JP6884705B2 - アルギナーゼ活性の測定方法、アルギナーゼ活性の検出キット、アルギナーゼ関連疾患検出キット、及びアルギナーゼの阻害剤又は活性剤のスクリーニング方法 - Google Patents

アルギナーゼ活性の測定方法、アルギナーゼ活性の検出キット、アルギナーゼ関連疾患検出キット、及びアルギナーゼの阻害剤又は活性剤のスクリーニング方法 Download PDF

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Description

本発明は、アルギナーゼ活性の測定方法、アルギナーゼ活性の検出キット、アルギナーゼ関連疾患検出キット、及びアルギナーゼの阻害剤又は活性剤のスクリーニング方法に関する。
本願は、2015年11月18日に、日本に出願された特願2015−225939号、2016年1月29日に、日本に出願された特願2016−015903号、2016年3月31日、世界知的所有権機関に出願されたPCT/JP2016/061637号、及び2016年10月3日に、日本に出願された特願2016−195933号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
アルギナーゼは、尿素回路の最終段階に位置する酵素であり、L−アルギニンをL−オルニチンと尿素に変換し、体内からのアンモニウムイオン排出に重要な役割を果たしている。また、アルギナーゼには、I型とII型という二つのアイソフォームが存在する。I型は主に肝臓に存在し、尿素回路での重要な機能を担っており、II型は腎臓をはじめとする臓器に存在し、アルギニン及びオルニチンの濃度を制御している。
アルギナーゼの欠損は、神経障害、痴呆、高アンモニア血症といった重篤な症状を引き起こすといった報告もあり、アルギナーゼ活性の測定は尿素代謝系の研究に不可欠である。また、アルギナーゼはマクロファージの抗炎症作用及びアポトーシス(細胞死)抑制効果が報告されており、近年、その指標として利用されることが多くなっている。
アルギナーゼの活性測定法としては、アルギナーゼがアルギニンをオルニチンと尿素とに分解し、さらに尿素はウレアーゼによってアンモニアと二酸化炭素とに分解される一連の酵素反応に基づき、(1)オルニチンの生成量、(2)尿素の生成量、(3)アンモニアの生成量の測定による方法等が挙げられる(例えば、特許文献1参照)。
特開昭63−59899号公報
特許文献1において、(1)オルニチンの生成量を測定する方法では、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によりオルニチンを検出する方法が開示されており、HPLC用の測定機器が必要であり、さらに測定時間がかかる。また、(2)尿素の生成量を測定する方法では、市販の尿素検出用試薬が水難溶性であり、さらに操作が煩雑であるため、数十サンプルの測定が限界であり、サンプル量及び試薬量を多く必要とする。また、(3)アンモニアの生成量を測定する方法では、ウレアーゼによる酵素反応が必要となるため、操作が煩雑となる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、高感度且つ簡便なアルギナーゼ活性の測定方法を提供する。
本発明の第の態様は、反応容器に、アルギナーゼを含む試料と、2価のカチオンを含む溶液とを添加して、アルギナーゼを活性化する工程と、活性化されたアルギナーゼを含む試料に、アルギニン溶液を添加し、酵素基質反応を行う工程と、酵素基質反応を行った試料に、尿素検出試薬としてα−イソニトロソプロピオフェノンを含む酸性溶液を添加し、酵素の失活及び尿素の検出反応を同時に行う工程と、を備えることを特徴とするアルギナーゼ活性の測定方法である。
本発明の第の態様は、尿素検出試薬としてα−イソニトロソプロピオフェノンを含む酸性溶液を備えることを特徴とするアルギナーゼ活性の検出キットである。
本発明の第の態様は、アルギニンと、2価のカチオンを含む溶液と、α−イソニトロソプロピオフェノンを含む酸性水溶液と、を備えることを特徴とするアルギナーゼ活性の検出キットである。
本発明の第の態様は、アルギニンと、2価のカチオンを含む溶液と、α−イソニトロソプロピオフェノンを含む酸性水溶液と、を備えることを特徴とするアルギナーゼ関連疾患検出キットである。
本発明の第の態様は、アルギナーゼの阻害剤又は活性剤のスクリーニング方法であって、被検物質存在下及び非存在下において、反応容器に、アルギナーゼを含む試料と、2価のカチオンを含む溶液とを添加して、アルギナーゼを活性化する工程と、活性化されたアルギナーゼを含む試料に、アルギニン溶液を添加し、酵素基質反応を行う工程と、酵素基質反応を行った試料に、尿素検出試薬としてα−イソニトロソプロピオフェノンを含む酸性水溶液を添加し、酵素の失活及び尿素の検出反応を同時に行う工程と、被検物質の存在下において検出された尿素が、被検物質の非存在下において検出された尿素と比較して低かった場合に、前記被検物質はアルギナーゼの阻害剤であると判定し、被検物質の存在下において検出された尿素が、被検物質の非存在下において検出された尿素と比較して高かった場合に、前記被検物質はアルギナーゼの活性剤であると判定する工程と、を備えることを特徴とするスクリーニング方法である。
本発明によれば、高感度且つ簡便にアルギナーゼ活性を測定することができる。
一実施形態のアルギナーゼ活性の測定方法の概略構成を示す図である。 実施例1におけるアルギナーゼ活性の測定結果を示す図である。 比較例1におけるアルギナーゼ活性の測定結果を示す図である。 実施例2におけるアルギナーゼ活性の測定結果を示す画像である。 比較例2におけるアルギナーゼ活性の測定結果を示す画像である。 実施例3における尿素検出反応工程において1時間45分加熱して尿素検出反応を促進させた際のアルギナーゼ活性の測定結果を示す図である。 実施例3における尿素検出反応工程において2時間15分加熱して尿素検出反応を促進させた際のアルギナーゼ活性の測定結果を示す図である。 比較例3における尿素検出試薬と酸性溶液とを酵素失活及び尿素検出反応工程の直前に混合し、酵素失活及び尿素検出反応工程において室温で10分間静置して発色させた際のアルギナーゼ活性の測定結果を示す図である。 比較例3における尿素検出試薬と酸性溶液とを酵素失活及び尿素検出反応工程の直前に混合し、酵素失活及び尿素検出反応工程において室温で120分間静置して発色させた際のアルギナーゼ活性の測定結果を示す図である。 実施例4における調製から24時間後の尿素検出試薬を含む酸性溶液を用いて、尿素検出反応工程において1時間45分加熱して尿素検出反応を促進させた際のアルギナーゼ活性の測定結果を示す図である。 実施例4における調製から24時間後の尿素検出試薬を含む酸性溶液を用いて、尿素検出反応工程において2時間15分加熱して尿素検出反応を促進させた際のアルギナーゼ活性の測定結果を示す図である。
<アルギナーゼ活性の測定方法(1)>
一実施形態において、本発明は、反応容器に、アルギナーゼを含む試料と、2価のカチオンを含む溶液とを添加して、アルギナーゼを活性化する工程と、活性化されたアルギナーゼを含む試料に、アルギニン溶液を添加し、酵素基質反応を行う工程と、酵素基質反応を行った試料に、尿素検出試薬を含むpH1.0以上4.0以下の酸性溶液を添加し、酵素の失活及び尿素の検出反応を同時に行う工程と、を備える、アルギナーゼ活性の測定方法を提供する。
本実施形態の測定方法によれば、高感度且つ簡便にアルギナーゼ活性を測定することができる。
本実施形態の測定方法について、図を参照しながら説明する。図1は、一実施形態のアルギナーゼ活性の測定方法の概略構成を示す図である。
[アルギナーゼ活性化工程]
まず、アルギナーゼを含む試料を調製し、2価のカチオンを含む溶液と共に反応容器に添加する。続いて、アルギナーゼの活性をより高めるために、酵素が失活しない程度の温度(例えば、55℃以上70℃未満の温度等)で、10分程度インキュベートしてもよい。
アルギナーゼを含む試料としては、特別な限定はないが、例えば血液、唾液、涙液、汗等の体液、尿などの生体試料、動物細胞(例えば、肝臓細胞等)の懸濁液、動物細胞の破砕液等が挙げられる。アルギナーゼを含む試料は、生理食塩水等の緩衝液又は蒸留水等で希釈されたものであってもよい。
2価のカチオンとしては、例えばCa2+、Mg2+、Zn2+、Mn2+等が挙げられる。中でも、Mn2+であることが好ましい。2価のカチオンを含む溶液としては、上記2価のカチオンを含む塩又は水和物等が溶解したものであればよく、特別な限定はない。さらに、生理食塩水等の緩衝液又は蒸留水等で希釈されたものであってもよい。アルギナーゼを含む試料に、2価のカチオンを含む溶液を添加することにより、アルギナーゼの酵素活性を高めることができる。
溶液中の2価のカチオンの濃度としては、例えば1mM以上100mM以下であってよく、3mM以上50mM以下であってよく、5mM以上30mM以下であってよい。
反応容器としては、アルギナーゼ活性を測定することができるものであれば、特別な限定はなく、例えばガラス、金属、プラスチック等が挙げられる。反応容器の形状には、特に制限はなく、例えばスライドガラス状、マイクロプレート状、円盤状等が挙げられる。
中でも、多数の試料を測定することが可能であることから、マイクロプレート状であることが好ましい。マイクロプレートとしては、任意の数のウェルが配置されているものが挙げられる。ウェルの数としては、プレート1枚当たり、例えば、24、96、384、1,536個等が挙げられる。反応容器は、微細な流路を備えたマイクロ流路デバイスを構成していてもよい。反応容器のサイズは、使用する装置に適用できる範囲であれば構わない。
[酵素基質反応工程]
次に、活性化されたアルギナーゼを含む試料に、基質としてアルギニン溶液を添加し、酵素基質反応を行う。反応温度は、20℃以上45℃以下が好ましく、30℃以上40℃以下がより好ましく、37℃以上40℃以下が最も好ましい。反応時間は、30分以上3時間以下が好ましく、2時間が特に好ましい。反応時のpHは、pH8.5以上10.5以下が好ましく、pH9.0以上10.0以下が特に好ましい。
アルギニン溶液としては、アルギニン(好ましくは、L−アルギニン)を含む溶液であればよく、特別な限定はない。アルギニンを含む塩又は水和物を蒸留水等の溶媒に溶解することで調製することができる。さらに、生理食塩水等の緩衝液又は蒸留水等で希釈されたものであってもよい。
[酵素失活及び尿素検出反応工程]
次に、酵素基質反応を行った試料に、尿素検出試薬を含むpH1.0以上4.0以下の酸性溶液を添加し、酵素の失活及び尿素の検出反応を同時に行う。
尿素検出試薬としては、尿素を検出できるものであれば、特別な限定はない。例えば、α−ジケトン、p−ジメチルアミノベンツアルデヒド、キサントヒドロール等が挙げられる。中でも、α−ジケトンが好ましい。α−ジケトンとしては、例えば、α−イソニトロソプロピオフェノン、ジアセチルモノオキシム等が挙げられる。中でも、α−イソニトロソプロピオフェノンが好ましい。
pH1.0以上4.0以下の酸性溶液としては、pHを上記範囲に調整できるものであれば特別な限定はない。使用可能な酸としては、例えば塩酸、リン酸、硫酸、硝酸、それらの塩又は水和物等が挙げられる。上記酸を2種類以上混合したものでもよい。さらに、生理食塩水等の緩衝液又は蒸留水等で希釈されたものであってもよい。
上記尿素検出試薬及び上記pH1.0以上4.0以下の酸性溶液を予め混合しておくことにより、酵素の失活及び尿素の検出を1回の作業で行えるため、作業を効率化することができる。また、溶液の添加量を少なくすることができ、さらに尿素検出試薬の添加量のばらつきを低減することができる。また、尿素検出試薬を含み、pHが上記範囲内である酸性溶液と、続く尿素検出反応促進工程における加熱とを組み合わせることにより、酵素反応及び酵素の失活を十分に行うことができる。
上記尿素検出試薬を含むpH1.0以上4.0以下の酸性溶液は、例えば以下のような方法で調製することができる。まず、尿素検出試薬と、酸、それらの塩又は水和物と、必要であれば生理食塩水等の緩衝液又は蒸留水等とを混合する。さらに、尿素検出試薬が酸性溶液に比較的溶解しにくい場合、混合時に加熱することが好ましい。加熱することで、尿素検出試薬を完全に溶解させることができ、上記尿素検出試薬を含むpH1.0以上4.0以下の酸性溶液を調製することができる。
溶液中の尿素検出試薬の濃度は、0.05重量%以上1.00重量%以下であることが好ましく、0.08重量%以上0.70重量%以下であることがより好ましく、0.10重量%以上0.66重量%以下であることがさらに好ましい。
[尿素検出反応促進工程]
上記尿素検出試薬を含むpH1.0以上4.0以下の酸性溶液の添加後に、加熱しながらインキュベートすることで尿素検出反応を促進させてもよい。加熱温度としては、室温以上100℃以下が好ましく、90℃以上100℃以下が特に好ましい。加熱時間としては、30分以上であり、30分以上12時間以下が特に好ましい。加熱温度及び加熱時間はアルギナーゼの含有量に応じて、適宜調節することができる。また、加熱しながらインキュベートすることで、尿素検出試薬による反応を促進し、より早く検出を行うことができる。
尿素の検出は、尿素と尿素検出試薬との反応を利用した比色法を用いて行うことができる。反応が進み、十分に発色したら、測定装置にセットして吸光度を測定する。測定装置としては、吸光度を測定できるものであれば、特別な限定はない。例えば、吸光光度計(分光光度計)、マイクロプレートリーダー等が挙げられる。
[測定値校正工程]
さらに、試料内のタンパク質濃度を測定し、アルギナーゼ活性の測定値を校正してもよい。
タンパク質濃度の測定方法としては、特別な限定はなく、例えば紫外吸収法、Bradford法(クマシーブルー法)、Lowry法(フェノール試薬法)、ビシンコニン酸法(BCA法)等が挙げられる。
試料内のタンパク質濃度を測定し、測定値を校正することで、より正確なアルギナーゼ活性の測定値を得ることができる。
<アルギナーゼ活性の測定方法(2)>
一実施形態において、本発明は、反応容器に、アルギナーゼを含む試料と、2価のカチオンを含む溶液とを添加して、アルギナーゼを活性化する工程と、活性化されたアルギナーゼを含む試料に、アルギニン溶液を添加し、酵素基質反応を行う工程と、酵素基質反応を行った試料に、尿素検出試薬としてα−イソニトロソプロピオフェノンを含む酸性溶液を添加し、酵素の失活及び尿素の検出反応を同時に行う工程と、を備える、アルギナーゼ活性の測定方法を提供する。
本実施形態の測定方法によれば、高感度且つ簡便にアルギナーゼ活性を測定することができる。
本実施形態の測定方法において、アルギナーゼ活性化工程及び酵素基質反応工程については、上述の<アルギナーゼ活性の測定方法(1)>と同様に行えばよい。
[酵素失活及び尿素検出反応工程]
次に、酵素基質反応を行った試料に、尿素検出試薬としてα−イソニトロソプロピオフェノンを含む酸性溶液を添加し、酵素の失活及び尿素の検出反応を同時に行う。
酸性溶液のpHは4.0以下であればよく、ガラス電極のpHメーターでは計測することが難しい酸性度の強い溶液を用いてもよい。使用可能な酸としては、例えば塩酸、リン酸、硫酸、硝酸、それらの塩又は水和物等が挙げられる。上記酸を2種類以上混合したものでもよい。さらに、生理食塩水等の緩衝液又は蒸留水等で希釈されたものであってもよい。
α−イソニトロソプロピオフェノン及び上記酸性溶液を予め混合しておくことにより、酵素の失活及び尿素の検出を1回の作業で行えるため、作業を効率化することができる。
また、溶液の添加量を少なくすることができ、さらに尿素検出試薬の添加量のばらつきを低減することができる。また、上記尿素検出試薬としてα−イソニトロソプロピオフェノンを含む酸性溶液と、続く尿素検出反応促進工程における加熱とを組み合わせることにより、酵素反応及び酵素の失活を十分に行うことができる。
尿素検出試薬としてα−イソニトロソプロピオフェノンを含む酸性溶液は、例えば以下のような方法で調製することができる。まず、α−イソニトロソプロピオフェノンと、酸、それらの塩又は水和物と、必要であれば生理食塩水等の緩衝液又は蒸留水等とを混合する。さらに、α−イソニトロソプロピオフェノンが酸性溶液に比較的溶解しにくい場合、混合時に加熱することが好ましい。加熱することで、α−イソニトロソプロピオフェノンを完全に溶解させることができ、上記尿素検出試薬としてα−イソニトロソプロピオフェノンを含む酸性溶液を調製することができる。
溶液中の尿素検出試薬の濃度は、0.05重量%以上1.00重量%以下であることが好ましく、0.08重量%以上0.70重量%以下であることがより好ましく、0.10重量%以上0.66重量%以下であることがさらに好ましい。
続く、尿素検出反応促進工程については、上述の<アルギナーゼ活性の測定方法(1)>と同様に行えばよい。また、本実施形態の測定方法において、測定値校正工程を備えていてもよく、上述の<アルギナーゼ活性の測定方法(1)>と同様に行えばよい。
本実施形態の測定方法は、上記に示したとおり、少量の試料及び試薬を用いて、効率的に測定することが可能である。また、従来では、尿素検出試薬が経時的に変色し、バックグラウンドが高くなってしまう問題があったが、本実施形態の測定方法では、尿素検出試薬を含む上記pH範囲内の酸性溶液を予め作り置きすることができ、さらに感度良くバックグラウンドが低い状態で測定することが可能である。よって、従来では、一度の分析において、数十サンプルの測定が限界であったのに対し、本実施形態の測定方法では、数百サンプル以上の多数の試料を測定することができる。
<アルギナーゼ活性の検出キット(1)>
一実施形態において、本発明は、尿素検出試薬としてα−イソニトロソプロピオフェノンを含む酸性溶液を備える、アルギナーゼ活性の検出キットを提供する。
本実施形態の検出キットによれば、高感度且つ簡便にアルギナーゼ活性を検出することができる。
本実施形態の検出キットにおいて、酸性溶液は、尿素検出試薬としてα−イソニトロソプロピオフェノンを含む。
本実施形態の検出キットにおいて、酸性溶液のpHは4.0以下であればよく、ガラス電極のpHメーターでは計測することが難しい酸性度の強い溶液を用いてもよい。使用可能な酸としては、例えば塩酸、リン酸、硫酸、硝酸、それらの塩又は水和物等が挙げられる。上記酸を2種類以上混合したものでもよい。さらに、生理食塩水等の緩衝液又は蒸留水等で希釈されたものであってもよい。
上記尿素検出試薬としてα−イソニトロソプロピオフェノンを含む酸性溶液が予め調製された状態であることにより、酵素の失活及び尿素の検出を1回の作業で行えるため、作業を効率化することができる。また、溶液の添加量を少なくすることができ、さらに尿素検出試薬の添加量のばらつきを低減することができる。また、上記尿素検出試薬としてα−イソニトロソプロピオフェノンを含む酸性溶液と、尿素検出反応を促進させるための加熱とを組み合わせることにより、酵素反応及び酵素の失活を十分に行うことができる。
<アルギナーゼ活性の検出キット(2)>
一実施形態において、本発明は、アルギニンと、2価のカチオンを含む溶液と、尿素検出試薬を含むpH1.0以上4.0以下の酸性溶液と、を備える、アルギナーゼ活性の検出キットを提供する。
本実施形態の検出キットによれば、高感度且つ簡便にアルギナーゼ活性を検出することができる。
本実施形態の検出キットにおいて、アルギニンは基質としてアルギナーゼが分解可能であるものであれば、由来等に関して、特別な限定はないが、L−アルギニンであることが好ましい。また、アルギニンは、塩又は水和物であってもよい。さらに、アルギニンは粉末であってもよく、適用な溶媒(例えば、生理食塩水等の緩衝液、蒸留水等)等で希釈した溶液であってもよい。
本実施形態の検出キットにおいて、2価のカチオンとしては、例えば上述したものと同様のものが挙げられ、中でも、Mn2+であることが好ましい。2価のカチオンを含む溶液としては、上記2価のカチオンを含む塩又は水和物等が溶解したものであればよく、特別な限定はない。さらに、生理食塩水等の緩衝液又は蒸留水等で希釈されたものであってもよい。アルギナーゼを含む試料に、2価のカチオンを含む溶液を添加することにより、アルギナーゼの酵素活性を高めることができる。
本実施形態の検出キットにおいて、尿素検出試薬としては、尿素を検出できるものであれば、特別な限定はなく、上述の<アルギナーゼ活性の測定方法(1)>において例示されたものと同様のものが挙げられる。中でも、α−イソニトロソプロピオフェノンが好ましい。
本実施形態の検出キットにおいて、pH1.0以上4.0以下の酸性溶液としては、pHを上記範囲に調整できるものであれば特別な限定はない。使用可能な酸としては、例えば塩酸、リン酸、硫酸、硝酸、それらの塩又は水和物等が挙げられる。上記酸を2種類以上混合したものでもよい。さらに、生理食塩水等の緩衝液又は蒸留水等で希釈されたものであってもよい。
上記尿素検出試薬を含むpH1.0以上4.0以下の酸性溶液が予め調製された状態であることにより、酵素の失活及び尿素の検出を1回の作業で行えるため、作業を効率化することができる。また、溶液の添加量を少なくすることができ、さらに尿素検出試薬の添加量のばらつきを低減することができる。また、尿素検出試薬を含み、pHが上記範囲内である酸性溶液と、尿素検出反応を促進させるための加熱とを組み合わせることにより、酵素反応及び酵素の失活を十分に行うことができる。
<アルギナーゼ関連疾患検出キット>
一実施形態において、本発明は、アルギニンと、2価のカチオンを含む溶液と、尿素検出試薬を含むpH1.0以上4.0以下の酸性溶液と、を備える、アルギナーゼ関連疾患検出キットを提供する。
本実施形態のアルギナーゼ関連疾患検出キットによれば、高感度且つ簡便にアルギナーゼ関連疾患を検出することができる。
本明細書において、「アルギナーゼ関連疾患」としては、例えば心疾患、全身性高血圧症、肺高血圧症、虚血再灌流傷害、末梢血管疾患、末梢動脈疾患、くも膜下出血、勃起機能不全、自己免疫性脳脊髄炎、慢性腎不全、胃腸運動障害、胃癌、肝血流量減少、肝血流量不足(insufficient hepatic blood flow)、脳血管攣縮、又はそれらの組み合わせ等が挙げられる。
本実施形態のアルギナーゼ関連疾患検出キットにおいて、アルギニンは基質としてアルギナーゼが分解可能であるものであれば、由来等に関して、特別な限定はないが、L−アルギニンであることが好ましい。また、アルギニンは、塩又は水和物であってもよい。さらに、アルギニンは粉末であってもよく、適用な溶媒(例えば、生理食塩水等の緩衝液、蒸留水等)等で希釈した溶液状であってもよい。
本実施形態のアルギナーゼ関連疾患検出キットにおいて、2価のカチオンとしては、例えば上述したものと同様のものが挙げられ、中でも、Mn2+であることが好ましい。2価のカチオンを含む溶液としては、上記2価のカチオンを含む塩又は水和物等が溶解したものであればよく、特別な限定はない。さらに、生理食塩水等の緩衝液又は蒸留水等で希釈されたものであってもよい。アルギナーゼを含む試料に、2価のカチオンを含む溶液を添加することにより、アルギナーゼの酵素活性を高めることができる。
本実施形態のアルギナーゼ関連疾患検出キットにおいて、尿素検出試薬としては、尿素を検出できるものであれば、特別な限定はなく、上述の<アルギナーゼ活性の測定方法(1)>において例示されたものと同様のものが挙げられる。中でも、α−イソニトロソプロピオフェノンが好ましい。
本実施形態のアルギナーゼ関連疾患検出キットにおいて、pH1.0以上4.0以下の酸性溶液としては、pHを上記範囲に調整できるものであれば特別な限定はない。使用可能な酸としては、例えば塩酸、リン酸、硫酸、硝酸、それらの塩又は水和物等が挙げられる。上記酸を2種類以上混合したものでもよい。さらに、生理食塩水等の緩衝液又は蒸留水等で希釈されたものであってもよい。
上記尿素検出試薬を含むpH1.0以上4.0以下の酸性溶液が予め調製された状態であることにより、酵素の失活及び尿素の検出を1回の作業で行えるため、作業を効率化することができる。また、溶液の添加量を少なくすることができ、さらに尿素検出試薬の添加量のばらつきを低減することができる。また、pHを上記範囲内にすることにより、酵素反応及び酵素の失活を十分に行うことができる。
<アルギナーゼの阻害剤又は活性剤のスクリーニング方法>
一実施形態において、本発明は、被検物質存在下及び非存在下において、反応容器に、アルギナーゼを含む試料と、2価のカチオンを含む溶液とを添加して、アルギナーゼを活性化する工程と、活性化されたアルギナーゼを含む試料に、アルギニン溶液を添加し、酵素基質反応を行う工程と、酵素基質反応を行った試料に、尿素検出試薬としてα−イソニトロソプロピオフェノンを含む酸性溶液を添加し、酵素の失活及び尿素の検出反応を同時に行う工程と、被検物質の存在下において検出された尿素が、被検物質の非存在下において検出された尿素と比較して低かった場合に、前記被検物質はアルギナーゼの阻害剤であると判定し、被検物質の存在下において検出された尿素が、被検物質の非存在下において検出された尿素と比較して高かった場合に、前記被検物質はアルギナーゼの活性剤であると判定する工程と、を備える、スクリーニング方法を提供する。
本実施形態のスクリーニング方法によれば、簡便にアルギナーゼの阻害剤又は活性剤をスクリーニングすることができる。
[アルギナーゼ活性化工程]
まず、被検物質存在下及び非存在下において、アルギナーゼを含む試料を調製し、2価のカチオンを含む溶液と共に反応容器に添加する。続いて、アルギナーゼの活性をより高めるために、酵素が失活しない程度の温度(例えば、55℃以上70℃未満の温度等)で、10分程度インキュベートしてもよい。
本実施形態のスクリーニング方法において、「被験化合物」としては特別な限定はなく、例えば、遺伝子ライブラリーの発現産物、合成低分子化合物ライブラリー、ペプチドライブラリー、抗体、細菌放出物質、細胞(微生物、植物細胞、動物細胞)の抽出液及び培養上清、精製又は部分精製ポリペプチド、海洋生物、植物又は動物由来の抽出物、土壌、ランダムファージペプチドディスプレイライブラリー等が挙げられる。
アルギナーゼを含む試料としては、特別な限定はなく、上述の<アルギナーゼ活性の測定方法(1)>において例示されたものと同様のものが挙げられる。
2価のカチオンとしては、上述の<アルギナーゼ活性の測定方法(1)>において例示されたものと同様のものが挙げられる。中でも、Mn2+であることが好ましい。2価のカチオンを含む溶液としては、上記2価のカチオンを含む塩又は水和物等が溶解したものであればよく、特別な限定はない。さらに、生理食塩水等の緩衝液又は蒸留水等で希釈されたものであってもよい。アルギナーゼを含む試料に、2価のカチオンを含む溶液を添加することにより、アルギナーゼの酵素活性を高めることができる。
溶液中の2価のカチオンの濃度としては、例えば1mM以上100mM以下であってよく、3mM以上50mM以下であってよく、5mM以上30mM以下であってよい。
反応容器としては、アルギナーゼ活性を測定することができるものであれば、特別な限定はなく、上述の<アルギナーゼ活性の測定方法(1)>において例示されたものと同様のものが挙げられる。反応容器の形状には、特別な限定はなく、上述の<アルギナーゼ活性の測定方法(1)>において例示されたものと同様のものが挙げられる。
中でも、多数の試料を測定することが可能であることから、マイクロプレート状であることが好ましい。マイクロプレートとしては、任意の数のウェルが配置されているものが挙げられる。ウェルの数としては、プレート1枚当たり、例えば、24、96、384、1,536個等が挙げられる。反応容器は、微細な流路を備えたマイクロ流路デバイスを構成していてもよい。反応容器のサイズは、使用する装置に適用できる範囲であれば構わない。
[酵素基質反応工程]
次に、活性化されたアルギナーゼを含む試料に、基質としてアルギニン溶液を添加し、酵素基質反応を行う。反応温度は、20℃以上45℃以下が好ましく、30℃以上40℃以下がより好ましく、37℃以上40℃以下が最も好ましい。反応時間は、30分以上3時間以下が好ましく、2時間が特に好ましい。反応時のpHは、pH8.5以上10.5以下が好ましく、pH9.0以上10.0以下が特に好ましい。
アルギニン溶液としては、アルギニン(好ましくは、L−アルギニン)を含む溶液であればよく、特別な限定はない。アルギニンを含む塩又は水和物を蒸留水等の溶媒に溶解することで調製することができる。さらに、生理食塩水等の緩衝液又は蒸留水等で希釈されたものであってもよい。
[酵素失活及び尿素検出反応工程]
次に、酵素基質反応を行った試料に、尿素検出試薬としてα−イソニトロソプロピオフェノンを含む酸性溶液を添加し、酵素の失活及び尿素の検出反応を同時に行う。
酸性溶液は、尿素検出試薬としてα−イソニトロソプロピオフェノンを含む。
酸性溶液のpHは4.0以下であればよく、ガラス電極のpHメーターでは計測することが難しい酸性度の強い溶液を用いてもよい。使用可能な酸としては、上述の<アルギナーゼ活性の測定方法(1)>において例示されたものと同様のものが挙げられる。上記酸を2種類以上混合したものでもよい。さらに、生理食塩水等の緩衝液又は蒸留水等で希釈されたものであってもよい。
上記尿素検出試薬としてα−イソニトロソプロピオフェノンを含む酸性溶液を予め混合しておくことにより、酵素の失活及び尿素の検出を1回の作業で行えるため、作業を効率化することができる。また、溶液の添加量を少なくすることができ、さらに尿素検出試薬の添加量のばらつきを低減することができる。また、上記尿素検出試薬としてα−イソニトロソプロピオフェノンを含む酸性溶液と、尿素検出反応を促進させるための加熱とを組み合わせることにより、酵素反応及び酵素の失活を十分に行うことができる。
上記尿素検出試薬としてα−イソニトロソプロピオフェノンを含む酸性溶液は、例えば以下のような方法で調製することができる。まず、α−イソニトロソプロピオフェノンと、酸、それらの塩又は水和物と、必要であれば生理食塩水等の緩衝液又は蒸留水等とを混合する。さらに、α−イソニトロソプロピオフェノンが酸性溶液に比較的溶解しにくい場合、混合時に加熱することが好ましい。加熱することで、α−イソニトロソプロピオフェノンを完全に溶解させることができ、上記尿素検出試薬としてα−イソニトロソプロピオフェノンを含む酸性溶液を調製することができる。
溶液中の尿素検出試薬の濃度は、0.05重量%以上1.00重量%以下であることが好ましく、0.08重量%以上0.70重量%以下であることがより好ましく、0.10重量%以上0.66重量%以下であることがさらに好ましい。
[尿素検出反応促進工程]
上記尿素検出試薬としてα−イソニトロソプロピオフェノンを含む酸性溶液の添加後に、加熱しながらインキュベートすることで尿素検出反応を促進させてもよい。加熱温度としては、室温以上100℃以下が好ましく、90℃以上100℃以下が特に好ましい。加熱時間としては、30分以上であり、30分以上12時間以下が特に好ましい。加熱温度及び加熱時間はアルギナーゼの含有量に応じて、適宜調節することができる。また、加熱しながらインキュベートすることで、尿素検出試薬による反応を促進し、より早く検出を行うことができる。
尿素の検出は、尿素と尿素検出試薬との反応を利用した比色法を用いて行うことができる。反応が進み、十分に発色したら、測定装置にセットして吸光度を測定する。測定装置としては、吸光度を測定できるものであれば、特別な限定はない。例えば、吸光光度計(分光光度計)、マイクロプレートリーダー等が挙げられる。
[測定値校正工程]
さらに、試料内のタンパク質濃度を測定し、アルギナーゼ活性の測定値を校正してもよい。
タンパク質濃度の測定方法としては、特別な限定はなく、上述の<アルギナーゼ活性の測定方法(1)>において例示されたものと同様のものが挙げられる。
試料内のタンパク質濃度を測定し、測定値を校正することで、より正確なアルギナーゼ活性の測定値を得ることができる。
本実施形態のスクリーニング方法は、上記に示したとおり、少量の試料及び試薬を用いて、効率的に測定することが可能である。また、従来では、尿素検出試薬が経時的に変色し、バックグラウンドが高くなってしまう問題があったが、本実施形態のスクリーニング方法では、尿素検出試薬を含む上記pH範囲内の酸性溶液を予め作り置きすることができ、さらに感度良くバックグラウンドが低い状態で測定することが可能である。よって、従来では、一度の分析において、数十サンプルの測定が限界であったのに対し、本実施形態のスクリーニング方法では、数百サンプル以上の多数の試料を測定することができる。
[判定工程]
次に、被検物質の存在下において検出された尿素が、被検物質の非存在下において検出された尿素と比較して低かった場合に、前記被検物質はアルギナーゼの阻害剤であると判定することができる。
一方、被検物質の存在下において検出された尿素が、被検物質の非存在下において検出された尿素と比較して高かった場合に、前記被検物質はアルギナーゼの活性剤であると判定することができる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(1)アルギナーゼ活性化工程
マイクロプレートに、50mM Tris−HCl(pH7.5)及び10mM MnClの混合液を20μLずつマルチピペッターで分注した。続いて、0.1%TritonX100及びProteinase Inhibitor mixtureの混合液を用いて、動物細胞を破砕して、アルギナーゼを含む試料として細胞破砕液を調製した。
続いて、マイクロプレートに、調製した細胞破砕液をマルチピペッターで20μLずつ添加した。続いて、56℃で10分間インキュベートして、アルギナーゼを活性化した。
(2)酵素基質反応工程
続いて、マイクロプレートに、基質として0.5Mアルギニン溶液(pH9.7)を40μLずつマルチピペッターで添加した。37℃で2時間インキュベートし、酵素基質反応を行った。
(3)酵素失活及び尿素検出反応工程
酸混合液(リン酸:濃硫酸:水=1:3:7(体積比))に、1/10量のα−イソニトロソプロピオフェノン(9質量%、100%エタノールに溶解)を添加して、95℃で30分以上加熱溶解し、尿素検出試薬を含む酸性溶液を調製した。続いて、マイクロプレートに、調製した尿素検出試薬を含む酸性溶液をマルチピペッターで180μLずつ添加した。続いて、一晩常温でインキュベートした。続いて、95℃で1時間45分加熱した。続いて、予め、0、5、10、20、40、80、160μg/mLの尿素溶液で検量線を引いたマイクロプレートリーダー(モレキュラーデバイス(Molecular Devices)社製、Spectra Max i3)を用いて、アルギナーゼを含む試料の540nmでの吸光度を測定した。さらに、予めBCA protein assayにより測定した、アルギナーゼを含む試料のタンパク質濃度を用いて、測定値を校正した。結果を図2に示す。
図2中、コントロール(Control)は何も添加していない細胞破砕液を用いて酵素基質反応及び尿素検出反応を行ったもの、ポジティブコントロール(Positive control)はアルギナーゼ活性促進因子を添加した細胞破砕液を用いて酵素基質反応及び尿素検出反応を行ったもの、ネガティブコントロール(Negative control)はアルギナーゼ活性抑制因子を添加した細胞破砕液を用いて酵素基質反応及び尿素検出反応を行ったもの、サンプル(Sample)はアルギナーゼ活性促進因子及びアルギナーゼ活性抑制因子を添加した細胞破砕液を用いて酵素基質反応及び尿素検出反応を行ったものを示す。
[比較例1]
(1)酵素基質反応工程
アルギニンバッファー(BioAssay Systems社製、QuantiChrom(登録商標) Arginase Assay Kit(DARG−200))と、Mn溶液(BioAssay Systems社製、QuantiChrom(登録商標) Arginase Assay Kit(DARG−200))とを4:1で混合し、5倍濃縮の基質バッファーを調製した。続いて、マイクロプレートに、実施例1と同様の方法を用いて調製した細胞破砕液を40μLずつ分注した。続いて、マイクロプレートに、5倍濃縮の基質バッファーを10μLずつ分注した。また、ブランクとして、5倍濃縮の基質バッファーを分注せず細胞破砕液のみを含むウェルも準備した。37℃で2時間インキュベートし、酵素基質反応を行った。
(2)酵素失活及び尿素検出反応工程
A試薬(BioAssay Systems社製、QuantiChrom(登録商標) Arginase Assay Kit(DARG−200))とB試薬(BioAssay Systems社製、QuantiChrom(登録商標) Arginase Assay Kit(DARG−200))とを、1:1で混合し、尿素検出試薬を調製した。続いて、マイクロプレートに、尿素検出試薬を200μLずつ添加して、酵素反応を停止し、尿素検出反応を開始した。このとき、ブランクに5倍濃縮の基質バッファーを10μL添加した。続いて、室温で60分間インキュベートした。続いて、予め、0、5、10、20、40、80、160μg/mLの尿素溶液で検量線を引いたマイクロプレートリーダー(モレキュラーデバイス(Molecular Devices)社製、Spectra Max i3)を用いて、アルギナーゼを含む試料の430nmでの吸光度を測定した。結果を図3に示す。
図3中、コントロール(Control)は何も添加していない細胞破砕液を用いて酵素基質反応及び尿素検出反応を行ったもの、ポジティブコントロール(Positive control)はアルギナーゼ活性促進因子を添加した細胞破砕液を用いて酵素基質反応及び尿素検出反応を行ったもの、ネガティブコントロール(Negative control)はアルギナーゼ活性抑制因子を添加した細胞破砕液を用いて酵素基質反応及び尿素検出反応を行ったもの、サンプル(Sample)はアルギナーゼ活性促進因子及びアルギナーゼ活性抑制因子を添加した細胞破砕液を用いて酵素基質反応及び尿素検出反応を行ったものを示す。
図2及び図3から、ネガティブコントロールのアルギニン活性の測定値に対して、サンプルのアルギニン活性の測定値が、比較例1では2倍であるのに対し、実施例1では5倍と高かった。また、比較例1では、コントロールでのアルギニン活性の測定値と、サンプルでのアルギニン活性の測定値との間に有意差が得られないのに対し、実施例1ではどの条件の間においても有意差が得られた。比較例1に記載のアルギナーゼ活性の測定方法では、経時的に尿素検出試薬が変色し、バックグラウンドが高くなったと推察される。
以上のことから、実施例1に記載のアルギナーゼ活性の測定方法では、バックグラウンドが低く、高感度でアルギナーゼ活性を測定できることが確かめられた。
[実施例2]
(1)尿素溶液の調製
尿素(ナカライテスク社製)を用いて、0、5、10、20、40、80、160μg/mLとなるように尿素溶液を調製した。
(2)尿素検出試薬を含む酸性溶液の調製
酸混合液(リン酸:濃硫酸:水=1:3:7(体積比))に、1/10量のα−イソニトロソプロピオフェノン(9質量%、100%エタノールに溶解)を添加して、95℃で30分以上加熱溶解し、尿素検出試薬を含む酸性溶液を調製した。
(3)尿素検出反応工程
1枚のマイクロプレートに、(1)で調製した異なる濃度の尿素溶液を各20μLずつ、マンガン溶液20μLずつ、アルギニン溶液40μLずつ、各8ウェルずつ(合計56ウェル×1枚)、マルチピペッターで添加した。続いて、マイクロプレートに、(2)で調製した尿素検出試薬を含む酸性溶液を各180μLずつマルチピペッターで添加した。続いて、95℃で2、3、4、5、6、8時間加熱した。続いて、マイクロプレートリーダー(モレキュラーデバイス(Molecular Devices)社製、Spectra Max i3)を用いて、540nmでの吸光度を測定した。結果を表1に示す。
表1において、「mean」はまず0、5、10、20、40、80、160μg/mLの尿素濃度それぞれにおける8ウェルの平均値を算出後、該平均値を標準偏差で割った値(平均値/標準偏差)を算出し、さらに算出された7つの平均値/標準偏差を平均した値を示している。また、「SD」は前記7つの平均値/標準偏差の標準偏差を示す。
また、8時間加熱したマイクロプレート中の溶液の液色を撮影した画像を図4Aに示す。
[比較例2]
(1)尿素溶液の調製
尿素(ナカライテスク社製)を用いて、実施例2の(1)と同様の方法により、0、5、10、20、40、80、160μg/mLとなるように尿素溶液を調製した。
(2)尿素検出反応工程
1枚のマイクロプレートに、(1)で調製した異なる濃度の尿素溶液を各20μLずつ、マンガン溶液20μLずつ、アルギニン溶液40μLずつ、各8ウェルずつ(合計56ウェル×1枚)、マルチピペッターで添加した。続いて、マイクロプレートに、酸混合液(リン酸:濃硫酸:水=1:3:7(体積比))を各162μLずつマルチピペッターで添加した。続いて、尿素検出試薬としてα−イソニトロソプロピオフェノン(9質量%、100%エタノールに溶解)を18μLずつマルチピペッターで添加した。95℃で2、3、4、5、6、8時間加熱した。続いて、マイクロプレートリーダー(モレキュラーデバイス(Molecular Devices)社製、Spectra Max i3)を用いて、540nmでの吸光度を測定した。結果を表1に示す。
また、8時間加熱したマイクロプレート中の溶液の液色を撮影した画像を図4Bに示す。
Figure 0006884705
表1から、実施例2は比較例2に対して、meanの値が小さい傾向であった。一方、比較例2はmeanの値が、加熱時間を通してばらついていた。また、実施例2は比較例2に対して、8時間加熱したものを除いて、SDの値も小さい傾向であった。
以上のことから、本発明の測定方法では、測定値のばらつきを低減できることが明らかとなった。
また、図4A及び図4Bから、実施例2においては、8時間ではほとんど尿素検出試薬の変色が見られないのに対し、比較例2においては、8時間において尿素検出試薬の変色が確認された。これは、比較例2では、尿素検出試薬に含まれるエタノール溶媒が分注作業中に蒸発してしまい、α−イソニトロソプロピオフェノンの濃度が濃くなってしまうのに対し、実施例2では、尿素検出試薬を含む酸性溶液を予め混合した後に分注しており、エタノール溶媒が蒸発することなく次の工程へ進めることができるためであると推察される。
よって、従来の測定方法である比較例2ではバックグラウンドが高いのに対し、本発明の測定方法では、バックグラウンドが低く、アルギナーゼ活性をより正確に検出できることが明らかとなった。
[実施例3]
(1)アルギナーゼ活性化工程
マイクロプレートに、10mM MnCl溶液を20μLずつマルチピペッターで分注した。続いて、0.1%TritonX100及びProteinase Inhibitor mixtureの混合液を用いて、マウスマクロファージであるRAW264細胞を破砕して、アルギナーゼを含む試料として細胞破砕液を調製した。続いて、マイクロプレートに、調製した細胞破砕液をマルチピペッターで20μLずつ添加した。
(2)酵素基質反応工程
続いて、マイクロプレートに、基質として0.5Mアルギニン溶液(pH9.7)を40μLずつマルチピペッターで添加した。37℃で2時間インキュベートし、酵素基質反応を行った。
(3)酵素失活及び尿素検出反応工程
酸混合液(リン酸:濃硫酸:水=1:3:7(体積比))に、1/10量のα−イソニトロソプロピオフェノン(9質量%、100%エタノールに溶解)を添加して、95℃で30分以上加熱溶解し、尿素検出試薬を含む酸性溶液を調製した。続いて、マイクロプレートに、調製した尿素検出試薬を含む酸性溶液をマルチピペッターで180μLずつ添加した。続いて、一晩常温でインキュベートした。続いて、95℃で1時間45分、又は2時間15分加熱した。続いて、予め、0、5、10、20、40、80、160μg/mLの尿素溶液で検量線を引いたマイクロプレートリーダー(モレキュラーデバイス(Molecular Devices)社製、Spectra Max i3)を用いて、アルギナーゼを含む試料の540nmでの吸光度を測定した。さらに、予めBCA protein assayにより測定した、アルギナーゼを含む試料のタンパク質濃度を用いて、測定値を校正した。結果を図5A及び図5Bに示す。
図5A及び図5B中、コントロール(Control)は何も添加していない細胞破砕液を用いて酵素基質反応及び尿素検出反応を行ったもの、ポジティブコントロール(Positive control)はアルギナーゼ活性促進因子としてIL−4を添加した細胞破砕液を用いて酵素基質反応及び尿素検出反応を行ったもの、ネガティブコントロール(Negative control)はアルギナーゼ活性抑制因子としてLipopolysaccharide(LPS)及びINTERFERON γ(IFNγ)を添加した細胞破砕液を用いて酵素基質反応及び尿素検出反応を行ったもの、サンプル(Sample)はアルギナーゼ活性促進因子(IL−4)及びアルギナーゼ活性抑制因子(LPS及びIFNγ)を添加した細胞破砕液を用いて酵素基質反応及び尿素検出反応を行ったものを示す。
[比較例3]
(1)酵素基質反応工程
マイクロプレートに、実施例3と同様の方法を用いて調製した細胞破砕液を20μLずつ、及び酵素基質(L−アルギニン40μL+塩化マンガン20μL)溶液を60μLずつ分注した。また、ブランクとして、酵素基質溶液のみを含むウェルと、塩化マンガンのみ含むウェルも準備した。37℃で60分間インキュベートし、酵素基質反応を行った。
(2)酵素失活及び尿素検出反応工程
続いて、A試薬(1.8M 硫酸中10mM o−フタルジアルデヒド及び0.4% ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル(w/v))とB試薬(3.6M 硫酸中1.3mM プリマキン二リン酸塩、0.4% ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル(w/v)、及び130mM ホウ酸)とを、1:1で混合し、尿素検出試薬を調製した。続いて、マイクロプレートに、A試薬及びB試薬の混合後ただちに尿素検出試薬を180μLずつ添加して、酵素反応を停止し、尿素検出反応を開始した。続いて、室温で10分間、又は120分間静置し、発色させた。続いて、予め、0、5、10、20、40、80、160μg/mLの尿素溶液で検量線を引いたマイクロプレートリーダー(モレキュラーデバイス(Molecular Devices)社製、Spectra Max i3)を用いて、アルギナーゼを含む試料の430nmでの吸光度を測定した。結果を図6A及び図6Bに示す。
図6A及び図6B中、コントロール(Control)は何も添加していない細胞破砕液を用いて酵素基質反応及び尿素検出反応を行ったもの、ポジティブコントロール(Positive control)はアルギナーゼ活性促進因子としてIL−4を添加した細胞破砕液を用いて酵素基質反応及び尿素検出反応を行ったもの、ネガティブコントロール(Negative control)はアルギナーゼ活性抑制因子としてLipopolysaccharide(LPS)及びINTERFERON γ(IFNγ)を添加した細胞破砕液を用いて酵素基質反応及び尿素検出反応を行ったもの、サンプル(Sample)はアルギナーゼ活性促進因子(IL−4)及びアルギナーゼ活性抑制因子(LPS及びIFNγ)を添加した細胞破砕液を用いて酵素基質反応及び尿素検出反応を行ったものを示す。
図5A及び図5Bから、加熱時間が1時間45分である場合と、2時間15分である場合とで、各試料のアルギニン活性の測定値に大きな差はなかった。
また、図6A及び図6Bから、発色時間が10分である場合と、120分である場合とで、各試料のアルギニン活性の測定値に大きな差はなかった。
一方、ネガティブコントロールのアルギニン活性の測定値に対して、サンプルのアルギニン活性の測定値が、比較例3では約2.4〜2.6倍であるのに対し、実施例3では約2.9〜3.3倍と高かった。
また、比較例3でのコントロールでのアルギニン活性の測定値が約75であるのに対し、実施例3でのコントロールでのアルギニン活性の測定値は約29〜37と50以下であった。
このことから、比較例3に記載のアルギナーゼ活性の測定方法では、A試薬及びB試薬の混合直後から反応が進むことで尿素検出試薬が変色し、バックグラウンドが高くなったと推察される。
以上のことから、実施例3に記載のアルギナーゼ活性の測定方法では、一度の測定で多数の試料を測定する等、測定までの試料の待ち時間を要する場合であっても、バックグラウンドが低く、高感度でアルギナーゼ活性を測定できることが確かめられた。
[実施例4]
(1)アルギナーゼ活性化工程
マイクロプレートに、10mM MnCl溶液を20μLずつマルチピペッターで分注した。続いて、0.1%TritonX100及びProteinase Inhibitor mixtureの混合液を用いて、マウスマクロファージであるRAW264細胞を破砕して、アルギナーゼを含む試料として細胞破砕液を調製した。続いて、マイクロプレートに、調製した細胞破砕液をマルチピペッターで20μLずつ添加した。
(2)酵素基質反応工程
続いて、マイクロプレートに、基質として0.5Mアルギニン溶液(pH9.7)を40μLずつマルチピペッターで添加した。37℃で2時間インキュベートし、酵素基質反応を行った。
(3)酵素失活及び尿素検出反応工程
酸混合液(リン酸:濃硫酸:水=1:3:7(体積比))に、1/10量のα−イソニトロソプロピオフェノン(9質量%、100%エタノールに溶解)を添加して、95℃で30分以上加熱溶解し、尿素検出試薬を含む酸性溶液を調製し、24時間室温で保管した。続いて、マイクロプレートに、調製後24時間室温で保管した尿素検出試薬を含む酸性溶液をマルチピペッターで180μLずつ添加した。続いて、一晩常温でインキュベートした。続いて、95℃で1時間45分、又は2時間15分加熱した。続いて、予め、0、5、10、20、40、80、160μg/mLの尿素溶液で検量線を引いたマイクロプレートリーダー(モレキュラーデバイス(Molecular Devices)社製、Spectra Max i3)を用いて、アルギナーゼを含む試料の540nmでの吸光度を測定した。さらに、予めBCA protein assayにより測定した、アルギナーゼを含む試料のタンパク質濃度を用いて、測定値を校正した。結果を図7A及び図7Bに示す。
図7A及び図7B中、コントロール(Control)は何も添加していない細胞破砕液を用いて酵素基質反応及び尿素検出反応を行ったもの、ポジティブコントロール(Positive control)はアルギナーゼ活性促進因子としてIL−4を添加した細胞破砕液を用いて酵素基質反応及び尿素検出反応を行ったもの、ネガティブコントロール(Negative control)はアルギナーゼ活性抑制因子としてLipopolysaccharide(LPS)及びINTERFERON γ(IFNγ)を添加した細胞破砕液を用いて酵素基質反応及び尿素検出反応を行ったもの、サンプル(Sample)はアルギナーゼ活性促進因子(IL−4)及びアルギナーゼ活性抑制因子(LPS及びIFNγ)を添加した細胞破砕液を用いて酵素基質反応及び尿素検出反応を行ったものを示す。
[比較例4]
(1)酵素基質反応工程
マイクロプレートに、実施例3と同様の方法を用いて調製した細胞破砕液を20μLずつ、及び酵素基質(L−アルギニン40μL+塩化マンガン20μL)溶液を60μLずつ分注した。また、ブランクとして、酵素基質溶液のみを含むウェルと、塩化マンガンのみ含むウェルも準備した。37℃で60分間インキュベートし、酵素基質反応を行った。
(2)酵素失活及び尿素検出反応工程
続いて、A試薬(1.8M 硫酸中10mM o−フタルジアルデヒド及び0.4% ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル(w/v))とB試薬(3.6M 硫酸中1.3mM プリマキン二リン酸塩、0.4% ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル(w/v)、及び130mM ホウ酸)とを、1:1で混合し、予め尿素検出試薬を調製し、4℃で24時間保管した。続いて、マイクロプレートに、調製後24時間4℃で保管した尿素検出試薬を180μLずつ添加して、酵素反応を停止し、尿素検出反応を開始した。続いて、室温で10分間、又は120分間静置し、発色させた。続いて、マイクロプレートリーダー(モレキュラーデバイス(Molecular Devices)社製、Spectra Max i3)を用いて、430nmでの吸光度を測定したが、0、5、10、20、40、80、160μg/mLの尿素溶液で検量線を引くことができなかった。
さらに、4種のアルギナーゼを含む試料、すなわち、何も添加していない細胞破砕液を用いて酵素基質反応及び尿素検出反応を行ったもの(コントロール(Control))、アルギナーゼ活性促進因子としてIL−4を添加した細胞破砕液を用いて酵素基質反応及び尿素検出反応を行ったもの(ポジティブコントロール(Positive control))、アルギナーゼ活性抑制因子としてLipopolysaccharide(LPS)及びINTERFERON γ(IFNγ)を添加した細胞破砕液を用いて酵素基質反応及び尿素検出反応を行ったもの(ネガティブコントロール(Negative control))、及びアルギナーゼ活性促進因子(IL−4)及びアルギナーゼ活性抑制因子(LPS及びIFNγ)を添加した細胞破砕液(サンプル(Sample))について吸光度を測定したが、各条件を反映しておらず、比較例3の結果とは全く異なる傾向を示した。
図7A及び図7Bから、加熱時間が1時間45分である場合と、2時間15分である場合とで、各試料のアルギニン活性の測定値に大きな差はなかった。
また、ネガティブコントロールのアルギニン活性の測定値に対して、サンプルのアルギニン活性の測定値は、比較例4では各条件を反映しておらず、比較することができなかったのに対し、実施例4では約3.1〜3.5倍と高かった。
このことから、比較例4に記載のアルギナーゼ活性の測定方法では、A試薬及びB試薬の混合後24時間経過したことにより反応が進んで飽和し、尿素検出試薬としての機能を完全に失ったと推察される。
一方で、データは示さないが、実施例4に記載のアルギナーゼ活性の測定方法では、調製された尿素検出試薬を含む酸性溶液は、保管期間が24時間よりも長期(例えば、数か月程度等)であっても、問題なくアルギナーゼ活性の測定に使用することができる。
以上のことから、実施例4に記載のアルギナーゼ活性の測定方法で用いられる尿素検出試薬を含む酸性溶液は、大量に調製し、長期保存可能であり、長期保存後であっても、バックグラウンドが低く、高感度でアルギナーゼ活性を測定できることが確かめられた。
本発明によれば、高感度且つ簡便にアルギナーゼ活性を測定することができる。
1…アルギナーゼを含む試料、2…2価のカチオンを含む溶液、3…反応容器、4…アルギニン溶液、5…尿素検出試薬を含むpH1.0以上4.0以下の酸性溶液、6…測定装置。

Claims (10)

  1. 反応容器に、アルギナーゼを含む試料と、2価のカチオンを含む溶液とを添加して、アルギナーゼを活性化する工程と、
    活性化されたアルギナーゼを含む試料に、アルギニン溶液を添加し、酵素基質反応を行う工程と、
    酵素基質反応を行った試料に、尿素検出試薬としてα−イソニトロソプロピオフェノンを含む酸性溶液を添加し、酵素の失活及び尿素の検出反応を同時に行う工程と、
    を備えることを特徴とするアルギナーゼ活性の測定方法。
  2. さらに、前記酸性溶液を添加した試料を室温以上100℃以下で30分以上加熱し、尿素の検出反応を促進する工程を備える請求項1記載のアルギナーゼ活性の測定方法。
  3. さらに、試料内のタンパク質濃度を測定し、アルギナーゼ活性の測定値を校正する工程を備える請求項1又は2に記載のアルギナーゼ活性の測定方法。
  4. 前記反応容器がマイクロプレートである請求項1〜のいずれか一項に記載のアルギナーゼ活性の測定方法。
  5. 一度の分析において、多数の試料を測定し得る請求項1〜のいずれか一項に記載のアルギナーゼ活性の測定方法。
  6. 尿素検出試薬としてα−イソニトロソプロピオフェノンを含む酸性溶液を備えることを特徴とするアルギナーゼ活性の検出キット。
  7. アルギニンと、
    2価のカチオンを含む溶液と、
    α−イソニトロソプロピオフェノンを含む酸性水溶液と、
    を備えることを特徴とするアルギナーゼ活性の検出キット。
  8. 前記2価のカチオンがマンガンである請求項に記載のアルギナーゼ活性の検出キット。
  9. アルギニンと、
    2価のカチオンを含む溶液と、
    α−イソニトロソプロピオフェノンを含む酸性水溶液と、
    を備えることを特徴とするアルギナーゼ関連疾患検出キット。
  10. アルギナーゼの阻害剤又は活性剤のスクリーニング方法であって、
    被検物質存在下及び非存在下において、反応容器に、アルギナーゼを含む試料と、2価のカチオンを含む溶液とを添加して、アルギナーゼを活性化する工程と、
    活性化されたアルギナーゼを含む試料に、アルギニン溶液を添加し、酵素基質反応を行う工程と、
    酵素基質反応を行った試料に、尿素検出試薬としてα−イソニトロソプロピオフェノンを含む酸性溶液を添加し、酵素の失活及び尿素の検出反応を同時に行う工程と、
    被検物質の存在下において検出された尿素が、被検物質の非存在下において検出された尿素と比較して低かった場合に、前記被検物質はアルギナーゼの阻害剤であると判定し、
    被検物質の存在下において検出された尿素が、被検物質の非存在下において検出された尿素と比較して高かった場合に、前記被検物質はアルギナーゼの活性剤であると判定する工程と、
    を備えることを特徴とするスクリーニング方法。
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