本発明を実施するための実施形態について、図面を用いて説明する。本発明は、以下に記載の構成に限定されるものではなく、同一の技術的思想において種々の構成を採用することができる。例えば、以下に示す構成の一部は、省略し又は他の構成等に置換してもよい。他の構成を含むようにしてもよい。実施形態の各図は、所定の構成を模式的に示したものである。従って、実施形態の各図では、以下に示す複数の構成間の対応は、正確ではない。実施形態の各図でハッチングは、切断面を示す。
<インクジェット記録装置>
インクジェット記録装置10について、図1を参照して説明する。インクジェット記録装置10は、各種の記録媒体15を搬送し、記録媒体15に柄を記録する。図1で記録媒体15の次の部分に付した模様は、記録媒体15に記録された柄に対応する。前述の部分は、後述する記録ユニット30Kより搬送方向の下流側となる記録媒体15の部分である。搬送方向は、インクジェット記録装置10で記録媒体15が搬送される方向である。記録媒体15としては、建築用資材又は布帛が例示される。実施形態では、記録媒体15として、短尺の記録媒体を例示する。但し、記録媒体は、長尺であってもよい。柄の記録に用いるインクとして、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの4色を例示する。但し、柄の記録には、これら各色のインクとは異なる色のインクを用いてもよい。インク色数は、3色以下又は5色以上としてもよい。
インクジェット記録装置10は、搬送機20と、記録ユニット30Y,30M,30C,30Kと、キャリッジ31と、メインタンク90Y,90M,90C,90Kと、供給流路91Y,91M,91C,91Kと、制御装置95とを備える。搬送機20は、記録媒体15を搬送方向に搬送する。インクジェット記録装置10では、搬送機20による記録媒体15の搬送は、連続的に行われる。搬送機20は、ベルトコンベアである。搬送機20は、公知のインクジェット記録装置の搬送機と同様である。従って、搬送機20に関するこの他の説明は、省略する。
実施形態では、搬送方向に沿った方向を「第一方向」という。第一方向の一方側を「第一側」といい、第一方向の他方側を「第二側」という。第一方向の第一側を搬送方向の上流側とし、第一方向の第二側を搬送方向の下流側とする。また、第一方向に直交する方向を「第二方向」という。第二方向の一方側を「第三側」といい、第二方向の他方側を「第四側」という。更に、第一方向及び第二方向の両方向に直交する方向を「第三方向」という。第三方向は、鉛直方向とする。第三方向の一方側を「第五側」といい、第三方向の他方側を「第六側」という。第三方向の第五側を鉛直方向の上側とし、第三方向の第六側を鉛直方向の下側とする。
記録ユニット30Yは、イエローインクによって記録媒体15に柄を記録する。記録ユニット30Yでは、イエローインクが記録媒体15に向けて吐出される。記録ユニット30Mは、マゼンタインクによって記録媒体15に柄を記録する。記録ユニット30Mでは、マゼンタインクが記録媒体15に向けて吐出される。記録ユニット30Cは、シアンインクによって記録媒体15に柄を記録する。記録ユニット30Cでは、シアンインクが記録媒体15に向けて吐出される。記録ユニット30Kは、ブラックインクによって記録媒体15に柄を記録する。記録ユニット30Kでは、ブラックインクが記録媒体15に向けて吐出される。図1では、記録ユニット30Y,30M,30C,30Kの図示は、簡略化されている。記録ユニット30Y,30M,30C,30Kに関するこの他の説明は、後述する。
キャリッジ31には、記録ユニット30Y,30M,30C,30Kが第一方向に所定の間隔で隣り合った状態で搭載される。インクジェット記録装置10では、記録ユニット30Y,30M,30C,30Kは、第一方向の第一側から第二側(搬送方向)に、記録ユニット30Y、記録ユニット30M、記録ユニット30C及び記録ユニット30Kの順で設けられる。但し、第一方向における記録ユニット30Y,30M,30C,30Kの配列順序は、前述の順序とは異なる順序としてもよい。これらの配列順序は、諸条件を考慮して適宜決定される。
メインタンク90Yは、イエローインクを収容する。供給流路91Yは、メインタンク90Yと、記録ユニット30Yとを接続する。イエローインクは、メインタンク90Yから流出し、供給流路91Yを流れて記録ユニット30Yに供給される。メインタンク90Mは、マゼンタインクを収容する。供給流路91Mは、メインタンク90Mと、記録ユニット30Mとを接続する。マゼンタインクは、メインタンク90Mから流出し、供給流路91Mを流れて記録ユニット30Mに供給される。メインタンク90Cは、シアンインクを収容する。供給流路91Cは、メインタンク90Cと、記録ユニット30Cとを接続する。シアンインクは、メインタンク90Cから流出し、供給流路91Cを流れて記録ユニット30Cに供給される。メインタンク90Kは、ブラックインクを収容する。供給流路91Kは、メインタンク90Kと、記録ユニット30Kとを接続する。ブラックインクは、メインタンク90Kから流出し、供給流路91Kを流れて記録ユニット30Kに供給される。
インクジェット記録装置10では、記録ユニット30Y,30M,30C,30Kは、同様の構成を有する。また、メインタンク90Y,90M,90C,90Kは、同様の構成を有する。更に、供給流路91Y,91M,91C,91Kは、同様の構成を有する。従って、インクジェット記録装置10では、次の第一構成、第二構成、第三構成及び第四構成は、同様の構成となる。第一構成は、記録ユニット30Y、メインタンク90Y及び供給流路91Yの組み合わせである。第二構成は、記録ユニット30M、メインタンク90M及び供給流路91Mの組み合わせである。第三構成は、記録ユニット30C、メインタンク90C及び供給流路91Cの組み合わせである。第四構成は、記録ユニット30K、メインタンク90K及び供給流路91Kの組み合わせである。
実施形態では、記録ユニット30Y,30M,30C,30Kを区別しない場合、又はこれらを総称する場合、「記録ユニット30」という。また、メインタンク90Y,90M,90C,90Kを区別しない場合、又はこれらを総称する場合、「メインタンク90」という。更に、供給流路91Y,91M,91C,91Kを区別しない場合、又はこれらを総称する場合、「供給流路91」という。実施形態では、記録ユニット30、メインタンク90及び供給流路91のうちの2個の組み合わせ又は全部の組み合わせは、同一色用の組み合わせとなる。
制御装置95は、接続インターフェース96と、制御器97とを備える。実施形態では、接続インターフェース96を「接続I/F96」と記載する。接続I/F96には、温度センサ60及び温度調整機70が接続される。温度センサ60は、記録ユニット30Y,30M,30C,30Kにそれぞれ設けられる。温度調整機70は、記録ユニット30Y,30M,30C,30Kにそれぞれ設けられる。温度センサ60及び温度調整機70については、後述する。
温度センサ60から出力された検出値は、接続I/F96を介して制御装置95に入力される。接続I/F96は、温度センサ60からの検出値を制御器97に出力する。これに伴い、制御器97は、前述の検出値を取得する。制御器97は、接続I/F96を介して温度調整機70に指令信号を出力する。図1では、温度センサ60及び温度調整機70の図示及び次の電気配線の図示は、省略されている。前述の電気配線は、温度センサ60及び温度調整機70と接続I/F96とを接続する電気配線である。制御器97は、インクジェット記録装置10で実行される各種の動作を制御する。例えば、制御器97は、柄の記録を制御する。また、制御器97は、後述するインクの温度制御を実行する。インクの温度制御によって、メインタンク90Y,90M,90C,90Kから記録ユニット30Y,30M,30C,30Kに供給された各色のインクの温度が調整される。
インクジェット記録装置10で記録媒体15に柄が記録される場合、搬送機20は、記録媒体15を搬送方向に連続的に搬送する。記録ユニット30Y,30M,30C,30Kは、所定のタイミングで対応する色のインクを記録媒体15に向けて吐出する。記録ユニット30Y,30M,30C,30Kから吐出された各色のインクは、記録媒体15の表面に着弾する。着弾した各色のインクによって記録媒体15の表面に柄が記録される。
<記録ユニット>
記録ユニット30について、図2を参照して説明する。記録ユニット30の説明は、インク色を区別することなく行う。記録ユニット30は、インクジェットヘッド32と、第一収容器40と、複数の第一流路41と、第二収容器45と、複数の第二流路46と、第三流路50と、温度センサ60と、温度調整機70と、連結流路80と、ポンプ81とを備える。記録ユニット30では、第一収容器40及び第二収容器45は、インクジェットヘッド32より第三方向の第五側に設けられる。また、第一収容器40は、第二収容器45より第三方向の第五側に設けられる。図2に示す次の矢印は、その部分をインクが流れる方向を示す。前述の矢印は、第一流路41、第二流路46、第三流路50及び連結流路80の近傍に示す矢印である。また、前述の矢印は、第一収容器40及び第二収容器45の内部に示す矢印である。
インクジェットヘッド32は、ライン型のインクジェットヘッドである。インクジェットヘッド32は、複数のヘッドモジュール33を含む。複数のヘッドモジュール33は、同様の構成を有する。複数のヘッドモジュール33は、第二方向に並んで配置される。換言すれば、インクジェットヘッド32は、第二方向に配置された複数のヘッドモジュール33によって形成される。実施形態では、インクジェットヘッド32は、2個のヘッドモジュール33を含む。但し、インクジェットヘッド32は、3個以上のヘッドモジュール33を含むようにしてもよい。インクジェットヘッド32では、ヘッドモジュール33の数及び配置は、諸条件を考慮して適宜決定される。実施形態では、記録ユニット30は、ヘッドモジュール33と、第一流路41と、第二流路46とを同じ数だけ備える。
ヘッドモジュール33は、複数のノズル34と、第一接続口35と、第二接続口36と、第四流路37とを含む。複数のノズル34は、ヘッドモジュール33の第三方向の第六側の面に第二方向に沿って設けられる。記録ユニット30では、ヘッドモジュール33は、複数のノズル34からインクを吐出する。実施形態では、ヘッドモジュール33に4個のノズル34が設けられている。但し、このようなノズル34の数は、例示である。ヘッドモジュール33に設けるノズル34の数は、諸条件を考慮して適宜決定される。第一接続口35及び第二接続口36は、ヘッドモジュール33の第三方向の第五側の面に設けられる。第一接続口35は、ヘッドモジュール33に供給されるインクの流入口である。第二接続口36は、ヘッドモジュール33から回収されるインクの流出口である。
第四流路37は、ヘッドモジュール33の内部に設けられる。第四流路37は、本流路38と、複数の支流路39とを含む。本流路38は、第一接続口35及び第二接続口36を繋ぐ。支流路39は、本流路38から分岐し、ノズル34に繋がる。第四流路37は、ノズル34と同数の支流路39を含む。インクは、第一接続口35を通ってヘッドモジュール33に流入した後、本流路38を第二接続口36の側に流れる。その後、インクは、第二接続口36を通ってヘッドモジュール33から流出する。本流路38を流れるインクの一部は、複数の支流路39に流入し、複数のノズル34の側に流れる。
第一収容器40は、供給側のサブタンクである。即ち、第一収容器40は、インクジェットヘッド32に供給されるインクを収容する。換言すれば、第一収容器40は、複数のヘッドモジュール33に流入するインクを収容する。複数の第一流路41は、第一収容器40と、複数のヘッドモジュール33とを接続する。複数の第一流路41には、第一収容器40から流出し複数のヘッドモジュール33に流入するインクが流れる。即ち、1本の第一流路41は、第一収容器40と、1個のヘッドモジュール33とを接続する。第一流路41は、ヘッドモジュール33で第一接続口35に接続される。1本の第一流路41には、第一収容器40から流出し1個のヘッドモジュール33に流入するインクが流れる。インクは、第一流路41を流れた後、第一接続口35を通ってヘッドモジュール33に流入する。
第二収容器45は、回収側のサブタンクである。即ち、第二収容器45は、インクジェットヘッド32から回収されたインクを収容する。換言すれば、第二収容器45は、複数のヘッドモジュール33から流出したインクを収容する。複数の第二流路46は、複数のヘッドモジュール33と、第二収容器45とを接続する。複数の第二流路46には、複数のヘッドモジュール33から流出し第二収容器45に流入するインクが流れる。即ち、1本の第二流路46は、1個のヘッドモジュール33と、第二収容器45とを接続する。第二流路46は、ヘッドモジュール33で第二接続口36に接続される。1本の第二流路46には、第二接続口36を通って1個のヘッドモジュール33から流出したインクが流れる。インクは、第二流路46を流れた後、第二収容器45に流入する。
第三流路50は、第一収容器40と、第二収容器45とを接続する。換言すれば、第一収容器40及び第二収容器45は、第三流路50によって直接接続される。第三流路50には、第一収容器40から流出し第二収容器45に流入するインクが流れる。第三流路50には、温度センサ60が設けられる。第三流路50は、第五流路51と、第六流路52と、第七流路53とを含む。更に、第三流路50は、支持具54を含む。第三流路50では、第五流路51は、支持具54より第一収容器40の側に設けられる。また、第六流路52は、支持具54より第二収容器45の側に設けられる。更に、第七流路53は、支持具54の内部に設けられる。従って、第三流路50では、第五流路51は、第七流路53より第一収容器40の側に設けられ、第六流路52は、第七流路53より第二収容器45の側に設けられる。
第五流路51は、第一収容器40に接続される。更に、第五流路51は、第一収容器40とは反対側の端部で支持具54に接続される。第六流路52は、第二収容器45に接続される。更に、第六流路52は、第二収容器45とは反対側の端部で支持具54に接続される。第七流路53は、第五流路51と第六流路52とを接続する。即ち、第七流路53は、支持具54に接続された第五流路51と、支持具54に接続された第六流路52とを接続する。この点において、支持具54は、継手として機能する。支持具54は、温度センサ60を支持する。インクジェット記録装置10では、例えば、温度センサ60の所定の部分を更にキャリッジ31で支持するようにしてもよい。支持具54には、挿入孔55が設けられる。挿入孔55には、温度センサ60が挿入される。支持具54は、封止構造を採用する。封止構造は、温度センサ60が挿入された挿入孔55を封止し、挿入孔55からのインク漏れを抑制する。封止構造には、公知の封止材が用いられる。例えば、封止構造には、Oリングが用いられる。支持具54で採用する封止構造は、諸条件を考慮して適宜決定される。図2では、封止材の図示は、省略されている。
第三流路50は、流路抵抗が次の3つの流路抵抗の合計値と同じ流路である。ここで、「同じ流路」における「同じ」の意味については、後述する。前述の3つの流路抵抗について、1つ目の流路抵抗は、1本の第一流路41の流路抵抗である。2つ目の流路抵抗は、本流路38の流路抵抗である。この場合、本流路38の流路抵抗は、1個のヘッドモジュール33を対象とする。3つ目の流路抵抗は、1本の第二流路46の流路抵抗である。実施形態では、前述の3つの流路抵抗の合計値を「第一合計値」という。流路抵抗は、圧力損失と称される。例えば、2本の流路が直線的で且つ内径及び流路長が一致する場合、流路抵抗は等しくなる。また、例えば、2本の流路が直線的である場合、流路抵抗は、流路の内径に反比例し、流路長に比例する。
上述の「同じ流路」における「同じ」について、実施形態では、「同じ」は、比較対象となる2つの第一値及び第二値が一致している場合を含む(第一値=第二値)。更に、「同じ」は、第一値が第二値に対して90%以上110%以下である場合を含む(第二値×0.9≦第一値≦第二値×1.1)。但し、第一値及び第二値が「同じ」である場合の第一値と第二値との関係は、次のようにするとよい。即ち、第一値は、第二値に対して95%以上105%以下の範囲に含まれるようにするとよい(第二値×0.95≦第一値≦第二値×1.05)。
即ち、第三流路50は、流路抵抗が第一合計値に対して90%以上110%以下となる流路であるといえる。好ましくは、第三流路50は、流路抵抗が第一合計値に対して95%以上105%以下となる流路であるといえる。より好ましくは、第三流路50は、流路抵抗が第一合計値に一致する流路であるといえる。
第三流路50は、第六流路52の流路抵抗が第五流路51の流路抵抗より大きい流路である。即ち、第三流路50では、第六流路52の流路抵抗は、第五流路51の流路抵抗より大きく設定される。実施形態では、「第六流路52の流路抵抗>第五流路51の流路抵抗」とするため、第六流路52の内径D2は、第五流路51の内径D1より小径に設定される(内径D2<内径D1)。この場合、第七流路53では、第五流路51の側の内径は、第五流路51の内径D1に一致し、第六流路52の側の内径は、第六流路52の内径D2に一致する。
第三流路50は、第五流路51の流路抵抗が第一流路41の流路抵抗と同じ流路である。ここで、前述した「同じ流路」における「同じ」は、上述した通りである。従って、第三流路50は、第五流路51の流路抵抗が第一流路41の流路抵抗に対して90%以上110%以下となる流路であるといえる。好ましくは、第三流路50は、第五流路51の流路抵抗が第一流路41の流路抵抗に対して95%以上105%以下となる流路であるといえる。より好ましくは、第三流路50は、第五流路51の流路抵抗が第一流路41の流路抵抗に一致する流路であるといえる。実施形態では、第三流路50は、第五流路51の内径D1が第一流路41の内径D3に一致する流路である。
第三流路50は、第六流路52の流路抵抗と第七流路53の流路抵抗との合計値が本流路38の流路抵抗と1本の第二流路46の流路抵抗との合計値と同じ流路である。実施形態では、第六流路52の流路抵抗と第七流路53の流路抵抗との合計値を「第二合計値」という。また、本流路38の流路抵抗と1本の第二流路46の流路抵抗との合計値を「第三合計値」という。ここで、前述した「同じ流路」における「同じ」は、上述した通りである。従って、第三流路50は、第二合計値が第三合計値に対して90%以上110%以下となる流路であるといえる。好ましくは、第三流路50は、第二合計値が第三合計値に対して95%以上105%以下となる流路であるといえる。より好ましくは、第三流路50は、第二合計値が第三合計値に一致する流路であるといえる。
第三流路50は、第六流路52の流路抵抗が第二流路46の流路抵抗より大きい流路である。即ち、第三流路50では、第六流路52の流路抵抗は、第二流路46の流路抵抗より大きく設定される。「第六流路52の流路抵抗>第二流路46の流路抵抗」とするため、第六流路52の内径D2は、第二流路46の内径D4より小径に設定してもよい(内径D2<内径D4)。また、第六流路52の流路長は、第二流路46の流路長より長く設定してもよい。
第三流路50では、第五流路51は、第一収容器40の第二方向の次の位置に接続される。前述の位置は、2本の第一流路41の接続位置より第二方向の第四側の位置である。但し、前述の位置は、例示である。第三流路50では、第五流路51は、前述の位置とは異なる第一収容器40の第二方向の位置に接続するようにしてもよい。例えば、複数の第一流路41が第一収容器40に接続される場合、第五流路51は、複数の第一流路41の接続位置より第二方向の第三側となる位置に接続するようにしてもよい。また、複数の第一流路41が第二方向に所定の間隔で第一収容器40に接続される場合、第五流路51は、所定の2本の第一流路41の接続位置の間となる位置に接続するようにしてもよい。第五流路51が接続される第一収容器40の第二方向の位置は、諸条件を考慮して適宜決定される。第五流路51の接続位置及び複数の第一流路41の接続位置は、第二方向に沿った直線上に所定の間隔で設けるようにするとよい。
第三流路50では、第六流路52は、第二収容器45の第二方向の次の位置に接続される。前述の位置は、2本の第二流路46の接続位置より第二方向の第四側の位置である。但し、前述の位置は、例示である。第三流路50では、第六流路52は、前述の位置とは異なる第二収容器45の第二方向の位置に接続するようにしてもよい。例えば、複数の第二流路46が第二収容器45に接続される場合、第六流路52は、複数の第二流路46の接続位置より第二方向の第三側となる位置に接続するようにしてもよい。また、複数の第二流路46が第二方向に所定の間隔で第二収容器45に接続される場合、第六流路52は、所定の2本の第二流路46の接続位置の間となる位置に接続するようにしてもよい。第六流路52が接続される第二収容器45の第二方向の位置は、諸条件を考慮して適宜決定される。第六流路52の接続位置及び複数の第二流路46の接続位置は、第二方向に沿った直線上に所定の間隔で設けるようにするとよい。
温度センサ60は、第三流路50を流れるインクの温度を検出する。温度センサ60は、熱電対である。但し、温度センサ60は、熱電対とは異なるセンサであってもよい。温度センサ60として採用するセンサは、諸条件を考慮して適宜決定される。温度センサ60は、支持具54に支持された状態で第七流路53に設けられる。温度センサ60の先端は、第七流路53内に露出する。これに伴い、温度センサ60は、先端で第七流路53を流れるインクと接し、このインクの温度を検出する。
温度調整機70は、インクの温度を調整する。温度調整機70は、送風機71と、加熱器72とを含む。送風機71は、温度調整機70の中で、インクの温度を低下させる冷却装置として機能する。送風機71としては、公知のファンを採用することができる。この場合、送風機71としてのファンは、キャリッジ31に取り付けられる。但し、図1,2では、キャリッジ31で送風機71が取り付けられる部分の図示は、省略されている。送風機71が発生させた風は、例えば、第一収容器40に当てられる。これに伴い、第一収容器40に収容されたインクの温度を低下させることができる。この他、送風機71は、インクジェットヘッド32、複数の第一流路41、第二収容器45及び複数の第二流路46の一部又は全部に風を送るようにしてもよい。この場合、送風機71は、第一収容器40に風を送るようにしてもよく、又は第一収容器40に風を送らないようにしてもよい。
加熱器72は、温度調整機70の中で、インクの温度を上昇させる加熱装置として機能する。加熱器72としては、公知のヒータを採用することができる。例えば、実施形態では、加熱器72として、シート状のラバーヒータを採用する。この場合、加熱器72は、第一収容器40の外周面に貼り付けられる。この他、加熱器72は、複数のヘッドモジュール33(インクジェットヘッド32)、複数の第一流路41、第二収容器45及び複数の第二流路46の一部又は全部に設けるようにしてもよい。この場合、加熱器72は、第一収容器40に設けるようにしてもよく、又は第一収容器40では省略するようにしてもよい。
連結流路80は、第二収容器45と、第一収容器40とを接続する。連結流路80には、第二収容器45から流出し第一収容器40に流入するインクが流れる。連結流路80には、ポンプ81が設けられる。即ち、ポンプ81の駆動に伴い、インクは、第二収容器45から流出し、連結流路80を流れて第一収容器40に流入する。
記録ユニット30では、第一収容器40から複数のヘッドモジュール33(インクジェットヘッド32)へとインクを供給しつつ、このインクの一部が複数のヘッドモジュール33(インクジェットヘッド32)から第二収容器45へと回収される。第二収容器45に回収されたインクは、連結流路80を介して第一収容器40に送られる。即ち、記録ユニット30では、ノズル34から吐出されないインクが循環される。
インクジェット記録装置10では、供給流路91が連結流路80の次の位置に接続される。前述の位置は、ポンプ81より第二収容器45の側となる連結流路80の位置である。メインタンク90から流出したインクは、供給流路91を流れた後、前述の位置から連結流路80に流入する。これに伴い、インクがメインタンク90から記録ユニット30に供給される。上記では説明を省略したが、供給流路91には、電磁弁92が設けられる。但し、図1では、電磁弁92の図示は、省略されている。
メインタンク90から記録ユニット30にインクを供給する場合、制御器97は、電磁弁92を開放させる。これに伴い、記録ユニット30へのインクの供給が開始する。制御器97は、インクの供給を開始させた後、所定のタイミングで電磁弁92を閉鎖させる。これに伴い、記録ユニット30へのインクの供給が終了する。メインタンクから記録ユニットへのインクの供給は、公知のインクジェット記録装置でも実施される。インクジェット記録装置10でも、前述したインクの供給は、公知のインクジェット記録装置と同様に実施される。従って、これに関するこの他の説明は、省略する。
図2では、作図上の理由から、第二方向の第三側の第一流路41に対して第二収容器45が奥側に設けられた状態で、前述の第一流路41及び第二収容器45が重ねて図示されている。また、図2では、作図上の理由から、第三流路50(第六流路52)に対して第二方向の第四側の第一流路41が奥側に設けられた状態で、第三流路50(第六流路52)及び前述の第一流路41が重ねて図示されている。
<インクの温度制御>
記録ユニット30でのインクの温度制御について、概略を説明する。制御器97は、インクの温度制御を繰り返して実行する。インクジェット記録装置10では、インクの温度が予め設定される。設定温度は、50℃のような特定の温度であってもよく、又は45℃以上55℃以下のような所定の温度範囲であってもよい。設定温度として前述の50℃及び45℃以上55℃以下は、何れも例示である。設定温度は、柄の記録に用いられるインクに応じて適宜設定される。この説明では、設定温度は、特定の温度とする。
制御器97は、温度センサ60からの検出値が設定温度に対応する設定値であるか否かを判断する。検出値及び設定値の関係について、「検出値=設定値」は、温度センサ60で検出されたインクの温度が設定温度であることを示す。また、「検出値>設定値」は、温度センサ60で検出されたインクの温度が設定温度より高いことを示す。更に、「検出値<設定値」は、温度センサ60で検出されたインクの温度が設定温度より低いことを示す。
検出値が設定値である場合(検出値=設定値)、制御器97は、この判断を繰り返して実行する。検出値が設定値より高い場合(検出値>設定値)、制御器97は、接続I/F96を介して送風機71に開始信号を出力する。これに伴い、送風機71は、回転を開始し、送風状態となる。その後、検出値が設定値となった場合(検出値=設定値)、制御器97は、接続I/F96を介して送風機71に停止信号を出力する。これに伴い、送風機71は、回転を停止する。検出値が設定値より低い場合(検出値<設定値)、制御器97は、接続I/F96を介して加熱器72に開始信号を出力する。これに伴い、加熱器72は、加熱を開始し、加熱状態となる。その後、検出値が設定値となった場合(検出値=設定値)、制御器97は、接続I/F96を介して加熱器72に停止信号を出力する。これに伴い、加熱器72は、加熱を停止する。送風機71及び加熱器72への開始信号及び停止信号は、上述した温度調整機70への指令信号である。
<実施形態の効果>
実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)インクジェット記録装置10は、記録ユニット30を備える(図1参照)。記録ユニット30は、インクジェットヘッド32と、第一収容器40と、複数の第一流路41と、第二収容器45と、複数の第二流路46と、第三流路50と、温度センサ60とを備える(図2参照)。インクジェットヘッド32は、複数のヘッドモジュール33を含む。第一収容器40は、複数のヘッドモジュール33に流入するインクを収容する。複数の第一流路41は、第一収容器40と、複数のヘッドモジュール33とを接続する。複数の第一流路41には、第一収容器40から流出し複数のヘッドモジュール33に流入するインクが流れる。第二収容器45は、複数のヘッドモジュール33から流出したインクを収容する。複数の第二流路46は、複数のヘッドモジュール33と、第二収容器45とを接続する。複数の第二流路46には、複数のヘッドモジュール33から流出し第二収容器45に流入するインクが流れる。第三流路50は、第一収容器40と、第二収容器45とを接続する。第三流路50には、第一収容器40から流出し第二収容器45に流入するインクが流れる。第三流路50には、温度センサ60が設けられる。温度センサ60は、第三流路50を流れるインクの温度を検出する。そのため、ヘッドモジュール33の温度に影響されることなく、インクの温度を検出することができる。インクの温度を適切に検出することができる。
(2)第三流路50は、流路抵抗が、1本の第一流路41、1個のヘッドモジュール33の本流路38及び1本の第二流路46の3つの流路抵抗の第一合計値と同じ(「90%以上110%以下」を含む)流路である。そのため、第三流路50でのインクの滞留状態を、次の状態と同様にすることができる。前述の状態は、インクが第一収容器40から流出した後、ヘッドモジュール33を通過し、第二収容器45に流入するまでの状態である。インクが第三流路50に滞留する時間を、インクが第一流路41、ヘッドモジュール33及び第二流路46を介して第一収容器40から第二収容器45に流れるのに要する時間に合わせることができる。
(3)第三流路50は、第五流路51と、第六流路52と、第七流路53とを含む(図2参照)。第五流路51は、第一収容器40に接続される。第六流路52は、第二収容器45に接続される。第六流路52は、流路抵抗が第五流路51より大きい流路である。第七流路53には、温度センサ60が設けられる。第七流路53は、第五流路51と第六流路52とを接続する。第三流路50は、第五流路51の流路抵抗が第一流路41の流路抵抗と同じ(「90%以上110%以下」を含む)流路である。第三流路50は、第五流路51の内径D1が第一流路41の内径D3に一致する流路である。第三流路50は、第二合計値が第三合計値と同じ(「90%以上110%以下」を含む)流路である。第三流路50は、第六流路52の流路抵抗が第二流路46の流路抵抗より大きい流路である。そのため、ヘッドモジュール33に供給されるインクと同等の状態でインクの温度を検出することができる。
(4)記録ユニット30は、温度調整機70と、制御器97とを備える(図2参照)。温度調整機70は、送風機71と、加熱器72とを含む。制御器97は、インクの温度制御を実行する。制御器97は、検出値が設定値より高い場合、送風機71に開始信号を出力し、その後、検出値が設定値となった場合、送風機71に停止信号を出力する。送風機71は、開始信号に応じて回転を開始し、停止信号に応じて回転を停止する。また、制御器97は、検出値が設定値より低い場合、加熱器72に開始信号を出力し、その後、検出値が設定値となった場合、加熱器72に停止信号を出力する。加熱器72は、開始信号に応じて加熱を開始し、停止信号に応じて加熱を停止する。そのため、インクの温度を設定温度とすることができる。
<変形例>
実施形態は、次のようにすることもできる。以下に示す変形例のうちの幾つかの構成は、適宜組み合わせて採用することもできる。以下では、上記とは異なる点を説明することとし、同様の点についての説明は、適宜省略する。
(1)記録ユニット30では、第一収容器40は、複数のヘッドモジュール33に流入するインクを収容する供給側のサブタンクであり、第二収容器45は、複数のヘッドモジュール33から流出したインクを収容する回収側のサブタンクである(図2参照)。第一収容器40は、供給側の第一マニホールドであってもよく、第二収容器45は、回収側の第二マニホールドであってもよい。前述の第一マニホールドは、特許文献2,3の第一マニホールドに対応し、前述の第二マニホールドは、特許文献2,3の第二マニホールドに対応する。第三流路は、上述した記録ユニット30の場合と同様、第一収容器としての第一マニホールドと、第二収容器としての第二マニホールドとを接続する。換言すれば、第一収容器としての第一マニホールド及び第二収容器としての第二マニホールドは、第三流路によって直接接続される。第三流路には、第一収容器としての第一マニホールドから流出し第二収容器としての第二マニホールドに流入するインクが流れる。第一マニホールド及び第二マニホールドは、公知のインクジェット記録装置でも採用される。従って、第一マニホールド及び第二マニホールドに関するこの他の説明は、省略する。
(2)第三流路50は、第六流路52の流路抵抗が第五流路51の流路抵抗より大きい流路である。第三流路50では、第六流路52の内径D2は、第五流路51の内径D1より小径に設定される(内径D2<内径D1 図2参照)。第三流路50は、第六流路52の流路抵抗が第五流路51の流路抵抗と第七流路53の流路抵抗との合計値より大きい流路であってもよい。また、第六流路は、調整弁を含むようにしてもよい。調整弁は、第六流路を流れるインクの流量を調整する。これにより、第三流路では、第六流路を流れるインクの流量を減少させることができる。従って、第六流路の流路抵抗を第五流路51より大きくし、又は第六流路の流路抵抗を第五流路51の流路抵抗と第七流路53の流路抵抗との合計値より大きくすることができる。
この他、第三流路50は、第五流路51の流路抵抗と第七流路53の流路抵抗との合計値が第一流路41の流路抵抗と同じ流路であってもよい。前述した「同じ流路」における「同じ」は、上述した通りである。即ち、第三流路50は、第五流路51の流路抵抗と第七流路53の流路抵抗との合計値が第一流路41の流路抵抗に対して90%以上110%以下となる流路としてもよい。好ましくは、第三流路50は、第五流路51の流路抵抗と第七流路53の流路抵抗との合計値が第一流路41の流路抵抗に対して95%以上105%以下となる流路としてもよい。より好ましくは、第三流路50は、第五流路51の流路抵抗と第七流路53の流路抵抗との合計値が第一流路41の流路抵抗に一致する流路としてもよい。
(3)記録ユニット30では、第三流路50は、1本設けられ、1本の第三流路50に1個の温度センサ60が設けられる。また、記録ユニット30では、温度調整機70は、1台の送風機71と、1台の加熱器72とを含む。記録ユニットには、複数の第三流路を設けるようにしてもよい。この場合、記録ユニットには、第三流路と同数の温度センサが設けられる。即ち、1本の第三流路には、1個の温度センサが設けられる。また、温度調整機には、第三流路と同数の送風機及び加熱器が設けられる。即ち、記録ユニットは、1本の第三流路、1個の温度センサ、及び1台の送風機及び1台の加熱器による1組の温度調整機の組み合わせを複数備えるようにしてもよい。制御器97は、第三流路に設けられた温度センサによって検出された検出値に従い、前述の第三流路及び温度センサに対応する温度調整機の送風機又は加熱器を制御する。
(4)制御装置95では、制御器97は、インクの温度制御を実行する。制御器97は、温度センサ60からの検出値が設定温度に対応する設定値であるか否かを判断する。制御器97は、検出値が設定値より高い場合、送風機71に開始信号を出力し、その後、検出値が設定値となった場合、送風機71に停止信号を出力する。送風機71は、開始信号に応じて回転を開始し、停止信号に応じて回転を停止する。また、制御器97は、検出値が設定値より低い場合、加熱器72に開始信号を出力し、その後、検出値が設定値となった場合、加熱器72に停止信号を出力する。加熱器72は、開始信号に応じて加熱を開始し、停止信号に応じて加熱を停止する。
記録ユニット30では、送風機71は、例えば、インクジェット記録装置10の電源がオンである場合、常時、送風状態としてもよい。制御器97は、検出値が設定値より高い場合、送風機71に高速信号を出力し、その後、検出値が設定値となった場合、送風機71に低速信号を出力する。送風機71は、高速信号に応じて高速回転し、低速信号に応じて低速回転する。送風機71への高速信号及び低速信号は、上述した温度調整機70への指令信号である。
記録ユニット30では、加熱器72は、例えば、インクジェット記録装置10の電源がオンである場合、常時、加熱状態としてもよい。制御器97は、検出値が設定値より低い場合、加熱器72に高温信号を出力し、その後、検出値が設定値となった場合、加熱器72に保温信号を出力する。加熱器72は、高温信号に応じて加熱温度を高め、保温信号に応じて加熱温度を低下する。加熱器72への高温信号及び保温信号は、上述した温度調整機70への指令信号である。
(5)温度調整機70は、送風機71と、加熱器72とを含む。温度調整機70では、送風機71は、インクの温度を低下させる冷却装置として機能し、加熱器72は、インクの温度を上昇させる加熱装置として機能する。温度調整機では、送風機71とは異なる公知の機器を冷却装置として採用するようにしてもよく、また、加熱器72とは異なる公知の機器を加熱装置として採用するようにしてもよい。例えば、温度調整機では、冷却装置及び加熱装置の一方又は両方として、ペルチェ素子を用いた機器を採用するようにしてもよい。温度調整機として採用する冷却装置及び加熱装置は、諸条件を考慮して適宜決定される。
(6)第一流路41、第二流路46、第五流路51及び第六流路52の各流路は、長尺の1本の管とした(図2参照)。例えば、第一流路41は、次のような態様の連続する流路としてもよい。前述の態様は、短尺の複数の管を接続した態様である。複数の管の接続には、公知の継手を用いることができる。第一流路41となる複数の管は、同一内径の管であってもよく、又は異なる内径の管であってもよい。第二流路46、第五流路51及び第六流路52についても、第一流路41と同様、短尺の複数の管を接続した態様としてもよい。但し、第一流路41、第二流路46、第三流路50、本流路38、第五流路51、第六流路52及び第七流路53では、流路抵抗は、上記同様の関係に設定される。
第三流路50は、第五流路51と、第六流路52と、第七流路53とを含む。更に、第三流路50は、支持具54を含む。第三流路では、支持具54は、省略してもよい。この場合、第三流路は、1本の管によって形成又は複数の管を接続して形成された流路としてもよい。第三流路を形成する管には、挿入孔が設けられる。挿入孔は、前述の管の外周壁を貫通する。第三流路が2本の管を継手で接続した流路であるとする。この場合、挿入孔は、継手に設けるようにしてもよい。挿入孔は、継手の外周壁を貫通する。温度センサ60は、挿入孔に挿入され、第三流路に設けられる。インクジェット記録装置では、例えば、温度センサ60の所定の部分をキャリッジ31で支持するようにしてもよい。温度センサ60の先端は、第三流路内に露出する。これに伴い、温度センサ60は、支持具54に支持された場合(図2参照)と同様、先端で第三流路を流れるインクと接し、このインクの温度を検出する。第三流路は、封止構造を採用する。封止構造は、温度センサ60が挿入された挿入孔を封止し、挿入孔からのインク漏れを抑制する。封止構造には、公知の封止材が用いられる。第三流路で採用する封止構造は、諸条件を考慮して適宜決定される。
(7)インクジェット記録装置を、記録ユニット30がライン型のインクジェットヘッド32を備えるインクジェット記録装置10とした(図1参照)。インクジェット記録装置としては、インクジェット記録装置10とは異なるタイプの装置が実用化されている。この説明では、この異なるタイプのインクジェット記録装置を「シリアル型」という。シリアル型のインクジェット記録装置では、柄の記録は、記録ユニットを搭載したキャリッジを第二方向に往復移動させながら行われる。搬送機は、キャリッジの第二方向の第四側から第三側への移動と、キャリッジの第二方向の第三側から第四側への移動に対応させて、記録媒体を搬送方向に搬送する。即ち、搬送機による記録媒体の搬送は、キャリッジが第二方向の第三側又は第四側の移動端に到達したタイミングで間欠的に行われる。
シリアル型のインクジェット記録装置が複数色の記録ユニットを備える場合、各色用の記録ユニットは、第二方向に隣り合った状態でキャリッジに搭載される。記録ユニットでは、インクジェットヘッドは、上記同様、複数のヘッドモジュールを含む。但し、複数のヘッドモジュールは、第一方向に並んで配置される。複数のノズルは、ヘッドモジュールの第三方向の第六側の面に第一方向に沿って設けられる。即ち、シリアル型のインクジェット記録装置では、記録ユニットは、図2に示す「第二方向」が「第一方向」となる状態でキャリッジに搭載される。シリアル型のインクジェット記録装置は、既に実用化された公知の装置である。従って、これに関するこの他の説明は、省略する。
(8)第一方向の第一側を搬送方向の上流側とし、第一方向の第二側を搬送方向の下流側とした(図1参照)。第一方向の第一側及び第二側は、これとは反対であってもよい。即ち、第一方向の第一側は、搬送方向の下流側であってもよい。第一方向の第二側は、搬送方向の上流側であってもよい。第一方向の第一側から第二側を見て、左側を第二方向の第三側とし、右側を第二方向の第四側とした(図1参照)。第二方向の第三側及び第四側は、これとは反対であってもよい。即ち、第二方向の第三側は、第一方向の第一側から第二側を見て右側であってもよい。第二方向の第四側は、第一方向の第一側から第二側を見て左側であってもよい。