JP7196609B2 - 高密度糸束の製造方法およびそれを用いた血液浄化カラムの製造方法 - Google Patents
高密度糸束の製造方法およびそれを用いた血液浄化カラムの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7196609B2 JP7196609B2 JP2019000958A JP2019000958A JP7196609B2 JP 7196609 B2 JP7196609 B2 JP 7196609B2 JP 2019000958 A JP2019000958 A JP 2019000958A JP 2019000958 A JP2019000958 A JP 2019000958A JP 7196609 B2 JP7196609 B2 JP 7196609B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- yarn bundle
- protective sheet
- bundle
- density
- yarn
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- External Artificial Organs (AREA)
- Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
Description
糸同士の隙間が低減された高密度糸束を製造する方法であって、
所定本数の糸を束ねてなる糸束の一端を把持し、前記糸束の一端側における長手方向の少なくとも一部分を、前記糸束の外周に備えられた型材により外力を加えて所定の径まで縮径させて維持する工程と、
前記糸束と前記型材とを前記糸束の軸を中心に相対的に回転させながら、前記型材を前記糸束の他端側に向けて前記糸束の長手方向に相対的に移動させることにより、前記糸束を略全長にわたり前記所定の外径に縮径する工程とを含む、高密度糸束の製造方法である。
[手順(1)]
図1Aを参照して手順(1)を説明する。糸束1を保護シート2で覆う。前記糸束1に前記保護シート2を前記保護シート2の巻き始めと巻き終わりが十分重なり合うまで覆う。
図1Bを参照して手順(2)を説明する。前記保護シート2が巻かれた前記糸束1の一端を前記保護シート2の上から把持部3が把持する。このとき、前記糸束1の把持されている一端以外は図示しない方法で支えられている。
図1Cと図1Dとを参照して手順(3)を説明する。型材4に前記糸束1の長手方向の軸方向に向かって外力を加え、前記型材4を前記糸束1が図2に示す前記型材4の径D0まで縮径される位置で保持する。例えば、前記型材4として、図2に示すように円を2分割した形状を示すがこの限りではなく、図3のように円を3分割した形状でもよいし、3分割以上でもよい。
図1Eを参照して手順(4)を説明する。前記型材4を手順(3)の保持した状態において、前記把持部3を一定方向に前記糸束1の長手方向を中心軸として回転させることで、前記糸束1を一定方向に回転させる。前記糸束1の回転時、必ずしも前記把持部3のみが回転している必要はなく、前記糸束1と前記型材4が前記糸束1の長手方向を中心軸として相対的に回転していればよい。
図1Fと図1Gを参照して手順(5)を説明する。前記糸束1が手順(4)における回転している状態で、前記型材4を前記糸束1の他端まで移動させる。これにより、前記糸束1の略全体を縮径し、高密度な糸束を得ることができる。必ずしも前記型材4を前記糸束1の他端まで移動させる必要はなく、相対的に前記型材4と前記糸束1の他端が近づけば、前記糸束1の略全体を縮径できる。
図1Hと図1Iを参照して手順(6)を説明する。両端が開放された前記略円筒ケース5少なくとも1個以上に、手順(1)~(5)において得られた前記保護シート2を含む高密度な糸束1を収容する。
容易に形成できる観点で、1mm以上10mm以下の範囲内であることが好ましい。
図1Kを参照して手順(7)を説明する。前記略円筒ケース5に収容された前記糸束1を前記略円筒ケースの端面から所定の長さだけ離れた位置で切断し、被処理流体が流通可能な箇所を少なくとも1つ以上を有するヘッダーを前記略円筒ケースの両端に取付ける。取付方法は、接着でもよいし、超音波溶着で溶着してもよい。また、前期略円筒ケースと前期ヘッダーの間にOリングを挟みこみ、外側からネジで固定してもよく、これにより製造される血液浄化カラムに流出入する被処理流体が前記ヘッダーの被処理流体が流通可能な箇所以外から外部に漏れ出さない取付方法であればよい。
[糸径(μm)、異形度]
糸の糸径d0は、1本の糸の軸方向に直交する任意断面の断面積A0と同じ面積となる真円の直径によって表し、次式1により求める。
d0=2×(A0/π)1/2・・・(式1)
異形度は、1本の糸の軸方向に直交する任意断面の糸の断面積A0と糸の断面の周長L0によって表し、次式2により求める。
異形度=L0/2×(π×A0)1/2・・・(式2)
図5は、糸が十字糸の場合の模式図を示している。
縮径率は、型材の径D0と縮径前の糸束の軸方向に直交する任意断面での糸束直径D1によって表し、次式3により求める。
縮径率=(D1-D0)/D1×100・・・(式3)
[糸束直径(mm)]
糸束直径D1の算出方法は以下の通りである。まず、厚さ0.01mm、幅10mm、長さ300mmのSUS304の薄板を糸束の周方向に巻きつけ、薄板の両端を荷重300gで引張り保持した状態における糸束周長測定し、その値をπで除すことで求められる。
糸束充填率は、糸束の軸方向に直交する任意断面の糸束の断面積の総和A1と、同断面での糸束の糸束直径D1によって表し、次式4により求める
糸束充填率=A1/(0.25×π×D12)×100・・・(式4)
[ケース内充填率(%)]
ケース内充填率は、略円筒ケース5の軸方向に直交する任意断面の糸束の断面積の総和A0と、同断面での略円筒ケースの内径D2によって表し、次式5によって求める。
ケース内充填率=A1/(0.25×π×D22)×100・・・式(5)
本発明において、血液浄化カラムとしてのケース内充填率は、40%以上80%以下の範囲内であることが好ましい。この範囲内であれば、カラムとしての吸着性能と被処理液の通過性を両立しやすいため好ましい。
糸束1として、糸の断面が十字形状であり、糸径109.2μm、異形度1.27を有する十字糸と糸の断面が楕円形状であり、糸径111.3μm、異形度1.14を有する楕円糸が17対7の割合で、211,200本束ねられ、両端がテープ(仁礼工業株式会社製、GJ18W-50)で固定された糸束(糸束直径71.1mm、糸束長250mm、糸束充填率48.4%)を用意した。
型材4を移動速度450mm/分で移動させた以外の条件は、実施例1と同様の条件で実施した結果、糸束の損傷および略円筒ケース内部5への保護シート2の残留が無いことを目視にて確認し、ヘッダーを略円筒ケース5の両端に溶着にて取り付けることで、血液浄化カラムを得た。
保護シート2に前記糸束1の軸方向に複数に分割可能に、前記糸束1周方向の一端から他端に渡り長さ1mmの切込みを1mmの間隔で連続的に形成した。このときの保護シートを複数に分割するための軸方向の引張荷重は150Nであった。型材4を移動速度600mm/分で移動させ、保護シート2を引き抜く力は150Nとした。これら以外の条件は、実施例1と同様の条件で実施した結果、糸束の損傷および略円筒ケース内部5への保護シート2の残留が無いことを目視にて確認した。その後、ヘッダーを略円筒ケース5の両端に溶着にて取り付けることで、血液浄化カラムを得た。
型材4を移動速度600mm/分で移動させた以外の条件は、実施例1と同様の条件で実施した結果、保護シート2がフイルムチャックの把持部分から破断し、略円筒ケース5内部から保護シート2を引抜くことができなかった。
把持部3の回転速度を0rpmとした以外の条件は、実施例1と同様の条件で実施した結果、略円筒ケース5に糸束を収容する途中で、糸束1が座屈し、略円筒ケース5内に糸束を収容することができなかった。
型材4を移動速度600mm/分で移動させ、保護シート2を引き抜く力は150Nとした以外の条件は、実施例1と同様の条件で実施した。換言すれば、保護シートに切込みが無い以外は、実施例3と同じ条件である。その結果、保護シート2がフイルムチャックの把持部分から破断し、略円筒ケース5内部から保護シート2を引抜くことができなかった。
2 保護シート
2A 保護シート(分割後の保護シート片)
2B 保護シート(分割後の保護シート片)
3 把持部
4 型材
5 略円筒ケース
6 切断箇所
7 切込み
31 型材に外力を加える方向
32 回転方向
33 型材の移動方向
34 保護シートの引抜方向
35 保護シートの引抜方向
D0 形材の径
t 型材の厚み
b 切込みの長さ
R 型材の糸束接触部分の稜部曲面形状の曲面半径
Claims (9)
- 糸同士の隙間が低減された高密度糸束を製造する方法であって、
所定本数の糸を束ねてなる糸束の一端を把持し、前記糸束の一端側における長手方向の少なくとも一部分を、前記糸束の外周に備えられた型材により外力を加えて所定の径まで縮径させて維持する工程と、
前記糸束と前記型材とを前記糸束の軸を中心に相対的に回転させながら、前記型材を前記糸束の他端側に向けて前記糸束の長手方向に相対的に移動させることにより、前記糸束を略全長にわたり前記所定の外径に縮径する工程とを含む、高密度糸束の製造方法。 - 前記糸の断面形状が複数混在することを特徴とする、請求項1に記載の高密度糸束の製造方法。
- 請求項1または2に記載の高密度糸束の製造方法により製造された高密度糸束と、両端が開放された略円筒ケースと、を少なくとも用いた血液浄化カラムの製造方法であって、前記両端が開放された略円筒ケースの内空に、前記高密度糸束を収容する血液浄化カラムの製造方法。
- 前記所定本数の糸を束ねてなる糸束の一端を把持する工程が、
前記所定本数の糸を束ねてなる糸束を保護シートで包みこんだ後に、前記保護シートで包まれた前記糸束の一端を把持する工程である、請求項1または2に記載の高密度糸束の製造方法。 - 前記保護シートが略四角形状であって、かつ一端から他端に渡り形成されてなる1以上の切込みを有し、
前記所定本数の糸を束ねてなる糸束を保護シートで包みこむ工程が、
前記保護シートの切込みが糸束の周方向に配置されるように、前記所定本数の糸を束ねてなる糸束を保護シートで包み込む工程である、請求項4に記載の高密度糸束の製造方法。 - 前記保護シートが、引張荷重10N以上200N以下の範囲内で複数に分割可能である、請求項4または5に記載の高密度糸束の製造方法。
- 前記保護シートの厚みが10μm以上100μm以下の範囲内である、請求項4~6のいずれかに記載の高密度糸束の製造方法。
- 請求項4~7のいずれかに記載の高密度糸束の製造方法により製造された保護シートで包まれた高密度糸束と、両端が開放された略円筒ケースと、を少なくとも用いた血液浄化カラムの製造方法であって、
前記両端が開放された略円筒ケースの内空に、前記保護シートで包まれた高密度糸束を収容した状態で、前記高密度糸束の一端における前記高密度糸束を除く前記保護シートを把持し、
前記高密度糸束の他端における前記保護シートを除く前記高密度糸束と、前記略円筒ケースとをともに把持し、前記把持された保護シートを引抜く工程を含む、血液浄化カラムの製造方法。 - 前記両端が開放された略円筒ケースの内空に、前記高密度糸束を収容した状態において、
前記高密度糸束の断面積の総和と、前記略円筒ケースの内空の断面積との比で表されるケース内充填率が、40%以上80%以下の範囲内である、請求項3または8に記載の血液浄化カラムの製造方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018008613 | 2018-01-23 | ||
JP2018008613 | 2018-01-23 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019126719A JP2019126719A (ja) | 2019-08-01 |
JP7196609B2 true JP7196609B2 (ja) | 2022-12-27 |
Family
ID=67471537
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019000958A Active JP7196609B2 (ja) | 2018-01-23 | 2019-01-08 | 高密度糸束の製造方法およびそれを用いた血液浄化カラムの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7196609B2 (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005296808A (ja) | 2004-04-12 | 2005-10-27 | Toyobo Co Ltd | 中空糸束への保護パイプ装着方法およびその装置 |
WO2017094478A1 (ja) | 2015-11-30 | 2017-06-08 | 東レ株式会社 | リン吸着剤、多孔質繊維及びリン吸着カラム |
JP2017104852A (ja) | 2015-11-30 | 2017-06-15 | 東レ株式会社 | 多孔質繊維及びリン吸着カラム |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6054711A (ja) * | 1983-09-05 | 1985-03-29 | Toray Ind Inc | 中空糸型膜分離装置の製造方法 |
JPS63242307A (ja) * | 1987-03-30 | 1988-10-07 | Teijin Ltd | 中空糸束の装填方法 |
JPH08168525A (ja) * | 1994-12-19 | 1996-07-02 | Terumo Corp | 中空糸膜型血液処理器の製造方法及びその製造装置 |
JP3239693B2 (ja) * | 1995-06-15 | 2001-12-17 | 東レ株式会社 | 糸束装填方法および装置 |
DE19782098T1 (de) * | 1996-11-15 | 1999-11-18 | Scitec K K | Dialysierapparat vom Hohlfasertyp |
-
2019
- 2019-01-08 JP JP2019000958A patent/JP7196609B2/ja active Active
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005296808A (ja) | 2004-04-12 | 2005-10-27 | Toyobo Co Ltd | 中空糸束への保護パイプ装着方法およびその装置 |
WO2017094478A1 (ja) | 2015-11-30 | 2017-06-08 | 東レ株式会社 | リン吸着剤、多孔質繊維及びリン吸着カラム |
JP2017104852A (ja) | 2015-11-30 | 2017-06-15 | 東レ株式会社 | 多孔質繊維及びリン吸着カラム |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2019126719A (ja) | 2019-08-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR102026037B1 (ko) | 광 케이블 | |
EP3093697B1 (en) | Former, optical fiber unit manufacturing method and optical cable manufacturing method | |
MX2011004384A (es) | Cable de bajada plano. | |
CN112534327B (zh) | 网眼状管、光纤保护单元、光纤保护方法、以及网眼状管的制造方法 | |
DE102006040214B4 (de) | Verfahren zum Zusammenfassen von Hohlfasern zu einem Bündel und mit diesem Verfahren hergestelltes Hohlfaserbündel | |
JP7196609B2 (ja) | 高密度糸束の製造方法およびそれを用いた血液浄化カラムの製造方法 | |
JP6527645B2 (ja) | 光ケーブル及び外被除去方法 | |
WO2018092880A1 (ja) | 光ファイバケーブルおよび光ファイバケーブルの製造方法 | |
EP0639383B1 (en) | Method of wrapping a bundle of fiber | |
GB2388255A (en) | Cable insertion device | |
JPH08168525A (ja) | 中空糸膜型血液処理器の製造方法及びその製造装置 | |
JP6382387B1 (ja) | 光ファイバケーブルの製造方法および光ファイバケーブルの製造装置 | |
JPS6054711A (ja) | 中空糸型膜分離装置の製造方法 | |
EP0261728A1 (en) | Manufacture of bundles of semi-permeable hollow fibres | |
JP6163227B1 (ja) | 光ケーブルの分割方法 | |
WO2022270028A1 (ja) | 光ファイバケーブル、および光ファイバケーブルの製造方法 | |
US5531026A (en) | Stripping tool for armored fiber optic cables | |
JP2701351B2 (ja) | 中空糸膜束拘束体 | |
JP2018185477A (ja) | 光ファイバケーブルの製造方法 | |
JP2005296808A (ja) | 中空糸束への保護パイプ装着方法およびその装置 | |
JP2005113291A (ja) | 極短繊維の製造方法 | |
JP2659580B2 (ja) | 釣 竿 | |
JP2021085729A (ja) | 光ファイバの粘着性評価方法および光ファイバ | |
JPS63182611A (ja) | コネクタの保持部 | |
JPH03212108A (ja) | 極細金属管の皮剥方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20211101 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220930 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20221011 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20221028 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20221115 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20221128 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 7196609 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |