JP4047548B2 - 咬合輪郭が砂時計形のテンポラリークラウン及び長期的なプロビジョナルクラウン - Google Patents
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Description
発明の背景
本発明はテンポラリークラウン及びプロビジョナルクラウン(temporary and provisional dental crown)に関連し、特に、種々の寸法に対応なクラウンシェル(crown shell)、並びにそのようなシェルを用いたテンポラリークラウン及び長期的なプロビジョナルクラウンの形成方法に関連する。
【0002】
現在、テンポラリークラウン及びプロビジョナルクラウンの形成方法には主に3の方法がある。第1の技術では、アルミニウムやステンレス鋼などの金属、或いは3M社が販売しているロンクラウンフォーム(lon crown form)などのポリカーボネートからなる従来のプレハブ型(予め形成されたタイプ)クラウン或いはシェルを削って準備のできた歯に整合させる。このタイプのテンポラリークラウンの他の例は、米国特許第4、015、332号(Manne)、第4、678、435号(Long)、第4、778、386号(Spicry)及び第5、458、489号(Tennyson)に開示されている。
【0003】
第2の技術は、クラウンを装着するために患者の歯を削る前に歯科用の歯の印象(impression)を作る必要がある。次ぎに、クラウンを装着するために患者の歯を削り、その印象をビスアクリル(bis-acryl)材料で満たし、その準備のできた歯に取付ける。ビスアクリルが固まったら、硬化したビスアクリルから印象から取り外して研削及び研磨し、患者の口内に装着する。
【0004】
Gordon Christenson氏が利用し推奨する第3の主な技術も一般的である。この方法は、ポリメタクリル酸メチルからなるパテ状のボールを準備した歯の上に載せ、次に患者が歯を噛み合わせる。この材料は硬化し始める。材料が完全に固まる前に、このパテ状のボールを準備した歯から取り外して削り、歯に戻す。材料が固まった後、その材料を再度削って噛み合わせを調節する。次に、このテンポラリー・クラウンを歯に接着する。米国特許第5,385,469号に開示されているこの技術の変更例では、その部位で一般的なクラウンを形成するための管状の歯型を用いる。
【0005】
これらの技術には様々な長所や短所がある。第1の技術のようにプレハブ型を用いる場合は、時間がかからずシンプルであるが、この従来技術によるシェルの整合はあまり良くない。特に、縁の整合が十分でない。隣接する歯との良好な接触を得るのが難しく、その外形及び咬合性もあまり良くない。異なったサイズや形状のシェルを増やして(80もの異なったサイズ及び形状の小臼歯や大臼歯から選択できるようにする)、これらの欠点を解消しようと試みる製造者もいる。しかしながら、この試みは材料費が嵩み、また適正なシェルを選択するのに時間がかかる。
【0006】
Manne氏は、近心−遠心面にスリットを有する門歯のシェルを提供し、咬合面の蝶番軸に対して唇−舌方向にシェルが曲がるようにして、第1の技術の幅を広げた。Long氏もまた、テンポラリー大臼歯シェルの近心−遠心面に開いた部分を設け、アクリルレジン充填材が隣接方向に押し出されて隣接する歯に接触するようにして、この技術の幅を広げた。これらのシェルもこの技術で用いられる他のシェルと同様に、良好な咬合性はもちろん歯肉縁に沿った良好な整合性を得るために、頬側及び舌側側壁の自由縁を削る必要がある。シェルの近心−遠心面に開いた部分があるため、充填材を相当削り取らなければならない。このような削り取りや調整のために、歯科医及び患者は時間を費やさなければならない。
【0007】
第2の技術では、良好な形状や咬合性が得られるが印象を作るのに時間がかかる。また、この技術によって製造したテンポラリークラウンの強度及び耐久性は、非常に優れているとは言えない。更に、患者の歯が破損している場合には、印象を作製することができない。パテ状の材料から様々な形状にテンポラリークラウンを形成する第3の技術は、熟練した歯科医や歯科技工士が行う場合にのみ、他の技術と較べ迅速かつ正確にクラウンを形成することができる。しかしながら、この方法も理想より時間がかかる。この技術の別の大きな問題点は技術に依存する割合が極めて高いことである。したがって、歯科技工士は、正確に歯を整形するために高い技術を有していなければならない。この技術の別の問題点は、パテ状の材料を硬化するときに起こる発熱反応によって患者の口内に損傷を与えないように、特別な注意が必要であることである。
【0008】
前述したように、前述した技術は全て、理想よりも時間がかかる。これらの内の最も速い技術を用いても、歯科医がテンポラリークラウン或いはプロビジョナルクラウンを患者に装着するまでに30分以上時間がかかる。更に、第2及び第3の技術によるテンポラリークラウン或いはプロビジョナルクラウンは通常、耐久性に優れていないため長期の使用には適していない。第1の技術のステンレス鋼のシェルは耐久性の点では優れているが、良好な咬合性を得るためのシェルの咬合面の調整及び研削がより困難である。
【0009】
したがって、僅かな研削で良好な適合性が得られ、長期の使用に耐え、低コストで迅速かつ精密なテンポラリークラウン及びプロビジョナルクラウンを形成する方法が待ち望まれている。
【0010】
発明の概要
したがって、本発明の目的はテンポラリークラウン及びプロビジョナルクラウンの製造及び調整、装着を容易にすることにある。
【0011】
本発明の別の目的は、整合性の高い、長期の使用に十分耐えるテンポラリークラウン及びプロビジョナルクラウンを提供することにある。
【0012】
更なる本発明の目的は、整合性が高く、かつクラウンの材料の点及び調整時間の点で安価なクラウンを提供することにある。
【0013】
簡単に言えば、本発明は今日使用されている2つの従来技術を組み合わせたものである。即ち、自由な形状にシェルを形成する技術及びシェルを特殊な形状に設計する技術の双方の利点を採用する一方でこれらの技術上の欠点を排除している。詳細には、本発明のシェルは、少なくとも1つの近心−遠心側壁に、歯肉縁に沿って画定されていない実質的にU字型の窓を有する。自由形状シェル技術に用いられる材料と類似のパテ状の材料或いはレジンを用いるが、形状はシェル及びその窓によって制御される。このようにシェルの形状が制御されるため、テンポラリークラウン及び長期的なプロビジョナルクラウンの研削に費やす歯科医の貴重な時間を節約することができる。近心−遠心側壁のそれぞれは、押し出されたレジンを受容し、隣接する歯との接触を維持する、窓に隣接する窪んだ或いはへこんだ領域を有する。シェルは短い頬側及び舌側側壁を有するように設計されているため、シェル自体を削る必要がない。こうすることによって、歯科医の時間をさらに節約できる。このようなシェルによって、歯科医に相当の自由が与えられるため、歯科医は、限られた種類のサイズ、形状の対称形のシェルで殆どの大臼歯及び小臼歯に対応できる。
【0014】
準備した歯に装着するためのテンポラリークラウン若しくはプロビジョナルクラウンを作製するためのあるシェルは、上面壁、頬側側壁、舌側側壁、反対向きの近心−遠心側壁を含む。上面壁がシェルの咬合面を画定する。近心−遠心側壁のそれぞれが、上面壁、頬側側壁及び舌側側壁とつながっていて、離間して中央のキャビティを画定している。この中央のキャビティは、レジンを収容し、準備した歯と整合するように形成される。少なくとも何れか一方の近心−遠心側壁に部分的な開口を提供するべく窓が形成され、その開口によってレジンの一部が近心−遠心方向にキャビティから隣接する歯に押し出される。更に、少なくとも何れか一方の近心−遠心側壁が、隣接する歯の凸状の表面と整合するように凹状に形成される。
【0015】
シェルの上面壁は、隣接する両側の歯の凸状の近心−遠心面と整合する砂時計のような形状となるように、近心縁及び遠心縁に沿って凹状に形成され、シェルの近心側壁及び遠心側壁のそれぞれが、凹状の上面壁と整合するように形成されるのが好ましい。この場合、近心−遠心側壁が凹状であるため、シェルと凸状の隣接する歯との間に均一幅の隙間を設けることができ、隣接部へのレジンの流れが制御される。
【0016】
大臼歯及び小臼歯用のテンポラリークラウン或いは長期的なプロビジョナルクラウンの形成方法も提供する。この方法には、シェルのキャビティを一定量のレジンで満たすことが含まれる。シェルは、咬合面を画定する上面壁、反対向きの頬側及び舌側側壁、中央キャビティを画定する離間した反対向きの近心−遠心側壁を有する。レジンで満たされたシェルを準備した歯の上に載せ、レジンの一部が、少なくとも1つの近心−遠心側壁の部分的な開口を形成する窓から近心−遠心方向に押し出す。レジンが硬化するまでの間、シェル及びレジンを準備した歯に付けたり外したりすることを繰り返す。レジンが完全に硬化した後、シェル及び突き出たレジンの外面を、咬合面が整合しかつ隣接する歯とも整合するように整える。
【0017】
窓の大きさによって押し出されるレジンを制御して、近心−遠心面の面積の一部の領域のみが覆われるようにする。隣接する歯の凸状部に対する近心−遠心側壁の凹状部によって、更に制御することもできる。このようにすることによって、レジンを受け取って保持する均一な近心−遠心ギャップを設けることができる。
【0018】
クラウンを準備した歯から取り外した後、クラウンの近心−遠心の接触部及び縁部をマークしてクラウンを整形するのが好ましい。窓から近心−遠心方向に押し出されたレジンは、マークした接触部及び縁部の先まで取り除く。このように整形した後、シェル及びレジンを準備した歯に装着する。
【0019】
クラウンの強度及び耐久性を増すためにレジンにチタン粒子を含めることによって、本発明による更なる利点が得られる。また、シェル及びレジンにX線不透過性物質を含め、X線で確認することもできる。
【0020】
本発明に従って形成される長期的なプロビジョナルクラウンは、高価なクラウンの代わりとなり、患者、歯科医及び保険会社に利益をもたらす。本発明に従って形成されるテンポラリークラウン及び長期的なプロビジョナルクラウンは共に、短時間で形成可能であり、かつ殆どの従来技術のものより耐久性に優れている。長期的なプロビジョナルシェルを用いて形成されるクラウンの耐久性は、5〜7年或いはそれ以上である。テンポラリーシェル(側壁がプロビジョナルシェルよりやや薄い)で形成されるクラウンの耐久性は、3〜4ヶ月から1年である。本発明に従って形成されたクラウンは、成形によるクラウンより装着が単純かつ容易であり、プレハブ型クラウンより遥かに精密である。本発明のクラウンは、良好な間隔、接触及び咬合が得られるため、永久クラウンを装着するまでの間に歯がずれてしまうことがない。また、本発明のクラウンは装用感に優れ、更に見た目も良い。
【0021】
本発明によって、従来技術と較べて半分或いはそれ以下の短時間で、隣接面及び歯肉面及び咬合面の整合性に優れ、また長期の使用にも耐え得るテンポラリークラウン及びプロビジョナルクラウンを装着することが可能となった。
【0022】
添付の図面を用いた本発明の好適な実施例の詳細な説明から、前述及びその他の本発明の特徴及び利点がより明確になるであろう。
【0023】
詳細な説明
図1−図5は、小臼歯クラウンを用いて第1実施例における本発明の基本的な概念を例示する。これらの図面は、小臼歯クラウンについてのものであるが、以下の説明は大臼歯クラウンにも等しく適用することができる。大臼歯クラウンは、以降の図面により明確に示される。
【0024】
図1は、テンポラリー及びプロビジョナル・小臼歯クラウンを形成するためのシェル20の側面図である。このシェル20はポリカーボネートから一体成型されるのが好ましいが、別の高分子材料からも成型可能であり、成型ではなく機械加工によって形成することもできる。このシェル20は、咬合面を画定する上面壁22と、頬側側壁24と、この頬側側壁から離間した舌側側壁26とを有する。この頬側側壁24は、クラウンを形成する時にシェルを操作するための取り外し可能なタブ(図示せず)を含む。反対向きの近心−遠心側壁28及び30は、互いに離間して中央のキャビティを画定する頬側側壁24及び舌側側壁26、並びに上面壁とつながっている。中央のキャビティは、アクリルレジンを受容し、準備した歯に整合するように形成される。
【0025】
舌側側壁26は、以降に詳述するように歯肉縁25及び27が容易に整合するように頬側側壁24より短い。近心−遠心側壁28及び30の咬合面−歯肉方向の長さは、頬側側壁24及び舌側側壁26より短い。様々な歯の長さに対応できるように、咬合面−歯肉方向の長さが異なった2つ以上の頬側及び舌側側壁を有する、様々な大きさのシェルが含まれる。
【0026】
近心−遠心側壁28及び30はそれぞれ、それぞれの側壁に部分的な開口を形成する近心−遠心の窓32及び34を含む。近心−遠心窓32及び34によって、シェルを準備した歯60(図示せず)に装着する時にアクリルレジンが隣接方向にキャビティから隣接する歯に押し出され得る。シェル20は、一方の側壁のみに近心−遠心窓を形成して使用することもできるが、両方の近心−遠心側壁28及び30に窓を備える方が望ましい。各近心−遠心窓32及び34の大きさは、隣接する歯と隣接面接触部36A及び36B(図2を参照)を形成するのに十分な量のレジンが近心−遠心窓から押し出され得る大きさであるが、中央のキャビティからのレジンの流れを制御するために近心−遠心側壁の全体の大きさより十分に小さい。例えば、近心−遠心窓32及び34は、シェルの近心−遠心側壁の全面積の約半分である。
【0027】
本発明のシェル20を形成するための好適な材料は、20%の細かなガラス繊維を含むポリカーボネートである。シェル20を形成する材料には、X線で確認できるように硫酸バリウム(Bas)などのX線不透過性物質を含めることができる。本発明に用いるレジンは、スーパーTアクリルレジン(Super-T acrylic resin)が好ましいが、X線で確認できるようにBasや他のX線不透過性物質を含むものも好ましい。更に、チタンの微粒子や粉末をレジンに加えて、より耐久性があり長持ちするクラウンを形成することができる。
【0028】
図2−図5は、図1に示したシェル20を用いたテンポラリー若しくはプロビジョナル・小臼歯の形成方法を示す。図2は、テンポラリー或いは長期的なプロビジョナル・小臼歯クラウン40Aを示す患者の口内の一部の斜視図である。図1及び図2を参照すると、テンポラリー或いはプロビジョナル・小臼歯クラウン40Aは、ポリカーボネートシェル20のキャビティを一定量のスーパーTアクリルレジンで満たしてから、準備した歯の上にそのレジン充填シェルを配置して形成する。次に、患者が対向側の歯66(図8を参照)でレジン充填シェル40Aを噛み、シェル20の咬合面22の対向する歯66との咬合接触を確立する。また、このステップで、キャビティ内のレジンが準備した歯60(図8を参照)と係合するように形成される。
【0029】
更に、患者がシェル20を噛むと、レジンの一部が近心−遠心窓32及び34を介してキャビティから押し出される。各近心−遠心窓32及び34の頬側及び舌側の縁に沿った近心−遠心側壁28及び30の一部によって、隣接する歯62及び64に向かって隣接方向にレジンが押し出される。従って、これらの窓を介して押出されるレジンが、テンポラリークラウンの隣接面の隣接する歯と接触する近心−遠心突出部36A及び38Aを形成する。
【0030】
シェル20はまた、舌側側壁26が頬側側壁24よりやや短く形成されるのが好ましい。このように形成することによって、患者が咬合した時に舌側側壁26の歯肉縁27と患者の歯肉70とが接触せず、咬合壁或いは上面壁22の位置決めにある程度の余裕が生まれる。これについては後に詳述する。
【0031】
図3は、患者の歯から取り外され、患者の指に保持された図2のテンポラリークラウン40Aを示す。図3を参照すると、テンポラリークラウン40Aの突出部36A及び38Aをアクリルバー(acryl burr)42で削って整形し、クラウンの外側表面の形状(咬合面及び隣接面)が患者の歯に整合するようにする。通常、シェル20の歯肉縁の削り取りは必要ない。
【0032】
図4は、患者の準備した歯に戻された、突出部36B及び38Bが整形されたテンポラリークラウン40Bを示す。咬合面22の縁に沿った影44は、咬合調整のために研削されるテンポラリークラウンの頬側の咬頭を示す。図5は、咬合調整のために研削した後のテンポラリークラウン40Cを示す。図4及び図5の破線は、押し出されたレジンが整形された、クラウン40Cの近心−遠心面の窓から突き出たテンポラリークラウン部分を示す。得られたクラウンは、耐久性に優れたポリカーボネート補強されたアクリルレジンから形成される。従って、テンポラリークラウンとしての使用はもちろん、長期的なプロビジョナルクラウンとしての使用にも適している。
【0033】
クラウンは仕上がると、シェルと充填材との境界は実質的に平坦であり、近くで見なければ殆どわからない。仕上がったクラウン40Cを、患者の歯列内に確実に収まるように、患者の準備した歯60(図8を参照)と接着し、歯肉縁25及び27に沿ってシールする。隣接する歯62及び64との最終的な隣接面の整合、並びに対向する歯66(図8を参照)との咬合は、元の歯のように複製される。
【0034】
本発明のテンポラリークラウン或いは長期的なプロビジョナルクラウンをセットするまでの、適正なシェルのサイズの選択からレジン充填、整形、準備した歯へのクラウンの接着までの全工程を、従来の技術を用いた場合の約半分の時間で実行することができる。
【0035】
図6−図8は、適正な近心−遠心の寸法及び咬合面−歯肉の寸法を選択する際に利用する間隔の例を例示する患者の歯列の一部を示す。患者が口を閉じて咬合した状態で、適正サイズのシェルは、準備した歯の上で隣接する歯62及び64との間に緩く整合すべきである。図6及び図8は、シェルのサイズを選択するためのパラメーターを示す。図6は、シェルの位置を決めるために近心−遠心の寸法を選択するパラメーターA及びBを示す。シェルの近心−遠心側壁は、隣接する歯62及び64の近心−遠心面と準備した歯60の近心−遠心面とのおおむね中間に位置するようにする。言い換えれば、シェルは、準備した歯の隣接する両側の歯の中央に位置し、その幅は幅Aと幅Bの中間である。このように決められたシェルの位置は、図7及び図8の破線で示されている。図9−図16若しくは図25−図32に示されている実施例では、近心−遠心面が窪んだ或いは凹状であるため、図33−図35を用いて説明するように隣接空間が狭い方が好ましい。
【0036】
天然歯列の隣接する両側の歯に対して通常の間隔の範囲内である少なくとも2つの近心−遠心幅の大臼歯シェル及び小臼歯シェルを含むシェルのセットを提供するのが好ましい。このようにサイズを選択できるため、歯科医は、0.5mm〜1.0mmの範囲の隙間で隣接する歯の間に容易に収容されるような近心−遠心幅を有する所定の準備した歯のためのシェルを1つ選択することが可能になる。残った隣接面との隙間は、近心−遠心方向のレジン突出部36A、38Aで埋められる。従来のシェルと比べ、この方法はクラウンの隣接部との整合が極めて容易である。
【0037】
また、図8を参照すると、患者が口を閉じてレジンの入っていないシェル20を噛んだ時、対向する歯に対して容易に整合するように、シェル20の咬合面−歯肉方向の長さが決められる。前述したように、シェルのセットは、人によって歯の長さにばらつきがあるが一般的な歯の長さに適用できるように、咬合面−歯肉方向の長さが異なった2つの所定の大臼歯シェルや小臼歯シェルを含む。所定の準備した歯に装着するために、シェルの咬合面−歯肉方向の長さは、シェル20の咬合壁と対向する歯66との間隔Cが長さDの概ね半分となるように選択される。所定の歯のために選択したシェル20は、シェルの歯肉縁が準備した歯の歯肉縁と概ね整合するような咬合面−歯肉方向の長さを有し、シェルの咬合面と対向する歯66との間隔が0.5mm〜1.0mmの範囲が好ましい。
【0038】
図9−図13は、本発明に従った小臼歯シェル20の第2実施例の様々な図面である。シェル120を用いてテンポラリークラウン及びプロビジョナルクラウンを形成するための一般的な構成、材料及び方法は、前述したシェル20(図1を参照)と概ね同じである。好適なサイズの選択やび整合方法については、図33−図44を用いて後で説明する。シェル20の要素に対応するシェル120の要素は、シェル20の参照符号に100を加えて示す。従って、シェル120は、咬合壁(或いは上面壁)122と、歯肉縁125及び127をそれぞれ備える頬側側壁124及び126と、隣接面の側壁(近心−遠心側壁)128及び130とを有する。
【0039】
しかしながら、近心−遠心側壁の歯肉縁に沿って囲まれた第1実施例のシェル20の近心−遠心窓32及び34とは異なり、この実施例のシェル120の近心−遠心窓132及び134は、隣接側壁132及び134の歯肉縁に沿って囲まれておらず、概ねU字型の形状である。この実施例の近心−遠心窓132及び134は、第1実施例の近心−遠心窓32及び34より狭く、その大きさは、その窓が形成される側壁の全面積の1/3程度が好ましい。
【0040】
また第1実施例とは異なり、少なくとも1つの咬合面窓が咬合面壁122に形成することができる。咬合壁122は、中央のブリッジ154で離間した長円形の1対の窓150及び152を有するのが好ましい。咬合面の窓150及び152は、図2を用いて説明したクラウン形成段階で患者が噛合した時、レジン充填シェル120の中央のキャビティから咬合壁122の上面に押し出されるレジンを制御できるように形成する。
【0041】
図11を参照すると、シェル120の上面壁122は、中央のブリッジ154の上面に沿い、上面壁122の頬側及び舌側上に形成された第1咬合面122Aを更に含む。第2咬合面122Bも上面壁122の一部であるが、第1表面122Aから下がった位置に形成され、咬合面窓150及び152の近心−遠心側、頬側及び舌側を取り囲んでいる。従って、第2咬合面122Bは、対向する歯66(図8を参照)の咬合面と接触することによってレジンが形成されるように、咬合面窓150及び152から流出するレジンを受容し、その周りにレジンを保持する窪んだ領域を形成する。
【0042】
同様に、シェル120の隣接面128及び130もそれぞれ、シェルの最も外側の隣接面128A及び130Aと窓132及び134の垂直な面との間の窪んだ表面領域128B及び130Bを含むのが好ましい。窪んだ領域128B及び130Bは、近心−遠心窓132及び134から流出するレジンを受容し、隣接する歯62及び64(図8を参照)の隣接面と接触してレジンを保持する窪んだ領域をそれらの窓の周りに形成する。この窪んだ或いはへこんだ領域が凹面を形成するため、隣接する歯の凸状の隣接面とのより近接した整合が可能となる。
【0043】
図12に最も良く示されているように、この実施例のシェル120の歯肉縁125及び127は、階段形の断面形状を有するように形成される。テーパ状にもできるこの形状は、歯肉縁125及び127の周りにレジンを受容して保持するのを助け、準備した歯と高度なシールを形成する。この実施例の別の独特な特徴は、約3:4の比率で舌側側壁126が頬側側壁より短ことである。
【0044】
図14−図16は、図9−図13を用いて説明した小臼歯の第2実施例と本質的に同じ設計の大臼歯用シェル220を示す。前述の実施例の構造的要素及び形状に対応するこの実施例の構造的要素及び形状は、前述の実施例の参照符号に200を加えて示し、繰り返しになる説明は省略した。小臼歯シェル120と大臼歯シェル220との大きさ及び形状の一般的な違いはそれぞれ、小臼歯クラウン及び大臼歯クラウンに利用するかによる。大きさ及び形状の違い以外の小臼歯シェル120と大臼歯シェル220の大きな違いは、小臼歯シェル120の比率以上に大臼歯の舌側側壁226は頬側側壁224より短い。即ち、大臼歯の舌側側壁226がその頬側側壁224より2:3の比率で短く、小臼歯の舌側側壁と頬側側壁の比率は3:4である。
【0045】
図17−図24は、本発明の第3実施例に従った小臼歯シェル320及び大臼歯シェル420を示す。前述した実施例と共通の構造的要素及び形状は、小臼歯シェルには前述した実施例の参照符号に300を加え、大臼歯シェルには400を加えて示す。図9−図16及び図25−図32を用いて説明したように、隣接面の側面壁に窪んだ或いはへこんだ領域(図示せず)を設けることもできる。
【0046】
この実施の小臼歯シェル320及び大臼歯シェル420と前述の実施例のシェルとの間に幾つかの相違点がある。第1に、図17及び図21に最も良く示されているように、咬合壁322及び422はそれぞれ、1つの十字型の咬合窓353及び453を有する。この窓の形状は、第2実施例の咬合窓150及び152と較べ、上面壁322及び422の上のレジンが押し出される領域が幾分大きくなっているが、それでも仕上ったクラウンの充填材を保持することができる。第2に、図20の縁325、327及び図24の縁425、427に示されているように、シェルの歯肉縁は内側が先細である。
【0047】
第3の違いは、前述の何れの実施例と較べても舌側側壁326及び426が頬側側壁324及び424より遥かに短く、今回のその比率は約1:2である。この比率によって、準備した歯の舌側に沿ったシェルの舌側側壁の歯肉縁の垂直方向における位置を相当広い範囲で決めることが可能になる。シェルの位置を決める際、このように広い範囲で位置を決めることができるため、シェルの頬側の咬頭が、頬側側壁の歯肉縁に対して頬−舌方向に移動可能となる。舌側側壁をさらに短くすることも可能であるが、舌側の縁や頬側の咬頭の位置をさらに広い範囲で決めることができるとは限らないし、舌側に押し出されるレジンの流れを制御しにくくなるため好ましくない。
【0048】
本発明のさらなる特徴及び利点は、第3の実施例に最も良く示されている。詳細には、この実施例では、患者の歯列を4分割し、その全てに容易に適用できる包括的な設計を含む。あるキットは、4つの異なったサイズの大臼歯シェルと4つの異なったサイズの小臼歯シェル(合計8つのサイズのシェル)を含む。図7及び図8に示されるようにサイズを決める場合、研削しなくても後列の永久歯の95%に対応できる。更に、この実施例のキットは、右歯列や左歯列のために右または左の鏡像シェルを含む必要がないし、下顎用及び上顎用シェルを含む必要もない。
【0049】
シェル320及び420は頬−舌の軸に対して対称であり、利点が利用されている。更に、シェル320及び420の全ての側壁は、患者が歯を咬合した時に患者の歯列と容易に整合するように、十分に短くしてある。つまり、準備した歯及び隣接する歯、対向する歯の障害にならないように短くしてある。アクリルレジンは、近心−遠心側壁から制御されて押し出され、隣接する歯と良好な隣接面接触を形成する。レジンはまた、シェルの歯肉縁に沿って押し出されるため、準備した歯の全面に精密なシールが形成される。舌側側壁326及び426が頬側側壁324及び424より相当短いため、患者がレジンの詰まったシェルを噛むと、シェル320及び420は、頬側側壁の顔側の歯肉縁325及び425に対して自由に回動する。従って、この形状により、シェルの縁を研削する必要がなくなるのはもちろん、咬合する歯に対するシェルの頬側の咬頭の正確な位置決めが容易となり、更に研削しなければないらないクラウンの顔側(頬側)及び咬合面の余分なレジン及びシェル材料の量も減る。
【0050】
図25−図32は、本発明の第4実施例に従った小臼歯シェル520及び大臼歯シェル620を示す。前述した実施例と共通の構造的要素及び形状は、小臼歯シェルには前述した実施例の参照符号に500を加え、大臼歯シェルには600を加えた。この実施例と前述した実施例との相違点がいくつかある。第1に、第2実施例及び第3実施例とは異なり、上面壁522及び622は窓を有していないが、第1実施例のように通常の歯の咬合面のような咬合面522A及び622Aを有する。更に、上から見ると、咬合壁522及び622は概ね砂時計形である。この砂時計形の形状は近心−遠心面に沿って概ね凹状にしてあるため、シェルが隣接する歯の凸状の近心−遠心面との整合が可能となる。第2実施例のように、近心−遠心面528及び530、628及び630の凹状の形状及び間隔によって、概ね均一幅の隣接ギャップ80でシェルが隣接する歯と整合可能となる(図34を参照)。
【0051】
頬側側壁524、624及び舌側側壁526、626は、実質的に三角形のような形状(図27及び図31を参照)であり、取り巻いて近心−遠心側壁528、530及び近心−遠心側壁628及び630の一部を形成する。頬側側壁524と舌側側壁526との長さ及び頬側側壁624と舌側側壁626との長さを等しく或いは概ね等しくすることもできるが、舌側側壁が頬側側壁よりやや短くするのが好ましい。これらの特徴(三角形の形状及び頬側側壁の長さと舌側側壁の長さが概ね同じ)によって、図33−図34を用いて説明するように、シェルが準備した歯に隣接する歯間乳頭部72を覆うことができる。本発明の第3実施例のように、歯肉縁525、527、625及び627は、内側を先細にすることができる。
【0052】
近心−遠心側壁即ち隣接側壁528、530及び628、630は、主に頬側側壁524、624及び舌側側壁526、626がまわり込み、咬合壁522及び622の縁から下側に向かって延びて形成される。隣接側壁は舌側側壁より短い。レジンが隣接ギャップ80に押し出される近心−遠心窓532、534及び632、634を設けるべく、近心−遠心側壁528、530及び628、630の一部は開いている。これらの近心−遠心窓532、534及び632、634は、前術の実施例の近心−遠心窓より相当小さく、それぞれの近心−遠心側壁の表面積の1/4未満、好ましくは1/8−1/10の範囲である。図26及び図30に示されているように、近心−遠心窓532、534及び632、634は概ね台形であるが、概ね半円形或いは単に丸い角として形成することもできる。
【0053】
近心−遠心側壁528、530及び628、630は通常、隣接する歯62及び64との目的の整合を得るべく、咬合壁522及び622の近心−遠心側面の凹状の形状に従う。最も好ましくは、シェル520及び620は、図34に示されているように、装着した時に、隣接する歯62及び64の凸状の近心−遠心側壁と凹状の近心−遠心側壁532、534及び632、634との間に、比較的均一な幅の隣接ギャップ80を有するように形成する。本発明のこの形状による大きな恩恵は、シェルの凹状の近心−遠心側壁が隣接する歯の凸状面と整合するということである。
【0054】
咬合壁は、人の天然の歯と同じ構造になるように予め形成される。特に図29を参照すると、第4実施例の大臼歯シェル620は、上部が平坦な歯の咬合面622の上に4つの隆起部690、692、694及び696を有し、歯の咬合面を形成する。この4つの隆起部は、頬−舌方向に向き合った対になり、咬合面の1/4部分それぞれに1つの隆起部が配置されている。図25を参照すると、小臼歯用に設計されたシェル520は、大臼歯シェル620の隆起部に類似した2つの隆起部のみを有する。
【0055】
他の実施例と同様に、第4実施例は、わずか2、3のシェルで成人の様々な範囲の歯列に整合させる設計を含む。この実施例に基づいたキットは、テンポラリークラウン及び長期的なプロビジョナルクラウンの2つのタイプのクラウンの何れか一方を含むセットを有する。8つのサイズ及び形状のテンポラリークラウンを設ける。16のサイズ及び形状の長期的なプロビジョナルクラウンを設ける。長期的なプロビジョナルクラウンは、より耐久性のあるポリカーボネート材料から形成され、より精密な整合を得るためにより多くのサイズ及び形状を有する。テンポラリーシェルは、長期間使用すべきものではないため壁部を薄くすることができる。
【0056】
第4実施例に従ったテンポラリー小臼歯及び大臼歯クラウンの成人用キットは、例えば、8つのサイズ及び形状のシェルからなる。2つのサイズのシェルが、上顎の右側の大臼歯用に用いられ、別の2つのサイズのシェルが上顎の左側の大臼歯用に用いられる。別の2つのシェルが下顎の大臼歯用に用いられ(右側及び左側のどちらにも用いることができる)、最後の2つのシェルが上顎及び下顎の左右のいずれにも小臼歯として用いられる。
【0057】
従って、成人用のテンポラリーシェルのセットは、2つの上側右大臼歯シェル、2つの上側左大臼歯シェル、2つの下側大臼歯シェル及び2つの小臼歯シェルを含む。2つの上側右大臼歯シェルの各平面図は、概ね右側によった平行四辺形であり、2つの上側左大臼歯シェルの各平面図は、概ね左側によった平行四辺形である。2つの下側大臼歯シェルの平面図は概ね矩形である。最後の2つの小臼歯シェルの平面図は概ね楕円形である。成人用の長期的なプロビジョナルクラウンのキットは、サイズの選択の幅を広げるために、16のシェルのサイズ及び形状を含む。同様に子供用のキットを製作することもできる。
【0058】
図33−図35は、大臼歯シェル620についてのサイズを選択する際の考慮すべき点を示し、図36−図44は、大臼歯シェル620を用いたクラウンの形成方法を示す。テンポラリーシェル及び長期的なプロビジョナルシェルの両方を用いて、同じ技術でクラウンを形成する。図33は準備した歯660及び隣接する歯間乳頭部72を示す。
【0059】
本発明のテンポラリークラウン或いは長期的なプロビジョナルクラウンを装着する好適な方法を以下に示す。まず、クラウンを装着する歯660の準備をする。図34−図36を参照すると、近心−遠心及び頬−舌のサイズが適正なシェルを選択する。次に、適正なサイズのシェル660を、隣接する歯662と664との間、及び対向する歯(図示せず)との間に設けられた患者の歯列の空間内に緩くかつ快適に、すなわち隙間及び咬合面のそれぞれが整合するように配置する。例えば、咬合面の外形は、頬側及び舌側側壁のそれぞれに隣接する近心−遠心幅が準備した歯に隣接する両側の歯の内側の近心−遠心間隔と概ね同じになるように、シェルのサイズを選択することができる。更に、凹状の近心−遠心側壁632及び634は、隣接する歯662及び664の凸状の側壁と一致し、押し出されたレジン638A及び636Aを受容するための実質的に均一な隣接ギャップ80を形成する。好適な隣接ギャップは通常、幅が1mm未満であり、好ましくは約0.5mmである。
【0060】
次に図37に例示されているように、スーパーTアクリルレジン粉末74と反応液76を溶液中の粉末が完全に飽和し、全体がクリーム状になるまでゆっくり撹拌して、レジンを準備する。次に、この混合液を約20秒間硬化させる。次に、図38に示したように、頬側側壁及び舌側側壁624及び626の高さまで、一定量のレジン78でシェル620を満たす。
【0061】
次に、図39に示されているように、レジン充填シェル620を準備した歯660の上に装着する。手動器具90(即ち、Grade 4-5)を用いて、シェル620が準備した歯の上及び隣接する歯662と664との間に適正に位置するようにシェル620の中央に垂直方向の圧力(矢印88)を加える。次に患者が軽くシェルを噛み、近心−遠心側壁の各窓及び歯肉縁からレジンを押し出して、シェル620の咬合面622と隣接する歯662及び664の咬合面が整合するようにする。別法では、歯科医または歯科技工士は、シェル620の咬合面622と隣接する歯662及び664の咬合面とを目で見て整合させることもできる。シェル620及びレジンを約10秒間準備した歯の上に放置し、レジンを少し固まらせる。レジンが粘着性を帯びたら、手動器具を用いて、余分なレジン78の一部を取り除く。この段階で余分なレジンを取り除くことによって、後の研削時間を短くすることができる。
【0062】
レジンがパテ状になったら、レジンが完全に固まるまで、レジン充填シェルを準備した歯から取り外し、装着するステップを繰り返す。このステップでは、クラウンを準備した歯から離し過ぎないようにし(例えば、準備した歯から1cm以上持ち上げない)、準備した歯から長時間離しておかないことが重要である。更にこのステップで、近心−遠心側壁の窓から樹脂を押し出し、一方シェル620が準備した歯の上に固着しないようにする。2、3度繰り返した後、患者が再び軽く噛む。次にシェル620を持ち上げ、そして戻し、アンダーカットを防止する。レジンが硬化した後も、ある程度の収縮が起こる。従って、レジンが完全に硬化するまで(更に約1分か2分)、シェル620を準備した歯から完全には取り外してはならない。レジンが硬化する際の反応は若干の熱の発生を伴うが、少量の材料しか用いないため、この場合著しい熱量は発生しない。
【0063】
図40に示されているように、レジンが硬化するまでの間、咬合を調整することができる。カーボン紙を用いて調整のためクラウンの咬合をマークすることができる。咬合をマークするために、カーボン紙を咬み合う歯との間に入れる。次に、患者が噛んで咬み合う歯同士を押しつける。カーボン紙でマークした咬合部をダイヤモンドバイトで調整することができる。隣接する歯の上にカーボンのマークが付くまで(即ち、対向する歯及び隣接する歯との接触を示す)、このステップを繰り返し良好な咬合を得る。
【0064】
レジンが完全に硬化したら、図41に示されているように、クラウン620Aを準備した歯660から取り出すことができる。クラウンリムーバー(図示せず)を用いるか或いは親指94と指92を用いるかして、クラウン620Aを垂直方向に持ち上げて準備した歯660から取り外す。図42に示されているように、縁82及び隣接する歯84との接触部を鉛筆96でマークして、研削する時に見やすいようにする。クラウンが隣接する両側の歯と良好に整合するように、隣接接触部84の幅を広く保つべきである。縁と接触部をマークした後、図43に例示されているようにクラウンを研削して仕上げることができる。
【0065】
図43を参照すると、以下の手順で研削のステップを進めることが重要である。まず4つの角を、アクリルバーレーズ(acrylic bur lathe)42またはチェアサイドアクリルバー(chair-side acrylic bur)(図示せず)を用いてマークした縁まで削り取る。次に、頬側側壁、舌側側壁及び近心−遠心側壁をマークした縁まで削り取る。次に、アクリルバーを用いて、マークした接触部の下側を削り取る。次にクラウン620Aをラバーホイールで研磨して仕上げる。
【0066】
図44を参照すると、長期的なプロビジョナルクラウン620Bの場合は、必要に応じてクラウン620Bを再び整合を行うべきである。中型のラウンドバー(round bur)を用いて、歯科医或いは技工士が、縁部のシェルの内側を研削すべきである。必要に応じてレジンを追加することもできる。更に良好な整合を得るために、溝をリトラクションコードで詰めることもできる。
【0067】
図35を参照すると、クラウン620Cが仕上がり、クラウン620Cを患者の口内に装着する準備ができている。クラウン620Cを準備した歯660の上に装着して整合性をチェックする。歯科医は、形状及び隙間の両方が良好であることを確認しなければならない。クラウンの隣接する接触部との密着した整合性や隙間の状態、咬合性を確認して最終的な咬合調整を行う。
【0068】
図25−図32のシェルを用いてクラウンを形成する主な利点の1つは、シェルの中に咬合構造が含まれているということである。本発明のシェルを用いることによって、咬合面の研削及び形成にかかる時間を節約することができる。高い整合性を得るために、咬合調整の際に咬合構造の横方向に突き出た障害となる部分を取り除くこともできる。充分な整合性が得られたら、クラウン620Cを歯肉縁に沿って準備した歯660の上に接着する。
【0069】
本発明の幾つかの好適な実施例を用いた本発明の原理の例示及び説明から、構造及び細部の変更が可能であることは明らかであろう。本明細書で記述した様々な新規の特徴を用いて、本発明の範囲から逸脱することなく、別の組み合わせにしたり、或いは形状や寸法を変更したりすることもできる。また、すべての変更等は先述した請求の範囲内であることを主張する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例に従ってテンポラリークラウンを形成するためのポリカーボネートシェルの側面図である。
【図2】 スーパーTアクリルレジンで図1のシェルを満たして形成したテンポラリークラウンを準備した歯の上に装着し、そのクラウンの近心−遠心面の部分的な窓からレジンが押し出された状態を示す斜視図である。
【図3】 突き出たレジンをアクリルバーで削るために患者の歯から取り外した図2のテンポラリークラウンの斜視図である。
【図4】 患者の準備した歯に戻された、研削された後のテンポラリークラウンを示す図2に類似の斜視図であって、咬合面の縁部に沿った影の部分は咬合調整のために研削される領域を示す。
【図5】 咬合調整のために研削された後のテンポラリークラウンを示す図4に類似の斜視図であって、図の破線は、押し出されたレジンが整形された、クラウンの近心−遠心面の窓から突き出た前記テンポラリークラウン部分を示す。
【図6】 本発明の準備した歯に整合する適正な大きさの近心−遠心面を有するシェルを選択する際に用いる間隔を示す、患者の歯列の一部の側面図である。
【図7】 本発明の準備した歯に整合する適正な大きさの近心−遠心面を有するシェルを選択する際に用いる隙間を示す、患者の歯列の一部の平面図である。
【図8】 咬合面−歯肉方向の長さの選択を示す図6に類似の側面図である。
【図9】 本発明の第2実施例に従った小臼歯用シェルの上側からの斜視図である。
【図10】 本発明の第2実施例に従った小臼歯用シェルの下側からの斜視図である。
【図11】 図9及び図10のシェルの平面図である。
【図12】 図9及び図10のシェルの近心−遠心側の側面図である。
【図13】 図12の線13−13に沿った断面図である。
【図14】 本発明の大臼歯用のシェルを示す図11に類似の平面図である。
【図15】 本発明の大臼歯用のシェルを示す図12に類似の側面図である。
【図16】 本発明の大臼歯用のシェルを示す図13に類似の断面図である。
【図17】 本発明の第3実施例に従った小臼歯用シェルを示す平面図である。
【図18】 本発明の第3実施例に従って小臼歯用シェルを示す側面図である。
【図19】 本発明の第3実施例に従った小臼歯用シェルを示す頬側端の図である。
【図20】 本発明の第3実施例に従った小臼歯用シェルを示す断面図である。
【図21】 本発明の第3実施例に従った大臼歯用シェルを示す平面図である。
【図22】 本発明の第3実施例に従った大臼歯用シェルを示す側面図である。
【図23】 本発明の第3実施例に従った大臼歯用シェルを示す頬側端の図である。
【図24】 本発明の第3実施例に従った大臼歯用シェルを示す断面図である。
【図25】 本発明の第4実施例に従った大臼歯用シェルを示す平面図である。
【図26】 本発明の第4実施例に従った大臼歯用シェルを示す近心−遠心側の側面図である。
【図27】 本発明の第4実施例に従った大臼歯用シェルを示す頬−舌側の側面図である。
【図28】 本発明の第4実施例に従った大臼歯用シェルを示す底面図である。
【図29】 本発明の第4実施例に従った大臼歯用シェルを示す平面図である。
【図30】 本発明の第4実施例に従った大臼歯用シェルを示す近心−遠心側の側面図である。
【図31】 本発明の第4実施例に従った大臼歯用シェルを示す頬−舌側の側面図である。
【図32】 本発明の第4実施例に従った大臼歯用シェルを示す底面図である。
【図33】 本発明の第4実施例に従った大臼歯用シェルをどのように準備した歯に装着するかを例示する側面図である。
【図34】 本発明の第4実施例に従った大臼歯用シェルをどのように準備した歯に装着するかを例示する平面図である。
【図35】 本発明の第4実施例に従った大臼歯用シェルをどのように準備した歯に装着するかを例示する別の側面図である。
【図36】 図33−図35のシェルを用いて、本発明に従ったテンポラリークラウン若しくは永久クラウンを準備した歯に装着するステップを例示する。
【図37】 図33−図35のシェルを用いて、本発明に従ったテンポラリークラウン若しくは永久クラウンを準備した歯に装着するステップを例示する。
【図38】 図33−図35のシェルを用いて、本発明に従ったテンポラリークラウン若しくは永久クラウンを準備した歯に装着するステップを例示する。
【図39】 図33−図35のシェルを用いて、本発明に従ったテンポラリークラウン若しくは永久クラウンを準備した歯に装着するステップを例示する。
【図40】 図33−図35のシェルを用いて、本発明に従ったテンポラリークラウン若しくは永久クラウンを準備した歯に装着するステップを例示する。
【図41】 図33−図35のシェルを用いて、本発明に従ったテンポラリークラウン若しくは永久クラウンを準備した歯に装着するステップを例示する。
【図42】 図33−図35のシェルを用いて、本発明に従ったテンポラリークラウン若しくは永久クラウンを準備した歯に装着するステップを例示する。
【図43】 図33−図35のシェルを用いて、本発明に従ったテンポラリークラウン若しくは永久クラウンを準備した歯に装着するステップを例示する。
【図44】 図33−図35のシェルを用いて、本発明に従ったテンポラリークラウン若しくは永久クラウンを準備した歯に装着するステップを例示する。
Claims (26)
- 準備した歯(60)の上にテンポラリークラウン若しくは長期的なプロビジョナルクラウンを形成するためのシェル(20)であって、
咬合面を画定する上面壁(22)と、
頬側側壁(24)と、
前記頬側側壁(24)から離間した舌側側壁(26)と、
互いに離間し、レジンを受容して準備のできた歯と緩く整合する中央のキャビティを画定し、前記上面壁(22)及び前記頬側及び舌側側壁(24、26)に繋がっている反対向きの近心−遠心側壁(28、30)とを含み、
前記近心−遠心側壁のそれぞれが、歯肉縁を有し、
前記近心−遠心側壁のそれぞれが、前記レジンの一部が近心−遠心方向に前記キャビティから隣接する歯に押し出されることを可能にするべく、前記側壁に部分的開口を形成する窓を有し、
前記歯肉縁から開いたU字型であり、大きさが前記近心−遠心側壁の面積の1/4未満である前記窓が、前記近心−遠心側壁(28、30)の前記歯肉縁に沿い、前記頬側壁と前記舌側側壁との中間に位置し、
前記近心−遠心側壁のそれぞれが、前記シェルと前記隣接する両側の歯の間に、窓からのレジンの流れを制御する形状の隣接ギャップを提供するべく、前記隣接する歯の凸状の近心−遠心表面と共形的に整合するように形状されることを特徴とするシェル(20)。 - 前記近心−遠心側壁が、前記隣接ギャップの幅が概ね均一となるような形状であることを特徴とする請求項1に記載のシェル(20)。
- 咬合面を画定する前記上面壁(22)が、概ね砂時計形であることを特徴とする請求項1に記載のシェル(20)。
- 前記砂時計形の咬合面(22)が、前記レジンの隣接方向への流れを制御するように、前記隣接する歯(62、64)の近心−遠心表面と整合することを特徴とする請求項3に記載のシェル(20)。
- 前記頬側及び舌側側壁(24、26)が、前記準備した歯(66)と隣接する歯(62、64)との間の歯間乳頭部と接触する大きさであることを特徴とする請求項1に記載のシェル(20)。
- 前記シェル(20)が大臼歯用に設計され、その咬合面(622)が、人の天然の歯の咬合面のように4つの隆起部(690、692、694、696)を有することを特徴とする請求項1に記載のシェル(20)。
- 前記4つの隆起部(690、692、694、696)が、頬−舌側方向に対になって整列し、前記咬合面(622)の4分の1区のそれぞれに1つの隆起部が配置されることを特徴とする請求項6に記載のシェル(20)。
- 前記シェル(520)が小臼歯用に設計され、その咬合面(522)が、人の天然の歯の咬合面のように2つの隆起部(590、592)を有することを特徴とする請求項1に記載のシェル(20)。
- 前記2つの隆起部(590、592)が、頬−舌側方向に対になって配置されることを特徴とする請求項8に記載のシェル(20)。
- 2つの上側右大臼歯シェルと、2つの上側左大臼歯シェルと、2つの下側大臼歯シェルと、2つの小臼歯シェルを含むことを特徴とする請求項1に記載のシェル(20)のセット。
- 2つの上側右臼歯シェル及び/または2つの上側左大臼歯シェルのそれぞれの平面図が、概ね平行四辺形であることを特徴とする請求項10に記載のシェルのセット。
- 前記2つの下側大臼歯シェルのそれぞれの平面図が、概ね矩形であることを特徴とする請求項10に記載のシェルのセット。
- 前記2つの小臼歯シェルのそれぞれの平面図が、概ね楕円形であることを特徴とする請求項10に記載のシェルのセット。
- テンポラリークラウン若しくは長期的なプロビジョナルクラウンを準備した歯(60)の上に形成するためのシェル(520)であって、
咬合面、舌側の側面、頬側の側面、2つの近心−遠心側面からなる上面壁(622)であって、その前記近心−遠心側面のそれぞれに沿って凹状の窪みを有する、該上面壁(622)と、
前記上面壁(622)とつながっている頬側側壁(524)と、
前記頬側側壁(524)と離間し、前記上面壁(622)とつながっている舌側側壁(526)とを含み、
反対向きの近心−遠心側壁(528、530)のそれぞれが、前記上面壁(622)、前記頬側側壁(524)及び前記舌側側壁(526)とつながっており、前記近心−遠心側壁(528、530)が、互いに離間し、レジン(78)を受容して準備した歯(66)と整合するように形成された中央のキャビティを画定し、前記近心−遠心側壁(528、530)のそれぞれが、前記レジン(78)が近心−遠心方向に前記キャビティから対応する隣接する歯(662、664)に押し出されることを可能にする部分的な開口を前記側壁(528、530)に形成する窓(532、534)を有し、前記近心−遠心側壁(528、530)のそれぞれが、対応する前記隣接する歯(662、664)の凸状の近心−遠心表面と整合するように、凹状の形状であることを特徴とするシェル(520)。 - 前記近心−遠心側壁(128、130)の少なくとも一方が、前記近心−遠心側壁(128、130)の歯肉縁周囲に沿って囲まれていない概ねU字型の窓(132、134)を有し、前記窓(132、134)の大きさが、前記隣接する歯(62、64)と隣接接触部を形成するのに充分な量のレジンが近心−遠心方向に中央のキャビティから押し出されるのに充分に大きいが、前記キャビティからのレジンの流れを制御するべく、前記シェルの前記近心−遠心側壁の表面積よりも充分に小さいことを特徴とする請求項14に記載のシェル(120)。
- 前記上面壁(22)が、前記隣接する歯(62、64)の凸状の近心−遠心表面と共形的に整合するべく、前記近心−遠心側壁(28、30)のそれぞれにつながっている縁部に沿って凹状の形状であることを特徴とする請求項14に記載のシェル(20)。
- 前記近心−遠心側壁(28、30)の両方が、前記上面壁の凹状の形状と整合する凹状の形状であることを特徴とする請求項16に記載のシェル(20)。
- 前記頬側及び舌側側壁(24、26)のそれぞれが、概ね三角形の形状であることを特徴とする請求項16に記載のシェル(20)。
- 前記舌側側壁(26)の長さが、前記頬側側壁(24)の長さ以上ではないことを特徴とする請求項16に記載のシェル(20)。
- 前記近心−遠心側壁(28、30)の長さが、前記舌側側壁(26)の長さより短いことを特徴とする請求項19に記載のシェル(20)。
- 前記窓(132、134)の大きさが、前記近心−遠心側壁(128、130)の表面積の約1/4以下であることを特徴とする請求項15に記載のシェル(120)。
- 前記窓(132、134)の大きさが、前記近心−遠心側壁(128、130)の表面積の約1/8〜1/10の範囲であることを特徴とする請求項15に記載のシェル(120)。
- 上面壁(522)が、その近心−遠心の側面に沿って窪んでいて、前記近心−遠心側壁(528、530)が、前記上面壁(522)の前記窪みに整合する形状であることを特徴とする請求項15に記載のシェル(520)。
- 前記近心−遠心側壁(528、530)の少なくとも一方が、隣接する歯(662、664)の凸状の近心−遠心の表面と共形的に整合する形状であることを特徴とする請求項15に記載のシェル(520)。
- 前記近心−遠心側壁(528、530)が、前記隣接する歯(62、64)と共形的に整合する形状であり、シェル(520)と前記隣接する歯(662、664)との間へのレジンの流れを制御する形状の隣接ギャップ(80)を提供することを特徴とする請求項24に記載のシェル(520)。
- テンポラリークラウン若しくは長期的なプロビジョナルクラウンであって、
請求項1乃至25の何れかに記載のシェルと、
準備した歯と整合するように形成され、中央のキャビティに設けられたレジンとを含むことを特徴とするテンポラリークラウン若しくは長期的なプロビジョナルクラウン。
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