JPH0687865B2 - 人工歯 - Google Patents
人工歯Info
- Publication number
- JPH0687865B2 JPH0687865B2 JP25847886A JP25847886A JPH0687865B2 JP H0687865 B2 JPH0687865 B2 JP H0687865B2 JP 25847886 A JP25847886 A JP 25847886A JP 25847886 A JP25847886 A JP 25847886A JP H0687865 B2 JPH0687865 B2 JP H0687865B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- artificial tooth
- length
- denture
- tooth
- crown length
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61C—DENTISTRY; APPARATUS OR METHODS FOR ORAL OR DENTAL HYGIENE
- A61C13/00—Dental prostheses; Making same
- A61C13/08—Artificial teeth; Making same
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61C—DENTISTRY; APPARATUS OR METHODS FOR ORAL OR DENTAL HYGIENE
- A61C13/00—Dental prostheses; Making same
- A61C13/225—Fastening prostheses in the mouth
- A61C13/267—Clasp fastening
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、陶材又は合成樹脂を素材として製作されてお
り、特に局部床義歯の製作に好適の臼歯用の人工歯に関
するものである。
り、特に局部床義歯の製作に好適の臼歯用の人工歯に関
するものである。
従来、歯科分野においては天然歯の欠損に伴う咀嚼や発
音などの機能低下の回復や外観の回復を目的として、全
部の歯が欠損している場合には総義歯がまた一部の歯が
欠損している場合には局部床義歯が製作されて口腔内に
装着されている。
音などの機能低下の回復や外観の回復を目的として、全
部の歯が欠損している場合には総義歯がまた一部の歯が
欠損している場合には局部床義歯が製作されて口腔内に
装着されている。
中でも、局部床義歯は１歯欠損から１歯残存に至るまで
の多種多様に亘る症例を対象とするものであるため極め
て頻度の高いものである。このような局部床義歯は一般
に、維持装置，連結子，義歯床，人工歯から構成されて
おり、局部床義歯の製作時に、維持装置，連結子の設計
においては生物学的事項の配慮が必要であり、また人工
歯の選択及び排列においては咀嚼，発音などの機能の回
復及び審美性に対する配慮を必要とする。そのため特に
人工歯の選択及び排列に当つては残存歯の状態によつて
人工歯の大きさ，形態，色調，植立方向，隣接関係，咬
合関係等を考慮する必要がある。
の多種多様に亘る症例を対象とするものであるため極め
て頻度の高いものである。このような局部床義歯は一般
に、維持装置，連結子，義歯床，人工歯から構成されて
おり、局部床義歯の製作時に、維持装置，連結子の設計
においては生物学的事項の配慮が必要であり、また人工
歯の選択及び排列においては咀嚼，発音などの機能の回
復及び審美性に対する配慮を必要とする。そのため特に
人工歯の選択及び排列に当つては残存歯の状態によつて
人工歯の大きさ，形態，色調，植立方向，隣接関係，咬
合関係等を考慮する必要がある。
しかしながら、従来の人工歯は通常総義歯を対象として
設計され製作されているため、局部床義歯製作時に総義
歯を対象として設計された人工歯の中から適宜選択して
使用したいたのであるが、このような総義歯を対象とし
て設計された従来の人工歯は第７図の側面図に示す如く
頬舌方向のみがわずかに湾曲したものであり、局部床義
歯製作時に使用する際には維持装置や連結子や金属床と
組み合わせる必要があるため人工歯の基底面や隣接面を
一部切削する作業が必須不可欠な作業として必要になる
ため局部床義歯製作に時間がかかるばかりでなく場合に
よつては人工歯の外形や審美性を損なう恐れがあり、術
者にとつて非常に煩わしい作業が必要であるものであつ
た。
設計され製作されているため、局部床義歯製作時に総義
歯を対象として設計された人工歯の中から適宜選択して
使用したいたのであるが、このような総義歯を対象とし
て設計された従来の人工歯は第７図の側面図に示す如く
頬舌方向のみがわずかに湾曲したものであり、局部床義
歯製作時に使用する際には維持装置や連結子や金属床と
組み合わせる必要があるため人工歯の基底面や隣接面を
一部切削する作業が必須不可欠な作業として必要になる
ため局部床義歯製作に時間がかかるばかりでなく場合に
よつては人工歯の外形や審美性を損なう恐れがあり、術
者にとつて非常に煩わしい作業が必要であるものであつ
た。
このような問題点を解決するために、局部床義歯製作用
の人工歯として、実公昭37−2475号公報に基底面の中央
に凹窪孔を設け更にその凹窪孔に隣接した隣接面に維持
装置が挿入可能なように隣接面の基底面底部から細長い
保持溝とその保持溝の上部に比較的大きな小窪部を設け
た人工歯が提案されている。
の人工歯として、実公昭37−2475号公報に基底面の中央
に凹窪孔を設け更にその凹窪孔に隣接した隣接面に維持
装置が挿入可能なように隣接面の基底面底部から細長い
保持溝とその保持溝の上部に比較的大きな小窪部を設け
た人工歯が提案されている。
しかしながらこの実公昭37−2475号公報に開示されてい
る人工歯は、基底面の中央に凹窪孔を設けただけで人工
歯の前記隣接面の基底面底部から細長い保持溝とその保
持溝の上部に比較的大きな小窪孔を設けた部分を除いて
は通常の天然歯と同様の外形状を有しているものである
ため、局部床義歯を作製するときには維持装置や連結子
や金属床上の突起が人工歯の舌側の下部に位置せしめら
れる場合が少なくないため、人工歯の舌側の下部を大々
的に切削除去しなければならない場合が非常に多く、未
だ術者の作業の低減に寄与しないばかりか、基底面の中
央の凹窪孔は大部分がその周囲を人工歯の側壁で覆われ
ているために合成樹脂で作製される義歯床がその中央の
凹窪孔内に確実に充填されない場合があり強度的に安定
した義歯の製作には未だ不充分なものであつた。
る人工歯は、基底面の中央に凹窪孔を設けただけで人工
歯の前記隣接面の基底面底部から細長い保持溝とその保
持溝の上部に比較的大きな小窪孔を設けた部分を除いて
は通常の天然歯と同様の外形状を有しているものである
ため、局部床義歯を作製するときには維持装置や連結子
や金属床上の突起が人工歯の舌側の下部に位置せしめら
れる場合が少なくないため、人工歯の舌側の下部を大々
的に切削除去しなければならない場合が非常に多く、未
だ術者の作業の低減に寄与しないばかりか、基底面の中
央の凹窪孔は大部分がその周囲を人工歯の側壁で覆われ
ているために合成樹脂で作製される義歯床がその中央の
凹窪孔内に確実に充填されない場合があり強度的に安定
した義歯の製作には未だ不充分なものであつた。
更に、この人工歯は咬合面の形態については何ら考慮が
払われていないものであるために、通常の総義歯に比べ
て義歯床下組織に加わる圧力が非常に大きい局部床義歯
として使用すると安定性及び着用者の負担軽減において
問題点があつた。
払われていないものであるために、通常の総義歯に比べ
て義歯床下組織に加わる圧力が非常に大きい局部床義歯
として使用すると安定性及び着用者の負担軽減において
問題点があつた。
本発明者らはかかる従来の問題点を解決すべく鋭意研究
の結果、頬側歯冠長は天然歯の頬側歯冠長とほぼ同長に
しておいて外観及び審美性の面で天然歯と変らないよう
にし、舌側歯冠長は外観及び審美性を損なわない範囲の
長さである4.0mm以上であつて且つ舌側直下に維持装置
や連結子や金属床を位置せしめることが出来るように頬
側歯冠長より2.5mm以上短く形成すると共に、その基底
面側は顎堤と基底面との間に義歯床を構成する合成樹脂
を充分に包含できるように顎堤の横断面形状より更に凸
な形状に合致する凹面形状をなさしめ、基底面の一者又
は両者の隣接面のほぼ中央部に維持装置を構成する金属
材を挿通されて保持する部分となる1.5〜5.0mmの幅で充
分な保持効果を発揮し得る0.5〜3.0mmの深さを有し且つ
審美性を損なわないように隣接面側の上端が最大膨隆位
置に達しない咬合面側に傾斜した滑らかな溝部を設け、
更に咬合面はその人工歯を使用した義歯に作用する圧力
が咀嚼時に低減されるように近遠心径の長さは天然歯の
近遠心径の長さとほぼ同等にしておくが（頬舌径の長
さ）／（近遠心径の長さ）は天然歯のそれの55〜95％の
範囲にあるようにしておけば、局部床義歯を製作するの
に好適な臼歯用の人工歯となることを究明して本発明を
完成したのである。
の結果、頬側歯冠長は天然歯の頬側歯冠長とほぼ同長に
しておいて外観及び審美性の面で天然歯と変らないよう
にし、舌側歯冠長は外観及び審美性を損なわない範囲の
長さである4.0mm以上であつて且つ舌側直下に維持装置
や連結子や金属床を位置せしめることが出来るように頬
側歯冠長より2.5mm以上短く形成すると共に、その基底
面側は顎堤と基底面との間に義歯床を構成する合成樹脂
を充分に包含できるように顎堤の横断面形状より更に凸
な形状に合致する凹面形状をなさしめ、基底面の一者又
は両者の隣接面のほぼ中央部に維持装置を構成する金属
材を挿通されて保持する部分となる1.5〜5.0mmの幅で充
分な保持効果を発揮し得る0.5〜3.0mmの深さを有し且つ
審美性を損なわないように隣接面側の上端が最大膨隆位
置に達しない咬合面側に傾斜した滑らかな溝部を設け、
更に咬合面はその人工歯を使用した義歯に作用する圧力
が咀嚼時に低減されるように近遠心径の長さは天然歯の
近遠心径の長さとほぼ同等にしておくが（頬舌径の長
さ）／（近遠心径の長さ）は天然歯のそれの55〜95％の
範囲にあるようにしておけば、局部床義歯を製作するの
に好適な臼歯用の人工歯となることを究明して本発明を
完成したのである。
すなわち本発明は、頬側歯冠長が天然歯の頬側歯冠長と
ほぼ同長であり舌側歯冠長が4.0mm以上であって且つ頬
側歯冠長より2.5mm以上短く形成されている臼歯用の人
工歯であつて、基底面側が顎堤の横断面形状より更に凸
な形状に合致する凹面形状をなしており、基底面の一者
又は両者の隣接面のほぼ中央部に幅が1.5〜5.0mmで最大
深さが0.5〜3.0mmで且つ隣接面側の上端が最大膨隆位置
に達しない咬合面側に傾斜した滑らかな溝部を有してお
り、咬合面は近遠心径の長さが天然歯の近遠心径の長さ
とほぼ同等で且つ（頬舌径の長さ）／（近遠心径の長
さ）が天然歯のそれの55〜95％の範囲にあることを特徴
とする人工歯を提供するものである。
ほぼ同長であり舌側歯冠長が4.0mm以上であって且つ頬
側歯冠長より2.5mm以上短く形成されている臼歯用の人
工歯であつて、基底面側が顎堤の横断面形状より更に凸
な形状に合致する凹面形状をなしており、基底面の一者
又は両者の隣接面のほぼ中央部に幅が1.5〜5.0mmで最大
深さが0.5〜3.0mmで且つ隣接面側の上端が最大膨隆位置
に達しない咬合面側に傾斜した滑らかな溝部を有してお
り、咬合面は近遠心径の長さが天然歯の近遠心径の長さ
とほぼ同等で且つ（頬舌径の長さ）／（近遠心径の長
さ）が天然歯のそれの55〜95％の範囲にあることを特徴
とする人工歯を提供するものである。
以下、図面により本発明に係る人工歯の実施例について
詳細に説明する。
詳細に説明する。
第１〜６図は本発明に係る人工歯を示すもので、第１図
は上顎第１大臼歯用の人工歯の１実施例の斜視図、第２
図は同平面図、第３図は第１図に示した人工歯の咬合面
中央部の頬舌方向断面図、第４図は第１図に示した人工
歯の咬合面中央部の近遠心方向断面図、第５図は下顎第
１小臼歯用の人工歯の１実施例の斜視図であり、第６図
は第１図に示した本発明に係る人工歯と維持装置とを使
用して作製した局部床義歯の咬合面側中央部の近遠心方
向断面図である。
は上顎第１大臼歯用の人工歯の１実施例の斜視図、第２
図は同平面図、第３図は第１図に示した人工歯の咬合面
中央部の頬舌方向断面図、第４図は第１図に示した人工
歯の咬合面中央部の近遠心方向断面図、第５図は下顎第
１小臼歯用の人工歯の１実施例の斜視図であり、第６図
は第１図に示した本発明に係る人工歯と維持装置とを使
用して作製した局部床義歯の咬合面側中央部の近遠心方
向断面図である。
図面中、１は陶材又は合成樹脂を素材とする本発明に係
る人工歯であり、頬側歯冠長l1が天然歯の頬側歯冠長と
ほぼ同長であり舌側歯冠長l2が4.0mm以上であつて且つ
頬側歯冠長l1より2.5mm以上短く形成されており、基底
面1a側が人の顎堤の横断面形状より更に凸な形状に合致
する凹面形状をなしており、基底面1aの一者又は両者の
隣接面のほぼ頬舌側中央部に幅ｗが1.5〜5.0mmで最大深
さｈが0.5〜3.0mmで且つ隣接面側の上端が最大膨隆位置
1bに達しない咬合面側に傾斜した滑らかな溝部1cを有し
ており、咬合面1dは近遠心径の長さw1が天然歯の近遠心
径の長さとほぼ同等で且つ（頬舌径の長さw2）／（近遠
心径の長さw1）が天然歯のそれの55〜95％の範囲にある
ように製作されている。このような構造において基底面
1aを近遠心方向に凹面状に湾曲させた場合には基底面1a
の表面積を広くして後述する床材との接合面積を大きく
して安定性の良い義歯の作製を図っても良い。２は通常
クラスプと称されている金属材から成る維持装置であ
り、この維持装置２の脚部が人工歯１の隣接面に形成さ
れている溝部1cに沿つて挿入されて人工歯１の基底面1a
の下方に位置せしめられる。３は人工歯１と維持装置２
とを一体に固定するための義歯着用者の顎堤の色調にあ
わせた色調に着色された合成樹脂より成る床材である。
る人工歯であり、頬側歯冠長l1が天然歯の頬側歯冠長と
ほぼ同長であり舌側歯冠長l2が4.0mm以上であつて且つ
頬側歯冠長l1より2.5mm以上短く形成されており、基底
面1a側が人の顎堤の横断面形状より更に凸な形状に合致
する凹面形状をなしており、基底面1aの一者又は両者の
隣接面のほぼ頬舌側中央部に幅ｗが1.5〜5.0mmで最大深
さｈが0.5〜3.0mmで且つ隣接面側の上端が最大膨隆位置
1bに達しない咬合面側に傾斜した滑らかな溝部1cを有し
ており、咬合面1dは近遠心径の長さw1が天然歯の近遠心
径の長さとほぼ同等で且つ（頬舌径の長さw2）／（近遠
心径の長さw1）が天然歯のそれの55〜95％の範囲にある
ように製作されている。このような構造において基底面
1aを近遠心方向に凹面状に湾曲させた場合には基底面1a
の表面積を広くして後述する床材との接合面積を大きく
して安定性の良い義歯の作製を図っても良い。２は通常
クラスプと称されている金属材から成る維持装置であ
り、この維持装置２の脚部が人工歯１の隣接面に形成さ
れている溝部1cに沿つて挿入されて人工歯１の基底面1a
の下方に位置せしめられる。３は人工歯１と維持装置２
とを一体に固定するための義歯着用者の顎堤の色調にあ
わせた色調に着色された合成樹脂より成る床材である。
かかる構造の本発明に係る人工歯を使用して局部床義歯
を製作するには、患者の欠損歯に可及的に適合する大き
さ、形状、色調の本発明に係る人工歯を選択し、患者の
口腔より採取した印象によつて製作した石膏模型上にお
いて残存歯に係合する維持装置２を作製し、この維持装
置２の脚部の基端が選択した本発明に係る人工歯１の溝
部1cに挿入されるように位置せしめる。この操作の際、
本発明に係る人工歯１の溝部1cはその幅ｗが維持装置２
の脚部の平均的幅とほぼ同等に製作されており、且つそ
の最大深さｈ部分で維持装置２の脚部を強固に保持して
維持装置２と人工歯１との間にガタが生じないように形
成されているため両者1,2間の位置関係は安定する。な
お、かかる操作において本発明に係る人工歯１の溝部1c
はその幅ｗが維持装置２の脚部の平均的幅とほぼ同等に
製作されているので維持装置２の脚部の幅が更に広い場
合にはその幅まで僅かに切削するだけでよい。かくして
維持装置２と人工歯１との位置関係が定まつたら、人工
歯１の基底面1aと患者の口腔より採取した印象によつて
製作した石膏模型上の欠損歯の部分との間に歯槽部分に
相当するワツクスを充填すると共に歯肉部分に相当する
ワツクスを必要部分に形成して蝋義歯を作製し、次いで
この蝋義歯をフラスコ内において埋没用石膏内に埋没せ
しめ、しかる後にこの蝋義歯が埋没せしめられている埋
没用石膏を温水中に浸漬することによつて加熱せしめて
ワツクスを流蝋せしめて床材３の充填される部分に空間
を形成せしめ、この空間部に床材３を填入し加圧，加熱
して床材３の重合を行つた後、埋没用石膏を破壊して重
合した床材３によつて人工歯１と維持装置２とが固定さ
れた義歯を取り出せば、人工歯１の溝部1cの最大深さｈ
部分に維持装置２の脚部が固定された形状となつている
ために強度的に安定しておりまた維持装置２の脚部が最
大膨隆位置1bより下側に位置して殆ど露出せず、頬側歯
冠長l1が天然歯の頬側歯冠長とほぼ同長であるため外観
の非常に良好でありまた舌側歯冠長l2が4.0mm以上であ
つて舌側の外観の低下も少なく、且つ製作した義歯を着
用した場合に咬合面1dが天然歯の頬舌側の長さw2が天然
歯のそれより短く形成されているために咀嚼時の着用者
の負担を軽減できる良好な局部床義歯が作製できるので
ある。
を製作するには、患者の欠損歯に可及的に適合する大き
さ、形状、色調の本発明に係る人工歯を選択し、患者の
口腔より採取した印象によつて製作した石膏模型上にお
いて残存歯に係合する維持装置２を作製し、この維持装
置２の脚部の基端が選択した本発明に係る人工歯１の溝
部1cに挿入されるように位置せしめる。この操作の際、
本発明に係る人工歯１の溝部1cはその幅ｗが維持装置２
の脚部の平均的幅とほぼ同等に製作されており、且つそ
の最大深さｈ部分で維持装置２の脚部を強固に保持して
維持装置２と人工歯１との間にガタが生じないように形
成されているため両者1,2間の位置関係は安定する。な
お、かかる操作において本発明に係る人工歯１の溝部1c
はその幅ｗが維持装置２の脚部の平均的幅とほぼ同等に
製作されているので維持装置２の脚部の幅が更に広い場
合にはその幅まで僅かに切削するだけでよい。かくして
維持装置２と人工歯１との位置関係が定まつたら、人工
歯１の基底面1aと患者の口腔より採取した印象によつて
製作した石膏模型上の欠損歯の部分との間に歯槽部分に
相当するワツクスを充填すると共に歯肉部分に相当する
ワツクスを必要部分に形成して蝋義歯を作製し、次いで
この蝋義歯をフラスコ内において埋没用石膏内に埋没せ
しめ、しかる後にこの蝋義歯が埋没せしめられている埋
没用石膏を温水中に浸漬することによつて加熱せしめて
ワツクスを流蝋せしめて床材３の充填される部分に空間
を形成せしめ、この空間部に床材３を填入し加圧，加熱
して床材３の重合を行つた後、埋没用石膏を破壊して重
合した床材３によつて人工歯１と維持装置２とが固定さ
れた義歯を取り出せば、人工歯１の溝部1cの最大深さｈ
部分に維持装置２の脚部が固定された形状となつている
ために強度的に安定しておりまた維持装置２の脚部が最
大膨隆位置1bより下側に位置して殆ど露出せず、頬側歯
冠長l1が天然歯の頬側歯冠長とほぼ同長であるため外観
の非常に良好でありまた舌側歯冠長l2が4.0mm以上であ
つて舌側の外観の低下も少なく、且つ製作した義歯を着
用した場合に咬合面1dが天然歯の頬舌側の長さw2が天然
歯のそれより短く形成されているために咀嚼時の着用者
の負担を軽減できる良好な局部床義歯が作製できるので
ある。
以上詳述した本発明に係る人工歯は、頬側歯冠長が天然
歯の頬側歯冠長とほぼ同長であるので義歯を作製して着
用した際に外観が通常の天然歯と変りが無いように見え
て審美性に富み、舌側歯冠長が4.0mm以上あるため義歯
の着用者が大きく口を開けても舌側歯冠長が短いことに
よる不自然さが無いのであり、また舌側歯冠長が頬側歯
冠長より2.5mm以上短く形成されているために義歯作製
時に人工歯の舌側下部に位置せしめられる維持装置や金
属床の上部の突起と当接して義歯作製の邪魔になる部分
が無いため義歯の作製効率の向上が期待でき、基底面側
が顎堤の横断面形状より更に凸な形状に合致する凹面形
状をなしているため基底面側と顎堤との間に充分な床材
を充填できるので強度的に安定した義歯の作製ができ、
基底面の一者又は両者の隣接面のほぼ頬舌側中央部に幅
が1.5〜5.0mmで最大深さが0.5〜3.0mmの咬合面側に傾斜
した滑らかな溝部が予め形成されているので局部床用義
歯を製作する場合に使用することが多い維持装置の脚部
が本来位置せしめられる部分を正確に規定されていると
共にこの溝部で維持装置の脚部が確実に保持されて安定
性が良く且つ強度的に優れた義歯の製作が可能であり、
またこの溝部は隣接面側の上端が最大膨隆位置に達して
いないため維持装置の脚部が殆ど露出することが無いの
で審美性に富んでおり、咬合面は近遠心径の長さが天然
歯の近遠心径の長さとほぼ同等であつて且つ（頬舌径の
長さ）／（近遠心径の長さ）が天然歯のそれの55〜95％
の範囲にあるようにしたために咀嚼時の咬合面に逃げを
大きく取つたことになるので局部床用義歯を作製したと
きに総義歯と異なつてその義歯部分だけに大きな力が作
用することを防止できるなど、義歯作製者の省力化と義
歯着用者の審美性及び着用時の良好な咀嚼効果とを兼ね
備えた特長を有しており、更に基底面を近遠心方向に凹
面状に湾曲させて基底面の表面積を広くして後述する床
材との接合面積を大きくして安定性の良い義歯の作製を
図ることもでき、その価値は非常に大きなものがある。
歯の頬側歯冠長とほぼ同長であるので義歯を作製して着
用した際に外観が通常の天然歯と変りが無いように見え
て審美性に富み、舌側歯冠長が4.0mm以上あるため義歯
の着用者が大きく口を開けても舌側歯冠長が短いことに
よる不自然さが無いのであり、また舌側歯冠長が頬側歯
冠長より2.5mm以上短く形成されているために義歯作製
時に人工歯の舌側下部に位置せしめられる維持装置や金
属床の上部の突起と当接して義歯作製の邪魔になる部分
が無いため義歯の作製効率の向上が期待でき、基底面側
が顎堤の横断面形状より更に凸な形状に合致する凹面形
状をなしているため基底面側と顎堤との間に充分な床材
を充填できるので強度的に安定した義歯の作製ができ、
基底面の一者又は両者の隣接面のほぼ頬舌側中央部に幅
が1.5〜5.0mmで最大深さが0.5〜3.0mmの咬合面側に傾斜
した滑らかな溝部が予め形成されているので局部床用義
歯を製作する場合に使用することが多い維持装置の脚部
が本来位置せしめられる部分を正確に規定されていると
共にこの溝部で維持装置の脚部が確実に保持されて安定
性が良く且つ強度的に優れた義歯の製作が可能であり、
またこの溝部は隣接面側の上端が最大膨隆位置に達して
いないため維持装置の脚部が殆ど露出することが無いの
で審美性に富んでおり、咬合面は近遠心径の長さが天然
歯の近遠心径の長さとほぼ同等であつて且つ（頬舌径の
長さ）／（近遠心径の長さ）が天然歯のそれの55〜95％
の範囲にあるようにしたために咀嚼時の咬合面に逃げを
大きく取つたことになるので局部床用義歯を作製したと
きに総義歯と異なつてその義歯部分だけに大きな力が作
用することを防止できるなど、義歯作製者の省力化と義
歯着用者の審美性及び着用時の良好な咀嚼効果とを兼ね
備えた特長を有しており、更に基底面を近遠心方向に凹
面状に湾曲させて基底面の表面積を広くして後述する床
材との接合面積を大きくして安定性の良い義歯の作製を
図ることもでき、その価値は非常に大きなものがある。
第１〜６図は本発明に係る人工歯を示すもので、第１図
は上顎第１臼歯用の人工歯の１実施例の斜視図、第２図
は同平面図、第３図は第１図に示した人工歯の咬合面中
央部の頬舌方向断面図、第４図は第１図に示した人工歯
の咬合面中央部の近遠心方向断面図、第５図は下顎第１
小臼歯用の人工歯の１実施例の斜視図であり、第６図は
第１図に示した本発明に係る人工歯と維持装置とを使用
して作製した局部床義歯の咬合面中央部の近遠心方向断
面図、第７図は従来の人工歯の側面図である。 図面中 １……本発明に係る人工歯 l1……頬側歯冠長 l2……舌側歯冠長 1a……基底面 1b……最大膨隆位置 1c……溝部 ｗ……溝部の幅 ｈ……溝部の最大深さ 1d……咬合面 w1……咬合面の近遠心径の長さ w2……咬合面の頬舌径の長さ ２……維持装置 ３……床材
は上顎第１臼歯用の人工歯の１実施例の斜視図、第２図
は同平面図、第３図は第１図に示した人工歯の咬合面中
央部の頬舌方向断面図、第４図は第１図に示した人工歯
の咬合面中央部の近遠心方向断面図、第５図は下顎第１
小臼歯用の人工歯の１実施例の斜視図であり、第６図は
第１図に示した本発明に係る人工歯と維持装置とを使用
して作製した局部床義歯の咬合面中央部の近遠心方向断
面図、第７図は従来の人工歯の側面図である。 図面中 １……本発明に係る人工歯 l1……頬側歯冠長 l2……舌側歯冠長 1a……基底面 1b……最大膨隆位置 1c……溝部 ｗ……溝部の幅 ｈ……溝部の最大深さ 1d……咬合面 w1……咬合面の近遠心径の長さ w2……咬合面の頬舌径の長さ ２……維持装置 ３……床材
Claims (4)
- 【請求項１】頬側歯冠長が天然歯の頬側歯冠長とほぼ同
長であり舌側歯冠長が4.0mm以上であつて且つ頬側歯冠
長より2.5mm以上短く形成されている臼歯用の人工歯で
あつて、基底面側が顎堤の横断面形状より更に凸な形状
に合致する凹面形状をなしており、基底面の一者又は両
者の隣接面のほぼ中央部に幅が1.5〜5.0mmで最大深さが
0.5〜3.0mmで且つ隣接面側の上端が最大膨隆位置に達し
ない咬合面側に傾斜した滑らかな溝部を有しており、咬
合面は近遠心径の長さが天然歯の近遠心径の長さとほぼ
同等で且つ（頬舌径の長さ）／（近遠心径の長さ）が天
然歯のそれの55〜95％の範囲にあることを特徴とする人
工歯。 - 【請求項２】人工歯が陶材を素材とするものである特許
請求の範囲第１項に記載の人工歯。 - 【請求項３】人工歯が合成樹脂を素材とするものである
特許請求の範囲第１項に記載の人工歯。 - 【請求項４】基底面が近遠心方向に凹面状に湾曲してい
る特許請求の範囲第１項から第３項までのいずれか１項
に記載の人工歯。
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