JP6877138B2 - 還元剤供給装置の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の排気通路に還元剤を供給する還元剤供給装置を制御するための還元剤供給装置の制御装置に関する。
ディーゼルエンジン等の内燃機関の排気ガス中にはNOX(窒素酸化物)が含まれる場合がある。かかる排気ガス中に含まれるNOXを還元して窒素や水等に分解し、排気ガスを浄化するための装置として、尿素SCR(Selective Catalystic Reduction)システムが実用化されている。尿素SCRシステムでは、還元剤として尿素水溶液が用いられ、尿素水溶液から生成されるアンモニアが排気ガス中のNOXと反応することによってNOXが分解される。
尿素SCRシステムは、排気通路に配設された選択還元触媒と、選択還元触媒よりも上流側の排気通路に尿素水溶液を供給するための還元剤供給装置とを備える。選択還元触媒は、尿素水溶液が分解して生成されるアンモニアを吸着し、流入する排気ガス中のNOXとアンモニアとの還元反応を促進する機能を有する。還元剤供給装置は、タンク内に貯蔵された尿素水溶液を圧送するポンプと、ポンプにより圧送される尿素水溶液を噴射する噴射弁と、ポンプ及び噴射弁の駆動制御を行う制御装置とを備える。
還元剤供給装置による尿素水溶液の供給量は、少なくとも内燃機関の排気ガス中のNOX量に基づいて設定される。尿素水溶液の供給量が不足する場合、浄化しきれないNOXが選択還元触媒の下流側に流出するおそれがある。一方、尿素水溶液の供給量が過剰である場合、選択還元触媒におけるアンモニアの吸着可能量を超えるアンモニアが選択還元触媒に供給されて、余剰分のアンモニアが選択還元触媒の下流側に流出するおそれがある(以下、「アンモニアスリップ」ともいう。)。このため、尿素水溶液の供給量は、出来る限り過不足のないように制御される。
例えば、特許文献1には、制御装置により、NOXセンサを用いて選択還元触媒の下流側のNOX濃度を検出し、当該NOX濃度が目標濃度となるように尿素水溶液の供給量を制御する方法が開示されている。つまり、制御装置は、選択還元触媒の下流側のNOX濃度が目標濃度を超えている場合には、排気ガス中のNOX量に基づいて設定される供給量を増量補正する。また、制御装置は、選択還元触媒の下流側のNOX濃度が目標濃度を下回っている場合には、排気ガス中のNOX量に基づいて設定される供給量を減量補正する。
特開2015−155669号公報
ここで、NOXセンサは、NOXだけでなく、アンモニア(NH3)にも反応することが知られている。上述のとおり、選択還元触媒の下流側には、尿素水溶液の供給量に応じて、NOX又はアンモニアのいずれかが流出し得るため、選択還元触媒の下流側に設けられたNOXセンサのセンサ値(以下、「NOXセンサ値」ともいう。)は、NOX又はアンモニアのいずれかに反応した値を示すことになる。
図1は、尿素水溶液の供給量とNOXセンサによって検出されるNOX量又はアンモニア量との関係を示している。尿素水溶液の供給量が少ないほど、浄化しきれないNOX量が増えて選択還元触媒の下流側のNOX濃度が高くなり、尿素水溶液の供給量が多いほど、アンモニアスリップ量が増えて選択還元触媒の下流側のアンモニア濃度が高くなる。しかしながら、制御装置は、NOXセンサ値が、NOXに反応した値であるのか、アンモニアに反応した値であるのかを判別することができない。
これに対して、制御装置は、例えば、尿素水溶液の供給量を増量補正した後にNOXセンサ値が低下した場合、あるいは、尿素水溶液の供給量を減量補正した後にNOXセンサ値が上昇した場合に、図1中の領域Aの範囲内で尿素水溶液の噴射制御が行われていると判別することができる。また、制御装置は、例えば、尿素水溶液の供給量を増量補正した後にNOXセンサ値が上昇した場合、あるいは、尿素水溶液の供給量を減量補正した後にNOXセンサ値が低下した場合に、図1中の領域Bの範囲内で尿素水溶液の噴射制御が行われていると判別することができる。かかる判別及び供給量補正を繰り返しながら、制御装置は、選択還元触媒の下流側におけるNOXセンサのセンサ値が目標値となるように、尿素水溶液の供給量を制御する。
しかしながら、選択還元触媒は、使用期間の経過等による劣化に伴ってアンモニアの吸着可能量が減少するため、アンモニアスリップを生じやすくなる。また、選択還元触媒は、アンモニアの吸着量が多いほどNOXの還元効率が良いという特性を有しているため、選択還元触媒の劣化に伴って、選択還元触媒の下流側にNOXが流出しやすくなる。そうすると、NOX又はアンモニアに反応したNOXセンサの値が、常時目標値を上回ることとなって、もはや尿素水溶液の供給量を適切に制御することが困難になるおそれがあった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、選択還元触媒の下流側に設けられたNOXセンサのセンサ値を用いて、還元剤の供給量を適切に制御可能な、新規かつ改良された還元剤供給装置の制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、排気通路に配設された選択還元触媒の上流側に、内燃機関の排気ガス中のNOXを浄化するための還元剤を供給する還元剤供給装置を制御するための制御装置であって、少なくとも内燃機関の排気ガス中のNOX量に基づいて還元剤の基本供給量を算出する基本供給量算出部と、選択還元触媒の下流側に設けられたNOXセンサのセンサ値と当該センサ値の目標値とに基づいて還元剤の基本供給量を増量補正又は減量補正して供給量を設定する供給量補正部と、還元剤の供給量の補正後におけるセンサ値の増減に応じて目標値を変更する目標値設定部と、を備える、還元剤供給装置の制御装置が提供される。
供給量補正部は、センサ値が目標値よりも大きい場合には還元剤の基本供給量を増量補正させ、センサ値が目標値よりも小さい場合には還元剤の基本供給量を減量補正させてもよい。
目標値設定部は、還元剤の増量補正後のセンサ値が上昇した場合には目標値を増大させ、還元剤の増量補正後のセンサ値が低下した場合には目標値を維持させてもよい。
目標値設定部は、目標値を増大する場合、センサ値が目標値以下となるまで目標値の増大を繰り返してもよい。
目標値設定部は、還元剤の減量補正後のセンサ値が低下した場合には目標値を減少させ、還元剤の減量補正後のセンサ値が上昇した場合には目標値を維持させてもよい。
以上説明したように本発明によれば、選択還元触媒の下流側に設けられたNOXセンサのセンサ値を用いて、還元剤の供給量を適切に制御することができる。
尿素水溶液の供給量とNOXセンサ値との関係を示す説明図である。 本発明の実施の形態に係る還元剤供給装置を備えた尿素SCRシステムの構成例を示す模式図である。 同実施形態に係る還元剤供給装置の制御装置の構成例を示す説明図である。 従来の制御による新品の選択還元触媒使用時のNOXセンサ値の変化を示す説明図である。 従来の制御による選択還元触媒の劣化時のNOXセンサ値の変化を示す説明図である。 従来の制御による選択還元触媒の過度の劣化時のNOXセンサ値の変化を示す説明図である。 同実施形態に係る還元剤供給装置の制御装置による目標値設定処理を示すフローチャートである。 NOXセンサ値が目標値を超える場合の処理を示すフローチャートである。 NOXセンサ値が目標値以下の場合の処理を示すフローチャートである。 NOXセンサ値の目標値の設定処理を示す説明図である。 NOXセンサ値の目標値の設定処理を示す説明図である。 NOXセンサ値の目標値の設定処理を示す説明図である。 NOXセンサ値の目標値の設定処理を示す説明図である。 NOXセンサ値の目標値の設定処理を示す説明図である。 NOXセンサ値の目標値の設定処理を示す説明図である。 NOXセンサ値の目標値の設定処理を示す説明図である。 NOXセンサ値の目標値の設定処理を示す説明図である。 NOXセンサ値の目標値の設定処理を示す説明図である。 NOXセンサ値の目標値の設定処理を示す説明図である。 NOXセンサ値の目標値の設定処理を示す説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.尿素SCRシステムの全体構成>
まず、本実施形態に係る還元剤供給装置の制御装置が適用され得る尿素SCRシステムの全体構成の一例について説明する。図2は、尿素SCRシステム10の構成例を示す模式図である。
尿素SCRシステム10は、ディーゼルエンジン等に代表される内燃機関5の排気系に接続された排気管11の途中に配設された選択還元触媒13と、選択還元触媒13よりも上流側で排気管11内に還元剤を供給する還元剤供給装置30とを備える。尿素SCRシステム10は、車両や建設機械、農機、産業機械等の内燃機関5の排気系に設けられ、還元剤としての尿素水溶液を用いて、内燃機関5の排気ガス中のNOXを還元して分解し、排気ガスを浄化する。
尿素水溶液としては、例えば、凍結温度が最も低い、約32.5%濃度の尿素水溶液が用いられる。この場合の凍結温度は、約−11℃である。かかる尿素水溶液は、濃度が上昇するにつれて凍結温度が上昇する特性を有しており、溶媒としての水分が蒸発することによって、結晶化しやすくなる。
選択還元触媒13は、内燃機関5の排気ガス中に含まれるNOXを選択的に還元する。本実施形態では、還元剤供給装置30により噴射される尿素水溶液が分解して生成されるアンモニアが選択還元触媒13に吸着され、選択還元触媒13に流入する排気ガス中のNOXは、アンモニアと反応することによって還元される。かかる選択還元触媒13は、触媒温度が高いほどアンモニアの吸着可能量が減少する特性を有する。また、選択還元触媒13は、吸着可能量に対する実際のアンモニアの吸着率が高いほど、NOXの還元効率が高くなる特性を有する。
還元剤供給装置30は、選択還元触媒13よりも上流側の排気管11内に、還元剤としての尿素水溶液を噴射する。尿素水溶液の供給量は、排気ガス中に含まれるNOXの濃度や、選択還元触媒13の温度、選択還元触媒13におけるアンモニアの吸着量等に基づいて設定され、選択還元触媒13の下流側にNOXあるいはアンモニアが流出しないように制御される。
還元剤供給装置30は、少なくとも、選択還元触媒13よりも上流側の排気管11に固定された噴射弁31と、尿素水溶液を圧送するポンプ41とを備える。ポンプ41及び噴射弁31は、制御装置100によって駆動される。ポンプ41から噴射弁31に供給される尿素水溶液の圧力Puは、圧力センサ43により検出可能になっている。
ポンプ41としては、例えば、電動式のダイヤフラムポンプや電動式のギヤポンプが用いられる。ポンプ41の出力は、制御装置100から出力される駆動信号により制御される。本実施形態では、制御装置100は、噴射弁31に供給される尿素水溶液の圧力Puが所定の目標値Ptgtで維持されるように、圧力センサ43により検出される圧力Puと目標値Ptgtとの差分ΔPに基づいて、ポンプ41の出力をフィードバック制御する。
噴射弁31としては、例えば、通電制御により開弁及び閉弁が切り替えられる電磁式噴射弁が用いられる。かかる噴射弁31は電磁コイルを備え、当該電磁コイルへの通電により発生する磁力によって弁体が移動して開弁する構造を有している。本実施形態では、噴射弁31に供給される尿素水溶液の圧力Puが所定の目標値Ptgtとなるように制御されており、制御装置100は、尿素水溶液の供給量に応じて開弁時間を調節する。噴射弁31は、例えば、排気管11内に直接的に尿素水溶液を噴射するものとされ、噴孔が排気管11内に臨むようにして排気管11に取り付けられる。
選択還元触媒13よりも上流側の排気管11には、排気温度Tgasを検出するための排気温度センサ21が設けられている。排気温度センサ21によって検出される排気温度Tgasは、選択還元触媒13の温度推定にも用いられる。また、選択還元触媒13よりも下流側の排気管11には、主としてNOX濃度の検出に用いられるNOXセンサ23が設けられている。かかるNOXセンサ23によって、選択還元触媒13の下流側に流出したNOXの濃度が検知されるだけでなく、アンモニア濃度も検知される。
なお、図2においては、選択還元触媒13よりも上流側の排気管11に、酸化触媒19及びパティキュレートフィルタ17が配設されている。パティキュレートフィルタ17は、排気ガスに含まれる煤等の微粒子を捕集する。また、酸化触媒19は、排気ガス中の未燃燃料(HC)を酸化して排気温度Tgasを上昇させたり、排気ガス中の一酸化窒素(NO)の一部を酸化して二酸化窒素(NO2)へと変化させたりする機能を有する。これらのパティキュレートフィルタ17や酸化触媒19は、尿素SCRシステム10に必須の構成要素ではない。
<2.制御装置>
次に、本実施形態に係る還元剤供給装置30の制御装置100の構成例について説明する。図3は、本実施形態に係る制御装置100の構成例を説明するためのブロック図である。制御装置100は、制御部110と、記憶部140と、噴射弁駆動部150と、ポンプ駆動部160とを備える。
(2−1.記憶部)
記憶部140は、RAM(Random Access Memory)又はROM(Read Only Memory)等の一つ又は複数の記憶素子を有する。記憶部140には、制御部110により実行されるソフトウェアプログラム、演算に用いられる制御パラメータ、制御部110による演算結果、及び、検出されたセンサ値等が記憶される。
(2−2.噴射弁駆動部)
噴射弁駆動部150は、例えば、噴射弁31を駆動する駆動回路により構成され、制御部110の噴射弁制御部120から入力される指示信号に基づいて噴射弁31を駆動する。また、ポンプ駆動部160は、例えば、ポンプ41を駆動する駆動回路により構成され、制御部110のポンプ制御部126から入力される指示信号に基づいてポンプ41を駆動する。
(2−3.制御部)
制御部110は、例えば、CPU又はMPU等の公知のマイクロコンピュータ及び電気回路により構成される。制御部110は、下流側NOX濃度推定部112と、目標値設定部114と、基本供給量算出部116と、供給量補正部118と、噴射弁制御部120と、ポンプ制御部122とを有する。これらの各部は、具体的には、マイクロコンピュータによるソフトウェアプログラムの実行により実現される機能であってよい。制御部110は、NOXセンサ23のセンサ信号S_nu、排気温度センサ21のセンサ信号S_tg、及び、圧力センサ43のセンサ信号S_puの他、内燃機関5の回転数Neや燃料噴射量Q等の内燃機関5の運転条件の情報を、直接、あるいは、CAN(Controller Area Network)等の通信手段を介して、取得可能になっている。
(2−3−1.ポンプ制御部)
ポンプ制御部122は、例えば、圧力センサ43のセンサ信号S_puに基づき検出される尿素水溶液の圧力Puが、あらかじめ設定された目標圧力Pu_tgtとなるように、ポンプ41の出力をフィードバック制御する。具体的に、ポンプ制御部122は、検出された尿素水溶液の圧力Puと目標圧力Pu_tgtとの差分ΔPに基づいてポンプ41の出力を設定し、ポンプ駆動部160に対して駆動指示信号を出力する。ポンプ駆動部160は、入力された駆動指示信号に基づいて、ポンプ41を駆動する。
(2−3−2.下流側NOX濃度推定部)
下流側NOX濃度推定部112は、選択還元触媒13の下流側におけるNOX濃度を演算により推定する。例えば、下流側NOX濃度推定部112は、内燃機関5の運転条件、排気温度Tgas、及び、選択還元触媒13におけるアンモニアの吸着率等の情報に基づいて、選択還元触媒13の下流側に流出するNOXの濃度を推定する。かかるNOX濃度の推定方法としては、従来公知の推定方法が適用され得るため、詳細な説明を省略する。
(2−3−3.基本供給量算出部)
基本供給量算出部116は、少なくとも内燃機関5の排気ガス中のNOX量に基づいて、還元剤供給装置30による尿素水溶液の基本供給量を算出する。例えば、基本供給量算出部116は、内燃機関5の運転条件に基づいて推定される排気ガス中のNOX濃度(ppm又はmg/m3)に排気流量(m3/秒)を掛けることで排気ガス中のNOXの流量(mg/秒)を算出し、単位時間当たりのNOXの流量(mg)を還元させ得るアンモニア量(mg)を算出する。単位時間は、例えば、噴射弁31からの尿素水溶液の噴射サイクルに設定され得る。排気流量は、例えば、内燃機関5の吸気量及び内燃機関の回転数Ne等の情報に基づいて推定され得るが、かかる例に限定されない。
また、基本供給量算出部116は、選択還元触媒13の目標吸着量(mg)から現在のアンモニアの吸着量(mg)を引いた差分(mg)を算出する。現在のアンモニアの吸着量は、例えば、吸着量がゼロの状態から、尿素水溶液の供給量に対応するアンモニア量(正の値)と、NOXの還元に用いられたアンモニア量(負の値)と、アンモニアスリップ量(負の値)とを積算し続けることで、推定され得る。また、目標吸着量は、触媒温度の変化によって生じるアンモニアスリップを抑制するために、例えば、触媒温度に応じて変化するアンモニアの吸着可能量の70〜80%程度に設定される。つまり、アンモニアの吸着量の差分の値は、正負いずれの値にもなり得る。
基本供給量算出部116は、算出された排気ガス中のNOXの浄化に要するアンモニア量に対して、選択還元触媒13の目標吸着量に対するアンモニアの差分の量を加減算して得られるアンモニア量に基づき、当該アンモニア量を生成可能な尿素水溶液の量を基本供給量として算出する。
(2−3−4.供給量補正部)
供給量補正部118は、選択還元触媒13の下流側に設けられたNOXセンサ23のセンサ信号S_nuが示すセンサ値Nu_actと、当該センサ値の目標値Nu_tgtとに基づいて、尿素水溶液の基本供給量を増量補正又は減量補正して、尿素水溶液の供給量を設定する。かかる目標値Nu_tgtは、後述する目標値設定部114により変更され得る値である。本実施形態に係る制御装置100において、供給量補正部118は、NOXセンサ値Nu_actが目標値Nu_tgtを上回っている場合に尿素水溶液の基本供給量を増量補正し、NOXセンサ値Nu_actが目標値Nu_tgt以下の場合に尿素水溶液の基本供給量を減量補正する。
制御装置100は、NOXセンサ値Nu_actがNOXに反応した値であるのか、アンモニアに反応した値であるのかを判別できない。このため、NOXセンサ値Nu_actが目標値Nu_tgtを上回っているとしても、制御装置100は、尿素水溶液の供給量を増量すべきであるのか減量すべきであるのかを判別できない。上述のとおり、尿素水溶液の基本供給量は、アンモニアスリップが生じないように設定される。したがって、供給量補正部118は、NOXセンサ値Nu_actがNOXに反応した値であると仮定して、基本供給量を増量補正又は減量補正するように設定されている。
つまり、供給量補正部118は、NOXセンサ値Nu_actが目標値Nu_tgtを上回っている場合には、NOXセンサ値Nu_actを低下させるために、尿素水溶液の基本供給量を増量補正する。一方、供給量補正部118は、NOXセンサ値Nu_actが目標値Nu_tgt以下の場合には、NOXセンサ値Nu_actを上昇させるために、尿素水溶液の供給量を減量補正する。尿素水溶液の供給量を増量補正又は減量補正する場合、供給量補正部118は、例えば、基本供給量に対してあらかじめ設定された係数をかけることにより、供給量を増減させてもよい。ただし、増量補正又は減量補正の手法は、かかる例に限定されない。
(2−3−5.噴射弁制御部)
噴射弁制御部120は、供給量補正部118で設定された尿素水溶液の供給量に基づいて噴射弁31の制御量を決定し、噴射弁駆動部150に対して駆動指示信号を出力する。具体的に、噴射弁制御部120は、設定された供給量に基づいて噴射弁31の開弁時間を制御する。本実施形態に係る制御装置100においては、上述したように、噴射弁31に供給される尿素水溶液の圧力Puは目標値Pu_tgtとなるように制御されている。このため、噴射弁制御部120は、あらかじめ設定された噴射サイクルにおける開弁時間の比率である駆動デューティ比を、目標となる供給量に基づいて設定する。噴射弁制御部120は、このように設定した駆動デューティ比に基づいて、噴射弁31の駆動指示信号を噴射弁駆動部150に出力する。
(2−3−6.目標値設定部)
目標値設定部114は、供給量補正部118により用いられるNOXセンサ値Nu_actの目標値Nu_tgtを設定する。目標値設定部114は、尿素水溶液の噴射制御を実行している間、尿素水溶液の供給量の補正後におけるNOXセンサ値Nu_actの増減に応じて目標値Nu_tgtを変更する。これにより、選択還元触媒13の劣化等によってNOXの還元効率の変化、又は、アンモニアの吸着可能量の変化が生じた場合であっても、選択還元触媒13の下流側に流出するNOX量、又は、アンモニアスリップ量が多大にならないように、尿素水溶液の供給量が制御され得る。
(目標値変更の必要性)
まず、図4〜図6に基づいて、目標値Nu_tgtの変更の必要性について説明する。図4は、新品の状態の選択還元触媒13を使用した場合における尿素水溶液の供給量とNOXセンサ値Nu_actとの関係を示している。図5は、選択還元触媒13の劣化時の尿素水溶液の供給量とNOXセンサ値Nu_actとの関係を示している。図6は、選択還元触媒13の過度の劣化時の尿素水溶液の供給量とNOXセンサ値Nu_actとの関係を示している。図4〜図6は、内燃機関5の排気ガス中のNOX量が一定であると仮定した場合を示している。また、図4〜図6に示したNOXセンサ値Nu_actの目標値Nu_tgtは、すべて同一の値であり、選択還元触媒13の下流側におけるNOX濃度あるいはアンモニア濃度の許容範囲内において適切な値に設定されている。
図4に示すように、選択還元触媒13が新品の状態である場合、NOXセンサ値Nu_actが目標値Nu_tgt以下で取り得る範囲(幅)は比較的広い。このため、NOXセンサ値Nu_actがアンモニア濃度を示す場合であっても、当該NOXセンサ値Nu_act(この場合、アンモニア濃度)が目標値Nu_tgtを超えるほどのアンモニアスリップが生じる可能性は小さい。この場合、NOXセンサ値Nu_actが図中の丸印(〇)の位置に向かうように、尿素水溶液の供給量が増量補正又は減量補正される。
一方、図5に示すように、選択還元触媒13が劣化し始めた場合、選択還元触媒13のアンモニアの吸着可能量の低下に伴って、NOXの還元効率が低下して選択還元触媒13の下流側にNOXが流出しやすくなり、かつ、アンモニアスリップが生じやすくなる。このため、NOXセンサ値Nu_actが取り得る値は全体的に上方にシフトする。したがって、NOXセンサ値Nu_actが目標値Nu_tgt以下で取り得る範囲(幅)は狭くなる。そうすると、NOXセンサ値Nu_actがアンモニア濃度を示す場合においても、当該NOXセンサ値Nu_actが目標値Nu_tgtを超えやすくなる。
NOXセンサ値Nu_actが目標値Nu_tgtを超える場合には、尿素水溶液の供給量は増量補正されるために、一旦アンモニアに反応したNOXセンサ値Nu_actが目標値Nu_tgtを超えた後には、NOXセンサ値Nu_actは上昇し続けることになる。この状態において、尿素水溶液の供給量が増量補正され続けると、アンモニアスリップ量が多大になってしまうために、尿素水溶液の供給量が所定の上限量を超える場合には、所定の下限量にリセットされて、引続き尿素水溶液の供給量の制御が継続される。このように、選択還元触媒13の劣化時においては、NOXセンサ値Nu_actが図中の丸印(〇)の位置に落ち着くまでに、アンモニアスリップ量、あるいは、選択還元触媒13から流出するNOX量が増えてしまう。
さらに、図6に示すように、選択還元触媒13が過度に劣化した場合、NOXセンサ値Nu_actが取り得る値はさらに上方にシフトして、NOXセンサ値Nu_actが目標値Nu_tgt以下になる可能性が極めて低くなる。NOXセンサ値Nu_actが常時目標値Nu_tgtを上回る状態では、NOXセンサ値Nu_actが目標値Nu_tgtを示すことはなく、尿素水溶液の供給量は、所定の下限量にリセットされながら増量補正され続ける。この間、アンモニアスリップ量、あるいは、選択還元触媒13から流出するNOX量は多大になる。
このように、NOXセンサ値Nu_actの目標値Nu_tgtが一定のままであると、選択還元触媒13の劣化時等において、尿素水溶液の供給量を適切に制御することが困難になって、アンモニアスリップ量、あるいは、選択還元触媒13から流出するNOX量が増大するおそれがある。これに対して、選択還元触媒13の使用期間に応じて、目標値Nu_tgtを増大させていくことも考えられるが、選択還元触媒13の現状を把握することは容易ではないために、NOXセンサ値Nu_actが常時目標値Nu_tgtを上回る状態になることを完全に避けることができない。
(目標値設定処理の概略)
本実施形態に係る制御装置100において、目標値設定部114は、目標値Nu_tgtの変更の必要性に対応すべく、NOXセンサ値Nu_actの増減に応じて目標値Nu_tgtを変更する。例えば、NOXセンサ値Nu_actがNOXに反応した値である場合、つまり、図1の領域Aの範囲で尿素水溶液の供給量の制御が行われている場合、尿素水溶液の供給量を増量補正した後においてNOXセンサ値Nu_actは低下し、減量補正した後においてNOXセンサ値Nu_actは上昇する。一方、NOXセンサ値Nu_actがアンモニアに反応した値である場合、つまり、図1の領域Bの範囲で尿素水溶液の供給量の制御が行われている場合、尿素水溶液の供給量を増量補正した後においてNOXセンサ値Nu_actは上昇し、減量補正した後においてNOXセンサ値Nu_actは低下する。
上述のように、尿素水溶液の供給量の制御は、基本的には、アンモニアスリップを生じさせないようにして行われる。したがって、目標値設定部114は、NOXセンサ値Nu_actがアンモニアに反応した値である場合には、尿素水溶液の供給量が減量補正されるように、目標値Nu_tgtを設定する。また、目標値設定部114は、NOXセンサ値Nu_actがNOXに反応した値である場合には、尿素水溶液の供給量が増量補正されるように、目標値Nu_tgtを設定する。これにより、選択還元触媒13の劣化等による触媒特性の変化にかかわらず、アンモニアスリップ量、あるいは、選択還元触媒13から流出するNOX量が多大にならないように、尿素水溶液の供給量が適切に制御される。
(フローチャート)
次に、本実施形態に係る制御装置100の制御部110によるNOXセンサ値Nu_actの目標値Nu_tgtの設定処理の一例について詳細に説明する。図7〜図9は、制御部110による目標値設定処理の一例を示すフローチャートである。図7は、目標値設定処理のメインルーチンを示すフローチャートであり、図8〜図9は、それぞれ目標値設定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、制御部110は、内燃機関5の始動を検知した後、尿素水溶液が解凍状態にあり、かつ、選択還元触媒13の温度があらかじめ設定した閾値を超えた場合に、尿素水溶液の供給制御を開始する(ステップS11)。次いで、目標値設定部114は、下流側NOX濃度推定部112で算出される下流側NOX濃度Nu_estを、NOXセンサ値Nu_actの目標値Nu_tgtの初期値として設定する(ステップS13)。ただし、目標値設定処理開始後の目標値Nu_tgtの初期値は、演算により推定される下流側NOX濃度Nu_tgtでなくてもよく、適宜の値に設定され得る。
次いで、目標値設定部114は、NOXセンサ23のセンサ信号S_nuに基づいてNOXセンサ値Nu_actを検出し(ステップS15)、このとき検出されたNOXセンサ値Nu_actを基準値Nu_0に設定する(ステップS17)。さらに、目標値設定部114は、設定した基準値Nu_0から、ステップS13で設定された目標値Nu_tgtを引いて、差分ΔNuを求める(ステップS19)。
次いで、目標値設定部114は、算出された差分ΔNuの値が、ゼロを超えているか否かを判別する(ステップS21)。差分ΔNuの値がゼロを超えている場合、つまり、基準値Nu_0が目標値Nu_tgtを超えている場合、制御部110は、尿素水溶液の供給量の増量補正及び目標値変更処理を実行する(ステップS30)。一方、差分ΔNuの値がゼロ以下の場合、つまり、基準値Nu_0が目標値Nu_tgt以下の場合、制御部110は、尿素水溶液の供給量の減量補正及び目標値変更処理を実行する(ステップS50)。
図8に示すように、尿素水溶液の供給量の増量補正及び目標値変更処理において、まず、供給量補正部118は、尿素水溶液の供給量を増量補正するとともに、図示しないタイマのカウントを開始させる(ステップS31)。次いで、タイマのカウントを開始させてからの経過時間が、あらかじめ設定した閾値を経過すると(ステップS33)、目標値設定部114は、NOXセンサ23のセンサ信号S_nuに基づいてNOXセンサ値Nu_actを検出する(ステップS35)。経過時間の閾値は、少なくとも、尿素水溶液の供給量を増量補正してから、NOXセンサ値Nu_actが安定するまでの時間以上の時間に設定される。
次いで、目標値設定部114は、検出されたNOXセンサ値Nu_actが、現在設定されている基準値Nu_0以下であるか否かを判別する(ステップS37)。つまり、このステップS37では、尿素水溶液の供給量を増量補正した結果、NOXセンサ値Nu_actが上昇したか否かが判別される。検出されたNOXセンサ値Nu_actが基準値Nu_0以下の場合(S37:Yes)、現在のNOXセンサ値Nu_actは、NOXに反応した値であって、少なくとも基準値Nu_0が目標値Nu_tgtを上回っていたものと判断できる。このため、目標値設定部114は、目標値Nu_tgtを維持した状態で、本サブルーチンの処理を終了する。
一方、検出されたNOXセンサ値Nu_actが基準値Nu_0を超える場合(S37:No)、現在のNOXセンサ値Nu_actは、アンモニアに反応した値であって、目標値Nu_tgtを上回っていると判断できる。このため、目標値設定部114は、目標値Nu_tgtがNOXセンサ値Nu_actを超える値とすべく、目標値Nu_tgtを増大させる(ステップS39)。次いで、目標値設定部114は、NOXセンサ23のセンサ信号S_nuに基づきNOXセンサ値Nu_actを再び検出し(ステップS41)、NOXセンサ値Nu_actが目標値Nu_tgt以下になったか否かを判別する(ステップS43)。
NOXセンサ値Nu_actが目標値Nu_tgtを超える場合(S43:No)、目標値設定部114は、ステップS39に戻って、目標値Nu_tgtの増大(ステップS39)、NOXセンサ値Nu_actの検出(ステップS41)、及び、NOXセンサ値Nu_actと目標値Nu_tgtとの比較(ステップS43)を繰り返す。この間、尿素水溶液の供給量のさらなる増量補正は行われずに、目標値Nu_tgtがNOXセンサ値Nu_actを超えるまで、目標値Nu_tgtが徐々に増大される。その結果、NOXセンサ値Nu_actが目標値Nu_tgt以下になったときに(S43:Yes)、目標値設定部114は、本サブルーチンの処理を終了する。
また、図9に示すように、尿素水溶液の供給量の減量補正及び目標値変更処理においては、まず、供給量補正部118は、尿素水溶液の供給量を減量補正するとともに、図示しないタイマのカウントを開始させる(ステップS51)。次いで、タイマのカウントを開始させてからの経過時間が、あらかじめ設定した閾値を経過すると(ステップS53)、目標値設定部114は、NOXセンサ23のセンサ信号S_nuに基づいてNOXセンサ値Nu_actを検出する(ステップS55)。経過時間の閾値は、少なくとも、尿素水溶液の供給量を減量補正してから、NOXセンサ値Nu_actが安定するまでの時間以上の時間に設定される。かかる閾値は、尿素水溶液の供給量を増量補正した場合の閾値と同一の値であってもよい。
次いで、目標値設定部114は、検出されたNOXセンサ値Nu_actが、現在設定されている基準値Nu_0以下であるか否かを判別する(ステップS57)。つまり、このステップS57では、尿素水溶液の供給量を減量補正した結果、NOXセンサ値Nu_actが上昇したか否かが判別される。検出されたNOXセンサ値Nu_actが基準値Nu_0以下の場合(S57:Yes)、現在のNOXセンサ値Nu_actは、アンモニアに反応した値であって、目標値Nu_tgt以下となっていると判断できる。このため、目標値設定部114は、目標値Nu_tgtを維持した状態で、本サブルーチンの処理を終了する。
一方、検出されたNOXセンサ値Nu_actが基準値Nu_0を超える場合(S57:No)、現在のNOXセンサ値Nu_actは、NOXに反応した値であって、少なくとも基準値Nu_0が目標値Nu_tgt以下となっていたと判断できる。このため、目標値設定部114は、目標値Nu_tgtを減少させて、本サブルーチンを終了する(ステップS59)。これにより、NOX濃度を示すNOXセンサ値Nu_actの目標値Nu_tgtがより小さい値に変更され、選択還元触媒13から流出するNOX量を低減し得るように、尿素水溶液の供給量が制御されることになる。
図7に戻り、尿素水溶液の増量補正又は減量補正、及び、NOXセンサ値Nu_actの目標値Nu_tgtの変更処理が実行された後、制御部110は、尿素水溶液の供給制御が終了しているか否かを判別する(ステップS23)。尿素水溶液の供給制御が継続中である場合(S23:No)、制御部110は、ステップS15に戻って、上記の各処理を繰り返す。一方、尿素水溶液の供給制御が終了している場合(S23:Yes)、制御部110は、目標値設定処理のルーチンを終了する。
(目標値の変化)
次に、図10〜図20を参照して、目標値設定部114によって変更される目標値の変化について、NOXセンサ値Nu_actの挙動と併せて説明する。図10〜図20において、三角印(△)が尿素水溶液の供給量の補正前の基準値Nu_0を示し、丸印(〇)が尿素水溶液の供給量の補正後のNOXセンサ値Nu_actを示す。かかる図10〜図20は、内燃機関5の排気ガス中のNOX量を一定と仮定した場合の例を示している。
図10に示すように、NOXセンサ値Nu_actがNOXに反応した値であって、基準値Nu_0が目標値Nu_tgtを超えている場合、尿素水溶液の供給量は増量補正され、これに伴ってNOXセンサ値Nu_actは低下する。この場合、目標値Nu_tgtは変更されずに維持される。
次の処理サイクルにおいても、図11に示すように、NOXセンサ値Nu_actがNOXに反応した値であって、基準値Nu_0が目標値Nu_tgtを超えているため、尿素水溶液の供給量は増量補正され、これに伴ってNOXセンサ値Nu_actは引き続き低下する。この場合においても、目標値Nu_tgtは変更されずに維持される。
次の処理サイクルでは、図12に示すように、NOXセンサ値Nu_actがNOXに反応した値であって、基準値Nu_0が目標値Nu_tgt以下であるため、尿素水溶液の供給量は減量補正され、これに伴ってNOXセンサ値Nu_actは上昇する。この場合、目標値Nu_tgtは、より小さい目標値Nu_tgt_newに変更される。これにより、尿素水溶液の供給量は、再び増量補正されやすくなる。
次の処理サイクルでは、図13に示すように、NOXセンサ値Nu_actがNOXに反応した値であって、基準値Nu_0が目標値Nu_tgtを超えているため、尿素水溶液の供給量は増量補正され、これに伴ってNOXセンサ値Nu_actは再び低下する。この場合、目標値Nu_tgtは変更されずに維持される。
次の処理サイクルにおいても、図14に示すように、NOXセンサ値Nu_actがNOXに反応した値であって、基準値Nu_0が目標値Nu_tgtを超えているため、尿素水溶液の供給量は増量補正され、これに伴ってNOXセンサ値Nu_actが引き続き低下する。この場合、目標値Nu_tgtは変更されずに維持される。
次の処理サイクルでは、図15に示すように、NOXセンサ値Nu_actがNOXに反応した値であって、基準値Nu_0が目標値Nu_tgt以下であるため、尿素水溶液の供給量は減量補正され、これに伴ってNOXセンサ値Nu_actは上昇する。この場合、目標値Nu_tgtは、さらに小さい目標値Nu_tgt_newに変更される。図15の例では、変更された目標値Nu_tgt_newは、NOXセンサ23が取り得る値を下回る値となっている。
次の処理サイクルでは、図16に示すように、NOXセンサ値Nu_actがNOXに反応した値であって、基準値Nu_0が目標値Nu_tgtを超えているため、尿素水溶液の供給量は増量補正され、これに伴ってNOXセンサ値Nu_actは再び低下する。この場合、目標値Nu_tgtは変更されずに維持される。
次の処理サイクルにおいても、図17に示すように、NOXセンサ値Nu_actがNOXに反応した値であって、基準値Nu_0が目標値Nu_tgtを超えているため、尿素水溶液の供給量は増量補正される。ただし、尿素水溶液の供給量を増量補正した結果、アンモニアスリップが生じ、NOXセンサ値Nu_actがアンモニアに反応した値となって、NOXセンサ値Nu_actが上昇している。この場合、目標値Nu_tgtは、より大きい値Nu_tgt_newに変更される。
図17に示した処理サイクルにおいて増大された目標値Nu_tgt_newは、NOXセンサ値Nu_actを下回っていることから、図18に示すように、次の処理サイクルでは、尿素水溶液の供給量のさらなる補正は行われず、NOXセンサ値Nu_actは変動しない。この場合、目標値Nu_tgtは、さらに大きい値Nu_tgt_newに変更される。その結果、増大された目標値Nu_tgt_newは、NOXセンサ値Nu_actを上回っている。
次の処理サイクルでは、図19に示すように、NOXセンサ値Nu_actがアンモニアに反応した値であって、基準値Nu_0が目標値Nu_tgt以下であるため、尿素水溶液の供給量は減量補正される。尿素水溶液の供給量を減量補正した結果、NOXセンサ値Nu_actがNOXに反応した値となって、NOXセンサ値Nu_actが低下している。この場合、目標値Nu_tgtは変更されずに維持される。
次の処理サイクルでは、図20に示すように、NOXセンサ値Nu_actがNOXに反応した値であって、基準値Nu_0が目標値Nu_tgt以下であるため、尿素水溶液の供給量は減量補正され、これに伴ってNOXセンサ値Nu_actは上昇する。この場合、目標値Nu_tgtは、より小さい目標値Nu_tgt_newに変更される。その結果、処理後の状態としては、図13に示した処理サイクルと同じ状態となって、以降図14〜図20の状態が繰り返される。
目標値設定部114が、目標値Nu_tgtを変更する場合の増大幅あるいは減少幅は、適宜の値に設定され得る。例えば、増大幅が小さすぎる場合には、NOXセンサ値Nu_actがアンモニアに反応した値である場合に、目標値Nu_tgtがNOXセンサ値Nu_actを上回るまでに時間がかかってしまい、アンモニアスリップ量が増えやすくなる。また、減少幅が大きすぎる場合には、NOXセンサ値Nu_actが常時目標値Nu_tgtを上回りやすくなり、尿素水溶液の供給量が増量補正されやすくなって、アンモニアスリップ量が増えやすくなる。したがって、目標値Nu_tgtの増大幅あるいは減少幅は、尿素水溶液の供給量の補正度合い等も考慮しつつ、適切な値に設定され得る。
図10〜図20で示した例では、選択還元触媒13の特性が変化していないが、選択還元触媒13の特性が変化した場合であっても、目標値Nu_tgtは、NOXセンサ値Nu_actが取り得る値の下限側近傍を増減することになる。また、これに伴って、NOXセンサ値Nu_actが目標値Nu_tgtから大きく乖離しないように尿素水溶液の供給量が制御されるようになる。したがって、アンモニアスリップ量、又は、選択還元触媒13から流出するNOX量が多大になることを抑制することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る還元剤供給装置30の制御装置100によれば、選択還元触媒13の劣化等による触媒特性の変化にかかわらず、NOXセンサ値Nu_actの目標値Nu_tgtを、NOXセンサ値Nu_actが取り得る値の下限側近傍で変動させることができる。このため、NOXセンサ値Nu_actが、NOXセンサ値Nu_actが取り得る値の下限側近傍を推移するように、尿素水溶液の供給量が制御されることになる。これにより、アンモニアスリップ量、又は、選択還元触媒13から流出するNOX量が多大になることを抑制することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
5 内燃機関
10 尿素SCRシステム
11 排気管
13 選択還元触媒
21 排気温度センサ
23 NOXセンサ
30 還元剤供給装置
31 噴射弁
41 ポンプ
43 圧力センサ
50 タンク
100 制御装置
110 制御部
114 目標値設定部
116 基本供給量算出部
118 供給量補正部
120 噴射弁制御部

Claims (4)

  1. 排気通路に配設された選択還元触媒の上流側に、内燃機関の排気ガス中のNOXを浄化するための還元剤を供給する還元剤供給装置を制御するための制御装置において、
    少なくとも前記内燃機関の排気ガス中のNOX量に基づいて前記還元剤の基本供給量を算出する基本供給量算出部と、
    前記選択還元触媒の下流側に設けられたNOXセンサのセンサ値と当該センサ値の目標値とに基づいて前記還元剤の基本供給量を増量補正又は減量補正して供給量を設定する供給量補正部と、
    前記還元剤の供給量の補正後における前記センサ値の増減に応じて前記目標値を変更するか否かを判断し、前記センサ値が前記目標値よりも大きい時に前記還元剤の増量補正をした後、前記センサ値が上昇した場合には前記目標値を増大させ、前記センサ値が低下した場合には前記目標値を維持させる目標値設定部と、
    を備える、還元剤供給装置の制御装置。
  2. 前記供給量補正部は、前記センサ値が前記目標値よりも大きい場合には前記還元剤の基本供給量を増量補正させ、前記センサ値が前記目標値よりも小さい場合には前記還元剤の基本供給量を減量補正させる、請求項1に記載の還元剤供給装置の制御装置。
  3. 前記目標値設定部は、前記目標値を増大する場合、前記センサ値が前記目標値以下となるまで前記目標値の増大を繰り返す、請求項1又は2に記載の還元剤供給装置の制御装置。
  4. 排気通路に配設された選択還元触媒の上流側に、内燃機関の排気ガス中のNO X を浄化するための還元剤を供給する還元剤供給装置を制御するための制御装置において、
    少なくとも前記内燃機関の排気ガス中のNO X 量に基づいて前記還元剤の基本供給量を算出する基本供給量算出部と、
    前記選択還元触媒の下流側に設けられたNO X センサのセンサ値と当該センサ値の目標値とに基づいて前記還元剤の基本供給量を増量補正又は減量補正して供給量を設定する供給量補正部と、
    前記還元剤の供給量の補正後における前記センサ値の増減に応じて前記目標値を変更するか否かを判断し、前記センサ値が前記目標値以下の時に前記還元剤の減量補正をした後、前記センサ値が上昇した場合には前記目標値を減少させ、前記センサ値が低下した場合には前記目標値を維持させる目標値設定部と、
    を備える、還元剤供給装置の制御装置。
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