1.第1実施形態
1−1.カラープリンターの全体構成
本発明の一実施形態に係るカラープリンター1(画像形成装置)の全体的な構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、カラープリンター1を示す概略図(正面図)である。
カラープリンター1は箱型形状のプリンター本体2を備え、プリンター本体2の下部には用紙を収容する給紙カセット3が着脱可能に設けられ、プリンター本体2の上部には排紙トレイ4が設けられる。
プリンター本体2の中央部には、中間転写ベルト6が複数のローラー間に架設され、中間転写ベルト6の下方にはレーザー・スキャニング・ユニット(LSU)で構成される露光装置7が配置される。中間転写ベルト6の下側には4つの画像形成部8がトナー(現像剤)の色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色)ごとに設けられる。各画像形成部8には感光体ドラム9が回転可能に設けられ、感光体ドラム9の周囲には、帯電器10と現像器11と一次転写部12とクリーニング装置13と除電器14とが一次転写のプロセス順に配置される。現像器11の上方には各画像形成部8に対応するトナーコンテナ15がトナーの色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色)ごとに設けられる。
プリンター本体2の一側(図1の右側)に用紙の搬送路16が設けられる。搬送路16の上流端に給紙部17が設けられ、搬送路16の中間部であって中間転写ベルト6の一端に二次転写部18が設けられ、搬送路16の下流部に定着装置19が設けられ、搬送路16の下流端に排紙口20が設けられる。
1−2.画像形成動作の概略
次いで、以上の構成を備えるカラープリンター1の画像形成動作について概略的に説明する。カラープリンター1は、ネットワーク等を介して接続された外部のコンピューター等から画像データが入力され印刷開始の指示がなされると、以下のように画像形成動作を実行する。
まず、帯電器10が感光体ドラム9の表面を帯電させる。露光装置7は、画像データに対応するレーザー光(矢印P)を出射して感光体ドラム9の表面に静電潜像を形成する。現像器11は、トナーコンテナ15から供給されるトナーを用いて、感光体ドラム9上に担持された静電潜像をトナー像に現像する。一次転写部12は、トナー像を中間転写ベルト6の表面に一次転写する。以上の動作を各画像形成部8が順次繰り返すことによって、中間転写ベルト6上にフルカラーのトナー像が形成される。なお、感光体ドラム9上に残留したトナーはクリーニング装置13によって除去され、感光体ドラム9上に残留した電化は除電器14によって除去される。
他方、給紙部17によって給紙カセット3または不図示の手差しトレイから取り出された用紙が、上記した画像形成動作と同期して二次転写部18へと搬送される。二次転写部18は、中間転写ベルト6上のフルカラーのトナー像を用紙に二次転写する。トナー像が二次転写された用紙は、搬送路16の下流側へと搬送されて定着装置19に進入する。定着装置19はトナー像を用紙に定着させ、トナー像が定着した用紙は排紙口20から排紙トレイ4に排出される。
1−3.定着装置の構成
次いで、図2および図3を参照して、第1実施形態の定着装置19の構成について説明する。図2は定着装置19の断面図であり、図3は定着装置19の平面図である。図2における紙面手前側が定着装置19の前側(正面側)であり、図3における紙面手前側が定着装置19の上側である。
図2に示すように、定着装置19は、定着ベルト21(定着部材)と加圧ローラー22(加圧部材)とIH定着ユニット23と支持部材24と押圧パッド25と温度センサー26(温度検出部)と磁気遮蔽板27とガイド板28とを備える。
図2において、定着ベルト21の右側に加圧ローラー22が設けられ、定着ベルト21の左側にIH定着ユニット23が設けられ、定着ベルト21の内側に支持部材24が設けられる。また、定着ベルト21の内側において、支持部材24の右側に押圧パッド25が設けられ、支持部材24の左側に温度センサー26が設けられ、温度センサー26の左側に磁気遮蔽板27が設けられ、磁気遮蔽板27の左側にガイド板28が設けられる。
図2に示される通り、定着ベルト21は無端状のベルトであり、前後方向に長い略円筒状を成している。また、図2に示される通り、定着ベルト21は、正面視で反時計回り方向に回転するように構成される。
定着ベルト21は、例えば、基材層と、基材層の外周に積層される弾性層と、弾性層を被覆する離型層との3層構造を有する。基材層は、例えば、ニッケルや銅などの金属にメッキ処理または圧延処理を施すことによって形成される。弾性層は、例えば、シリコーンゴムによって形成される。離型層は、例えば、PFA等のフッ素系樹脂によって形成される。各図において、定着ベルト21の各層(基材層、弾性層、離型層)は、特に区別されずに表示されている。
図2に示される通り、定着ベルト21の左側部には第1領域R1が形成され、定着ベルト21の下部には第2領域R2が形成される。
図2および図3に示される通り、加圧ローラー22は前後方向に長い略円筒状を成している。図2に示される通り、加圧ローラー22は定着ベルト21に圧接し、定着ベルト21との間に定着ニップ30(加圧領域)を形成する。定着ニップ30の反対側(定着ベルト21の左側)には第1領域R1が形成され、定着ニップ30の回転方向上流側(定着ベルト21の下側)には第2領域R2が形成される。
加圧ローラー22は、例えば、円筒状の芯材31と、芯材31の周囲に積層される弾性層32と、弾性層32を被覆する離型層(不図示)との3層構造を有する。芯材31は、例えば、ステンレスやアルミニウム等の金属によって形成される。弾性層32は、例えば、シリコーンゴムやシリコーンスポンジによって形成される。離型層は、例えば、PFA等のフッ素系樹脂によって形成される。図2に示される通り、加圧ローラー22は、正面視で時計回り方向に回転するように構成される。加圧ローラー22は、駆動モーター73によって回転駆動される。この加圧ローラー22の回転によって、定着ベルト21が従動回転する。
図2に示される通り、IH定着ユニット23は、定着ベルト21の外周に沿って円弧状に設けられるIH(Induction Heating)コイル35(熱源)と、IHコイル35の外周に沿って設けられるアーチコア36とを備える。すなわち、本実施形態の定着装置は、誘導加熱方式(IH方式)を採用している。
IHコイル35は、定着ベルト21の外側に配置される。図2に示される通り、IHコイル35には定着ベルト21の第1領域R1が対向している。IHコイル35が発生させる磁界によって、定着ベルト21の第1領域R1が発熱するように構成される。他方、定着ベルト21の第2領域R2は、IHコイル35には対向しておらずIHコイル35から離間している。
図2に示される通り、支持部材24は、一枚の板金を屈曲させることにより形成され、略矩形の断面形状を有する。支持部材24の下壁部の下面(外面)には、押圧パッド支持板55が固定される。押圧パッド支持板55の右端部は、支持部材24よりも右側に突出する。
図2に示される通り、押圧パッド25は、正面視で略縦長矩形状を成している。押圧パッド25は、前後方向に長い形状を成している。押圧パッド25は、支持部材24の側壁部の右面(外面)に固定されている。押圧パッド25は、支持部材24の側壁部に設けられた突起部41と押圧パッド支持板55とによって上下から挟み込まれている。押圧パッド25の右側面は、定着ベルト21の内周面に接触し、定着ベルト21を加圧ローラー22側(本実施形態では右側)に押圧している。定着ベルト21が回転すると、定着ベルト21が押圧パッド25に対して摺動する。つまり、本実施形態の定着装置19は、「摺動ベルト方式」である。押圧パッド25は、定着ベルト21の内周面の右側部分(定着ニップ30側の部分)にのみ接触している。
図2に示される通り、温度センサー26は、定着ベルト21の内側に配置される。温度センサー26は、ベース部65と、ベース部65に第1端部が取り付けられる板バネ66と、板バネ66の第2端部に取り付けられるスポンジ67(弾性部材)と、スポンジ67に取り付けられるサーミスター68と、を備える。サーミスター68は温度応答性の素子であり、その温度に応じて電気抵抗値が変化する。
温度センサー26のサーミスター68は、定着ベルト21の第2領域R2の内面(内側表面)に接触している。したがって、温度センサー26は、定着ベルト21の第2領域R2の内面の温度(定着ベルト21の内部温度)を検出可能である。温度センサー26のサーミスター68は、定着ニップ30の入り口(定着ニップ30の回転方向の上流側端部)の近傍に配置されている。また、温度センサー26のサーミスター68は、押圧パッド25の近傍に配置されている。
図3に示される通り、温度センサー26のサーミスター68は、定着ベルト21の前後方向(軸方向)の略中央部分の内面に接触している。したがって、温度センサー26は、定着ベルト21の前後方向の中央付近の内部温度を検出可能である。
図2に示される通り、磁気遮蔽板27は、支持部材24の左側を覆う側板60と、側板60の上下両端から右側に向かって屈曲される上下両板61a、61bと、を備える。磁気遮蔽板27は、支持部材24に固定される。磁気遮蔽板27は、例えば、無酸素銅等の非磁性で導電性の高い材料を用いて形成される。磁気遮蔽板27は、IHコイル35が発生させる磁界が支持部材24を貫くのを防止している。
図2に示される通り、ガイド板28は、磁気遮蔽板27を覆うように設けられる。ガイド板28は、例えば、磁性体を用いて形成され、IHコイル35が発生させる磁界の作用によって発熱し、定着ベルト21を加熱する。ガイド板28は、磁気遮蔽板27の上板61aに取り付けられる上側取付部62と、磁気遮蔽板27の下板61bに取り付けられる下側取付部63と、上側取付部62と下側取付部63とを接続し、左側に向かって円弧状に湾曲する湾曲部64と、を備える。湾曲部64は、定着ベルト21の内周面の左側部分に沿って配置され、定着ベルト21を内側からガイド(張架)する。
1−4.制御システム
次いで、図4を参照しながら、定着装置19の制御システムの構成について説明する。
定着装置19には、主としてCPU(Central Processing Unit)によって構成される制御部71が設けられる。制御部71は、ROM、RAM等の記憶装置で構成される記憶部72と接続される。制御部71は、記憶部72に格納された制御プログラムおよび制御用データに基づいて、定着装置19の各部の制御を実行するように構成される。また、記憶部72は、温度センサー26の特性を示すパラメーターを記憶する。パラメーターの詳細については後述される。
制御部71は、温度センサー26と接続される。温度センサー26が定着ベルト21の第2領域R2の温度を検出すると、その検出値を示す信号が制御部71に出力される。
制御部71は、IHコイル35と接続される。制御部71からの信号に基づいてIHコイル35に電力が投入されると、IHコイル35が磁界を発生させ、この磁界の作用によって定着ベルト21の第1領域R1とガイド板28とが発熱するように構成される。すなわち、制御部71は、IHコイル35による定着ベルト21に対する加熱を制御する。
制御部71は駆動モーター73に接続され、駆動モーター73は駆動ギア34を介して加圧ローラー22に接続される。駆動モーター73は、制御部71からの信号に基づいて加圧ローラー22を回転駆動する。
制御部71は、操作パネル74と接続される。操作パネル74がユーザーに操作されることによって種々の指示信号が制御部71に送信される。制御部71は、指示信号に従って種々の制御を実行する。
1−5.温度制御
1−5−1.設計上の温度制御
図5を参照しながら、定着装置19の設計上の温度制御について説明する。ここで、設計上の温度制御とは、各部材の公称値(特に、サーミスター68の公称熱時定数τN)に従って実行される温度制御である。図5において、実線が投入電力Wを示し、一点鎖線が温度センサー26(サーミスター68)が示す温度Tを示す。
図5の期間P50は、定着装置19の立上げ前(温度制御開始前)の期間である。期間P50において、IHコイル35には電力Wが投入されておらず、温度センサー26(サーミスター68)が示す温度Tは初期温度Ti(例えば、常温である25℃)を示す。
カラープリンター1の電源オン等を契機として定着装置19の立上げが開始すると、制御部71は、第1次加熱制御期間である期間P51に遷移する。期間P51において、制御部71は、第1電力W1(例えば、1300W)の電力パルスがIHコイル35に投入されるように制御を実行する。電力パルスが投入されると、IHコイル35が発生させる磁界によって定着ベルト21の第1領域R1が発熱し、温度センサー26(サーミスター68)が示す温度Tは急激に上昇する。温度センサー26が示す温度Tが第2次加熱制御切替温度Tm(例えば、100℃)に達すると、制御部71は、第2次加熱制御期間である期間P52に遷移する。
期間P52において、制御部71は、第1電力W1より低い第2電力W2(例えば、800W)がIHコイル35に投入されるように制御を実行する。期間P52において、温度センサー26(サーミスター68)が示す温度Tは依然として上昇を続けるが、投入電力Wの低下に伴い、温度の上昇率は期間P51よりも低い。温度センサー26が示す温度Tがレディ制御切替温度Tf(例えば、140℃)に達すると、制御部71は、レディ制御期間である期間P53に遷移する。
期間P53において、制御部71は、レディ状態が維持されるようにフィードバック制御を実行する。すなわち、制御部71は、期間P53において、温度センサー26(サーミスター68)が示す温度がレディ温度Tr(例えば、150℃)を維持するように、IHコイル35に投入される投入電力Wを調整し続ける。温度センサー26が示す温度がレディ温度Trで安定すると、定着装置19は定着動作が可能であるレディ状態(稼働準備状態)に遷移する。
1−5−2.サーミスターのばらつきと実際の温度制御
前述の通り、温度センサー26が備えるサーミスター68は温度応答性の素子であり、温度応答性は熱時定数等のパラメーターによって示される。一般的に、サーミスターの周囲温度を初期温度Tiから目標温度Tfに変化させる場合、経過時間t(秒)とサーミスター温度Tとの間に以下の関係式(1)が成立する。式(1)中のτが熱時定数である。
T=(Tf−Ti)(1−exp(−t/τ))+Ti ……(1)
以上の式(1)においてτ=tとすると、以下の式(2)が成立する。
T=(1−e−1)(Tf−Ti)+Ti ……(2)
式(2)から理解されるように、熱時定数τは、サーミスター温度Tが、温度差(T2−T1)に1−e−1(≒0.632)を乗じた温度に到達するまでの時間である。
サーミスターの提供者(メーカー)は、その者が提供するサーミスターの熱時定数τの公称値(公称熱時定数τN)を発表している。一方で、実際のサーミスターが有する熱時定数τは、製造誤差によってばらつきが生じる他、接触具合(接触幅や接触角度)等の使用状況に応じても変化する。そのため、公称熱時定数τNと実際の熱時定数τは、相違することが多い。
本実施形態においては、定着ベルト21の仕様に応じてサーミスター68が定着ベルト21に接触する際の接触幅や接触角度が異なるから、サーミスター68の熱時定数τも変化する。また、サーミスター68の熱時定数τは、定着ベルト21と加圧ローラー22との接触圧にも影響を受ける。
以上のように、サーミスター68の熱時定数τは様々な要因によって変動する。サーミスターの熱時定数τが公称熱時定数τNよりも大きい場合に、図5を参照して前述したのと同様の温度制御を実行すると、加熱時間が過剰となり、安定状態に遷移するまでの時間が設計上の所要時間よりも長くなってしまう。具体的には、図6を参照して以下に説明する通りである。図6において、実線および一点鎖線は、それぞれ、図5で説明した設計上の投入電力Wおよび温度Tを示し、点線および二点鎖線は、それぞれ、実際の投入電力Wおよび温度Tを示す。
図6の期間P60は、定着装置19の立上げ前の期間である。期間P61において定着装置19の立上げが開始すると、制御部71の制御により、第1電力W1の電力パルスがIHコイル35に投入される。図6の例におけるサーミスター68の熱時定数τ(以下、熱時定数τ6と称する)が公称値通りであれば、期間P51と等しい時間長の間、第1電力W1がIHコイル35に投入される。しかしながら、本例の熱時定数τ6は公称熱時定数τNよりも大きいので、温度センサー26(サーミスター68)が示す温度Tが第2次加熱制御切替温度Tmに到達するのに要する時間は、図5の例での所要時間(期間P51の時間長)よりも長い。そのため、期間P51よりも長い期間P61の間、第1電力W1がIHコイル35に投入される。
温度センサー26の示す温度Tが第2次加熱制御切替温度Tmに到達して制御部71が期間P62に遷移すると、制御部71の制御により、第2電力W2がIHコイル35に投入される。上述と同様、温度センサー26が示す温度Tがレディ制御切替温度Tfに到達するのに要する時間は、図5の例での所要時間(期間P52の時間長)よりも長い。そのため、期間P52よりも長い期間P62の間、第2電力W2がIHコイル35に投入される。
上述したように、図6の例では、図5の例の温度制御のケースよりも(換言すると、設計上の好適な加熱時間よりも)長期にわたって定着ベルト21の第1領域R1が加熱される。そのため、設計上必要な投入電力よりも大きな電力が消費されてしまう。また、図5の例と比較して、図6の例(期間P63)では、オーバーシュートした温度Tが冷却されレディ温度Trにて安定するまでにより長い時間を要する。
1−5−3.熱時定数に基づく補正処理を伴う温度制御
以上の事情を鑑み、本実施形態の定着装置19では、上述したサーミスター68の公称熱時定数τNおよびサーミスター68の熱時定数τの実測値である実測熱時定数τAを用いて、実測熱時定数τAに基づいて検出された定着ベルト21の内部温度を、公称熱時定数τNに基づいて検出されるべき温度に補正する。公称熱時定数τNおよび実測熱時定数τAは記憶部72に記憶される、温度センサー26(サーミスター68)の特性を示すパラメーターである。
まず、補正処理を伴う温度制御について図7および図8を用いて説明し、実測熱時定数τAの実測手順(図9)については後述する。図7は本実施形態の立上げ時温度制御処理を表すフローチャートであり、図8は本実施形態の温度制御処理による時系列的な温度変化を示すグラフである。図8において、実線が投入電力Wを示し、点線が補正前の(実測の)内部温度Tを示し、一点鎖線が補正後の内部温度(補正温度T’)を示す。
期間P80は、定着装置19の立上げ前(温度制御開始前)の期間である(図8)。カラープリンター1の電源オン等を契機として定着装置19の立上げ制御が開始すると、制御部71は、第1次加熱制御期間である期間P81に遷移し、図7に示される温度制御処理を開始する。
制御部71は、まず、目標温度Tfを設定して記憶部72に記憶する(ステップS10)。目標温度Tfは、例えば、レディ制御切替温度(例えば、140℃)である。次いで、制御部71は、温度センサー26(サーミスター68)からの出力を読み取って初期温度Tiとして記憶部72に記憶する(ステップS20)。なお、ステップS10とS20とは逆の順序で実行されてもよいし、並列的に実行されてもよい。
次いで、制御部71は、第1次加熱処理を開始する(ステップS30)。より具体的には、制御部71は、第1電力W1(例えば、1300W)の電力パルスがIHコイル35(熱源)に対して投入されるように制御を実行する。
ステップS30の後、第1電力W1の電力パルスの投入が継続している状態において、制御部71は、温度センサー26(サーミスター68)からの出力を読み取って現在の内部温度Tを取得すると共に、第1次加熱開始(電力パルス投入開始)からの経過時間tを不図示のタイマーから取得して、双方を記憶部72に記憶する(ステップS40)。ここで、内部温度Tは、実測熱時定数τAに基づいて検出された温度である。
ステップS40の後、制御部71は、公称熱時定数τNと実測熱時定数τAとを用いて、実測熱時定数τAに基づいて検出された内部温度Tを、公称熱時定数τNに基づいて検出されるべき温度(補正温度T’)に補正する(ステップS50)。ここで、「公称熱時定数τNに基づいて検出されるべき温度」とは、温度センサー26のサーミスター68が公称熱時定数τNを有した場合に検出されるであろう温度のことである。
より具体的には、以下のように補正温度T’が算定される。補正温度T’を得るために内部温度Tに乗じられる補正係数をαとする。
経過時間tにおける内部温度Tは、以下の式(3)のように表される。
T=(Tf−Ti)(1−exp(−t/τA))+Ti ……(3)
他方、公称熱時定数τNを用いた場合の経過時間tにおける理論上(計算上)の検出温度T0は、以下の式(4)のように表される。
T0=(Tf−Ti)(1−exp(−t/τN))+Ti ……(4)
ここで、補正係数αを用いると、T0とTの関係は以下の式(5)のように表される。
T0=α×T ……(5)
式(5)を変形すると、以下の式(6)が得られる。
α=T0/T ……(6)
Tを示す式(3)の右辺の値およびT0を示す式(4)の右辺の各値は全て既知であるから、式(6)によって補正係数αが算定可能である。
以上のようにして得られた補正係数αを用いて、以下の式(7)により補正温度T’が算定される。
T’=α×T ……(7)
ステップS50の後、制御部71は、補正温度T’が第2次加熱制御切替温度Tm(例えば、100℃)に到達したか否かを判定する(ステップS60)。なお、第2次加熱制御切替温度Tmは記憶部72に予め記憶されていてもよいし、ステップS10にて目標温度Tfと共に設定されてもよい。
補正温度T’が第2次加熱制御切替温度Tmに到達していないと判定すると(S60:NO)、制御部71は、タイマーをインクリメントして(t=t+1)、上記のステップS40からステップS60の処理を再度実行する。他方、補正温度T’が第2次加熱制御切替温度Tmに到達したと判定すると(S60:YES)、制御部71は、処理をステップS70に進める。
制御部71は、第2次加熱制御期間である期間P82に遷移し(図8)、第2次加熱処理を開始する(ステップS70)。より具体的には、制御部71は、第1電力W1より低い第2電力W2(例えば、800W)がIHコイル35(熱源)に対して投入されるように制御を実行する。
ステップS70の後、第2電力W2の投入が継続している状態において、ステップS40と同様に、制御部71は、温度センサー26(サーミスター68)からの出力を読み取って現在の内部温度Tを取得すると共に、第1次加熱開始(電力パルス投入開始)からの経過時間tを不図示のタイマーから取得して、双方を記憶部72に記憶する(ステップS80)。
ステップS80の後、制御部71は、ステップS50と同様に式(3)から式(7)に基づいて、公称熱時定数τNと実測熱時定数τAとを用いて、実測熱時定数τAに基づいて検出された内部温度Tを、公称熱時定数τNに基づいて検出されるべき温度(補正温度T’)に補正する(ステップS90)。
ステップS90の後、制御部71は、補正温度T’が目標温度Tf(例えば、レディ制御切替温度)に到達したか否かを判定する(ステップS100)。補正温度T’が目標温度Tfに到達していないと判定すると(S100:NO)、制御部71は、タイマーをインクリメントして(t=t+1)、上記のステップS80からステップS100の処理を再度実行する。他方、補正温度T’が目標温度Tfに到達したと判定すると(S100:YES)、制御部71は、処理をステップS110に進める。
制御部71は、レディ制御期間である期間P83に遷移し、上述した内部温度Tの補正を終了し、レディ状態が維持されるようにフィードバック制御を実行する(ステップS110)。フィードバック制御とは、例えば、温度センサー26(サーミスター68)が示す温度がレディ温度Tr(例えば、150℃)を維持するように、IHコイル35に投入される投入電力Wを調整し続けることである。
以上のように、制御部71は、定着装置19の立上げ制御時において、熱源であるIHコイル35に対して電力パルスの投入が開始されてから、定着装置19による定着動作が可能となるレディ状態(稼働準備状態)が開始するまでの期間(期間P81と期間P82とを併せた期間)に、内部温度Tを補正する。
1−6.定着装置の設定
上述した補正処理を伴う温度制御の実行には、記憶部72に記憶された公称熱時定数τNおよび実測熱時定数τAが用いられる。これらのパラメーターは任意に設定され得る。例えば、公称熱時定数τNは、サーミスター68の製造者から提示される値であるから、定着装置19の製造時もしくは出荷時または定着装置19を組み込んだカラープリンター1の製造時もしくは出荷時に設定されてよい。
他方、実測熱時定数τAは、サーミスター68の熱時定数τを実際に測定して決定される。例えば、定着装置19の製造時もしくは出荷時または定着装置19を組み込んだカラープリンター1の製造時もしくは出荷時に、以下の図9のフローチャートに従って実測熱時定数τAが設定されると好適である。
まず、制御部71は、温度センサー26(サーミスター68)が示す内部温度Tについて、到達すべき目標温度Tfを設定して記憶部72に記憶し(ステップS120)、現在の内部温度Tを検出し初期温度Tiとして記憶部72に記憶する(ステップS130)。なお、ステップS120とS130とは逆の順序で実行されてもよいし、並列的に実行されてもよい。以降の処理において、目標温度Tfと初期温度Tiとの差(Tf−Ti)を上昇温度と称する。
熱時定数τは、サーミスター68の内部温度Tが、初期温度Tfから、上昇温度に(1−e−1)(≒0.632)を乗じた温度Tcに到達するまでの時間tである。以下のステップS140からS180によって熱時定数τが実測される。
制御部71は、IHコイル35による定着ベルト21の加熱を開始する(ステップS140)。より具体的には、制御部71は、所定の電力(例えば、前述した第1次加熱制御時に投入される第1電力W1と同値の電力)がIHコイル35に投入されるように制御を実行する。そして、制御部71は、温度センサー26(サーミスター68)からの出力を読み取って現在の内部温度Tを取得すると共に、加熱開始からの経過時間tを不図示のタイマーから取得して、双方を記憶部72に記憶する(ステップS150)。
ステップS150の後、制御部71は、内部温度Tが、温度Tcに到達したか否かを判定する(ステップS160)。内部温度Tが温度Tcに到達していないと判定すると(S160:NO)、制御部71は、タイマーをインクリメントして(t=t+1)、上記のステップS150とステップS160との処理を再度実行する。以上のステップS150とステップS160とのループが繰り返される間、IHコイル35への投入電力は維持される。他方、内部温度Tが温度Tcに到達したと判定すると(S160:YES)、制御部71は、処理をステップS170に進める。
制御部71は、IHコイル35への電力投入が停止されるように制御を実行する(ステップS170)。そして、制御部71は、記憶部72を参照して、サーミスター68の内部温度Tが初期温度Tiから温度Tcに到達するまでの時間を、実測熱時定数τAとして取得し、記憶部72に記憶させる(ステップS180)。
以上のようにして記憶部72に記憶された実測熱時定数τAが、実際の温度制御(ステップS10からステップS110)に用いられると好適である。なお、以上の実測熱時定数τAの設定は、メンテナンス時にユーザーからの操作パネル74を介した指示に基づいて実行されてもよい。
1−7.本実施形態の効果
以上のように、本実施形態の構成によれば、温度検出部としての温度センサー26によって検出された定着ベルト21の内部温度Tが、温度センサー26の特性を示すパラメーター(公称熱時定数τNおよび実測熱時定数τA)に基づいて適切に補正される。
また、特に、温度センサー26がサーミスター68を有し、サーミスター68が無端状の定着ベルト21の内面に接触して内部温度Tを検出する構成によれば、感度良く内部温度Tを検出することが可能である。
また、特に、公称熱時定数τNと実測熱時定数τAとを用いて、実測熱時定数τAに基づいて検出された内部温度Tが、公称熱時定数τNに基づいて検出されるべき温度に補正される構成によれば、温度センサー26(サーミスター68)の温度応答性のばらつきが補償されるので、温度制御の精度が向上し、エネルギー効率の改善も実現される。
また、特に、定着装置19の立上げ制御時において、電力パルスの投入開始からレディ期間が開始するまでの期間に内部温度Tの補正が実行される構成によれば、熱時定数が電力効率に大きく影響する立上げ時において温度制御の精度が向上し、エネルギー効率の改善も実現される。
また、特に、定着ベルト21をIHコイル35によって加熱する工程と、初期温度Tiにあるサーミスター68が、目標温度Tfと初期温度Tiとの差である上昇温度に(1−e−1)を乗じた温度Tcに到達するまでの時間を、実測熱時定数τAとして取得する工程とを有する設定方法によれば、測定対象であるサーミスター68を実際に加熱して熱時定数を取得するので、より正確な熱時定数が得られ、ひいては温度制御の精度が向上する。
また、以上の本実施形態の構成によれば、上述した定着装置19を備えたカラープリンター1(画像形成装置)が実現される。
2.第2実施形態
次いで、図10から図13を参照して、第2実施形態に係る定着装置19を備えるカラープリンター1について説明する。なお、以下の説明では、第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略することがある。
第1実施形態では、公称熱時定数τNと実測熱時定数τAとが温度センサー26(サーミスター68)の特性を示すパラメーターとして温度制御に用いられる。第2実施形態では、定着ベルト21の内部温度Tと表面温度Tsとの相関関係を示す相関情報Cがパラメーターとして温度制御に用いられる。
2−1.定着装置の構成
図10を参照して、第2実施形態の定着装置89の構成について説明する。図10は定着装置89の断面図である。
図10において、定着ベルト21(定着部材)と加圧ローラー22(加圧部材)とIH定着ユニット23と支持部材24と押圧パッド25と温度センサー26(温度検出部)と磁気遮蔽板27とガイド板28は、第1実施形態(図2)の定着装置19と同様である。
定着装置89は、非接触型温度検出部であるサーモパイル91を備える。図10において、サーモパイル91は定着ベルト21の下側に設けられる。また、サーモパイル91は定着ベルト21の下部に形成される第2領域R2に対向して設けられる。
サーモパイル91は、熱電対を用いて構成され、対向する物体(定着ベルト21)の表面から放射される熱エネルギーを受けて、受けた熱エネルギーに対応する温度を示す信号を出力する要素である。すなわち、サーモパイル91は、定着ベルト21の表面温度Tsを測定可能である。サーモパイル91は制御部71に接続され、サーモパイル91から出力された信号は制御部71に供給される。
2−2.相関情報に基づく補正処理を伴う温度制御
図11を参照して、本実施形態の相関情報Cについて説明する。相関情報Cは記憶部72に記憶されている。相関情報Cは、温度センサー26(サーミスター68)で検出された定着ベルト21の内部温度Tと、サーモパイル91で検出された定着ベルト21の表面温度Tsとの相関を表すテーブルである。制御部71は、相関情報Cを参照することにより、温度センサー26(サーミスター68)の出力から取得された内部温度Tを表面温度Tsに対応する対応温度Tcrに変換することが可能である。つまり、制御部71は、相関情報Cに基づいて内部温度Tを表面温度Tsに対応する対応温度Tcrに補正できる。
図12および図13を参照して、補正処理を伴う温度制御について説明する。図12は本実施形態の温度制御処理を示すフローチャートであり、図13は本実施形態の温度制御処理による時系列的な温度変化を示すグラフである。図13において、実線が内部温度Tを示し、一点鎖線が対応温度Tcrを示し、二点鎖線が表面温度Tsを示す。
制御部71は、まず、目標温度Tfを設定して記憶部72に記憶する(ステップS200)。目標温度Tfは、例えば150℃である。次いで、制御部71は、温度センサー26(サーミスター68)からの出力を読み取って初期温度Tiとして記憶部に記憶する(ステップS210)。なお、ステップS200とS210とは逆の順序で実行されてもよいし、並列的に実行されてもよい。
次いで、制御部71は、IHコイル35による定着ベルト21の加熱を開始する(ステップS220)。より具体的には、制御部71は、所定の電力(例えば、前述した第1次加熱制御時に投入される第1電力W1と同値の電力)がIHコイル35に投入されるように制御を実行する。そして、制御部71は、温度センサー26(サーミスター68)からの出力を読み取って現在の内部温度Tを取得し、サーモパイル91からの出力を読み取って現在の表面温度Tsを取得し、加熱開始からの経過時間tを不図示のタイマーから取得して、以上の値を記憶部72に記憶する(ステップS230)。
ステップS230の後、制御部71は、相関情報Cに基づいて(すなわち、相関情報Cを参照して)、内部温度Tを表面温度Tsに対応する対応温度Tcrに補正する(ステップS240)。
ステップS240の後、制御部71は、対応温度Tcrが目標温度Tfに到達したか否かを判定する(ステップS250)。対応温度Tcrが目標温度Tfに到達していないと判定すると(S250:NO)、制御部71は、タイマーをインクリメントして(t=t+1)、上記のステップS230からステップS250の処理を再度実行する。
他方、対応温度Tcrが目標温度Tfに到達したと判定すると(S250:YES)、制御部71は、IHコイル35への電力投入が停止されるように制御を実行する(ステップS260)。
以上の温度制御は任意のタイミングで実行され得る。例えば、立上げ制御時に以上の温度制御が実行されてもよいし、第1実施形態のレディ状態(稼働準備状態)が開始した後の期間(期間P83)に以上の温度制御が実行されてもよい。
2−3.定着装置の設定
上述した補正処理を伴う温度制御の実行には、記憶部72に記憶された相関情報Cが用いられる。相関情報Cは任意に設定され得る。定着装置89の製造時もしくは出荷時または定着装置89を組み込んだカラープリンター1の製造時もしくは出荷時に設定されてよい。また、以上のタイミングに代えてまたは加えて、カラープリンター1の設置後に相関情報Cが設定されてもよい。相関情報Cは、以下の図14のフローチャートに従って設定されると好適である。
まず、制御部71は、目標温度Tfを設定して記憶部72に記憶する(ステップS270)。そして、制御部71は、IHコイル35による定着ベルト21の加熱を開始する(ステップS280)。
次いで、制御部71は、温度センサー26(サーミスター68)からの出力を読み取って現在の内部温度Tを取得すると共に、サーモパイル91からの出力を読み取って現在の表面温度Tsを取得する。そして、制御部71は、内部温度Tと表面温度Tsとに基づいて対応温度Tcrを決定し、これらの温度値を関連付けて記憶部72内の相関情報Cに記憶する(ステップS290)。
対応温度Tcrは任意の手法によって決定され得る。例えば、標準的な定着ベルトにおける内部温度(標準内部温度)と表面温度(標準表面温度)との組合せを予め記憶部72に記憶しておき、以上の標準値からの乖離を補償するように対応温度Tcrが決定されると好適である。なお、表面温度Tsと対応温度Tcrが等しくてもよい。
ステップS290の後、制御部71は、内部温度Tが目標温度Tfに到達したか否かを判定する(ステップS300)。内部温度Tが目標温度Tfに到達していないと判定すると(S300:NO)、制御部71は、上記のステップS280からステップS300の処理を再度実行する。
他方、内部温度Tが目標温度Tfに到達したと判定すると(S300:YES)、制御部71は、IHコイル35への電力投入が停止されるように制御を実行する(ステップS310)。そして、制御部71は、内部温度T、表面温度Ts、および対応温度Tcrの組合せが複数含まれた相関情報Cを、記憶部72に記憶する(ステップS320)。
2−4.本実施形態の効果
以上のように、本実施形態の構成によれば、温度検出部としての温度センサー26によって検出された定着ベルト21の内部温度Tが、温度センサー26の特性を示すパラメーター(相関情報C)に基づいて適切に補正される。特に、相関情報Cに基づいて内部温度Tを表面温度Tsに対応する対応温度Tcrに補正する構成によれば、定着ベルト21の表面温度Tsに応じた補正がなされるので、温度制御の精度が向上し、エネルギー効率の改善も実現される。
また、特に、レディ状態(稼働準備状態)が開始した後の期間に内部温度Tを補正する構成によれば、立上げ制御後のレディ状態においても精度良く温度制御を実行することが可能である。
また、特に、温度センサー26(サーミスター68)によって内部温度Tを検出するとともに、サーモパイル91によって定着ベルト21に接触せずに表面温度Tsを検出する工程と、検出された内部温度Tと表面温度Tsとを関連付けて相関情報Cとして記憶部72に記憶させる工程とを有する設定方法によれば、より正確な相関情報Cが得られ、ひいては温度制御の精度が向上する。
また、以上の本実施形態の構成によれば、上述した定着装置89を備えたカラープリンター1(画像形成装置)が実現される。
3.変形例
以上の実施形態は多様に変形される。具体的な変形の態様を以下に例示する。以上の実施の形態および以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない限り適宜に併合され得る。
以上の実施形態では、定着部材21の第2領域R2が定着ニップ30の上流側に形成される。他の異なる実施形態では、定着部材21の第2領域R2が定着ニップ30の下流側に形成されてもよい。
以上の実施形態では、IHコイル35が定着ベルト21を加熱する機能を有する。他の異なる実施形態では、ハロゲンヒーター等の放射熱を用いたヒーターによって定着ベルト21を加熱してもよい。すなわち、熱源の種類や配置は、適宜変更することが可能である。なお、熱源としてヒーターを用いる場合には、ガイド板28が定着部材21を加熱する機能を有しなくてもよい。
第2実施形態では、定着装置89がサーモパイル91を備える。他の異なる実施形態では、定着装置89がサーモパイル91を備えず、製造工程において装置外部(製造ライン)に存在するサーモパイルを用いて相関情報Cが取得され、定着装置89の記憶部72に記憶される。
以上の実施形態では、加圧ローラー22に接続される駆動モーター73が加圧ローラー22を回転駆動する。他の異なる実施形態では、駆動モーター73が定着ベルト21に接続され、定着ベルト21を回転駆動してもよい。
本実施形態では、カラープリンター1に本発明の構成を適用する場合について説明したが、他の異なる実施形態では、モノクロプリンター、複写機、ファクシミリ、複合機等の他の画像形成装置に本発明の構成を適用しても良い。