JP6874336B2 - 多孔質繊維及びリン吸着カラム - Google Patents

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本発明は、リンを吸着する多孔質繊維、およびこれを内蔵したリン吸着カラムに関する。
腎機能障害患者は、リン排泄の減少によって高リン血症に罹患することが多い。高リン血症はカルシウムやリンの代謝における重篤な異常をきたし、血清カルシウム低下、副甲状腺ホルモン(PTH)産生・分泌促進、異所性石灰化、ビタミンD活性化抑制による腎性骨異栄養症を引き起こす。腎不全により透析療法に移行しても、リンの恒常性が維持されない限り上記の病態は持続する。そのため、高リン血症治療は腎不全透析患者、腎不全未透析患者にとって必要不可欠なものである。現在、高リン血症の治療法としては、食事療法と、経口リン吸着剤を用いる方法が知られている。腎不全透析患者、腎不全未透析患者の高リン血症の治療においては、食事療法では不十分であり、経口リン吸着剤を用いる方法が必要とされている。
経口リン吸着剤としては、無機系のものと有機系のものが知られている。
無機系経口リン吸着剤としては、従来、アルミニウム塩あるいはカルシウム塩が広く用いられてきた。摂取されたアルミニウムやカルシウムは腸内のリン酸と結合し不溶性のリン酸塩を形成し、リンの吸収が阻害される。しかし、アルミニウム塩の投与はアルミニウムの体内の蓄積をもたらし、脳疾患、骨軟化症などを引き起こし得ることが問題となっている。また、カルシウムの吸収も高カルシウム血症を引き起こし得るものであり、大動脈へのカルシウム沈着、異所性石灰化により患者の死期を早め得ることが問題となっている。
そこで、カルシウム濃度が上昇しない無機系経口リン吸着剤として、炭酸ランタンが知られている。しかし、ランタンの腸管吸収及び骨の蓄積が認められており、長期安全性の面で懸念が示されている(非特許文献1)。
また、特許文献1には、無機系経口リン吸着剤として、ランタノイド炭酸塩が開示されている。しかし、ランタノイド炭酸塩は、炭酸ランタンと同じく、中性条件では水溶解性が低くても、胃酸のような強酸雰囲気下では、容易に金属イオンを遊離することができる。そのため、長期にわたる使用により、ランタノイドの骨への蓄積が起こりうるという問題があった。
一方、有機系経口リン吸着剤としては、ポリアリルアミンの一種である塩酸セベラマーが知られている。塩酸セベラマーは、上記無機塩による副作用を引き起こさないため、高リン血症の治療に広く用いられている。しかしながら、リン酸吸収を顕著に減少させるためには高用量の投与が必要となることから、塩酸セベラマーの用量は通常3〜6g/日、最大9g/日と設定されている。そして、塩酸セベラマーは胃腸管内で水を吸収して膨潤するため、便秘、腹痛、腹部膨満などの副作用を引き起こすことが問題となっており、腸管穿孔、腸閉塞などの深刻な副作用の報告もある(非特許文献2参照)。さらに、脂溶性ビタミン(ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK)や葉酸塩の吸収が阻害するため、長期間投与の場合、これらを補給する必要がある。
しかも、経口型のリン酸吸着剤は、一生涯の透析治療とともに継続して服用しなければならないことを考えると、上記したように使用する経口剤の種類によっては血中のカルシウム濃度の上昇や便秘・腹部膨張等の副作用があることは、患者のクオリティ・オブ・ライフ(QOL)を鑑みれば望ましいことではない。
よって、経口服用薬とは全く違う、新しい形態の高リン血症治療法の開発は意義のあることである。
特許文献1には、体外循環を目的としリン吸着剤を多孔質担体に担持させて成形体とすることが記載されており、成形体の形成は、粒状、糸状、中空糸状等、使用方法に適した任意の形状が選択できると記載されている。当該リン吸着剤として、希土類元素の水和酸化物が開示されている。具体的にはポリエチレン−ビニルアルコロールに水酸化セリウムを添加し、粒状に形成し、カラムに充填し、リン吸着性能を評価する例が開示されている。
また特許文献2には、リン吸着カラムとダイアライザーとの併用について記載されている。同特許文献には、リン吸着剤として、特定構造のポリカチオン性ポリマーが開示されている。
また、特許文献3では、リン吸着剤を透析液側へ分散、及び中空糸の内表面及び外表面に担持する方法が開示されている。
重松隆他、「骨生検試験」、バイエル薬品社内資料、2009年 石切山一彦他(Kazuhiko Ishikiriyama et al.)、ジャーナル・オブ・コロイド・アンド・インターフェイス・サイエンス(JOURNAL OF COLLOID AND INTERFACE SCIENCE)、1995年、171巻、p.103−111
特開昭61−004529号公報 特開2002−102335号公報 国際公開第2011/125758号
しかしながら、特許文献1で多孔質担体に担持されるリン吸着剤である希土類元素の水和酸化物は、pH変化が大きく、生体環境を大きく乱すという問題があるため、多孔質繊維の内部に担持させて用いることは好ましくない。
また、特許文献2に記載のリン吸着カラムにおいて、リン吸着剤として用いられる特定構造のポリカチオン性ポリマーは、塩酸と交換にリンを吸着するためにpH変化が大きく、血液のpHバランス、すなわち生体環境を乱すおそれがあるものであった。
また、特許文献3に記載のリン吸着剤の使用形態においては、透析液全体に粒子を均一に分散させるためには、透析液に回転子を添加したりする工夫が必要であり、バイオハザードの面からでも宜しくない。さらに、担持可能なリン吸着剤量は限られているため、リンの除去不十分の懸念がある。
本発明は上記現状に鑑み、体外循環におけるリン吸着用途に用いるリン吸着剤であって、生体環境を乱すおそれが小さいリン吸着剤を提供すること、並びに、リン吸着剤が内部に担持された多孔質繊維であって、生体環境を乱すおそれが小さい多孔質繊維、及びそれが内蔵されたリン吸着カラムを提供することを目的とする。
本発明では、上記課題を解決するために鋭意検討を進めた結果、以下に示す発明を完成するに到った。
本発明に係る多孔質繊維はリン吸着剤が繊維内部に担持されたものであり、生理食塩水中で4時間撹拌後のpH変化が−1以上+1以下である。なお、リン吸着剤自体の生理食塩水中で4時間撹拌後のpH変化も、−1以上+1以下であることが好ましい。
本発明のリン吸着剤は、体外循環におけるリン吸着用途に用いるリン吸着剤であって、生体環境を乱すおそれが小さいリン吸着剤である。
また、本発明の多孔質繊維は、リン吸着剤が内部に担持された多孔質繊維であって、生体環境を乱すおそれが小さい多孔質繊維である。
本発明のリン吸着カラムは、本発明の多孔質繊維が内蔵されたリン吸着カラムである。
本発明のリン吸着剤、多孔質繊維及びリン吸着カラムについて、以下、具体的に説明する。
<リン吸着剤>
本発明のリン吸着剤は、希土類元素の炭酸塩又は第4族酸化物を含むことが好ましく、20℃の水100gへの溶解度が10mg以下の粉粒体であることが好ましいものであって、体外循環におけるリン吸着用途に用いるものである。
本発明において、リン吸着剤とは、リン吸着性能を有する化合物、すなわち、後述するリン吸着性能の測定において、リンスタート液からのリン濃度の減少が認められるものである。また、粉粒体とは、平均粒径が1nm以上10mm以下の粒子を言う。
本発明のリン吸着剤は、希土類元素の炭酸塩又は第4族酸化物を含むことが好ましい。希土類元素の炭酸塩は、高いリン吸着性を有しながら、水への溶解性は低く、さらに生理食塩中におけるpH変化が小さいため、リン吸着剤と血液とが接触した際にも無機イオンが遊離し難く、体外循環に適している。
また、第4族酸化物のうち、特に好ましいものとしては酸化チタンが挙げられる。酸化チタンは希土類元素の炭酸塩と同様に高いリン吸着性能を有するものであり、かつ、水への溶解度は低く、上記pH変化も少ないことから、体外循環に適している。
ここで、本発明における体外循環とは、生体内の血液を体外に誘導し、所定の物質(本発明における対象はリン化合物)の除去を行う等の後、再び体内に戻すことをいう。
本発明のリン吸着剤は、希土類元素の炭酸塩を含むことが好ましい。リン吸着剤が希土類の炭酸塩を含むことにより、生理食塩水中におけるpH変化がより小さくなりやすい。
ここで、希土類元素とは、周期表の位置で原子番号21番のスカジウム(Sc)、原子番号39のイットリウム(Y)の2元素と、原子番号57番のランタン(La)から71番のルテチウム(Lu)までのLa,Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、15元素の計17元素である。
本発明のリン吸着剤は、前記希土類元素が、ランタン、セリウム、サマリウム、プラセオジムおよびネオジムからなる群から選ばれることが好ましい。この場合、希土類元素の炭酸塩は炭酸ランタン、炭酸セリウム、炭酸サマリウム、炭酸プラセオジムおよび炭酸ネオジムである。これらの希土類元素の炭酸塩は水への溶解性が低く、また、後述する生体内におけるpH変化が小さいために好ましい。さらに好ましいのは炭酸サマリウムであり、特に好ましいのはリン吸着性能が高い炭酸セリウム及び炭酸ネオジムである。
本発明のリン吸着剤において粉粒体は、希土類元素の炭酸塩又は第4族酸化物以外の成分として、希土類の酸化物、希土類の水和酸化物などを含んでもよい。
これらのリン吸着剤は単独で用いてもよいし、二種類以上の混合物として用いてもよい。
本発明のリン吸着剤は、20℃の水100gへの溶解度が10mg以下の粉粒体であることが好ましい。前記溶解度は、好ましくは5mg以下であり、より好ましくは2mg以下であり、特に好ましくは1mg以下である 本発明に係るリン吸着剤の溶解度は、後述の方法により測定する。
本発明のリン吸着剤は、リン吸着性能が3.0mg/g以上である。そして、リン吸着性能が4.0mg/g以上であることが好ましい。前記リン吸着性能はより好ましくは4.5mg/g以上、さらに好ましくは5.0mg/g以上であり、15.0mg/g以上であることがさらにより好ましく、その中でも70.0mg/g以上であることが好ましく、100.0mg/g以上であることが特に好ましい。リン吸着剤のリン吸着性能が前記範囲であることにより、例えば、リン吸着剤を多孔質繊維の内部に担持して用いる場合、最終形態の体外循環用カラムにした際に、リン吸着剤を内部に担持した多孔質繊維を多く充填しなくても十分なリン吸着除去の効果が得られやすくなる。そのため、結果として、十分なリン除去のために体外に持ち出す血液量を減らしやすくなる。また、好ましい吸着性能は1000.0mg/g以下であり、より好ましくは800.0mg/g以下であり、さらに好ましくは500.0mg/g以下である。リン吸着性能が前記範囲であることにより、例えば、リンの除去増大で起こりうる低リン血症を防ぎやすくなる。本発明におけるリン吸着剤のリン吸着性能の測定方法は後述のとおりである。
本発明のリン吸着剤は、平均粒径が100nmを超え100μm以下の粉粒体であることが好ましい。前記平均粒径は、リン吸着剤が可能な限り小さな微粒体であることが好ましいことから、100μm以下が好ましく、80μm以下がより好ましく、50μm以下が特に好ましい。前記平均粒径が100μm以下であると、例えば、リン吸着剤を多孔質繊維の内部に担持して用いる場合、紡糸の際に、口金が詰まりにくく、紡糸性能が低下しにくくなるため、好ましい。また、前記平均粒径が小さいほど比表面積が大きく、リン吸着効率が高くなりやすい。しかし、前記平均粒径が多孔質繊維の細孔より小さい場合、リン吸着剤が細孔を通過して血液等の被処理液中に溶出する可能性があるため、細孔径より大きい方が好ましく、100nmを超えることが好ましいといえる。しかし、粉粒体が一次粒子の凝集体の場合、一次粒子はこれに限ることはない。
本発明における、粒径の測定方法としては、レーザ回折・散乱法を用い、微粒子カウンター、粒度分布計等で計測することができる。粒子形状を非球形と設定し、横軸粒経、縦軸頻度(%)をプロットして、粒子径として体積平均(MV)、個数平均(MN)、面積平均(MA)等の値が得られるところ、本発明においては個数平均を用いて平均粒径とする。
また、透析治療において体外血液回路を循環する血液にリン吸着剤を直接接触させない形態として、かかるリン吸着剤を、多孔質繊維に練りこむ方法以外に、透析液に分散して使用してもよいし、あるいは中空糸状透析膜の外側に充填して、使用してもよい。
また、かかるリン吸着剤が混合されたポリマーを繊維形状に加工するときの加工法としては、乾式紡糸法、湿式紡糸法、若しくは乾式と湿式を組み合わせた乾湿式紡糸法があり、特に限定するものではない。凝固により形成された繊維の形状は、使用する口金形状によって定まり、主な形状としては中空糸状や中実糸状がある。
<pH>
一般に、生態内におけるpHバランスは非常に重要であり、バランスが乱れると様々な疾患に繋がる。本発明に係るリン吸着剤は、血液と接触した際、生理学的血液のpH変化が小さいことから、血液等の体液のpHに影響することが少ない。ここで、本発明では、生理食塩水中でのpH変化を以て、生態内pHバランスに優れているかの指標とする。具体的には、透析における4時間循環を想定して、リン吸着剤を生理食塩水中に入れて200rpmで4時間撹拌した後の前後のpH変化を測定する。本発明のリン吸着剤は、かかるpH変化が−1.0以上+1.0以下(±1.0以内)であり、好ましくは±0.8以内、より好ましいのは±0.6以内で、最も好ましいのはほとんどpH変化がない、すなわち±0.1以内である。
本発明のリン吸着剤は、後述の本発明の多孔質繊維の内部に担持して用いられることが好ましい。
<多孔質繊維>
本発明の多孔質繊維は、リン吸着剤が内部に担持された多孔質繊維であって、生理食塩水中で4時間撹拌後のpH変化が−1.0以上+1.0以下である。
本発明において、リン吸着剤が内部に担持された状態とは、リン吸着剤が、その機能が損なわれることがないよう、多孔質繊維と物理的に混ざり合っており、多孔質繊維内部に付着して保たれている状態を主にいう。ただし、必ずしも多孔質繊維と物理的に混ざり合った状態に限られるものではなく、リン吸着剤の機能が損なわれることがなければ、化学的に多孔質繊維内部の構成分子と結合しているものも、リン吸着剤が内部に担持された状態といってよい。
本発明の多孔質繊維は、生理食塩水中で4時間撹拌後のpH変化が−1.0以上+1.0以下である。前記pH変化は、好ましくは−0.8以上+0.8以下(±0.8以内)であり、より好ましくは±0.6以内、最も好ましくはほとんどpH変化がない、すなわち±0.1以内である。上述のとおり、一般に、生体内におけるpHバランスは非常に重要であり、バランスが乱れると様々な疾患に繋がる。本発明の多孔質繊維は、血液と接触した際、生理学的血液のpH変化が小さいことから、血液等の体液のpHに影響することが少ない。ここで、本発明では、生理食塩水中でのpH変化を以て、生体内pHバランスに優れているかの指標とする。具体的には、透析における4時間循環を想定して、リン吸着剤を内部に担持した多孔質繊維を生理食塩水中に入れて200rpmで4時間撹拌した後の前後のpH変化を測定する。本発明における多孔質繊維のpH測定方法は、後述のとおりである。
本発明の多孔質繊維は、リン吸着性能が3.0mg/g以上であることが好ましい。より好ましいリン吸着性能は3.5mg/g以上であり、さらに好ましいリン吸着性能は4.0mg/g以上であり、その中でも7.0mg/g以上であることが好ましく、15.0mg/g以上あれば特に好ましいと言える。多孔質繊維のリン吸着性能が3.0mg/g以上であることにより、最終形態の体外循環用カラムにした際、多孔質繊維を多く充填しなくても十分なリン吸着除去の効果が得られやすくなる。そのため、結果として、十分なリン除去のために体外に持ち出す血液量を減らしやすくなる。本発明における多孔質繊維のリン吸着性能の測定方法は後述のとおりである。
本発明の多孔質繊維は、前記リン吸着剤が粉粒体であって、前記多孔質繊維に担持された状態における前記粉粒体の20℃の水100gにおける溶解度が10mg以下であることが好ましい。前記リン吸着剤が粉粒体であることにより、多孔質繊維において均質に担持されやすく、加工操作が容易になるため好ましい。また、前記多孔質繊維に担持された状態における前記粉粒体の20℃の水100gにおける溶解度が10mg以下であることにより、血液と接触する際、金属イオンの溶出量が少なくなるため、好ましく用いることができる。ここで、多孔質繊維に担持された状態における粉粒体の20℃の水100gにおける溶解度は、後述の方法により測定される。
本発明の多孔質繊維は、前記リン吸着剤が粉粒体であって、平均粒径が100nmを超え100μm以下であることが好ましい。前記平均粒径は、リン吸着剤が可能な限り小さな粉粒体であることが好ましいことから、100μm以下が好ましく、80μm以下がより好ましく、50μm以下が特に好ましい。前記平均粒径が100μm以下であると、紡糸する際、口金が詰まりにくく、紡糸性能が低下しにくくなるため好ましい。また、前記平均粒径が小さいほど比表面積が大きく、リン吸着効率が高くなりやすい。しかし、前記平均粒径が多孔質繊維の細孔より小さい場合、リン吸着剤が細孔を通過して血液等の被処理液中に溶出する可能性があるため、細孔径より大きい方が好ましく、100nmを超えることが好ましいといえる。しかし、粉粒体が一次粒子の凝集体の場合、一次粒子はこれに限ることはない。
本発明の多孔質繊維の内部に担持されるリン吸着剤は、リン酸イオン、特に生体液中に存在するリン酸イオンを特異的に吸着できるものであり、主に無機粒子が用いられる。
本発明の多孔質繊維は、前記リン吸着剤が希土類元素塩又は第4族酸化物を含むことが好ましい。希土類元素塩は、水への溶解度が低く、かつリン吸着能が高い点で好ましい。また、第4族酸化物は、水への溶解度が低く、かつpH変化が小さい点で好ましい。
前記希土類元素塩の中でも、希土類元素の炭酸塩がより好ましい。希土類元素の炭酸塩は、高いリン吸着性を有しながら、溶解性は低く、さらにpH変化が小さいため、血液と接触した際、無機イオンが遊離し難く、体外循環に適している。
本発明の多孔質繊維は、前記リン吸着剤が希土類元素の炭酸塩を含むものであり、前記希土類元素はランタン、セリウム、サマリウム、プラセオジムおよびネオジムからなる群から選ばれることが好ましい。この場合、希土類元素の炭酸塩は炭酸ランタン、炭酸セリウム、炭酸サマリウム、炭酸プラセオジムおよび炭酸ネオジムである。これらは水への溶解性が低く、また、上述の生体内におけるpH変化が少ないために好ましい。より好ましいのは炭酸サマリウム、さらに好ましいのはリン吸着性能が高い炭酸ネオジム及び炭酸セリウムである。
本発明の多孔質繊維の内部に担持されるリン吸着剤はこれら記載の化合物に限るものではなく、上記pH変化が少なく、本発明に係る範囲のものであれば用いてもよい。
本発明の多孔質繊維の内部に担持されるリン吸着剤は、上述の本発明のリン吸着剤であることが好ましい。
本発明の多孔質繊維は、リン吸着剤を生体適合性のあるポリマーと混合し、リン吸着剤が練り込まれた繊維の形態とすることが好ましい。この場合のリン吸着剤添加率は、混合されるポリマーに対し5質量%以上が好ましく、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上であり、上限としては、80質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましく、60質量%以下がさらに好ましい。リン吸着剤の添加率が5質量%未満の場合には、カラム化した際、十分なリン吸着のために必要な多孔質繊維量が多くなるため、カラム体積が大きくなり、体外に持ち出す血液量が増えかねない懸念がある。一方、リン吸着剤の添加率が80質量%より多い場合には、繊維強度が低下し、紡糸性が悪くなりかねない懸念がある。リン吸着剤の添加率は以下の式1にて計算することができる。
式1:添加率%:[添加したリン吸着剤質量]/(添加したリン吸着剤質量+原料ポリマー質量)×100
本発明の多孔質繊維は、表面細孔半径が0.5〜100nmであり、かつ細孔の比表面積が10m/g以上であることが好ましい。平均細孔半径(以下、孔径又は細孔径ともいう)の下限としては、好ましくは0.5nm以上、より好ましくは1.5nm以上、特に好ましくは2.0nm以上であり、一方、上限としては、好ましくは100nm以下、より好ましくは40nm以下、特に好ましくは25nm以下である。均細孔半径の下限が前記のとおりであると、被吸着物質が孔に入りやすくなるため、吸着効率が低下しにくくなる。一方、細孔径の上限が前記のとおりであると、空隙部分に被吸着物質が吸着されやすくなるため、吸着効率が向上することがある。上記の孔径範囲内で、除去対象とする被吸着物質の大きさに応じて最適な孔径が存在する。
多孔質繊維の平均細孔半径は、示差走査熱量計(DSC)を用いた示差走査熱量(DSC)測定により、細孔内の水の毛管凝集による氷点降下度を測ることで1次平均細孔半径として求められる。吸着材料を−55℃に急冷し、5℃まで0.3℃/minで昇温させて測定し、得られた曲線のピークトップ温度を融点として、次式2から細孔の1次平均細孔半径を算出する。
式2: 1次平均細孔半径[nm]=(33.30−0.3181×融点降下量[℃])/融点降下量[℃]
なお、上記測定・算出方法においては、上述した非特許文献2の記載を参照する。
本発明の多孔質繊維は、被吸着物質を吸着するために、細孔の比表面積を大きくすることで、吸着性能を向上させることができる。そのため、細孔比表面積の下限として、好ましくは10m/gであり、より好ましくは20m/g、さらに好ましくは30m/g、特に好ましくは40m/g、その上で好ましくは50m/gとなる。一方で、細孔比表面積が大きすぎると機械的強度が不足することから、細孔比表面積の上限としては好ましくは1000m/gが好ましく、より好ましくは800m/g、さらに好ましくは650m/g、特に好ましくは500m/gとなる。
細孔比表面積の測定は、平均細孔半径の測定方法と同様にDSCを用いて行う。細孔の比表面積の算出方法は、上記非特許文献2(p104)に記載の通りである。
本発明の多孔質繊維は、リンの吸着効率を高めるために、表面のみならず、内部までリン吸着剤を担持することが好ましい。体外循環においては、患者の血圧低下リスクを防ぐため、できるだけ患者から持ち出す血液量を減少したほうがよい。そのためには、繊維体積あたりのリン吸着性能を大きくする必要がある。多孔質繊維の表面のみならず、内部までリン吸着剤を担持することにより、リン吸着剤が目的とするリンを含有した血液と効率的に接触するので、単位体積あたりのリン吸着性能が大きいことが好ましい。血液に含まれるリンを効率よく除去しやすくすることが可能である。従って、リン吸着剤が多孔質繊維の内部に担持されたもの、言い換えれば、吸着剤が繊維内部に練り込まれているものが好ましい。すなわち、リン吸着剤を多孔質繊維中に分散性よく存在させることが好ましい。
その方法として、所定濃度に調製した繊維原料のポリマー液中にリン吸着剤を添加し、一定の回転速度で混合させる方法が挙げられる。あるいは、最初からポリマー原料、リン吸着剤、ポリマー原料を溶解する溶媒を同じ容器にいれ、回転子を回転しながら混合する方法が挙げられる。あるいはすでに所定濃度に調製したポリマー溶液にリン吸着剤を吹きつけながら添加する方法が挙げられる。リン吸着剤を均一にポリマー中に分散することができさえすれば、上記方法に限ることはない。また、室温でゲル化するポリマーの場合には、ポリマーの溶解効率をあげるために、加熱するほうが好ましい。
<多孔質繊維の素材>
本発明における多孔質繊維の素材としては、特に限定されるものではないが、成形加工のし易さやコストなどの観点から有機物が好適に用いられる。より具体的にはポリメチルメタクリレート(以下、PMMAという)、ポリアクリロニトリル(以下、PANという)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリールエーテルスルホン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、セルロース、セルローストリアセテート、エチレン−ビニルアルコール共重合体等が好適に用いられる。中でも、非晶性の高分子であり、タンパク質を吸着できる特性を有する素材を含むことが好ましく、例えば、PMMA、PAN等が挙げられる。PMMA、PANは、また、厚み方向に均一構造を有する繊維の代表例であり、均質構造で孔径分布がシャープな構造を得やすいため好ましい。特にPMMAは、成形加工性やコストに優れ、また、透明性も高いため、多孔質繊維の内部状態も比較的観察が容易であり、ファウリング状態を評価しやすく好ましい。
<多孔質繊維の糸形状>
さらに、多孔質繊維の糸形状が中空糸状や中実糸状の場合、それぞれ膜厚部や糸内部の形態を吸着に適した多孔質とすることで、吸着面積を十分に確保しやすくなり、ひいては血液中に含まれる吸着標的物質を効率的に吸着除去しやすくなる。これらのうち、特に好ましいのは中実糸状である。中空糸の場合には、中空糸の内側と外側で圧力損失が異なる場合などでは、中空糸内外で被処理液の流量に差が生じ、結果としてカラムの吸着効率の低下を引き起こすことが懸念されるためである。また、中空糸の内側と外側の圧力損失を同等にするためには、中空糸の内径およびカラム充填率に大きな制約が生じる。さらに、中空糸を充填したカラムに血液を流した場合、中空糸の中空部は、カラム内における中空糸外部の環境に比べて固定された閉鎖的な環境であり(中空糸外部の隙間は、糸がカラム内で動くことで変形する)血栓などが形成しやすいことが懸念される。
また、中実糸の場合、糸断面は必ずしも真円に限定するものではなく、その他に楕円孔、矩形、三角形、またそれらの断面形状が異形化したものも場合に応じて好適に用いられ得る。
<繊維径の測定方法>
本発明の多孔質繊維は、繊維径が50〜1000μmであること好ましい。前記繊維径は、50μm以上が好ましく、より好ましいのは100μm以上、さらに好ましいのは150μm以上である。また、前記繊維径は1000μm以下が好ましく、より好ましいのは800μm以下、さらに好ましいのは500μm以下である。前記繊維径が50μm以上、より好ましくは100μm以上、さらに好ましくは150μm以上の場合、粒子添加率を高くしても、繊維強度が低下しにくくなり、生産性が向上しやすくなる。一方、前記繊維径が1000μm以下、より好ましくは800μm以下、さらに好ましくは500μm以下の場合、カラム内に充填する吸着繊維の充填率が大きくなりやすく、吸着性能が向上しやすくなる。
繊維径の測定方法は以下のとおりである。すなわち、カラム内に充填された糸(繊維)のうち、任意に50本を抽出し、洗浄する。洗浄した後、洗浄液を純水で完全に置換する。スライドグラスとカバーガラスの間に挟む。投影機(たとえばNikon社製V−10A)を用いて同一の糸について任意に2箇所ずつ糸の外径(最外周の直径)を測定する。その2箇所の外径の平均値を採り、小数点以下第1位を四捨五入する。尚、充填された糸本数が50本未満である場合には、その全ての糸を測定して、同様に平均値を採る。また、多孔繊維の糸断面が真円以外の場合には、その糸断面の形状に内接する円の直径をa、外接する円の直径をbとして、(a×b)0.5をその糸の直径とする。
<リン吸着カラム>
本発明のリン吸着カラムの別の一態様は、本発明の多孔質繊維が内蔵されたものである。
以下に本発明のリン吸着カラム(以下、単にカラムと記載する場合がある)の作製例について、糸形状として中実糸状のものを用いた一例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
<紡糸方法>
多孔質繊維の原料となるポリマーを適当な溶媒に溶かした後、選定したリン吸着剤の粒子を所定量添加し、紡糸原液を調製する。溶媒は、溶解するポリマーに応じて適宜選択されるが、一般的に、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサノン、キシレン、テトラリン、シクロヘキサノン、四塩化炭素などが使用されている。例えばポリマーとしてPMMAを用いる場合は、ジメチルスルホキシド(DMSO)が好ましく使用される。
紡糸原液の粘度は、低すぎると、原液の流動性が高く目的の形状を維持しにくい場合がある。そのため、紡糸口金部の温度での原液粘度の下限としては、好ましくは10poise、より好ましくは90poise、さらに好ましくは400poise、特に好ましくは800poiseとなる。一方で、紡糸原液の粘度が高すぎる場合には、原液吐出時の圧力損失の増大によって吐出の安定性が低下しやすくなったり、原液の混合が困難になる場合があったりする。そのため、紡糸口金部の温度での原液粘度の上限としては、100000poise、より好ましくは50000poiseとなる。
紡糸原液は、円形の原液吐出口をもつ口金、もしくは、異形断面繊維を紡糸する場合はその断面形状に合わせた形状の原液吐出口をもつ口金から吐出され、凝固浴にて中実の糸形状に凝固される。凝固浴は通常、水やアルコールなどの凝固剤、または紡糸原液を構成している溶媒と凝固剤との混合物からなる。また、凝固浴の温度をコントロールすることにより、多孔質繊維の空隙率を変化させることができる。空隙率は紡糸原液の種類等によって影響を受け得るために、凝固浴の温度も適宜選択されるものであるが、一般に凝固浴温度を高くすることにより、空隙率を高くすることが出来る。この機序は正確には明らかではないが、原液からの脱溶媒と凝固収縮との競争反応で、高温浴では脱溶媒が速く、収縮する前に凝固固定されるからではないかと考えられる。しかしながら、凝固浴温度が高くなりすぎると、細孔径が過大になるため、例えば、基材としてPMMAを含む中実糸で、かつ内管に気体を入れる場合の凝固浴温度は39℃以上が好ましく、42℃以上がより好ましい。一方で、前記凝固浴温度は50℃以下が好ましく、より好ましくは46℃以下である。
次いで、凝固した中実糸に付着している溶媒を洗浄する工程を通過させる。中実糸を洗浄する手段は特に限定されないが、多段の水を張った浴(水洗浴という)中に中実糸を通過させる方法が好ましく用いられる。水洗浴中の水の温度は、糸を構成するポリマーの性質に応じて決めればよい。例えばPMMAを含む糸である場合、30〜50℃が用いられる。
また、水洗浴を通過した後の中実糸における細孔径を保持するために、保湿成分を付与する工程を入れても良い。ここでいう保湿成分とは、中実糸の湿度を保つことが可能な成分、または、空気中にて、中実糸の湿度低下を防止することが可能な成分をいう。保湿成分の代表例としてはグリセリンやその水溶液などがある。
水洗や保湿成分付与の終わった後、収縮性の高い中実糸の寸法安定性を高めるため、加熱した保湿成分の水溶液が満たされた浴(熱処理浴という)の工程を通過させることも可能である。熱処理浴には加熱した保湿成分の水溶液が満たされており、中実糸がこの熱処理浴を通過することで、熱的な作用を受けて収縮し、以後の工程で収縮しにくくなり、糸構造を安定させることが出来る。このときの熱処理温度は、多孔質繊維の素材によって異なるが、PMMAを含む糸の場合には75℃以上が好ましく、82℃以上がより好ましい。また、90℃以下が好ましく、86℃以下がより好ましい温度として設定される。
<ケーシング形状>
この様に製造された中実糸を、ケーシングに内蔵してリン吸着カラムとする。ケーシングの形状としては、両端が開放端であり、例えば四角筒体、六角筒体等の角筒体や円筒体が挙げられ、中でも円筒体、特に断面が真円状の筒体が好ましい。これはケーシングが角をもたないことで、角部での被処理液の滞留を抑制しやすくなるためである。また、両側を開放端とすることで、被処理液の流れが乱流になりにくく圧力損失を最小限に抑えやすくすることができる。
また、ケーシングはプラスチックや金属等により構成される器具であることが好ましい。前者の場合には、金型による射出成形や、素材を切削加工することにより製作される。また、後者の場合には、素材を切削加工することにより器具が製作される。中でもコストや成型性、重量、血液適合性の観点からプラスチックが好適に用いられる。
プラスチックの場合は、例えば機械的強度、熱安定性に優れる熱可塑性樹脂が用いられる。このような熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、及びこれらの混合物が挙げられる。これらの中でもケーシングに求められる成形性、透明性、放射線耐性の点においてポリスチレン、ポリカーボネートおよびそれらの誘導体が好ましい。透明性に優れた樹脂は、血液灌流時に内部の様子を確認できるため安全性の確保に好都合であり、放射線耐性に優れる樹脂は滅菌時に放射性照射する場合に好ましいためである。前者の場合には、金型による射出成形や、素材を切削加工することにより製作され、後者の場合には、素材を切削加工することにより器具が製作される。中でもコストや成型性、重量、血液適合性の観点からプラスチックが好適に用いられる。
本発明のリン吸着カラムのケーシング長は、1cm以上、500cm以下であることが好ましく、より好ましくは3cm以上、50cm以下である。ここで、ケーシング長とは、隔壁が設けられたり、キャップが装着される前の、筒状ケーシングの軸方向の長さのことである。カラムのケーシング長が500cm以下、より好ましくは50cm以下であると、カラム内への多孔質繊維の挿入性が良好になりやすく、リン吸着カラムとして実使用する際の取扱いが容易になりやすいことが考えられる。また、1cm以上、より好ましくは3cm以上であると、例えば隔壁部を形成する場合などに有利になりやすく、カラム化した際の取り扱い性が良好になりやすい。 カラムに内蔵する際の多孔質繊維の形状としてはストレート形状が好ましく、ストレート形状の繊維をカラムケースの長手方向に対して平行に挿入して内蔵することが好ましい。ストレート形状の多孔質繊維は、被処理液の流路を確保しやすいため、カラム内に被処理液を均等に分配しやすく、また、流路抵抗の抑制がしやすく、被処理液中の溶質の付着などによる圧力損失の増大に対しても有利である。そのため、粘性の高い血液を被処理液とした場合においても、ケーシング内での凝固などのリスクを小さく抑えやすくなる。多孔質繊維を編物、織物、不織布などとして加工することもできる。ただし、加工に際して糸に大きな張力がかかるため、多孔質繊維の空孔率を高くできないなどの制約が生じる。さらに、多孔質繊維を加工することにより、工程数の増加やコストの増大を招く場合がある。
本発明のリン吸着カラムに内蔵する多孔質繊維の本数は1000本〜500000本程度が好ましい。
<充填率>
カラムのケーシング内における吸着体の充填率の上限としては70%が好ましく、更に好ましくは63%以下である。吸着体の充填率の下限としては13%が好ましく、更に好ましくは30%、特に好ましくは45%である。吸着体の充填率を13%以上とすることにより、血液浄化に必要な血液量が低減されるため、患者の負担を軽減しやすくなる。また、吸着体の充填率を70%以下とすると、エア抜け性が良好となりやすい。さらに、吸着体を充填しやすくなるため、作業効率が向上しやすくなる。なお、ここでいう充填率とは、浄化前の血流が流入する入口部と浄化後の血流が排出される出口部が設けられたケーシング体積に占める吸着体体積の割合のことであり、ヘッダー部などは含まない。
充填率は、ケーシングの断面積と長さから計算されるケーシング体積(Vc)と繊維断面積およびケーシング長、繊維本数から計算される繊維体積(Vf)の比率であり、以下のように求められる。
Vc=ケーシング胴部の断面積×有効長
Vf=繊維断面積×繊維本数×有効長
充填率=Vf/Vc×100(%)
なお、ケーシング胴部の断面積については、ケーシングにテーパーがある場合は、ケーシング中央における断面積とする。
ここでいうVcは、繊維を含まない部材、例えばヘッダー、ヘッダーキャップと呼ばれるような被処理液の出入口ポートとなる部材についての体積は含まないものとする。また、Vfについては、ケース内で繊維同士の密着を防ぐためのスペーサー繊維などを用いる場合には、その体積も含むものである。繊維の有効長とは、ケーシング長から隔壁の長さを減じた長さを指すものであるが、繊維の有効長の上限としては、繊維が湾曲しにくくなる、カラム化した際に圧力損失を低減しやすくなる等の観点から、5000mmが好ましく、より好ましくは500mm、特に好ましくは210mmとなる。また、繊維の有効長の下限としては、糸の長さを揃えるためにカラムから飛び出た余分な糸をカットする際などに廃棄する糸の量を低減でき、生産性が向上しやすくなりまた、繊維束の取り扱いが容易になりやすい等の観点から5mmが好ましく、より好ましくは20mm、特に好ましくは30mmとなる。繊維の有効長の測定方法としては、クリンプ等の捲縮がかかった糸の場合、糸両端を伸ばしたストレートな形状の状態で糸長さを測定する。具体的には、カラムから取り出した繊維の一片をテープ等で固定し、垂直に下げ、もう一片には、糸の断面積(mm)当たり8gのおもりを付与し、繊維が直線状になった際の全長を速やかに測定する。この測定をカラム等の内で任意に選んだ30本の繊維について行い、30本の平均値をmm単位で算出し、小数点以下第1位を四捨五入する。
<滅菌方法>
また、医療用具等に用いる際には殺菌又は滅菌して用いることが好ましい。殺菌、滅菌方法としては、種々の殺菌・滅菌方法、例えば、高圧蒸気滅菌、ガンマ線滅菌、エチレンオキサイドガス滅菌、薬剤殺菌、紫外線殺菌などが例示できる。これらの方法のうち、ガンマ線滅菌、高圧蒸気滅菌、エチレンオキサイドガス滅菌は、滅菌効率と材料に与える影響が少なく好ましい。
<カラムのリン吸着性能>
上記のようにして作製したカラムについてもリン吸着性能を測定することができる。詳細な測定方法は実施例にて後述する。カラムのリン吸着性能は、好ましくは3.0mg/g以上、より好ましくは4.0mg/g、さらに好ましくは5.0mg/g以上、その中でも好ましくは10.0mg/g以上、特に好ましくは15.0mg/g以上である。
<使用形態>
本発明におけるリン吸着カラムの使用用途は多種多様であり、水処理、精製、血液浄化などの用途として用いることができる。血液浄化用途の場合、処理方法には全血を直接灌流する方法と血液から血漿を分離した後に血漿をカラムに通す方法とがあるが、本発明のリン吸着カラムはいずれの方法にも用いることができる。
また、血液浄化器として用いる場合、1回の処理量や操作の簡便性などの観点から体外循環回路に組み込みオンラインで吸着除去を行う方法が好ましい。この場合、本発明のリン吸着カラムを単独で用いても良いし、透析時などに人工腎臓と直列に繋いで用いることもできる。このような方法を用いることで、透析と同時に人工腎臓のみでは除去が不十分である物質を除去することができる。特に人工腎臓では除去不足であるリンを、本発明のリン吸着カラムを用いて吸着除去することで人工腎臓の機能を補完できる。
また、人工腎臓と同時に用いる場合には、回路内において、人工腎臓の前に接続しても良いし人工腎臓の後に接続しても良い。人工腎臓の前に接続するメリットとしては、人工腎臓による透析の影響を受けにくいため、リン吸着カラムの本来の性能を発揮し易いことがある。一方で人工腎臓の後に接続するメリットとしては、人工腎臓で除水を行った後の血液等を処理するため、溶質濃度が高く、リンの吸着除去効率の増加が期待できる。
[測定例1〜9]
(1)リン吸着性能評価
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムを添加した牛血液から、遠心分離によって血漿を得た。該牛血漿について、総タンパク量(TP)が6.5±0.5g/dLとなるように調整した。尚、牛血漿は、採血後5日以内のものを用いた。
上記牛血漿400mLあたりに、31.4mgのリン酸一水素ナトリウム(NaHPO)及び13.8mgのリン酸二水素カリウム(KHPO)を溶解し、リンスタート液とした。このリンスタート液のリン濃度をCs(mg/dL)とする。
表1に示す各種の粒子状のリン吸着剤0.01gに上記リンスタート液を50mL添加し、37℃で4時間振とうし、反応させた。かかる4時間の反応の後、反応液を9000rpmで5分間遠心分離し、上澄みを回収した。上澄みをオリエンタル酵母工業株式会社の長浜ライフサイエンスラボラトリーに送付した。上澄み中のリン濃度を測定し、終濃度Ce(mg/dL)とした。なお、リンスタート液も長浜ライフサイエンスラボラトリーに送付し測定した。その後、下記式3にて吸着剤1gあたりのリン吸着性能を計算した。なお、本式から求めたリン吸着性能は吸着飽和してない場合の値となる。
式3: リン吸着性能〔mg/g〕=〔(Cs−Ce)×0.5(dL)〕/0.01(g)
また、多孔質繊維のリン吸着性能の測定方法は、上記においてリン吸着剤0.01gを用いる代わりにリン吸着剤が担持された多孔質繊維0.02gを用いる点を除けば、吸着剤のリン吸着性能の場合と同様にして行った。リン吸着性能の算出においては、下記式4を用いた。
式4: 多孔質繊維のリン吸着性能〔mg/g〕=〔(Cs(mg/dL)−Ce(mg/dL))×0.5(dL)〕/多孔質繊維質量(g)
(2)リン吸着剤の平均粒径
NIKKISO社のMT3300を用いてレーザ回折・散乱法で測定した。粒子形状を非球形と設定し、横軸粒経、縦軸頻度(%)をプロットして、平均粒径として個数平均を用いた。
(3)pH測定
pH測定方法としては、一般に最も多く用いられている測定法であるガラス電極法を用いる。これは、ガラス電極と比較電極の2本の電極を用いて、この2つの電極の間に生じた電圧(電位差)を知ることで、対象の溶液のpHを測定する方法である。具体的には、堀場製作所製のコンパクトpHメータLAQUAtwin等を用いることができる。
リン吸着剤のpHは、堀場製作所製のコンパクトpHメータLAQUAtwinで測定した。まず、既知の標準緩衝液(pH4.01及び6.86)を用いて、pH目盛りの校正を行う。生理食塩水のpHを測定し、pH(スタート)とする。リン吸着剤0.1gを秤量し、生理食塩水10mLに添加して室温で4時間撹拌した。撹拌後、前記リン吸着剤を添加した生理食塩水溶液1mLをサンプリングし、9000rpmで5分間遠心分離した。上澄み500μLを測定チャンバーに添加してpHを測定し、pH(4H)とした。pH変化は式5により求めた。
多孔質繊維のpHを直接測定する場合には、サンプルとして多孔質繊維0.2gを秤量する以外は、上記リン吸着剤を測定する場合と同様にして行った。
式5:pH変化=pH(4H)−pH(スタート)
4)吸着剤の溶解度(水溶解性)測定
恒温槽で20℃にした水100gと回転子をフラスコにいれ、リン吸着剤100mgを投入し、4時間以上撹拌した。その後、12000rpmで20分遠心分離することにより、リン吸着剤の粒子と溶液とを分離した。上澄みをサンプリングし、溶解したリン吸着剤の粒子イオン濃度を測定した。吸着剤が粉粒体の場合は誘導結合プラズマ−質量分析(ICP−MS)により測定した。測定した上記イオン濃度から粒子質量を算出し、上澄み100gあたりの溶解した粒子質量を上記水溶解性とした。
多孔質繊維の場合には、同じく水100gに対し、多孔質繊維200mgを投入した以外、前記同様に評価した。
以下の実施例において、実施例1〜3、及び6は、それぞれ参考例1〜3、及び6とする。
[実施例1]
まず、21質量%PMMA原液の調製を行った。質量平均分子量が40万のシンジオタクティック−PMMA(syn−PMMA、三菱レイヨン製、“ダイヤナール”BR−85)を31.7質量部、質量平均分子量が140万のsyn−PMMA(住友化学製、“スミペックス”AK−150)を31.7質量部、質量平均分子量が50万のアイソタクティック−PMMA(iso−PMMA、東レ製)多孔質繊維を16.7質量部、パラスチレンスルホン酸ソーダを1.5mol%含む分子量30万のPMMA共重合体(東レ製)20質量部をジメチルスルホキシド(DMSO)376質量部と混合し、110℃で8時間撹拌し紡糸原液を調製した。得られた紡糸原液の110℃での粘度は1240poiseであった。
次に、得られた紡糸原液50gに、リン吸着剤として酸化チタン粒子(測定例6)を1g添加し、酸化チタン/PMMA原液を調製した。100℃で加熱しながら、100rpmで撹拌し、均一に混合した。10mLのシリンジに上記原液を添加し、シリンジポンプを用いて、毎分6mの吐出線速度で45℃の温度に保たれた凝固液中に吐出した後、毎分100rpmで自動巻き取りした。形成された繊維は純水を用いて十分に洗浄した。リン吸着剤が8.7質量%含まれ、断面外径がφ200μmである中実形状の多孔質繊維が得られた。
上記実施例1で得られたリン吸着繊維のリン吸着性能評価を実施した。測定例に上述した(1)リン吸着性能評価で調製したリンスタート液50mL中に、多孔質繊維1g(内リン吸着剤は0.087g)を添加し、37℃で振とうしながら4時間吸着反応を行った。振とう中、所定時間ごとに反応液をサンプリングし、サンプリングした液を9000rpmで5分間遠心分離し、上澄みを回収してそのリン濃度を定量した。一方、4時間の反応を行った繊維は、生理食塩水で洗浄した後、さらに水で洗浄し、50度のオーブンで一晩乾燥させ、質量変化がないことを確認し、再度秤量した値を多孔質繊維質量とした。多孔質繊維のリン吸着性能を上記式4により計算した。結果を表2に示す。
[実施例2]
実施例1で調製した21質量%PMMA原液50gに、リン吸着剤として酸化チタン粒子(測定例6)を4g添加し、酸化チタン/PMMA原液を調製した。その後、実施例1と同様の手法で紡糸した。リン吸着剤が27.6質量%含まれ、断面外径がφ350μmである中実形状の多孔質繊維が得られた。
上記の多孔質繊維のリン吸着性能評価を実施した。実施例1同様に、測定例で示した(1)リン吸着性能評価で調製したリンスタート液50mL中に、多孔質繊維1g(内リン吸着剤は0.275g)を添加し、他は実施例1と同様にリン濃度および多孔質繊維質量を定量し、また多孔質繊維のリン吸着性能を式4により計算した。結果を表2に示す。
[実施例3]
実施例1で調製した21質量%PMMA原液23.81gにDMSOを26.19g添加し、PMMAが10質量%含まれたポリマー溶液50gを得た。かかる10質量%PMMA原液50gにリン吸着剤として酸化チタン粒子(測定例6)を5g添加し、100℃に加温して100rpmの回転数で撹拌しながら均一に混合し、酸化チタン/PMMA原液を調製した。その後、実施例1と同様の手法で紡糸した。リン吸着剤が50質量%含まれ、断面外径がφ250μmである中実形状の多孔質繊維が得られた。
上記で得られた多孔質繊維0.1g(内リン吸着剤は0.05g)に上記(1)リン吸着性能評価にて調製したリンスタート液50mLを添加し、実施例1と同様にリン濃度および多孔質繊維質量を定量し、また多孔質繊維のリン吸着性能を式4により計算した。
[実施例4]
実施例1で調製した21質量%PMMA原液23.81gにDMSOを26.19g添加し、PMMA濃度が10質量%のポリマー溶液50gを得た。かかる10質量%PMMA原液50gにリン吸着剤として炭酸ランタン粒子(測定例3)を5g添加し、100℃に加温して100rpmの回転数で撹拌しながら均一に混合し、炭酸ランタン/PMMA原液を調製した。その後、実施例1と同様の方法で紡糸した。リン吸着剤が50質量%含まれ、断面外径がφ170μmである中実形状の多孔質繊維が得られた。
上記で得られた多孔質繊維0.1g(内リン吸着剤は0.05g)に上記(1)リン吸着性能評価にて調製したリンスタート液50mLを添加し、実施例1と同様にリン濃度および多孔質繊維質量を定量し、また多孔質繊維のリン吸着性能を式4により計算した。
[実施例5]
実施例4と同様の方法により炭酸ネオジム/PMMA原液を調製した。その後、実施例1と同様な方法で紡糸した。リン吸着剤が50質量%含まれ、断面外径がφ170μmである中実形状の多孔質繊維が得られた。
上記多孔質繊維0.1g(内リン吸着剤は0.05g)に上記(1)リン吸着性能評価にて調製したリンスタート液50mLを添加し、実施例1と同様にリン濃度および多孔質繊維質量を定量し、また多孔質繊維のリン吸着性能を式4により計算した。
[比較例1]
粒子を添加しないこと以外、実施例1と同様の手法により紡糸し、断面外径φ138μmである中実糸形状のPMMA繊維が得られた。得られたPMMA繊維について実施例1と同様な手法でリン吸着性能を評価した。
[実施例6〜7]
<カラムの作製>
実施例3又は実施例4で得られた多孔質繊維複数本を、それぞれ内径10mm、軸方向長さ12.2mmのポリカーボネート製円筒状ケーシング内に、繊維を長手方向に引き揃えてカラムケースの長手方向に対して平行にストレート形状で挿入した。
より具体的には、実施例6においては、実施例3で得られた糸径270μmの糸を長さ11mmにカットしたものを合計540本充填し、充填率が35.5%のカラムを得た。一方、実施例7においては、実施例4で得られた糸径170μmの糸を同じく長さ11mmにカットしたものを合計760本充填し、充填率が19.8%のカラムを得た。
次にこれらのカラムの両側端面の被処理液の流出入口に、ケーシング内径と同等の径にカットした目開き相当直径84μm、開口率36%のポリプロピレン製メッシュフィルタを装着した。最後に、ケーシング端部に被処理液の流入口、流出口をもつヘッダーと呼ばれるキャップをとりつけた。
<カラムのリン吸着性能測定>
吸着性能評価として、カラムのリン吸着性能を測定した。上記実施例1〜5、比較例1〜3の(1)リン吸着性能評価と同様にして牛血漿を得た。該牛血漿について、総タンパク質が6.5±0.5g/dLとなるように調製した。尚、牛血漿は、採血後5日以内のものを用いた。次に、上記牛血漿100mLあたりに、7.85mgのリン酸一水素ナトリウム(NaHPO)及び3.45mgのリン酸二水素カリウム(KHPO)を溶解し、高リン血漿を模倣した被処理液を作成した。
カラムの入口、出口にシリコーンチューブを取り付け、入口、出口とも被処理液に漬けて循環系とした。被処理液を流速1mL/minで流し、カラム入口からカラムを通液後、出口から浄化済み液を被処理液に戻した。被処理液および出口の浄化済み液をサンプリングし、サンプル中のリン濃度を測定した。また、循環後、糸を生理食塩水及び水で洗浄後、60℃のオーブンで一晩乾燥し、質量変化がないことを確認し、乾燥質量とした。
Figure 0006874336
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Claims (7)

  1. リン吸着剤が繊維内部に担持された多孔質繊維であって、
    前記リン吸着剤が希土類元素の炭酸塩を含むものであり、
    前記希土類元素はランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ネオジムから選ばれる一つであり、
    前記繊維は生理食塩水中で4時間撹拌後のpH変化が−1以上+1以下である、多孔質繊維。
  2. リン吸着性能が3mg/g以上である、請求項1記載の多孔質繊維。
  3. 前記リン吸着剤が粉粒体であって、
    前記多孔質繊維に担持された状態における前記粉粒体の20℃の水100gにおける溶解度が10mg以下である、請求項1または2記載の多孔質繊維。
  4. 前記リン吸着剤が粉粒体であって、平均粒径が100μm以下である、請求項1〜3のいずれか一項記載の多孔質繊維。
  5. 繊維径が50〜1000μmである、請求項1〜4のいずれか一項記載の多孔質繊維。
  6. 平均細孔半径が0.5〜100nmであり、かつ細孔の比表面積が10m/g以上である、請求項1〜5のいずれか一項記載の多孔質繊維。
  7. 前記請求項1〜のいずれか一項記載の多孔質繊維が内蔵されたリン吸着カラム。
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