JP6873341B2 - 測角装置、測角方法及び車載装置 - Google Patents
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Description
特許文献1に開示されているレーダは、2つの送信アンテナと、1つの受信アンテナとを備えている。
2つの送信アンテナのうち、一方の送信アンテナは、第1方向に第1信号を送信し、他方の送信アンテナは、第1方向と異なる第2方向に第2信号を送信している。第1方向は、レーダのボアサイト軸に対して角度θだけ傾いている方向であり、第2方向は、レーダのボアサイト軸に対して角度−θだけ傾いている方向である。
受信アンテナは、目標物に反射された第1信号及び目標物に反射された第2信号のそれぞれを受信する。
特許文献1に開示されているレーダは、受信アンテナにより受信された第1信号と受信アンテナにより受信された第2信号との位相差から、目標物のエレベーション角度を計算している。
図1は、実施の形態1に係る測角装置1を示す構成図である。
図2は、実施の形態1に係る測角装置1における信号処理器4及び方位角算出部5のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
図1において、測角装置1は、ビーム送信部2、ビーム受信部3、信号処理器4及び方位角算出部5を備えている。
ビーム送信部2は、第1の送信アンテナ15−1から第1のビーム16−1を放射し、第2の送信アンテナ15−2から第2のビーム16−2を放射する。
第1のビーム16−1及び第2のビーム16−2のそれぞれは、RF(Radio Frequency)信号である。
符号変調部12は、例えば、第1の符号C1及び第2の符号C2を記憶している内部メモリを有している。
符号変調部12は、局部発振信号生成部11から出力された局部発振信号に第1の符号C1を付与し、第1の符号C1を付与した局部発振信号(以下、「第1の局部発振信号」と称する)を送信切替部13に出力する。
また、符号変調部12は、局部発振信号生成部11から出力された局部発振信号に、第1の符号C1と異なる第2の符号C2を付与し、第2の符号C2を付与した局部発振信号(以下、「第2の局部発振信号」と称する)を送信切替部13に出力する。
第1の符号C1及び第2の符号C2として、バーカーコード符号又はM系列(Maximum length sequence)符号などを用いることができる。
ここでは、符号変調部12が、第1の符号C1及び第2の符号C2を記憶している内部メモリを有している。しかし、これは一例に過ぎず、符号変調部12が、外部から、第1の符号C1及び第2の符号C2のそれぞれが与えられるようにしてもよい。
また、送信切替部13は、第1のビーム16−1の放射方向のエレベーション角度及びアジマス角度のそれぞれを示す第1の角度情報を送信機14−1に出力する。送信切替部13は、第2のビーム16−2の放射方向のエレベーション角度及びアジマス角度のそれぞれを示す第2の角度情報を送信機14−2に出力する。
第1のビーム16−1の放射方向のエレベーション角度と、第2のビーム16−2の放射方向のエレベーション角度とは、異なる。
第1のビーム16−1の放射方向のアジマス角度と、第2のビーム16−2の放射方向のアジマス角度とは、概ね同じである。
第1の角度情報及び第2の角度情報のそれぞれは、送信切替部13の内部メモリに格納されていてもよいし、外部から与えられるものであってもよい。
第1のビーム16−1の周波数と、第2のビーム16−2の周波数とは、概ね同じ周波数である。
送信機14−1は、取得した第1の局部発振信号を第1の送信アンテナ15−1に与えることで、第1の送信アンテナ15−1から第1のビーム16−1を放射させる。
送信機14−1は、第1の送信アンテナ15−1から放射される第1のビーム16−1の放射方向のエレベーション角度が、取得した第1の角度情報が示すエレベーション角度と一致するように、第1の送信アンテナ15−1を制御する。
また、送信機14−1は、第1の送信アンテナ15−1から放射される第1のビーム16−1の放射方向のアジマス角度が、取得した第1の角度情報が示すアジマス角度と一致するように、第1の送信アンテナ15−1を制御する。
送信機14−2は、取得した第2の局部発振信号を第2の送信アンテナ15−2に与えることで、第2の送信アンテナ15−2から第2のビーム16−2を放射させる。
送信機14−2は、第2の送信アンテナ15−2から放射される第2のビーム16−2の放射方向のエレベーション角度が、取得した第2の角度情報が示すエレベーション角度と一致するように、第2の送信アンテナ15−2を制御する。
また、送信機14−2は、第2の送信アンテナ15−2から放射される第2のビーム16−2の放射方向のアジマス角度が、取得した第2の角度情報が示すアジマス角度と一致するように、第2の送信アンテナ15−2を制御する。
第2の送信アンテナ15−2は、図3に示すように、1つのアンテナ開口15−2aを有しており、1つのアンテナ開口15−2aから第2のビーム16−2を空間に放射する。
第1の送信アンテナ15−1のアジマス方向の設置位置と、第2の送信アンテナ15−2のアジマス方向の設置位置とは、図3に示すように異なる。
図3は、第1の送信アンテナ15−1、第2の送信アンテナ15−2及び受信アンテナ21−1〜21−Nの配置例を示す説明図である。
図3の例では、第1の送信アンテナ15−1と第2の送信アンテナ15−2との配置間隔がDである。
図3の例では、第1の送信アンテナ15−1のアンテナ開口長と、第2の送信アンテナ15−2のアンテナ開口長とが等しい。しかし、これは一例に過ぎず、第1の送信アンテナ15−1のアンテナ開口長と、第2の送信アンテナ15−2のアンテナ開口長とが異なっていてもよい。
図4は、第1のビーム16−1の放射方向のエレベーション角度θB1及び第2のビーム16−2の放射方向のエレベーション角度θB2を示す説明図である。
図3及び図4において、X軸は、アジマス方向に沿っている軸である。図3及び図4では、説明の簡単化のため、アジマス方向は、水平方向と一致している。しかし、これは一例に過ぎず、アジマス方向が、水平方向と一致していなくてもよい。
Z軸は、エレベーション方向に沿っている軸である。図3及び図4では、説明の簡単化のため、エレベーション方向は、鉛直方向と一致している。しかし、これは一例に過ぎず、エレベーション方向が、鉛直方向と一致していなくてもよい。
Y軸は、X軸と直交し、かつ、Z軸と直交している軸である。
受信アンテナ21−1〜21−Nは、第1の送信アンテナ15−1と第2の送信アンテナ15−2との間に配置されている。Nは2以上の整数である。
図3の例では、N個の受信アンテナ21−n(n=1,・・・,N)が、水平方向に一列に配置されている。
受信アンテナ21−nは、第1の反射波20−1と第2の反射波20−2とを含む受信信号22−nを受信機23−nに出力する。
図3の例では、受信アンテナ21−1〜21−Nのアンテナ開口長が互いに等しい。しかし、これは一例に過ぎず、受信アンテナ21−1〜21−Nのアンテナ開口長が互いに異なっていてもよい。
第1の送信アンテナ15−1、第2の送信アンテナ15−2及び受信アンテナ21−1〜21−Nのそれぞれは、パッチアンテナ又はホーンアンテナなどを用いることができる。
受信機23−nは、周波数低減後の受信信号22−nをアナログデジタル変換器(以下、「A/D変換器」と称する)24−nに出力する。
A/D変換器24−nは、受信機23−nから出力された周波数低減後の受信信号22−nをアナログ信号からデジタル信号25−nに変換し、デジタル信号25−nを信号処理器4及び方位角算出部5のそれぞれに出力する。
図5は、実施の形態1に係る測角装置1における信号処理器4を示す構成図である。
図5において、信号抽出部31は、例えば、図2に示す信号抽出回路41によって実現される。
信号抽出部31は、例えば、第1の符号C1及び第2の符号C2を記憶している内部メモリを有している。
信号抽出部31は、A/D変換器24−1〜24−Nから出力されたデジタル信号25−1〜25−Nのうち、1つ以上のそれぞれのデジタル信号25−nの中から、第1の符号C1を用いて、第1の復調信号S1を抽出する。
また、信号抽出部31は、1つ以上のそれぞれのデジタル信号25−nの中から、第2の符号C2を用いて、第2の復調信号S2を抽出する。
信号抽出部31は、1つ以上の第1の復調信号S1と、1つ以上の第2の復調信号S2とを仰角算出部32に出力する。
ここでは、信号抽出部31が、第1の符号C1及び第2の符号C2を記憶している内部メモリを有している。しかし、これは一例に過ぎず、信号抽出部31が、外部から、第1の符号C1及び第2の符号C2のそれぞれが与えられるようにしてもよい。
仰角算出部32は、第1の復調信号S1と第2の復調信号S2との和信号と、第1の復調信号S1と第2の復調信号S2との差信号とを用いるモノパルス測角を行うことで、目標の仰角θtgtを算出する。
仰角算出部32は、算出した目標の仰角θtgtを表示器6に出力する。
フーリエ変換部33は、信号抽出部31から出力されたそれぞれの第1の復調信号S1を高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)することで、それぞれの第1の復調信号S1を周波数領域の信号FS1に変換する。
また、フーリエ変換部33は、信号抽出部31から出力されたそれぞれの第2の復調信号S2をFFTすることで、それぞれの第2の復調信号S2を周波数領域の信号FS2に変換する。
フーリエ変換部33は、1つ以上の周波数領域の信号FS1と、1つ以上の周波数領域の信号FS2とを積分部34に出力する。
ここでは、フーリエ変換部33が、それぞれの第1の復調信号S1をFFTし、それぞれの第2の復調信号S2をFFTしている。しかし、これは一例に過ぎず、フーリエ変換部33が、それぞれの第1の復調信号S1をデジタルフーリエ変換(DFT:Digital Fourier Transform)し、それぞれの第2の復調信号S2をDFTするようにしてもよい。
積分部34は、フーリエ変換部33から複数の周波数領域の信号FS1を受けると、複数の周波数領域の信号FS1をインコヒーレント積分する。
また、積分部34は、フーリエ変換部33から複数の周波数領域の信号FS1を受けると、複数の周波数領域の信号FS2をインコヒーレント積分する。
積分部34は、周波数領域の信号FS1のインコヒーレント積分結果として、第1の積分信号IC1を目標候補検出部35に出力し、周波数領域の信号FS2のインコヒーレント積分結果として、第2の積分信号IC2を目標候補検出部35に出力する。
積分部34は、フーリエ変換部33から出力された周波数領域の信号FS1の数が1つであれば、周波数領域の信号FS1を第1の積分信号IC1として目標候補検出部35に出力する。
また、積分部34は、フーリエ変換部33から出力された周波数領域の信号FS2の数が1つであれば、周波数領域の信号FS2を第2の積分信号IC2として目標候補検出部35に出力する。
目標候補検出部35は、積分部34から出力された第1の積分信号IC1を用いる一定誤警報確率(CFAR:Constant Faulse Alarm Ratio)処理等を実施することで、目標候補の振幅を示す第1の目標信号M1(θtgt)を算出する。
また、目標候補検出部35は、積分部34から出力された第2の積分信号IC2を用いるCFAR処理等を実施することで、目標候補の振幅を示す第2の目標信号M2(θtgt)を算出する。
目標候補検出部35は、第1の目標信号M1(θtgt)及び第2の目標信号M2(θtgt)のそれぞれを仰角算出処理部36に出力する。
仰角算出処理部36は、目標候補検出部35から出力された第1の目標信号M1(θtgt)と第2の目標信号M2(θtgt)との和信号Σ(θtgt)を算出する。
また、仰角算出処理部36は、目標候補検出部35から出力された第1の目標信号M1(θtgt)と第2の目標信号M2(θtgt)との差信号Δ(θtgt)を算出する。
仰角算出処理部36は、和信号Σ(θtgt)と差信号Δ(θtgt)を用いる振幅比較モノパルス測角を行うことで、目標の仰角θtgtを算出する。
仰角算出処理部36は、算出した目標の仰角θtgtを表示器6に出力する。
方位角算出部5は、A/D変換器24−1〜24−Nから出力されたデジタル信号25−1〜25−Nを用いて、DBF(Digital Beam Forming)処理を実施することで、目標の方位角φtgtを算出する。
方位角算出部5は、算出した目標の方位角φtgtを表示器6に出力する。
ここでは、方位角算出部5が、DBF処理を実施することで、目標の方位角φtgtを算出している。しかし、これは一例に過ぎず、方位角算出部5が、A/D変換器24−1〜24−Nから出力されたデジタル信号25−1〜25−Nを用いて、MIMO(Multi Input Multi Output)処理を実施することで、目標の方位角φtgtを算出するようにしてもよい。
ソフトウェア又はファームウェアは、プログラムとして、コンピュータのメモリに格納される。コンピュータは、プログラムを実行するハードウェアを意味し、例えば、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、あるいは、DSP(Digital Signal Processor)が該当する。
信号処理器4の構成要素及び方位角算出部5が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、信号抽出部31、フーリエ変換部33、積分部34、目標候補検出部35、仰角算出処理部36及び方位角算出部5の処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムがメモリ51に格納される。そして、コンピュータのプロセッサ52がメモリ51に格納されているプログラムを実行する。
図7は、信号処理器4及び方位角算出部5の処理手順である測角方法を示すフローチャートである。
ビーム送信部2は、第1の送信アンテナ15−1から、RF信号である第1のビーム16−1を目標に向けて放射し、第2の送信アンテナ15−2からRF信号である第2のビーム16−2を目標に向けて放射する。
以下、ビーム送信部2の動作を具体的に説明する。
符号変調部12は、局部発振信号生成部11から局部発振信号を受けると、局部発振信号に第1の符号C1を付与し、第1の符号C1を付与した局部発振信号である第1の局部発振信号を送信切替部13に出力する。
また、符号変調部12は、局部発振信号生成部11から出力された局部発振信号に、第1の符号C1と異なる第2の符号C2を付与し、第2の符号C2を付与した局部発振信号である第2の局部発振信号を送信切替部13に出力する。
また、送信切替部13は、第1のビーム16−1の放射方向のエレベーション角度θB1及びアジマス角度のそれぞれを示す第1の角度情報を送信機14−1に出力する。
送信切替部13は、符号変調部12から第2の局部発振信号を受けると、第2の局部発振信号を送信機14−2に出力する。
また、送信切替部13は、第2のビーム16−2の放射方向のエレベーション角度θB2及びアジマス角度のそれぞれを示す第2の角度情報を送信機14−2に出力する。
送信機14−1は、取得した第1の局部発振信号を第1の送信アンテナ15−1に与えることで、第1の送信アンテナ15−1から第1のビーム16−1を放射させる。
送信機14−1は、第1の送信アンテナ15−1から放射される第1のビーム16−1の放射方向のエレベーション角度が、取得した第1の角度情報が示すエレベーション角度θB1と一致するように、第1の送信アンテナ15−1を制御する。
また、送信機14−1は、第1の送信アンテナ15−1から放射される第1のビーム16−1の放射方向のアジマス角度が、取得した第1の角度情報が示すアジマス角度と一致するように、第1の送信アンテナ15−1を制御する。
送信機14−2は、取得した第2の局部発振信号を第2の送信アンテナ15−2に与えることで、第2の送信アンテナ15−2から第2のビーム16−2を放射させる。
送信機14−2は、第2の送信アンテナ15−2から放射される第2のビーム16−2の放射方向のエレベーション角度が、取得した第2の角度情報が示すエレベーション角度θB2と一致するように、第2の送信アンテナ15−2を制御する。
また、送信機14−2は、第2の送信アンテナ15−2から放射される第2のビーム16−2の放射方向のアジマス角度が、取得した第2の角度情報が示すアジマス角度と一致するように、第2の送信アンテナ15−2を制御する。
図4に示すエレベーション角度θB1と、図4に示すエレベーション角度θB2とは、共に、負のエレベーション方向に傾いている。しかし、これは一例に過ぎず、図8に示すように、エレベーション角度θB1が負のエレベーション方向に傾いており、エレベーション角度θB2が正のエレベーション方向に傾いているものであってもよい。
図8は、第1のビーム16−1の放射方向のエレベーション角度θB1及び第2のビーム16−2の放射方向のエレベーション角度θB2の一例を示す説明図である。図8では、エレベーション角度θB1とエレベーション角度θB2との差異を分かり易くするために、第1の送信アンテナ15−1と第2の送信アンテナ15−2とが同じ位置に設置されているものとして表記している。
第1のビーム16−1の放射方向のアジマス角度と、第2のビーム16−2の放射方向のアジマス角度とは、概ね同じである。
第2の送信アンテナ15−2は、第2のビーム16−2を空間に放射する。
図1に示す測角装置1では、第1のビーム16−1と第2のビーム16−2とが、第1の送信アンテナ15−1及び第2の送信アンテナ15−2のそれぞれから同時刻に放射されるものとする。
第1の送信アンテナ15−1から放射された第1のビーム16−1は、目標に反射され、目標に反射された第1のビーム16−1は、第1の反射波20−1として、受信アンテナ21−1〜21−Nのそれぞれに受信される。
第2の送信アンテナ15−2から放射された第2のビーム16−2は、目標に反射され、目標に反射された第2のビーム16−2は、第2の反射波20−2として、受信アンテナ21−1〜21−Nのそれぞれに受信される。
受信機23−nは、局部発振信号生成部11から出力された局部発振信号を用いて、受信アンテナ21−nから出力された受信信号22−nの周波数を、例えば、RF周波数からIF周波数に低減する。
受信機23−nは、周波数低減後の受信信号22−nをA/D変換器24−nに出力する。
A/D変換器24−nは、受信機23−nから周波数低減後の受信信号22−nを受けると、周波数低減後の受信信号22−nをアナログ信号からデジタル信号25−nに変換し、デジタル信号25−nを信号処理器4及び方位角算出部5のそれぞれに出力する。
信号抽出部31は、1つ以上のそれぞれのデジタル信号25−nの中から、第1の復調信号S1を抽出すればよい。したがって、信号抽出部31は、任意の1つのデジタル信号25−nの中から、第1の復調信号S1を抽出するものであってもよいし、任意の2つのデジタル信号25−nの中から、それぞれ第1の復調信号S1を抽出するものであってもよい。また、信号抽出部31は、N個のデジタル信号25−1〜25−Nの中から、それぞれ第1の復調信号S1を抽出するものであってもよい。
信号抽出部31は、1つ以上のそれぞれのデジタル信号25−nの中から、第2の復調信号S2を抽出すればよい。したがって、信号抽出部31は、任意の1つのデジタル信号25−nの中から、第2の復調信号S2を抽出するものであってもよいし、任意の2つのデジタル信号25−nの中から、それぞれ第2の復調信号S2を抽出するものであってもよい。また、信号抽出部31は、N個のデジタル信号25−1〜25−Nの中から、それぞれ第2の復調信号S2を抽出するものであってもよい。
なお、デジタル信号25−nの中から、第1の符号C1を用いて、第1の復調信号S1を抽出する処理、及び、デジタル信号25−nの中から、第2の符号C2を用いて、第2の復調信号S2を抽出する処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
信号抽出部31は、抽出した1つ以上の第1の復調信号S1をフーリエ変換部33に出力し、抽出した1つ以上の第2の復調信号S2をフーリエ変換部33に出力する。
フーリエ変換部33は、信号抽出部31から1つ以上の第2の復調信号S2を受けると、それぞれの第2の復調信号S2をFFTすることで、それぞれの第2の復調信号S2を周波数領域の信号FS2に変換する(図7のステップST2)。
フーリエ変換部33は、1つ以上の周波数領域の信号FS1と、1つ以上の周波数領域の信号FS2とを積分部34に出力する。
積分部34は、フーリエ変換部33から複数の周波数領域の信号FS2を受けると、複数の周波数領域の信号FS2をインコヒーレント積分する(図7のステップST3)。
積分部34は、周波数領域の信号FS1のインコヒーレント積分結果として、第1の積分信号IC1を目標候補検出部35に出力し、周波数領域の信号FS2のインコヒーレント積分結果として、第2の積分信号IC2を目標候補検出部35に出力する。
積分部34は、フーリエ変換部33から出力された周波数領域の信号FS1の数が1つであれば、周波数領域の信号FS1を第1の積分信号IC1として目標候補検出部35に出力する。
また、積分部34は、フーリエ変換部33から出力された周波数領域の信号FS2の数が1つであれば、周波数領域の信号FS2を第2の積分信号IC2として目標候補検出部35に出力する。
目標候補検出部35は、積分部34から第2の積分信号IC2を受けると、例えば、第2の積分信号IC2を用いるCFAR処理を実施することで、目標候補の振幅を示す第2の目標信号M2(θtgt)を算出する(図7のステップST4)。CFAR処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
目標候補検出部35は、第1の目標信号M1(θtgt)及び第2の目標信号M2(θtgt)のそれぞれを仰角算出処理部36に出力する。
また、仰角算出処理部36は、以下の式(2)に示すように、第1の目標信号M1(θtgt)と第2の目標信号M2(θtgt)との差信号Δ(θtgt)を算出する(図7のステップST6)。
図9は、仰角算出処理部36による振幅比較モノパルス測角を示す説明図である。図9において、θTX1は、第1のビーム16−1のメインビームにおける仰角の中心角度、θTX2は、第2のビーム16−2のメインビームにおける仰角の中心角度である。
振幅比較モノパルス測角は、2つのアンテナから互いに異なる方向にビームを放射し、目標に反射されたそれぞれのビームの反射波の和と、それぞれのビームの反射波の差とを用いて測角する方式である。
以下、仰角算出処理部36による振幅比較モノパルス測角を具体的に説明する。
比ε’は、以下の式(4)のように表される。
図10は、ディスクリパターンを用いる仰角θtgtの算出処理を示す説明図である。
ディスクリパターンは、仰角θ’に対応する比ε’を示す直線又は曲線である。仰角算出処理部36は、例えば、互いに異なる複数の仰角θ’に対応する比ε’をそれぞれ計算すれば、複数の仰角θ’に対応する比ε’からディスクリパターンを算出することができる。ディスクリパターンの算出処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
仰角算出処理部36は、逆算した目標の仰角θtgtを表示器6に出力する。
仰角算出処理部36は、和信号Σ(θtgt)に対する差信号Δ(θtgt)の比εを算出すると、テーブルに含まれている比ε’の中から、算出した比εと一致する比ε’を探索する。
仰角算出処理部36は、探索した比ε’に対応する仰角θ’を、目標の仰角θtgtの算出結果として、表示器6に出力する。
仰角算出処理部36は、算出した比εと一致する比ε’がテーブルに含まれていない場合、テーブルに含まれている比ε’のうち、算出した比εよりも小さい比ε’の中で、最も大きい比ε’(以下、「比ε’1」と称する)を探索する。
また、仰角算出処理部36は、テーブルに含まれている比ε’のうち、算出した比εよりも大きい比ε’の中で、最も小さい比ε’(以下、「比ε’2」と称する)を探索する。
仰角算出処理部36は、探索した比ε’1に対応する仰角θ’と、探索した比ε’2に対応する仰角θ’と用いる補間処理を実施することで、算出した比εに対応する仰角θtgtを算出する。補間処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
方位角算出部5は、算出した目標の方位角φtgtを表示器6に出力する。
ここでは、方位角算出部5が、DBF処理を実施することで、目標の方位角φtgtを算出している。しかし、これは一例に過ぎず、方位角算出部5が、デジタル信号25−1〜25−Nを用いて、MIMO処理を実施することで、目標の方位角φtgtを算出するようにしてもよい。
方位角算出部5が、DBF処理又はMIMO処理を実施することで、グレーティングローブの発生を抑圧することができる。
また、方位角算出部5が、DBF処理又はMIMO処理を実施することで、アジマス方向のアンテナ開口を広げることが可能であり、1つの受信信号から目標の方位角φtgtを算出する場合よりも、目標の方位角φtgtを高分解能で算出することができる。
方位角算出部5は、信号抽出部31により抽出された2つ以上の第1の復調信号S1又は2つ以上の第2の復調信号S2を用いて、DBF処理又はMIMO処理を実施することで、目標の方位角φtgtを算出する。
図11は、第1の送信アンテナ15−1、第2の送信アンテナ15−2及び受信アンテナ21−nにおけるそれぞれの位相中心等を示す説明図である。
しかし、第1の送信アンテナ15−1と第2の送信アンテナ15−2とは、間隔Dだけ離れている位置に設置されているため、第1の送信アンテナ15−1から目標までの距離と、第2の送信アンテナ15−2から目標までの距離との間に差が生じることがある。
第1の送信アンテナ15−1から目標までの距離と、第2の送信アンテナ15−2から目標までの距離との間に差がある場合、アジマス方向では、第1の復調信号S1の位相中心O1と、第2の復調信号S2の位相中心O2とが異なることがある。
図11に示すように、第1の送信アンテナ15−1の位相中心O1と目標との距離がR1、第2の送信アンテナ15−2の位相中心O2と目標との距離がR2、受信アンテナ21−nの位相中心Oと目標との距離がRであるとする。距離R1と距離Rとの距離差がΔR1、距離R2と距離Rとの距離差がΔR2であるとすれば、距離差ΔR1と距離差ΔR2とのずれが、位相中心O1と位相中心O2との間のアジマス方向の位相差となる。
この場合、第1の送信アンテナ15−1のアレー応答ベクトルv1は、以下の式(5)のように表され、第2の送信アンテナ15−2のアレー応答ベクトルv2は、以下の式(6)のように表される。
式(5)及び式(6)において、λは、第1のビーム16−1及び第2のビーム16−2におけるそれぞれの中心周波数での波長である。
信号抽出部31が、第1の送信アンテナ15−1と第2の送信アンテナ15−2とのX軸の位置が、仮想的に同じ位置に配置されるように位相補償を行えば、仰角算出部32による仰角θtgtの算出精度が高まることがある。
図1に示す測角装置1では、ビーム送信部2が、第1のビーム16−1と第2のビーム16−2とを同時刻に放射している。
実施の形態2では、ビーム送信部2が、第1のビーム16−1と第2のビーム16−2とを時分割で放射する測角装置1について説明する。
実施の形態2の測角装置1では、説明の便宜上、ビーム送信部2が、第1のビーム16−1を放射してから、第2のビーム16−2を放射するものとする。
実施の形態2の測角装置1の構成は、実施の形態1と同様に、図1である。ただし、ビーム送信部2が、第1のビーム16−1と第2のビーム16−2とを時分割で放射する場合、局部発振信号に対して、第1の符号C1及び第2の符号C2のそれぞれを付与することなく、第1の復調信号S1及び第2の復調信号S2のそれぞれを抽出することができる。したがって、測角装置1は、符号変調部12を実装していなくてもよいが、局部発振信号に対して、第1の符号C1及び第2の符号C2のそれぞれを付与してもよいため、測角装置1が、符号変調部12を実装していてもよい。
第1の送信アンテナ15−1から放射された第1のビーム16−1は、目標に反射され、目標に反射された第1のビーム16−1は、第1の反射波20−1として、受信アンテナ21−1〜21−Nのそれぞれに受信される。
受信機23−nは、局部発振信号生成部11から出力された局部発振信号を用いて、受信アンテナ21−nから出力された受信信号22−nの周波数を、例えば、RF周波数からIF周波数に低減する。
受信機23−nは、周波数低減後の受信信号22−nをA/D変換器24−nに出力する。
A/D変換器24−nは、受信機23−nから周波数低減後の受信信号22−nを受けると、周波数低減後の受信信号22−nをアナログ信号からデジタル信号25−nに変換し、デジタル信号25−nを信号処理器4及び方位角算出部5のそれぞれに出力する。
方位角算出部5は、A/D変換器24−1〜24−Nからデジタル信号25−1〜25−Nを受けると、実施の形態1と同様に、デジタル信号25−1〜25−Nを用いて、DBF処理又はMIMO処理を実施することで、目標の方位角φtgtを算出する。
第2の送信アンテナ15−2から放射された第2のビーム16−2は、目標に反射され、目標に反射された第2のビーム16−2は、第2の反射波20−2として、受信アンテナ21−1〜21−Nのそれぞれに受信される。
受信機23−nは、局部発振信号生成部11から出力された局部発振信号を用いて、受信アンテナ21−nから出力された受信信号22−nの周波数を、例えば、RF周波数からIF周波数に低減する。
受信機23−nは、周波数低減後の受信信号22−nをA/D変換器24−nに出力する。
A/D変換器24−nは、受信機23−nから周波数低減後の受信信号22−nを受けると、周波数低減後の受信信号22−nをアナログ信号からデジタル信号25−nに変換し、デジタル信号25−nを信号処理器4及び方位角算出部5のそれぞれに出力する。
方位角算出部5は、A/D変換器24−1〜24−Nからデジタル信号25−1〜25−Nを受けると、実施の形態1と同様に、デジタル信号25−1〜25−Nを用いて、DBF処理又はMIMO処理を実施することで、目標の方位角φtgtを算出する。
仰角算出部32の処理内容は、実施の形態1と同様であるため、詳細な説明を省略する。
測角装置1が、符号変調部12を実装しない場合、実施の形態1の測角装置1よりも、処理負荷が軽減される。
図1に示す測角装置1では、第1の送信アンテナ15−1から放射される第1のビーム16−1の周波数と、第2の送信アンテナ15−2から放射される第2のビーム16−2の周波数とが概ね同じである。
実施の形態3では、第1の送信アンテナ15−1から放射される第1のビーム16−1の周波数と、第2の送信アンテナ15−2から放射される第2のビーム16−2の周波数とが異なる測角装置1について説明する。
第1のビーム16−1の周波数が第1の周波数であり、第2のビーム16−2の周波数が第2の周波数であるとする。
実施の形態3の測角装置1の構成は、実施の形態1と同様に、図1である。ただし、第1の送信アンテナ15−1から放射される第1のビーム16−1の周波数と、第2の送信アンテナ15−2から放射される第2のビーム16−2の周波数とが異なる場合、局部発振信号に対して、第1の符号C1及び第2の符号C2のそれぞれを付与することなく、第1の復調信号S1及び第2の復調信号S2のそれぞれを抽出することができる。したがって、測角装置1は、符号変調部12を実装していなくてもよいが、局部発振信号に対して、第1の符号C1及び第2の符号C2のそれぞれを付与してもよいため、測角装置1が、符号変調部12を実装していてもよい。
信号抽出部31は、A/D変換器24−1〜24−Nから出力されたデジタル信号25−1〜25−Nのうち、1つ以上のそれぞれのデジタル信号25−nを例えばFFTすることで、それぞれのデジタル信号25−nを周波数領域の信号に変換する。
信号抽出部31は、それぞれの周波数領域の信号の中から、第1の周波数の信号を抽出し、それぞれの周波数領域の信号の中から、第2の周波数の信号を抽出する。
信号抽出部31は、抽出したそれぞれの第1の周波数の信号を例えば逆FFTすることで、それぞれの第1の周波数の信号を時間領域の信号に変換し、それぞれの時間領域の信号を第1の復調信号S1として仰角算出部32に出力する。
また、信号抽出部31は、抽出したそれぞれの第2の周波数の信号を例えば逆FFTすることで、それぞれの第2の周波数の信号を時間領域の信号に変換し、それぞれの時間領域の信号を第2の復調信号S2として仰角算出部32に出力する。
ここでは、信号抽出部31が、時間領域の信号を第1の復調信号S1として仰角算出部32に出力し、時間領域の信号を第2の復調信号S2として仰角算出部32に出力している。しかし、これは一例に過ぎず、信号抽出部31が、抽出したそれぞれの第1の周波数の信号を仰角算出部32に出力し、抽出したそれぞれの第2の周波数の信号を仰角算出部32に出力すれば、仰角算出部32のフーリエ変換部33が不要になる。
方位角算出部5は、デジタル信号25−1〜25−Nを用いて、DBF処理等を実施する前に、例えば、信号抽出部31と同様の方法で、デジタル信号25−1〜25−Nの全てから、第1の復調信号S1又は第2の復調信号S2を抽出するようにしてもよい。
方位角算出部5は、N個の第1の復調信号S1又はN個の第2の復調信号S2を抽出した場合、N個の第1の復調信号S1又はN個の第2の復調信号S2を用いて、DBF処理又はMIMO処理を実施する。
測角装置1が、符号変調部12を実装しない場合、実施の形態1の測角装置1よりも、処理負荷が軽減される。
図1に示す測角装置1では、1つのアンテナ開口15−1aを有する第1の送信アンテナ15−1と、1つのアンテナ開口15−2aを有する第2の送信アンテナ15−2とを備えている。
実施の形態4では、エレベーション方向に2つのアンテナ開口を有する第1の送信アンテナ61−1と、エレベーション方向に2つのアンテナ開口を有する第2の送信アンテナ61−2とを備える測角装置1について説明する。
図13は、第1の送信アンテナ61−1、第2の送信アンテナ61−2及び受信アンテナ21−1〜21−Nの配置例を示す説明図である。
図14及び図15は、第1のビーム62−3の放射方向のエレベーション角度θB3及び第2のビーム62−4の放射方向のエレベーション角度θB4の一例を示す説明図である。
図15では、エレベーション角度θB3とエレベーション角度θB4とが同じ角度であることを分かり易くするために、第1の送信アンテナ61−1と第2の送信アンテナ61−2とが同じ位置に設置されているものとして表記している。
2つのアンテナ開口61−1−1a,61−1−2aのうち、先端側のアンテナ開口61−1−1aが第1のアンテナ開口であり、基端側のアンテナ開口61−1−2aが第2のアンテナ開口である。
第1の送信アンテナ61−1は、アンテナ開口61−1−1aから第3のビーム62−3を空間に放射する。
図12に示す測角装置1では、第1の送信アンテナ61−1が、アンテナ開口61−1−1aから第3のビーム62−3を空間に放射している。しかし、これは一例に過ぎず、第1の送信アンテナ61−1が、アンテナ開口61−1−2aから第5のビームを空間に放射するようにしてもよい。
2つのアンテナ開口61−2−1a,61−2−2aのうち、先端側のアンテナ開口61−2−1aが第3のアンテナ開口であり、基端側のアンテナ開口61−2−2aが第4のアンテナ開口である。
第2の送信アンテナ61−2は、アンテナ開口61−1−1aから第3のビーム62−3が放射される場合、アンテナ開口61−2−2aから第4のビーム62−4を空間に放射する。
第2の送信アンテナ61−2は、アンテナ開口61−1−2aから第5のビームが放射される場合、アンテナ開口61−2−1aから第6のビームを空間に放射する。
図14及び図15の例では、アンテナ開口61−1−1aから第3のビーム62−3が放射され、アンテナ開口61−2−2aから第4のビーム62−4が放射されている。
第1の送信アンテナ61−1のアジマス方向の設置位置と、第2の送信アンテナ61−2のアジマス方向の設置位置とは、図13及び図14に示すように異なる。
図13及び図14の例では、第1の送信アンテナ61−1と第2の送信アンテナ61−2との配置間隔がDである。
第3のビーム62−3の放射方向のエレベーション角度は、図14及び図15に示すように、θB3であり、第4のビーム62−4の放射方向のエレベーション角度は、図14及び図15に示すように、θB4であり、θB3=θB4である。
第5のビームの放射方向のエレベーション角度と、第6のビームの放射方向のエレベーション角度とは、同一の角度である。
第3の送信アンテナ62−3から放射された第3のビーム62−3は、目標に反射され、目標に反射された第3のビーム62−3は、第3の反射波70−3として、受信アンテナ21−1〜21−Nのそれぞれに受信される。
第2の送信アンテナ61−2から放射された第4のビーム62−4は、目標に反射され、目標に反射された第4のビーム62−4は、第4の反射波70−4として、受信アンテナ21−1〜21−Nのそれぞれに受信される。
第5のビームと第6のビームとが、第1の送信アンテナ61−1及び第2の送信アンテナ61−2のそれぞれから同時刻に放射された場合、第5のビームは、目標に反射され、目標に反射された第5のビームは、第5の反射波として、受信アンテナ21−1〜21−Nのそれぞれに受信される。
第6のビームは、目標に反射され、目標に反射された第6のビームは、第6の反射波として、受信アンテナ21−1〜21−Nのそれぞれに受信される。
図16は、実施の形態4に係る測角装置1における信号処理器7を示す構成図である。図16において、図5と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
信号抽出部71は、例えば、図2に示す信号抽出回路41によって実現される。
信号抽出部71は、例えば、第1の符号C1及び第2の符号C2を記憶している内部メモリを有している。
信号抽出部71は、A/D変換器24−1〜24−Nから出力されたデジタル信号25−1〜25−Nのうち、1つ以上のそれぞれのデジタル信号25−nの中から、第1の符号C1を用いて、第1の復調信号S1を抽出する。
また、信号抽出部71は、1つ以上のそれぞれのデジタル信号25−nの中から、第2の符号C2を用いて、第2の復調信号S2を抽出する。
信号抽出部71は、受信アンテナ21−nと第1の送信アンテナ61−1との間のアジマス方向の距離と、受信アンテナ21−nと第2の送信アンテナ61−2との間のアジマス方向の距離と、アンテナ素子61−1−1の位相中心とアンテナ素子61−2−2の位相中心とのエレベーション方向の距離とに基づいて、第1の復調信号S1の位相及び第2の復調信号S2の位相のそれぞれを補償する。
受信アンテナ21−nは、第1の復調信号S1及び第2の復調信号S2におけるそれぞれの抽出元の受信信号22−nを出力している受信アンテナである。
信号抽出部71は、位相を補償した1つ以上の第1の復調信号S1と、位相を補償した1つ以上の第2の復調信号S2とを仰角算出部72に出力する。
ここでは、信号抽出部71が、第1の符号C1及び第2の符号C2を記憶している内部メモリを有している。しかし、これは一例に過ぎず、信号抽出部71が、外部から、第1の符号C1及び第2の符号C2のそれぞれが与えられるようにしてもよい。
仰角算出部72は、第1の復調信号S1と第2の復調信号S2との和信号と、第1の復調信号S1と第2の復調信号S2との差信号とを用いるモノパルス測角を行うことで、目標の仰角θtgtを算出する。
仰角算出部72は、算出した目標の仰角θtgtを表示器6に出力する。
仰角算出処理部73は、目標候補検出部35から出力された第1の目標信号M1(θtgt)と第2の目標信号M2(θtgt)との和信号Σ(θtgt)を算出する。
仰角算出処理部73は、目標候補検出部35から出力された第1の目標信号M1(θtgt)と第2の目標信号M2(θtgt)との差信号Δ(θtgt)を算出する。
仰角算出処理部73は、和信号Σ(θtgt)と差信号Δ(θtgt)を用いる位相比較モノパルス測角を行うことで、目標の仰角θtgtを算出する。
仰角算出処理部73は、算出した目標の仰角θtgtを表示器6に出力する。
信号処理器7の構成要素及び方位角算出部5は、専用のハードウェアによって実現されるものに限るものではなく、信号処理器7の構成要素及び方位角算出部5が、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現されるものであってもよい。
図17は、信号処理器7及び方位角算出部5の処理手順である測角方法を示すフローチャートである。
図12に示す測角装置1では、第1の送信アンテナ61−1が、アンテナ開口61−1−1aから第3のビーム62−3を空間に放射し、第2の送信アンテナ61−2が、アンテナ開口61−2−2aから第4のビーム62−4を空間に放射する。
第1の送信アンテナ61−1から放射された第3のビーム62−3は、目標に反射され、目標に反射された第3のビーム62−3は、第3の反射波70−3として、受信アンテナ21−1〜21−Nのそれぞれに受信される。
第2の送信アンテナ61−2から放射された第4のビーム62−4は、目標に反射され、目標に反射された第4のビーム62−4は、第4の反射波70−4として、受信アンテナ21−1〜21−Nのそれぞれに受信される。
受信機23−nは、局部発振信号生成部11から出力された局部発振信号を用いて、受信アンテナ21−nから出力された受信信号22−nの周波数を、例えば、RF周波数からIF周波数に低減する。
受信機23−nは、周波数低減後の受信信号22−nをA/D変換器24−nに出力する。
A/D変換器24−nは、受信機23−nから周波数低減後の受信信号22−nを受けると、周波数低減後の受信信号22−nをアナログ信号からデジタル信号25−nに変換し、デジタル信号25−nを信号処理器7及び方位角算出部5のそれぞれに出力する。
信号抽出部71は、1つ以上のそれぞれのデジタル信号25−nの中から、第1の復調信号S1を抽出すればよい。したがって、信号抽出部71は、任意の1つのデジタル信号25−nの中から、第1の復調信号S1を抽出するものであってもよいし、任意の2つのデジタル信号25−nの中から、それぞれ第1の復調信号S1を抽出するものであってもよい。また、信号抽出部71は、N個のデジタル信号25−1〜25−Nの中から、それぞれ第1の復調信号S1を抽出するものであってもよい。
信号抽出部71は、1つ以上のそれぞれのデジタル信号25−nの中から、第2の復調信号S2を抽出すればよい。したがって、信号抽出部71は、任意の1つのデジタル信号25−nの中から、第2の復調信号S2を抽出するものであってもよいし、任意の2つのデジタル信号25−nの中から、それぞれ第2の復調信号S2を抽出するものであってもよい。また、信号抽出部71は、N個のデジタル信号25−1〜25−Nの中から、それぞれ第2の復調信号S2を抽出するものであってもよい。
受信アンテナ21−nは、第1の復調信号S1及び第2の復調信号S2におけるそれぞれの抽出元の受信信号22−nを出力している受信アンテナである。
以下、信号抽出部71による位相補償処理を具体的に説明する。
差Hは、図18に示すように、アンテナ素子61−1−1の位相中心O3−1におけるエレベーション方向の位置と、アンテナ素子61−2−2の位相中心O4−2におけるエレベーション方向の位置との差である。位相中心O3−1におけるエレベーション方向の位置は、アンテナ開口61−1−1aにおけるエレベーション方向の位置である。位相中心O4−2におけるエレベーション方向の位置は、アンテナ開口61−2−2aにおけるエレベーション方向の位置である。
図18は、仰角算出処理部73による位相比較モノパルス測角を示す説明図である。
仰角算出処理部73が、位相比較モノパルス測角を行う場合、アジマス方向の位置の差によって、受信信号22−nに位相差が生じていなければ、設置位置の差Hがあれば、目標の仰角θtgtを正しく測角することができる。
しかし、アジマス方向の位置の差によって、受信信号22−nに位相差が生じている場合、仰角算出処理部73が、位相比較モノパルス測角を行っても、目標の仰角θtgtを正しく測角できないことがある。
この場合、アンテナ素子61−1−1のアレー応答ベクトルv3は、以下の式(7)のように表され、アンテナ素子61−2−2のアレー応答ベクトルv4は、以下の式(8)のように表される。
信号抽出部71が、第1の送信アンテナ61−1と第2の送信アンテナ61−2とのX軸の位置が、仮想的に同じ位置に配置されるように位相補償を行えば、仰角算出部72による仰角θtgtの算出精度が高まることがある。
信号抽出部71は、位相を補償した1つ以上の第1の復調信号S1と、位相を補償した1つ以上の第2の復調信号S2とをフーリエ変換部33に出力する。
フーリエ変換部33は、信号抽出部71から1つ以上の第2の復調信号S2を受けると、それぞれの第2の復調信号S2をFFTすることで、それぞれの第2の復調信号S2を周波数領域の信号FS2に変換する(図17のステップST12)。
フーリエ変換部33は、1つ以上の周波数領域の信号FS1と、1つ以上の周波数領域の信号FS2とを積分部34に出力する。
積分部34は、フーリエ変換部33から複数の周波数領域の信号FS2を受けると、複数の周波数領域の信号FS2をインコヒーレント積分する(図17のステップST13)。
積分部34は、周波数領域の信号FS1のインコヒーレント積分結果として、第1の積分信号IC1を目標候補検出部35に出力し、周波数領域の信号FS2のインコヒーレント積分結果として、第2の積分信号IC2を目標候補検出部35に出力する。
積分部34は、フーリエ変換部33から出力された周波数領域の信号FS1の数が1つであれば、周波数領域の信号FS1を第1の積分信号IC1として目標候補検出部35に出力する。
また、積分部34は、フーリエ変換部33から出力された周波数領域の信号FS2の数が1つであれば、周波数領域の信号FS2を第2の積分信号IC2として目標候補検出部35に出力する。
目標候補検出部35は、積分部34から第2の積分信号IC2を受けると、例えば、第2の積分信号IC2を用いるCFAR処理を実施することで、目標候補の振幅を示す第2の目標信号M2(θtgt)を算出する(図17のステップST14)。
目標候補検出部35は、第1の目標信号M1(θtgt)及び第2の目標信号M2(θtgt)のそれぞれを仰角算出処理部73に出力する。
式(9)において、Mtgtは、目標信号の振幅である。
和信号Σ(θtgt)と差信号Δ(θtgt)は、振幅Mtgtが等しく、位相差γtgtが異なっている。
式(11)及び式(12)より、目標の仰角θtgtは、以下の式(13)のように表される。
仰角算出処理部73は、位相比較モノパルス測角として、算出した和信号Σ(θtgt)と差信号Δ(θtgt)とを式(13)に代入して、目標の仰角θtgtを算出する(図17のステップST17)。
仰角算出処理部73は、算出した目標の仰角θtgtを表示器6に出力する。
方位角算出部5は、算出した目標の方位角φtgtを表示器6に出力する。
ここでは、方位角算出部5が、DBF処理を実施することで、目標の方位角φtgtを算出している。しかし、これは一例に過ぎず、方位角算出部5が、デジタル信号25−1〜25−Nを用いて、MIMO処理を実施することで、目標の方位角φtgtを算出するようにしてもよい。
方位角算出部5が、DBF処理又はMIMO処理を実施することで、グレーティングローブの発生を抑圧することができる。
方位角算出部5は、信号抽出部31により位相が補償されたN個の第1の復調信号S1又はN個の第2の復調信号S2を用いて、DBF処理又はMIMO処理を実施することで、目標の方位角φtgtを算出する。
図19は、第1の送信アンテナ61−1、第2の送信アンテナ61−2及び受信アンテナ21−1〜21−Nの配置例を示す説明図である。
図19の例では、第1の送信アンテナ61−1が、2つのアンテナ開口61−1−1a,61−1−2aのうち、アンテナ開口61−1−1aから第3のビーム62−3を放射し、第2の送信アンテナ61−2が、アンテナ開口61−2−2aから第4のビーム62−4を放射する。
第2の送信アンテナ61−2が有するアンテナ開口61−2−2aは、アンテナ開口61−1−1aとエレベーション方向に距離Hだけ離れている。
第2の送信アンテナ61−2の長さは、第1の送信アンテナ61−1の長さの半分である。
第1の送信アンテナ61−1のアジマス方向の設置位置と、第2の送信アンテナ61−2のアジマス方向の設置位置とは、図19に示すように異なる。
図19の例では、第1の送信アンテナ61−1と第2の送信アンテナ61−2との配置間隔がDである。
第3のビーム62−3の放射方向のエレベーション角度θB3と、第4のビーム62−4の放射方向のエレベーション角度θB4とは、同一の角度である。θB3=θB4である。
1つのアンテナ開口61−2−2aのみを有する第2の送信アンテナ61−2を備える測角装置1でも、目標の仰角を算出しつつ、1つの受信アンテナを利用する場合よりも、目標の方位角を高分解能で算出することができる。
図12に示す測角装置1では、ビーム送信部2が、第3のビーム62−3と第4のビーム62−4とを同時刻に放射している。
実施の形態5では、ビーム送信部2が、第3のビーム62−3と第4のビーム62−4とを時分割で放射する測角装置1について説明する。
実施の形態5の測角装置1では、説明の便宜上、ビーム送信部2が、第3のビーム62−3を放射してから、第4のビーム62−4を放射するものとする。
実施の形態5の測角装置1の構成は、実施の形態4と同様に、図12である。ただし、ビーム送信部2が、第3のビーム62−3と第4のビーム62−4とを時分割で放射する場合、局部発振信号に対して、第1の符号C1及び第2の符号C2のそれぞれを付与することなく、第1の復調信号S1及び第2の復調信号S2のそれぞれを抽出することができる。したがって、測角装置1は、符号変調部12を実装していなくてもよいが、局部発振信号に対して、第1の符号C1及び第2の符号C2のそれぞれを付与してもよいため、測角装置1が、符号変調部12を実装していてもよい。
第1の送信アンテナ61−1から放射された第3のビーム62−3は、目標に反射され、目標に反射された第3のビーム62−3は、第3の反射波70−3として、受信アンテナ21−1〜21−Nのそれぞれに受信される。
受信機23−nは、局部発振信号生成部11から出力された局部発振信号を用いて、受信アンテナ21−nから出力された受信信号22−nの周波数を、例えば、RF周波数からIF周波数に低減する。
受信機23−nは、周波数低減後の受信信号22−nをA/D変換器24−nに出力する。
A/D変換器24−nは、受信機23−nから周波数低減後の受信信号22−nを受けると、周波数低減後の受信信号22−nをアナログ信号からデジタル信号25−nに変換し、デジタル信号25−nを信号処理器7及び方位角算出部5のそれぞれに出力する。
方位角算出部5は、A/D変換器24−1〜24−Nからデジタル信号25−1〜25−Nを受けると、実施の形態1と同様に、デジタル信号25−1〜25−Nを用いて、DBF処理又はMIMO処理を実施することで、目標の方位角φtgtを算出する。
第2の送信アンテナ61−2から放射された第4のビーム62−4は、目標に反射され、目標に反射された第4のビーム62−4は、第4の反射波70−4として、受信アンテナ21−1〜21−Nのそれぞれに受信される。
受信機23−nは、局部発振信号生成部11から出力された局部発振信号を用いて、受信アンテナ21−nから出力された受信信号22−nの周波数を、例えば、RF周波数からIF周波数に低減する。
受信機23−nは、周波数低減後の受信信号22−nをA/D変換器24−nに出力する。
A/D変換器24−nは、受信機23−nから周波数低減後の受信信号22−nを受けると、周波数低減後の受信信号22−nをアナログ信号からデジタル信号25−nに変換し、デジタル信号25−nを信号処理器7及び方位角算出部5のそれぞれに出力する。
方位角算出部5は、A/D変換器24−1〜24−Nからデジタル信号25−1〜25−Nを受けると、実施の形態1と同様に、デジタル信号25−1〜25−Nを用いて、DBF処理又はMIMO処理を実施することで、目標の方位角φtgtを算出する。
仰角算出部72の処理内容は、実施の形態4と同様であるため、詳細な説明を省略する。
測角装置1が、符号変調部12を実装しない場合、実施の形態4の測角装置1よりも、処理負荷が軽減される。
図12に示す測角装置1では、第1の送信アンテナ61−1から放射される第3のビーム62−3の周波数と、第2の送信アンテナ61−2から放射される第4のビーム62−4の周波数とが同じである。
実施の形態6では、第1の送信アンテナ61−1から放射される第3のビーム62−3の周波数と、第2の送信アンテナ61−2から放射される第4のビーム62−4の周波数とが異なる測角装置1について説明する。
第3のビーム62−3の周波数が第1の周波数であり、第3のビーム62−3の周波数が第2の周波数であるとする。
実施の形態6の測角装置1の構成は、実施の形態4と同様に、図12である。ただし、第1の送信アンテナ61−1から放射される第3のビーム62−3の周波数と、第2の送信アンテナ61−2から放射される第4のビーム62−4の周波数とが異なる場合、局部発振信号に対して、第1の符号C1及び第2の符号C2のそれぞれを付与することなく、第1の復調信号S1及び第2の復調信号S2のそれぞれを抽出することができる。したがって、測角装置1は、符号変調部12を実装していなくてもよいが、局部発振信号に対して、第1の符号C1及び第2の符号C2のそれぞれを付与してもよいため、測角装置1が、符号変調部12を実装していてもよい。
信号抽出部71は、A/D変換器24−1〜24−Nから出力されたデジタル信号25−1〜25−Nのうち、1つ以上のそれぞれのデジタル信号25−nを例えばFFTすることで、それぞれのデジタル信号25−nを周波数領域の信号に変換する。
信号抽出部71は、それぞれの周波数領域の信号の中から、第1の周波数の信号を抽出し、それぞれの周波数領域の信号の中から、第2の周波数の信号を抽出する。
信号抽出部71は、抽出したそれぞれの第1の周波数の信号を例えば逆FFTすることで、それぞれの第1の周波数の信号を時間領域の信号に変換し、それぞれの時間領域の信号を第1の復調信号S1として仰角算出部72に出力する。
また、信号抽出部71は、抽出したそれぞれの第2の周波数の信号を例えば逆FFTすることで、それぞれの第2の周波数の信号を時間領域の信号に変換し、それぞれの時間領域の信号を第2の復調信号S2として仰角算出部72に出力する。
方位角算出部5は、デジタル信号25−1〜25−Nを用いて、DBF処理等を実施する前に、例えば、信号抽出部71と同様の方法で、デジタル信号25−1〜25−Nの全てから、N個の第1の復調信号S1又はN個の第2の復調信号S2を抽出するようにしてもよい。
方位角算出部5は、N個の第1の復調信号S1又はN個の第2の復調信号S2を抽出した場合、N個の第1の復調信号S1又はN個の第2の復調信号S2を用いて、DBF処理又はMIMO処理を実施する。
測角装置1が、符号変調部12を実装しない場合、実施の形態4の測角装置1よりも、処理負荷が軽減される。
図20は、実施の形態1〜6のうち、いずれかの実施の形態に係る測角装置1を含む車載装置を示す構成図である。
いずれかの実施の形態に係る測角装置1を含む車載装置は、測角装置1を用いて、他の車両、歩行者、ガードレール又は電柱などを目標とし、目標の仰角θtgt及び目標の方位角φtgtのそれぞれを算出する。
Claims (12)
- 第1の送信アンテナから第1のビームが放射され、アジマス方向の設置位置が前記第1の送信アンテナと異なる第2の送信アンテナから、放射方向のエレベーション角度が前記第1のビームと異なる第2のビームが放射されたのち、前記第1の送信アンテナと前記第2の送信アンテナとの間に配置されている複数の受信アンテナのそれぞれから、前記第1のビームが目標に反射された第1の反射波と、前記第2のビームが前記目標に反射された第2の反射波とを含む受信信号が出力されると、
前記複数の受信アンテナのうち、1つ以上の受信アンテナから出力された受信信号の中から、前記第1の反射波を含み、前記第2の反射波を含まない信号を第1の復調信号として抽出し、前記第2の反射波を含み、前記第1の反射波を含まない信号を第2の復調信号として抽出する信号抽出部と、
前記第1の復調信号と前記第2の復調信号との和信号と、前記第1の復調信号と前記第2の復調信号との差信号とを用いるモノパルス測角を行うことで、前記目標の仰角を算出する仰角算出部と、
前記複数の受信アンテナから出力された受信信号を用いて、前記目標の方位角を算出する方位角算出部と
を備えた測角装置。 - 前記第1のビームを放射する第1の送信アンテナと、
アジマス方向の設置位置が前記第1の送信アンテナと異なり、前記第2のビームを放射する第2の送信アンテナと、
前記第1の送信アンテナと前記第2の送信アンテナとの間に配置されており、前記第1の反射波及び前記第2の反射波のそれぞれを受信し、前記第1の反射波と前記第2の反射波とを含む受信信号を前記信号抽出部に出力する複数の受信アンテナと
を備えたことを特徴とする請求項1記載の測角装置。 - 前記第1の送信アンテナから第1の符号が付与されている第1のビームが放射され、前記第2の送信アンテナから、前記第1の符号と異なる第2の符号が付与されている第2のビームが放射され、
前記信号抽出部は、前記1つ以上の受信アンテナから出力された受信信号の中から、前記第1の符号を用いて、前記第1の復調信号を抽出し、前記1つ以上の受信アンテナから出力された受信信号の中から、前記第2の符号を用いて、前記第2の復調信号を抽出することを特徴とする請求項1記載の測角装置。 - 前記第1のビームと前記第2のビームとが時分割で放射されており、
前記信号抽出部は、前記第1の送信アンテナから第1のビームが放射されたとき、前記1つ以上の受信アンテナから出力された受信信号を前記第1の復調信号として前記仰角算出部に出力し、前記第2の送信アンテナから第2のビームが放射されたとき、前記1つ以上の受信アンテナから出力された受信信号を前記第2の復調信号として前記仰角算出部に出力することを特徴とする請求項1記載の測角装置。 - 前記第1の送信アンテナから放射される第1のビームの周波数が第1の周波数であり、前記第2の送信アンテナから放射される第2のビームの周波数が、前記第1の周波数と異なる第2の周波数であり、
前記信号抽出部は、前記1つ以上の受信アンテナから出力された受信信号の中から、前記第1の周波数の信号を前記第1の復調信号として抽出し、前記第2の周波数の信号を前記第2の復調信号として抽出することを特徴とする請求項1記載の測角装置。 - 前記信号抽出部は、前記第1及び第2の復調信号の抽出元の受信信号を出力している受信アンテナと前記第1の送信アンテナとの間のアジマス方向の距離と、前記抽出元の受信信号を出力している受信アンテナと前記第2の送信アンテナとの間のアジマス方向の距離とに基づいて、前記第1の復調信号の位相及び前記第2の復調信号の位相のそれぞれを補償し、位相を補償した第1の復調信号及び位相を補償した第2の復調信号のそれぞれを前記仰角算出部に出力することを特徴とする請求項1記載の測角装置。
- エレベーション方向に2つのアンテナ開口を有する第1の送信アンテナと、
アジマス方向の設置位置が前記第1の送信アンテナと異なり、エレベーション方向に2つのアンテナ開口を有する第2の送信アンテナと、
前記第1の送信アンテナと前記第2の送信アンテナとの間に配置されている複数の受信アンテナとを備え、
前記第1の送信アンテナが有する2つのアンテナ開口のうち、先端側のアンテナ開口が第1のアンテナ開口、基端側のアンテナ開口が第2のアンテナ開口であり、
前記第2の送信アンテナが有する2つのアンテナ開口のうち、先端側のアンテナ開口が第3のアンテナ開口、基端側のアンテナ開口が第4のアンテナ開口であり、
前記第1のアンテナ開口のエレベーション方向の位置と、前記第4のアンテナ開口のエレベーション方向の位置とが異なり、
前記第2のアンテナ開口のエレベーション方向の位置と、前記第3のアンテナ開口のエレベーション方向の位置とが異なり、
前記第1の送信アンテナから前記第1のビームが放射されて、前記第2の送信アンテナから前記第2のビームが放射される代わりに、
前記第1のアンテナ開口から第3のビームが放射されて、前記第4のアンテナ開口から、放射方向のエレベーション角度が前記第3のビームと同一の第4のビームが放射され、又は、前記第2のアンテナ開口から第5のビームが放射されて、前記第3のアンテナ開口から、放射方向のエレベーション角度が前記第5のビームと同一の第6のビームが放射され、
前記複数の受信アンテナのそれぞれから、前記第3のビームが前記目標に反射された第3の反射波と、前記第4のビームが前記目標に反射された第4の反射波とを含む受信信号が出力され、又は、前記複数の受信アンテナのそれぞれから、前記第5のビームが前記目標に反射された第5の反射波と、前記第6のビームが前記目標に反射された第6の反射波とを含む受信信号が出力されると、
前記信号抽出部は、前記複数の受信アンテナのうち、1つ以上の受信アンテナから出力された受信信号の中から、前記第3の反射波を含み、前記第4の反射波を含まない信号を前記第1の復調信号として抽出し、前記第4の反射波を含み、前記第3の反射波を含まない信号を前記第2の復調信号として抽出し、又は、前記1つ以上の受信アンテナから出力された受信信号の中から、前記第5の反射波を含み、前記第6の反射波を含まない信号を前記第1の復調信号として抽出し、前記第6の反射波を含み、前記第5の反射波を含まない信号を前記第2の復調信号として抽出することを特徴とする請求項1記載の測角装置。 - 前記信号抽出部は、前記第1及び第2の復調信号の抽出元の受信信号を出力している受信アンテナと前記第1の送信アンテナとの間のアジマス方向の距離と、前記抽出元の受信信号を出力している受信アンテナと前記第2の送信アンテナとの間のアジマス方向の距離と、前記第1のアンテナ開口と前記第4のアンテナ開口との間のエレベーション方向の距離、又は、前記第2のアンテナ開口と前記第3のアンテナ開口との間のエレベーション方向の距離とに基づいて、前記第1の復調信号の位相及び前記第2の復調信号の位相のそれぞれを補償し、位相を補償した第1の復調信号及び位相を補償した第2の復調信号のそれぞれを前記仰角算出部に出力することを特徴とする請求項7記載の測角装置。
- エレベーション方向に2つのアンテナ開口を有する第1の送信アンテナと、
アジマス方向の設置位置が前記第1の送信アンテナと異なり、長さが前記第1の送信アンテナの長さの半分である第2の送信アンテナと、
前記第1の送信アンテナと前記第2の送信アンテナとの間に配置されている複数の受信アンテナとを備え、
前記第1の送信アンテナが有する2つのアンテナ開口のうち、先端側のアンテナ開口が第1のアンテナ開口、基端側のアンテナ開口が第2のアンテナ開口であり、
前記第1のアンテナ開口のエレベーション方向の位置又は前記第2のアンテナ開口のエレベーション方向の位置と、前記第2の送信アンテナのエレベーション方向の位置とが異なり、
前記第1の送信アンテナから前記第1のビームが放射されて、前記第2の送信アンテナから前記第2のビームが放射される代わりに、
前記第1のアンテナ開口のエレベーション方向の位置と、前記第2の送信アンテナのエレベーション方向の位置とが異なっていれば、前記第1のアンテナ開口から第3のビームが放射されて、前記第2の送信アンテナから、放射方向のエレベーション角度が前記第3のビームと同一の第4のビームが放射され、
前記第2のアンテナ開口のエレベーション方向の位置と、前記第2の送信アンテナのエレベーション方向の位置とが異なっていれば、前記第2のアンテナ開口から第5のビームが放射されて、前記第2の送信アンテナから、放射方向のエレベーション角度が前記第5のビームと同一の第6のビームが放射され、
前記複数の受信アンテナのそれぞれから、前記第3のビームが前記目標に反射された第3の反射波と、前記第4のビームが前記目標に反射された第4の反射波とを含む受信信号が出力され、又は、前記複数の受信アンテナのそれぞれから、前記第5のビームが前記目標に反射された第5の反射波と、前記第6のビームが前記目標に反射された第6の反射波とを含む受信信号が出力されると、
前記信号抽出部は、前記複数の受信アンテナのうち、1つ以上の受信アンテナから出力された受信信号の中から、前記第3の反射波を含み、前記第4の反射波を含まない信号を前記第1の復調信号として抽出し、前記第4の反射波を含み、前記第3の反射波を含まない信号を前記第2の復調信号として抽出し、又は、前記1つ以上の受信アンテナから出力された受信信号の中から、前記第5の反射波を含み、前記第6の反射波を含まない信号を前記第1の復調信号として抽出し、前記第6の反射波を含み、前記第5の反射波を含まない信号を前記第2の復調信号として抽出することを特徴とする請求項1記載の測角装置。 - 前記方位角算出部は、前記複数の受信アンテナから出力された受信信号を用いて、DBF(Digital Beam Forming)処理、又は、MIMO(Multi Input Multi Output)処理を実施することで、前記目標の方位角を算出することを特徴とする請求項1記載の測角装置。
- 第1の送信アンテナから第1のビームが放射され、アジマス方向の設置位置が前記第1の送信アンテナと異なる第2の送信アンテナから、放射方向のエレベーション角度が前記第1のビームと異なる第2のビームが放射されたのち、前記第1の送信アンテナと前記第2の送信アンテナとの間に配置されている複数の受信アンテナのそれぞれから、前記第1のビームが目標に反射された第1の反射波と、前記第2のビームが前記目標に反射された第2の反射波とを含む受信信号が出力されると、
信号抽出部が、前記複数の受信アンテナのうち、1つ以上の受信アンテナから出力された受信信号の中から、前記第1の反射波を含み、前記第2の反射波を含まない信号を第1の復調信号として抽出し、前記第2の反射波を含み、前記第1の反射波を含まない信号を第2の復調信号として抽出し、
仰角算出部が、前記第1の復調信号と前記第2の復調信号との和信号と、前記第1の復調信号と前記第2の復調信号との差信号とを用いるモノパルス測角を行うことで、前記目標の仰角を算出し、
方位角算出部が、前記複数の受信アンテナから出力された受信信号を用いて、前記目標の方位角を算出する
測角方法。 - 車両に実装されており、目標の仰角及び前記目標の方位角のそれぞれを算出する測角装置を備えた車載装置であり、
前記測角装置は、
第1の送信アンテナから第1のビームが放射され、アジマス方向の設置位置が前記第1の送信アンテナと異なる第2の送信アンテナから、放射方向のエレベーション角度が前記第1のビームと異なる第2のビームが放射されたのち、前記第1の送信アンテナと前記第2の送信アンテナとの間に配置されている複数の受信アンテナのそれぞれから、前記第1のビームが目標に反射された第1の反射波と、前記第2のビームが前記目標に反射された第2の反射波とを含む受信信号が出力されると、
前記複数の受信アンテナのうち、1つ以上の受信アンテナから出力された受信信号の中から、前記第1の反射波を含み、前記第2の反射波を含まない信号を第1の復調信号として抽出し、前記第2の反射波を含み、前記第1の反射波を含まない信号を第2の復調信号として抽出する信号抽出部と、
前記第1の復調信号と前記第2の復調信号との和信号と、前記第1の復調信号と前記第2の復調信号との差信号とを用いるモノパルス測角を行うことで、前記目標の仰角を算出する仰角算出部と、
前記複数の受信アンテナから出力された受信信号を用いて、前記目標の方位角を算出する方位角算出部と
を備えていることを特徴とする車載装置。
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