以下、本発明の各実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態に係る明細書及び図面の記載に関して、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重畳した説明を省略する。
一実施形態に係る表示装置について、図1〜図5を参照して説明する。本実施形態に係る表示装置100は、車両のインストルメントパネルに搭載される表示装置である。以下、インストルメントパネルに搭載された表示装置100からみた車両後方(車両後側)を表示装置100の前方(前側)、車両前方(車両前側)を表示装置100の後方(後側)と称する。
まず、表示装置100の構成について説明する。図1は、右前方からみた表示装置100の外観斜視図である。図2は、左後方からみた表示装置100の外観斜視図である。図1及び図2に示すように、表示装置100は、筐体1と、可動ディスプレイ2と、ケース3と、ロック機構4と、を備える。
筐体1は、表示装置100の外装であり、ネジなどによりインストルメントパネルに固定される。筐体1をインストルメントパネルに固定することにより、表示装置100がインストルメントパネルに搭載される。筐体1は、右側板11と、左側板12と、右駆動機構13と、左駆動機構14と、駆動部15と、を備える。
右側板11(第1側板)は、筐体1の右側面を構成する板状部材である。以下、右側板11の左側面及び右側面を、それぞれ右側板11の内面及び外面と称する。右側板11は、ガイド孔111,112と、開口部113と、軸部114〜117と、スペーサ118と、を備える。
ガイド孔111は、可動ディスプレイ2の回動をガイドする円弧状の貫通孔であり、右側板11の後部から中央部にわたって形成される。ガイド孔111には、可動ディスプレイ2の後述する軸部21が挿通される。ガイド孔111は、軸部21が移動可能な範囲を制限することにより、可動ディスプレイ2の回動範囲を制限する。なお、本明細書において、回動とは、所定の角度範囲に制限された回転のことをいう。
ガイド孔112は、可動ディスプレイ2の回動をガイドする円弧状の貫通孔であり、右側板11の中央部から前部にわたって形成される。ガイド孔112には、可動ディスプレイ2の後述する軸部22が挿通される。ガイド孔112は、軸部22が移動可能な範囲を制限することにより、可動ディスプレイ2の回動範囲を制限する。
開口部113は、ロック機構4の後述するバネ42を設けるための貫通孔であり、右側板11の後部に形成される。開口部113の前端部には、バネ42の一端が取り付けられる。
軸部114は、右駆動機構13の後述するギア132の回転軸であり、右側板11の外面における、ギア132の回転中心と対応する位置に形成される。
軸部115は、右駆動機構13の後述するギア133の回動軸であり、右側板11の外面における、ギア133の回動中心と対応する位置に形成される。
軸部116は、右駆動機構13の後述するサブレバー137の回転軸であり、右側板11の外面における、サブレバー137の回転中心と対応する位置に形成される。
軸部117は、ロック機構4の後述するロックレバー41の回動軸であり、右側板11の内面における、ロックレバー41の回動中心と対応する位置に形成される。
スペーサ118は、右側板11の外面と、サブレバー137と、の間の隙間を維持する板状部材であり、右側板11の外面における、サブレバー137の掃引範囲の一部と対応する位置に形成される。
左側板12(第2側板)は、筐体1の左側面を構成する板状部材であり、右側板11に対向して配置される。以下、左側板12の右側面及び左側面を、それぞれ左側板12の内面及び外面と称する。左側板12は、ガイド孔121,122と、軸部124〜126と、スペーサ128と、を備える。
ガイド孔121は、可動ディスプレイ2の回動をガイドする円弧状の貫通孔であり、左側板12の後部から中央部にわたって形成される。ガイド孔121には、可動ディスプレイ2の後述する軸部23が挿通される。ガイド孔121は、軸部23が移動可能な範囲を制限することにより、可動ディスプレイ2の回動範囲を制限する。
ガイド孔122は、可動ディスプレイ2の回動をガイドする円弧状の貫通孔であり、左側板12の中央部から前部にわたって形成される。ガイド孔122には、可動ディスプレイ2の後述する軸部24が挿通される。ガイド孔122は、軸部24が移動可能な範囲を制限することにより、可動ディスプレイ2の回動範囲を制限する。
軸部124は、左駆動機構14の後述するギア142の回転軸であり、左側板12の外面における、ギア142の回転中心と対応する位置に形成される。図2の例では、軸部124は、左駆動機構14の後述するメインレバー144に隠れて見えないため、破線で示されている。
軸部125は、左駆動機構14の後述するギア143の回動軸であり、左側板12の外面における、ギア143の回動中心と対応する位置に形成される。
軸部126は、左駆動機構14の後述するサブレバー147の回転軸であり、左側板12の外面における、サブレバー147の回転中心と対応する位置に形成される。
スペーサ128は、左側板12の外面と、サブレバー147と、の間の隙間を維持する板状部材であり、左側板12の外面における、サブレバー147の掃引範囲の一部と対応する位置に形成される。
右駆動機構13及び左駆動機構14は、可動ディスプレイ2を移動させるための機構である。右駆動機構13及び左駆動機構14は、可動ディスプレイ2を支持しながら駆動することにより、可動ディスプレイ2を利用位置、搬送位置、及び退避位置のいずれかに移動させる。ここで、図3は、可動ディスプレイ2の位置を説明する図である。図3の例では、右駆動機構13及び左駆動機構14が省略されている。
利用位置は、可動ディスプレイ2の利用時(表示時)における可動ディスプレイ2の位置であり、図3に示すように、筐体1の前方位置に相当する。可動ディスプレイ2は、利用位置において、運転者から表面が見えるように、表面が前方を向いている。
搬送位置は、表示装置100の搬送時における可動ディスプレイ2の位置であり、図3に示すように、筐体1の後方位置に相当する。可動ディスプレイ2は、表示装置100の搬送時において、搬送位置で固定される。図1及び図2の例では、可動ディスプレイ2は、搬送位置に位置している。ガイド孔111,121の後端部は、搬送位置に対応する。すなわち、搬送位置は、可動ディスプレイ2の軸部21,23がガイド孔111,121の後端部にそれぞれ接触する位置に相当する。
退避位置は、ケース3の利用時(可動ディスプレイ2の退避時)における可動ディスプレイ2の位置であり、図3に示すように、利用位置と搬送位置との間の位置に相当する。可動ディスプレイ2が退避位置に位置すると、表示装置100の前方が開口し、ケース3が利用可能となる。
右駆動機構13は、可動ディスプレイ2の右側を支持する機構であり、図1及び図2に示すように、右側板11の外面に設けられる。右駆動機構13は、ギア131〜133と、メインレバー134(第1メインレバー)と、カム135と、軸部136と、サブレバー137(第1サブレバー)と、を備える。
ギア131は、駆動部15の後述するシャフト152の右端を挿通され、シャフト152を回転軸として回転するギアであり、ギア132とかみ合うように配置される。
ギア132は、軸部114を挿通され、軸部114を回転軸として回転するギアであり、ギア132,133とかみ合うように配置される。
ギア133は、軸部115を挿通され、軸部115を回動軸として回動するギアであり、ギア133とかみ合うように配置される。
メインレバー134は、可動ディスプレイ2の右側を支持し、駆動部15からの動力(後述するモータ151の回転)により、右側板11の外面上で回動する板状部材又は棒状部材であり、基端部がギア133に固定され、先端部に軸部136を挿通される。
カム135は、メインレバー134に従動する、すなわち、メインレバー134の回動に従って移動する板状部材又は棒状部材であり、基端部に軸部136を備え、先端部に軸部21を挿通される。
軸部136は、カム135の回転軸であり、カム135の基端部における、メインレバー134の先端部と重複する部分に形成される。
サブレバー137は、可動ディスプレイ2の右側を支持し、メインレバー134に従動する、すなわち、メインレバー134の回動に従って回動する、板状部材又は棒状部材であり、基端部に軸部116を挿通され、先端部に軸部22を挿通される。
図1及び図2の右駆動機構13では、モータ151の回転により、シャフト152が回転すると、ギア131,132が回転し、ギア133が回動する。また、ギア133の回動に伴って、メインレバー134が回動し、メインレバー134の回動に伴って、カム135が軸部21を支持しながら移動する。これにより、軸部21がガイド孔111に沿って移動する。さらに、軸部21の移動に伴って、軸部22がサブレバー137に支持された状態でガイド孔112に沿って移動する。このように、可動ディスプレイ2の右側は、右駆動機構13により移動される。
なお、図1及び図2の例では、メインレバー134は、カム135を介して間接的に可動ディスプレイ2を支持しているが、可動ディスプレイ2を直接的に支持してもよい。この場合、カム135を設けずに、メインレバー134の先端部に軸部21を挿通させればよい。
左駆動機構14は、可動ディスプレイ2の左側を支持する機構であり、左側板12の外面に設けられる。左駆動機構14は、ギア141〜143と、メインレバー144(第2メインレバー)と、カム145と、軸部146と、サブレバー147(第2サブレバー)と、を備える。
ギア141は、シャフト152の左端を挿通され、シャフト152を回転軸として回転するギアであり、ギア142とかみ合うように配置される。
ギア142は、軸部124を挿通され、軸部124を回転軸として回転するギアであり、ギア142,143とかみ合うように配置される。
ギア143は、軸部125を挿通され、軸部125を回動軸として回動するギアであり、ギア143とかみ合うように配置される。
メインレバー144は、可動ディスプレイ2の左側を支持し、駆動部15からの動力(モータ151の回転)により、左側板12の外面上で回動する板状部材又は棒状部材であり、基端部がギア143に固定され、先端部に軸部146を挿通される。
カム145は、メインレバー144に従動する、すなわち、メインレバー144の回動に従って移動する板状部材又は棒状部材であり、基端部に軸部146を備え、先端部に軸部23を挿通される。
軸部146は、カム145の回転軸であり、カム145の基端部における、メインレバー144の先端部と重複する部分に形成される。
サブレバー147は、可動ディスプレイ2の左側を支持し、メインレバー144に従動する、すなわち、メインレバー144の回動に従って回動する、板状部材又は棒状部材であり、基端部に軸部126を挿通され、先端部に軸部24を挿通される。
図1及び図2の左駆動機構14では、モータ151の回転により、シャフト152が回転すると、ギア141,142が回転し、ギア143が回動する。また、ギア143の回動に伴って、メインレバー144が回動し、メインレバー144の回動に伴って、カム145が軸部23を支持しながら移動する。これにより、軸部23がガイド孔121に沿って移動する。さらに、軸部23の移動に伴って、軸部24がサブレバー147に支持された状態でガイド孔122に沿って移動する。このように、可動ディスプレイ2の左側は、左駆動機構14により移動される。
なお、図1及び図2の例では、メインレバー144は、カム145を介して間接的に可動ディスプレイ2を支持しているが、可動ディスプレイ2を直接的に支持してもよい。この場合、カム145を設けずに、メインレバー144の先端部に軸部23を挿通させればよい。
駆動部15は、右駆動機構13及び左駆動機構14を駆動する部分であり、モータ151と、シャフト152と、ギアボックス153と、位置検出スイッチ154A〜154Cと、を備える。
モータ151は、その回転により、右駆動機構13及び左駆動機構14を駆動する動力源であり、右側板12の内面に取り付けられる。モータ151は、制御回路(図示省略)に接続され、その回転を制御される。制御回路は、運転者からの操作に応じて、可動ディスプレイ2が所定の位置に位置するように、モータ151の回転を制御する。制御回路は、例えば、車載のECU(Electronic Control Unit)であるが、これに限られない。
シャフト152は、モータ151の回転を右駆動機構13及び左駆動機構14に伝える棒状部材である。シャフト152は、右端をギア131に挿通され、左端をギア141に挿通される。すなわち、シャフト152は、右側板11と左側板12との間に懸架される。
ギアボックス153は、モータ151の回転をシャフト152に伝達する組み立て部品であり、右側板12の内面に取り付けられる。ギアボックス153として、モータ151の取り付け方向やシャフト152の太さに応じた任意のギアボックスを利用できる。モータ151の回転は、ギアボックス153を介して、シャフト152に伝達される。
位置検出スイッチ154A〜154Cは、可動ディスプレイ2の位置を検出するためのスイッチであり、左側板12の外面に取り付けられる。以下、位置検出スイッチ154A〜154Cを区別しない場合、位置検出スイッチ154と称する。位置検出スイッチ154は、通常時はOFFであり、押圧されるとONになる。位置検出スイッチ154は、モータ151の制御回路に接続される。制御回路は、位置検出スイッチ154からの信号に基づいて、可動ディスプレイ2の位置を検出し、可動ディスプレイ2の位置(モータ151の回転)を制御する。
位置検出スイッチ154Aは、可動ディスプレイ2が利用位置に位置することを検出するためのスイッチである。位置検出スイッチ154Aは、可動ディスプレイ2が利用位置に位置する際に、サブレバー147により押圧される位置に取り付けられる。可動ディスプレイ2が利用位置に位置すると、位置検出スイッチ154Aがサブレバー147により押圧されてONになる。このため、制御回路は、位置検出スイッチ154Aからの信号に基づいて、可動ディスプレイ2が利用位置に位置することを検出できる。
位置検出スイッチ154Bは、可動ディスプレイ2が搬送位置に位置することを検出するためのスイッチである。位置検出スイッチ154Bは、可動ディスプレイ2が搬送位置に位置する際に、メインレバー144により押圧される位置に取り付けられる。可動ディスプレイ2が搬送位置に位置すると、位置検出スイッチ154Bがメインレバー144により押圧されてONになる。このため、制御回路は、位置検出スイッチ154Bからの信号に基づいて、可動ディスプレイ2が搬送位置に位置することを検出できる。
位置検出スイッチ154Cは、可動ディスプレイ2が退避位置に位置することを検出するためのスイッチである。位置検出スイッチ154Cは、可動ディスプレイ2が退避位置に位置する際に、メインレバー144により押圧される位置に取り付けられる。可動ディスプレイ2が退避位置に位置すると、位置検出スイッチ154Cがメインレバー144により押圧されてONになる。このため、制御回路は、位置検出スイッチ154Cからの信号に基づいて、可動ディスプレイ2が退避位置に位置することを検出できる。
なお、位置検出スイッチ154のON及びOFFは逆でもよい。また、駆動部15は、位置検出スイッチ154を1つ、2つ、又は4つ以上備えてもよいし、位置検出スイッチ154の代わりに、可動ディスプレイ2の位置を検出可能な任意のスイッチ又はセンサを備えてもよい。また、駆動部15は、右側板11に設けられてもよい。
可動ディスプレイ2は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどのディスプレイであり、カーナビゲーションシステムなどのディスプレイとして利用される。可動ディスプレイ2は、利用位置において表面が前方を向くように、右側板11及び左側板12の間に取り付けられ、右駆動機構13及び左駆動機構14により駆動され、利用位置と搬送位置との間を移動する。可動ディスプレイ2は、軸部21〜24と、ディスプレイ本体25と、突出部26と、を備える。
軸部21は、ディスプレイ本体25の上部から右方向に突出した軸部であり、カム135の先端部に挿通される。ディスプレイ本体25は、その右上部分を、軸部21及びカム135を介して、メインレバー134により支持される。図1及び図2の例では、軸部21は、ディスプレイ本体25の背面から突出した部分に形成されているが、ディスプレイ本体25の右側面に形成されてもよい。
軸部22は、ディスプレイ本体25の下部から右方向に突出した軸部であり、サブレバー137の先端部に挿通される。ディスプレイ本体25は、その右下部分を、軸部22を介して、サブレバー137により支持される。図1及び図2の例では、軸部22は、ディスプレイ本体25の背面から突出した部分に形成されているが、ディスプレイ本体25の右側面に形成されてもよい。
軸部23は、ディスプレイ本体25の上部から左方向に突出した軸部であり、カム145の先端部に挿通される。ディスプレイ本体25は、その左上部分を、軸部23及びカム145を介して、メインレバー144により支持される。図1及び図2の例では、軸部23は、ディスプレイ本体25の背面から突出した部分に形成されているが、ディスプレイ本体25の左側面に形成されてもよい。
軸部24は、ディスプレイ本体25の下部から左方向に突出した軸部であり、サブレバー147の先端部に挿通される。ディスプレイ本体25は、その左下部分を、軸部24を介して、サブレバー147により支持される。図1及び図2の例では、軸部24は、ディスプレイ本体25の背面から突出した部分に形成されているが、ディスプレイ本体25の左側面に形成されてもよい。
突出部26は、ディスプレイ本体25の背面の右端部から突出した部分である。突出部26は、可動ディスプレイ2が搬送位置に位置する際、ロック機構4の後述するフック部412を引っ掛けられる。これにより、搬送位置に位置する可動ディスプレイ2が固定される。図1及び図2の例では、突出部26は、L字形状を有するが、フック部412を引掛け可能な任意の形状とすることができる。
ケース3は、筐体1の内側(右側板11と左側板12との間に)に挿入可能な挿入部品の一例である。ケース3は、表示装置100の搬送時において、筐体1とは別個に搬送され、表示装置100をインストルメントパネルに搭載する際に、筐体1の内側に挿入される。ケース3は、小物を収納する収納空間を有する収納ケースとして、運転者により利用される。なお、挿入部品は、ケース3に限られない。
ロック機構4は、表示装置100の搬送時に、可動ディスプレイ2を搬送位置に固定する機構であり、右側板11に設けられる。ロック機構4は、ロックレバー41と、バネ42と、を備える。
ロックレバー41は、可動ディスプレイ2を固定する板状部材であり、右側板11の内面上で回動可能なように、右側板11の内面に取り付けられ、軸部117を挿通される。ロックレバー41は、軸部117を回動軸として回動する。ロックレバー41は、第1レバー411と、フック部412と、第2レバー413と、解除部414と、を備える。
第1レバー411は、ロックレバー41の回動中心(軸部117)から前方に延びた板状部分であり、先端部にフック部412を備える。
フック部412は、搬送位置に位置する可動ディスプレイ2の突出部26に引っ掛ることにより、可動ディスプレイ2を係止する部分であり、第1レバー411の先端から上方に延びる。フック部412が突出部26に引っ掛ると、突出部26は、フック部412により前方への移動を制限される。また、この際、軸部21は、ガイド孔111の後端部により後方への移動を制限される。この結果、可動ディスプレイ2は、前後方向の動きを制限され、搬送位置に固定される。
また、フック部412は、弾性を有し、前後方向に湾曲可能である。これにより、可動ディスプレイ2を搬送位置に移動させる際に、突出部26が、フック部412を湾曲させて乗り越え、フック部412の前側から後側に移動可能となる。すなわち、作業者は、フック部412を移動させることなく、可動ディスプレイ2を搬送位置に移動させるだけで、可動ディスプレイ2をロックレバー41により固定できる。
なお、図1及び図2の例では、フック部412は、突出部26を介して、間接的にディスプレイ本体25の背面に引っ掛るが、ディスプレイ本体25の背面に直接的に引っ掛かってもよい。この場合、ディスプレイ本体25の背面に、突出部26の代わりに、フック部412が引っ掛かることが可能な開口部や凹部を設ければよい。
第2レバー413は、ロックレバー41の回動中心(軸部117)から下方に延びた部分と、当該部分の先端から前方に延びた部分と、を有するL字型の部分であり、バネ42の他端が取り付けられる。ロックレバー41は、第2レバー413にバネ42の他端が取り付け可能なように、第2レバー413が開口部113の前端部より後方に位置するように配置される。第2レバー413は、先端部に解除部414を備える。
解除部414は、突出部26に引っ掛ったフック部412を外し、ロックレバー41による可動ディスプレイ2の固定を解除するための部分であり、第2レバー413の先端に設けられ、筐体1の内側に挿入されたケース3の後面と接触する。
バネ42は、付勢部の一例であり、フック部412が搬送位置に位置するディスプレイ本体25の背面に向かってロックレバー41を付勢する。バネ42は、引張コイルばねであり、上述の通り、一端が開口部113の前端部に取り付けられ、他端が第2レバー413に取り付けられる。この結果、ロックレバー41は、バネ42により時計回りに付勢される。
なお、バネ42は、引張コイルばねに限られない。また、付勢部は、バネ42に限られない。ロック機構4は、付勢部として、バネ42の代わりに、ゴムなどを備えてもよい。また、ロック機構4は、右側板12の内面に設けられてもよいし、右側板11及び左側板12の両方に設けられてもよい。
次に、本実施形態に係る表示装置100の作用について説明する。図4は、表示装置100の搬送前、搬送時、及び搭載時におけるロック機構4の状態を示す部分拡大図である。図4(A)は、表示装置100の搬送前におけるロック機構4の状態を示す。図4(B)は、表示装置100の搬送時におけるロック機構4の状態を示す。図4(C)は、表示装置100の搭載時におけるロック機構4の状態を示す。
図4(A)に示すように、表示装置100の搬送前(例えば、組み立て時など)において、ケース3は、筐体1の内側に挿入されていない。これは、ケース3が、筐体1とは別個に搬送されるためである。また、可動ディスプレイ2は、搬送位置より前方に位置しており、ロックレバー41は、バネ42により、フック部412が突出部26に引っ掛ることが可能な位置に支持されている。
図4(A)の表示装置100を搬送する場合、搬送元の作業者は、可動ディスプレイ2を後方に移動させる。可動ディスプレイ2を後方に移動させると、突出部26が、フック部412を湾曲させて乗り越え、フック部412の前側から後側に移動する。この結果、図4(B)に示すように、可動ディスプレイ2がロックレバー41により搬送位置で固定される。表示装置100は、可動ディスプレイ2が搬送位置で固定された状態で搬送先に搬送される。
搬送先の作業者は、図4(B)の表示装置100を受け取ると、可動ディスプレイ2が搬送位置に固定された状態のまま、筐体1をインストルメントパネルに取り付ける。具体的には、筐体1をネジなどでインストルメントパネルのフレームに固定し、モータ151や位置検出スイッチ154を制御回路に接続する。これにより、ケース3を除く表示装置100が、インストルメントパネルに搭載される。
その後、作業者は、筐体1の内側に、ケース3を前方から挿入する。作業者がケース3を挿入すると、図4(C)に示すように、ケース3の後面が、ロックレバー41の解除部414と接触し、解除部414を後方に押圧し、ロックレバー41を反時計回りに回動させ、フック部412を下方に移動させる。この結果、フック部412が突出部26から外れ、ロックレバー41による可動ディスプレイ2の固定が解除される。
以上で表示装置100の搭載が完了し、表示装置100が利用可能となる。表示装置100の搭載完了時点で、上記の通り、可動ディスプレイ2の固定は解除されているため、可動ディスプレイ2は、利用位置や退避位置に移動可能である。
なお、表示装置100の搭載後、故障などの理由で、搭載された表示装置100を取り外し、修理工場などに再搬送する場合が考えられる。図4(C)の表示装置100を再搬送する場合、搬送元の作業者は、可動ディスプレイ2を搬送位置に移動させた後、ケース3を筐体1から抜けばよい。ケース3を筐体1から抜くと、バネ42により第2レバー413が前方に付勢され、ロックレバー41が時計回りに回動し、フック部412が上方に移動する。この結果、フック部412が突出部26に引っ掛り、ロックレバー41により可動ディスプレイ2が搬送位置で固定される。
以上説明した通り、本実施形態に係る表示装置100は、ロック機構4により、可動ディスプレイ2を搬送位置で固定できる。したがって、表示装置100の搬送時の衝撃や振動により、可動ディスプレイ2が故障することを抑制できる。
また、表示装置100は、搬送用ネジなどの余計な部品を利用することなく、可動ディスプレイ2を搬送位置で固定できる。したがって、資源の無駄を抑制できる。
また、表示装置100は、可動ディスプレイ2を搬送位置に移動させるだけで、ロック機構4により可動ディスプレイを固定できるため、搬送用ネジにより可動ディスプレイ2を固定する作業が不要である。したがって、表示装置100の搬送時及び再搬送時における、作業者の手間を軽減できる。
また、表示装置100は、ケース3を筐体1の内側に挿入するだけで、ロック機構4による可動ディスプレイ2の固定を解除できるため、搬送用ネジを取り外す作業が不要である。したがって、表示装置100の搭載時における、作業者の手間を軽減できる。
なお、以上では、ロックレバー41が、前方に延びる第1レバー411と、L字型の第2レバー413と、を備え、第2レバー413が、バネ42により前方に付勢される、ロック機構4を例に説明した。しかしながら、ロック機構4の構成は、これに限られない。ロック機構4は、可動ディスプレイ2の背面に引っ掛るフック部412と、フック部412を可動ディスプレイ2の背面に向かって付勢する付勢部と、ケース3の後面と接触してフック部412を下方へ移動させる解除部414と、を備える任意の構成とすることができる。
ここで、図5は、ロック機構4の変形例を示す概念図である。図5の左方が表示装置100の前方、右方が表示装置100の後方である。
図5(A)の例では、ロックレバー41は、前方に延びる第1レバー411と、L字型の第2レバー413と、を備える。このロックレバー41は、図1及び図2のロックレバー41に相当する。ロックレバー41がこのような構成を有する場合、ロック機構4は、第2レバー413を前方に付勢するバネ42A及び第1レバー411を上方へ付勢するバネ42Bの少なくとも一方を備えればよい。バネ42Aを備えるロック機構4は、図1及び図2のロック機構4に相当する。なお、この例では、可動ディスプレイ2の動く方向とフック部412の動く方向とが直角に交わるようになっており、バネ力に依存せずに可動ディスプレイ2をしっかりと固定することができる。
図5(B)の例では、ロックレバー41は、前方に延びる第1レバー411と、前方に延びる第2レバー413と、を備える。第1レバー411及び第2レバー413は、いずれも直線状に形成されている。ロックレバー41がこのような構成を有する場合、ロック機構4は、第2レバー413を前方に付勢するバネ42C及び第1レバー411を後方へ付勢するバネ42Dの少なくとも一方を備えればよい。
図5(C)の例では、ロックレバー41は、前方に延びる第1レバー411と、後方に延びる第2レバー413と、を備える。第1レバー411及び第2レバー413は、全体として直線状に形成されている。ロックレバー41がこのような構成を有する場合、ロック機構4は、第2レバー413を前方に付勢するバネ42E及び第1レバー411を後方へ付勢するバネ42Fの少なくとも一方を備えればよい。また、軸部117を、直線状に形成された第1レバー411及び第2レバー413の中央部に設ければよい。
表示装置100は、図5のいずれのロック機構4を備える場合であっても、上記と同様の効果を奏する。
なお、上記実施形態に挙げた構成等に、その他の要素との組み合わせなど、ここで示した構成に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。