JP6876900B2 - 偏心回転軸を有する研磨具 - Google Patents

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Description

本発明は、サンダー、グラインダー、ポリッシャーなど被工作物の表面を研削したり、研磨したりして工作するための工作具である研磨具において、駆動軸の中心線から所定距離の偏心位置に、研磨盤の回転軸が設けられている、いわゆるランダムアクションないしはダブルアクション研磨具に関する。
駆動モーターの駆動軸の中心線から偏心した位置に、研磨盤の回転軸を回転自在に取り付けた研磨具では、研磨盤は駆動軸の周りを軌道運動すると共に、研磨盤自体も回転軸を中心にして回転運動し、自転する。そのため通常、このような研磨具は、「ランダムアクション研磨具」または「ダブルアクションサンダー研磨具」とも呼ばれている。図7にこのような従来からの研磨具の偏心回転機構を示す。この研磨具では、研磨材2を取り付けた研磨盤3の偏心回転軸4は、モーター(図示せず)に連結した駆動軸5に固定された回転盤7上の、駆動軸5の中心線6から偏心した位置に、軸受9を介して回転自在に取り付けられている。そのため、この研磨具では、研磨盤3の不規則かつ複雑な回転運動により研磨が行われる。そのため、効率の良い研磨が行えるだけでなく、通常の研磨盤の規則的な回転運動による研磨において発生する、見た目には均一な研磨面であっても、研磨面への光の照射角度によっては観測される、オーロラマークなどと称される浮き立ったマークや模様などの発生を防ぐこともできる。このマーク等は規則的な回転により、非常に微細ではあるが周期的な研磨斑に起因するとされており、不規則な回転運動の研磨盤で研磨することでこのような不具合を解消することができるためである。
図7に示す研磨具では、モーターによる駆動軸5の回転駆動により回転盤7が回転し、研磨盤3は駆動軸5の中心線6の周りを、偏心量aを半径として軌道運動する。また研磨盤3は、軸受9を介した偏心回転軸4にて、回転盤7に回転自在に取り付けられており、回転盤7の回転に伴い、偏心回転軸4と軸受9との間の摩擦により発生する駆動力にて、偏心回転軸4の中心線8を中心として自転回転する。研磨盤3に取り付けた研磨材2が被工作物に接しておらず、研磨盤3が自由回転可能な状態では、研磨盤3の自転回転数は回転盤7の駆動回転数にまで上昇する。研磨盤3の回転数がこのように上昇した状態で、被工作物の表面に研磨材2を押し当てて、研磨や研削を行った場合には、研磨工作が衝撃的に行われることとなり、被工作物の表面には斑や傷が生じてしまう。また、被工作物に研磨盤3を強く押し付けると、研磨盤3の自転回転はブレーキが掛かることになり、そのブレーキ力は、回転軸4と軸受9との間の摩擦により発生する回転盤7の回転力より大きくなり、自転回転が行われなくなり、研磨力の著しい低下となる。
このような研磨盤の無負荷状態での自転回転数の著しい上昇や、被研磨面へ研磨盤を押し付けた場合の回転の停止を防ぐために、特殊クラッチを有する研磨具が本願発明者により提案されている(特許文献1を参照)。この特殊クラッチは図8に示すように、研磨盤の回転軸4に対するブレーキや駆動力の伝達構造として、駆動軸5に連結する回転盤7側に取付けられた主動クラッチ部材(回転盤側クラッチ構成部材)11と、研磨盤側に取付けられた従動クラッチ部材(研磨盤側クラッチ構成部材)12とが摺動可能であって駆動力伝達可能な摺動面13を介して連結されている特殊クラッチの提案がなされている。この特殊クラッチでは、摺動面13は摺動可能かつ駆動力伝達可能に連結されており、いわゆる半クラッチの状態となっているものである。そのため、摺動面13の摩擦力により回転盤7の駆動力を偏心回転軸4に伝達することができると共に、この摺動面13、の摩擦力は軸受9の摩擦力より大きくなっており、偏心回転軸8の自転回転を制御している。このように、回転盤側に取付けられたクラッチ構成部材は、駆動力の伝達と自転回転の制御を行う主動クラッチ部材であり、研磨盤側に取付けられたクラッチ構成部材は、駆動力の伝達と自転回転の制御とを受ける従動クラッチ部材となる。
上記の通り、この特殊クラッチの摺動面13は、摺動可能であって駆動力伝達可能の摺動面となっているため、非研磨時で無負荷の場合には、摺動面の摩擦によるブレーキ作用により研磨盤の自転回転数が著しく上昇することを防ぎ、研磨時で負荷が加わった場合には、摺動面の摩擦力により回転盤側からの駆動力を研磨盤側に伝達し、自転回転数を維持することができる。この場合、摺動面の形状は各種の形状とすることができ、平面としたり、摺動面13のように円錐状としたりすることができる。そして、この摺動面による作用により、前記したように、研磨盤の無負荷状態での自転回転数の著しい上昇や被研磨面へ研磨盤を押し付けた場合の回転の停止を防ぐことができ、被工作物の研磨において、研磨量を確保しつつ、表面の滑らかな加工面を得ることができ、バフ研磨においては、研磨面にマークや模様を発生させることなく、被工作物を効率よく研磨できるものである。
しかしながら、偏心回転軸を有する研磨具では、上記のような特殊クラッチを用いることにより、研磨後の表面状態の良好な研磨表面は得られるが、研磨力(研磨効率)についてはさらなる向上が望まれている。
国際公開第2013/061540号
本発明は、前記したように偏心回転軸を有する研磨具において、摺動可能であって駆動力伝達可能な摺動面を介して連結されている特殊クラッチを取付けた研磨具において、この特殊クラッチの駆動力伝達機能をさらに強化し、研磨具の研磨力を向上させた研磨具を提供しようとするものである。
本願発明者は研磨具の研磨力の向上を実現すべく、特殊クラッチの摺動面の検討を行った結果、摺動面として、偏心回転軸中心線に対して平行な面である平行摺動面を有するものとすることにより、特殊クラッチの駆動力伝達機能が強化され、研磨具の研磨力が向上することを見出し、本発明を成したものである。
すなわち、本発明の研磨具は、研磨材を取り付けた研磨盤の偏心回転軸が、モーターに連結した駆動軸に固定された回転盤の駆動軸中心線から偏心した位置に、軸受を介して取り付けられており、回転盤に取り付けられた主動クラッチ部材と研磨盤もしくは研磨盤に固定されている偏心回転軸に取り付けられた従動クラッチ部材とが、摺動可能であって駆動力伝達可能な摺動面を介して連結されている特殊クラッチを有する研磨具において、該特殊クラッチの摺動面は、偏心回転軸中心線に対して平行な面である平行摺動面を有することを特徴とするものである。
上記特殊クラッチの摺動面は、平行摺動面とそれ以外の摺動面を有する。この平行摺動面は偏心回転軸中心線に対して平行な面であり、摺動面とこの中心線との距離を半径とする円筒面となっており、両クラッチ部材の側面摺動面にもなっている。一方、平行摺動面以外の摺動面は両クラッチ部材相互の対向面による摺動面となっている。
ところで、特殊クラッチの摺動面は、摺動面の摩擦力によるブレーキ作用により受動クラッチ部材を制御し、研磨盤の自転回転数が著しく上昇することを防ぐ作用と、摺動面の摩擦力により主動クラッチ部材から受動クラッチ部材へ駆動力を伝達することで、回転盤側からの駆動力を研磨盤側に伝達し、自転回転数を維持する作用とを果たしている。そのため、この特殊クラッチを有する研磨具において、特殊クラッチの駆動力伝達機能を強化するためには、摺動面の摩擦力を大きくすればよく、そのためには、摩擦力Fは摺動面の摩擦係数μと摺動面の加えられる抗力Nとの間で F=μN の関係にあるため、摩擦係数μや抗力Nの値を大きくすればよい。しかし、摩擦力Fを大きくするために、これらμやNの数値を大きくすると、摺動面の摺動のし易さが制限されて、従動クラッチ部材及びそれに連結する研磨盤の自転回転が制限されることになり、ランダムアクション研磨具としての機能が制限されることになってしまう。
これに対して、特殊クラッチの摺動面が偏心回転軸中心線に対して平行な面である平行摺動面を有するものとすることにより、上記の問題を生ずることなく、特殊クラッチの駆動力伝達機能を強化することができたものであり、作用機構は次のように考えられる。すなわち、研磨盤の回転軸である偏心回転軸に与えられる駆動力は、特殊クラッチの摺動面の各作用点にて発生する摩擦力と、偏心回転軸中心線から各作用点までの距離との積であるモーメントの総和である。そして、本発明の特殊クラッチの摺動面が有する平行摺動面は円筒面であり、この平行摺動面が偏心回転軸に与える駆動力は、平行摺動面で発生する摩擦力と、偏心回転軸中心からの平行摺動面までの距離すなわち平行摺動面の半径との積であるモーメントとなる。そのため、摩擦力が小さくとも偏心回転軸に与える駆動力は大きな値となり、特殊クラッチにおける駆動力の伝達機能が強化される。
そして、上記の平行摺動面は、従動クラッチの最外周側面もしくはその近傍にある面とすることで、偏心回転軸中心との距離を大きくすることができ、大きなモーメントが得られるため好ましい。この場合、最外周側面の近傍にある面とは、最外周側面との距離が、従動クラッチ部材の半径(偏心回転軸中心から最外周側面までの距離)の30%未満の値となる円筒状の面を意味する。すなわち、円筒状である平行摺動面の半径が、従動クラッチ部材の半径の少なくとも70%の値であることが好ましい。
さらに、平行摺動面以外の摺動面、すなわち両クラッチ部材相互の対向面による摺動面は、平行摺動面に対して直交方向の平面、または平行摺動面に対する角度が従動クラッチ部材側において30°以上90°未満の円錐面であることが好ましく、従動クラッチ部材における平行摺動面以外の摺動面は、平面または凹んだ円錐面となっていることが好ましい。摺動面がこのような形状となることで、研磨具の作動中に主動クラッチ部材と従動クラッチ部材とが安定して摺動可能に係合し摺動面を構成し、両クラッチ部材間での駆動力の伝達が安定する。
また、主動クラッチ部材または従動クラッチ部材の一方の側のクラッチ部材はプラスチック材料からなり、他方の側のクラッチ部材は金属材料からなっていることが好ましい。そして、プラスチック材料としては、フッ素樹脂、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、ポリアミドイミド、あるいはそれらの繊維強化樹脂が好ましく、金属材料としては、鉄鋼、銅合金、アルミニウム合金、ホワイトメタルなどの金属や液体潤滑油を含浸した焼結金属が好ましく用いられる。
本発明の研磨具は、上記した構造とすることにより、特殊クラッチの摺動面の摺動のし易さを保持し、ダブルアクション研磨具の大きな特長である表面状態の良好な研磨表面を維持しつつ、平行摺動面の作用により特殊クラッチの駆動力伝達機能をさらに強化し、研磨具の研磨力を向上させることができる。
従って、本発明の研磨具は、いわゆるグラインダー、サンダーと称される研削加工用研磨具や、ポリッシャーと称される仕上げ研磨加工用研磨具などとして好ましく用いることができる。
平行摺動面以外の摺動面が平面状の形状である特殊クラッチの断面説明図である。 図1に示した特殊クラッチの一部を変更した形態の断面説明図である。 図1に示した特殊クラッチの一部を変更した形態の断面説明図である。 平行摺動面以外の摺動面が円錐面である特殊クラッチの断面説明図である。 平行摺動面を有しない特殊クラッチの参考例の断面説明図である。 平行摺動面を有しない特殊クラッチの参考例の断面説明図である。 従来からのランダムアクション研磨具の偏心回転軸の説明図である。 改良前の特殊クラッチの断面説明図である。
本発明の実施の形態を図に基づいて以下詳細に説明する。
図1は本発明の特殊クラッチの断面説明図であり、本図において、偏心回転軸4の先には、図示はしていないが、図7と同様に研磨盤3が固定され、研磨盤3には研磨材2が取り付けられている。駆動軸5の先には、同様に図示されていないが、駆動モーターが連結されており、モーターからの駆動力を受けて、回転盤7が回転する。また先に説明した図7と同様に、偏心回転軸4は駆動軸5から、偏心した位置に取り付けられており、モーターによる駆動軸5の回転駆動により回転盤7が回転し、偏心回転軸4は軌道運動すると共に、ベアリングなどの軸受9を介して回転盤7に取り付けられているため、自転回転することができる。
図1における偏心回転軸4は、軸受9を介して回転盤7に取り付けられており、さらに偏心回転軸4には、従動クラッチ部材32が取り付けネジ14にて取り付け固定されている。一方、回転盤7には、主動クラッチ部材31が押しバネ16と共に取り付けられており、回転盤7と主動クラッチ部材31とが押しバネ16を介して、回転盤7から駆動力を主動クラッチ部材31に伝達するように取り付けられている。従動クラッチ部材32は主動クラッチ部材31に嵌め込まれた状態で特殊クラッチを構成しており、この両クラッチ部材の摺動面は、偏心回転軸中心線8に対して直交方向の平面から成る摺動面33と、偏心回転軸中心線8に対して平行な面から成る平行摺動面34とを有する。前者の摺動面33は、両クラッチ部材相互の対向面であり、後者の平行摺動面34は従動クラッチ部材32の最外周側面でもあり、偏心回転軸4の中心線8からの距離Dを半径とする円筒面となっている摺動面である。
図5は参考例の特殊クラッチの断面説明図であって、図1に示した特殊クラッチにおいて、摺動面として平行摺動面を有していない特殊クラッチを示している。図5に示す特殊クラッチでは、回転盤7に主動クラッチ部材21が押しバネ16を介して取付けられ、偏心回転軸4には、従動クラッチ部材22が取り付けネジ14にて取り付け固定され、この両クラッチ部材の摺動面は、相互の対向面で構成される摺動面23のみから成っており、偏心回転軸中心線8に対して平行な面である平行摺動面を有していない。
図5に示した参考例の特殊クラッチは、回転盤7と主動クラッチ21とは押しバネ16を介しており、半自由に取り付けられている。そのため、駆動軸5に連結されている駆動モーターの回転開始に少し遅れて、回転を始めることとなる。そのため、初期トルクの弱いエアモーターなどを使用するには適した構造である。しかし、モーターが十分にトルクを出力する状態にするためには、回転開始初期には摺動面23における摩擦力を低減させて十分に摺動するようにして、モーターへの負荷を低減しておくことが必要となる。そのため、押しバネ16による主動クラッチ部材21を押圧する力を弱め、摺動面23を充分に摺動させることになるが、押圧する力を弱め、摩擦力を低減させると、摺動面23における駆動力の伝達機能が低下してしまう。このように、この参考例の特殊クラッチでは、摺動のし易さと駆動力伝達機能の確保とのバランスを取ることが難しかった。
これに対して、図1に示す特殊クラッチは、両クラッチ部材相互の対向面で構成される摺動面33と、平行摺動面34とを有しており、平行摺動面34が偏心回転軸4に与える駆動力は、前記したように、この平行摺動面34で発生する摩擦力とこの摺動面の半径Dとの積であるモーメントになり、十分な駆動力を与えることができる。さらに、平行摺動面34での摩擦力は、押しバネ16の押圧の影響を受けることなく、一定の摩擦力を発生し、偏心回転軸4に駆動力を与えることができるものである。
平行摺動面34は、従動クラッチ部材32の最外周側面と主動クラッチ部材31に設けた凹部の内周側面とから構成され、摺動可能であり、かつ摩擦力により駆動力伝達可能となっている。この摺動面には必ずしも必要ではないが、多少の間隙が存在していると摺動がスムーズ行われる。すなわち、従動クラッチ部材32の最外周側面の直径が、主動クラッチ部材31に設けた凹部の内周側面の直径よりやや小さくなっている方が好ましい。この間隙は20〜550μmであることが好ましい。20μm未満では摺動のし易さの確保が十分ではなく、550μmを超えると駆動力伝達のための摩擦力の確保が不十分となる場合がある。また、摺動面が20μm未満ではクラッチ部材の摩耗損傷が大きくなり、クラッチ部材の交換頻度が多くなる。そして、摺動面には必要に応じて、潤滑剤を介在させることができるが、間隙の好ましい範囲は同様である。後述する形態を変更した各特殊クラッチにおいても平行摺動面の間隙はこの範囲であることが好ましい。
上記のように、特殊クラッチにおいては、平行摺動面は間隙を有しているが、回転盤や偏心回転軸の回転の中心軸は完全に一点に固定されているものではなく、ある程度の振れを伴っており、間隙の存在にもかかわらず、両クラッチ部材は摺動面において接触しており、摩擦力は常に発生している。平行摺動面の間隙に潤滑剤を充填した場合には、潤滑剤の粘弾性により、駆動力の伝達機能は保たれている。
図2は、図1に示した特殊クラッチの形態を一部変更した断面説明図であり、図1における主動クラッチ部材と従動クラッチ部材とを入れ替えた形態の特殊クラッチである。本図の特殊クラッチでは、偏心回転軸4には、従動クラッチ部材42が取り付けネジ14にて取り付け固定され、回転盤7には、主動クラッチ部材41が押しバネ16と共に取り付けられている。この両クラッチ部材の摺動面は、偏心回転軸中心線8に対して直交方向の平面から成る摺動面43と、偏心回転軸中心線8に対して平行な面から成る平行摺動面44とを有する。前者の摺動面43は、両クラッチ部材相互の対向面であるが、後者の平行摺動面44は従動クラッチ部材42の最外周側面45ではないが、その近傍にある面であって円筒面であり、その半径Dの値は、従動クラッチ部材42の半径D1の少なくとも70%の値となっている。そのため、図2に示す特殊クラッチも、平行摺動面44の作用効果により、図1に示したクラッチと同様に、この平行摺動面44で発生する摩擦力とこの摺動面の半径Dとの積であるモーメントになり、十分な駆動力を与えることができる。
図3は、さらに形態を変更した特殊クラッチの断面説明図であり、従動クラッチ部材52の最外周側面近傍が主動クラッチ部材51に食い込むように篏合されている形態の特殊クラッチである。この特殊クラッチの平行摺動面は、従動クラッチ部材52の最外周側面に相当する平行摺動面54aと、その近傍にある面で構成される平行摺動面54bとから成っており、これらの二つの平行摺動面が与える駆動力はより大きなものとなる。
図4は、さらに別の形態の特殊クラッチの断面説明図であり、本形態では平行摺動面64以外の摺動面63は円錐面となっている。そして、円錐面の摺動面63は、平行摺動面64に対する角度θが従動クラッチ部材62側において30°以上90°未満となっており、従動クラッチ62側に凹状の円錐面となっており、前記したように、研磨具の作動中に主動クラッチ部材と従動クラッチ部材とが安定して摺動可能に係合し摺動面を構成し、両クラッチ部材間での駆動力の伝達が安定する。そして、平行摺動面64は半径Dの円筒面であり、他の形態の平行摺動面と同様な作用効果を示し、優れた駆動力の伝達機能を果たす。
図4に示す形態の特殊クラッチでは、研磨盤を駆動する偏心回転軸4は、回転盤7に連結されたインナーケーシング65に軸受9を介して、取り付けられている。また、主動クラッチ部材61は、押しバネ16を介して回転盤7に取り付けられ、従動クラッチ部材62は取り付けネジ14にて偏心回転軸4に取り付けられている。そして、軸受9の損傷を避けるため、インナーケーシング65は押しバネ16による押圧とスナップリング66による掛止により、回転盤7に取付けられている。そのため、両クラッチ部材61、62の相互の対向面である摺動面63には、押しバネ16による押圧力と、偏心回転軸4を経由した研磨作業による研磨盤からの押圧力とが加えられるが、平行摺動面64にはこれらの押圧力の影響は非常に少ない。そのため、モーメントとして作用する平行摺動面64の摩擦力による駆動力の伝達機能が確保されるため、研磨作業中に研磨盤からの押圧力をあまり考慮することなく、押しバネ16の調整を行うことができる。
図6は、図4における平行摺動面64が無い参考例の特殊クラッチの断面説明図を示している。この参考例は、図4における主動クラッチ部材61に替えて、主動クラッチ71としたもので、平行摺動面64が無い参考例である。図4に示した特殊クラッチや図6に示した参考例では、研磨作業において研磨盤に取付けた研磨材を被研磨面に押圧する力が摺動面63にも作用するため、摺動面63で発生する摩擦力を研磨作業における押圧する力をコントロールすることで、原理的にはこの摩擦力もコントロール可能である。しかしながら、摺動面63における摩擦力を大きくしようとして、研磨盤に取付けた研磨材を被研磨面に強く押し当てると、研磨材と被研磨面との間の摩擦力も大きくなり、摺動面63で発生する駆動力を減衰させることになる。そのため、研磨作業者は研磨材を被研磨面に押し当てる力や研磨材と被研磨面との間の摩擦抵抗力を感知しながら、適度の回転数で研磨材が回るように、押し当てる力を調整しながら、作業を行っていた。しかし、この作業には経験と熟練を要するものであった。
これに対して、前記したように図4に示す特殊クラッチでは、平行摺動面64の摩擦力は研磨盤からの押圧力の影響を受けることなく維持できるので、研磨盤に取付けた研磨材を被研磨面に押し付けても、十分な駆動力の伝達が確保され、作業も容易となり、研磨効率も向上させることができる。
主動および従動の両クラッチ部材を構成する素材としては、金属、プラスチック材料を使用することができ、軸受材料に用いられる軸受金属やプラスチック材料が好ましく使用できるが、金属材料とプラスチック材料との組み合わせとした場合には、金属材料の制限が少なく各種の金属材料を用いることができる。一方の側のクラッチ部材を金属材料で構成し、他方の側のクラッチ部材をフッ素樹脂またはPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、あるいはそれらの繊維強化樹脂から構成することが好ましく、繊維としては炭素繊維が好ましい。金属材料としては、滑り軸受用金属材料である銅合金、例えば青銅、鉛青銅、リン青銅など、アルミニウム合金、ホワイトメタルなどと、含油焼結金属材料、例えば鉄、銅合金、鉄銅合金及びこれ等の金属にグラファイトを組み合わせた焼結材料に液体潤滑油を含浸させた材料など周知の軸受金属などだけでなく、鉄鋼、銅、銅合金、アルミニウム、チタンなどを用いることができる。そして、フッ素樹脂としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)が好ましく、そのほかテトラフルオロエチレンとクロロトリフルオロエチレン、エチレン、ヘキサフルオロプロピレンなどとの共重合体も用いることができる。これ等の素材を鋳造、注形、切削加工などによりクラッチ部材を製作する。そして、摺動面には必要に応じて、潤滑油などの潤滑材を介在させることができる。
本発明の特殊クラッチと参考例の特殊クラッチとの研磨力の比較を行った。方法は塗装面をサンドペーパーにて研磨し、次いでそれぞれの特殊クラッチを有する研磨具にて研磨し、発生した塗膜表面のペーパー目について、何番手のペーパーによるペーパー目が消去できるかの比較を行い、研磨力を比較した。
(塗膜面の作成)
自動車のボンネットに、特殊変性ポリエステル樹脂塗料(ロックペイント株式会社製、黒色)とクリヤコートとして、2液型アクリルウレタンクリヤ塗料(ロックペイント株式会社製)を塗装し、パネル温度60℃の遠赤外線ヒーターにて1時間乾燥させた塗装面を用意した。
(研磨テスト方法)
用意した塗装面をサンドペーパーにてサンディングしてペーパー目を発生させ、次いで研磨材として、ウールバフ(直径約180mm、面ファスナー部直径140mm)を取付けた各研磨具により、極細目コンパウンド(粒径約5μm)を用いてバフ研磨を行い、何番手のペーパーによるペーパー目が消去できたのかの確認を行った。
(研磨テスト結果)
図1に示した本発明の特殊クラッチと図5に示した参考例の特殊クラッチの比較
図1の特殊クラッチを有する研磨具では#800のペーパーで発生したペーパー目を消すことができたが、図5の参考例の研磨具では#1500のペーパーで発生したペーパー目しか消すことができなかった。
図4に示した本発明の特殊クラッチと図6に示した参考例の特殊クラッチの比較
図4の特殊クラッチを有する研磨具では#800のペーパーで発生したペーパー目を消すことができたが、図6の参考例の研磨具では#1500のペーパーで発生したペーパー目しか消すことができなかった。
また、いずれのテストでもオーロラマークの発生はなかった。
以上、実施の形態につき説明をしたがこれらの形態に限定されることなく、本願発明の趣旨の範囲でその他の形態であってもよい。例えば、図1〜4に示した実施例では、従動クラッチ部材はいずれも偏心回転軸に取付けた例を示したが、従動クラッチは研磨盤に直接取付けることもできる(特許文献1、図5を参照)。
2 研磨材
3 研磨盤
4 偏心回転軸
5 駆動軸
6 駆動軸の中心線
7 回転盤
8 偏心回転軸の中心線
a 偏心量
9 軸受
11 主動クラッチ部材(回転盤側クラッチ構成部材)
12 従動クラッチ部材(研磨盤側クラッチ構成部材)
13 摺動面
14 取り付けネジ
15 隙間
16 押しバネ
21、31、41、51、61、71 主動クラッチ部材
22、32、42、52、62 従動クラッチ部材
23,33、43、53、63 摺動面(平行摺動面以外)
34、44、54a、54b、64 平行摺動面
65 インナーケーシング
66 スナップリング
D 偏心回転軸中心からの平行摺動面までの距離(平行摺動面の半径)
θ 平行摺動面とそれ以外の摺動面とがなす角度

Claims (5)

  1. 研磨材を取り付けた研磨盤の偏心回転軸が、モーターに連結した駆動軸に固定された回転盤の駆動軸中心線から偏心した位置に、軸受を介して取り付けられており、回転盤に取り付けられた主動クラッチ部材と研磨盤または研磨盤に固定されている偏心回転軸に取り付けられた従動クラッチ部材とが、摺動可能であって駆動力伝達可能な摺動面を介して連結されている特殊クラッチを有する研磨具において、該特殊クラッチの摺動面は、偏心回転軸中心線に対して平行な面である平行摺動面を有していることを特徴とする研磨具。
  2. 平行摺動面は従動クラッチの最外周面またはその近傍にある面であることを特徴とする請求項1に記載の研磨具。
  3. 平行摺動面以外の摺動面は、平行摺動面に対して直交方向の平面、または平行摺動面に対する角度が従動クラッチ部材側において30°以上90°未満の円錐面であることを特徴とする請求項1または2に記載の研磨具。
  4. 主動クラッチ部材または従動クラッチ部材のいずれか一方のクラッチ部材はプラスチック材料からなり、他方のクラッチ部材は金属材料から成っていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の研磨具。
  5. 前記プラスチック材料はフッ素樹脂、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、ポリアミドイミド、あるいはそれらの繊維強化樹脂から選ばれたプラスチック材料であることを特徴とする請求項4に記載の研磨具。
JP2017066657A 2017-03-30 2017-03-30 偏心回転軸を有する研磨具 Active JP6876900B2 (ja)

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