JP2008079752A - 吸着担体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明の課題は、ポリスチレンもしくはその誘導体またはこれら両方の化合物を含む繊維材料にサイトカイン等の吸着能を持つ物質、すなわち、アミノ基もしくはアンモニウム基またはこれらの両方の基を付与する物質を導入して吸着担体を製造する方法において、かかる吸着能を持つ物質を導入する方法を最適化し、吸着担体の吸着能力を向上させることにある。
【解決手段】
アミノ基および/またはアンモニウム基を付与する物質を、プロトン性極性溶媒と非プロトン性極性溶媒との混合溶媒に溶解させた混合溶液を用いて、ポリスチレンおよび/またはポリスチレン誘導体を含む繊維材料に該アミノ基および/またはアンモニウム基を付与する吸着担体の製造方法において、該非プロトン性極性溶媒の混合溶媒全体に対する体積比が50vol%以上90vol%以下であることを特徴とする吸着担体の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、新規な吸着担体、特に医療用途に用いられる吸着担体に関するものである。
近年、様々な血液処理カラムが研究され、例えば、白血球除去や、顆粒球除去を目的としたカラム(特許文献1,2)、毒素吸着を目的としたカラム(特許文献3,4)、白血球と毒素を同時に吸着することを目的としたカラム(特許文献5)等がそれぞれ開発されてきた。これらは、通常、カラム内部にそれぞれ目的とする物質を除去・吸着するための濾過材または吸着担体を有している。濾過材または吸着担体の素材として、ポリスチレンもしくはその誘導体、またはこれら両方を含む繊維材料は、安全性の点で好適に用いられている。これらポリスチレン等を含む担体の表面には、特定の物質に対する選択的な吸着能を持たせるために特定の物質や官能基が導入されていることがある。その導入方法としては、化学反応による官能基の固定化や、コーティングによる導入が挙げられる。この導入の際に使用する溶媒は、吸着担体に対し反応しないことや、吸着担体表面に導入させる物質を溶解させることのような特性から選択される。また、使用する溶媒によっては膨潤等の影響により繊維材料を多孔質にさせ、その結果、表面積が増大し、吸着能力が増大するといった効果を得ることのできる溶媒も存在する。そのような溶媒が必ずしも、吸着担体表面に導入させる物質を溶解するというわけではない。このような場合、繊維材料表面積の増加の効果を得られる溶媒と吸着担体表面に導入させる物質を溶解させる溶媒を混合して使用することが考えられるが、この最適な混合比率に関する研究はなされていない。
特開昭60−193468号公報 特開平5−168706号公報 特開平10−225515号公報 特開平12−237585号公報 特開2002−113097号公報
本発明の課題は、ポリスチレンもしくはその誘導体またはこれら両方の化合物を含む繊維材料にサイトカイン等の吸着能を持つ物質、すなわち、アミノ基もしくはアンモニウム基またはこれらの両方の基を付与する物質を導入して吸着担体を製造する方法において、かかる吸着能を持つ物質を導入する方法を最適化し、吸着担体の吸着能力を向上させることにある。
1.アミノ基および/またはアンモニウム基を付与する物質を、プロトン性極性溶媒と非プロトン性極性溶媒との混合溶媒に溶解させた混合溶液を用いて、ポリスチレンおよび/またはポリスチレン誘導体を含む繊維材料に該アミノ基および/またはアンモニウム基を付与する吸着担体の製造方法において、該非プロトン性極性溶媒の混合溶媒全体に対する体積比が50vol%以上90vol%以下であることを特徴とする吸着担体の製造方法。
2.該非プロトン性極性溶媒の混合溶媒全体に対する体積比が60v%以上80v%以下であることを特徴とする吸着担体の製造方法。
3.該非プロトン性極性溶媒がジメチルスルホオキシドであり、該プロトン性極性溶媒がメタノールであることを特徴とする前記1および2記載の吸着担体の製造方法。
4.該アンモニウム基がジメチルアルキルアンモニウム基であることを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載の吸着担体の製造方法。
5.該ジメチルアルキルアンモニウム基のアルキル基がオクチル基、あるいは、ヘキシル基の少なくとも一方であることを特徴とする前記1〜5のいずれかに記載の吸着担体の製造方法。
6.フェルト形態を有することを特徴とする前記1〜5のいずれかに記載の吸着担体の製造方法。
7.医療材料用途に用いられることを特徴とする前記1〜6のいずれかに記載の吸着担体の製造方法。
8.サイトカインを除去する用途に用いられることを特徴とする前記7に記載の吸着担体の製造方法。
9.前記1〜8のいずれかに記載された方法で製造されたことを特徴とする吸着担体。
本発明により、ポリスチレンもしくはその誘導体またはこれら両方を含む繊維材料にサイトカイン等の吸着能を持つ物質、すなわち、アミノ基もしくはアンモニウム基またはこれらの両方の基を付与する物質を導入して吸着担体を製造する方法において、吸着能を持つ物質を溶解するための混合溶媒を構成する溶媒の比率を最適化することが可能となるため、製造される吸着担体の吸着能力を向上することが可能となる。
本発明においては、吸着担体の担体を構成する素材として、ポリスチレンもしくはその誘導体またはこれら両方を含む繊維材料を使用する。ここで言うポリスチレン誘導体とは、例えば、ポリスチレンにアミノ基もしくはアンモニウム基またはこれら両方の基(以下、アミノ基等とする。)を化学結合で導入するために、アミノ基等を付与する物質と反応し、化学的に結合するのに有利な官能基を持つ物質が結合したポリスチレンなどが挙げられる。例えば、N−メチロール−α−クロルアセトアミド(以下、NMCAと略す。)を反応させたポリスチレン等が挙げられるが、これに限定するものではない。
本発明の吸着担体を構成する繊維材料の素材としてはポリスチレンおよびその誘導体以外にも他のポリマーを含んでいてもよい。また、これらの共重合体であってもよい。繊維材料に導入するアミノ基等の量をコントロールする目的で、アミノ基等を付与する物質と反応しない物質を混合させることや、繊維に耐溶媒性や強度を持たせるために、芯鞘構造の繊維として、芯成分に耐溶媒性のポリマーを用いることもある。例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリロニトリル系ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの公知のポリマー、あるいは、これらの誘導体を使用することができる。また、繊維の形状としては、芯鞘型、海島型またはサイドバイサイド型の複合糸であってもかまわない。なお、繊維の断面形状は円形断面であっても、それ以外の異形断面であってもかまわない。また、かかる繊維材料の繊維の断面の直径は、目的とする吸着性能を考慮した上で決められるべきものである。たとえば、血液からの顆粒球の除去のためにはかかる断面直径は4μm以上であることが好ましく、より好ましくは5μm〜10μmのものが使用される。一方、断面直径が0.5〜4μmの繊維を用いればリンパ球の除去にも好適に使える。また、断面直径が0.5μm未満の繊維を用いれば、生理活性物質の除去効率を上げることが可能となる。なお、ここでいう繊維径は、不織布からランダムに小片サンプル10個を採取し、走査型電子顕微鏡等で1000〜3000倍の写真を撮影し、各サンプルから10本ずつ、計100本の繊維の直径を測定し、それらの平均値の小数点以下第一位を四捨五入し算出することで求められるものをいう。これ以外に、太さの異なる2種類以上の繊維を混合して使用することも可能である。ここで示した直径は、円柱状の繊維に対してのみ適用されるものではなく、たとえば楕円や矩形、多角形の物にも適用される。それらの場合、同面積の真円と仮定してその直径を求めるものとする。
繊維材料の形態としては特に限定はなく、たとえば、編み地、不織布、フェルト等の形態の繊維材料を用いることができる。吸着担体に液体を通過させて使用する場合、かさ密度が低い方が液体が通過しやすいという点から、フェルトの形態であることが好ましい。繊維材料が上記不織布等の形態を有し、いわゆるシート形状である場合、その厚みについては限定するものではないが、0.1mm以上10cm以下が取り扱い上、好ましい。例えば、東レ社製のトレミキシン(登録商標)のようなラジアルフロータイプのモジュールに組み込む場合は、中心パイプに巻き付けるため、厚みは1cm以下であることが好ましい。これらは、取り扱い方法によって決定される。
上記繊維材料を用いてサイトカイン等の吸着能を持つ吸着担体とするため、これらの吸着能を付与する必要がある。そのため、繊維材料にアミノ基もしくはアンモニウム基またはこれらの両方の基を導入する方法がある。アミノ基もしくはアンモニウム基はカチオン性官能基であり、例えばサイトカイン等の吸着のターゲットが負の電荷を持っている場合、静電的相互作用により吸着することができるといった利点がある。かかるアミノ基は、例えば、アミノ基を付与する物質である1級アミンや2級アミンをアルキル鎖などに化学的に固定化することで得ることができる。1級アミンや2級アミンの例としては、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチルエチルアミン、メチルブチルアミン、メチルヘキシルアミンまたはメチルオクチルアミン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。アンモニウム基は例えば、アンモニウム基を付与する物質である3級アミンをアルキル鎖などに化学的に固定化することで得られる。3級アミンの例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジメチルブチルアミン、ジメチルヘキシルアミンまたはジメチルオクチルアミン等がアルキル鎖などに化学的に固定化したものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。アンモニウム基として、3級アミンをアルキル鎖などに化学的に固定化したものを用いる場合、3級アミンにおけるアルキル基の炭素鎖長が長くなると立体障害により反応性が低下するために好ましくなく、一方、3級アミンにおけるアルキル基の炭素鎖長が長くなると、疎水性が大きくなり、疎水結合により吸着能の向上も期待できる。この2面性を考慮すると、ジメチルアルキルアンモニウム基であることが好ましく、かかる基を付与する物質としては、特に、反応性、疎水性の両面で優れたジメチルヘキシルアミン、ジメチルオクチルアミンを用いることがより好ましい。
これらのアミノ基等を付与する物質を繊維材料に導入するに際して、これらの物質を溶媒に溶解させる方法が採られることがある。繊維材料にアミノ基等を化学的に固定化させる場合、化学反応により結合させることになるが、溶媒の存在により反応性を高めることのできる場合がある。また、コーティングによって導入する場合においても、アミノ基等を付与する物質を溶媒に溶解させ、溶液として繊維材料表面に保持させた後、溶媒を蒸発させることで繊維材料にアミノ基等を導入する方法がある。上記の化学結合による固定化あるいはコーティングのどちらの方法においても、アミノ基等を付与する物質を溶媒に均一に溶解させることで、効率よく、また、ムラ無く、アミノ基等を導入することが可能となる。
繊維材料にアミノ基もしくはアンモニウム基を化学結合で導入する方法として、例えば、ハロゲン化アルキル基を持つ繊維材料に対し、ハロゲンとアミンの置換反応が挙げられる。この反応機構がSN2反応である場合、溶媒として非プロトン性極性溶媒を用いることが反応の進行にとって有利である。非プロトン性極性溶媒としては、ジメチルスルホオキシド(以下、DMSOとする。)、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトン、酢酸エチル、ニトロベンゼン、N-メチル-2-ピロリドンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。極性が高い方が反応にとって有利である点からDMSOが好ましい。しかしながら、アミンの中には、DMSO等の非プロトン性極性溶媒に対し溶解しない物質がある。このようなアミンを用いる場合、溶解させるための溶媒として、プロトン性極性溶媒と非プロトン性極性溶媒との混合溶媒を使用する方法が用いられている。プロトン性溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール類、酢酸などが挙げられる。安価で容易に入手できる点でメタノールがこのましい。
かかる混合溶媒における非プロトン性極性溶媒の混合溶媒全体に対する体積比としては、非プロトン性極性溶媒の量が少ないと、アミノ基もしくはアンモニウム基を化学結合で導入する際の反応性が低下することから、50vol%以上がよく、60vol%以上であることが好ましい。
一方で、プロトン性極性溶媒の量が多すぎると、アミンが溶解せず、反応溶液が2層に分離するなど、均一な溶液とならないことがあることから、90vol%以下がよく、80vol%以下であることが好ましい。
上記製造方法により製造された吸着担体は、サイトカイン吸着担体として利用することが可能であり、特に、この点から医療材料として好適である。サイトカインの例としては、インターロイキン−1(IL−1)、インターロイキン−6(IL−6)、インターロイキン−8(IL−8)、インターロイキン−10(IL−10)、腫瘍壊死因子−α(TNF−α)、トランスフォーミング・グロウス・ファクター・ベータ(TGF−β)、血管新生増殖因子(VEGF)および免疫抑制酸性蛋白(IAP)などが挙げられる。
また、かかる吸着担体は血液からサイトカインを吸着する用途に特に好適に用いられる。
(サイトカイン(IL−6)吸着能測定)
凍結した牛胎児血清(FBS)を56℃の温浴に浸け、すべて溶解したことを確認してからさらに2時間56℃の温浴に浸けた。このFBSに500pg/mlとなるようIL−6を添加した。吸着担体を直径1cmの円形に打ち抜き、この打ち抜いた吸着担体1を0.95mlのIL−6を添加したFBSに浸漬した。また、ブランクとして、吸着担体を添加していないIL−6を添加したFBSを準備し、これらをそれぞれ37℃のインキュベーター中、ローテーターで1時間回転した。この上澄中のサイトカイン濃度を、ELISA法により測定した。ELISAキットは鎌倉テクノサイエンス社製のヒトIL−6ELISAキットを用いた。吸着能の表記としては、ブランクFBS中のIL−6濃度と吸着担体による吸着試験後のFBS中のIL−6濃度の差をブランク濃度に対する百分率(IL−6吸着率)で表現した。
(繊維径測定)
繊維径は、不織布からランダムに小片サンプル10個を採取し、走査型電子顕微鏡等で1000〜3000倍の写真を撮影し、各サンプルから10本ずつ、計100本の繊維の直径を測定し、それらの平均値の小数点以下第一位を四捨五入し算出することで求めた。
(繊維材料)
36島の海島複合繊維であって、島成分が更に芯鞘複合によりなるものを次の素材を用いて、紡糸速度800m/分、延伸倍率3倍の製糸条件で得た。
島の芯成分;ポリプロピレン
島の鞘成分;ポリスチレン90wt%、ポリプロピレン10wt%
海成分;エチレンテレフタレート単位を主たる繰り返し単位とし、共重合成分として5−ナトリウムスルホイソフタル酸3wt%含む共重合ポリエステル
複合比率;島の芯成分:島の鞘成分:海成分=42:43:15(重量比)
この繊維85wt%と、直径20μmのポリプロピレン繊維15wt%からなる不織布(目付150g/m)を作製した。次に、この不織布を90℃、3wt%の水酸化ナトリウム水溶液で処理して海成分の「エチレンテレフタレート単位を主たる繰り返し単位とし、共重合成分として5−ナトリウムスルホイソフタル酸3wt%含む共重合ポリエステル」を溶解することによって、芯鞘繊維の直径が5μmのフェルトを作製した。
(中間体)
次に、ニトロベンゼン46wt%、硫酸46wt%、パラホルムアルデヒド1wt%、NMCA7wt%を10℃以下で混合したものを撹拌し、パラホルムアルデヒドとNMCAをニトロベンゼンと硫酸の混合物に完全に溶解させ、のNMCA化反応液を調製した。このNMCA化反応液を15℃にし、上記繊維材料1gに対し、約40mlの固液比でNMCA化反応液をガラス製ビーカー内に加え、これを水浴中で反応液を15〜20℃に保ったまま2時間反応させた。この2時間の間に10分間隔でフェルトと反応液を手で撹拌した。反応液からフェルトを引き上げ、以下1,2の操作を行ってNMCA化フェルトを得た。
1.NMCA化反応に用いたNMCA化反応液と同容量のニトロベンゼンに浸漬させ、シーソー型の振とう機(BIO CRAFT社、BC−700型)により40回/分で30分間振とうした。
2.続いてフェルトを引き上げ、1.のニトロベンゼンと同容量のメタノールに浸漬させ、1.と同じ振とう操作を7回繰り返すことでNMCA化後のメタノール洗浄を行った。
[実施例1]
DMSO90vol%、メタノール10vol%の混合溶媒を調製した。この混合溶媒に、N,N−ジメチルオクチルアミン(DMOA)が6wt%と、ヨウ化カリウムが1wt%となるよう添加して混合したものを撹拌し、DMOAとヨウ化カリウムを完全に溶解させDMOA化反応液を調製した。このDMOA化反応液を、ガラス製ビーカーに上記NMCA化反応時のNMCA化反応液と同容量採り、50℃まで昇温し、上記NMCA化フェルトを浸漬し、このガラス製ビーカーを50℃の温浴中に浸け、4時間反応させた。反応液からフェルトを引き上げ、以下1〜4の操作を行って吸着担体1を得た。
1.NMCA化反応に用いたNMCA化反応液と同容量のメタノールに浸漬させ、上記(中間体)における1.と同じ振とう操作を7回繰り返すことでDMOA化後のメタノール洗浄を行った。
2.続いてフェルトを引き上げ、1.のメタノールと同容量の水に浸漬させ、上記(中間体)における1.と同じ振とう操作を3回繰り返すことで水洗浄を行った。
3.さらに、フェルトを引き上げ、1.のメタノールと同容量の1M食塩水に浸漬させ、上記(中間体)における1.と同じ振とう操作を12回繰り返すことで水洗浄を行った。
4.最後に、フェルトを引き上げ、NMCA化反応液と同量の水に浸漬させ、上記(中間体)における1.と同じ振とう操作を3回繰り返すことで水洗浄を行った。
この吸着担体1のIL−6吸着率を測定した結果、IL−6吸着能は69%であった。
[実施例2]
DMSO70vol%、メタノール30vol%の混合溶媒を調製し、この混合溶媒を用いた点以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、吸着担体2を得た。
この吸着担体2のIL−6吸着率を測定した結果、IL−6吸着能は79%であった。
[実施例3]
DMSO50vol%、メタノール50vol%の混合溶媒を調製し、この混合溶媒を用いた点以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、吸着担体3を得た。
この吸着担体3のIL−6吸着率を測定した結果、IL−6吸着能は67%であった。
[比較例1]
DMSO30vol%、メタノール70vol%の混合溶媒を調製し、この混合溶媒を用いた点以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、吸着担体3を得た。
この吸着担体4のIL−6吸着率を測定した結果、IL−6吸着能は27%であった。
[比較例2]
DMSO10vol%、メタノール90vol%の混合溶媒を調製し、この混合溶媒を用いた点以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、吸着担体4を得た。
この吸着担体4のIL−6吸着率を測定した結果、IL−6吸着能は4%であった。
[比較例3]
混合溶媒を使用せず、DMSOを溶媒とした点以外は実施例1と同様の操作を繰り返したところ、DMOAが溶解せず、分離したため、吸着担体の合成はできなかった。
Figure 2008079752
図1より、DMSO比が50〜90%の条件で製造した吸着担体では安定して60%以上のIL−6吸着率を得ることがわかった。
ここで記載したDMOA化フェルトは製造条件、特にNMCA化時のわずかな条件の違いがIL−6吸着率に影響を及ぼす。従って、異なる時に製造(異なるロット)した吸着担体同士での吸着率の比較は難しいところがあり、ここに示した実施例・比較例のように同時に製造した吸着担体同士では吸着率の絶対値はここで示した値とは異なることが有り得るが、傾向としてはこの実施例、比較例と同様なものが得られる。
本発明の吸着担体は、各種血液処理カラムに好適に使用することができる。特に、過剰に存在する人体に不要な白血球やガン細胞などと、サイトカインなどの生理活性物質の両方を除去するために好適であり、自己免疫疾患、がん、アレルギーなどの血液処理や治療に有用である。またこの材料は、シャーレ、瓶、膜、繊維、中空糸、粒状物またはこれらを用いた組み立て品などの成形品の形で、アフィニティークロマトグラフ用カラム、体外循環カラムとして好適に使用することができる。
DMSO比とIL−6吸着率の関係

Claims (9)

  1. アミノ基および/またはアンモニウム基を付与する物質を、プロトン性極性溶媒と非プロトン性極性溶媒との混合溶媒に溶解させた混合溶液を用いて、ポリスチレンおよび/またはポリスチレン誘導体を含む繊維材料に該アミノ基および/またはアンモニウム基を付与する吸着担体の製造方法において、該非プロトン性極性溶媒の混合溶媒全体に対する体積比が50vol%以上90vol%以下であることを特徴とする吸着担体の製造方法。
  2. 該非プロトン性極性溶媒の混合溶媒全体に対する体積比が60vol%以上80vol%以下であることを特徴とする吸着担体の製造方法。
  3. 該非プロトン性極性溶媒がジメチルスルホオキシドであり、該プロトン性極性溶媒がメタノールであることを特徴とする請求項1および2記載の吸着担体の製造方法。
  4. 該アンモニウム基がジメチルアルキルアンモニウム基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の吸着担体の製造方法。
  5. 該ジメチルアルキルアンモニウム基のアルキル基がオクチル基、あるいは、ヘキシル基の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の吸着担体の製造方法。
  6. フェルト形態を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の吸着担体の製造方法。
  7. 医療材料用途に用いられることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の吸着担体の製造方法。
  8. サイトカインを除去する用途に用いられることを特徴とする請求項7に記載の吸着担体の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載された方法で製造されたことを特徴とする吸着担体。
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JP2017029712A (ja) * 2015-07-31 2017-02-09 東レ株式会社 吸着繊維束及び体液浄化カラム

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