JP6876297B2 - 人工歯の研磨方法 - Google Patents

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Description

本発明は,人工歯の研磨方法及び研磨装置に関し,より詳細には圧縮気体と共に研磨材を噴射して行うブラスト加工によって行う人工歯の研磨方法及び研磨装置に関する。
クラウン等の人工歯は,成形後,患者の口内に装着する前に口腔内に接する部分の表面を光沢面や鏡面に仕上げ研磨することで,見た目の美しさが増すだけでなく,装着感の向上や歯垢等の汚れの付着防止等にも資することができる。
このような人工歯の仕上げ研磨は,通常,資格を持った歯科技工士がルータ等の回転工具を使用して1つ1つ手作業により行い,人工歯のうちの研磨箇所の形状等に合わせて異なる形状のビットやブラシ,ドレッサー(砥石)等に付け替える等して研磨を行っているが,歯科技工士個人の熟練度や技量の相違,使用する研削材や使用器具の相違等により,仕上がり時間や仕上げ精度にはばらつきが生じる。
また,研磨の仕上がり判断は各歯科技工士が行うため,仕上がりの精度を高めようと過剰に研磨してしまうと人工歯の形状を変化させてしまう場合もあり,このような過剰な研磨が行われた場合,装着時における噛み合わせ不良や,人工歯の強度の低下等が生じる場合もあり,仕上がりの見極めが難しい。
特に,近年,保険診療の適用対象に含まれることとなったハイブリッドレジンと呼ばれる樹脂製のCAD/CAM冠等のような樹脂製のクラウンでは,薄肉化による強度低下は,装着後の割れや欠けにつながるおそれがある。
このように,個々の歯科技工士による手作業での研磨を行う場合,歯科技工士毎に仕上がり精度にばらつきが生じ,仕上がり状態の画一化,標準化が困難であるだけでなく,人工歯を一つ一つ手作業で研磨する作業は長時間を要し,歯科技工士に多大な労力負担を強いるものとなっている。
そのため,このような人工歯の研磨を人手によらずに自動で画一的,かつ定量的に行うことができる研磨装置に対する要望は大きい。
このような研磨装置100として,後掲の特許文献1には,図5に示すように第1回転軸101の回転に伴って第1回転軸101の周りを公転しながら自転する第2回転軸102を設け,この第2回転軸102の先端に取り付けた旋回翼状のホルダ103の先端に,治具145に取り付けた人工歯130を固定すると共に,研磨槽104に充填した研磨材160内に前記ホルダ103を埋没させた状態で,前記第2回転軸102を自転させると共に公転させるようにしたものが提案されている。
この構成により,前記ホルダ103に固定された人工歯130は,ホルダ103の回転に伴って研磨槽104内に貯留されている研磨材160内を移動することで,研磨材160との接触により研磨されるようになっている。
特開2015−223325公報
以上で説明した特許文献1に記載の研磨装置100では,この研磨装置100を一定時間継続して作動させておくことで,複数の人工歯130を同時に,かつ,同様の仕上がりで研磨することができる。
しかし,上記構成による研磨では,研磨槽104内に充填された研磨材160は,粒子相互間の吸着力によって流動し難い状態となっていることから,人工歯130が研磨材160内を通過しても,人工歯130の表面に形成されている凹部内には研磨材が入り込み難く,また,一旦凹部内に入り込んだ研磨材はその場に滞留することで凹部内の研磨が行われ難くなっている。
そのため,図6(A)に示すように臼歯を模した人工歯130の咬合面131のように,凸部である咬頭131aや,凹部である裂溝131bを備えた人工歯130では,咬合面131中の咬頭131aの部分は研磨され易いが,裂溝131bの部分には研磨が及び難く,咬頭131aの研磨状態を基準に研磨を行えば裂溝131bの部分に磨き残しが生じ,研磨装置100を使用した研磨後に,再度,極細のビットやロビンソンブラシ等を装着したルータ等を使用した手作業によって裂溝131b部分を別途研磨する必要が生じる。
一方,裂溝131bが十分に研磨されるまで研磨装置100による研磨を行えば,咬頭131aや側面138が過剰に研磨されてしまい,変形による強度低下や装着時の咬み合わせが変化してしまうおそれがある。
また,図6(B)に断面で示すように人工歯130がクラウン(歯冠)である場合,クラウン130の中空部136(装着時に支台歯170が挿入される部分)の内壁137にまで研磨が及ぶと,支台歯170にクラウンを被せた際に,支台歯170の軸面171とクラウン130の内壁137間に隙間が生じ,装着後のクラウン130の外れや動揺の原因となる。
そのため,前掲の特許文献1に記載の方法で研磨を行う場合には,クラウン130の中空部136内に研磨材160が入り込まないよう,中空部136を密閉する必要があると共に,研磨槽104内で回転させた際に研磨材との接触により受ける大きな抵抗によってもホルダ103からクラウン130が外れないよう,強固に固定しておく必要がある。
このような中空部136の密閉と強固な固定を行うために,前掲の特許文献1に記載の構成では,図5中に拡大図で示すように支軸145bの先端に石膏支台145aを一体的に設けた治具145を準備し,この治具145の石膏支台145aにクラウン130を被せて接着固定すると共に(特許文献1[0018]欄),この治具145の支軸145bをホルダ103に設けた取付孔(図示せず)内にボルト止めすることで,ホルダ103に対してクラウン130を強固に取り付けており,治具145と人工歯を着脱する作業,及び,クラウン130をホルダ103に着脱する作業が煩雑であると共に,強固に接着された治具145を取り外した後にクラウン130の中空部136内に残った石膏支台145aの残部や接着剤を除去する作業が必要となり煩雑である。
更に,人工歯がクラウン130である場合,クラウン130の周縁部分を成すマージン部134〔図6(A),(B)参照〕の形状は特に重要で,マージン部134と支台歯170との間に浮きや段差が生じると,この部分に歯垢が溜まり,歯槽膿漏の発生原因等ともなることから,マージン部134は,クラウン130を支台歯に被せた際,図6(B)に示すように支台歯との境界を封鎖するよう,マージン部134から支台歯に向かって連続的に移行する形状となっていなければならない。
また,マージン部134は,他の部分に比較して肉厚が薄くなる部分であると共に,割れや欠けの起点となり易い,縁135の部分を構成するものであり,特に樹脂製のクラウン130では強度を維持するためにマージン部134の肉厚を確保する必要がある。
しかし,特許文献1に記載の研磨方法では,石膏支台145aに被せたクラウンを,研磨材160中で歯軸133に対し直交方向に移動させていることから,マージン部134や石膏支台145aに対し研磨材が直交方向に衝突することで,比較的低硬度の石膏で作られている石膏支台145aが削られてマージン部134の先端(縁135)と石膏支台145a間に段差が生じ,この段差部分に沿って研磨材160が移動することでマージン部134の先端(縁135)が他の部分に比較して大きく削り取られることとなる。そのため,このようにしてマージン部134の縁135が削られたクラウン130は,支台歯170に装着した際に縁135の部分に段差が生じる。
また,この研磨方法では,移動方向に対し直交方向に配置されている人工歯130の側面138が,移動方向に対して平行に配置されている咬合面131に比較して研磨され易くなっていることから,側面の研磨が進行し易く,従って,マージン部134が薄肉化され易い。
しかも,研磨槽104内に充填された研磨材160との接触により大きな回転抵抗を受けているホルダ103を回転させるには,高トルクを発生するモータMを装備する必要があると共に,モータMの出力をホルダ103に伝達するための高強度の動力伝達機構や回転軸(101,102)を装備する必要があり,装置全体が大掛かりで高価となると共に,大電力を消費するためにランニングコストが嵩む。
なお,上記説明では,人工歯がクラウンである場合のように患者ごとに個別に製作されたものを対象とする場合を例に挙げて説明したが,義歯床に取り付けて使用する人工歯のように工場にて金型を使用して大量生産される人工歯においても,金型から取り出した後の研磨等,工場内における生産過程において研磨され,あるいは義歯床に取り付ける際の微調整等に伴う再研磨等において同様に研磨が必要となる場合がある。
そこで本発明は,上記従来技術における欠点を解消するために成されたものであり,比較的簡単な方法で人手によらず人工歯を均一かつ画一的に研磨することができると共に,特にクラウンに適用した場合,装着時のがたつきや揺動の発生,割れ,欠け等の原因となるクラウン内部の研磨やマージン部分の過剰な研磨等を防止しつつ,人工歯全体を均一かつ定量的に研磨することができる人工歯の研磨方法及び研磨装置を提供することを目的とする。
以下に,課題を解決するための手段を,発明を実施するための形態で使用する符号と共に記載する。この符号は,特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態の記載との対応を明らかにするためのものであり,言うまでもなく,本願発明の技術的範囲の解釈に制限的に用いられるものではない。
上記目的を達成するための,本発明の人工歯の研磨方法は,
研磨対象とする人工歯30の歯頸32側に自転軸となる支軸45bを歯軸33と同軸に取り付け,前記支軸45bを介して前記人工歯30を固定する共に前記歯軸33を中心として自転させる工程と
先端20aを前記自転する前記人工歯30の咬合部31に向けると共に,軸芯24を前記歯軸33に対し0〜90°の傾斜角θで傾斜させたブラストノズル20を介して圧縮気体,好ましくは噴射圧力0.1MPa〜0.5MPaの圧縮気体と共に研磨材60を噴射して,前記人工歯30の前記咬合部31と側面38を研磨する工程を含み,
前記人工歯30を例えばクラウン(歯冠)のように歯頸32側において開口する中空部36を備えたものとすると共に,
前記人工歯30に対する前記支軸45bの固定を,100℃以下,一例として60℃程度の温度で軟化する合成樹脂や,天然樹脂,ワックス,あるいは蝋等を配合した熱可塑性材料を加熱軟化させ,研磨対象とする前記人工歯30の歯頸32側より前記中空部36に充填し,前記支軸45bの一端を軟化した前記熱可塑性材料に挿入した後,例えばコールドスプレーによる冷却剤の噴射によって前記熱可塑性材料を冷却硬化させることにより行うことを特徴とする(請求項1:図3参照)。
なお,本発明において「歯軸33」とは歯根を含めた歯の長軸を,「咬合部31」とは上下の歯のかみ合い側の端部であり,切歯における切端,犬歯の先端,臼歯の咬合面を指し,「歯頸32」とは前記咬合部31とは反対側の人工歯の端部をそれぞれ指す。
上記の研磨方法において,前記研磨材60として,弾性材料内に砥粒を分散させて成る弾性研磨材,又は,弾性材料から成る核の表面に砥粒を付着させて成る弾性研磨材の使用が好ましい(請求項2)。
また,前記ブラストノズル20の前記軸芯24は,前記歯軸33に対し15〜75°の傾斜角θで傾斜させた状態で前記研磨材60の噴射を行うことが好ましい(請求項3)。
更に,複数の人工歯30を,共通の移動軌跡上を移動させると共に,複数の前記人工歯30に共通の前記ブラストノズル20の先端20aを,前記移動軌跡上の所定位置である加工位置Pに向けて配置することにより,前記ブラストノズル20の先端20aが,前記加工位置Pにある前記人工歯30の前記咬合部に向くように構成するものとしても良い(請求項4)。
なお,本発明の研磨方法は,特に樹脂製の臼歯単冠クラウン(請求項)に適用するに適したものである。
以上で説明した本発明の構成により,本発明によれば以下の顕著な効果を得ることができた。
研磨対象とする人工歯30を,歯頸32側において固定する共に歯軸33を中心として自転させ,前記人工歯30の咬合部31に先端20aを向け,軸芯24を前記歯軸に対し0〜90°の傾斜角θで傾斜させたブラストノズル20を介して研磨材を噴射することで,人工歯30の咬合部31側から側面38にかけての部分を同時に研磨することができた。
しかも,このようにして噴射された研磨材は,人工歯30の表面にある凹部に対しても入り込みやすく,表面に凹凸を有する人工歯30であっても均一に研磨することができると共に,前記噴射方向で研磨材を噴射することで,図4(A)に示すように,人工歯30の側面38を,咬合部31側から歯頸32側に向かって移動する研磨材の流れが生じることから,研磨対象とする人工歯30がクラウン(歯冠)である場合であっても,中空部36内に研磨材が入り込み難く,中空部36の内壁37が研磨されることにより生じる装着時のがたつきの発生を防止することができた。
また,前述したように人工歯30の側面38上を移動する研磨材は,咬合部31側から歯頸32側に移動するため,マージン部34や,マージン部34の端部(縁35)が過剰に削られることを防止でき,過剰研磨による薄肉化に伴う強度低下,装着時に支台歯との間に生じる段差の発生を防止でき,強度低下に伴う装着後の割れや欠けの発生,段差の発生に伴う歯垢の付着やこれに伴う歯槽膿漏の発生を好適に防止できた。
前述した研磨材60として弾性研磨材を使用する場合,弾性研磨材の構成部材である弾性体が人工歯30との衝突時の衝撃を吸収することで,研磨材60が人工歯の表面に沿って滑るように移動(滑動)し易くなり,過剰な研磨を防止しつつ人工歯30の表面をより簡単に光沢面や鏡面等に研磨することができ,特に,ブラストノズル20の前記軸芯24を,前記歯軸33に対し15〜75°の傾斜角θで傾斜させた構成では,研磨材60が人工歯30の咬合部(咬合面)31と側面38のいずれに対しても傾斜した角度で入射されることとなるため,研磨材60を人工歯30の表面で滑動させ易く,鏡面等への研磨がより一層容易であった。
更に,複数の人工歯30を共通の移動軌跡上を移動させると共に,前記複数の人工歯30に共通の前記ブラストノズル20の先端20aを,前記移動軌跡上の所定位置である加工位置Pに向けて配置することにより,前記加工位置Pにおいて前記ブラストノズル20の先端20aが,加工位置Pに移動した人工歯30の前記咬合部31に向くようにした構成では,複数の人工歯30を連続して研磨することが可能であり,大幅に生産性を向上させることができた。
更に,100℃以下の温度で軟化する熱可塑性材料で前記人工歯30の歯頸32側に自転軸となる支軸45bを取り付けた構成では,支軸45bの取り付けが容易であると共に,冷却された熱可塑性材料がクラウンである人工歯30の中空部36を密封する支台45aとなって中空部36に対する研磨材の浸入を防止することができ,しかも研磨が完了した後には,100℃以下の加熱,例えば,温水あるいは熱水による洗浄で支台45aが軟化あるいは溶融することで支台45aや支軸45bの除去を容易に行うことができた。
なお,圧縮気体と共に研磨材60を噴射する本発明の研磨方法では,前述したように人工歯30の表面に生じた凹部にも研磨材が容易に入り込んで研磨が行われるため,研磨対象とする人工歯30が臼歯の人工歯である場合のように,咬合部(咬合面)31に咬頭31aや裂溝31b等の凹凸を有する人工歯30であっても,凸部である咬頭31aと凹部である裂溝31bとを均等に研磨することができ,凹部である裂溝31bを別途手磨きすることなく,また,凸部である咬頭31aを過剰に研磨することなしに,1台の研磨装置による研磨によって,人工歯30の全体を均一に研磨することができた。
そのため,本発明の研磨方法及び研磨装置は,比較的軟質な材料であるために過度に研磨され易く,かつ,過度に研磨された場合に強度の低下が生じ得る樹脂製の人工歯の研磨に使用するに好適であり,2014年4月1日に先進医療から保険収載された結果,需要の増大に伴う大量研磨の要望の高いハイブリッドレジン製のCAD/CAM冠の研磨に好適に対応し得る。
本発明の研磨装置の正面透視図。 本発明の研磨装置の側面透視図。 本発明の研磨方法の説明図。 クラウン(歯冠)に対する研磨の説明図であり,(A)は本発明の条件で研磨した場合,(B)は本発明の範囲から外れた条件で研磨した場合。 従来の研磨装置(特許文献1)の説明図。 人工歯の説明図であり,(A)は臼歯クラウンの正面図,(B)は臼歯クラウンの断面図。
次に,本発明の実施形態につき添付図面を参照しながら以下説明する。
〔研磨対象〕
本発明の研磨方法による研磨対象は,歯科用の人工歯であり,歯科用の人工歯であればその種類に拘わらず,各種の人工歯に対し適用可能である。
このような人工歯の種類としては,クラウン(歯冠)やブリッジのように,支台歯に直接装着される人工歯の他,義歯(入れ歯)に使用する人工歯のように,義歯床に埋め込んで使用するものや,インプラントに使用する人工歯のように,アバットメントを介して人工歯根上に取り付ける上部構造としての人工歯等,支台歯以外の部材を介して患者に装着されるものも含むが,好ましくは,クラウン(歯冠)やブリッジ,インプラントの上部構造としての人工歯のように,歯頸32側において開口する中空部36を備えた人工歯30を対象とする。
また,人工歯の種類としては,自然歯の種類に対応して切歯,犬歯,臼歯を模したものがあるが,これらはいずれも本願における研磨方法による処理対象である。
また,人工歯の材質として,金属,セラミックス,樹脂等の各種材質のものがあるが,本発明の方法はこれらのいずれの材質の人工歯に対しても適用可能であり,人工歯として既知の各種材質の人工歯に対し適用可能である。
なお,人工歯の材料の相違による耐久性は,前述した金属やセラミックス製のものに対し,樹脂製のものが最も劣り,この傾向は,ハイブリッドレジン等と呼ばれる,合成シリカやセラミックス製のフィラー等を配合して耐摩耗性を向上させた複合樹脂製のものであっても同様であることから,過剰な研磨による薄肉化による強度低下等の影響は,ハイブリッドレジン製のものを含め樹脂製の人工歯において最も顕著に表れる。
そして,薄肉化による強度低下は,一般に,支台歯を挿入するための中空部36を備えた,内部が空洞となっているクラウン(歯冠)において顕著に生じる問題であると共に,研磨むらは,咬合面31に凸部である咬頭31aと,凹部である裂溝31bが存在する,臼歯を模した人工歯において生じ易い。
従って,これに限定するものではないが,臼歯の人工歯のように凹凸のある人工歯であってもむらなく均一に研磨することができ,かつ,クラウンを適用対象とする場合であっても後述するように中空部36内が研磨され難く,また,後述するようにマージン部34の過剰な研磨等を防止することのできる本発明の研磨方法は,樹脂製の臼歯クラウン,特に,先端医療から保険適用への移行により需要が増大したことで,大量研磨の需要が増大しているハイブリッドレジン製のCAD/CAM冠の研磨に適している。
以下の説明において,特に説明のない場合,本発明の研磨方法をハイブリッドレジン製のCAD/CAM冠(臼歯)を研磨対象とする場合を例として説明する。
〔研磨装置〕
(1)全体構成
本発明の研磨方法に使用する研磨装置1の構成例を図1及び図2に示す。
図1及び図2に示す研磨装置1は,圧縮気体(圧縮空気)と共に研磨材を噴射して被加工物を加工する,所謂「ブラスト加工装置」であり,構成機器を収容すると共に内部に加工室11となる空間が形成されたキャビネット10を備え,このキャビネット10内に形成された加工室11内で研磨対象である人工歯30に対し,圧縮気体と共に研磨材を噴射するブラストノズル20を備えている。
この加工室11は,その下部が逆台形状に形成されており,ブラストノズル20を介して噴射された研磨材60を捕集するためのホッパ12が形成されており,加工室11内で噴射され落下した研磨材60がこのホッパ12内に回収されると共に,回収された研磨材60を,研磨材導入管13を介して再度,ブラストノズル20より噴射することができるように構成されている。
図示の実施形態において,このブラスト加工装置は,図2中に拡大断面図で示したサクション式のブラストノズル20を備えた,所謂「サクション式」と呼ばれる型式のもので,ブラストノズル20の後端より導入した圧縮気体をジェット21よりノズルチップ22に向けて噴射することにより混合室23内に負圧を生じさせ,この負圧によって研磨材導入管13を介してホッパ12内の研磨材60を吸入する共に,吸入した研磨材60を混合室23内で圧縮気体と合流させてノズルチップ22より噴射することができるように構成されている。
このように,図示の実施形態では,本発明の研磨装置1をサクション式のブラスト加工装置として構成した例を示したが,本発明の研磨装置で使用するブラスト加工装置としては,図示したサクション式の構成に代えて,既知の各種のブラスト加工装置の構成を採用することができる。
このようなブラスト加工装置としては,キャビネット10の上部に配置した図示せざる研磨材タンクから落下した研磨材を圧縮気体に乗せて噴射する重力式のブラスト加工装置,研磨材が投入されたタンク内に圧縮気体を導入し,別途与えられた圧縮気体供給源からの圧縮気体流に研磨材タンクからの研磨材流を合流させて噴射する直圧式のブラスト加工装置,及び,上記直圧式の圧縮気体流を,ブロワーユニットで発生させた気体流に乗せて噴射するブロワー式ブラスト加工装置等が市販されているが,これらはいずれも本発明の研磨装置1における研磨材加速装置の構成として採用可能である。
なお,図1及び図2中の符号14は集塵機であり,排気管15を介して加工室11内の空気を吸引して排気中に混入する粉塵を集塵機14内に設けたフィルタ14aに捕集した後,粉塵の除去された清浄な空気を排気するように構成されている。
(2)支持具
本発明の研磨方法では,研磨対象とする人工歯30は,図3に示すように歯頸32側を固定する共に歯軸33を中心として自転させ,この自転する前記人工歯30の咬合部31に向けて,圧縮気体と共に研磨材を噴射する。
このような状態での研磨材の噴射を可能とするため,本発明の研磨方法に使用する研磨装置1では,前述した加工室11内に,人工歯30を支持すると共に歯軸33を中心に自転させるための支持具40を備える。
この支持具は,図1中に拡大図で示したように,研磨対象とする人工歯30を取り付ける,回転するヘッド部41を有し,このヘッド部41の回転軸42と,人工歯30の歯軸33とが同一軸線上の配置されるようにヘッド部41に対し人工歯30を取り付けることで,研磨対象とする人工歯30を所定位置に固定すると共に,歯軸33を中心として自転させることができるようにしている。
このヘッド部41に対する人工歯30の取り付けは,前述のブラストノズル20より噴射された圧縮気体と研磨材との混合流体の吹き付けによっても人工歯30を固定した状態に維持し得るものであれば如何なる方法で取り付けるものとしても良く,図示の実施形態では,一例として支台45aと支軸45bを備えた治具45を用意して,この治具45の支台45aに人工歯30を被せることにより人工歯30の歯頸32側を治具45に固定すると共に,この治具45を,支持具40のヘッド部41に設けた機械式チャック43やマグネットチャック(図示せず)に取り付けて固定している。
人工歯30に対する治具45の取り付けは,従来技術で説明したように,石膏支台を備えた治具に人工歯を,接着剤を使用して固定するものとしても良いが,研磨対象とする人工歯30がクラウン(歯冠)のように歯頸32側で開口する中空部36を備えるものである場合,人工歯30の歯頸32側から100℃以下,一例として60℃程度の温度で軟化する合成樹脂や,天然樹脂,ワックス,あるいは蝋等を配合した熱可塑性材料を加熱により軟化させた状態で中空部36に充填し、これに支軸45bを挿入した後、例えばコールドスプレーによる冷却剤の噴射によって熱可塑性樹脂材料を中空部36内で冷却硬化することにより前述した支台45aを形成することで,人工歯30に前述した支台45aと支軸45bを備えた冶具45を固定することもできる。
このように中空部36に充填した熱可塑性材料によって支台45aを形成することで,熱可塑性材料の硬化によって人工歯30を強固に固定することができると共に,研磨を終了した後には,100℃以下の温度での加熱,例えば温水や熱水による洗浄によって支台45aを構成する熱可塑性材料を軟化又は溶融することで治具45を容易に取り外すことが可能となる。
本実施形態の研磨装置1では,前述した支持具40を,更にターンテーブル50の周縁部に複数等間隔に立設し,このターンテーブル50を回転させることにより,各支持具40のヘッド部41が,同一の移動軌跡上を移動することができるように構成した。
このように構成することで,各支持具40のヘッド部41のそれぞれに人工歯30を取り付けておくことで,ターンテーブル50の回転に伴い,ヘッド部41に取り付けられた人工歯30を,移動軌跡上の所定位置に設けた加工位置Pに順次移動させることができるように構成した。
このターンテーブル50の回転は,取り付けた支持具40の数に応じた所定の角度毎に,1個の人工歯の研磨に要する時間隔で間欠的回転するようにして,前述した加工位置Pに移動された人工歯30を順次,1個ずつ研磨するように構成するものとしても良く,又は,前述したターンテーブル50を所定の回転速度で連続して回転させることにより,前記加工位置Pを通過する人工歯に順次研磨材を吹き付けることで,複数の人工歯30を同時に加工するように構成しても良い。
一例として,本実施形態にあっては,ヘッド部41,従って,各人工歯30を4〜100min-1(rpm)の回転速度で自転させると共に,ターンテーブル50を,各人工歯の設定加工時間(一例として各2分)毎に72°の角度で回転させることで,各人工歯30をそれぞれ加工位置Pに2分ずつ配置して研磨するように構成したが,この構成に代え,ターンテーブル50を所定の回転速度で連続して回転させることにより,複数の人工歯を同時に研磨するように構成しても良い。
(3)ブラストノズルの配置
支持具40のヘッド部41に取り付けた人工歯30に研磨材を噴射する前述のブラストノズル20は,図3に示すように,その先端20aを,前述した支持具40のヘッド部41上に取り付けられる人工歯30の咬合部(咬合面)31に向けていると共に,ヘッド部41の回転軸42,従って人工歯30の歯軸33に対するブラストノズル20の軸芯24の傾斜角θが,0〜90°となるように配置されている。
すなわち,本発明の研磨装置1において前述したブラストノズル20の配置範囲は,図3中に太線の矢印で示した範囲となる。
好ましくは,前述の傾斜角θを更に15〜75°とし,人工歯30の咬合面31及び側面38のいずれに対しても角度を付けて研磨材が入射されるようにすることが好ましい。
加工室11内に,単一の支持具40を設ける構成では,図3に示したように,1つの支持具40に対してのみブラストノズル20を前述した位置及び角度で配置するが,前述したようにターンテーブル50の周縁部に複数の支持具40を等間隔で立設した本実施形態の研磨装置1の構成では,前述したブラストノズル20の先端20aを,ヘッド部の移動軌跡上の所定位置に設けた加工位置Pに向けて配置し,各支持具40上に取り付けられている複数の人工歯30のうち,前述した加工位置Pに移動した人工歯30に対し,前述した向き及び角度でブラストノズル20の先端20aが向けられるように構成している。
〔研磨条件〕
(1)使用する研磨材
以上で説明した研磨装置1を使用して行う本発明の人工歯の研磨方法に使用する研磨材としては,既知の各種の研磨材を使用することができ,金属系,鉱物系,セラミックス系,樹脂系,ガラス系,植物系の各種砥粒は,いずも本発明の研磨方法に使用することができ,研磨対象とする人工歯の材質や仕上げの状態に応じて研磨材の材質や粒径を適宜選択可能である。
好ましくは,本発明の研磨方法に使用する研磨材としては,弾性研磨材を使用することが好ましい。
この弾性研磨材としては,弾性材料から成る核の表面に砥粒を付着させた構造を有するもの,又は,弾性材料中に砥粒を練り込む等して分散させたものがあるが,本発明の研磨方法では,いずれの構造の弾性研磨材共に使用可能である。
また,弾性研磨材に使用する弾性材料としては,ゴムやエラストマーの他,ゼラチンやグルコマンナンによって構成されたもの等,各種のものが提案されているが,本発明の研磨方法では,前記材質のものは勿論,その他の弾性材料を使用した既知の各種の弾性研磨材が使用可能である。
弾性研磨材を使用する場合,使用する弾性研磨材の粒径は特に限定されないが,好ましくは,平均粒径200〜1000μmのものを使用することで,臼歯のように咬合面に裂溝のような凹部が存在する人工歯を研磨対象とした場合であっても,この凹部の奥まで研磨することが可能である。
また,弾性材料に練り込み,又は弾性材料から成る核の表面に付着させる砥粒の材質及び粒径は,研磨対象とする人工歯の材質や仕上がり状態に応じて適宜選択することができるが,光沢面あるいは鏡面を得るためには好ましくは平均粒径数μm〜数十μm程度のものを使用し,研磨状態に応じて段階的に粒径の小さな砥粒が練り込まれ,あるいは付着された弾性研磨材を使用するものとしても良い。
(2)噴射条件
以上で説明した人工歯30に対し,前述した位置及び角度で配置されたブラストノズル20を介して圧縮気体と共に研磨材を噴射する。
研磨材の噴射に使用する圧縮気体としては,圧縮空気の他,アルゴンや窒素等の不活性ガスの圧縮気体を使用することもできるが,コスト面において圧縮空気の使用が有利である。
研磨材の噴射に使用する圧縮気体の噴射圧力は,研磨対象とする人工歯30の材質や噴射時間,使用する研磨材の材質等に応じて0.1〜0.5MPaの範囲より選択する。
噴射時間は,研磨対象とする人工歯の材質や形状,使用する研磨材(砥粒)の材質や粒径によって適宜調整が必要であるが,人工歯1個当たりの処理時間は,数十秒から数分程度である。
〔作用等〕
以上で説明したように,ブラストノズル20の先端20aを人工歯30の咬合面31に向けると共に,歯軸33に対するブラストノズル20の軸芯24の傾斜角θを0〜90°の範囲として圧縮気体と共に研磨材を噴射することで,ブラストノズル20より噴射された圧縮気体は,人工歯30に衝突した後,人工歯30の表面に沿った流れを形成する。
その結果,この圧縮気体の流れに沿って,圧縮気体と共に噴射された研磨材も移動することで,人工歯30の表面を滑動する研磨材によって,人工歯30の表面が研磨される。
前述した噴射方向で研磨材を噴射することで,人工歯30の側面38では,図4(A)に示すように人工歯30の咬合面31側から歯頸32側に向かう研磨材の流れが生じることで,マージン部34の縁35の部分がマージン部34から支台に自然に移行するように研磨されると共に,マージン部34の過剰な研磨による薄肉化等を防止できる。
また,このように咬合面31側から歯頸32側に向かう研磨材の流れが生じることで,中空部36を封止していない状態で研磨した場合であっても中空部36内に研磨材が入り込み難く,中空部36の内壁37が研磨されることによる装着後の脱落やがたつきの発生も防止できる。
これに対し,傾斜角θが90°を超えた位置より歯頸32に向けて研磨材を噴射すると,咬合面31が研磨されないだけでなく,人工歯20の側面38部分には図4(B)に示すように歯頸32側から咬合面31側に向かう研磨材の流れが生じることで,研磨材がマージン部34や,マージン部34の縁35を削り取り,マージン部34の薄肉化による強度低下や,装着時に支台歯とマージン部34の縁35との間に段差が生じ得る。
また,人工歯30の中空部36を封止せず,あるいは封止が不十分な状態で研磨を行うと,中空部36内に研磨材が入り込んで内壁37が研磨されることで,装着後の脱落やがたつきが発生するおそれがあるが,本発明の研磨方法では,このような強度低下,段差の発生,がたつきの発生を防止することができる。
また,本発明の方法では,人工歯30の咬合面31に形成した裂溝31bのような,人工歯30の表面に生じている微細な凹部内にも研磨材が入り込んで光沢面や鏡面に研磨することができ,手作業により別途裂溝31bの研磨等を行うことなく,1台の研磨装置で人工歯30の各部を全て研磨することが可能である。
次に,本発明の研磨方法によって人工歯を研磨した研磨試験例を実施例として示す。
〔試験方法〕
樹脂製の人工歯(実施例1),金属製の人工歯(実施例2),及び,セラミックス製の人工歯(実施例3)のそれぞれに対し,本発明の方法による研磨を行った。各人工歯の材質と研磨条件を表1に示す。
なお,処理対象とした人工歯は,いずれも,臼歯を模したクラウン(歯冠)である。
Figure 0006876297
〔試験結果〕
(1)実施例1
実施例1(ハイブリッドレジン製人工歯の研磨)による研磨前後の人工歯の表面粗さを,触針式表面粗さ計(株式会社東京精密製造製)を使用して測定した結果,及び目視により光沢状態を観察した結果を下記の表2に示す。
Figure 0006876297
以上の結果から,本発明の研磨方法によりハイブリッドレジン製の人工歯を研磨することで,表面粗さが大幅に改善すると共に,良好な光沢が得られる状態にまで研磨することができ,1個当たり2分という極めて短い時間で人工歯の仕上げ研磨を行うことができた。
また,研磨後の人工歯の中空部には一切研磨が及んでおらず,また,研磨後において,マージン部の薄肉化や変形(周縁の後退等)は確認されず,装着後の割れや欠け,揺動,支台歯との段差の発生等の心配がない状態に研磨することができた。
なお,実施例2(金属製クラウンの研磨),及び実施例3(セラミックス製クラウンの研磨)においても,研磨後の人工歯では,同様に光沢感の優れた仕上がりを得ることができており,本発明の方法が,材質を問わず,人工歯の仕上げ研磨に好適に利用できることが確認できた。
1 研磨装置
10 キャビネット
11 加工室
12 ホッパ
13 研磨材導入管
14 集塵機
14a フィルタ
15 排気管
20 ブラストノズル
20a 先端(ブラストノズルの)
21 ジェット
22 ノズルチップ
23 混合室
24 軸芯
30 人工歯(クラウン)
31 咬合部(咬合面)
31a 咬頭
31b 裂溝
32 歯頸
33 歯軸
34 マージン部
35 縁
36 中空部
37 内壁
38 側面
40 支持具
41 ヘッド部
42 回転軸
43 チャック
45 治具
45a 支台
45b 支軸
50 ターンテーブル
60 研磨材
100 研磨装置
101 第1回転軸
102 第2回転軸
103 ホルダ
104 研磨槽
130 人工歯(クラウン)
131 咬合部(咬合面)
131a 咬頭
131b 裂溝
132 歯頸
133 歯軸
134 マージン部
135 縁
136 中空部
137 内壁
138 側面
145 治具
145a 石膏支台
145b 支軸
160 研磨材
170 支台歯
171 軸面
P 加工位置
M モータ
θ 傾斜角

Claims (5)

  1. 研磨対象とする人工歯の歯頸側に自転軸となる支軸を歯軸と同軸に取り付け,前記支軸を介して前記人工歯を固定すると共に前記歯軸を中心として自転させる工程と
    先端を前記自転する前記人工歯の咬合部に向けると共に,軸芯を前記歯軸に対し0〜90°の傾斜角で傾斜させたブラストノズルを介して圧縮気体と共に研磨材を噴射して,前記人工歯の前記咬合部と側面を研磨する工程を含み,
    前記人工歯が歯頸側において開口する中空部を備えた人工歯であり,
    前記人工歯に対する前記支軸の固定を,100℃以下の温度で軟化する熱可塑性材料を加熱軟化させ,研磨対象とする前記人工歯の歯頸側より前記中空部に充填し,前記支軸の一端を軟化した前記熱可塑性材料に挿入した後,前記熱可塑性材料を冷却硬化させることにより行うことを特徴とする人工歯の研磨方法。
  2. 前記研磨材として,弾性材料内に砥粒を分散させて成る弾性研磨材,又は,弾性材料から成る核の表面に砥粒を付着させて成る弾性研磨材を使用することを特徴とする請求項1記載の人工歯の研磨方法。
  3. 前記ブラストノズルの前記軸芯を,前記歯軸に対し15〜75°の傾斜角で傾斜させた状態で前記研磨材の噴射を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の人工歯の研磨方法。
  4. 複数の人工歯を,共通の移動軌跡上を移動させると共に,複数の前記人工歯に共通の前記ブラストノズルの先端を,前記移動軌跡上の所定位置である加工位置に向けて配置することにより,前記ブラストノズルの先端が,前記加工位置にある前記人工歯の前記咬合部に向くように構成したことを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の人工歯の研磨方法。
  5. 前記人工歯が,無機充填材を含む樹脂製の臼歯単冠クラウンの人工歯であることを特徴とする請求項1〜いずれか1項記載の人工歯の研磨方法。
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