〔実施形態1〕
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る通信システムの概略構成について説明する。
(通信システム)
図1は、本実施形態に係る通信システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、通信システムは、加熱調理器1と、クラウドサーバ200(サーバ)と、携帯端末装置300と、無線LANアクセスポイント101と、インターネット102(通信ネットワーク)と、データ通信ネットワーク103と、基地局104とを含んで構成されている。
加熱調理器1は、無線LAN(Local Area Network)に接続して通信を行う機能を備えている。無線LANアクセスポイント101は、加熱調理器1とともに建屋400内に設置された電波中継機である。
クラウドサーバ200は、加熱調理器1に関する情報、特にメニューに関するメニュー情報を登録している。クラウドサーバ200は、インターネット102に接続されており、インターネット102を介して加熱調理器1および携帯端末装置300と通信することができる。
携帯端末装置300は、スマートフォン、タブレットなどの携帯型の端末装置であり、無線LANを含むインターネット通信の機能を備えている。携帯端末装置300は、携帯電話ネットワークに含まれる基地局104およびデータ通信ネットワーク103を介してインターネット102と接続される。あるいは、携帯端末装置300は、図示しない公衆無線LANアクセスポイントを介してインターネット102と接続される。また、携帯端末装置300は、建屋400内において、無線LANアクセスポイント101と接続可能
であり、無線LANアクセスポイント101を介してもインターネット102と接続される。
続いて、加熱調理器1について詳細に説明する。
(加熱調理器1)
図2は、加熱調理器1の外観の構成を示す斜視図である。図3は、加熱調理器1の内部の構成を示す斜視図である。
図2および図3に示すように、加熱調理器1は、本体部2と、蓋体3と、内鍋4とを備えている。
図3に示すように、本体部2は、内部に内鍋4を収容する筐体(外鍋)である。本体部2は、外ケース21と、内ケース22とを有している。外ケース21は外装体である。
電源コードは、外ケース21の例えば背面側に設けられている。外ケース21と内ケース22との間の空間の背面側には、図示はしないが、電源回路やインバータ回路等を含む電源部、上記の電源コードを巻き取るコードリール等が配置されている。
内ケース22は、外ケース21の内側に配置され、その内部に内鍋4を保持する。内ケース22は、耐熱性および電気絶縁性を有する材料で形成されている。
内ケース22には、内鍋4を加熱する誘導コイル5および後述する内鍋4の温度を検出する温度センサ6が設けられている。誘導コイル5は、本体部2の内部に内鍋4を収容した状態で内鍋4に接触する位置に配置されている。温度センサ6は、本体部2の内部に内鍋4を収容した状態で内鍋4に接触する位置に配置されている。
蓋体3は、外蓋31、内蓋32および撹拌機構33を備えている。外蓋31は、ヒンジ部7を介して外ケース21に組み付けられている。これにより、蓋体3は、内鍋4の開口部4aを開閉するように、本体部2に回動可能に支持されている。
内蓋32は、外蓋31における内鍋4との対向面側に、着脱可能に取り付けられている。内蓋32の一部には、ガラスあるいは透明樹脂等の透明材料からなる透明部32aが設けられている。
一方、外蓋31における透明部32aと重なる部分には、透明部32aの少なくとも一部を露出させる窓部31aが設けられている。窓部31aは、貫通口もしくはガラスや透明樹脂等の透明材料からなり、透明部32aを介して内鍋4の内部を確認することができるようになっている。
また、外蓋31の上面には、操作および表示のための操作表示部34が設けられている。操作表示部34は、表示パネル341と、スタート・決定ボタン342と、第1送りボタン343と、第2送りボタン344と、戻るボタン345と、問合せボタン346と、取消しボタン347と、予約ボタン348とを有している。
表示パネル341は、ユーザが選択する各項目を表示するために設けられている。項目としては、メニュー、設定、再加熱等が挙げられる。表示パネル341には、複数の項目が1つの画面に表示されている。当該画面においては、複数の項目のうちの1つが選択されていることを示すように、文字と背景とが他の項目と反転した状態で表示されている(反転表示)。また、表示パネル341は、複数の項目が1つの画面で表示しきれない場合は、複数の画面を切り替えて表示する。
スタート・決定ボタン342は、後述する予約調理を含む調理の開始を指示するための操作ボタンである。また、スタート・決定ボタン342は、表示パネル341に表示されている、ユーザの決定が必要な事項を決定するための操作ボタンとしても機能する。
第1送りボタン343は、表示パネル341に表示された項目を選択するために、上記の反転表示の位置を順方向に移動させる操作ボタンである。第1送りボタン343を1回押す操作が行われると、反転表示が後の項目に移動する。反転表示が画面の最後の項目にある状態で第1送りボタン343を1回押す操作が行われると、表示パネル341には次の画面が切り替わって表示される。
第2送りボタン344は、表示パネル341に表示された項目を選択するために、上記の反転表示の位置を逆方向に移動させる操作ボタンである。第2送りボタン344を1回押す操作が行われると、反転表示が後の項目に移動する。反転表示が画面の最後の項目にある状態で第2送りボタン344を1回押す操作が行われると、表示パネル341には前の画面が切り替わって表示される。
戻るボタン345は、前の画面に表示を戻す操作ボタンである。
上記の第1送りボタン343、第2送りボタン344および戻るボタン345は、項目を選択するための操作ボタン部349を構成している。
問合せボタン346は、クラウドサーバ200への問い合わせ行うための操作ボタンである。
取消しボタン347は、操作ボタン部349を用いて操作した結果の設定などを取り消すための操作ボタンである。
予約ボタン348は、調理仕上がり時刻を予約する予約調理の設定を行うための操作ボタンである。この予約ボタン348を操作することによって、後述する予約受付部111(図5参照)が起動する。
蓋体3の内部には、制御基板8、モータ9およびスピーカ10が設けられている。制御基板8は、後述する制御系の部品が実装された基板である。モータ9は、撹拌機構33を回転させるための駆動源として設けられている。スピーカ10は、後述するように音声を出力するために設けられている。
撹拌機構33は、内蓋32における内鍋4との対向面側に、着脱可能に取り付けられている。撹拌機構33は、回転体333を備えるとともに、第1回転アーム331および第2回転アーム332を備えている。
撹拌機構33は、図示しない回転軸により、内蓋32を介して、外蓋31に、回転可能に支持されている。回転軸は、図示しない駆動力伝達機構(プーリ、ベルト機構等)を介してモータ9の駆動軸に連結されている。
また、回転体333は、外蓋31に着脱可能に取り付けられている。図示はしないが、回転体333における、外蓋31との対向面側には、上記回転軸の一方の端部が突出して設けられている。上記回転軸は、一方の端部が外蓋31における図示しない連結軸に着脱可能に連結されて、連結軸と一体に回転する。上記回転軸は、回転体333に対して回転可能となっている。
第1回転アーム331および第2回転アーム332は、それらの一端が、それぞれ回転体333に連結されており、回転体333とともに回転する。第1回転アーム331および第2回転アーム332は、それぞれ、図3に実線で示す倒伏状態と、図3に二点鎖線で示す起立状態とをとり得る。
蓋体3を閉め、第1回転アーム331および第2回転アーム332を、図3に矢印で示すように起立させた状態で回転させることにより、内鍋4に収容した被加熱物を撹拌することができる。加熱調理器1は、第1回転アーム331および第2回転アーム332により、内鍋4に収容した被加熱物を自動で撹拌することが可能である。
内鍋4の上部の外周縁部の一部には、第1把手部41および第2把手部42が、互いに対向して設けられている。第1把手部41および第2把手部42は、例えばプラスチック等、耐熱性および電気絶縁性を有する材料で形成される。
(制御系)
続いて、加熱調理器1の制御系について説明する。図4は、加熱調理器1の制御系の構成を示すブロック図である。
図4に示すように、加熱調理器1は、制御系の主要部として、CPU11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13とを備えている。また、加熱調理器1は、モータ9を駆動するモータ駆動回路14と、スピーカ10を駆動するスピーカ駆動回路15と、時計回路16と、通信部17とを備えている。
CPU11は、ROM12に格納された制御プログラムを実行することによって、各部を制御する。具体的には、CPU11は、操作表示部34の表示制御、操作表示部34への操作の受け付け、誘導コイル5のオン・オフ制御および温度制御、モータ駆動回路14およびスピーカ駆動回路15の駆動制御、通信部17の制御などを行なう。
モータ駆動回路14は、CPU11から出力される駆動データに基づいてモータ9に印加する駆動電圧を生成する。また、スピーカ駆動回路15は、CPU11から出力されるデジタルの音声データをアナログの音声信号に変換するA/D変換器、音声信号を増幅するアンプなどを含む回路である。時計回路16は、現在時刻を提供するために設けられている。通信部17は、無線LANによる通信を行うための通信回路を含む部分である。
(加熱調理器1のシステム構成)
次に、加熱調理器1のシステム構成について説明する。
図5は、加熱調理器1のシステム構成を示すブロック図である。図5に示すように、加熱調理器1は、調理仕上がり時刻を予約設定する予約設定部110と、調理を制御する調理制御部120とを有している。
予約設定部110は、操作表示部34を用いてユーザによって設定された調理の予約情報を受け付けて、クラウドサーバ200に通知するとともに、携帯端末装置300による予約情報の変更要求を受けて、予約情報を変更する。予約設定部110は、これらの機能を実現するために、予約受付部111と、予約登録部112と、予約変更部113とを有する。
予約受付部111は、ROM12に予め記憶されているメニューデータMDから、ユーザによって指定されたメニューに対応するメニューデータMDを読み出して、このメニューデータMDと、ユーザによって設定(予約)された調理仕上がり予定時刻(以降「予約時刻」と称する)の時刻データTDとを組み合わせた予約データRD(予約情報)を生成する。また、予約受付部111は、生成した予約データRDを予約登録部112に送る。
ここで、メニューデータMDは、人数、材料、調理時間、調理パターン(加熱温度、撹拌機構33の可動タイミングなど)、材料の投入タイミングといった、後述する調理制御部120が指定されたメニューの調理を実行するために各部を制御する各種の情報である。
予約登録部112は、予約受付部111によって生成された予約データRDをRAM13に書き込む。
予約変更部113は、調理制御部120からの制御信号によって、予約時刻を変更する。
また、予約変更部113は、ユーザが操作表示部34を操作することでも、予約時刻の変更が変更可能な時間条件を満たすときに、RAM13に記憶されている時刻データTDを要求に応じて書き替えるとともに、予約時刻を変更したメッセージを表示パネル341に表示させる。
調理制御部120は、RAM13に記憶されている予約データRDのメニューデータMDに基づいて、調理を実行するために各部を制御する。具体的には、調理制御部120は、温度センサ6による検出温度に基づいて内鍋4の温度を監視しており、内鍋4の温度がメニューデータMDに規定された所定の温度となるように、誘導コイル5のオン・オフおよび温度を制御する。また、調理制御部120は、メニューデータMDに規定されたメニューに応じて食材を撹拌するために撹拌機構33を稼働させるときに、撹拌機構33を回転させるタイミング、撹拌機構33の回転方向などを制御するように、モータ駆動回路14を制御する。また、調理制御部120は、調理における各タイミング(調理開始時、調理終了時、食材投入時、調理終了の規定時間前など)でユーザにそれぞれのタイミングに応じた報知音声をスピーカ10が出力するように、スピーカ駆動回路15を制御する。
調理制御部120は、調理における時間管理を行うために、時間管理部121を有している。時間管理部121は、予約データRDにおけるメニューデータMD(調理時間)および時刻データTDから調理開始時刻を算出し、時計回路16から出力される現在時刻に基づいて、調理開始時間に達したことを調理制御部120に通知する。また、時間管理部121は、メニューデータMDおよび現在時刻に基づいて、調理制御部120が上記のように誘導コイル5、モータ駆動回路14およびスピーカ駆動回路15を制御するタイミングを生成する。
調理制御部120は、予約ボタン348の操作後にスタート・決定ボタン342が操作されることによって、予約調理を開始し、通常の調理と同じように加熱調理を実行するように各部を制御する。また、調理制御部120は、予約調理において、加熱調理が終了すると、内鍋4の温度を加熱調理時の温度より低い一定の温度に維持させる保温状態となるように誘導コイル5を制御する。そして、調理制御部120は、保温状態から、予約時刻に料理が食べごろの温度になるまで再加熱するように誘導コイル5を制御する。従って、通常、予約調理を行なう場合、予約時刻は帰宅時刻に合わせて設定される。
加熱調理器1を用いない煮込み料理等の調理においては、通常、ユーザが付きっきりで食材をかき混ぜなければならない。これに対し、加熱調理器1を用いれば、調理制御部120が上記のように各部を制御することにより、内鍋4に食材を入れてスタート・決定ボタン342を押すだけで、自動的に食材の撹拌および内鍋4の温度調整を行って調理することができる。
引き続き、クラウドサーバ200について説明する。クラウドサーバ200は、インターネット102を介して加熱調理器1および携帯端末装置300のいずれとも通信が可能である。
従って、加熱調理器1の調理制御部120は、クラウドサーバ200を介して当該加熱調理器1に予め登録されていた使用者の携帯端末装置300の現在位置の情報から得られる帰宅時刻を取得し、取得した帰宅時刻と、上記予約設定部110によって設定された予約時刻とを比較した結果に応じた調理制御を行なう。この調理制御の詳細は後述する。
引き続き、携帯端末装置300について説明する。図6は、携帯端末装置300のハードウェア構成を示すブロック図である。図7は、携帯端末装置300のシステム構成を示すブロック図である。
まず、携帯端末装置300のハードウェア構成について説明する。
携帯端末装置300は、専用のOS(Operating System)を実装した通信端末装置であり、以下のように、アプリケーションプログラムを実行する環境を備えている。
図6に示すように、携帯端末装置300は、CPU(Central Processing Unit)301と、RAM(Random Access Memory)302と、ROM(Read Only Memory)303と、補助メモリ304と、表示パネル305(表示部)と、タッチパネルを306と、スピーカ307と、通信部308と、衛星からの信号を受信するGPS(Global Positioning System)309とを備えている。
CPU301は、携帯端末装置300のシステムプログラムを実行する処理装置である。具体的には、CPU301は、システムプログラムの実行に際して、RAM302、補助メモリ304、タッチパネル306などからデータを受け取り、当該データに対して演算または加工を施した結果を、RAM302、補助メモリ304、表示パネル305などに出力する。
RAM302は、携帯端末装置300における主記憶装置を構成するメモリであり、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などによって構成される。
ROM303は、システムプログラムの他、携帯端末装置300の起動時やリセット時に実行されるBIOS(Basic Input Output System)などの、携帯端末装置300の動作に不可欠なプログラムを記憶している。
補助メモリ304は、アプリケーションプログラムを記憶するために設けられている。補助メモリ304は、例えばフラッシュメモリによって構成されている。
表示パネル305は、携帯端末装置300の基本操作を実現するための画面、アプリケーションプログラムが実行された結果として表示される画面などを表示するために設けられている。表示パネル305としては、液晶表示パネル、EL(Electro-Luminescence)表示パネルなどの平板型表示パネルが用いられる。
タッチパネル306は、表示パネル305上に配置されており、表示パネル305に表示された画面上でのタッチ操作を受け入れて、タッチ操作信号を入力信号として出力する。
スピーカ307は、携帯端末装置300の操作音、アプリケーションプログラムが実行された結果として出力される音声などを出力するために設けられている。
通信部308は、インターネット102を介した通信および携帯電話ネットワークを介した通信を行うための通信回路を含む部分である。
次に、携帯端末装置300のシステム構成について説明する。図7に示すように、位置情報取得部311、帰宅時刻算出部312を有している。位置情報取得部311は、GPS309が受信した衛星信号を当該携帯端末装置300の位置情報として取得し、RAM302に格納する。帰宅時刻算出部312は、RAM302に格納された携帯端末装置300の位置情報から、当該携帯端末装置300の使用者が帰宅する時刻(帰宅時刻)を算出する。
算出した帰宅時刻は、通信部308を介して、加熱調理器1に送信される。
なお、帰宅時刻算出部312は、当該携帯端末装置300の現在地が予め設定した領域に含まれている場合に帰宅時刻を算出する。この予め設定した領域は、携帯端末装置300の使用者の自宅を中心とした略円状の領域とする。つまり、この領域は、自宅からの直線距離を指定することで設定することができる。この直線距離は、帰宅するまでの大凡の所要時間を目安に設定する。つまり、帰宅時刻を算出する地点から帰宅するまでの所要時間は、料理のメニューに応じて設定するのが好ましい。
(帰宅時刻算出処理)
図8は、携帯端末装置300における帰宅時刻算出処理の流れを示すフローチャートである。
携帯端末装置300は、現在地の位置情報を取得する(ステップS11)。ここでは、位置情報取得部311が、GPS309が受信した衛星からの信号から当該携帯端末装置300の位置情報を取得する。
次に、位置情報取得部311は、取得した現在地の位置情報から当該携帯端末装置300が予め設定した領域に含まれるか否かを判定し(ステップS12)、含まれると判定した場合(Yes)、判定結果を帰宅時刻算出部312に送る。
ここで、外出を予定していた使用者が、予定を変更し、外出しなくなった場合(予め設定した領域から出ない場合)等を想定すると、使用者が予め設定した領域を出た後に当該携帯端末装置300が予め設定した領域に含まれるか否かを判定するようにしても良いし、予約時刻の所定時間前から当該携帯端末装置300が予め設定した領域に含まれるか否かを判定するようにしても良い。
一方、ステップS12において、位置情報取得部311は、取得した現在地の位置情報から当該携帯端末装置300が予め設定した領域に含まれると判定されない場合(No)、再度、ステップS11に移行し、現在地の位置情報を取得する。
次に、帰宅時刻算出部312は、位置情報取得部311から携帯端末装置300の位置が予め設定した領域に含まれているとの判定結果を受け取ると、帰宅時刻を算出する(ステップS13)。ここで、帰宅時刻は、例えば以下のようにして算出する。RAM302に予め自宅の位置情報を格納しておき、この自宅の位置情報と、携帯端末装置300の位置情報とからおおよその距離を求め、この距離と使用者の移動速度から算出する。この場合の使用者の移動速度は、予め携帯端末装置300に登録した移動速度を用いてもよいし、当該携帯端末装置300の単位時間当たりの移動距離から予め求めた移動速度であってもよい。なお、帰宅時刻の算出の方法は、上記の限りではなく、他の方法であってもよい。
最後に、帰宅時刻算出部312は、算出した帰宅時刻を、通信部308を介して加熱調理器1に送信する(ステップS14)。
(予約時刻変更処理)
図9は、加熱調理器1における予約時刻変更処理の流れを示すフローチャートである。
まず、調理制御部120は、携帯端末装置300から送信された帰宅時刻を取得する(ステップS21)。
次に、調理制御部120は、取得した帰宅時刻が予約時刻と異なるか否かを判定する(ステップS22)。ここでは、取得した帰宅時刻と、RAM13に格納された予約時刻とを比較する。
ステップS22において、帰宅時刻が予約時刻と異なれば(Yes)、ステップS23に移行して、帰宅時刻が予約時刻よりも早いか否かを判定する。ここで、帰宅時刻が予約時刻よりも早い場合(Yes)、帰宅時刻を予約時刻に変更する(S24)。変更した予約時刻は、予約設定部110に送られる。これにより、変更した予約時刻により調理が行なわれる。このため、帰宅時刻に合わせて調理が終了するので、使用者は調理終了後の暖かい料理を食すことができる。
一方、ステップS23において、帰宅時刻が予約時刻よりも早くなければ(No)、帰宅時刻まで料理を保温する(ステップS25)。つまり、帰宅時刻が予約時刻よりも早ければ、調理が終了した後で使用者が自宅に帰宅することになるため、使用者が帰宅するまでの間、調理後の料理を保温することで、使用者は暖かい料理を食すことができる。
また、ステップS22において、帰宅時刻が予約時刻と同じであれば(No)、処理を終了する。つまり、設定された予約時刻により調理を行なう。
(効果)
以上のように、加熱調理器1の使用者の帰宅時刻に応じて、予約時刻を変更したり、料理を温め直したりすることで、使用者は帰宅後に、常に暖かい料理を食することができる。しかも、予約時刻の変更は、使用者の現在地に応じて自動的に行なわれるため、使用者は、急な予定変更があり帰宅時刻が変更しても、予約時刻を早めたり、調理済みの料理を温め直したりするための指示を能動的に行なう必要はない。従って、使用者は、帰宅後、意識すること無く予約調理した料理を帰宅後、暖かい状態で食すことができるという、利便性の高い加熱調理器1を提供することができる。
(予約時刻の変更受付け)
なお、ここまでの説明では、帰宅時刻が予約時刻よりも早い場合に、帰宅時刻を予約時刻に変更しても、変更後の予約時刻までに調理が完了する場合を想定している。例えば帰宅時刻が早すぎる場合には、予約調理する料理の調理時間によっては、変更後の予約時刻までに調理が終了しない虞がある。このような場合には、予約時刻の変更を行なわないようにしてもよい。具体的には以下のような処理を行なう。
加熱調理器1において、予約変更部113は、調理制御部120から受信した変更時刻データから、変更時刻の受け付けが可能であるか否かを判定する。予約変更部113は、具体的には、以下のように(1)〜(3)のそれぞれの場合に規定される時間範囲に変更時刻があるか否かで、変更時刻の受け付けが可能であるか否かを判定する。また、予約変更部113は、(4)の場合には、予約変更の可能な時間範囲外であるため、変更を受け付けない。加熱限界時刻は、予約開始時刻から、加熱せずに保温状態を維持したまま食材が傷まない限界の時間(例えば12時間)後の時刻である。
(1)加熱調理終了時刻まで1時間以上ある場合
加熱調理終了時刻から加熱限界時刻までの時間範囲
(2)加熱調理終了時刻まで1時間未満である場合
現在時刻から1時間後より加熱限界時刻までの時間範囲
(3)加熱調理終了時刻から変更締切時刻(予約時刻の30分前)まで
現在時刻から1時間後より加熱限界時刻までの時間範囲
(4)変更締切時刻以降である場合
変更不可
例えば、朝7時に予約時刻14時で予約(加熱調理終了時刻:10時)を開始した場合、予約時刻の変更が受け付け可能となるのは、7時から13時30分までである。
ここで、現在時刻7時30分に予約時刻を変更する場合、加熱調理終了時刻と現在時刻との差が1時間以上であることから、(1)の場合に相当するので、予約時刻の変更可能範囲は、10時から19時までとなる。
また、現在時刻9時20分に予約時刻を変更する場合、加熱調理終了時刻と現在時刻との差が1時間未満であることから、(2)の場合に相当するので、予約時刻の変更可能範囲は、10時20分から19時までとなる。
さらに、現在時刻11時に予約時刻を変更する場合、(3)の場合に相当するので、予約変時刻の変更更可範囲は、12時から19時までとなる。
予約変更部113は、変更時刻の変更が不可であると判定した場合、変更不可通知を生成する。一方、変更時刻の受け付けが可能であると判定した場合、RAM13における時刻データTDの予約時刻を変更時刻に書き替える。
また、本実施形態では、携帯端末装置300における帰宅時刻算出のトリガを、使用者が予め設定した領域内に入った場合としたが、これに限定されるものではなく、使用者の自宅から目的とする場所(例えば会社)までのルートを設定し、設定したルートから外れた場合としてもよい。これは、設定したルートから外れるということは、帰宅時刻に変更が生じる可能性が高いためである。
また、携帯端末装置300における帰宅時刻算出のトリガを、帰宅ルートを設定しておき、所定の間隔で自装置の位置情報を取得し、位置情報が連続して設定した帰宅ルートにある場合としてもよい。
以下に、帰宅時刻算出のトリガをルートにした場合の例について説明する。
(変形例)
本変形例では、前記実施形態1と同じ加熱調理器1を用いる。本変形例の加熱調理器1では、携帯端末装置300の位置情報取得部311によって所定の間隔で自装置の複数の位置情報(経度、緯度、取得時刻等)を取得し、取得した複数の位置情報を帰宅時刻算出部312に送る。帰宅時刻算出部312は、取得した複数の位置が予め設定したルートに含まれていない場合、最後に自装置の位置を取得した時刻から加熱調理器1が設置された屋内(自宅)に戻る帰宅時刻を算出し、当該加熱調理器1に送信する。
このように、使用者が帰宅する際に、予め設定したルートから外れた場合、携帯端末装置300が帰宅時刻を算出し、加熱調理器1に帰宅時刻を送信する。帰宅時刻が送信された加熱調理器1は、前記実施形態と同じように、帰宅時刻と予約時刻との比較を行ない、帰宅時刻が予約時刻よりも早ければ、帰宅時刻を予約時刻に変更し、帰宅時刻が予約時刻よりも遅ければ、使用者が帰宅する帰宅時刻まで、調理済みの料理を保温し続ける。
これにより、使用者は意識すること無く予約調理した料理を帰宅後、暖かい状態で食すことができるという、利便性の高い加熱調理器1を提供することができる。
前記実施形態1および変形例では、加熱調理器1を用いて予約調理を行なう場合について説明したが、下記の実施形態2においては、予約調理ではなく、使用者が調理場に居る状態で加熱調理器を用いて調理を行なう場合について説明する。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
まず、本実施形態に係る通信システムの概略構成について説明する。
(通信システム)
図10は、本実施形態に係る通信システムの構成を示すブロック図である。図10に示すように、通信システムは、加熱調理器1Aと、クラウドサーバ200A(サーバ)と、無線LANアクセスポイント101と、インターネット102(通信ネットワーク)とを含んで構成されている。
加熱調理器1Aは、建屋400内に設置され、無線LAN(Local Area Network)に接続して通信を行う機能を備え、建屋400内に設置された無線LANアクセスポイント101を介して、クラウドサーバ200Aと通信可能となっている。クラウドサーバ200Aは、インターネット102を介して各種の情報(広告等)を加熱調理器1Aに送信するようになっている。
続いて、加熱調理器1Aについて詳細に説明する。
(加熱調理器1A)
図11は、加熱調理器1Aの外観の構成を示す斜視図である。加熱調理器1Aは、図11に示すように、本体部2Aと、前扉3Aと、加熱調理器1Aの近くに人が居ることを検知する人感センサ4Aと、加熱調理器1Aの正面に居る人の顔を撮像するカメラ4Bとを備えている。
本体部2Aは、前面が開口され、前扉3Aが当該開口の開閉を行なうように設けられている。本実施形態では、前扉3Aは、本体部2Aの下部で回動可能に指示され、上部を手前に引くことで当該本体部2Aの開口を開放状態にしたり、開口を閉塞状態にしたりするようになっている。
また、本体部2Aの正面には、前扉3Aの他に、加熱調理器1Aの操作を行なうための操作表示部34Aが設けられている。操作表示部34Aには、操作結果や各種の情報を表示するための表示パネル341Aが設けられている。
(制御系)
続いて、加熱調理器1Aの制御系について説明する。図12は、加熱調理器1Aの制御系の構成を示すブロック図である。
図12に示すように、加熱調理器1Aは、制御系の主要部として、前記実施形態1の加熱調理器1と同様に、CPU11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13とを備えている。また、加熱調理器1Aは、回転テーブル33Aを回転させるモータ9を駆動するモータ駆動回路14と、スピーカ10を駆動するスピーカ駆動回路15と、時計回路16と、通信部17と、人感センサ4A、カメラ4Bを備えている。
CPU11は、ROM12に格納された制御プログラムを実行することによって、各部を制御する。具体的には、CPU11は、操作表示部34Aの表示制御、操作表示部34Aへの操作の受け付け、誘導コイル5のオン・オフ制御および温度制御、モータ駆動回路14およびスピーカ駆動回路15の駆動制御、通信部17の制御などを行なう。
モータ駆動回路14は、CPU11から出力される駆動データに基づいてモータ9に印加する駆動電圧を生成する。また、スピーカ駆動回路15は、CPU11から出力されるデジタルの音声データをアナログの音声信号に変換するA/D変換器、音声信号を増幅するアンプなどを含む回路である。時計回路16は、現在時刻を提供するために設けられている。通信部17は、無線LANによる通信を行うための通信回路を含む部分である。
人感センサ4Aは、加熱調理器1Aの近くに居る人の動作を検出する。人感センサ4Aは、例えば焦電式センサなどからなる。人感センサ4Aが焦電式センサの場合、人感センサ4Aは、人体が動くことで生じる熱(赤外線量)の変化をとらえて信号を出力する。人感センサ4Aからの信号は、例えば、人検知「無」の場合はLowレベルの信号を、人検知「有」の場合はHighレベルの信号を、情報出力制御部11Aに出力する。ここで、人検知「無」とは、人感センサ4Aが人を検知していないこと、すなわち、加熱調理器1Aの周囲に人が居ないことを示す。人検知「有」とは、人感センサ4Aが人を検知していること、すなわち、加熱調理器1Aの周囲に人が居ることを示す。なお、人感センサ4Aとしては、焦電式センサ以外の他の方式のセンサであってもよい。
カメラ4Bは、表示パネル341Aに近接して設けられたCCD(charge-coupled device)からなる撮像素子であり、撮像方向が当該表示パネル341Aの表示面を使用者が見る方向と略平行になるように調整されている。つまり、表示パネル341Aを見ているか、あるいは当該表示パネル341Aに向いている使用者の顔をほぼ正面から撮像できる位置にカメラ4Bが設けられている。
(加熱調理器1Aのシステム構成)
次に、加熱調理器1Aのシステム構成について説明する。
図13は、加熱調理器1Aのシステム構成を示すブロック図である。図13に示すように、加熱調理器1AのCPU11は、表示パネル341Aに表示すべき情報を出力する情報出力制御部11Aと、加熱調理器1Aの正面に居る人を認識する人認識処理部11Bとを含んでいる。
情報出力制御部11Aは、人感センサ4Aからの人検知「有」を示す信号を受信すると、通信部17を介してクラウドサーバ200Aから任意の情報を取得し、取得した情報を表示パネル341Aに表示させる。ここで、任意の情報とは、商品に関する広告情報であってもよいし、あるいはニュース、天気などの情報であってもよい。また、使用者の趣味や嗜好に合った情報(広告等)であってもよい。
また、表示パネル341Aに表示される情報に音声データが含まれている場合には、スピーカ10によって音声を再生するようにしてもよい。
なお、表示パネル341Aおよびスピーカ10に出力する情報は、随時クラウドサーバ200Aから取得してもよいし、クラウドサーバ200Aから取得した情報をRAM13に格納しておき、RAM13から取得してもよい。
人認識処理部11Bでは、カメラ4Bによって撮像された人の顔画像から年齢、性別を判断し、判断した結果を情報出力制御部11Aに送るようになっている。情報出力制御部11Aでは、年齢、性別に応じた広告をクラウドサーバ200Aから取得し、表示パネル341Aに表示させる。
なお、人認識処理部11Bは、カメラ4Bによって撮像された人の顔画像から、使用者を特定するようにしてもよい。この場合、加熱調理器1Aを使用する使用者毎に顔認証用の顔画像データを登録しておき、カメラ4Bによって撮像された人の顔画像から、登録された顔画像のうちどの顔画像に一致しているかを判断し、使用者を特定している。つまり、加熱調理器1Aを使用する使用者が複数存在する場合、現在、どの使用者が加熱調理器1Aの周囲にいるかを特定できる。
従って、特定した使用者に応じた情報をクラウドサーバ200から取得して、表示パネル341Aに表示させるようにしてもよい。
(広告表示処理)
ここで、表示パネル341Aに表示する情報として広告を表示する際の処理について、図14に示すフローチャートを参照しながら以下に説明する。
まず、加熱調理器1Aは、最新広告有か否かを判定する(ステップS31)。ここでは、情報出力制御部11Aが、通信部17を介してクラウドサーバ200Aに最新の広告が有るか否かを確認する。最新の広告があれば(Yes)、クラウドサーバ200Aより最新広告を取得し(ステップS32)、人検知の有無を判定する(ステップS33)。一方、最新の広告がなければ(No)、そのままステップS33に移行する。
ステップS33では、情報出力制御部11Aは、人感センサ4Aから人検知「有」を示す信号の受信の有無を判定し、受信した場合(Yes)、表示パネル341Aに広告を表示させ(ステップS34)、受信していない場合(No)、再度、ステップS31に移行して、最新広告の有無を判定する。
このように、加熱調理器1の周囲に人が居るときに、現時点で最新の広告を表示パネル341Aに表示させる。
表示パネル341Aに広告を表示させる場合には、RAM13に格納している情報を順番に、またはランダムに表示させてもよい。
なお、人感センサ4Aによって加熱調理器1Aの近くに使用者が居ることが検知された状態であっても、使用者は加熱調理器1Aの正面、特に表示パネル341A側に向いているとは限らない。このような場合、表示パネル341Aに表示する広告に音声が含まれていれば、表示パネル341Aに表示された広告を消し、スピーカ10から音声のみを出力するようにしてもよい。具体的には、カメラ4Bによる撮像データを用いて、人認識処理部11Bは、加熱調理器1Aの正面に使用者が居るか否かを判断し、判断結果を情報出力制御部11Aに送る。情報出力制御部11Aは、受け取った判断結果から、使用者が正面に居ない場合、表示パネル341Aの表示を消して、スピーカ10から音声のみを出力する。
また、広告は、加熱調理器1Aの調理中に表示することが好ましいが、調理中でなくても、当該加熱調理器1Aの近くに使用者が居れば表示してもよい。
(効果)
以上のように、加熱調理器1Aは、人感センサ4Aを備え、人が当該加熱調理器1Aの近くにいると判断した場合、クラウドサーバ200Aからダウンロードした広告を表示パネル341Aに表示するので、当該加熱調理器1Aの使用者に対して効果的に広告を認識させることができる。
しかも、加熱調理器1Aの使用者の趣味や嗜好を登録しておくことで、趣味や嗜好に応じた情報を表示パネル341Aに表示することもできる。
また、画像認識の技術を用いて、加熱調理器1Aの近くに居る人の年齢、性別を判断し、判断した年齢、性別に応じた広告を表示パネル341Aに表示することで、各自に最適な広告等の各種情報を提供することができる。
なお、前記実施形態1,2においては、加熱調理器1、加熱調理器1Aは、音声認識技術を用いた操作機能について言及していないが、音声認識技術を用いて加熱調理器を操作することも考えられる。この場合、音声認識による操作を適切に行うために、使用者の声を適切に認識する必要がある。つまり、マイクによる集音効率を上げる必要がある。この点について、下記の実施形態3において説明する。
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
(加熱調理器1Bの外部の構成)
図15の(a)は、本実施形態の加熱調理器1Bの平面図、図15の(b)は、図15の(a)のX・X線矢視断面図である。
図15に示すように、本実施形態の加熱調理器1Bは、本体部2A、前扉3Aを備えている。前扉3Aは、加熱調理器1Bの前面部に設けられ、下部を中心として回転し、調理室内を開閉する。前扉3Aには、取手21A、覗窓22Aおよび調理用ダイヤル23Aが設けられている。取手21Aは、前扉3Aの上部に設けられ、前扉3Aを開閉する際にユーザが操作する。覗窓22Aは、前扉3Aの中央部に設けられ、ユーザが調理室内を覗くためのものである。調理用ダイヤル23Aは、覗窓22Aの側方に設けられ、加熱調理器1Bにて食品を調理する際に、ユーザが操作して各種設定を行うための操作部である。
さらに、加熱調理器1Bの下方には、使用者の音声を集音するためのマイク50が設けられている。このマイク50は、加熱調理器1Bにおいて音声による各種操作を行なうために、使用者の音声を集音する。なお、図示しないが加熱調理器1Bには、マイク50にて集音した音声を認識する音声認識部と、音声認識部によって認識された音声から操作指示内容を特定する操作指示内容特定部とを含む制御回路が備えられている。
マイク50は、図15の(b)に示すように、集音部がセット下面2Aa側を向くように配置されている。なお、この配置では、マイク50の集音効率が悪くなる。このため、マイク50の周囲に、図16に示すように、セット下面2Aaを構成する部品(底板、前後足等)にて略コ字状の遮音壁51を形成し、セット前面2Abに開口を設けることで集音効率を上げるようにしている。
なお、マイク50は、加熱調理器1Bにおける給気口の部分に設けられている。これによっても、マイク50の集音効率が上がる。
(効果)
このように、マイク50の集音部をセット下面2Aaに向くように配置することで、当該マイク50の前面の本体部2の筐体に形成された穴を拡大することが可能となり、その結果、集音効率をさらに改善することができる。
また、上記配置にすることで、セット前面2Abへの穴が不要となり、注水等のリスクを軽減できる。つまり、従来、注水等のリスクを回避するために、マイク50の集音部に設けた防水フィルタが不要になる。
さらに、図16に示すように、同じ配置でマイク50と並列してスピーカ10を設置することで、遮音壁51と床面の反響を利用して、マイク50の音量の増幅が図れるとともに、使用者側(セット前面2Ab方向)に指向性を持たせた音声を出力できる。
なお、前記実施形態1〜3では、加熱調理器を単独で用いた例について説明したが、以下の実施形態4では、複数の加熱調理器(電子レンジ、炊飯器、電気鍋等)を使用したときの電力容量オーバーによるブレーカーが落ちるのを防ぐための消費電力の制御について説明する。
〔実施形態4〕
本発明の他の実施形態について説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
(家電システム)
図17は、家電として、3つの加熱調理器501A、501B、501Cが互いに通信可能な状態を示す家電システムの概略構成図である。
本実施形態に係る家電システムでは、加熱調理器501A、501B、501Cがそれぞれ通信機能を有し、互いにシーケンス制御情報の送受信を行えるようになっている。シーケンス制御情報は、自装置で行なっている電力のON・OFFのタイミングを示す情報であり、装置毎に異なり、また、自装置であっても実行する処理の内容によっても異なる。また、以下では、説明の便宜上、加熱調理器501A、501B、501Cの構造が同じ部分を加熱調理器501として説明する。
(加熱調理器501)
図18は、加熱調理器501のシステム構成を示すブロック図である。図18に示すように、加熱調理器501は、電力制御部511と、記憶部512と、通信部513とを備えている。
電力制御部511は、自装置において現時点で実行している処理のシーケンス制御情報を、通信部513を介して他の加熱調理器501に出力するシーケンス出力部521と、通信部513を介して他の加熱調理器501から送られたシーケンス制御情報と、自装置における現時点で実行している処理のシーケンス制御情報とを比較するシーケンス比較部522と、シーケンス比較部522による比較結果に基づいて適切な消費電力となるように電力のON・OFFのタイミングを調整するタイミング調整部523とを含んでいる。
シーケンス出力部521は、現時点で実行している自装置のシーケンス制御情報を、通信部513を介して他の加熱調理器501に出力する。
シーケンス比較部522は、通信部513を介して他の加熱調理器501から送られたシーケンス制御情報と、現時点で実行している自装置のシーケンス制御情報とを比較し、比較結果をタイミング調整部523に出力する。
タイミング調整部523は、シーケンス比較部522による比較結果に基づいて適切な消費電力となるように自装置の電力のON・OFFのタイミングを調整する。
従って、複数の加熱調理器(例えば炊飯器とレンジ等)を同時に使用した時に、炊飯器の電力がON時に、レンジの電力をOFFにし、または、炊飯器の電力がOFF時に、レンジの電力をONにするように、それぞれの機器同士が連携しながら、総電力容量がオーバーしないように自動調整することが可能となる。
(効果)
上記構成によれば、複数の加熱調理器を使用したとしても、互いに電力制御を自動で行なうため、電力容量オーバーによるブレーカーが落ちることを回避することができる。
〔ソフトウェアによる実現例〕
加熱調理器1の制御ブロック(特に加熱調理器110および調理制御部120)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、加熱調理器1は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る加熱調理器は、屋内(建屋400)に設置され、通信ネットワーク(インターネット102)を介してサーバ(クラウドサーバ200)と通信可能に接続される加熱調理器1であって、指定されたメニューの調理の終了を規定する予約時刻を設定する予約設定部110と、上記サーバ(クラウドサーバ200)を介して上記加熱調理器1に予め登録された使用者の帰宅時刻を取得し、取得した帰宅時刻と、上記予約設定部110によって設定された予約時刻とがずれている場合、上記予約設定部110への予約時刻の変更の指示または完成した料理を保温する保温機能を実行する調理制御を行なう調理制御部120と、を備えている。
上記の構成によれば、サーバを介して加熱調理器に予め登録された使用者の帰宅時刻を取得し、取得した帰宅時刻と、設定された予約時刻とがずれている場合、予約時刻の変更または完成した料理の保温を実行することで、現在時刻と予約時刻とのずれ方(現在時刻が予約時刻より早い場合、現在時刻が予約時刻よりも遅い場合)に応じた調理を行なうことが可能となる。
これにより、予約調理をして外出した場合に、帰宅時刻と予約時刻とがずれた場合であっても、使用者は調理済みの料理を常に暖かいうちに直ぐに食することを可能にしている。
本発明の態様2に係る加熱調理器は、上記態様1において、上記調理制御部120は、取得した帰宅時刻が、上記予約設定部110によって設定された予約時刻よりも早い場合、取得した上記帰宅時刻を、上記予約設定部110に対して新たな予約時刻として設定させてもよい。
上記の構成によれば、帰宅時刻が予約時刻よりも早い場合、取得した帰宅時刻を新たな予約時刻として設定することで、帰宅時刻が調理終了の時刻となる。従って、使用者は、帰宅後、直ぐに暖かい料理を食することができる。
本発明の態様3に係る加熱調理器は、上記態様1または2において、上記調理制御部120は、取得した帰宅時刻が、上記予約設定部110によって設定された予約時刻よりも遅い場合、上記帰宅時刻まで、調理終了の料理を保温するための上記保温機能を実行してもよい。
上記構成によれば、帰宅時刻が予約時刻よりも遅い場合、帰宅時刻まで、調理終了の料理が保温されるので、使用者は帰宅後、暖かい料理を食することができる。
本発明の態様4に係る携帯端末装置は、通信ネットワーク(インターネット101)を介してサーバ(クラウドサーバ200)と通信可能で、且つ自装置の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部311を備え、上記態様1〜3の何れか1態様の加熱調理器と上記サーバ(クラウドサーバ200)を介して通信可能な携帯端末装置であって、上記位置情報取得部311によって取得した自装置の位置が、予め設定した領域内に含まれている場合に、現在の時刻から上記加熱調理器が設置された屋内に戻る帰宅時刻を算出する帰宅時刻算出部312を備え、上記帰宅時刻算出部312によって算出された帰宅時刻を、当該加熱調理器に送信することを特徴としている。
本発明の態様5に係る携帯端末装置は、通信ネットワーク(インターネット101)を介してサーバ(クラウドサーバ200)と通信可能で、且つ自装置の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部311を備え、上記態様1〜3の何れか1態様の加熱調理器と上記サーバ(クラウドサーバ200)を介して通信可能な携帯端末装置であって、上記位置情報取得部311によって所定の間隔で取得した自装置の複数の位置が、予め設定したルートに含まれていない場合、最後に自装置の位置を取得した時刻から上記加熱調理器が設置された屋内(建屋400)に戻る帰宅時刻を算出する帰宅時刻算出部312を備え、上記帰宅時刻算出部312によって算出された帰宅時刻を、当該加熱調理器に送信することを特徴としている。
上記構成によれば、自装置の位置情報から得られる帰宅時刻を使用者の自宅の加熱調理器に送信することで、自宅の加熱調理器は予約調理の制御を行なうことができる。これにより、使用者が意識することなく、自宅の加熱調理器の予約調理の制御が行なわれるため、使用者は何も操作することなく帰宅すれば調理済みの暖かい料理を食することができる。
本発明の態様6に係る加熱調理器は、上記態様1〜3の何れか1態様において、上記加熱調理器の周囲であって、予め設定された範囲内で人の動作を検出する人感センサ4Aと、上記人感センサ4Aによって人の動作を検出したとき、所定の情報を報知する報知部(情報出力制御部11A、表示パネル341A)と、をさらに備えていてもよい。
上記構成によれば、加熱調理器の近くに人が居る場合に、所定の情報を報知することで、当該加熱調理器の近くに居る人に対して情報が報知されることになる。報知する情報としては下記の態様7,8に示す情報であってもよい。
本発明の態様7に係る加熱調理器は、上記態様6において、上記報知部(情報出力制御部11A、表示パネル341A)が報知する情報は、上記加熱調理器を使用する使用者の趣味や嗜好に合わせた情報である。
本発明の態様8に係る加熱調理器は、上記態様6または7において、記報知部(情報出力制御部11A、表示パネル341A)が報知する情報は、画像情報、音声情報の少なくとも一方の情報である。
上記情報に画像情報、音声情報の両方が含まれている場合、報知する情報としては、何れか一方のみであってもよい。例えば、加熱調理器の正面、すなわち画像情報を表示する側に使用者が向いていない場合には、音声情報のみを報知するようにする。
本発明の態様9に係る加熱調理器は、上記態様1〜3,6〜8の何れか1態様において、音声を入力するためのマイク50を備え、加熱調理器の底面に形成される空間に集音部が露出するように上記マイク50が配置され、当該底面に、配置されたマイクによりも正面(セット前面2Ab)側が開放されるように、当該マイク周囲を囲む遮音壁51が形成されていてもよい。
上記構成によれば、マイクが加熱調理器の底面に形成される空間に集音部が露出するように配置され、当該加熱調理器の正面(セット前面2Ab)側が開放されるように、当該マイク周囲を囲む遮音壁51が形成されていることで、当該マイクによる集音効率を向上させることができる。
本発明の態様10に係る加熱調理器は、上記態様1〜3,6〜8の何れか1態様において、屋内に設置された他の電子機器(加熱調理器501A、501B,501C)と通信するための通信部513と、上記通信部513により他の電子機器(加熱調理器501A、501B,501C)の電力消費シーケンス情報を受信し、受信した他の電子機器の電力消費シーケンス情報を考慮して、屋内で消費される総電力量の上限を超えないように、自装置の電力消費シーケンスを調整する調整部(電力制御部511)と、をさらに備えていてもよい。
上記構成によれば、複数の加熱調理器を使用したとしても、互いに電力制御を自動で行なうため、電力容量オーバーによるブレーカーが落ちることを回避することができる。
本発明の各態様に係る加熱調理器は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記加熱調理器が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより上記加熱調理器をコンピュータにて実現させる加熱調理器装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。