JP6924357B2 - 吸着繊維束及び体液浄化カラム - Google Patents
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Description
前記ケーシング内に収納された吸着繊維束と、を備え、
前記吸着繊維束は円柱からなる棒状物質を中心軸としてその周囲にらせん状に巻き付けられ、略円柱形に成形された、体液浄化カラム。
繊維の断面形状は、円形に限らず、繊維の単位体積あたりの接触面積を広げるために、少なくとも一部を異径断面にしたものを用いても良く、また、異なる断面形状の繊維を混合させて用いても良い。
また、本発明における繊維は、いわゆる一般的な中空糸でも、中空部を持たない繊維(中実糸)のどちらを用いても良い。本発明において特に中空糸を用いるときの、繊維断面積に対する中空部分断面積の比率の上限としては、0.6以下が好ましく、より好ましくは0.3以下、特に好ましくは0.1以下、さらに好ましくは0.05以下である。繊維断面積に対する中空部分の比率が大きいと、カラムに充填した際のカラム内における単位体積あたりの糸の充填量が減少し、カラムとしての吸着量低下につながるため好ましくない。
加えて、上記接触面積を効果的に増加させるために、多孔質構造の繊維を用いることが好ましい。特に、内部に細孔を有するものが好ましい。内部の細孔の平均細孔半径の下限としては、好ましくは0.5nm以上、より好ましくは1.5nm以上、特に好ましくは2.0nm以上であり、一方、上限としては、好ましくは100nm以下、より好ましくは40nm以下、特に好ましくは25nm以下である。内部に細孔を有していても、平均細孔径が小さすぎると、被吸着物質が孔に入らないため、吸着効率が低下することがある。一方で、細孔径が大きすぎても、空隙部分に被吸着物質が吸着されないため、逆に吸着効率が低下することがある。上記の孔径範囲内で、除去対象とする被吸着物質の大きさに応じて最適な孔径が存在し、孔径の選択を誤ると十分な被吸着物質の吸着が出来ないことがある。
上記測定・算出方法においては、上述した非特許文献1に記載されたTHEORYの式(2)およびMATERIAL AND METHODの項を参照する。
Vb=棒状物質の断面積×棒状物質有効長
Vf=繊維断面積×繊維本数×繊維長
繊維円柱における繊維占有率=Vf×100/(Vc−Vb)
なお、VcやVbを求める際に断面径が一定でない場合は、適宜長さ方向に分割して求めた体積を合計するなどして求めることができる。また、棒状物質の有効長については、棒状物質の全体の長さがケーシング内部を貫通するなどケーシング有効長よりも長い場合は、ケーシング有効長を棒状物質有効長とする。ここで有効長とは、カラムにおいて繊維がポッティング材等で覆われた部分を除いた、体液を流したときに吸着が有効に働く部分の長さである。
トラバース角度θは、巻き取った後の繊維円柱においてもその角度が保持されている。
上記式中のLは円柱状繊維束の長手方向の長さ、rは上記任意の地点における円柱状繊維束の横断面半径、πは円周率を表す。たとえば、円柱状繊維束の最外周より内側の、ある地点におけるθは、巻き取った糸を目的地点の横断面半径になるまでほどいた後、θを読み取ることで求めることができる。また、外半径が一定でない場合、トラバース角度θの上限θ’については、繊維束最外面の外半径の最大と最小の平均値をrとして上記式に代入することで求めることができる。トラバース角度が小さすぎると繊維同士の接触が密になりすぎて、被処理液の流動性が悪くなり、十分な吸着性能を発揮できないことがある。また、トラバース角度が上記式で示すθ’よりも大きいと図2に示すように、繊維を棒状物質に巻き付ける際に棒状物質の一端から他端へ糸が移動する間に棒状物質の円周方向に対して巻き付く繊維の長さが十分でなく、糸の張力が棒状物質に伝わりにくくなりかねないため、安定した繊維の巻き取りが困難になることがある。
Vb=棒状物質の断面積×棒状物質有効長
Vf=繊維断面積×繊維本数×繊維長
ケース充填率=Vf/(Vm−Vf)×100(%)
なお、ケーシング胴部の断面積については、ケーシングにテーパーがある場合は、ケーシング中央における断面積とする。また、VcやVbを求める際に断面径が一定でない場合は、適宜長さ方向に分割して求めた体積を合計するなどして求めることができる。
<重量平均分子量測定>
多孔質繊維の作成に用いるPMMAおよびPMMA共重合体の重量平均分子量は以下のとおり求めた。まず各PMMA試料を溶媒である0.1N−塩化リチウム・DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)に溶解させた。オストワルド粘度計を用いて溶媒に対する試料溶液の25.0℃における相対粘度を測定し、相対粘度から重量平均分子量を算出した。
重量平均分子量が40万のsyn−PMMAを31.7質量部、重量平均分子量が140万のsyn−PMMAを31.7質量部、重量平均分子量が50万のiso−PMMAを16.7質量部、パラスチレンスルホン酸ソーダを1.5mol%含む重量平均分子量30万のPMMA共重合体20質量部をジメチルスルホキシド376質量部と混合し、110℃で8時間撹拌し紡糸原液を調製した。得られた紡糸原液を92℃に保温された口金から、1.1g/minの速度で空気中に吐出し、空中部分を380mm走行させた後、凝固浴に導き、浴内を通過させて中実糸を得た。凝固浴には水を用いており、水温(凝固浴温度)は42℃であった。それぞれの繊維を水洗後、保湿剤としてグリセリンを70重量%含む水溶液から成る浴槽に導いた後、温度を84℃とした熱処理浴内を通過させて余分のグリセリンを除去した後に27m/minで巻き取った。
上記で得られた多孔質繊維を長さ20mm、内径4mmのポリカーボネート製の円柱からなる棒状物質にトラバース角度θが1°となるように、全体の径が10mmとなるまで巻き付け吸着繊維体を形成した。吸着繊維体を内径10mm、軸方向長さ20mmのポリカーボネート製円筒状ケーシング内に内蔵した。ケース充填率は46.4%だった。最後に、ケーシング端部には被処理液の流入口、流出口をもつヘッダーと呼ばれるキャップをとりつけた。
カラムの吸着性能評価として、β2−MGのクリアランスを測定した。β2−MGは、長期透析合併症である透析アミロイドーシスの原因タンパク質であることが知られている。
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムを添加した牛血液から、遠心分離によって血漿を得た。該血漿について、総タンパク量が6.5±0.5g/dLとなるように調整した。尚、ウシ血漿は、採血後5日以内のものを用いた。次に、ウシ血漿β2−MG濃度が1μg/mLになるように加え、撹拌した。かかる牛血漿について、その35mLを循環用に、50mLをクリアランス測定用として分けた。
循環を1時間行った後ポンプを停止した。
Co(ml/min)=(CBi−CBo)×QB/CBi (I)
(I)式において、CO=β2−MGクリアランス(ml/min)、CBi=Bi液におけるβ2−MG濃度、CBo=Bo液におけるβ2−MG濃度、QB=Biポンプ流量(ml/min)である。
Ab(μg/cm3)=(CBs−CBe)×VL/Vf (II)
(II)式において、Abは吸着繊維体の体積あたりのβ2―MG吸着量(μg/cm3)、CBsは循環開始時の循環血漿のβ2−MG濃度(μg/mL)、CBeは循環終了後の循環血漿のβ2−MG濃度(μg/mL)、VLは循環血漿の液量(mL)、Vfは繊維体積(cm3)である。
実施例1と全く同じ多孔質繊維、棒状物質を用いて、トラバース角度θが20°となるように吸着線維体を形成し、吸着線維体を実施例1と同じケース、ヘッダーキャップからなるカラムに内蔵した。ケース充填率は27.4%だった。
実施例1と全く同じ多孔質繊維、棒状物質を用いて、トラバース角度θが30°となるように吸着線維体を形成し、吸着線維体を実施例1と同じケース、ヘッダーキャップからなるカラムに内蔵した。ケース充填率は23.2%だった。
実施例1と全く同じ多孔質繊維、棒状物質を用いて、トラバース角度θが40°となるように吸着線維体を形成し、吸着線維体を実施例1と同じケース、ヘッダーキャップからなるカラムに内蔵した。ケース充填率は22.1%だった。
実施例1と全く同じ多孔質繊維、棒状物質を用いて、トラバース角度θが30°となるように吸着線維体を形成した後、棒状物質を取り除いた円筒状の吸着線維体を実施例1と同じケース、ヘッダーキャップからなるカラムに内蔵した。ケース充填率は18.0%だった。
2 中心棒
3 吸着繊維
4 繊維巻き取り時の外表面展開図
5 円柱状繊維束の長さ(L)
6 繊維巻き取り時の最外面半円周長(πr)
7 繊維巻き取り時の最外面円周長(2πr)
8 トラバース角度(θ)
9 トラバース角度の上限(θ’)
10 吸着繊維
11 浄化カラム
12 ポンプ
13 37℃湯浴
14 廃棄用ビーカー
15 循環用血漿
16 クリアランス測定用血漿
Claims (10)
- 中心軸として円柱からなる棒状物質を有し、
前記棒状物質は、内部に被処理液が通過可能な流路を有しないものであり、
吸着繊維が前記棒状物質の周囲にらせん状に巻き付けられ、略円柱形に成形された、体液浄化用吸着繊維束。 - 前記吸着繊維が連続に巻き付けられている、請求項1記載の体液浄化用吸着繊維束。
- 前記吸着繊維の少なくとも一部は、断面が異形の形状を有する、請求項1又は2記載の吸着繊維束。
- 前記吸着繊維が多孔質構造を有する、請求項1〜3のいずれか一項記載の吸着繊維束。
- 前記吸着繊維のトラバース角度θが0.01°<θ≦θ’の範囲を満たす、請求項1〜4のいずれか一項記載の吸着繊維束。
ただし、θ'は円柱状繊維束の内部または外部の任意の地点において次の式を満たす
tanθ'=L/πrかつ0.01°<θ'<65°
L:円柱状繊維束の長手方向長さ[m]、r:前記任意の地点における円柱状繊維束の横断面半径[m]、π:円周率[−] - 前記吸着繊維の基材が疎水性高分子である、請求項1〜5のいずれか一項記載の吸着繊維束。
- 前記疎水性高分子がポリメタクリレート系である、請求項6記載の吸着繊維束。
- 繊維占有率が10〜80%である、請求項1〜7のいずれか一項記載の吸着繊維束。
- 前記吸着繊維束の外径(Rf)に対する前記棒状物質の断面径(Rb)の比(Rb/Rf)が0.03以上、0.7以下である、請求項1〜8のいずれか一項記載の吸着繊維束。
- 体液流入口と体液流出口のそれぞれを両端のいずれかに有するケーシングと、
前記ケーシング内に収納された吸着繊維束と、を備え、
前記吸着繊維束は円柱からなる棒状物質を中心軸としてその周囲にらせん状に巻き付けられ、略円柱形に成形された、体液浄化カラム。
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