592へインクを循環させる。
なお、インクジェットヘッドの内部のインクが一定温度に温調される循環系のインクジェットヘッドの構成は、図9に示した例に限定されない。インクジェットヘッドの内部のインクが一定温度に温調可能な構成を適用することが可能である。
[制御系の説明]
図10は制御系の概略構成を示すブロック図である。インクジェット記録装置101は、システムコントローラ600を備える。システムコントローラ600は、図示しないCPU、図示しないROM、及び図示しないRAMを含んで構成されてもよい。
CPUはCentral Processing Unitの省略語である。ROMはRead Only Memoryの省略語である。RAMはRandom Access Memoryの省略語である。
システムコントローラ600は、インクジェット記録装置101の各部を統括的に制御する全体制御部である。システムコントローラ600は、各種演算処理を行う演算部である。システムコントローラ600は、メモリにおけるデータの読み出し、及びデータの書き込みを制御するメモリーコントローラである。
図10に示したインクジェット記録装置101は、通信部602と、画像メモリ604とを備える。通信部602は、図示しない通信インターフェースを備える。通信部602は通信インターフェースと接続されたホストコンピュータ603との間でデータの送受信を行う。
画像メモリ604は、画像データを含む各種データの一時記憶部として機能する。画像メモリ604は、システムコントローラ600を通じてデータの読み書きが行われる。通信部602を介してホストコンピュータ603から取り込まれた画像データは、一旦画像メモリ604に格納される。
図10に示したインクジェット記録装置101は、給紙制御部610と、搬送制御部612と、処理液塗布制御部616と、処理液乾燥制御部617と、描画制御部618と、ヘッド移動制御部620と、インク乾燥制御部622と、集積制御部624と、メンテナンス制御部626と、を備える。
給紙制御部610は、システムコントローラ600からの指令に応じて給紙部110を動作させる。搬送制御部612は、搬送部614の動作を制御する。図10に示した搬送部614は、図1に示した給紙ドラム116、処理液塗布ドラム122、描画ドラム142、チェーンデリバリ210が含まれる。
処理液塗布制御部616は、システムコントローラ600からの指令に応じて処理液塗布部120の動作を制御する。処理液乾燥制御部617は、システムコントローラ600からの指令に応じて処理液乾燥部130の動作を制御する。
描画制御部618は、システムコントローラ600からの指令に応じて、描画部140の動作を制御する。描画制御部618は、図1に示したインクジェットヘッド146C、インクジェットヘッド146M、インクジェットヘッド146Y、及びインクジェットヘッド146Kのインク吐出を制御する。
描画制御部618は、図示しない画像処理部を備える。画像処理部は入力画像データからドットデータを形成する。画像処理部は、図示しない色分解処理部、図示しない色変換処理部、図示しない補正処理部、及び図示しないハーフトーン処理部を備える。
色分解処理部は、入力画像データに対して色分解処理を施す。例えば、入力画像データがRGBで表されている場合、入力画像データをR、G、及びBの色ごとのデータに分解する。ここで、Rは赤を表す。Gは緑を表す。Bは青を表す。
色変換処理部は、R、G、及びBに分解した色ごとの画像データを、インク色に対応するC、M、Y、Kに変換する。ここで、Cはシアンを表す。Mはマゼンタを表す。Yはイエローを表す。Kはブラックを表す。
補正処理部では、C、M、Y、及びKに変換した色ごとの画像データに対して、補正処理を施す。補正処理の例として、ガンマ補正処理、濃度むら補正処理、及び異常記録素子補正処理等が挙げられる。
ハーフトーン処理部は、例えば、0から255といった多階調数で表された画像データを、二値、又は入力画像データの階調数未満の三値以上の多値で表されるドットデータに変換する。ハーフトーン処理部は、予め決められたハーフトーン処理規則を適用する。ハーフトーン処理規則の例として、ディザ法、及び誤差拡散法等が挙げられる。
描画制御部618は、図示しない波形生成部、図示しない波形記憶部、及び図示しない駆動回路を備える。波形生成部は駆動電圧の波形を生成する。波形記憶部は駆動電圧の波形が記憶される。
駆動回路はドットデータに応じた駆動波形を有する駆動電圧を生成する。駆動回路は駆動電圧を、図1に示したインクジェットヘッド146C、インクジェットヘッド146M、インクジェットヘッド146Y、及びインクジェットヘッド146Kへ供給する。
すなわち、画像処理部による処理を経て生成されたドットデータに基づいて、各画素位置の吐出タイミング、及びインク吐出量が決められる。各画素位置の吐出タイミング、及びインク吐出量に応じた駆動電圧、並びに各画素の吐出タイミングを決める制御信号が生成される。駆動電圧、及び制御信号がインクジェットヘッドへ供給され、インクジェットヘッドから吐出したインクを用いて用紙にドットが形成される。
図10に示したヘッド移動制御部620は、システムコントローラ600からの指令に応じて、図6に示したヘッド移動機構402の動作を制御する。図10に示したインク乾燥制御部622は、システムコントローラ600からの指令に応じてインク乾燥部150の動作を制御する。
集積制御部624は、システムコントローラ600からの指令に応じて集積部160の動作を制御する。メンテナンス制御部626は、システムコントローラ600からの指令に応じて、図6に示したメンテナンス部400の動作を制御する。
図10に示したインクジェット記録装置101は、操作部630と、表示部632と、を備える。操作部630は、操作ボタン、キーボード、及びタッチパネル等の操作部材を備える。操作部630は複数の種類の操作部材が含まれていてもよい。なお、操作部材の図示を省略する。
操作部630を用いて入力された情報は、システムコントローラ600へ送信される。システムコントローラ600は、操作部630から送信された情報に応じて各種処理を実行する指令信号を生成する。システムコントローラ600は、各種処理を行う処理部へ指令信号を送信する。
表示部632は、液晶パネル等の図示しない表示装置、及び図示しないディスプレイドライバーを備える。表示部632はシステムコントローラ600からの指令に応じて、装置の各種設定情報、及び異常情報等の各種情報を表示装置に表示させる。
図10に示されたインクジェット記録装置101は、パラメータ記憶部634と、プログラム格納部636と、を備える。
パラメータ記憶部634は、インクジェット記録装置101に使用される各種パラメータが記憶される。パラメータ記憶部634に記憶されている各種パラメータは、システムコントローラ600を用いて読み出される。各種パラメータは、システムコントローラ600を用いて装置各部に設定される。
プログラム格納部636は、インクジェット記録装置101の各部に使用されるプログラムが格納される。プログラム格納部636に格納されている各種プログラムは、システムコントローラ600を介して読み出され、装置各部において実行される。
インクジェット記録装置101は、ヘッド温度検出部640と、キャップ温度検出部642と、結露予測部644と、メンテナンス予告部646と、を備える。
ヘッド温度検出部640は、インクジェットヘッドの温度を検出する。ヘッド温度検出部640の出力信号は、インクジェットヘッドの温度を表す。ヘッド温度検出部640の出力信号は、システムコントローラ600を介して結露予測部644へ送信される。
ヘッド温度検出部640の構成例として、温度センサ、及びセンサ回路を備える態様が挙げられる。温度センサはインクジェットヘッドに取り付けられる。温度センサはインクジェットヘッドの温度を電気信号に変換する。温度センサの例として、図9に示した供給側温度センサ550、及び循環側温度センサ552が挙げられる。
センサ回路は温度センサの出力信号に信号処理を施す電気回路である。センサ回路は、温度センサの出力信号を、結露予測部644における処理が可能な形態の信号に変換する。ヘッド温度検出部640はインクジェットヘッドの温度を取得するヘッド温度取得部の一例である。
キャップ温度検出部642は、キャップの温度を検出する。キャップ温度検出部642は、キャップの温度に代わり、又はキャップの温度と併せて、キャップに溜められる保湿液の温度を検出してもよい。キャップ温度検出部642の出力信号は、システムコントローラ600を介して結露予測部644へ送信される。
キャップ温度検出部642の構成例として、温度センサ、及びセンサ回路を備える態様が挙げられる。温度センサはキャップに取り付けられる。温度センサはキャップの温度を電気信号に変換する。温度センサの例として第一温度センサ700を図11に図示する。
結露予測部644は、キャップの温度変化を用いてキャップの予測温度を導出する。結露予測部644は、キャップの予測温度を用いてインクジェットヘッドに結露が発生し得る時刻を予測する。結露予測部644から送信されるインクジェットヘッドに結露が発生し得る時刻の情報は、システムコントローラ600を介してメンテナンス予告部646へ送信される。結露予測部644はキャップ温度予測部の一例である。
メンテナンス予告部646は、結露予測部644から送信されるインクジェットヘッドに結露が発生し得る時刻の情報に基づいて、インクジェットヘッドのメンテナンスの実施を予告する。メンテナンス予告部646は、表示部632を用いて、インクジェットヘッドのメンテナンスが実施される時刻を表示してもよい。メンテナンス予告部646は結露時刻に関する情報を報知する報知部の一例である。
図10に示した各種処理部は、英語表記を用いてprocessing unitと表現されることがある。プロセッサは、英語表記を用いてprocessorと表現されることがある。ここでいう処理部には、処理部の名称が使用されていない構成要素であっても、何らかの処理を実行する実質的な処理部が含まれる。
各種のプロセッサには、プログラムを実行して各種処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPU、FPGAなどの製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるPLD、及びASICなどの特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路などが含まれる。プログラムは、ソフトウェアと同義である。
なお、FPGAは、Field Programmable Gate Arrayの省略語である。PLDは、Programmable Logic Deviceの省略語である。ASICは、Application Specific Integrated Circuitの省略語である。
一つの処理部は、これら各種のプロセッサのうちの一つで構成されていてもよいし、同種又は異種の二つ以上のプロセッサで構成されてもよい。例えば、一つの処理部は、複数のFPGA、或いは、CPUとFPGAとを組み合わせて構成されてもよい。また、一つのプロセッサを用いて複数の処理部を構成してもよい。
複数の処理部を一つのプロセッサで構成する例としては、第一に、クライアントやサーバなどのコンピュータに代表されるように、一つ以上のCPUとソフトウェアとの組み合わせで一つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。
SoCなどに代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を一つのICチップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサを一つ以上用いて構成される。更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路である。
なお、SoCは、システムオンチップの英語表記System On Chipの省略語である。ICは、集積回路を表す英語表記Integrated Circuitの省略語である。電気回路は英語表記を用いてcircuitryと表現されることがある。
[インクジェットヘッドメンテナンス支援方法]
〈概要〉
次に、インクジェットヘッドメンテナンス支援方法について詳細に説明する。以下の説明では、主として、インクジェットヘッドの結露の対処について説明する。
先に説明したように、キャップを用いてインクを一定温度に温調している循環系のインクジェットヘッドを保湿する場合、キャップ内の保湿液の温度の上昇に起因して、インクジェットヘッドに結露が発生することがあり得る。インクジェットヘッドの結露の例として、ノズル面の結露が挙げられる。
本実施形態に係るインクジェットヘッドの結露の対処では、キャッピングが開始された後の任意の時刻tにおけるキャップの温度を予測する。時刻tにおけるキャップの予測温度をT(t)とする。
キャップの予測温度T(t)は、キャップの温度変化を用いて導出し得る。キャップの温度変化はキャップの配置環境に依存する。事前にパラメータを決めるのではなく、その都度、キャップの温度を測定してキャップの温度変化を導出する。
すなわち、キャップの温度変化は、キャッピングが開始された時刻t=0から、予め定められたサンプリング周期に基づいて測定されたキャップの温度Tcap(t)から導出し得る。
インクジェットヘッドの温度をTnzlとする。インクジェットヘッドに結露が発生し得る、キャップとインクジェットヘッドとの温度差をdTとする。結露が発生する時刻として、キャップの予測温度T(t)が下記の式1を満たす時刻tを予測する。
T(t)>Tnzl+dT …式1
インクを一定の温度に温調する場合、インクジェットヘッドの温度Tnzlは固定値である。インクジェットヘッドの温度Tnzlはインクジェットヘッドの温度を測定して得られた測定値としてもよい。インクジェットヘッドの温度Tnzlはインクジェットヘッドの温度設定値としてもよい。
温度差dTは、インクジェットヘッドの結露が発生するインクジェットヘッドの温度Tnzl、及びインクジェットヘッドの結露が発生するキャップの温度Tcapに基づき、実験的に導出した値を適用することが可能である。実験的に導出した温度差dTの詳細は後述する。
上記の式1を用いて導出された、インクジェットヘッドの結露が発生し得る時刻tの後に印刷が実行される場合、印刷前の時刻であり、時刻tの後の時刻において、メンテナンスが実行されることを表すメンテナンスの予告がなされる。
〈温度情報の取得〉
図11は温度情報取得の模式図である。ここでいう温度情報には、インクジェットヘッド146の温度の情報、及びキャップ480の温度の情報が含まれる。図11には、インクジェットヘッド146の温度として、供給側マニホールド520内のインクの温度、及び循環側マニホールド522内のインクの温度の少なくともいずれか一方を適用した例を示す。
すなわち、供給側温度センサ550を用いて、供給側マニホールド520の内部のインクの温度を検出する。循環側温度センサ552を用いて、循環側マニホールド522の内部のインクの温度を検出する。供給側マニホールド520、及び循環側マニホールド522はインク循環流路の構成要素の一例である。
インクジェットヘッド146のノズル面の温度を直接測定することは困難である。循環系のインクジェットヘッド146は、インクジェットヘッド146全体として、インクが一定の温度に温調されている。
インクと接触するノズルはノズルプレートに形成される。ノズルプレートはノズル開口の位置においてインクと接触する。そうすると、ノズルプレートの温度とインクの温度とは概ね同じとみなすことができる。
インクの温度は、供給側温度センサ550、及び循環側温度センサ552の少なくともいずれか一方を用いて検出可能である。なお、ノズルは符号20を付して図5に図示する。ノズル面は符号20Aを付して図5に図示する。ノズルプレートは符号21を付して図5に図示する。
インクの温度は、供給側温度センサ550の検出温度と、循環側温度センサ552の検出温度との代表値を採用し得る。代表値として平均値を採用し得る。代表値は最大値を採用してもよい。代表値は最小値を採用してもよい。代表値は供給側温度センサ550の検出温度、又は循環側温度センサ552の検出温度のいずれか一方を採用してもよい。
図11に示した供給側温度センサ550、及び循環側温度センサ552は接触式の温度センサを適用可能である。接触式の温度センサの例として、熱電対を用いた温度センサが挙げられる。
なお、接触式の温度センサに代わり、非接触式の温度センサを用いてもよい。接触式の温度センサと非接触式の温度センサとを併用してもよい。キャップ480の温度を検出する第一温度センサ700、並びに図12に示す第二温度センサ702、及び第三温度センサ704も同様である。供給側温度センサ550はインクジェットヘッドの内部のインクの温度を検出するインク温度検出部の構成要素の一例である。循環側温度センサ552はインクジェットヘッドの内部のインクの温度を検出するインク温度検出部の構成要素の一例である。
図11に示したキャップ480の温度の情報は、キャップ480に取り付けられた第一温度センサ700を用いて直接取得することが可能である。図11には、キャップ480の内部の底面480Aに第一温度センサ700が配置される例を示す。
第一温度センサ700は接触式の温度センサを適用し得る。接触式の温度センサの例として、熱電対を用いた温度センサが挙げられる。複数の第一温度センサ700をキャップ480に備え、複数の温度センサの検出温度の代表値をキャップ480の温度としてもよい。
図12は温度情報取得の他の態様の模式図である。図12には、インクジェットヘッド146の温度として、インクジェットヘッド146のウイング部311のノズル面146Aを構成する面における温度を検出する態様を示す。
図12には、インクジェットヘッド146の一方の端のウイング部311のノズル面146Aを構成する面に第二温度センサ702を備え、インクジェットヘッド146の他方の端のウイング部311のノズル面146Aを構成する面に第三温度センサ704を備える態様を例示した。
第二温度センサ702の検出温度と、第三温度センサ704の検出温度との代表値をインクジェットヘッド146の温度として採用し得る。代表値は最大値を採用してもよい。代表値は最小値を採用してもよい。代表値は第二温度センサ702の検出温度、又は第三温度センサ704の検出温度のいずれか一方を採用してもよい。
インクジェットヘッド146に第二温度センサ702のみを備える態様、インクジェットヘッド146に第三温度センサ704のみを備える態様のいずれも可能である。しかし、一定の温度検出の精度を確保する観点から、第二温度センサ702、及び第三温度センサ704を備える態様が好ましい。なお、図12示す態様では、図11に示す態様と同様に、キャップ480の温度を検出する。第二温度センサ702、及び第三温度センサ704はヘッド温度検出部の構成要素の一例である。インクジェットヘッドの温度は、インクジェットヘッドの内部のインクの温度と、インクジェットヘッドのノズル面を構成する面における温度とを組み合わせてもよい。例えば、インクの温度、及びノズル面を構成する面における温度の平均値、最大値、又は最小値をインクジェットヘッドの温度としてもよい。
〈温度差情報の取得〉
上記の式1における温度差dTの取得について説明する。温度差dTは、キャップ480の温度Tcapから、インクジェットヘッド146の温度Tnzlを減算して算出することが可能である。
インクジェットヘッド146の結露が発生する条件において、キャップ480の温度Tcap、及びインクジェットヘッド146の温度Tnzlを取得する。キャップ480の温度Tcapから、インクジェットヘッド146の温度Tnzlを減算して、インクジェットヘッド146の結露が発生する条件における温度差dTを算出する。
また、インクジェットヘッド146の結露が非発生の条件において、キャップ480の温度Tcap、及びインクジェットヘッド146の温度Tnzlを取得する。キャップ480の温度Tcapから、インクジェットヘッド146の温度Tnzlを減算して、インクジェットヘッド146の結露が非発生の条件における温度差dTを算出する。
下記の表1には、インクジェットヘッド146の温度Tnzlを30℃に固定し、30℃近傍の四種類のキャップ480の温度について、インクジェットヘッド146のノズル面146Aの結露の有無を示す。
Figure 0006886027
上記の表1の結露の有無のAは、結露が発生しないことを表す。上記の表1の結露の有無のBは、結露が発生することを表す。上記の表1によれば、温度差dTが1.8℃以下の場合、インクジェットヘッド146のノズル面146Aの結露は発生しない。
なお、キャップ480の温度Tcapがインクジェットヘッド146の温度Tnzl未満の場合は、温度差dTは0未満となる。温度差dTが0未満の場合は、インクジェットヘッド146のノズル面146Aの結露は発生しない。一方、温度差dTが1.8℃を超える場合、インクジェットヘッド146のノズル面146Aに結露が発生する。
すなわち、インクジェットヘッド146の温度を30℃に設定した場合、キャップの予測温度T(t)が31.8℃を超える時刻tを結露時刻として予測することが可能である。
上記の表1を導出した実験では、インクジェットヘッド146の温度Tnzlを30℃に固定した。一方、結露の有無は飽和水分量の差で決まるため、インクジェットヘッド146の温度は固定でなくてもよい。インクジェットヘッド146の温度を検出して、インクジェットヘッド146の温度として、実際の検出値を適用してもよい。
インクジェットヘッドの温度は一般的な装置の動作環境である20℃以上35℃以下が好ましい。インクジェットヘッドの温度が20℃以上35℃以下の場合の温度差dTとして、インクジェットヘッドの温度が30℃の場合の温度差dTである1.8℃を採用してもよい。
上記の表1を導出する際に、キャップの温度Tcapは、図12に示したキャップ480の底面に備えた第一温度センサ700を用いて検出した。また、インクジェットヘッドの温度Tnzlは、インクジェットヘッド146のウイング部311に備えた第二温度センサ702の測定値とした。但し、第二温度センサ702の測定値は、第三温度センサ704の測定値と同一である。
なお、インクジェットヘッド146の温度検出、及びキャップ480の温度検出は、安定した検出結果を取得可能であればよく、上記した態様に限定されるものではなく、適宜、変更が可能である。
インクジェットヘッド146の温度検出、及びキャップ480の温度検出は、インクジェットヘッドの種類、及びインクの種類に依存しない。インクジェット記録装置に適用可能な様々なインクジェットヘッド、及び様々なインクに対して適用可能である。
キャップの環境温度は装置ごとに相違する。また、キャップの環境温度は装置の使用環境ごとに相違する。そこで、装置の識別情報、及びキャップの環境温度の少なくともいずれか一方をパラメータとして結露が発生する温度差dTを導出し、パラメータと結露が発生する温度差dTとを関連付けして、図示しない温度差記憶部へ記憶してもよい。また、パラメータをインデックスとして、パラメータに対応する温度差dTを読み出してもよい。
このようにして取得された温度差dTと、インクジェットヘッドの温度Tnzlとを加算した値Tnzl+dTは、キャップの予測温度T(t)に対して、インクジェットヘッドの結露が発生するか否かを判定する際に用いられる結露温度閾値Tthとして機能する。なお、インクジェットヘッドの温度Tnzlを測定し、測定値を取得する度に結露温度閾値Tthを更新してもよい。
〈キャップ温度予測曲線の導出〉
次に、キャップの予測温度T(t)として、キャップ温度予測曲線を導出する態様について説明する。図13はキャップ温度予測曲線の一例を示すグラフである。図13は、キャッピング開始時刻t=0におけるキャップの温度が28.3℃の場合のキャップの温度予測曲線720を示す。キャッピング開始時刻t=0はインクジェットヘッドにキャップが装着された時刻である。
図13に示したグラフの横軸は時刻である。図13に示したminは、分を表す英語表記であるminutesの省略語である。図14、及び図15に示したminも同様である。横軸の単位は分である。縦軸はキャップの温度である。縦軸の単位は℃である。なお、キャップの環境温度は27.0℃である。
また、図13に示した符号tconは結露時刻を表す。結露時刻tconは温度予測曲線720が得られた場合の、結露温度を表す結露温度閾値Tthに達する時刻である。結露時刻tconは、温度予測曲線720と結露温度閾値Tthとの交点に対応する時刻である。
図13において温度予測曲線720の周囲に図示されたドット721は、各サンプリングタイミングにおけるキャップの温度Tcapである。図14に示したドット723、及び図15に示したドット725も同様である。なお、サンプリング周期は一分間である。なお、サンプリング周期は、三十秒間から一分間の任意の期間を適用可能である。
図13に示したキャップの温度予測曲線720が得られた場合、キャッピング開始時刻t=0から56分後に、キャップの温度がインクジェットヘッドの結露が発生し得る温度に到達すると予測することが可能である。
図14はキャップ温度予測曲線の他の例を示すグラフである。図14は、キャッピング開始時刻t=0におけるキャップの温度が29.7℃の場合のキャップの温度予測曲線722を示す。キャップの環境温度は28.0℃である。
図14に示した温度予測曲線722が得られた場合、キャッピング開始時刻t=0から32分後に、キャップの温度がインクジェットヘッドの結露が発生し得る温度に到達すると予測することが可能である。
キャッピング開始時刻t=0におけるキャップの温度をTとする。キャップの飽和温度をTsatとする。緩和時間をτとする。飽和温度Tsatは、キャッピング開始時刻t=0におけるキャップの温度T、及び複数のサンプリング時刻におけるキャップの温度Tcapの測定値から近似関数を用いて導出可能である。
緩和時間τは任意の時刻tにおけるキャップの温度予測曲線の接線が、飽和温度Tsatを表す直線と交差するまでの期間として導出可能である。キャップの温度予測曲線は、以下の式2を用いて表される。
T(t)=T+(Tsat−T)×{1.0−exp(−t/τ)} …式2
上記の式2における飽和温度Tsat、及び緩和時間τは、キャップの温度Tcapの測定値が取得される度に更新される。サンプリング時刻ごとに飽和温度Tsat、及び緩和時間τを記憶してもよい。
図13、及び図14に示すように、環境温度が異なる場合、キャップ温度予測曲線における単位期間あたりの温度変化は相違する。このため、キャップの温度変化を予め一意に決めることは困難である。そこで、キャッピング開始時刻t=0からキャップの温度をセンシングして、キャップの温度測定値を取得し、キャップの予測温度T(t)を上記の式2にフィッティングして、キャップ温度予測曲線を導出することが可能である。
図15はアンキャップ状態におけるキャップの温度変化を示すグラフである。アンキャップとは、インクジェットヘッドがキャップから離間することを表す。アンキャップ状態とは、インクジェットヘッドがキャップから離間している状態を表す。
図15に示したグラフの横軸はアンキャップからの経過期間を表す。横軸の単位は分である。図15に示したグラフの縦軸はキャップの温度を表す。縦軸の単位は℃である。図15に示すように、アンキャップ状態が継続される場合、アンキャップからの期間の経過に従いキャップの温度は減少し、環境温度に近づく。
図15に示したキャップ温度曲線724は、アンキャップ開始時刻から一分間ごとのキャップの温度を測定し、キャップの温度の測定値が得られる度に、上記の式2のフィッティングを行い導出した。
[インクジェットヘッドメンテナンス支援方法の手順]
〈メインフロー〉
図16はインクジェットヘッドメンテナンス支援方法の手順の流れを示すフローチャートである。以下に説明するインクジェットヘッドメンテナンス支援方法は、図10に示したシステムコントローラ600、メンテナンス制御部626、ヘッド温度検出部640、キャップ温度検出部642、結露予測部644、及びメンテナンス予告部646等を用いて実行される。
また、インクジェットヘッドメンテナンス支援方法は、プログラム格納部636から読み出したプログラムを、各工程の機能を実現するコンピュータに実行させて実現してもよい。
先ず、インクジェットヘッドのキャッピングが開始される。インクジェットヘッドのキャッピング開始条件の例として、インクジェットヘッドのパージの実行、インクジェットヘッドのワイピングの実行、画像記録の一時停止、画像記録の終了、及びユーザのキャッピングリクエストの受信等が挙げられる。
図16に示したヘッド初期温度測定工程S10では、図10に示したヘッド温度検出部640を用いて、キャッピング開始時刻t=0におけるインクジェットヘッドの温度Tnzlの測定値を取得する。
図16に示したキャップ初期温度測定工程S12では、図10に示したキャップ温度検出部642を用いて、キャッピング開始時刻t=0におけるキャップの温度Tcapの測定値を測定する。なお、ヘッド初期温度測定工程S10と、キャップ初期温度測定工程S12との順序を入れ替えてもよい。
キャッピング開始時刻t=0におけるインクジェットヘッドの温度Tnzl(t=0)の測定値、及びキャッピング開始時刻t=0におけるキャップの温度Tcap(t=0)の測定値は、予め定められた記憶部に記憶される。予め定められた記憶部の図示は省略する。
キャッピング開始時刻t=0におけるインクジェットヘッドの温度Tnzl(t=0)の測定値、及びキャッピング開始時刻t=0におけるキャップの温度Tcap(t=0)の測定値を記憶した後に、温度差算出工程S14へ進む。
キャッピング開始時刻t=0におけるインクジェットヘッドの温度Tnzl(t=0)の測定値と、キャッピング開始時刻t=0におけるキャップの温度Tcap(t=0)の測定値とは、同一の記憶部に記憶されてもよい。キャッピング開始時刻t=0におけるインクジェットヘッドの温度Tnzl(t=0)の測定値と、キャッピング開始時刻におけるキャップの温度Tcap(t=0)の測定値とは、異なる記憶部に記憶されてもよい。
温度差算出工程S14では、図10に示した結露予測部644を用いて、キャッピング開始時刻t=0における温度差dT(t=0)を計算する。すなわち、dT(t=0)=Tcap(t=0)−Tnzl(t=0)を計算する。
図16に示した温度差算出工程S14において計算したキャッピング開始時刻t=0における温度差dT(t=0)は、予め定められた記憶部へ記憶される。キャッピング開始時刻t=0における温度差dT(t=0)は、キャッピング開始時刻t=0におけるインクジェットヘッドの温度Tnzl(t=0)の測定値を記憶する記憶部に記憶されてもよい。また、キャッピング開始時刻t=0における温度差dT(t=0)と、キャッピング開始時刻t=0におけるインクジェットヘッドの温度Tnzl(t=0)の測定値とは、異なる記憶部に記憶されてもよい。
温度差算出工程S14において、キャッピング開始時刻t=0における温度差dT(t=0)を記憶した後に初期温度差判定工程S16へ進む。初期温度差判定工程S16では、図10に示した結露予測部644を用いて、図16に示した温度差算出工程S14において計算されたキャッピング開始時刻t=0における温度差dT(t=0)が、予め定められた温度差閾値dTthを超えているか否かを判定する。
図16に示した温度差閾値dTthは、結露温度閾値Tthを導出する際に使用した温度差dTである。インクジェットヘッドの温度が30℃の場合、温度差閾値dTthは1.8℃である。
すなわち、初期温度差判定工程S16では、キャッピング開始時刻t=0において、インクジェットヘッドの結露が発生するか否かを判定する。初期温度差判定工程S16において、キャッピング開始時刻t=0における温度差dT(t=0)が、予め定められた温度差閾値dTth以下の場合はNO判定となる。
NO判定の場合は、キャップ温度予測工程S26へ進む。キャップ温度予測工程S26の詳細は後述する。キャップ温度予測工程S26が終了した後に、印刷命令判定工程S28へ進む。キャップ温度予測工程S26の詳細は後述する。
一方、初期温度差判定工程S16において、キャッピング開始時刻における温度差dT(t=0)が、予め定められた温度差閾値dTthを超える場合はYES判定となる。YES判定の場合は、第一メンテナンスフラグ設定工程S20へ進む。
すなわち、キャッピング開始時刻において、キャップの温度が、インクジェットヘッドの結露が発生し得る温度の場合は、キャップの温度予測、及びインクジェットヘッドの結露が発生し得る時刻の予測を実施しない。
第一メンテナンスフラグ設定工程S20では、図10に示したメンテナンス制御部626は、メンテナンスフラグとしてメンテナンスの非実行を表すフラグを立てる。図16におけるメンテFlgはメンテナンスフラグを意味する。メンテFlg=0は、メンテナンスの非実行を表すフラグを立てたことを表す。第一メンテナンスフラグ設定工程S20において、メンテナンスフラグが設定された後に、第一メンテナンス予告工程S22へ進む。
第一メンテナンス予告工程S22では、次回の印刷前にメンテナンスが実行されることを予告する。メンテナンスの予告の一例として、図10に示した表示部632を用いて、次回の印刷前にメンテナンスが実行されることを表す文字情報をさせる例が挙げられる。図17に示す第二メンテナンス予告工程S50、及び第三メンテナンス予告工程S54も同様である。第一メンテナンス予告工程S22は報知工程の一例である。
図16に示した第一メンテナンス予告工程S22において、次回の印刷前にメンテナンスが実行されることを予告した後にアンキャップ命令判定工程S24へ進む。
アンキャップ命令判定工程S24では、図10に示したメンテナンス制御部626は、アンキャップ命令を取得したか否かを判定する。図16に示したアンキャップ命令判定工程S24において、図10に示したメンテナンス制御部626が、キャップ命令を取得してない場合はNO判定となる。NO判定の場合は、メンテナンス制御部626は、図16に示したアンキャップ命令判定工程S24においてYES判定となるまで、アンキャップ命令判定工程S24を継続する。
一方、アンキャップ命令判定工程S24において、図10に示したメンテナンス制御部626が、アンキャップ命令を取得した場合はYES判定となる。YES判定の場合は図16に示した印刷命令判定工程S28へ進む。
印刷命令判定工程S28では、図10に示した描画制御部618は、印刷命令を取得したか否かを判定する。図16に示した印刷命令判定工程S28において、図10に示した描画制御部618が印刷命令を取得していない場合はNO判定となる。NO判定の場合は、図10に示したメンテナンス制御部は、図16に示したインクジェットメンテナンス支援方法を終了する。
一方、印刷命令判定工程S28において、図10に示した描画制御部618が印刷命令を取得した場合はYES判定となる。YES判定の場合は、図16に示したメンテナンスフラグ判定工程S30へ進む。
メンテナンスフラグ判定工程S30では、図10に示したメンテナンス制御部626は、ンテナンスの実行を表すメンテナンスフラグの有無を判定する。図16に示したメンテFlg=1は、メンテナンスの実行を表すフラグが立てられていることを表す。
メンテナンスフラグ判定工程S30において、メンテナンスの実行を表すメンテナンスフラグが立てられていないと判定された場合はNO判定となる。NO判定の場合は図16に示した印刷工程S34へ進む。
一方、メンテナンスフラグ判定工程S30において、メンテナンスの実行を表すメンテナンスフラグが立てられていると判定された場合はYES判定となる。YES判定の場合は図16に示したインクジェットヘッドメンテナンス工程S32へ進む。
インクジェットヘッドメンテナンス工程S32では、図10に示したメンテナンス制御部626は、メンテナンス部400を用いて、インクジェットヘッドのメンテナンスを実行する。図16に示したインクジェットヘッドメンテナンス工程S32において、インクジェットヘッドのメンテナンスが実行された後に、印刷工程S34へ進む。
印刷工程S34では、図10に示したメンテナンス制御部は、インクジェットヘッドからキャップを外すアンキャップを実行する。次に、ヘッド移動制御部620は、ヘッド移動機構402を用いてインクジェットヘッドを画像記録位置へ移動させる。そして、図10に示した描画制御部618は、描画部140を用いて印刷を実行する。図16に示した印刷工程S34では、予め定められた印刷ジョブが終了するまで印刷を実行する。
印刷工程S34において予め定められた印刷ジョブが終了した後に、図10に示したメンテナンス制御部は、インクジェットメンテナンス支援方法を終了する。
〈キャップ温度予測工程〉
図17は図16のキャップ温度予測工程の手順の流れを示すフローチャートである。図17に示したキャップ温度予測工程では、キャップの温度測定を取得する度に、ヘッド温度測定工程S42からアンキャップ命令判定工程S56までの各工程が実行される。そして、アンキャップ命令判定工程S56においてYES判定となるまで、ヘッド温度測定工程S42からアンキャップ命令判定工程S56までの各工程が、繰り返し実行される。
ヘッド温度測定工程S42では、図10に示したヘッド温度検出部640を用いて、予め定められたサンプリング周期に基づき、インクジェットヘッドの温度Tnzlの測定値を取得する。
インクジェットヘッドの温度Tnzlの測定値は、サンプリング時刻の情報に関連付けされて記憶される。サンプリング時刻の情報に関連付けされたインクジェットヘッドの温度Tnzlの測定値は、図示しない記憶部に記憶される。図17に示したヘッド温度測定工程S42において、インクジェットヘッドの温度測定値が記憶された後に、キャップ温度測定工程S44へ進む。
キャップ温度測定工程S44では、図10に示したキャップ温度検出部642を用いて、予め定められたサンプリング周期に基づき、キャップの温度Tcapの測定値を取得する。キャップの温度Tcapの測定値はサンプリング時刻の情報に関連付けされて記憶される。
サンプリング時刻の情報に関連付けされたキャップの温度測定値は、図示しない記憶部に記憶される。図17に示したキャップ温度測定工程S44において、キャップの温度Tcapの測定値が記憶された後に結露時刻予測工程S46へ進む。
結露時刻予測工程S46では、図10に示した結露予測部644を用いて、インクジェットヘッドの結露が発生する時刻を予測する。すなわち、図17に示した結露時刻予測工程S46では、図10に示した結露予測部644は、新たにキャップの温度Tcapの測定値が取得された場合に、上記の式2における飽和温度Tsat、及び緩和時間τを更新し、キャップ温度予測曲線を更新する。
次に、図10に示した結露予測部644は、更新されたキャップ温度予測曲線を用いて、dT>dTthを満たす時刻を予測する。温度差dTは、サンプリング時刻ごとに、キャップの温度Tcapの測定値からインクジェットヘッドの温度Tnzlの測定値を減算して算出される。温度差閾値dTthは予め定められた値が適用される。
具体的には、サンプリング時刻ごとに、更新されたキャップ温度予測曲線と結露温度閾値Tthとの交点に対応する時刻を、結露時刻tconとして導出する。
図17に示した結露時刻予測工程S46において、インクジェットヘッドの結露時刻tconが予測された後に時刻判定工程S48へ進む。時刻判定工程S48では、図10に示したメンテナンス予告部646は、現在の時刻が結露時刻tconを超えているか否かを判定する。ここでいう現在の時刻とは各サンプリング時刻を表す。結露時刻予測工程S46は結露予測工程の一例である。
図17に示した時刻判定工程S48において、図10に示したメンテナンス予告部646が現在の時刻が結露時刻tconを超えていないと判定した場合はNO判定となる。NO判定の場合は、図17に示した第二メンテナンス予告工程S50へ進む。すなわち、最終のサンプリング時刻において、インクジェットヘッドの結露が発生しないと判定された場合は、第二メンテナンス予告工程S50へ進む。
第二メンテナンス予告工程S50では、図10に示したメンテナンス予告部646は、結露時刻tconの以降の時刻においてメンテナンスが実行されることを表すメンテナンス予告を行う。図17に示した第二メンテナンス予告工程S50において、メンテナンス予告が行われた後にアンキャップ命令判定工程S56へ進む。第二メンテナンス予告工程S50は報知工程の一例である。
一方、時刻判定工程S48において、図10に示したメンテナンス予告部646が現在の時刻が結露時刻tconを超えていると判定した場合はYES判定となる。YES判定の場合は、図17に示した第二メンテナンスフラグ設定工程S52へ進む。すなわち、最終のサンプリング時刻において、インクジェットヘッドの結露が発生すると判定された場合は、第二メンテナンスフラグ設定工程S52へ進む。
第二メンテナンスフラグ設定工程S52では、図10に示したメンテナンス制御部626は、メンテナンスフラグとしてメンテナンスの実行を表すフラグを立てる。図17におけるメンテFlg=1は、メンテナンスの実行を表すフラグを立てることを表す。第二メンテナンスフラグ設定工程S52において、メンテナンスフラグが設定された後に第三メンテナンス予告工程S54へ進む。
第三メンテナンス予告工程S54では、図10に示したメンテナンス予告部646は、次回の印刷の実行前にメンテナンスが実行されることを表すメンテナンス予告を実行する。第三メンテナンス予告工程S54は報知工程の一例である。
図17に示した第三メンテナンス予告工程S54において、図10に示したメンテナンス予告部646がメンテナンス予告を実行した後にアンキャップ命令判定工程S56へ進む。
アンキャップ命令判定工程S56では、図10に示したメンテナンス制御部626は、アンキャップ命令を取得したか否かを判定する。図17に示したアンキャップ命令判定工程S56において、図10に示したメンテナンス制御部626がアンキャップ命令を取得したと判定した場合はNO判定となる。
NO判定の場合は、図17に示したアンキャップ命令判定工程S56においてYES判定となるまでヘッド温度測定工程S42から第三メンテナンス予告工程S54までの各工程が繰り返し実行される。
一方、図17に示したアンキャップ命令判定工程S56において、図10に示したメンテナンス制御部626がアンキャップ命令を取得していないと判定した場合はYSE判定となる。YSE判定の場合は、図17に示したキャップ温度予測工程を終了し、図16に示した印刷命令判定工程S28へ進む。
[メンテナンス予告の具体例]
次に、図18から図21を用いて、メンテナンス予告の具体例について説明する。以下に説明するメンテナンス予告は、図10に示した表示部632を用いて、文字情報を表示させるものである。文字情報はメンテナンス予告情報の一例である。
図18はメンテナンス予告画面の第一例を示す模式図である。図18に示した予告画面740は、図17に示した時刻判定工程S48において、現在の時刻が結露時刻tconよりも前である場合に表示部632に表示される。
図18におけるhhは結露時刻における時を表す数値である。mmは結露時刻における分を表す数値である。例えば、結露時刻が14時25分の場合、14:25と表示される。予告画面740に表示されるオーケーボタン742をクリックして、予告画面740を閉じることが可能である。
図19はメンテナンス予告画面の第二例を示す模式図である。図19に示した予告画面744は、図17に示した時刻判定工程S48において、現在の時刻が結露時刻tconを超えている場合に表示部632に表示される。図19に示したオーケーボタン742は、図18に示した予告画面740のオーケーボタン742と同様の機能を有している。図20、及び図21に示すオーケーボタン742も同様である。
図20はメンテナンス予告画面の第三例を示す模式図である。図20に示した予告画面746は、キャップの温度測定値のサンプル数が少ない場合に表示部632に表示される警告画面である。キャップの温度測定値のサンプル数が少ない場合とは、キャップ温度予測曲線が概ね一定の傾きを有する期間を意味する。
すなわち、サンプリング周期が一分間の場合、サンプリング数が1から10程度までの期間は、結露時刻tconの予測精度が低く、結露温度閾値Tthの信頼性が低いと考えられる。そこで、サンプリング数が1から予め定められたサンプリング数までの期間は、結露時刻tconを表示し、かつ、結露時刻tconが計算中であることを表示する。
サンプリング周期が一分間の場合において、サンプリング数が1から10程度までの期間の例として、キャッピング開始時刻から五分間、及びキャッピング開始時刻から十分間などが挙げられる。
図20に示した予告画面746を表示する期間は、サンプリング周期、及び環境条件等に基づき適宜決めることが可能である。図21に示す予告画面748を表示する場合も同様である。
図21はメンテナンス予告画面の第四例を示す模式図である。図21に示した予告画面748は、サンプリング数が1から予め定められた数までの期間に、結露時刻tconが計算中であることを示す警告画面である。すなわち、図21に示した予告画面748は、結露時刻tconを非表示とするものである。
図20に示した予告画面746、及び図21に示した予告画面748は、予測精度が実用上問題となる結露時刻tconを、予測精度が実用上問題とならない結露時刻tconと区別することが可能である。
サンプリング数等の表示条件に応じて、図18から図21に示した予告画面を適宜切り替える表示制御部を備えてもよい。例えば、キャッピング開始時刻から十分間は図20に示した予告画面746、又は図21に示した予告画面748を表示し、キャッピング開始時刻から十分間を超えた場合、図18に示した予告画面740を表示させてもよい。
[作用効果]
上記の如く構成されたインクジェット記録装置、及びインクジェットヘッドメンテナンス支援方法によれば、インクジェットヘッドのキャッピング中において、インクジェットヘッドの結露時刻が予測され、必要に応じてメンテナンスが予告される。
これによりインクジェット記録装置の配置環境状態を把握することが可能となる。頻繁にメンテナンスが必要な場合に、インクジェット記録装置の配置環境温度を下げるなどの対応を、インクジェット記録装置の使用者であるユーザが実施可能である。
予めメンテナンスまでの期間の把握が可能となる。これにより、印刷スケジュールの変更、及びインクジェットヘッドのメンテナンス後の印刷物のサンプルチェックなどが可能となる。
インクジェットヘッドの温度、又はインクジェットヘッドの内部のインクの温度を測定する。これにより、ノズル面の結露に直結するノズル近傍の温度を正確に測定することが可能となる。
キャップの温度を測定する。これにより、ノズル面の結露に直結するキャップの内部の保湿液の温度を正確に測定することが可能となる。また、保湿液の温度からキャップ内部の飽和水蒸気量を把握することが可能となる。
上記の式2を用いて導出されたキャップ温度予測曲線に基づき、インクジェットヘッドの結露時刻tconを予測する。湿度の測定結果を用いることなく、結露が発生し得る状況を把握することが可能である。水系の保湿液を用いる場合、温度と飽和水蒸気量との関係が明確であり、上記の式2を用いて導出されたキャップ温度予測曲線に基づき、高い精度のインクジェットヘッドの結露時刻tconの予測が可能である。
図5に示したノズルプレート21は、ノズル面にシリコンが用いられる。これにより、ノズル面が結露しないための温度差の上限値の規定が可能である。ここでいう温度差は、キャップの温度値からノズル面の温度値を減算した値である。
本実施形態では、水を主成分とする水性インク、及び水を主成分とする水系保湿液を用いた態様を例示したが、本実施形態に示したキャップの温度予測、及び結露時刻の予測は、水性インクの特性、及び水系保湿液の特性を利用するものではなく、水性インク以外のインク、及び水系保湿液以外の保湿液を用いてもよい。
[インクジェットヘッドメンテナンス装置への適用例]
本実施形態に示したインクジェット記録装置の一部の構成を用いて、インクジェットヘッドメンテナンス装置を構成することが可能である。例えば、図6等に示したインクジェットヘッド146、及びメンテナンス部400、並びに図10に示したシステムコントローラ600、ヘッド移動制御部620、メンテナンス制御部626、パラメータ記憶部634、プログラム格納部636、ヘッド温度検出部640、キャップ温度検出部642、結露予測部644、及びメンテナンス予告部646等を用いてインクジェットヘッドメンテナンス装置を構成し得る。
[インクジェットヘッドメンテナンスプログラムへの適用例]
本実施形態に示したインクジェットヘッドメンテナンス支援方法は、各工程の機能をコンピュータに実行させるプログラムを用いて実現することが可能である。例えば、キャップの温測定値を取得する機能、インクジェットヘッドの温度測定値を取得する機能、キャップ温度予測曲線を更新する機能、キャップ温度予測曲線に基づきインクジェットヘッドの結露温度を予測する機能、メンテナンスの予告を行う機能をコンピュータに実行させるプログラムを用いて、インクジェットヘッドメンテナンス支援方法の実現が可能である。
[実施形態の変形例]
本実施形態では、描画ドラム142等の搬送ドラムを用いて用紙Pを搬送する方式を例示したが、用紙Pを搬送する方式は限定されない。例えば、搬送ベルトを用いる方式などの搬送方式を適用してもよい。
本実施形態では、前処理液を用いた画像記録を例示したが、前処理液を用いずに画像記録を実施してもよい。また、図1に示したインク乾燥部150の構成、及び集積部160の構成も本実施形態に限定されない。
本実施形態に示したインク乾燥部150、及び集積部160は、図1に示した構成に限定されない。用紙Pの搬送、乾燥処理、及び用紙Pの集積は、図1に示した構成以外の構成を適用することが可能である。
[実施形態及び変形例等の組み合わせについて]
上記の実施形態で説明した構成要素、及び変形例で説明した構成要素は、適宜組み合わせて用いることができ、また、一部の構成要素を置き換えることもできる。
[用語の説明]
用紙は媒体の一態様である。媒体は、記録紙、及び記録用紙等と呼ばれるものが含まれる。また、媒体は、樹脂製のシート、金属製のシートなど、インクを用いて画像記録が可能な紙以外の材料が用いられたシート状の部材が含まれる。
インクは、色材を含有するグラフィック用途の液体が含まれる。インクは、色材を含有しない透明、又は半透明の液体、並びに樹脂粒子、及び金属粒子などを含有する工業用途の液体が含まれてもよい。
平行は、二方向が交差するものの平行と同一の作用効果を奏する実質的な平行が含まれていてもよい。
直交は、二方向のなす角度が90度を超えるか、又は二方向の角度が90度未満であるものの、二方向のなす角度が90度の場合と同一の作用効果を奏する実質的な平行が含まれていてもよい。
同一は、厳密には相違するものの同一とみなし得る、実質的な同一が含まれていてもよい。
画像記録は、描画、印刷、及び画像形成等の概念を含み得る。画像は、文字、図形、模様、及びパターン等を含み得る。
以上説明した本発明の実施形態は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜構成要件を変更、追加、削除することが可能である。本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で当該分野の通常の知識を有する者により、多くの変形が可能である。
20 ノズル
20A、146A、146A−i ノズル面
21 ノズルプレート
22 イジェクタ
24 個別供給路
26 供給側共通支流路
50 圧力室
52 圧電素子
54 ノズル流路
56 振動板
58 個別電極
60 圧電体
66 カバープレート
68 可動空間
101 インクジェット記録装置
110 給紙部
112 給紙装置
112A 給紙トレイ
114 フィーダボード
116 給紙ドラム
120 処理液塗布部
122 処理液塗布ドラム
123、133、143 グリッパ
124 処理液塗布装置
130 処理液乾燥部
132 処理液乾燥ドラム
134 温風送風機
140 描画部
142 描画ドラム
142B 回転軸
144 ヘッドユニット
146、146C、146M、146Y、146K インクジェットヘッド
147−1、147−2、147−3、147−i ヘッドモジュール
148 インラインセンサ
150 インク乾燥部
160 集積部
162 集積装置
162A 集積トレイ
210 チェーンデリバリ
212 チェーン
214 グリッパ
220 用紙ガイド
222 第一用紙ガイド
224 第二用紙ガイド
230 温風送風ユニット
250 用紙検出センサ
309 ケーブル
310 支持フレーム
311 ウイング部
312、312−i ノズル配置部
350 ノズル開口列
351 ノズル開口
400 メンテナンス部
402 ヘッド移動機構
410 ヘッド支持フレーム
412 フレーム移送装置
414 ヘッド支持部
416 ガイドレール
417 スライダ
418 送り装置
418A 送りねじ
418B ナット部材
418C モータ
460、460C、460M、460Y、460K 払拭部
462 払拭ウエブ
466 廃液トレイ
467 廃液回収配管
468 廃液タンク
480、480C、480M、480Y、480K キャップ
480A 底面
500 供給側個別流路
502 供給側ダンパ
504 供給側バルブ
510 循環側個別流路
512 循環ダンパ
514 循環側バルブ
520 供給側マニホールド
522 循環側マニホールド
530 第一バイパス流路
532 第一バイパスバルブ
540 第二バイパス流路
542 第二バイパスダンパ
544 第二バイパスバルブ
550 供給側温度センサ
552 循環側温度センサ
560 第一供給流路
562 共通流路
564 第一供給背圧タンク
566 第一供給流路バルブ
570 第一循環流路
572 第二供給背圧タンク
574 第二供給流路バルブ
578 方向切換バルブ
578A 第一出力口
578B 第二出力口
578C 入力口
580 第二供給流路
582 第二循環流路
584 供給ポンプ
586 回収ポンプ
588 ポンプ
590 供給タンク
592 回収タンク
594 流路
600 システムコントローラ
602 通信部
603 ホストコンピュータ
604 画像メモリ
610 給紙制御部
612 搬送制御部
614 搬送部
616 処理液塗布制御部
617 処理液乾燥制御部
618 描画制御部
620 ヘッド移動制御部
622 インク乾燥制御部
624 集積制御部
626 メンテナンス制御部
630 操作部
632 表示部
634 パラメータ記憶部
636 プログラム格納部
640 ヘッド温度検出部
642 キャップ温度検出部
644 結露予測部
646 メンテナンス予告部
700 第一温度センサ
702 第二温度センサ
704 第三温度センサ
720、722 温度予測曲線
721、723、725 ドット
740、744、746、748 予告画面
742 オーケーボタン
dT 温度差
dTth 温度差閾値
T(t) 予測温度
cap キャップの温度
nzl インクジェットヘッドの温度
sat 飽和温度
th 結露温度閾値
t 時刻
con 結露時刻
τ 緩和時間
S10からS56 インクジェットヘッドメンテナンス支援方法の各工程

Claims (19)

  1. 液体を吐出するノズル開口が形成されるノズル面を備えたインクジェットヘッドと、
    前記インクジェットヘッドを保湿するキャップと、
    前記キャップの温度変化を用いて任意の時刻tにおける前記キャップの温度を予測し、任意の時刻tにおける前記キャップの予測温度をT(t)とし、前記インクジェットヘッドの温度をTnzlとし、前記インクジェットヘッドの結露が発生する場合の前記キャップの温度、及び前記インクジェットヘッドの結露が発生する場合の前記インクジェットヘッドの温度を用いて導出される温度差をdTとした場合に、下記の式1、
    T(t)>Tnzl+dT …式1
    を満たす時刻tである結露時刻を予測する結露予測部と、
    前記予測された前記結露時刻に関する情報を報知する報知部と、
    を備えたインクジェットヘッドメンテナンス装置。
  2. 前記インクジェットヘッドの温度を取得するヘッド温度取得部を備えた請求項1に記載のインクジェットヘッドメンテナンス装置。
  3. 前記ヘッド温度取得部は、前記インクジェットヘッドの内部のインクの温度を検出するインク温度検出部を備えた請求項2に記載のインクジェットヘッドメンテナンス装置。
  4. 前記インクジェットヘッドは、インクジェットヘッドの内部においてインクを循環させるインク循環流路を備え、
    前記インク温度検出部は、前記インク循環流路に備えられる請求項3に記載のインクジェットヘッドメンテナンス装置。
  5. 前記ヘッド温度取得部は、前記インクジェットヘッドの前記ノズル面の温度を検出するヘッド温度検出部を備えた請求項2から4のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドメンテナンス装置。
  6. 前記キャップの温度を検出するキャップ温度検出部と、
    前記キャップ温度検出部を用いて検出された前記キャップの温度測定値を用いて、前記予測温度T(t)を導出するキャップ温度予測部と、
    を備えた請求項1から5のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドメンテナンス装置。
  7. 前記キャップ温度予測部は、前記インクジェットヘッドに前記キャップが装着された時刻であるキャッピング開始時刻における前記キャップの温度をTとし、任意の時刻tにおける前記キャップの飽和温度をTsatとし、任意の時刻tにおける緩和時間をτとした場合に、予測温度T(t)として、下記の式2、
    T(t)=T+(Tsat−T)×{1.0−exp(−t/τ)} …式2
    を用いて表される温度予測曲線を導出し、
    前記結露予測部は、前記温度予測曲線を用いて前記結露時刻を予測する請求項6に記載のインクジェットヘッドメンテナンス装置。
  8. 前記結露予測部は、前記温度予測曲線における予め定められた結露温度閾値に対応する時刻を前記結露時刻として導出する請求項7に記載のインクジェットヘッドメンテナンス装置。
  9. 前記結露予測部は、前記インクジェットヘッドの温度Tnzlと、前記温度差dTとを加算した値を前記結露温度閾値として、前記結露時刻を予測する請求項8に記載のインクジェットヘッドメンテナンス装置。
  10. 前記キャップは、保湿液を貯留する保湿液貯留部を備え、
    前記キャップ温度検出部は、前記保湿液貯留部に備えられ、かつ、前記保湿液貯留部に貯留される前記保湿液の温度を検出する請求項6から9のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドメンテナンス装置。
  11. 前記保湿液貯留部は、水系保湿液が貯留される請求項10に記載のインクジェットヘッドメンテナンス装置。
  12. 前記ノズル面は、少なくともノズル開口が形成されるノズル開口形成領域が、シリコンを用いて形成される請求項1から11のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドメンテナンス装置。
  13. 前記温度差dTを記憶する温度差記憶部を備え、
    前記結露予測部は、温度差記憶部から前記温度差dTを取得する請求項1から12のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドメンテナンス装置。
  14. 前記結露予測部は、前記インクジェットヘッドの温度が20℃以上35℃以下の場合に、インクジェットヘッドの結露が発生する条件から導出された前記キャップの温度から前記インクジェットヘッドの温度を減算して算出される温度差を1.8℃として前記結露時刻を予測する請求項1から13のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドメンテナンス装置。
  15. 液体を吐出するノズル開口が形成されるノズル面を備えたインクジェットヘッドと、
    前記インクジェットヘッドを保湿するキャップと、
    前記キャップの温度変化を用いて任意の時刻tにおける前記キャップの温度を予測し、任意の時刻tにおける前記キャップの予測温度をT(t)とし、前記インクジェットヘッドの温度をTnzlとし、前記インクジェットヘッドの結露が発生する場合の前記キャップの温度、及び前記インクジェットヘッドの結露が発生する場合の前記インクジェットヘッドの温度を用いて導出される温度差をdTとした場合に、下記の式1、
    T(t)>Tnzl+dT …式1
    を満たす時刻tである結露時刻を予測する結露予測部と、
    前記予測された前記結露時刻に関する情報を報知する報知部と、
    を備えたインクジェット記録装置。
  16. 前記インクジェットヘッドに対してメンテナンス処理を実行するメンテナンス部を備え、
    前記報知部は、前記結露時刻の以降の時刻において画像記録が実行される場合、前記画像記録の実行前に前記メンテナンス部を用いて前記インクジェットヘッドに対してメンテナンス処理を実行することを予告するメンテナンス予告情報を報知する請求項15に記載のインクジェット記録装置。
  17. 前記メンテナンス部を制御するメンテナンス制御部を備え、
    前記インクジェットヘッドに前記キャップが装着されたキャッピング開始時刻における前記キャップの温度をTが予め定められた結露温度閾値を超える場合に、次の画像記録の前に、前記メンテナンス部を用いて前記インクジェットヘッドに対してメンテナンス処理を実行する請求項16に記載のインクジェット記録装置。
  18. 前記報知部は、前記結露時刻に関する情報を表示する表示部を備え、
    前記表示部は、キャッピング開始時刻から予め定められた期間は、結露時刻が計算中であることを表す情報を表示する請求項15から17のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  19. 液体を吐出するノズル開口が形成されるノズル面を備えたインクジェットヘッドのメンテナンス支援方法であって、
    前記インクジェットヘッドを保湿するキャップの温度変化を用いて任意の時刻tにおける前記キャップの温度を予測し、任意の時刻tにおける前記キャップの予測温度をT(t)とし、前記インクジェットヘッドの温度をTnzlとし、前記インクジェットヘッドの結露が発生する場合の前記キャップの温度、及び前記インクジェットヘッドの結露が発生する場合の前記インクジェットヘッドの温度を用いて導出される温度差をdTとした場合に、下記の式1、
    T(t)>Tnzl+dT …式1
    を満たす時刻tである結露時刻を予測する結露予測工程と、
    前記予測された前記結露時刻に関する情報を報知する報知工程と、
    を含むインクジェットヘッドメンテナンス支援方法。
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