JP6878814B2 - 現像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、現像ローラの軸線方向の端部に接触するサイドシールを備えた現像装置に関する。
従来、現像装置として、トナーが収容される筐体と、筐体に回転可能に保持される現像ローラと、現像ローラに接する層厚規制ブレードと、筐体と現像ローラの端部との間に配置されるサイドシールとを備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この現像装置では、層厚規制ブレードが、板金からなるブレード本体と、ブレード本体から突出し、現像ローラに接触するブレードゴム部とを有している。ブレードゴム部には、凹形状の切欠部が形成されている。
サイドシールは、ブレード本体の端部と筐体との間に配置されている。サイドシールは、現像ローラの周面と接触する表層と、当該表層と筐体との間に配置される基層とを有している。基層は、表層よりも現像ローラの軸線方向内側に突出する突出部を有している。突出部は、現像ローラの回転方向において、ブレードゴム部の切欠部の上流側に配置されている。
特開2015−108800号公報
ところで、本願出願人は、潤滑剤を表層に塗布し、表層に塗布した潤滑剤を、現像ローラの回転に応じて軸線方向内側の突出部上に移動させる技術を考案している。この技術では、突出部上において潤滑剤とトナーが混合されることで、突出部上に混合物が生成されるので、この混合物でトナー漏れを抑えることが可能となっている。
この技術では、現像ローラの回転方向から見たときの切欠部と突出部との重なり量が大きいほど、混合物の大きさが大きくなる傾向がある。しかしながら、混合物の大きさが大きすぎると、切欠部周辺でのトナーの流動性が悪くなるおそれがあった。また、逆に、混合物の大きさが小さすぎると、混合物によってトナー漏れを良好に抑えることができなくなるおそれがあった。そのため、この技術では、突出部を軸線方向に精度よく位置決めする必要があった。
そこで、本発明は、突出部上で生成される潤滑剤とトナーの混合物の量を適正な量にして、切欠部付近でのトナーの流動性の向上とトナー漏れ抑制の両立を図ることを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る現像装置は、筐体と、回転可能な現像ローラと、前記現像ローラの周面に接触するブレードゴム部と、前記ブレードゴム部を支持するブレード本体と、を有する層厚規制ブレードと、前記現像ローラの軸線方向の端部において前記現像ローラの周面に接触するように前記筐体と前記現像ローラとの間に配置されるサイドシールと、を備える。
前記ブレードゴム部は、前記軸線方向の端部に切欠部を有する。
前記サイドシールは、潤滑剤が塗布され、かつ、前記現像ローラの周面と接触する表層と、前記表層と前記筐体との間に配置される基層と、前記表層を前記基層に接着させる接着層と、を有する。
前記基層は、前記接着層よりも前記軸線方向内側に突出する突出部であって、前記切欠部よりも前記現像ローラの回転方向上流側で、かつ、前記軸線方向において前記切欠部の範囲内に位置する部分を有する突出部を有する。
前記筐体は、前記突出部の前記軸線方向内側の面に接触する突起を有する。
この構成によれば、基層の突出部の位置を突起で正確に位置決めすることで、突出部が切欠部に重なる量を正確に管理することができるので、突出部上で生成される潤滑剤とトナーの混合物の量を適正な量にして、切欠部付近でのトナーの流動性の向上とトナー漏れ抑制の両立を図ることができる。
本発明によれば、突出部上で生成される潤滑剤とトナーの混合物の量を適正な量にして、切欠部付近でのトナーの流動性の向上とトナー漏れ抑制の両立を図ることができる。
本発明の一実施形態に係る現像装置を示す断面図である。 現像装置を分解して示す斜視図である。 サイドシールを分解して示す斜視図である。 表層を示す平面図(a)と、サイドシール付近の構造を示す断面図(b)である。 筐体に各部材を組み付けていく過程におけるサイドシールとその周囲の部材との関係を簡略的に示す図(a)〜(c)である。 供給ローラ等を組み付ける前の状態の筐体を開口側から見た正面図(a)と斜視図(b)である。 筐体にサイドシールを取り付けた状態を示す正面図(a)と斜視図(b)である。 筐体にブレード裏シールを貼り付けた状態を示す正面図(a)と斜視図(b)である。 筐体に層厚規制ブレード等を組み付けた状態を示す正面図である。
本発明の一実施形態に係る現像装置ついて、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、現像装置28は、プリンタ等の画像形成装置に使用されるものである。現像装置28は、回転可能な現像ローラ31と、層厚規制ブレード100と、回転可能な供給ローラ33と、トナー収容室34と、回転可能なアジテータ34Aとを備えている。供給ローラ33は、現像ローラ31と接触している。
この現像装置28では、トナー収容室34内に収容されたトナーが、アジテータ34Aで攪拌された後、供給ローラ33により現像ローラ31に供給される。この際、トナーは、供給ローラ33と現像ローラ31との間で正に摩擦帯電される。現像ローラ31上に供給されたトナーは、現像ローラ31の回転に伴って、層厚規制ブレード100と現像ローラ31との間に進入する。これにより、トナーは、層厚規制ブレード100と現像ローラ31との間でさらに摩擦帯電される。また、現像ローラ31上のトナーは、層厚規制ブレード100によって一定厚さの薄層に規制される。
本実施形態におけるトナーは、正帯電非磁性1成分トナーであり、懸濁重合法によって球状に形成したスチレンーアクリル系樹脂に、カーボンブラック等の周知の着色剤および4級アンモニウム塩等の荷電制御性を添加されている。トナー母粒子は、平均粒径が4μm〜10μmであり、表面にシリカを外添剤として添加されている。なお、トナーとしては、前述した種類のトナーに限定されず、例えば負帯電性のトナーを用いてもよい。
次に、現像装置28の詳細構造について説明する。
なお、現像装置28は、現像ローラ31の軸線方向において略対称な構造であるため、、以降参照する図では、現像ローラ31の軸線方向の一端側の部位のみを示し、他端側の部位は省略することとする。
図2に示すように、現像装置28は、前述した現像ローラ31等を備える他、トナーを収容するための筐体50と、現像ローラ31の軸線方向の端部と接触するサイドシール200と、層厚規制ブレード100と筐体50との間に配置されるブレード裏シール36とを備えている。なお、本実施形態においては、現像ローラ31は、図2に示した矢印の向き、すなわち、現像ローラ31の周面がサイドシール200の表面を、層厚規制ブレード100から遠い側から近い側に擦る向きで回転するように設けられている。以下の説明では、現像ローラ31の回転方向を単に「回転方向」とも言う。
現像ローラ31は、円筒状のローラ部31Aと、ローラ部31Aを支持する軸部31Bとを有している。ローラ部31Aは、弾性を有している。ローラ部31Aは、その周面でトナーを担持する。軸部31Bは、ローラ部31A内を貫通する。軸部31Bは、ローラ部31Aよりも現像ローラ31の軸線方向外側に突出している。
筐体50は、現像ローラ31の軸部31Bを回転可能に支持する軸受部51と、内部のトナー収容室34から現像ローラ31にトナーを供給するための開口52と、サイドシール200が配置される配置面53と、サイドシール200の後述する突出部222の位置を規制する突起54とを有している。軸受部51は、筐体50の側壁56に形成されている。
開口52は、軸線方向に長い矩形の孔である。開口52の短手方向の一端側、詳しくは図示上側には、ブレード裏シール36および層厚規制ブレード100が配置されている。また、開口52内には、供給ローラ33が配置されている。供給ローラ33は、開口52の短手方向の他端側、詳しくは図示下側に寄せて配置されている。
なお、以下の説明では、開口52の短手方向が図面の上下方向に対応していることから、短手方向を「上下方向」とも言う。また、短手方向の一端側を「上側」、短手方向の他端側を「下側」とも言う。また、現像ローラ31の軸線方向が図面の左右方向に対応していることから、軸線方向を「左右方向」とも言う。また、軸線方向の一端側を「左側」、軸線方向の他端側を「右側」とも言う。さらに、短手方向と軸線方向に直交する直交方向を「前後方向」とも言う。そして、前後方向の一端側、詳しくは開口52に対して現像ローラ31が配置される側を「前側」、前後方向の他端側、詳しくは開口52に対してアジテータ34Aが配置される側を「後側」とも言う。
ブレード裏シール36は、スポンジなどの弾性部材からなる。ブレード裏シール36は、左右方向に長い長尺状の部材である。ブレード裏シール36は、左右方向において開口52よりも大きい。ブレード裏シール36は、開口52の左側の端部付近から右側の端部付近まで延びる矩形のベース部36Aを有している。ベース部36Aの上側の端部には、下側に向けて凹む複数の凹部36Bが形成されている。
ベース部36Aの左右方向の各端面には、各端面から左右方向外側に突出する第1部位36Cが設けられている。第1部位36Cは、上下方向の幅がベース部36Aよりも小さい。第1部位36Cは、ベース部36Aに対して下側に偏った位置に配置されている。
第1部位36Cの左右方向外側の端面には、当該端面から左右方向外側に突出する第2部位36Dが設けられている。第2部位36Dは、上下方向の幅が第1部位36Cよりも小さい。第2部位36Dは、第1部位36Cに対して下側に偏った位置に配置されている。第2部位36Dは、ブレード裏シール36の左右方向の端部を構成している。第2部位36Dは、開口52よりも軸線方向外側に位置している(図8(a)参照)。
ブレード裏シール36は、両面テープTPによって筐体50(詳しくは開口52の上側の部分)に固定されている。両面テープTPは、ブレード裏シール36のベース部36Aおよび第1部位36Cに設けられている。両面テープTPは、第2部位36Dには設けられていない。これにより、第2部位36Dは、両面テープTPによって筐体50に固定されず、自由に変形することが可能となっている。
層厚規制ブレード100は、左右方向に延びるブレード本体110と、ブレード本体110の下側の端部(先端部)に固定されるゴム製のブレードゴム部120と、ブレード本体110の上側の端部を支持するブレードホルダ130とを有している。
ブレード本体110は、左右方向に長い略矩形の板金である。ブレード本体110の上側の端部は、ブレードホルダ130を介して筐体50に固定されている。ブレード本体110の下側の端部は、自由端となっている。
ブレードゴム部120は、左右方向に延び、左右方向の大きさがブレード本体110よりも小さいゴム部材である。ブレードゴム部120は、例えばシリコンゴムやウレタンゴムなどで形成されている。ブレードゴム部120は、ブレード本体110の下側の端部に設けられている。ブレードゴム部120は、ブレード本体110の現像ローラ31に対向する面から突出して現像ローラ31のローラ部31Aの周面に接触している。このブレードゴム部120は、現像ローラ31と接触する面120Aが平面状になっており、回転方向の上流側と下流側の角部が断面視円弧状になっている(図1参照)。
ブレードゴム部120は、左右方向の各端部に、切欠部121を有している。切欠部121は、ブレードゴム部120の回転方向上流側の端部から凹むとともに、ブレードゴム部120の左右方向における端面122から凹んだ形状を有している。
切欠部121は、端面122の下側の端縁から左右方向内側へ向けて延びる第1面123と、第1面123から下側へ向けて延びる第2面124とを有している。第1面123は、左右方向に沿っている。
このような切欠部121をブレードゴム部120に設けることにより、ブレードゴム部120の現像ローラ31に接触する面120Aと第1面123との間の角部は、略直角になっている。また、ブレードゴム部120の現像ローラ31に接触する面120Aと第2面124との間の角部も、略直角になっている。言い換えると、ブレードゴム部120は、左右方向の各端部に、現像ローラ31のローラ部31Aの周面と接触するエッジ部123A(略直角に尖った角部の先端部)を有している。エッジ部123Aは、左右方向に延びるように形成されている。このように尖ったエッジ部123Aでは、ブレードゴム部120のエッジ部123Aから左右方向にずれた部位よりも、現像ローラ31上のトナーを掻き取りやすくなっている。
なお、ブレード本体110は、下側の端縁がブレードゴム部120に対応した形状に形成されている。また、ブレード本体110の左右方向の各端部は、ブレードゴム部120よりも左右方向外側まで延びている。
ブレード本体110の左右方向の各端部には、矩形のサイドエッジシール140が設けられている。サイドエッジシール140は、例えば、不織布やスポンジ部材などからなっている。サイドエッジシール140は、ブレード本体110の表側の面(現像ローラ31と対向する面)に貼り付けられている。サイドエッジシール140は、ブレードゴム部120の左右方向の端面122と接触している。サイドエッジシール140は、端面122と隣接する位置から下側に向けて延びている。サイドエッジシール140は、ブレード本体110よりも下側に延びている。サイドエッジシール140の下側の端部は、後述するサイドシール200上に接触している(図5(c)参照)。
サイドシール200は、現像ローラ31の左右方向の端部、詳しくはローラ部31Aの左右方向の端部の周面に接触するシールである。サイドシール200は、配置面53とローラ部31Aとの間に配置されている。
ここで、配置面53は、開口52の左右方向の両側に配置されている。図6(b)に示すように、配置面53の左右方向内側の端部には、突起54が設けられている。突起54は、配置面53から現像ローラ31側に向けて突出している。
突起54の回転方向下流側には、配置面53から現像ローラ31側に向けて突出する壁部55が設けられている。壁部55は、突起54よりも左右方向外側に位置している。突起54および壁部55の配置面53からの高さは、サイドシール200の基層220の厚さよりも小さい。
また、配置面53には、凹部53Aが形成されている。凹部53A内には、図2に示すように、供給ローラ33の図示せぬ軸受を覆うように設けられる供給ローラ用シール60が設けられている。供給ローラ用シール60および配置面53は、サイドシール200を現像ローラ31とは反対側から支持している。
図3に示すように、サイドシール200は、表層210と、基層220と、表層210を基層220に接着させる接着層230とを有している。表層210は、現像ローラ31のローラ部31Aの周面と接触する層である。表層210は、現像ローラ31のローラ部31Aと接触する複数本の繊維FB(図4参照)からなる繊維層211と、各繊維FBが植設されたベースシート212とを有している。詳しくは、表層210は、パイル織物であり、ループ状のパイルをカットすることによって、繊維FB(カットパイル)が、下地としてのベースシート212から突出するように形成されている。
ベースシート212は、例えば布などからなっている。ベースシート212は、現像ローラ31の回転方向に沿って延びる矩形の第1シート部212Aと、第1シート部212Aから回転方向上流側に向けて延びる第2シート部212Bとを有している。第2シート部212Bは、左右方向の幅が第1シート部212Aよりも小さい。第2シート部212Bは、回転方向の長さが第1シート部212Aよりも小さい。第2シート部212Bは、第1シート部212Aに対して左右方向内側に偏って配置されている(図5(a)参照)。
接着層230は、ベースシート212の基層220側の面に塗布される接着剤からなっている。接着層230は、ベースシート212の基層220側の面の一部、詳しくは、当該面のうち回転方向下流側の部分に形成されている。つまり、ベースシート212のうち、回転方向下流側の部分は、基層220に接着され、回転方向上流側の部分は、基層220に接着されていない。接着層230の平面視の形状は、矩形となっている。なお、接着層230は、例えば両面テープから構成されていてもよい。
基層220は、例えばウレタンスポンジなどの弾性体からなっている。基層220は、表層210と筐体50との間に配置されている。基層220は、接着層230が設けられる領域ARを主に有するベース部221と、ベース部221から左右方向内側に向けて突出する突出部222とを有している。ベース部221は、回転方向に長い矩形の第1ベース部221Aと、第1ベース部221Aから回転方向上流側に向けて突出する第2ベース部221Bと、第1ベース部221Aから回転方向下流側に向けて突出する第3ベース部221Cと、第3ベース部221Cから回転方向下流側に向けて突出する第4ベース部221Dとを有している。
第1ベース部221Aは、左右方向の幅が第1幅となっている。第2ベース部221Bは、左右方向の幅が第1幅より小さい第2幅となっている。第2ベース部221Bは、第1ベース部221Aに対して左右方向内側に偏って配置されている。
第3ベース部221Cは、左右方向の幅が第1幅より小さく、かつ、第2幅より大きい第3幅となっている。第3ベース部221Cは、第1ベース部221Aに対して左右方向内側に偏って配置されている。第4ベース部221Dは、左右方向の幅が第2幅よりも小さい第4幅となっている。第4ベース部221Dは、第3ベース部221Cの左右方向の略中央に配置されている。
突出部222は、接着層230が接着される領域AR、つまり接着層230よりも左右方向内側に突出している。言い換えると、突出部222は、ベースシート212よりも左右方向内側に突出している(図4(b)参照)。突出部222は、領域ARからの突出量が第1突出量となる第1突出部222Aと、領域ARからの突出量が第1突出量よりも小さい第2突出量となる第2突出部222Bとを有している。第2突出部222Bは、第1突出部222Aの回転方向上流側に隣接している。第2突出部222Bは、回転方向の長さが第1突出部222Aよりも短い。
図4(a),(b)に示すように、複数の繊維FBは、基端部がベースシート212の接着層230とは反対側の面に固定されている。各繊維FBは、その先端が回転方向下流側および左右方向内側を向くように、ベースシート212に対して倒された状態となっている。言い換えると、各繊維FBは、回転方向下流側に向かうにつれて左右方向内側に位置するように、回転方向に対して傾斜している。そして、複数本の繊維FBのうち一部の繊維FB、詳しくは左右方向の最も内側に位置する繊維FBは、ベースシート212の左右方向内側の端縁よりも左右方向内側へ突出している。そして、左右方向の最も内側に位置する繊維FBは、表層210から基層220に向かう方向から見て、突出部222に重なっている(図5(a)も参照)。
詳しくは、左右方向の最も内側に位置する繊維FBの先端は、突出部222のうち最も左右方向内側に位置する面、つまり第1突出部222Aの左右方向内側の面よりも左右方向外側に位置している。また、左右方向の最も内側に位置する繊維FBの先端は、突出部222の左右方向の中央よりも左右方向内側に位置している。ここで、図4(b)においては、便宜上、突出部222の左右方向の中央を、一点鎖線で示している。
各繊維FBの長さ、詳しくはベースシート212から繊維FBの先端までの長さは、例えば1.0mm以上2.0mm以下とすることができる。また、複数の繊維FBには、潤滑剤が塗布されている。
なお、潤滑剤は、現像装置28の製造時において、複数の繊維FBのうち少なくとも左右方向外側の一部に塗布されていればよい。この場合、潤滑剤は、製造完了後に現像ローラ31を回転させることによりサイドシール200の表面全体や壁部55に広げられるようになっている。より詳細に、潤滑剤は、現像ローラ31が回転することで、複数の繊維FBに沿って左右方向内側および回転方向下流側に移動して、突出部222や壁部55まで広げられるようになっている。なお、潤滑剤は、現像装置28の製造時において、表層210の表面全体に塗布されていてもよい。
潤滑剤としては、例えばフッ素系樹脂とフッ素油とを溶媒中に分散させたものを用いることができる。なお、潤滑剤として、シリコングリスや耐熱性フッ素グリスのようなフッ素を含んだものを用いてもよい。
また、基層220の左右方向の外側の面(詳しくは、第1ベース部221Aの左右方向外側の面)は、筐体50の側壁56と接触している。
図5(a)〜(c)に示す図は、筐体50に各部材を組み付けていく過程におけるサイドシール200とその周囲の部材との関係を簡略的に示す図である。なお、図5(a)〜(c)においては、便宜上、サイドシール200を現像ローラ31の周面に沿って曲げずに真っすぐ引き延ばした状態で図示している。
図5(a)は、図示せぬ筐体50にサイドシール200とブレード裏シール36を組み付けた状態を示す簡略的に示す図である。この状態において、サイドシール200の基層220の第4ベース部221Dは、ブレード裏シール36の端部である第2部位36Dに接触している。詳しくは、第4ベース部221Dの左右方向内側の面が、第2部位36Dに接触している。
また、この状態において、突起54は、突出部222の左右方向内側の面に接触している。詳しくは、突起54は、突出部222の回転方向上流側の端縁よりも回転方向下流側の端縁の近くに位置している。言い換えると、回転方向において、突起54から突出部222の回転方向下流側の端縁までの距離が、突起54から突出部222の回転方向上流側の端縁までの距離よりも小さい。より具体的には、突起54は、第1突出部222Aの回転方向下流側の端部に接触している。
また、この状態において、壁部55は、ベース部221から左右方向に離れている。さらに、壁部55は、突出部222の回転方向下流側の面に接触している。これにより、突出部222の回転方向の位置が壁部55で規制されている。
なお、図7(a),(b)に示すように、筐体50に供給ローラ33を組み付けた状態では、突起54は、左右方向において、突出部222と供給ローラ33との間に位置している。
図5(b)は、サイドシール200およびブレード裏シール36の表側から層厚規制ブレード100を筐体50に組み付けた状態を簡略的に示す図である。この状態において、ベースシート212は、ブレードゴム部120よりも左右方向外側に位置している。ここで、「ブレードゴム部120よりも左右方向外側に位置する」とは、図5(b)に示すような、ベースシート212の左右方向内側の端縁とブレードゴム部120の左右方向の端面122とが左右方向で同じ位置であるものも含む。
また、この状態において、突出部222は、エッジ部123Aよりも回転方向上流側で、かつ、左右方向においてエッジ部123Aの範囲内に位置する部分を有している。詳しくは、突出部222は、エッジ部123Aの左右方向内側の端部よりも左右方向外側に位置している。
また、突出部222の回転方向下流側の端面は、回転方向において、切欠部121に近い位置に配置されている。詳しくは、切欠部121のエッジ部123Aと突出部222の回転方向における間隔は、例えば1.5mm以上3.5mm以下とすることができる。
また、図5(b)の状態において、左右方向の最も内側に位置する繊維FBの先端は、エッジ部123Aの左右方向内側の端部よりも左右方向外側に位置している。さらに、図5(b)の状態において、壁部55は、層厚規制ブレード100の後側(裏側)に配置される。また、壁部55は、層厚規制ブレード100に対して前後方向に間隔を空けて配置される。
壁部55は、左右方向において、切欠部121の範囲内に設けられている。壁部55の一部は、回転方向において、切欠部121の範囲内に設けられている。壁部55は、左右方向内側の端部が、切欠部121の左右方向内側の端部である第2面124よりも左右方向外側に配置されている。
図5(c)は、層厚規制ブレード100およびサイドシール200にサイドエッジシール140を取り付けた状態を簡略的に示す図である。この状態において、サイドエッジシール140は、ブレード本体110、表層210および基層220の一部を覆うように、ブレード本体110からサイドシール200まで延びている。
次に、現像装置28の製造方法について説明する。
まず、図6(a),(b)に示す凹部53A内に、供給ローラ用シール60(図2参照)を供給ローラ33とともに取り付ける。その後、図7(a),(b)に示すように、サイドシール200を、突起54および壁部55に当接させて位置決めしながら、筐体50に取り付ける。
詳しくは、サイドシール200の突出部222の左右方向内側の面を突起54に当接させるとともに、突出部222の回転方向下流側の面を壁部55に当接させることで、位置決めを行う。次いで、図8(a),(b)に示すように、ブレード裏シール36を筐体50のうち開口52の上部に両面テープTPで貼り付ける。詳しくは、ブレード裏シール36の左右方向の端部である第2部位36Dを、サイドシール200の回転方向下流側の端部である第4ベース部221Dの左右方向内側の面に接触させた状態で、ブレード裏シール36を筐体50に貼り付ける。
その後、図9に示すように、層厚規制ブレード100を筐体50に取り付ける。この際、サイドシール200とブレード裏シール36は、層厚規制ブレード100と筐体50との間で圧縮される。この際、図5(a)に示すように、ブレード裏シール36の第2部位36Dに両面テープTPが設けられていないことから、第2部位36Dは、両面テープTPで拘束されることなく、左右方向に自由に変形することが可能となっている。これにより、層厚規制ブレード100と筐体50との間で圧縮される第2部位36Dは、左右方向外側に変形して、サイドシール200の第4ベース部221Dに強く圧着される。そのため、サイドシール200とブレード裏シール36とのつなぎ目の隙間を無くすことができる。
その後、サイドエッジシール140を、層厚規制ブレード100のブレード本体110およびサイドシール200上に貼り付ける。そして、筐体50にその他の部品を適宜組み付けることで、現像装置28が製造される。
以上のように構成された現像装置28の作用効果について説明する。
現像装置28に駆動力を入力すると、現像ローラ31は、サイドシール200、ブレードゴム部120およびサイドエッジシール140に接触しながら回転する。
これにより、図5(c)に示すように、サイドシール200の表層210上の潤滑剤が左右方向内側に移動して、突出部222上に供給される。突出部222上に供給された潤滑剤は、トナーと混ざり合い、トナーと潤滑剤の混合物が突出部222上に形成される。これにより、混合物が壁となって、ブレードゴム部120で掻き取られたトナーがサイドシール200側に勢いよく移動するのを抑えることができるので、トナーが外部に漏れるのを抑制することができる。
特に、本実施形態では、ブレードゴム部120の左右方向の各端部に切欠部121(図5(b)参照)が形成されているため、この切欠部121のエッジ部123Aで現像ローラ31上のトナーがブレードゴム部120の他部よりも多量に掻き取られ、掻き取られた多量のトナーがエッジ部123Aに沿ってサイドシール200に向けて勢いよく流れるので、上記した構成が有効である。
以上、本実施形態によれば、前述した効果に加え、以下のような効果を得ることができる。
サイドシール200の突出部222の左右方向の位置を突起54で正確に位置決めすることで、突出部222がエッジ部123Aに重なる量を正確に管理することができる。そして、このように突出部222とエッジ部123Aの重なり量を正確に管理することで、突出部222上で生成される潤滑剤とトナーの混合物の量を適正な量にすることができるので、エッジ部123A付近でのトナーの流動性の向上とトナー漏れ抑制の両立を図ることができる。
突起54が、突出部222の回転方向上流側の端縁よりも回転方向下流側の端縁の近くに位置することで、エッジ部123A付近において突起54で突出部222を位置決めすることができるので、エッジ部123A付近でのトナーの流動性の向上とトナー漏れ抑制の効果をより発揮することができる。
繊維FBが、ベースシート212の左右方向内側の端縁よりも左右方向内側へ突出して突出部222に重なることで、潤滑剤を繊維FBに沿って突出部222上に移動させることができるので、突出部222上で混合物を良好に生成することができる。
ベースシート212がブレードゴム部120よりも左右方向外側に位置するので、現像ローラ31のうち、サイドシール200から圧力を受ける部分と、ブレードゴム部120から圧力を受ける部分とをずらすことができる。このようにサイドシール200から圧力を受ける部分と、ブレードゴム部120から圧力を受ける部分とをずらすことで、現像ローラ31の表面(ブレードゴム部120の端面122付近の部分)の温度上昇を防ぐことができるので、温度上昇によるトナーの溶融を防ぐことができる。また、溶融したトナーがブレードゴム部120上に固着することを防ぐことができる。
突出部222と現像ローラ31との間において、突出部222と重なる繊維FBによって混合物を保持することができるので、例えば突出部222上にベースシート212および繊維層211を重ねて配置する構造に比べ、ベースシート212および接着層230がない分、混合物に加わる圧力を小さくすることができる。そして、このように混合物に加わる圧力を小さくすることで、混合物のトナーが溶融することを防ぐことができる。さらに、溶融したトナーがブレードゴム部120上に固着することを防ぐことができる。
繊維FBの先端が、エッジ部123Aの左右方向内側の端部よりも左右方向外側に位置するので、繊維FBの先端で保持された混合物によってトナーの流動性が妨げられるのを抑えることができる。
繊維FBの先端が、突出部222の左右方向内側の面よりも左右方向外側に位置するので、繊維FBの先端で保持された混合物によってトナーの流動性が妨げられるのをより抑えることができる。
左右方向の最も内側に位置する繊維FBの先端が、突出部222の左右方向の中央よりも左右方向内側に位置するので、突出部222上において繊維FBで保持される混合物を大きくすることができる。
繊維FBが、回転方向下流側に向かうにつれて左右方向内側に位置するように、回転方向に対して傾斜することで、現像ローラ31の回転によって潤滑剤を各繊維FBに沿って左右方向内側に移動させることができるので、突出部222上において良好に混合物を生成することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。以下の説明においては、前記実施形態と略同様の構造となる部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
前記実施形態では、一部の繊維FBを突出部222上に重ねたが、本発明はこれに限定されず、繊維FBを突出部222よりも左右方向外側に配置してもよい。
前記実施形態では、左右方向の最も内側に位置する繊維FBの先端をエッジ部123Aの左右方向内側の端部よりも左右方向外側に配置したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、左右方向の最も内側に位置する繊維の先端を、エッジ部の左右方向内側の端部と左右方向で同じ位置、または、エッジ部の左右方向内側の端部よりも左右方向内側に配置してもよい。
前記実施形態では、左右方向の最も内側に位置する繊維FBの先端を突出部222の左右方向内側の面よりも左右方向外側に配置したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、左右方向の最も内側に位置する繊維の先端を、突出部の左右方向内側の面と左右方向で同じ位置、または、突出部の左右方向内側の面よりも左右方向内側に配置してもよい。
前記実施形態では、左右方向の最も内側に位置する繊維FBの先端を突出部222の左右方向の中央よりも左右方向内側に配置したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、左右方向の最も内側に位置する繊維を、突出部の左右方向の中央と左右方向で同じ位置、または、突出部の左右方向の中央よりも左右方向外側に配置してもよい。
前記実施形態では、表層210を繊維層211とベースシート212とで構成したが、本発明はこれに限定されず、例えば、表層を、不織布や織物などで構成してもよい。
前記実施形態では、突出部222を、エッジ部123Aの左右方向内側の端部よりも左右方向外側に配置したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、突出部の左右方向内側の面を、エッジ部123Aの左右方向内側の端部と左右方向で同じ位置、または、エッジ部123Aの左右方向内側の端部よりも左右方向内側に配置してもよい。
前記実施形態では、現像ローラ31やトナー収容室34などを備えた現像装置28に本発明を適用したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、現像カートリッジとドラムユニットが一体に構成されたプロセスカートリッジや、トナーを収容するトナーカートリッジとは別体に構成され、当該トナーカートリッジからトナーが供給される現像器などの他の現像装置に本発明を適用してもよい。
なお、前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。
28 現像装置
31 現像ローラ
50 筐体
54 突起
100 層厚規制ブレード
110 ブレード本体
120 ブレードゴム部
121 切欠部
200 サイドシール
210 表層
220 基層
222 突出部
230 接着層

Claims (12)

  1. 筐体と、
    回転可能な現像ローラと、
    前記現像ローラの周面に接触するブレードゴム部と、前記ブレードゴム部を支持するブレード本体と、を有する層厚規制ブレードと、
    前記現像ローラの軸線方向の端部において前記現像ローラの周面に接触するように前記筐体と前記現像ローラとの間に配置されるサイドシールと、を備え、
    前記ブレードゴム部は、前記軸線方向の端部に切欠部を有し、
    前記サイドシールは、
    潤滑剤が塗布され、かつ、前記現像ローラの周面と接触する表層と、
    前記表層と前記筐体との間に配置される基層と、
    前記表層を前記基層に接着させる接着層と、を有し、
    前記基層は、前記接着層よりも前記軸線方向内側に突出する突出部であって、前記切欠部よりも前記現像ローラの回転方向上流側で、かつ、前記軸線方向において前記切欠部の範囲内に位置する部分を有する突出部を有し、
    前記筐体は、前記突出部の前記軸線方向内側の面に接触する突起を有し、
    前記突起は、前記切欠部よりも前記回転方向上流側に位置し、前記突出部の前記回転方向下流側の端部に接触していることを特徴とする現像装置。
  2. 前記筐体は、前記突出部の前記回転方向下流側の面に接触する壁部を備えることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記表層は、前記現像ローラと接触する複数本の繊維と、各繊維が植設されたベースシートとを有し、
    前記ベースシートは、前記ブレードゴム部よりも前記軸線方向外側に位置し、
    前記複数本の繊維のうち一部の繊維は、前記ベースシートの前記軸線方向内側の端縁よりも前記軸線方向内側へ突出して前記突出部に重なっていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の現像装置。
  4. 前記繊維の先端は、前記切欠部の前記軸線方向内側の端部よりも前記軸線方向外側に位置することを特徴とする請求項3に記載の現像装置。
  5. 繊維の先端は、前記突出部の前記軸線方向内側の面よりも前記軸線方向外側に位置することを特徴とする請求項4に記載の現像装置。
  6. 前記複数本の繊維のうち一部の繊維の先端は、前記突出部の前記軸線方向の中央よりも前記軸線方向内側に位置することを特徴とする請求項5に記載の現像装置。
  7. 前記繊維は、前記回転方向下流側に向かうにつれて前記軸線方向内側に位置するように、前記回転方向に対して傾斜していることを特徴とする請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の現像装置。
  8. 前記繊維の長さは、1.0mm以上2.0mm以下であることを特徴とする請求項3から請求項7のいずれか1項に記載の現像装置。
  9. 前記突出部は、前記切欠部の前記軸線方向内側の端部よりも前記軸線方向外側に位置することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の現像装置。
  10. 前記基層の前記軸線方向の外側の面は、前記筐体の側壁と接触することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の現像装置。
  11. 前記表層は、パイル織物であることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の現像装置。
  12. 前記現像ローラと接触する供給ローラを更に有し、
    前記突起は、前記突出部と前記供給ローラとの間に位置することを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の現像装置。
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