JP6880305B2 - トリフルオロアミンオキシドを効率的に調製する方法及び装置 - Google Patents

トリフルオロアミンオキシドを効率的に調製する方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は、トリフルオロアミンオキシドを効率的に調製する方法及び装置に関する。
半導体製造などの薄膜形成プロセスは、CVD(化学気相蒸着)プロセスとして周知である。CVDチャンバ中で半導体などの薄膜を形成する場合、CVDチャンバ中で、設計領域上又は目的対象物上に薄膜を形成することが好ましいが、薄膜形成材料は、CVDチャンバ中の他の露出表面上に必然的に蒸着される。例えば、材料は、チャンバの内壁表面、製品固定用ジグ及びパイプなどの上に蒸着される恐れがある。さらに、目的物以外の堆積した材料が、蒸着プロセス中に短絡する恐れがある。このような短絡材料又は粒子は、形成される目的物又は製造される目的物の表面に形成された膜を汚染する恐れがある。これらの問題は、蒸着プロセスの品質を低下させ、同様に、製品の総歩留りも低下させる。したがって、適切な期間で、クリーニングプロセスを行い、チャンバ内に蒸着された不必要な蒸着物を除去する。CVDチャンバにおけるこのようなクリーニングプロセスは、手作業によって、又はクリーニングガスを使用することによって行うことができる。
一般に、CVDチャンバのクリーニングガスは、いくつかの基本特性を有する必要がある。クリーニングガスは、CVDチャンバを迅速にクリーニングできるべきである。クリーニングガスは、有害物質を生成すべきではない。さらに、クリーニングガスは、環境にやさしくあるべきである。現在のところ、CF4、C2F6、SF6及び三フッ化窒素などのパーフルオロ化合物が、半導体又は電子デバイスの製造プロセスにおいて、蒸着膜のクリーニングガス又はエッチングガスとして幅広く使用されてきた。特に、三フッ化窒素(NF3)は、世界中で、クリーニングガスとして最も大量に使用されてきた。
このようなパーフルオロ化物質は、安定な物質であるため、これらの物質は、非常に長い時間、大気中に存在することができる。使用した廃ガスは、使用後に分解されないパーフルオロ化物質を高濃度で含有しているため、許容可能な標準値未満となるまでこのような廃ガスを処理し、大気中にそれを放出する必要がある。さらに、これらの従来のパーフルオロ化物質は、非常に高い地球温暖化係数(global warming potential:GWP)値(ITH:100年間、CO2を基準としてCF4:9,200、SF6:23,900、三フッ化窒素:17,200)を有することが知られている。このようなガスは、環境中で相当な負荷となる。したがって、低いGWP値を有し、かつエッチング又はクリーニングプロセスに適切な代替ガスを見出すことが非常に求められている。クリーニングガス又はエッチングガス自体が環境にやさしくても、クリーニングプロセス又はエッチングプロセスの間に分解することがあり、これにより、CF4又は三フッ化窒素などの有害ガスに変わることがある。したがって、ガスが、放出された後に、長時間大気中に残らないことが重要である。
三フッ化窒素(NF3)ガスは、6種の温室ガスの1つである。三フッ化窒素の使用は、それらのガス全てのうちで最も多く、世界中で約50,000トン/年に到達している。三フッ化窒素はまた、高い地球温暖化係数値を示す。これらの理由のため、三フッ化窒素ガスは、地球温暖化ガスの中で、制限されるべき第1の候補のガスと認識されている。一方、三フッ化窒素ガスは、韓国の最大の産業である半導体産業のクリーニングプロセスで必要不可欠に使用されており、韓国企業における製造量は世界で最大である。パリ協定などの温室ガス排出削減に関する国際条約を履行するため、そして同時に、韓国における半導体産業の進歩を継続するため、三フッ化窒素ガスの使用を削減し、代わりに、三フッ化窒素に置き換わる代替物質の開発が緊急に要求されている。
トリフルオロアミンオキシド(F3NO)は、水溶液中で容易に分解し、したがって非常に低いGWPを示すが、クリーニングガスとして良好な質を示すため、代替ガス候補の中で、トリフルオロアミンオキシド(F3NO)は、三フッ化窒素と置き換える有望な候補である。F3NOは、エッチング性能及びクリーニング性能に影響を及ぼす「F」含有量が非常に高い。非分解性のPFC、HFC、三フッ化窒素及びSF6とは異なり、F3NOは、酸性又はアルカリ性水溶液中で容易に分解するため、その地球温暖化係数は0に近いと推定される。未反応の残留F3NOの処理のためのエネルギー消費量及び環境負荷は小さいであろうことも期待される。F3NOが漏出した場合、それは非刺激性である。F3NOは、室温で三フッ化窒素と同様の特性を示す。したがって、F3NOは、第一に考慮される代替ガスとして使用される可能性が非常に高いと考えられる。
代替ガス候補であるトリフルオロアミンオキシド(F3NO)の調製方法は、非常に限定的であることが知られている。
参照文献1(米国特許公開第2003-0143846(A1)号)は、反応器の内部クリーニング用、及びケイ素含有化合物の膜のエッチング用のガス組成物に関連する技術として、F3NOを含むガス組成物を開示している。上記の文献に開示されているF3NOの調製方法によれば、SbF5触媒の存在下、150℃で三フッ化窒素と一酸化二窒素(亜酸化窒素)を反応させることにより、NF2OSb2F11塩を合成し、次に、高温(>200℃)でNF2OSb2F11を熱分解することによりF3NOが合成された。しかし、原料である三フッ化窒素及び一酸化二窒素に対する収率は、わずか20%であり、この文献にはその純度に関しては記載すらされていなかった。この文献中で使用されている別の原料であるSbF5を考慮しても、収率はわずか約33%であった。SbF5/NF3/N2O系を使用することによりF3NOを合成する場合、合成方法は、リスク、収率及びガス純度などの側面で十分に承認されておらず、したがって、その商業化は依然として疑わしい。さらに、同じ反応を使用してバッチ式方法により中間生成物であるNF2O塩を生成する場合、その反応速度は非常に遅いために、少なくとも80時間という長い時間がかかり、したがって、その商業化は非常に困難である。
本発明の態様では、本発明の目的は、原料である三フッ化窒素及び一酸化二窒素をSbF5/NF3/N2O反応系に周期的に添加することで反応時間を大幅に短縮することにより、高い収率及び向上した生産性でトリフルオロアミンオキシド(F3NO)を調製する方法を提供することである。
本発明の別の態様では、本発明の目的はまた、原料である三フッ化窒素及び一酸化二窒素をSbF5/NF3/N2O反応系に周期的に添加することで反応時間を大幅に短縮することにより向上した生産性で、且つ蒸留塔(蒸留カラム)を使用する分離プロセスを導入することにより高い収率及び高い純度で、トリフルオロアミンオキシド(F3NO)を調製するための装置を提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明の態様において、本発明は、
反応触媒の存在下で、三フッ化窒素と一酸化二窒素(亜酸化窒素)を反応させることによって、中間生成物を生成するステップであって、この反応の過程で生成した窒素(N2)を含有する未反応ガスを除去し、代わりに、三フッ化窒素及び一酸化二窒素をさらに注入するステップと、
中間生成物をフッ化ナトリウムと反応させることによって、トリフルオロアミンオキシドを生成するステップと、
を含む、トリフルオロアミンオキシドの調製方法を提供する。
本発明の別の態様では、本発明は:
反応触媒の存在下で、三フッ化窒素と一酸化二窒素との反応により中間生成物を生成するための反応器と、
反応器中で生成した窒素(N2)を含有する反応ガスを収集及び圧縮するための第1のコンプレッサと、
反応ガス中の窒素を除去するための、第1のコンプレッサに接続されている蒸留塔と、
窒素低減反応ガスを収集し、窒素低減反応ガスを反応器に再循環させるための、蒸留塔の底部に位置する第2のコンプレッサと、
を備える、トリフルオロアミンオキシドを調製するための装置を提供する。
さらに、本発明の別の態様では、本発明は、上記の調製方法によって調製されたトリフルオロアミンオキシドを提供する。
本発明の一態様において提供されるトリフルオロアミンオキシドの調製方法は、反応時間の大幅な短縮によって生産性を向上し、同時に蒸留プロセスを導入することによって、これまでに知られているいかなる方法よりも高い収率及び高い純度をもたらすことができる。
本発明の例によるトリフルオロアミンオキシドを調製するための装置の一例を示す模式図である。 実施例1及び比較例1における、トリフルオロアミンオキシドを調製するプロセス中の時間にわたる三フッ化窒素及び一酸化二窒素の転化率を示すグラフである。
以下、本発明を詳細に記載する。
本発明の態様では、本発明は、
反応触媒の存在下で、三フッ化窒素と一酸化二窒素を反応させることによって、中間生成物を生成するステップであって、この反応の過程で生成した窒素(N2)を含有する未反応ガスを除去し、代わりに、三フッ化窒素及び一酸化二窒素をさらに注入するステップと、
中間生成物をフッ化ナトリウムと反応させることによって、トリフルオロアミンオキシドを生成するステップと、
を含む、トリフルオロアミンオキシドの調製方法を提供する。
以下、本発明の態様において提供されるトリフルオロアミンオキシド(F3NO)の調製方法を、ステップごとに詳述する。
最初に、本発明の態様において提供されるトリフルオロアミンオキシドの調製方法は、反応触媒の存在下で、三フッ化窒素と一酸化二窒素を反応させることによって、中間生成物を生成するステップであって、この反応の過程で生成した窒素(N2)を含有する未反応ガスを除去し、代わりに、三フッ化窒素及び一酸化二窒素をさらに注入するステップを含む。
上記の中間生成物を生成するステップは、以下の反応式1若しくは反応式2、又は反応式1及び反応式2に従って行われる。本明細書における反応触媒は、SbF5とすることができる。上記の反応触媒を使用する反応式の例を以下に記載する。
<反応式1>
NF3+N2O+SbF5→NF2OSbF6+N2
<反応式2>
NF3+N2O+2SbF5→NF2OSb2F11+N2
中間生成物を生成するステップにおいて、反応式1及び反応式2の反応が進行し、この反応速度は、反応が進行するにつれて次第に遅くなる。結局、この反応時間は少なくとも80時間まで延びる。上記の問題を克服するために、本発明では、反応式1及び反応式2に示されている中間生成物を生成するステップにおいて生成した窒素(N2)を含有する未反応ガスを除去し、代わりに、純粋な三フッ化窒素及び一酸化二窒素をさらに注入する。それにより、反応時間は、従来技術と比べて少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%短縮され、8〜12時間になり得る。
一例として、中間生成物を生成するステップにおいて、反応触媒の存在下で三フッ化窒素及び一酸化二窒素を添加することにより生成する窒素の濃度、及びこの反応中で消費される三フッ化窒素及び一酸化二窒素の濃度を追跡することができる。各原料ガスの転化率が40%〜90%に到達したときに、窒素を含有する未反応ガスを除去し、純粋な三フッ化窒素及び一酸化二窒素を注入する。
反応中に追跡した三フッ化窒素及び/又は一酸化二窒素を基準とする転化率が、45%〜85%に到達したとき、好ましくは、50%〜85%、より好ましくは65%〜85%、70%〜80%、最も好ましくは50%〜70%に到達したときに、窒素を含有する反応ガスの除去、並びに純粋な三フッ化窒素及び一酸化二窒素の注入を行うことができる。反応の転化率の追跡は、ガスクロマトグラフィーTCD及び5% fluorocol/carbopack Bカラムによって行うことができる。
上記の窒素を含有する反応ガスの除去、並びに純粋な三フッ化窒素及び一酸化二窒素の注入は、ガスクロマトグラフィーによって追跡することができ、さらなる圧力変化がなくなるまで行うことができる。特に、窒素を含有する反応ガスの除去、並びに純粋な三フッ化窒素及び一酸化二窒素の注入は、2〜6回繰り返して、好ましくは3〜5回、及びより好ましくは3〜4回繰り返して行うことができる。3回より多く行う場合、反応の過程で追跡される三フッ化窒素及び/又は一酸化二窒素の転化率が、20%〜45%、好ましくは25%〜40%、より好ましくは30%〜35%に到達したときに、窒素を含有する反応ガスの除去、並びに純粋な三フッ化窒素及び一酸化二窒素の注入の2回目の試みを行うことができる。3回目の試みでは、反応の過程で追跡される三フッ化窒素及び/又は一酸化二窒素の転化率が、2%〜20%、好ましくは3%〜10%、より好ましくは3%〜6%に到達したときに、窒素を含有する反応ガスの除去、並びに純粋な三フッ化窒素及び一酸化二窒素の注入を行うことができる。
中間生成物を生成するステップにおいて、除去される窒素を含有する反応ガスから三フッ化窒素及び一酸化二窒素を分離し、それらを再使用することが好ましい。中間生成物を生成するステップの過程において生成した窒素を含有する反応ガスを蒸留プロセスで処理して窒素を除去することができ、原料である三フッ化窒素及び一酸化二窒素を分離及び再循環させ(再利用し)て、反応中で使用することができる。初期及び残留SbF5を基準とする転化率が、40%〜95%、好ましくは50%〜90%、より好ましくは60%〜85%の場合、再循環を行うことができる。転化率が上記の転化率に到達するためにかかる時間は、わずか2〜3時間に過ぎず、したがって、100%の全転化率を実現するための反応時間を、10時間以内とすることができる。
上記の通り、中間生成物を生成するステップにおいて、生成するN2を除去し、代わりに純粋な三フッ化窒素及び一酸化二窒素、又は反応ガスから分離された三フッ化窒素及び一酸化二窒素をここにさらに添加し、これにより、反応時間を劇的に短縮できる。さらに、等量のトリフルオロアミンオキシドを生成するための反応器のサイズを元の反応器の約1/8〜1/20に縮小することができ、このことは、生産性を向上することができることを示す。
このとき、中間生成物を生成するステップにおいて、反応触媒:三フッ化窒素:一酸化二窒素の反応比は、好ましくは、2 : 1〜10 : 1〜10、より好ましくは2 : 1〜5 : 1〜5、より好ましくは2 : 2〜5 : 2〜5、最も好ましくは2 : 3〜5 : 3〜5である。反応触媒:三フッ化窒素:一酸化二窒素の反応比は、2:1:1のモル比をベースとしており、三フッ化窒素及び一酸化二窒素のモル比を、それぞれ、1〜10とすることができる。反応触媒:三フッ化窒素:一酸化二窒素の反応比が、2:1:1未満である(三フッ化窒素及び一酸化二窒素の比が、それぞれ、1モル比未満である)場合、高吸湿性でかつ発煙性である未反応SbF5などの反応触媒が残留し、この反応触媒がトリフルオロアミンオキシドを生成する反応プロセスにおいて不純物として作用し得、同時に、微粉砕化プロセスの間、熱及び煙の発生により作業が非常に困難になる。反応比が2:10:10を超える(三フッ化窒素及び一酸化二窒素の比が、それぞれ10を超えるモル比である)場合、反応圧力があまりにも高くなり、反応器の製造コスト及び反応中の爆発のリスクが増大する。よって、好ましいモル比は、2:2:2(反応触媒:三フッ化窒素:一酸化二窒素)であり、より好ましい比は、2:1.2:2である。これは、中間生成物であるNF2O塩が生成するとき、反応触媒及び三フッ化窒素(NF3)が塩素化により一次塩を形成し、次いで一酸化二窒素(N2O)と反応するためである。よって、比較的低い反応性を示す一酸化二窒素(N2O)を、わずかに過剰量添加することが好ましい。
中間生成物を生成するステップにおいて、反応は、好ましくは110℃〜150℃の間の温度で、より好ましくは120℃〜150℃の間の温度で、最も好ましくは130℃〜150℃の間の温度で行う。反応温度が、中間生成物であるNF2O塩の融点に近い110℃より低い場合、固体のNF2O塩が沈殿し、それにより撹拌が困難になり、気相中の三フッ化窒素及び一酸化二窒素の吸収が遅くなる。このことは、反応が円滑に進行しないことを示す。反応温度が150℃より高い場合、分解反応が部分的に誘発されるため、原料である三フッ化窒素及び一酸化二窒素が再生成され、又は、NO及びNO2などの副生成物が生成し、収率が低下し得る。反応温度が高すぎる場合、高い圧力が反応器にかかり、これにより、原料である三フッ化窒素及び一酸化二窒素の蒸気圧も上昇する。その上、液体状態で存在する反応触媒の吸収性が低下し、これにより、反応器の生産コストが高くなり、反応速度が低下する。
本発明者らにより提案されている中間生成物を生成するステップである反応式1及び反応式2の反応は、気相-液相反応である。すなわち、従来の研究者によって提案された気体-気体反応とは異なり、本発明の反応は、気相-液相反応であり、この反応において、液相中の中間触媒SbF5が気相中の三フッ化窒素及び一酸化二窒素を吸収し、中和反応を起こす。したがって、反応温度は、好ましくは、SbF5の沸点である149.5℃より低い温度に維持し、また、撹拌を円滑に行うことができる最低限の温度に維持することが重要である。
さらに、中間生成物を生成するステップにおいて、反応は、適切な高圧反応器中で、好ましくは反応器の内径の半分のサイズのアンカー型撹拌用デバイスを備える反応器中で行う。三フッ化窒素及び一酸化二窒素の吸収は反応器中で促進される。撹拌は、好ましくは円滑な反応の進行のため50rpm〜800rpmの回転速度に、より好ましくは100rpm〜500rpmの回転速度に、最も好ましくは200rpm〜400rpmの回転速度に維持する。回転速度が50rpm未満である場合、ガス状物質である三フッ化窒素及び一酸化二窒素の吸収が気相-液相反応の過程であまりにも遅くなり、これにより、反応の進行が遅くなる。このことは、反応器サイズを大きくする必要があること、及び生産性が低下することを示唆している。回転速度が、800rpmを超過する場合、高速撹拌による機械的摩耗が起こることがあり、メンテナンスコストが増大する。
撹拌器の種類としては、グランドシール(grand seal)、メカニカルシール及び磁気ドライブを挙げることができる。しかし、上記の反応が高温高圧反応であることを考慮すると、磁気ドライブがより好ましい。この反応に使用する反応器の材料は、ステンレス鋼、ハステロイ又は合金とすることができる。ステンレス鋼を反応器に使用する場合、使用前にF2ガスを使用して、不動態化を行うことが好ましい。
中間生成物を生成するステップにおいて、三フッ化窒素及び一酸化二窒素は、反応触媒の存在下で、同時に充填することができ、又は三フッ化窒素を最初に反応器に充填し、次に一酸化二窒素をそこに段階的に充填する。一方、反応触媒の存在下で、一酸化二窒素を最初に充填し、次いで三フッ化窒素を段階的に充填する場合、反応があまりに長くかかり、収率が非常に低いことが示唆される。三フッ化窒素を最初に充填し、次に一酸化二窒素を段階的に添加する場合、収率は低い。
中間生成物を生成するステップにおいて、消費されるガス源である三フッ化窒素(NF3)及び一酸化二窒素(N2O)、並びに生じる窒素ガス(N2)をガスクロマトグラフィーにより追跡することによって、反応の進行度を算出することができる。通常、算出の前に標準ガスを用いて較正を行う。
特に、中間生成物を生成するステップにおいて、反応中に、ガスクロマトグラフィーTCD、5% fluorocol/carbopack Bカラム及びモレキュラーシーブキャピラリーカラムからなる群から選択される、少なくとも1つの系を使用することによって、消費される三フッ化窒素及び一酸化二窒素の割合、並びに生成する窒素の比を追跡して分析するプロセスがさらに含まれ得る。
本発明の態様において提供されるトリフルオロアミンオキシドの調製方法は、中間生成物をフッ化ナトリウムと反応させることによって、トリフルオロアミンオキシドを生成するステップを含む。
トリフルオロアミンオキシド(F3NO)を生成するステップは、反応式3若しくは反応式4、又は反応式3及び反応式4の反応によって行うことができる。
<反応式3>
NF2OSbF6+NaF→F3NO+NaSbF6
<反応式4>
NF2OSb2F11+2NaF→F3NO+2NaSbF6
このとき、トリフルオロアミンオキシドを生成するステップにおいて、中間生成物とフッ化ナトリウムの反応比は、好ましくは1 : 1〜4のモル比である。特に、トリフルオロアミンオキシドの生成は、上記の反応式3及び反応式4にしたがって行うことができ、このとき、この反応は、固体-固体反応である。したがって、固体-固体表面接触が、非常に重要である。本発明において提案される反応では、反応生成物NF2O塩とフッ化ナトリウム(NaF)との反応モル比は、フッ化ナトリウムを基準として好ましくは、1.0〜4.0である。フッ化ナトリウムの量が、1.0mol未満である場合、この反応は完了しないことがある。一方、フッ化ナトリウムの量が、4.0molより多い場合、このことは、ここに添加される固体物質の量が増加することを意味し、撹拌に問題が生じ得る。固体-固体反応を活性化するため、NF2O塩及びNaFを均一に混合することが重要である。不十分な撹拌のために、十分に接触できない場合、トリフルオロアミンオキシド(F3NO)は、非常に低い収率でしか得られない。反応物間の接触を活性化するため、反応を誘発させる前に、NF2O塩及びNaFを完全に微粉砕して混合することにより、収率を向上させることができる。より好ましくは、原料を混合し、次いでペレット成形することで、円滑な反応となる。
上記のトリフルオロアミンオキシドを生成するステップにおいて、反応は、好ましくは150℃〜200℃、より好ましくは170℃〜190℃、最も好ましくは180℃〜190℃の温度範囲で行う。反応温度が150℃より低い場合、反応速度が非常に遅く、反応器サイズを大きくしなければならない。反応温度が200℃より高い場合、副生成物が生成する可能性が高い。可能性のある副生成物は、原料から生成しうるNO及びNO2であり得、三フッ化窒素及び一酸化二窒素が原料の可逆反応によって生成し得る。
最終生成物であるF3NOは、高温、高圧及び酸性雰囲気といった条件では安定ではない。したがって、生成後に生成物を直ちに回収することが好ましい。したがって、反応生成物であるF3NOと他の化合物との間の接触を最小限にするため、この熱分解反応は好ましくは真空条件で行う。本明細書における真空条件は、好ましくは最大100mmHgまで、より好ましくは最大10mmHgまで又は1mmHg〜100mmHg、最も好ましくは1mmHg〜10mmHgである。圧力条件が上記の範囲外である場合、収率及び純度がどちらも低くなるだろう。
さらに、トリフルオロアミンオキシドを生成するステップにおいて、反応の進行度を、消費される原料ガスをガスクロマトグラフィーによって追跡することにより算出することができる。通常、算出の前に標準ガスを用いて較正を行う。
特に、トリフルオロアミンオキシドを生成するステップにおいて、反応中に、ガスクロマトグラフィーTCD、5% fluorocol/carbopack Bカラム及びモレキュラーシーブキャピラリーカラムからなる群から選択される少なくとも1つの系を使用することによって、生成したF3NOと副生成物(三フッ化窒素、一酸化二窒素及び窒素)の比を追跡して分析するプロセスがさらに含まれ得る。
本発明の別の態様では、本発明は、
反応触媒の存在下で、三フッ化窒素と一酸化二窒素との反応により中間生成物を生成するための反応器(10)と、
反応器中で生成した窒素(N2)を含有する反応ガスを収集及び圧縮するための第1のコンプレッサ(20)と、
反応ガス中の窒素を除去するための、第1のコンプレッサに接続されている蒸留塔(30)と、
窒素低減反応ガスを収集し、窒素低減反応ガスを反応器に再循環させるための、蒸留塔の底部に位置する第2のコンプレッサ(40)と、
を備える、トリフルオロアミンオキシドを調製するための装置(100)を提供する。
このとき、本発明の好ましい実施形態で提供されているトリフルオロアミンオキシドを調製するための装置(100)の一例が、図1に提示されている。
以下、本発明の好ましい実施形態において提供されるトリフルオロアミンオキシドを調製するための装置(100)を、図1の模式図を参照してより詳細に記述する。
本発明の一例によるトリフルオロアミンオキシドを調製するための装置(100)は、原料である三フッ化窒素及び一酸化二窒素が、反応式1及び反応式2により行われる反応のために周期的に充填されて、トリフルオロアミンオキシドを調製する、デバイスである。
トリフルオロアミンオキシドを調製するための装置(100)は、反応触媒の存在下での三フッ化窒素及び一酸化二窒素の反応によって中間生成物を調製することができる反応器(10)を備える。
反応器(10)は、当分野で一般に使用される適切な高圧反応器、好ましくは反応器の内径の半分のサイズのアンカー型撹拌器を備える反応器とすることができる。撹拌器の種類としては、グランドシール、メカニカルシール及び磁気ドライブを挙げることができる。しかし、トリフルオロアミンオキシドを調製する過程で中間生成物を生成する反応が高温高圧反応であることを考慮すると、磁気ドライブがより好ましい。反応器の材料は、ステンレス鋼、ハステロイ又は合金とすることができる。
トリフルオロアミンオキシドを調製するための装置(100)は、第1のコンプレッサ(20)、蒸留塔(30)及び第2のコンプレッサ(40)を備え、第1のコンプレッサは、反応器(10)中で生成する窒素(N2)を含有する反応ガスを収集及び圧縮するためのものであり、蒸留塔は第1のコンプレッサに接続されており、反応ガスから窒素を除去するためのものであり、第2のコンプレッサは、窒素低減反応ガスを収集し、窒素低減反応ガスを反応器に再循環させるために、蒸留塔の底部に据え付けられている。窒素低減反応ガスは、三フッ化窒素及び一酸化二窒素を含むことができる。
トリフルオロアミンオキシドを調製するための装置(100)では、三フッ化窒素及び一酸化二窒素を再循環させるプロセスを、反応器(10)に接続されている第1のコンプレッサ(20)、第1のコンプレッサに接続されている蒸留塔(30)、及び蒸留塔の底部に接続されている第2のコンプレッサ(40)により行うことができる。第2のコンプレッサは、反応器に三フッ化窒素及び一酸化二窒素を供給するための再循環(リサイクル)ライン(41)を含むことができる。
トリフルオロアミンオキシドを調製するための装置(100)は、反応器(10)にトリフルオロアミンオキシドを供給するための第1の供給ユニット(50)、反応器に一酸化二窒素を供給するための第2の供給ユニット(60)を備える。第1の供給ユニット及び第2の供給ユニットは、反応器に原料を供給するための再循環ライン(41)に接続されている。
上記のトリフルオロアミンオキシドを調製するための装置(100)を使用してトリフルオロアミンオキシドを調製する場合、原料である三フッ化窒素及び一酸化二窒素をSbF5/NF3/N2O反応系に周期的に添加することにより反応時間を大幅に短縮させ、それにより生産性を向上させながら、並びに蒸留塔を使用する分離プロセスを導入することにより、高い収率及び高い純度を伴いながら、トリフルオロアミンオキシド(F3NO)を調製することができる。
さらに、本発明の別の態様では、本発明は、上記の調製方法によって調製されたトリフルオロアミンオキシドを提供する。
本発明によるトリフルオロアミンオキシドは、優れた純度を有しており、したがって、商業的に使用することができる。
実践的かつ現在のところ好ましい本発明の実施形態は、以下の実施例に示されている通りに例示される。
しかし、当業者は、本開示を考慮して、本発明の趣旨及び範囲内で改変及び改良を行い得ることが理解されよう。
[実施例1]
ステップ1:磁気ドライブ、アンカー型撹拌器及びジャケットを備えたステンレス鋼製の1L高圧反応器中に200g(0.92gmol)の五フッ化アンチモン(SbF5)を置き、F2ガスで内側を不動態化した。130.6g(1.84gmol)の三フッ化窒素(NF3)及び80.96g(1.84gmol)の一酸化二窒素(N2O)をここにMFCを通して添加し、この反応器をしっかりと封止した。撹拌速度を200rpmに維持し、反応温度を150℃まで上げた。
反応の転化率などの反応の進行度を、ガスクロマトグラフィーTCD及び5% fluorocol/carbopack Bカラムを使用して、反応中に生成するN2、並びに消費される三フッ化窒素及び一酸化二窒素を追跡することによりモニタリングした。三フッ化窒素及び一酸化二窒素を基準とする五フッ化アンチモンの平均転化率が、70%〜80%に到達したときに、反応ガスN2/NF3/N2Oを除去し、ここに純粋な三フッ化窒素及び一酸化二窒素を注入した。ガスの排出及び新しい純粋なガスの注入を、ガスクロマトグラフィーによって追跡し、さらなる圧力変化が観察されなくなるまで、3〜4回繰り返した。最終転化率は、SbF5を基準として106%であり、合計の反応時間は8.5時間であった。調製した反応生成物であるN2FO塩は、225.7gであり、反応式2によって表される反応に基づく反応収率は、反応触媒SbF5基準で94%であった。
ステップ1のNF2O塩の反応から回収された反応ガス(又は廃ガス)は、32%のN2、67%の三フッ化窒素及び一酸化二窒素、並びに1%の他の不純物から構成されていた。回収された反応ガスは、全還流条件下で、カラム数40、頂部温度-50℃及び蒸留塔操作圧15atmの蒸留塔で処理した。これにより、反応の過程で生成したN2を上部で除去し、三フッ化窒素及び一酸化二窒素を再循環のために底部において99%純度で収集した。
ステップ2:上記のステップ1で使用した反応器を分解して開き、反応生成物であるNF2O塩を回収した。反応生成物を154.5g(3.68gmol)のフッ化ナトリウム(NaF)と混合して微粉砕し、反応器に充填した。封止後、反応器に接続した凝縮器を含む系全体を10mmHg以下まで排気し、次いで、再度封止した。温度を180℃まで上げて、次いで24時間熱分解した。その結果、トリフルオロアミンオキシド(F3NO)が得られた。
生成したF3NO、並びに副生成物である三フッ化窒素、一酸化二窒素及び一酸化窒素ガスを、ガスクロマトグラフィーTCD、5% fluorocol/carbopack Bカラム及びモレキュラーシーブキャピラリーカラムを使用することにより分析した。回収した容器の体積及び圧力を測定し、反応触媒SbF5を基準とする最終収率は、65.23%であった。反応結果をガスクロマトグラフィーによって分析した。純度は、94%より高かった。
[比較例1]
ステップ1:磁気ドライブ、アンカー型撹拌器及びジャケットを備えたステンレス鋼製の1L高圧反応器中に200g(0.92gmol)の五フッ化アンチモン(SbF5)を置き、F2ガスで内側を不動態化し、ここに、MFCを通して130.6g(1.84gmol)の三フッ化窒素(NF3)を添加した。この後、80.96g(1.84gmol)の一酸化二窒素(N2O)を添加し、反応器を封止した。撹拌速度を200rpmに維持し、反応温度を150℃まで上げた。
反応の転化率などの反応の進行度を、ガスクロマトグラフィーTCD及び5% fluorocol/carbopack Bカラムを使用して、反応中に生成するN2、並びに消費される三フッ化窒素及び一酸化二窒素を追跡することによりモニタリングした。合計の反応時間は100時間であり、最終転化率は三フッ化窒素を基準として104%であり、一酸化二窒素を基準として106%であった。反応の過程で消費されたガス及び生成したガス(N2)は、MSによって確認したところ、予期したものと同一物質であった。生成した反応生成物であるN2FO塩の量は220.9gであり、したがって、反応式2によって表される反応に基づく反応収率は、反応触媒SbF5基準で92%であった。
ステップ2:上記のステップ1で使用した反応器を分解して開き、反応生成物であるNF2O塩を回収した。反応生成物を154.5g(3.68gmol)のフッ化ナトリウム(NaF)と混合して微粉砕し、反応器に充填した。封止後、反応器に接続した凝縮器を含む系全体を10mmHg以下まで排気し、次いで、再度封止した。温度を180℃まで上げて、次いで24時間熱分解した。その結果、トリフルオロアミンオキシド(F3NO)が得られた。
生成したF3NO、並びに副生成物である三フッ化窒素、一酸化二窒素及び一酸化窒素ガスを、ガスクロマトグラフィーTCD、5% fluorocol/carbopack Bカラム及びモレキュラーシーブキャピラリーカラムを使用することにより分析した。回収した容器の体積及び圧力を測定し、反応触媒SbF5を基準とする最終収率は、60.56%であった。反応結果をガスクロマトグラフィーによって分析した。純度は、94%より高かった。
図2は、実施例1及び比較例1における、トリフルオロアミンオキシドを調製するプロセス中の時間にわたる三フッ化窒素及び一酸化二窒素の転化率を示すグラフである。図2中の三フッ化窒素の転化率の定義は、以下の通りである:
NF3転化率[%]=(反応したNF3mol/未反応NF3mol+生成したN2mol)×100
本発明者らは、原料ガスを分割注入することにより、反応時間を短縮しようと試みた。原料ガスを、従来の供給物の体積の半分だけ供給し、代わりに、量を分割して、3〜4回、段階的に供給した。次に、反応が終了するまで、この反応を追跡した。その結果、反応時間の劇的な短縮が達成された。この反応を、原料の最初の注入の後3時間維持し、次に、弁を開いて、未反応ガス及び生成ガスを排出した。4回目の注入の後、注入/排出の繰り返しによる反応が終了したことを確認した。これは、反応開始後、12時間であった。したがって、反応時間は、従来の反応時間(100%)基準で88%短縮した。原料をより多く使用したが、原料は精製/分離プロセスで再循環させることになっているため、大きな問題ではなかった。
したがって、本発明の態様において提供されるトリフルオロアミンオキシドを調製する方法は、これまでに知られているいかなる方法よりも高い収率及び高い純度を示すことが確認された。
本発明の態様として、例えば以下を挙げることができる。
[項1]
反応触媒の存在下で、三フッ化窒素と一酸化二窒素を反応させることによって、中間生成物を生成するステップであって、この反応の過程で生成した窒素(N 2 )を含有する未反応ガスを除去し、代わりに、三フッ化窒素及び一酸化二窒素をさらに注入するステップと、
中間生成物をフッ化ナトリウムと反応させることによって、トリフルオロアミンオキシドを生成するステップと、
を含む、トリフルオロアミンオキシドの調製方法。
[項2]
中間生成物を生成するステップが、除去される窒素を含有する未反応ガスから分離した三フッ化窒素及び一酸化二窒素を再使用することを特徴とする、項1に記載のトリフルオロアミンオキシドの調製方法。
[項3]
中間生成物を生成するステップが、反応中に生成した窒素(N 2 )を含有する未反応ガスを除去すること、並びに代わりに三フッ化窒素及び一酸化二窒素をさらに注入することから構成される反応プロセスを繰り返すことを特徴とする、項1に記載のトリフルオロアミンオキシドの調製方法。
[項4]
中間生成物を生成するステップにおける反応が、110℃〜150℃の温度範囲で行われる、項1に記載のトリフルオロアミンオキシドの調製方法。
[項5]
中間生成物を生成するステップにおける反応が、50〜800rpmの回転速度で撹拌しながら行われる、項1に記載のトリフルオロアミンオキシドの調製方法。
[項6]
中間生成物を生成するステップにおける反応が、最大100mmHgまでの真空条件で行われる、項1に記載のトリフルオロアミンオキシドの調製方法。
[項7]
中間生成物を生成するステップにおいて、中間生成物とフッ化ナトリウムとの反応比が、1 : 1〜4のモル比である、項1に記載のトリフルオロアミンオキシドの調製方法。
[項8]
トリフルオロアミンオキシドを生成するステップにおける反応が、150℃〜200℃の温度範囲で行われる、項1に記載のトリフルオロアミンオキシドの調製方法。
[項9]
反応触媒の存在下で、三フッ化窒素と一酸化二窒素との反応により中間生成物を生成するための反応器と、
反応器中で生成した窒素(N 2 )を含有する未反応ガスを収集及び圧縮するための第1のコンプレッサと、
未反応ガス中の窒素を除去するための、第1のコンプレッサに接続されている蒸留塔と、
窒素低減未反応ガスを収集し、窒素低減未反応ガスを反応器に再循環させるための、蒸留塔の底部に位置する第2のコンプレッサと、
を備える、トリフルオロアミンオキシドを調製するための装置。
[項10]
反応器にトリフルオロアミンオキシドを供給するための第1の供給ユニット、及び反応器に一酸化二窒素を供給するための第2の供給ユニットから構成される、項9に記載のトリフルオロアミンオキシドを調製するための装置。
[項11]
窒素低減未反応ガスが、三フッ化窒素及び一酸化二窒素を含有する、項9に記載のトリフルオロアミンオキシドを調製するための装置。
100 トリフルオロアミンオキシドを調製するための装置
10 反応器
20 第1のコンプレッサ
30 蒸留塔
40 第2のコンプレッサ
41 再循環ライン
50 第1の供給ユニット
60 第2の供給ユニット

Claims (10)

  1. 反応触媒の存在下で、三フッ化窒素と一酸化二窒素を反応させることによって、中間生成物を生成するステップであって、この反応の過程で生成した窒素(N2)を含有する未反応ガスを除去し、代わりに、三フッ化窒素及び一酸化二窒素をさらに注入するステップと、
    中間生成物をフッ化ナトリウムと反応させることによって、トリフルオロアミンオキシドを生成するステップと、
    を含む、トリフルオロアミンオキシドの調製方法であって、
    反応触媒が、SbF 5 である、方法
  2. 中間生成物を生成するステップが、除去される窒素を含有する未反応ガスから分離した三フッ化窒素及び一酸化二窒素を再使用することを特徴とする、請求項1に記載のトリフルオロアミンオキシドの調製方法。
  3. 中間生成物を生成するステップが、反応中に生成した窒素(N2)を含有する未反応ガスを除去すること、並びに代わりに三フッ化窒素及び一酸化二窒素をさらに注入することから構成される反応プロセスを繰り返すことを特徴とする、請求項1に記載のトリフルオロアミンオキシドの調製方法。
  4. 中間生成物を生成するステップにおける反応が、110℃〜150℃の温度範囲で行われる、請求項1に記載のトリフルオロアミンオキシドの調製方法。
  5. 中間生成物を生成するステップにおける反応が、50〜800rpmの回転速度で撹拌しながら行われる、請求項1に記載のトリフルオロアミンオキシドの調製方法。
  6. 中間生成物を生成するステップにおける反応が、最大100mmHgまでの真空条件で行われる、請求項1に記載のトリフルオロアミンオキシドの調製方法。
  7. 中間生成物を生成するステップにおいて、中間生成物とフッ化ナトリウムとの反応比が、1 : 1〜4のモル比である、請求項1に記載のトリフルオロアミンオキシドの調製方法。
  8. トリフルオロアミンオキシドを生成するステップにおける反応が、150℃〜200℃の温度範囲で行われる、請求項1に記載のトリフルオロアミンオキシドの調製方法。
  9. 反応触媒の存在下で、三フッ化窒素と一酸化二窒素との反応により中間生成物を生成するための反応器と、
    反応器中で生成した窒素(N2)を含有する未反応ガスを収集及び圧縮するための第1のコンプレッサと、
    未反応ガス中の窒素を除去するための、第1のコンプレッサに接続されている蒸留塔と、
    窒素低減未反応ガスを収集し、窒素低減未反応ガスを反応器に再循環させるための、蒸留塔の底部に位置する第2のコンプレッサと、
    を備える、トリフルオロアミンオキシドを調製するための装置であって、
    反応触媒が、SbF 5 であり、
    窒素低減未反応ガスが、三フッ化窒素及び一酸化二窒素を含有する、装置
  10. 反応器にトリフルオロアミンオキシドを供給するための第1の供給ユニット、及び反応器に一酸化二窒素を供給するための第2の供給ユニットから構成される、請求項9に記載のトリフルオロアミンオキシドを調製するための装置。
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