JP6104076B2 - 表面研磨方法 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車などの塗装表面や樹脂成形品表面などの表面研磨方法に関し、特に表面光沢を与えるためのバフ研磨において、熟練を要することなく均一な表面光沢を得るための表面研磨方法に関する。
塗装表面の仕上げとして表面光沢を与えるために、回転型ポリッシャー(回転型研磨具)を用いて塗装表面のバフ研磨を行うことが広く行われている。塗装表面の仕上げ研磨は、表面を滑らかな均一の光沢表面に仕上げるために行うもので、一般の金属成形品の鏡面仕上げと異なり、表面は柔軟な樹脂で構成されており、バフ研磨により表面光沢を付与した塗装表面は、一見すると均一にきれいに仕上がったように見えても、細かい研磨傷が残されていることが多い。このようなバフ研磨における細かい研磨傷をなくすることは容易ではなく、熟練した技量が必要である。
このようなバフ研磨では、塗装表面の突起や凹部などの欠陥を修正するために行われるペーパー掛け工程に続き、コンパウンド(粒状研磨材に一定の溶剤を混ぜたもの)の粗さを順次細かくして行くと共に、バフの目の粗さも順次細かくして行く方法がとられる(例えば引用文献1を参照)。さらに、バフ研磨方法として、熟練を要することなく仕上がりの良好な塗装面を得る方法として、特許文献2に示される方法も提案されている。この方法は、回転型ポリッシャーと研磨剤とを用いて、3工程により艶出し研磨する方法であって、第1の工程から第3の工程で順次粗度の低い研磨剤を用い、そして、少なくとも第2工程以降は、正回転と逆回転を交互に繰り返す振動型ポリシャーを用い、第3の工程では磨き具(研磨布)として、動物の革又はウレタンを用いる方法が記載されている(同文献、請求項3)。このように第1から第3の工程を経て塗装面を磨くことにより、傷付いた塗装面を極めて良好な状態に仕上げることができるとされている。この方法は、塗装面に付いた深さの異なる傷の内、最も深い傷が無くなる深さまで塗装面を研磨し、次いで第2、第3の工程で塗装面を平滑にして艶を出す方法である(同文献、段落0016〜0019、図4〜6)。
しかしながら、この方法にて用いられる正回転と逆回転を交互に繰り返す振動型ポリシャーは、回転力が小さく研磨力に劣り、作業時間が長くなり、作業効率が劣る。そして、この方法においては、第1の工程で付いた研磨傷を第2、3の工程で消しながら、塗装表面を平滑化するものであるが、塗装面に付いた深さの異なる傷の内、最も深い傷が無くなる深さまで塗装面を研磨出来たか否かという、研磨傷が無くなったかの見極めには傷の深さを上から観察判別・同定しなければならないために熟練者といえども困難なものであった。
また、回転型ポリッシャーを用いたバフ研磨にて発生する細かい研磨傷は、非常に微細で目立たないものであっても、周期的な半円状の研磨傷として無数並んでいるため、塗装表面に太陽光やスポットライトのような強い光が当てられると、その光がこの無数の周期的な研磨傷に反射して、ポリッシャーの移動方向に沿って連続したライン状に見えるマークや模様が現れる。このマークや模様は「オーロラマーク」とか「ホログラム模様」と呼ばれる。このようなマークや模様の発生を低減させ、見えなくさせるため、ポリッシャーにおけるバフの回転運動を不規則なものとする「ダブルアクションポリッシャー」ないしは「ランダムアクションポリッシャー」とも呼ばれる偏心回転軸を有するポリッシャーや、複雑な回転運動をするギヤアクションポリッシャーを用いて、研磨傷の並びの周期性を乱すことが行われている。偏心回転軸を有するポリッシャーでは、駆動モーターの駆動軸の中心線から偏心した位置に、バフを取り付けた研磨盤の回転軸を回転自在に取り付けており、研磨盤は駆動軸の周りを軌道運動すると共に、研磨盤自体も回転軸を中心にして回転運動し、自転する。そのため、このポリシャーでは、研磨盤の不規則かつ複雑な回転運動により研磨が行われる。
さらには、改良された偏心回転軸を有するポリッシャーとして、研磨盤と、駆動モーターに連結した駆動軸に固定された回転盤とを、摺動可能であって駆動力伝達可能なクラッチを介して連結したポリッシャーが本願の発明者により提案されている(特許文献3参照)。このポリッシャーは安定した研磨力を維持しつつ、バフ研磨における前記のマークや模様の発生を防ぐことができるものである。
しかしながら、塗装表面などのバフ研磨においては、偏心回転軸を有するポリッシャーを用いることで、微細な深さの研磨傷が発生させるオーロラマークの発生を防ぐことはできても、バフ研磨に先立ち、塗装表面の突起や凹部などの欠陥を修正するペーパー掛けにより発生するペーパー研磨傷(ペーパー目)を消しながら、バフ研磨により均一な表面光沢を得るためには、熟練した研磨作業が必要であった。
均一な表面光沢を得るバフ研磨においては、表面に存在する傷を消すために、前記したように最も深い傷が無くなる深さまで研磨する。しかしながら見方を変えると、この研磨作業では、消すための傷よりもう少し浅い深さの研磨傷を広範囲に付けることでもある。そして、この新たに付けられた研磨傷を消すために、この新たな研磨傷よりもう少し浅い深さの研磨傷を付けるというように、研磨傷を順次細かく浅くするのがバフ研磨であるとも云える。しかしながら、前工程での研磨傷が、それより少し浅い深さの新たな研磨傷に置き換わったことの見極めは傷の深さを上から観察判別・同定しなければならないために困難を極め、熟練者といえども勘に頼らざるを得なかった。
特開平2−256456号公報 特開2002−1645号公報 国際公開第2013/061540号
本発明では、バフ研磨において、前記したような熟練者の勘に頼ることなく、マニュアル化された作業により、バフ研磨の進捗状況を把握しながら、均一な表面光沢の塗装表面を効率よく得られるバフ研磨方法を提供する。
本発明の研磨方法では、前記したバフ研磨においては発生を防ぐ対象であるオーロラマークを逆に利用して、バフ研磨のマニュアル化を実現するものである。すなわち、本発明においては、バフ研磨作業により発生するオーロラマークを指標として、バフ研磨の進捗状況を把握しながら、作業を進めるものである。
本発明のバフ研磨方法は、
必要に応じてペーパー掛けを行った後、回転型ポリッシャーを用いて、コンパウンドとバフを組み合わせて発生する研磨傷が順次浅くなるようにした複数の工程にて、バフ研磨を繰り返して行うバフ研磨方法において、
最初の工程では、ポリッシャーの移動は、任意の一定方向にて直線状とし、かつ平行移動を順次繰り返すことで対象部分のバフ研磨を行い、
次工程では、ポリッシャーの移動は、直前工程での移動方向に対して30°〜90°ずらした方向にて直線状とし、かつ平行移動を順次繰り返すことで対象部分のバフ研磨を行い、
以下同様にして各工程を繰り返して、バフ研磨を進めるに際して、
各工程のバフ研磨後、表面上に残存するコンパウンドをクリーナーで除去し、指向性の強い照明を当てながら表面状態を観察し、
直前工程でのオーロラマークが消失しておれば、次工程のバフ研磨に進み、
直前工程でのオーロラマークが残存しておれば、本工程のバフ研磨を繰り返すか、又は本工程のバフの移動方向にて、コンパウンドとバフとの組み合わせをより深く研磨できる組み合わせに変更してバフ研磨を行う
ことを特徴とする。
本発明のバフ研磨方法では、コンパウンドとバフの組み合わせを順次変更することで、直前工程での研磨傷をそれより少し浅い深さの新たな研磨傷に置き換える。そして、オーロラマークを指標として、その置き換えの状況を把握しているのであるが、指標としての直前工程でのオーロラマークが残存している場合には、本工程でのバフ研磨を繰り返しても直前工程のオーロラマークが消えない、すなわち、新たな研磨傷に置き換わらない場合もあるため、その場合には、コンパウンドとバフとの組み合わせをより深く研磨できる組み合わせに変更してバフ研磨を行い、直前工程の研磨傷を置き換えるものである。
上記したバフ研磨方法において、ある工程でのバフ研磨終了時に、強い照明を当てながらの表面状態の観察において、オーロラマークが観察されないか、又はそれほど目立つものでない場合には、その工程を最終工程とすることができる。そして、オーロラマークが観察されていても、次工程を最終工程として、偏心回転軸を有するポリッシャーを用いることで、オーロラマークを消失させることができる。この場合、最終工程より前の工程では、各工程におけるバフ研磨の進捗状況を把握するため、偏心回転軸を有するポリッシャーは用いず、通常の回転型ポリッシャーを用いる。また、発生する研磨傷が順次浅くなるようするために各工程にて用いるコンパウンドとバフの組み合わせについては、砥粒の粗さを順次細かくしたコンパウンドと目の粗さを順次細かくしたバフとを組み合わせて用いる。さらには、硬さを順次柔らかくしたバフを用いることも好ましい。また、繰り返す複数の工程の回数としては、必要によりペーパー掛けが行われた当初の表面状態にもよるが、2〜4回程度でよく、必要によってはそれ以上の回数の工程を実施してもよい。
本発明の方法は、バフ研磨を複数の工程にて順次繰り返す方法であって、各工程のバフ研磨の進捗状況をマニュアル化された方法により把握しながら、ポリッシャーを一定方向に直線状に移動させるマニュアル化された作業にてバフ研磨の工程を進め、熟練を要することなく、均一な表面光沢の塗装表面を効率よく得られるバフ研磨方法である。
本発明の方法においては、各工程でのバフ研磨作業終了後、コンパウンドの残留成分をクリーナーでふき取り除去して、太陽光やスポットライトのような指向性の強い照明を当てることにより、回転型ポリッシャーの研磨傷に起因するオーロラマークが観察できる。そして、バフ研磨におけるポリッシャーの移動は、直前の工程での移動方向から30°〜90°、好ましくは45°〜90°ずらした方向にて、一定方向に直線状に移動させるため、観察されるオーロラマークは直前の工程によるものか、本工程で発生したものかを簡単に見分けることが可能となる。したがって、直前の工程でのポリッシャーの移動方向に発生するオーロラマークの有無を確認することにより、本工程でのバフ研磨の進捗状況を簡単に把握できる。すなわち、直前の工程での研磨傷が、本工程での研磨傷に置き換わったことを、熟練者でも勘に頼っていた作業を簡単に確認することができる。
バフ研磨の研磨傷とオーロラマークとの関連を示す説明図。 オーロラマークによる表面研磨状況のチェックと研磨方法の説明図。 偏心回転軸を有するポリッシャーの側面説明図。 改良型の偏心回転軸を有するポリッシャーの断面説明図。
本発明の実施の形態を、以下詳細に説明する。
本発明においては、前記したようにバフ研磨では発生することが好ましくないオーロラマークを逆に利用して、バフ研磨のマニュアル化を実現するものであり、バフ研磨作業により発生するオーロラマークを指標として、バフ研磨の進捗状況を把握しながら、作業を進めるものである。
図1は、回転型ポリッシャーを用いたバフ研磨における研磨傷とオーロラマークとの関連を示す説明図である。回転型ポリッシャーをAで示す方向に移動させてバフ研磨を行った場合に、研磨後、表面には半円状の研磨傷1が、移動方向に規則的に無数並んだ状態となる。この場合、この研磨傷が浅く、目立たないよう傷であっても、太陽光やスポットライトのように指向性の強い光を照射すると、それぞれの研磨傷1の同一場所の反射部2にて反射した光が一列に並んだ状態に見え、ポリッシャーの移動方向に沿って連続してライン状に光って見えるオーロラマーク3が出現する。従って、バフ研磨作業終了後、このオーロラマーク3を観察することにより、バフ研磨による研磨傷1の有無とポリッシャーの移動方向Aを確認することができる。
オーロラマークによる表面研磨状況のチェックと研磨方法を、図2の(1)〜(4)にて説明する。図2の(1)では回転型ポリッシャーを、図面において上から下に向かっての移動方向A1にて直線状に移動させ、順次平行移動を繰り返し、バフ研磨を行ったことを示している。バフ研磨終了後、表面上に残存するコンパウンドをふき取り、研磨部分にサーチライト光を照射する。この時、(2)で示すように、ポリッシャーの移動方向に直線状に浮だったオーロラマーク3Aが観察される。この時に、コンパウンドの残留成分を除去しないと、残留成分が研磨傷を埋めているため、スポットライト光を照射してもオーロラマーク3Aがよく観察されない。オーロラマークの観察には、この残留成分の除去と指向性の強い光の照射が必要である。昼間であれば、太陽光に当てればよい。
コンパウンドの残留成分の除去には、有機溶剤、例えば炭化水素やイソプロピルアルコールなどを含有するクリーナーを用いることが好ましい。コンパウンドには油性成分が含まれており、このようなクリーナーによりふき取ることで、研磨傷の中に埋まっている残存成分を完全に除去でき、スポットライトを照射することで、オーロラマークを明確に観察することができる。このふき取りを、完全に行わないと前工程で発生した研磨傷を見逃してしまうことになる。
次いで(3)では、ポリッシャーの移動方向A1でもあるオーロラマーク3Aの並び方向に対して、角度αだけずらした方向をポリッシャーの移動方向A2として、(1)と同様にバフ研磨を行い、バフ研磨終了後、同様にオーロラマークの観察を行う。角度αとしては30°〜90°、好ましくは45°〜90°の範囲に設定する。この時に、(4)で示すように、直前の工程のオーロラマーク3Aは観察されず、移動方向A2に対応するオーロラマーク3Bのみが観察された場合は、本工程でのバフ研磨が終了したと判断し、次の工程のバフ研磨に進む、しかし、オーロラマーク3Aが観察される場合には、直前の工程の研磨傷がまだ残存していると判断されるため、移動方向A2にて、バフ研磨を繰り返し、オーロラマーク3Aが消失するまで繰り返す。この場合、前記したように本工程でのバフ研磨を繰り返しても直前工程のオーラマーク3Aが消失しない、すなわち、新たな研磨傷に置き換わらない場合もあるため、この場合には、コンパウンドとバフとの組み合わせをより深く研磨できる組み合わせ、例えば砥粒の粗いコンパウンドを用いたり、目の粗いバフにしたりするなどして、組み合わせを変更してバフ研磨を行い、より深い研磨傷とし、直前工程の研磨傷を置き換える。
以上のようにして、ポリッシャーの移動方向をずらしながら、バフ研磨とオーロラマークの観察とを繰り返す工程にてバフ研磨を進めるが、この工程の回数は特に限定されるものではないが、概ね2〜4回の繰り返しで行うことができる。また、繰り返す各工程では、砥粒の粗さを順次細かくしたコンパウンドと目の粗さを順次細かくしたバフとを用いることにより、複数の工程を経ることにより、研磨傷は順次浅く、目立たなくなり、それにつれてオーロラマークも目立たなくなってくる。
砥粒の粗さを順次細かくしたコンパウンドとしては、中目(砥粒の粒径50μ程度)、細目(同粒径20μ程度)、極細目(同粒径5μ程度)、超微粒子(同粒径2〜0.5μ程度)と称されるコンパウンドを順次使用すればよく、バフ研磨を行う塗装表面の状態により、すなわちペーパー掛けの状態により、中目から始めたり、細目から始めたりすればよい。また、バフの目の粗さとしては、ウールバフ(ウール糸を表面に植毛したもの)、コールテンバフ(綿糸を表面に植毛したもの)、ウレタンフォーム(粗目)(セル数30/1インチ)、ウレタンフォーム(細目)(セル数55/1インチ)の順に使用できる。ウレタンフォームの目の粗さは発泡倍率を変化させて、セルの数を調整したウレタンフォームを使用することができる。また、ウレタンフォームは発泡倍率により調整されるセルの数だけでなく、樹脂の硬度ないしは弾性率、密度を調整することができ、硬さを順次柔らかく変化させて使用することもできる。
以上のように、コンパウンドやバフを順次変更して使用することに、最終的にはオーロラマークも目立たなくすることができるが、このようなオーロラマークを効率よく見えなくするためには、前記したように、最終の工程では用いるポリッシャーとし、偏心回転軸を有するポリッシャーを用いることが好ましい。但し、このポリッシャーを用いた場合にはオーロラマークが見え難くなるために、オーロラマークを指標としてバフ研磨の状況を把握する本発明では、最終工程以外ではこのポリッシャーは用いることはできない。
このオーロラマークの発生を低減させる偏心回転軸を有するポリッシャーの説明図を図3に示す。通常の回転型ポリッシャーでは、駆動モーターに直結した駆動軸の先端に固定された研磨盤にバフを取り付けてあるが、偏心回転軸を有するポリッシャー10では、バフ(研磨布)11を取り付けた研磨盤12の偏心回転軸13は、モーター(図示せず)に連結した駆動軸14に固定された回転盤16上の、駆動軸14の中心線15から偏心した位置に、軸受18を介して回転自在に取り付けられている。ポリッシャー10では、研磨盤12は駆動軸14の周りを軌道運動すると共に、研磨盤12自体も駆動軸14の中心線15より距離aにある偏心回転軸の中心線17を中心にして自転する。そしてこの自転運動は駆動モーターの駆動力が直接伝達されず、慣性力と、バフ(研磨布)11と塗装面との摩擦力とに左右される不規則な自転運動となる。研磨盤の不規則かつ複雑な回転運動により研磨が行われるため、「ダブルアクションポリッシャー」ないしは「ランダムアクションポリッシャー」とも呼ばれ、効率の良い研磨が行えるだけでなく、研磨作業において発生する周期的な研磨傷の並びを乱すことができ、いわゆるオーロラマークの発生を低減することができる。
図4は、図3に示した偏心回転軸を有するポリッシャー10を改良したポリッシャーで、特許文献3に示される本願の発明者により提案された改良例である。図3に示されるポリッシャー10では、研磨盤12の偏心回転軸13は、軸受18を介して回転自在に取り付けられているため、研磨盤12の自転回転数が著しく上昇したり、自転回転数が著しく低下したりするため、図4に示す改良型では、自転回転数を安定した範囲の回転数に制御し、被工作物を効率よく研磨し、かつ研磨面にマークや模様を発生させないようにしたものである。この改良型では、研磨盤12(図4には図示せず)に固定されている偏心回転軸13に取り付けられた研磨盤側クラッチ構成部材22と、回転盤16に取り付けられた回転盤側クラッチ構成部材21とが、摺動可能であって駆動力伝達可能な摺動面23を介して連結されているクラッチを設けたもので、この形態における摺動面23は、摺動可能であって、かつ駆動力伝達可能となっており、摺動面23の摩擦力は軸受18の摩擦力より大きく、偏心回転軸13の自転回転数の著しい増加に対してはブレーキとなり、自転回転数の低下に対しては駆動力の伝達の作用を発揮する。
図4に示す改良型では、研磨盤12(図示せず)を駆動する偏心回転軸13は、回転盤16に連結されたインナーケーシング20に軸受18を介して、取り付けられている。また、クラッチ構成部材の摺動面43は二つの円錐形状の組み合わせから構成され、研磨盤側クラッチ構成部材22が凸状リング形状、回転盤側クラッチ構成部材21が凹状リング形状となっており、両者の凹凸面が密着され摺動面23を構成している。研磨盤側クラッチ構成部材22は、クラッチ取り付けネジ24にて偏心回転軸13に取り付けられ、回転盤側クラッチ構成部材21は、押しバネ26を介して回転盤16に取り付けられている。インナーケーシング20は、各クラッチ構成部材21、22と軸受18を経由した押しバネ26による押圧力と、スナップリング27による掛止により、回転盤16に連結固定されている。ここでは、偏心回転軸13と回転盤16とは、摺動可能であって駆動力伝達可能な摺動面23を介して連結され、半クラッチ状態となっている。そのため、研磨作業において、前記したように研磨盤は自転回転と軌道運動とが複雑に組み合わさった回転運動を行い、優れた研磨作業が実現できる。
以上のような偏心回転軸を有するポリッシャーを、最終工程で用いることにより、オーロラマークの発生を確実に防ぐことができる。また、本発明のバフ研磨方法では、中間工程で発生するオーロラマークを指標として、各工程のバフ研磨の状況を把握しながら、工程を進めることができ、マニュアル化された作業により、バフ研磨を行うことができる。
本発明の方法は、自動車の塗装面などのバフ研磨に好ましく応用できる方法であるが、合成樹脂面の鏡面化研磨にも応用できる。
1 研磨傷
2 研磨傷の反射部
3 オーロラマーク(ホログラム模様)
A ポリッシャーの移動方向
A1、A2 ポリッシャーの移動方向
3A、3B オーロラマーク(ホログラム模様)
10 偏芯回転軸を有するポリッシャー
11 バフ
12 研磨盤
13 偏心回転軸
14 駆動軸
15 駆動軸の中心線
16 回転盤
17 偏心回転軸の中心線
18 軸受
21 回転盤側クラッチ構成部材
22 研磨盤側クラッチ構成部材
23 摺動面
24 クラッチ取り付けネジ
25 間隙
26 押しバネ
27 スナップリング
a 偏心量

Claims (3)

  1. 必要に応じてペーパー掛けを行った後、回転型ポリッシャーを用い、コンパウンドとバフとを組み合わせて発生する研磨傷が順次浅くなるようにした複数の工程にて、順次バフ研磨を繰り返して行うバフ研磨方法において、
    最初の工程では、ポリッシャーの移動は、任意の一定方向にて直線状とし、かつ平行移動を順次繰り返して対象部分のバフ研磨を行い、
    次工程では、ポリッシャーの移動は、直前工程での移動方向に対して30°〜90°ずらした方向にて直線状とし、かつ平行移動を順次繰り返すことで対象部分のバフ研磨を行い、
    以下同様にして各工程を繰り返して、バフ研磨を進めるに際して、
    各工程のバフ研磨後、表面上に残存するコンパウンドをクリーナーで除去し、指向性の強い照明を当てながら表面状態を観察し、
    直前工程でのオーロラマークが消失しておれば、次工程のバフ研磨に進み、
    直前工程でのオーロラマークが残存しておれば、本工程のバフ研磨を繰り返すか、又は本工程のバフの移動方向にて、コンパウンドとバフとの組み合わせをより深く研磨できる組み合わせに変更してバフ研磨を行う
    ことを特徴とするバフ研磨方法。
  2. 最終工程でのバフ研磨は、偏心回転軸を有する回転型ポリッシャーを用いることを特徴とする請求項1に記載のバフ研磨方法。
  3. 砥粒の粗さを順次細かくしたコンパウンドと目の粗さを順次細かくしたバフとを組み合わせて発生する研磨傷が順次浅くなるようにした複数の工程にて、順次バフ研磨を繰り返して行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のバフ研磨方法。
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